JP2021188589A - 単気筒エンジンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】電動ポンプ装置を備えつつ単気筒エンジンユニットのカムシャフトの回転中心軸線の方向の大型化を抑制することができ、かつ、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる、単気筒エンジンユニットを提供する。【解決手段】電動ポンプ装置46は、電動モータ46A2を有し、冷却液経路41を流れる冷却液を圧送する。電動ポンプ装置46の少なくとも一部分は、エンジン本体20の外部に位置する。電動ポンプ装置46は、電動モータ46A2の出力軸の回転中心軸線であるモータ軸線46Xがカム軸線31Xと同軸にならないように、エンジン本体20のシリンダ軸線20Xの方向の端部にあるヘッドカバー20Eに支持される。【選択図】図1

Description

本発明は、単気筒エンジンユニットに関する。
特許文献1に開示された単気筒エンジンユニットは、冷却液経路と、冷却液経路を流れる冷却液を圧送する機械式ポンプ装置と、を有する。機械式ポンプ装置は、カムシャフトに接続されている。機械式ポンプ装置のポンプ機構は、カムシャフトの回転力を受けて作動する。カムシャフトは、エンジン本体の構成部材であるシリンダヘッドに支持されている。機械式ポンプ装置は、シリンダヘッドの外面に固定されている。より詳細には、機械式ポンプ装置は、シリンダヘッドのカムシャフトの回転中心軸線の方向の端に位置する面に固定されている。
特許文献2に開示された単気筒エンジンユニットは、冷却液経路を流れる冷却液を圧送する電動ポンプ装置を有する。電動ポンプ装置は、電動モータと、電動モータによって作動するポンプ機構とを有する。
特開2019−138227号公報 特開昭60−142010公報
仮に、特許文献1の単気筒エンジンユニットの機械式ポンプ装置を、特許文献2の電動ポンプ装置に置き換えた場合、電動ポンプ装置は、シリンダヘッドのカムシャフトの回転中心軸線の端面に固定される。この場合、冷却液経路を大きく設計変更する必要がない。
しかし、電動ポンプ装置は電動モータを有しているため、電動ポンプ装置は機械式ポンプ装置に比べて、ポンプ機構の回転中心軸線の方向の寸法が大きい。そのため、もし、シリンダヘッドのカムシャフトの回転中心軸線の方向の端面に電動ポンプ装置が固定されると、電動ポンプ装置がシリンダヘッドのカムシャフトの回転中心軸線の方向の端面からカムシャフトの回転中心軸線の方向に大きく突出する。つまり、単気筒エンジンユニットが、カムシャフトの回転中心軸線の方向に大型化する。
本発明は、電動ポンプ装置を備えつつ単気筒エンジンユニットのカムシャフトの回転中心軸線の方向の大型化を抑制することができ、かつ、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる、単気筒エンジンユニットを提供することを目的とする。
本願発明者らは、本発明の目的を実現するために、単気筒エンジンユニットおよび電動ポンプを研究した結果、電動ポンプ装置がヘッドカバーに支持されるように単気筒エンジンユニットを構成することを思いついた。
電動ポンプ装置は電動モータを有しているため、電動ポンプ装置とカムシャフトとを接続する必要がない。そのため、電動ポンプ装置は、配置位置およびポンプ機構の回転中心軸線の方向の制約を受けない。しかし、電動ポンプ装置を配置するための空間を確保する必要がある。一般的に、単気筒エンジンユニットが搭載される装置(例えば車両)は、多気筒エンジンユニットが搭載される装置に比べて、小型である。そのため、単気筒エンジンユニットが搭載される装置において、エンジン本体の周囲には空きペースが少ない。しかし、一般的に、単気筒エンジンのヘッドカバーの周囲は、シリンダヘッドの周囲よりも電動ポンプ装置を配置可能な大きさの空間を確保しやすい。そのため、電動ポンプ装置をヘッドカバーに支持させることができる。しかも、電動ポンプ装置がヘッドカバーに支持される場合は、電動ポンプ装置がシリンダヘッドに支持される場合と比べて、電動ポンプ装置のレイアウトの自由度が高くなる。そのため、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置のレイアウトを、単気筒エンジンユニットのカムシャフトの回転中心軸線の方向の大型化を抑制できるレイアウトにすることができる。
シリンダヘッドからヘッドカバーまでの距離は短い。そのため、ヘッドカバーに電動ポンプ装置が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路は、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路とほぼ同一構造にすることが可能である。そのため、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
(1)本発明の単気筒エンジンユニットは、エンジン本体の一部であって、シリンダボアを1つのみ有するシリンダボディと、前記エンジン本体の一部であって、前記シリンダボアの中心軸線であるシリンダ軸線の方向における前記シリンダボディの端部に接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドの前記シリンダ軸線の方向の端部に接続され、前記エンジン本体の前記シリンダ軸線の方向の端部にあるヘッドカバーと、一部が前記エンジン本体の内部に形成され、かつ、冷却液が循環する冷却液経路と、前記シリンダヘッドに支持され、前記シリンダ軸線に平行な直線と直交するカム軸線まわりに回転するカムシャフトと、電動モータを有し、前記冷却液経路を流れる冷却液を圧送する電動ポンプ装置と、を備える。前記電動ポンプ装置の少なくとも一部分は、前記エンジン本体の外部に位置する。前記電動ポンプ装置は、前記電動モータの出力軸の回転中心軸線であるモータ軸線が前記カム軸線と同軸にならないように、前記ヘッドカバーに支持される。
一般的に、単気筒エンジンユニットのヘッドカバーの周囲は、シリンダヘッドの周囲よりも電動ポンプ装置を配置可能な大きさの空間を確保しやすい。そのため、電動ポンプ装置がヘッドカバーに支持されることにより、電動ポンプ装置がシリンダヘッドに支持される場合と比べて、電動ポンプ装置のレイアウトの自由度が高くなる。そのため、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置のレイアウトを、単気筒エンジンユニットのカム軸線の方向の大型化を抑制するレイアウトにすることができる。
また、シリンダヘッドからヘッドカバーまでの距離は短い。そのため、ヘッドカバーに電動ポンプ装置が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路は、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路とほぼ同一構造にすることが可能である。そのため、本発明の単気筒エンジンユニットは、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
以上のように、電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットのカムシャフトの回転中心軸線の方向の大型化を抑制することができ、かつ、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
(2)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記電動ポンプ装置が、前記カム軸線および前記シリンダ軸線のいずれかと平行な第1方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第1部位と、前記第1部位とは異なる部位であって、前記第1方向と直交する第2方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第2部位と、を有する。
この構成によると、電動ポンプ装置全体がカム軸線と平行な方向にシリンダヘッドと並んでいる場合に比べて、単気筒エンジンユニットのカム軸線の方向の大型化を抑制できる。
また、電動ポンプ装置全体がシリンダ軸線と平行な方向にシリンダヘッドと並んでいる場合に比べて、単気筒エンジンユニットのシリンダ軸線の方向の大型化を抑制できる。
さらに、電動ポンプ装置全体がカム軸線とシリンダ軸線の両方に直交する直線と平行な方向にシリンダヘッドと並んでいる場合に比べて、単気筒エンジンユニットのカム軸線とシリンダ軸線の両方に直交する方向の大型化を抑制できる。
このように、電動ポンプ装置を備える単気筒エンジンユニットのカム軸線の方向の大型化をより確実に抑制できる。
(3)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1方向が、前記シリンダ軸線と平行である。
この構成によると、電動ポンプ装置は、シリンダ軸線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ部位を有するように配置される。このような電動ポンプ装置の配置は、ヘッドカバーがエンジン本体のシリンダ軸線方向の端部にあるからこそ可能である。そのため、電動ポンプ装置がシリンダヘッドに支持される場合と比べて、電動ポンプ装置を備える単気筒エンジンユニットのカム軸線の方向の大型化をより確実に抑制できる。
(4)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(2)または(3)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記電動ポンプ装置が、小径部と、前記モータ軸線の方向に前記小径部と並んでおり、前記モータ軸線を中心とする径方向の最大寸法が、前記小径部の前記モータ軸線を中心とする径方向の最大寸法よりも大きい大径部と、を有する。前記大径部の一部が、前記モータ軸線に平行な方向に前記ヘッドカバーと並び、前記第1部位または第2部位である。前記小径部の少なくとも一部が、前記モータ軸線と直交する方向に前記ヘッドカバーと並び、前記大径部の前記一部が前記第1部位の場合に前記第2部位であって、前記大径部の前記一部が前記第2部位の場合に前記第1部位である。
この構成によると、電動ポンプ装置は、モータ軸線を中心とした径方向の長さが互いに異なる大径部と小径部とを有する。大径部の一部が、モータ軸線の方向にヘッドカバーと並ぶ。一般的に、電動ポンプ装置は、モータ軸線の方向の長さが、モータ軸線に直交する方向の長さよりも長い。そのため、大径部の一部がモータ軸線の方向にヘッドカバーと並ぶことにより、大径部がモータ軸線の方向にヘッドカバーと並んでいない場合に比べて、電動ポンプ装置とヘッドカバーとの間に不要なスペースが生じにくい。したがって、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制しやすい。
(5)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(2)〜(4)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記モータ軸線に直交する方向に見たとき、前記大径部が、前記ヘッドカバーと重ならない。
この構成によると、電動ポンプ装置とヘッドカバーとの間に不要なスペースが生じにくい。したがって、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制しやすい。
(6)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(4)または(5)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記電動ポンプ装置が、前記電動モータが収容される第1筒部と、供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容される第2筒部と、前記第1筒部の端部に接続される第1フランジと、前記第2筒部の端部に接続され、前記第1フランジと接触した状態で前記第1フランジに固定される前記第2フランジと、を有する。前記第1フランジまたは前記第2フランジが、前記大径部である。前記第1筒部の少なくとも一部または前記第2筒部の少なくとも一部が、前記小径部である。
(7)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(6)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記冷却液経路が、前記エンジン本体の外部に位置し、前記第2筒部に接続された外部冷却液経路を有する。前記モータ軸線に直交する方向に見たときに、前記第1フランジの一部および前記第2フランジの一部が、前記ヘッドカバーと前記外部冷却液経路の一部との間に位置する。
この構成によると、第1フランジおよび第2フランジは、ヘッドカバーと外部冷却液経路との間の隙間を利用して配置される。そのため、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制しやすい。
(8)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記モータ軸線が、前記カム軸線と平行であるか、前記シリンダ軸線と平行であるか、前記カム軸線と前記シリンダ軸線の両方に直交する直線と平行である。
この構成によると、モータ軸線がカム軸線に対して斜めである場合に比べて、電動ポンプ装置を単気筒エンジンユニットが搭載される装置(例えば車両)の空きスペースに効率よく配置しやすい。
(9)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記モータ軸線が、前記シリンダ軸線と直交する直線と平行である。前記電動ポンプ装置が、前記シリンダ軸線と平行な方向に前記ヘッドカバーと並び、かつ、前記シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第3部位を有する。
この構成によると、例えば、電動ポンプ装置の第3部位は、ヘッドカバーに形成されたシリンダ軸線と平行な方向に対して傾斜する傾斜面と向かい合うように配置されてもよい。また、例えば、電動ポンプ装置の第3部位は、シリンダ軸線と平行な方向にヘッドカバーと並び、かつ、シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶようにヘッドカバーと一体成形されもよい。
上記の構成によると、シリンダ軸線と直交する直線と平行なモータ軸線を有する電動ポンプ装置が、シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ部位を有さない場合と比べて、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットのシリンダ軸線の方向の大型化を抑制できる。
また、上記の構成によると、シリンダ軸線と直交する直線と平行なモータ軸線を有する電動ポンプ装置が、シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ部位を有し、その部位がシリンダ軸線と平行な方向にヘッドカバーと並ばない場合と比べて、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットのシリンダ軸線に直交する方向の大型化を抑制できる。
(10)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記電動ポンプ装置が、前記電動モータが収容されるモータケースと、供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容されるポンプケースと、を有する。前記ポンプケースが、前記モータケースを介して、前記ヘッドカバーに支持される。
一般的に、電動モータは、単位体積あたりの重量がポンプ機構よりも大きい。そのため、上記構成によると、電動モータを収容するモータケースがポンプケースを介してヘッドカバーに接続される場合と比べて、より簡単な支持構造によって、電動ポンプ装置をヘッドカバーに安定的に支持できる。
(11)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記カム軸線の方向に見たときに、前記電動ポンプ装置が、前記シリンダ軸線から離れている。
(12)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(11)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記エンジン本体が、排気口および吸気口が形成された燃焼室を有する。前記カム軸線と平行かつ前記シリンダ軸線を含む平面で区切られる2つの空間の一方に、前記排気口全体および前記電動ポンプ装置全体が位置する。
(13)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記電動ポンプ装置が、前記カム軸線と直交しかつ前記シリンダ軸線を含む平面と交差する。
(14)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記冷却液経路内を流れる冷却液の温度を検出する温度センサと、前記電動ポンプ装置を制御する制御装置と、を備える。前記冷却液経路が、前記エンジン本体の外面に形成され、冷却液が前記エンジン本体の外部から前記エンジン本体の内部に移動するときに通過する入口と、前記エンジン本体の外面に形成され、冷却液が前記エンジン本体の内部から前記エンジン本体の外部へと移動するときに通過し、前記単気筒エンジンユニットが搭載される車両の上下方向において前記入口よりも上方に位置する出口と、を有する。前記冷却液経路において、前記温度センサと前記入口との間の距離よりも、前記温度センサと前記出口との間の距離が短い。前記制御装置が、前記温度センサが検出した冷却液の温度が第1低温領域のときに、前記電動ポンプ装置を停止させる。
(15)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、上記(14)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記冷却液経路の一部を形成し、前記エンジン本体の外部に位置し、前記出口よりも冷却液の流れ方向における下流に位置する切換弁と、前記エンジン本体の外部に位置し、前記冷却液経路の一部を形成し、前記冷却液経路における前記切換弁と前記入口との間ではない位置に配置されるラジエータと、を備える。前記電動ポンプ装置が、冷却液の流れ方向において前記切換弁よりも下流でかつ前記入口よりも上流に位置する。前記切換弁が、前記冷却液経路の一部である内部空間と、前記内部空間に配置され、前記内部空間にある冷却液の温度に応じて移動する可動弁体と、前記出口から流出した後、前記ラジエータを通っていない冷却液が、前記内部空間に入るときに通過する第1入口と、前記内部空間から前記ラジエータに向かって流れる冷却液が、前記内部空間から出るときに通過する第1出口と、前記第1出口から流出した後、前記ラジエータを通り抜けた冷却液が、前記内部空間に入るときに通過する第2入口と、前記内部空間から前記電動ポンプ装置に向かって流れる冷却液が、前記内部空間から出るときに通過する第2出口と、を有する。前記内部空間にある冷却液の温度が前記第1低温領域よりも高い第2低温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを阻止し、前記第2入口から冷却液が前記内部空間に流入するのを阻止する低温位置に位置する。前記内部空間にある冷却液の温度が前記第2低温領域よりも高い中温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口および前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを阻止する中温位置に位置する。前記内部空間にある冷却液の温度が前記中温領域よりも高い高温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを許容し、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを阻止し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容する高温位置に位置する。前記制御装置が、前記温度センサが検出した冷却液の温度が前記第2低温領域、前記中温領域、および前記高温領域のときに、前記電動ポンプ装置を作動させる。
上記構成において、切換弁はサーモスタッド弁であることが好ましい。切換弁はサーモスタッド弁でなくてもよい。例えば、切換弁は、アクチュエータの駆動力によって可動弁体が移動するように構成されてもよい。この場合、制御装置は、冷却液経路を流れる冷却液の温度を検出する温度センサの信号に基づいて、アクチュエータを制御する。
(16)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記エンジン本体の内部に形成された燃焼室内の空気と燃料との混合気に点火する点火プラグを備える。前記電動ポンプ装置が、前記電動モータが収容されるモータケースと、供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容されるポンプケースと、を有する。前記点火プラグから前記ポンプケースまでの最短距離よりも、前記点火プラグから前記モータケースまでの最短距離が短い。
この構成によると、電動ポンプ装置のモータケースは点火プラグに近いため、モータケースに収容される電動モータも点火プラグに近い。そのため、バッテリから点火プラグに電力を供給するための配線と、バッテリから電動モータに電力を供給するための配線とを束ねる場合に、束ねられた配線の長さをより長くできる。そのため、2つの配線を配置するために必要な空間をより小さくできる。それにより、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制できる。
(17)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記エンジン本体に形成された燃焼室の吸気口を開閉する吸気バルブと、前記燃焼室の排気口を開閉する排気バルブと、電磁式または電動式のアクチュエータを含み、前記カムシャフトに接続され、前記吸気バルブによる前記吸気口の開閉タイミングおよび前記排気バルブによる前記排気口の開閉タイミングの少なくとも一方を変化させる可変バルブタイミング機構と、を備える。前記電動ポンプ装置が、前記電動モータが収容されるモータケースと、供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容されるポンプケースと、を有する。前記アクチュエータから前記ポンプケースまでの最短距離よりも、前記アクチュエータから前記モータケースまでの最短距離が短い。
この構成によると、電動ポンプ装置のモータケースは可変バルブタイミング機構のアクチュエータに近いため、モータケースに収容される電動モータも可変バルブタイミング機構のアクチュエータに近い。そのため、バッテリから可変バルブタイミング機構のアクチュエータに電力を供給するための配線と、バッテリから電動モータに電力を供給するための配線とを束ねる場合に、束ねられた配線の長さをより長くできる。そのため、2つの配線を配置するために必要な空間をより小さくできる。それにより、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制できる。
(18)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記冷却液経路の一部を形成し、前記エンジン本体の外部に位置するラジエータを備える。前記電動ポンプ装置が、供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構を有する。前記カム軸線に直交しかつ前記シリンダ軸線を含む平面で仕切られる2つの空間の一方に、前記ラジエータ全体および前記ポンプ機構全体が位置する。
この構成によると、電動ポンプ装置のポンプ機構がラジエータに近い。そのため、ポンプ機構とラジエータからポンプ機構までの冷却液経路がエンジン本体の内部を通らない場合、ポンプ機構からラジエータまでの冷却液経路を短くできる。それにより、ヘッドカバーに支持される電動ポンプ装置を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制できる。
(19)本発明の1つの観点によると、本発明の単気筒エンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記単気筒エンジンユニットが、前記冷却液経路の一部を形成し、前記エンジン本体の外部に位置するラジエータを有する。前記単気筒エンジンユニットが搭載される車両の上下方向と直交しかつ前記エンジン本体および前記ラジエータを通る平面において、前記ラジエータが前記エンジン本体よりも前記車両の前後方向における前方に位置する。
<用語の定義>
本発明において冷却液とは、冷却機能を有する液体を意味する。冷却液には冷却水が含まれる。冷却水は、水を含む液体である。冷却液は、水を含まない液体であってもよい。冷却液には、ピストン等を潤滑する機能を有する潤滑油は含まれない。冷却液は、潤滑油以外の油を含んでもよく、含まなくてもよい。
本発明において経路とは対象が通過する空間を意味する。冷却液経路、内部吸気経路、および内部排気経路にこの定義が適用される。
本発明において、「電動ポンプ装置がヘッドカバーに支持される」とは、電動ポンプ装置全体がエンジン本体の外部に位置し、電動ポンプ装置がヘッドカバーに固定されることを含む意味である。電動ポンプ装置がヘッドカバーに固定されるとは、電動ポンプ装置とヘッドカバーとが互いに接触するように、電動ポンプ装置がヘッドカバーに固定されること、を含む意味である。電動ポンプ装置がヘッドカバーに固定されるとは、電動ポンプ装置とヘッドカバーとの間に位置する部材が、電動ポンプ装置およびヘッドカバーに固定されることを含む意味である。固定は、例えばボルト等の締結部材による固定であってもよく、溶接による固定であってもよい。
本発明において、「電動ポンプ装置がヘッドカバーに支持される」とは、電動ポンプ装置の少なくとも一部がエンジン本体の外部に位置し、電動ポンプ装置の一部とヘッドカバーの少なくとも一部とが一体成形されることを含む意味である。ここでの一体成形は、型を使う製造方法に限らない。例えば、鋳造、鍛造、プレス成型による一体成形であってもよい。
本発明において、「シリンダ軸線に平行な直線と直交するカム軸線」とは、シリンダ軸線と直交するカム軸線と、シリンダ軸線と直交せずシリンダ軸線と平行な直線と直交するカム軸の両方を含む。つまり、カム軸線は、シリンダ軸線と交差してしなくてもよい。
本発明において「第1方向にヘッドカバーと並ぶ第1部位」は、ヘッドカバーから離れていてもよく、ヘッドカバーと接触していてもよく、ヘッドカバーと一体成形されていてもよい。第1部位がヘッドカバーと接触している場合、ヘッドカバーと電動ポンプ装置とを固定する位置が、第1部位であってもよく、第1部位でなくてもよい。「第2方向にヘッドカバーと並ぶ第2部位」および「所定の方向にヘッドカバーと並ぶ第3部位」に対しても同様の定義が適用される。
本発明において「第3部位がシリンダ軸線と平行な方向にヘッドカバーと並び、かつ、シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ」は、シリンダ軸線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ部位と、シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向にヘッドカバーと並ぶ部位とが共通であることを意味する。
本発明において、「小径部」は、モータ軸線方向に見たときの輪郭が、円形状であってもよく、円形状でなくてもよい。例えば、四角形状であってもよい。「大径部」についても同様である。
本発明において、「モータ軸線に直交する方向に見たとき、大径部がヘッドカバーと重ならない」とは、モータ軸線に直交する複数の方向のうちの少なくとも1つの方向に見たときに、大径部がヘッドカバーと重ならないことを意味する。この方向は、例えば、モータ軸線とシリンダ軸線の両方に直交する方向であってもよい。この方向は、例えば、モータ軸線に直交しシリンダ軸線に平行な方向であってもよい。また、この方向は、例えば、モータ軸線とカム軸線の両方に直交する方向であってもよい。この方向は、例えば、モータ軸線に直交しカム軸線に平行な方向であってもよい。
電動ポンプ装置がヘッドカバーに固定される場合、「ポンプケースがモータケースを介してヘッドカバーに支持される」とは、モータケースがヘッドカバーに固定され、ポンプケースがヘッドカバーに固定されないことを意味する。
電動ポンプ装置の一部とヘッドカバーの少なくとも一部とが一体成形される場合、「ポンプケースがモータケースを介してヘッドカバーに支持される」とは、モータケースの少なくとも一部がヘッドカバーの少なくとも一部と一体成形され、ポンプケースがヘッドカバーと一体成形されないことを意味する。
本発明および本明細書において、車両の上下方向とは、車両が二輪車両を含むリーン車両の場合は、全ての車輪が水平な路面に接触した車両を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。車両の上下方向とは、車両が四輪車両を含むリーン車両ではない場合は、全ての車輪が水平な路面に接触した状態における上下方向である。リーン車両とは、左旋回時に車体フレームが車両左方向に傾斜し、右旋回時に車体フレームが車両右方向に傾斜する車両である。車両の上下方向とは、車両が鞍乗型車両である水上バイクである場合は、静水に浮かべられた水上バイクが静止状態にあるときの水上バイクの上下方向である。
本発明および本明細書において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
本明細書において、A方向の端面とは、A方向の端にある面を意味する。
本明細書において、AがBよりも前方にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向と直交する平面によって仕切られる2つの空間のうち前方の空間にある。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。Bが前後方向と直交する平面または直線の場合、Bの最前端を通る平面とは、Bを通る平面のことである。Bが前後方向の長さが無限の直線または平面である場合、Bの最前端は特定されない。前後方向の長さが無限の直線または平面とは、前後方向に平行な直線または平面に限らない。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBよりも後方にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBよりも上方または下方にある、AがBよりも右方または左方にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書にて使用される用語「および/または」はひとつの、または複数の関連した列挙された構成物のあらゆるまたはすべての組み合わせを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」およびその変形の使用は、記載された特徴、行程、操作、要素、成分および/またはそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。例えば、本発明の単気筒エンジンユニットは、2本のカムシャフトを有していてもよい。また、例えば、本発明の燃焼室は、複数の排気口と複数の排気バルブを有していてもよい。また、例えば、本発明の燃焼室は、複数の吸気口と複数の吸気バルブを有していてもよい。
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
本発明の単気筒エンジンユニットは、電動ポンプ装置を備えるにも拘らず、単気筒エンジンユニットのカムシャフトの回転中心軸線の方向の大型化を抑制することができる。さらに、本発明の単気筒エンジンユニットは、シリンダヘッドに機械式ポンプ装置が固定された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
本発明の実施形態の単気筒エンジンユニットの概要構成図である。 本発明の実施形態の具体例1〜6のシリンダヘッドと電動ポンプ装置のレイアウトを説明する図である。 本発明の実施形態の具体例7、8のシリンダヘッドと電動ポンプ装置のレイアウトを説明する図である。 本発明の実施形態の具体例9の単気筒エンジンユニットが搭載された自動二輪車の右側面図である。 電動ポンプ装置を省略した単気筒エンジンユニットの模式的な断面図である。 具体例9の単気筒エンジンユニットの構成を説明するためのカム軸線およびシリンダ軸線の両方と直交する方向に見たときの模式図である。 切換弁を省略して示すエンジン本体およびラジエータの模式的な右側面図である。 冷却液の温度が第2低温領域にあるときの冷却液の流れを説明するための単気筒エンジンユニットの模式図である。 冷却液の温度が中温領域にあるときの冷却液の流れを説明するための単気筒エンジンユニットの模式図である。 冷却液の温度が高温領域にあるときの冷却液の流れを説明するための単気筒エンジンユニットの模式図である。 本発明の実施形態の具体例10に係る単気筒エンジンユニットの構成を説明するためのカムシャフトの回転中心軸線およびシリンダ軸線と直交する方向に見たときの模式図である。 本発明の実施形態の具体例11に係る単気筒エンジンユニットの構成を説明するためのカムシャフトの回転中心軸線およびシリンダ軸線と直交する方向に見たときの模式図である。
以下、本発明の実施形態について図1を参照しつつ説明する。本発明の実施形態のエンジンユニット11は、シリンダボディ20C、シリンダヘッド20D、ヘッドカバー20E、冷却液経路41、カムシャフト31、および電動ポンプ装置46を備える。シリンダボディ20C、シリンダヘッド20D、およびヘッドカバー20Eは、エンジン本体20に含まれる。
シリンダボディ20Cは、シリンダボア20Caを1つのみ有する。シリンダヘッド20Dは、シリンダボア20Caの中心軸線であるシリンダ軸線20Xの方向におけるシリンダボディ20Cの端部に接続される。なお、シリンダ軸線20Xは、シリンダボア20Caが存在する領域だけに存在する線分ではなく、無限に延びる直線である。ヘッドカバー20Eは、シリンダヘッド20Dのシリンダ軸線20Xの方向の端部に接続される。ヘッドカバー20Eは、エンジン本体20のシリンダ軸線20Xの方向の端部にある。
冷却液経路41は、一部がエンジン本体20の内部に形成される。冷却液は冷却液経路41を循環する。カムシャフト31は、シリンダヘッド20Dに支持される。カムシャフト31は、シリンダ軸線20Xに平行な直線と直交するカム軸線31Xまわりに回転する。
電動ポンプ装置46は、電動モータ46A2を有する。電動ポンプ装置46は、冷却液経路41を流れる冷却液を圧送する。電動ポンプ装置46の少なくとも一部は、エンジン本体20の外部に位置する。電動ポンプ装置46は、電動モータ46A2の出力軸の回転中心軸線であるモータ軸線46Xがカム軸線31Xと同軸にならないように、ヘッドカバー20Eに支持される。なお、モータ軸線46Xは、電動モータ46A2の出力軸が存在する領域だけに存在する線分ではなく、無限に延びる直線である。また、カム軸線31Xは、カムシャフト31が存在する領域だけに存在する線分ではなく、無限に延びる直線である。
一般的に、単気筒エンジンユニットのヘッドカバーの周囲は、シリンダヘッドの周囲よりも電動ポンプ装置を配置可能な大きさの空間を確保しやすい。そのため、電動ポンプ装置46がヘッドカバー20Eに支持される場合は、電動ポンプ装置46がシリンダヘッドに支持される場合と比べて、電動ポンプ装置46のレイアウトの自由度が高くなる。そのため、ヘッドカバー20Eに支持される電動ポンプ装置46のレイアウトを、単気筒エンジンユニット11のカム軸線31Xの方向の大型化を抑制するレイアウトにすることができる。
また、シリンダヘッド20Dからヘッドカバー20Eまでの距離は短い。そのため、ヘッドカバー20Eに電動ポンプ装置46が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路41は、シリンダヘッド20Dに機械式ポンプ装置が支持された場合の単気筒エンジンユニットの冷却液経路とほぼ同一構造にすることが可能である。そのため、単気筒エンジンユニット11は、シリンダヘッド20Dに機械式ポンプ装置が固定された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
以上のように、電動ポンプ装置46を備えた単気筒エンジンユニット11のカムシャフト31の回転中心軸線の方向の大型化を抑制することができ、かつ、シリンダヘッド20Eに機械式ポンプ装置が支持された場合の冷却液経路を大きく設計変更することなく利用できる。
<本発明の実施形態の具体例1〜6>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1〜6について、図2を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。具体例1〜4は上述した本発明の実施形態に包含される。
図2(a)〜図2(c)および図2(e)にそれぞれ示された具体例1〜3、5において、電動ポンプ装置46は、モータ軸線46Xが、カム軸線31Xに平行な直線と直交するように配置されている。具体例1、2では、モータ軸線46Xは、シリンダ軸線20Xと平行である。具体例3、5では、モータ軸線46Xは、シリンダ軸線20Xに平行な直線と直交する。図2(d)および図2(f)に示された具体例4、6において、電動ポンプ装置46は、モータ軸線46Xが、カム軸線31Xと平行になるように配置されている。なお、本発明の実施形態でも説明した通り、カム軸線31Xは、シリンダ軸線20Xに平行な方向と直交する。
モータ軸線46Xが、カム軸線31Xと平行であるか、シリンダ軸線20Xと平行であるか、カム軸線31Xとシリンダ軸線20Xの両方に直交する直線と平行であることにより、モータ軸線46Xがカム軸線31Xに対して斜めである場合に比べて、電動ポンプ装置46を単気筒エンジンユニットが搭載される装置(例えば車両)の空きスペースに効率よく配置しやすい。
具体例1の電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bと、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方に直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aとを有する。
具体例2の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aと、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bとを有する。
具体例3の電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aと、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方に直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bとを有する。
具体例4の電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aと、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bとを有する。
具体例5の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aと、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方と直交する直線に平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bとを有する。
具体例6の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46bと、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方と直交する直線に平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位46aとを有する。
このように、具体例1〜6の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xのいずれかと平行な第1方向A1にヘッドカバー20Eと並ぶ第1部位と、第1部位とは異なる部位であって、第1方向A1と直交する第2方向A2にヘッドカバー20Eと並ぶ第2部位とを有する。部位46aと部位46bのうち一方が第1部位に相当し、部位46aと部位46bのうちの他方が第2部位に相当する。
具体例1では、部位46aが第1部位に相当し、シリンダ軸線20Xと平行な方向が第1方向A1である。具体例2では、部位46aが第1部位と第2部位を兼ねる。部位46aが第1部位の場合、カム軸線31Xと平行な方向が第1方向A1であり、部位46bが第1部位の場合、シリンダ軸線20Xと平行な方向が第1方向A1である。具体例3では、部位46aが第1部位に相当し、シリンダ軸線20Xと平行な方向が第1方向A1である。具体例4では、部位46aが第1部位と第2部位を兼ねる。部位46aが第1部位の場合、シリンダ軸線20Xと平行な方向が第1方向A1であり、部位46bが第1部位の場合、カム軸線31Xと平行な方向が第1方向A1である。具体例5では、部位46aが第1部位に相当し、カム軸線31Xと平行な方向が第1方向A1である。具体例6では、部位46bが第1部位に相当し、カム軸線31Xと平行な方向が第1方向A1である。
具体例1〜6の電動ポンプ装置46が、このような第1部位と第2部位を有することにより、電動ポンプ装置46を備える単気筒エンジンユニットの大型化を抑制できる。第1方向A1がシリンダ軸線20Xと平行である場合には、電動ポンプ装置がシリンダヘッドに支持される場合と比べて、電動ポンプ装置46を備える単気筒エンジンユニットのカム軸線の方向の大型化をより確実に抑制できる。
具体例1〜6の電動ポンプ装置46は、小径部46mと大径部46nとを有する。大径部46nは、モータ軸線46Xの方向に小径部46mと並ぶ。大径部46nのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、小径部46mのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法よりも大きい。具体例1〜6の電動ポンプ装置46は、大径部46nの一部が、モータ軸線46Xに平行な方向にヘッドカバー20Eと並び、小径部46mの少なくとも一部が、モータ軸線46Xと直交する方向にヘッドカバー20Eと並ぶように配置される。部位46aは、大径部46nの一部であって、部位46bは、小径部46mの少なくとも一部である。より詳細には、部位46aは、大径部46nの周方向の一部である。部位46bは、小径部46mの筒軸方向の少なくとも一部である。
具体例1〜6の電動ポンプ装置46の大径部46nと小径部46mが上記のように配置されることにより、電動ポンプ装置46を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制しやすい。
具体例1〜6において、電動ポンプ装置46およびヘッドカバー20Eを、モータ軸線46Xと直交する方向に見たとき、大径部46nはヘッドカバー20Eと重ならない。この構成により、電動ポンプ装置46を備えた単気筒エンジンユニットの大型化をより抑制しやすい。
<本発明の実施形態の具体例7、8>
上述した本発明の実施形態の具体例7、8について、図3を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。具体例7、8は上述した本発明の実施形態に包含される。
図3(a)に示された具体例7および図3(b)に示された具体例8において、電動ポンプ装置46は、モータ軸線46Xが、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行になるように配置されている。具体例7では、モータ軸線46Xが、カム軸線31Xと平行である。具体例8では、モータ軸線46Xが、カム軸線31Xに平行な直線と直交する。
具体例7、8の電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並び、かつ、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第3部位46cを有する。具体例7の電動ポンプ装置46の第3部位46cは、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並び、かつ、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方と直交する直線に平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ。具体例8の電動ポンプ装置46の第3部位46cは、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並び、かつ、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ。
具体例7、8の電動ポンプ装置46が、このような第3部位46cを有することにより、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行なモータ軸線を有する電動ポンプ装置が、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位を有さない場合と比べて、電動ポンプ装置46を備える単気筒エンジンユニットのシリンダ軸線20Xの方向の大型化を抑制できる。また、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行なモータ軸線を有する電動ポンプ装置が、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ部位を有し、その部位がシリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ばない場合と比べて、電動ポンプ装置46を備える単気筒エンジンユニットのシリンダ軸線に直交する方向の大型化を抑制できる。
具体例7、8の電動ポンプ装置46は、第3部位46cに加えて、第3部位46cとは異なる部位であって、シリンダ軸線20Xと直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第4部位を有していてもよい。この場合、第3部位46cは本発明の第1部位に相当し、第4部位は本発明の第2部位に相当する。図3(a)および図3(b)には、第4部位の例が二点鎖線で示されている。例えば、具体例7、8の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第4部位46dを有していてもよい。また、例えば、具体例7、8の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方と直交する直線に平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第4部位46eを有していてもよい。
具体例7の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第3部位46cに加えて、第3部位46cとは異なる部位であって、カム軸線31Xと直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第5部位をしていてもよい。この場合、第3部位46cは本発明の第1部位に相当し、第5部位は本発明の第2部位に相当する。図3(a)および図3(b)には、第5部位の例が二点鎖線で示されている。例えば、具体例7の電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方と直交する直線に平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第5部位46eを有していてもよい。例えば、具体例7の電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xに平行な方向にヘッドカバー20Eと並ぶ第5部位46fを有していてもよい。
<実施形態の具体例9>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例9について、図4〜図10を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。具体例9は上述した本発明の実施形態に包含される。本実施形態の具体例9は、本発明を自動二輪車1に適用した一例である。以下の説明において、特に限定が無い限り、前後方向とは、車両の前後方向のことである。車両の前後方向とは、自動二輪車1の後述するシート5に着座したライダーから見た前後方向のことである。以下の説明において、左右方向とは、車両の左右方向のことである。車両の左右方向とは、自動二輪車1の後述するシート5に着座したライダーから見た左右方向のことである。車両の左右方向は、自動二輪車1の車幅方向でもある。以下の説明において、特に限定が無い限り、上下方向とは、車両の上下方向のことである。車両の上下方向とは、全ての車輪が水平な路面に接触した自動二輪車1を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。車両の前後方向と車両の左右方向と車両の上下方向は互いに直交する。図4および図5に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印Dは、それぞれ、前方、後方、上方、下方を表している。
[1]自動二輪車の概略構成
図4に示すように、自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体フレーム4とを含む。車体フレーム4の上部にはシート5が支持されている。車体フレーム4には、単気筒エンジンユニット11Aが搭載されている。以下の説明において、単気筒エンジンユニット11Aを、エンジンユニット11Aという。また、車体フレーム4には、エンジンユニット11Aの後述するECU(Electronic Control Unit)75、電動ポンプ装置46、および各種センサなどの電子機器に電力を供給するバッテリ(図示せず)が搭載されている。
[2]エンジンユニットの構成
以下、エンジンユニット11Aの構成について説明する。図5および図6は、エンジンユニット11Aの構成を示す模式図である。エンジンユニット11Aは、エンジン本体20と、冷却ユニット40とを有する。冷却ユニット40は、エンジン本体20の外部に位置する。図5に示すように、エンジン本体20の内部には、ピストン22、吸気バルブ25、排気バルブ26、点火プラグ27、燃料噴射装置28の少なくとも一部、バルブ駆動機構30の少なくとも一部が配置されている。エンジンユニット11Aは、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、および排気行程を繰り返す4ストローク式のエンジンである。
エンジン本体20は、オイルパン20A、クランクケース20B、シリンダボディ20C、シリンダヘッド20D、および、ヘッドカバー20Eを有する。これらはこの順で連結されている。オイルパン20Aには潤滑油が貯留される。潤滑油を循環させるためのオイルポンプ(図示せず)がエンジン本体20の内部に配置される。オイルポンプは、クランクシャフト21の回転力を受けて作動する。クランクケース20Bは、クランクシャフト21を支持する。クランクシャフト21の回転中心軸線21Xは、左右方向と平行である。シリンダボディ20Cは、シリンダボア20Caを有する。
図4および図7に示すように、エンジンユニット11Aを左右方向に見たときに、シリンダ軸線20Xの上部は下部よりも前方に位置する。エンジンユニット11Aを左右方向に見たときに、シリンダ軸線20Xの上下方向に対する傾斜角度は0°より大きく45°以下である。以下、シリンダ軸線20Xと平行な方向であって、クランクケース20Bからシリンダボディ20Cに向かう方向を、シリンダ上方向と定義する。シリンダ軸線20Xと平行な方向であって、シリンダボディ20Cからクランクケース20Bに向かう方向を、シリンダ下方向と定義する。図4〜図7に示す矢印Uaはシリンダ上方向を表し、矢印Daはシリンダ下方向を表す。ピストン22は、シリンダボア20Ca内に、シリンダ軸線20Xに沿って往復動可能に設けられる。ピストン22は、コネクティングロッド23を介してクランクシャフト21に連結される。
エンジン本体20は、燃焼室24、内部吸気経路20Da、および内部排気経路20Dbを有する。燃焼室24は、シリンダヘッド20D、シリンダボア20Ca、およびピストン22によって形成される。燃焼室24には、吸気口24aおよび排気口24bが形成されている。空気は吸気口24aから燃焼室24に供給される。燃焼室24で発生した排ガスは排気口24bから排出される。内部吸気経路20Daは、吸気口24aに接続される。内部排気経路20Dbは、排気口24bに接続される。内部吸気経路20Daの上流端は、エンジン本体20の外部に位置する吸気管51に接続される。内部排気経路20Dbの下流端は、エンジン本体20の外部に位置する排気管61に接続される。
吸気バルブ25は、吸気口24aを開閉するようにシリンダヘッド20Dに設けられる。排気バルブ26は、排気口24bを開閉するようにシリンダヘッド20Dに設けられる。吸気バルブ25および排気バルブ26は、バルブ駆動機構30によって駆動される。本実施形態のバルブ駆動機構30は、SOHC(Single Over Head Camshaft)型である。バルブ駆動機構30は、ロッカーアーム式であっても、直打式(直動式ともいう)であってもよい。また、バルブ駆動機構30がロッカーアーム式の場合、ロッカーアームは、シーソー式であってもスイングアーム式であってもよい。
図5に示すように、バルブ駆動機構30は、少なくとも1つの吸気カム(図示せず)と少なくとも1つの排気カム(図示せず)が設けられたカムシャフト31を含む。カムシャフト31は、シリンダヘッド20Dに支持される。図5〜図7に示すように、カムシャフト31は、シリンダヘッド20Dとヘッドカバー20Eとの境界付近に位置する。つまり、カムシャフト31の少なくとも一部はシリンダヘッド20Dの内部に位置する。なお、カムシャフト31の全体がシリンダヘッド20Dの内部に位置してもよい。
カムシャフト31は、クランクシャフト21に連動してカム軸線31Xまわりに回転する。カム軸線31Xは、クランクシャフト21の回転中心軸線21Xと平行である。カム軸線31Xは、左右方向と平行である。カム軸線31Xは、シリンダ軸線20Xに平行な直線と直交する。カム軸線31Xは、シリンダ軸線20Xと交差する。
カムシャフト31が回転することによって、吸気バルブ25は吸気口24aを開く。カムシャフト31が回転することによって、排気バルブ26は排気口24bを開く。吸気バルブ25は、バネ(図示せず)によって吸気口24aを閉じる方向に押圧される。排気バルブ26は、バネ(図示せず)によって排気口24bを閉じる方向に押圧される。
バルブ駆動機構30は、可変バルブタイミング機構35を有する。図6に示すように、可変バルブタイミング機構35は、カムシャフト31に接続されている。可変バルブタイミング機構35の少なくとも一部は、エンジン本体20の外部に位置する。可変バルブタイミング機構35は、吸気バルブ25による吸気口24aの開閉タイミングおよび排気バルブ26による排気口24bの開閉タイミングの少なくとも一方を変化させる。可変バルブタイミング機構35は、エンジン本体20の外部に位置するアクチュエータ36を有する。アクチュエータ36は、電力が供給されることで作動する。アクチュエータ36は、電磁式または電動式のアクチュエータである。電磁式アクチュエータは、例えば電磁ソレノイドである。電動式アクチュエータは、例えば電動モータである。アクチュエータ36は、ECU75によって制御される。ECU75は、例えば、クランクシャフト21の回転速度に応じて、吸気バルブ25による吸気口24aの開閉タイミングおよび排気バルブ26による排気口24bの開閉タイミングの少なくとも一方を変化させるように、アクチュエータ36を制御する。
例えば、バルブ駆動機構30が直打式であり、1つの吸気カムおよび1つの排気カムがカムシャフト31に固定されている場合を想定する。この場合、ECU75は、クランクシャフト21の回転速度に応じて、クランクシャフト21に対するカムシャフト31の位相角が変化するように、可変バルブタイミング機構35(アクチュエータ36)を制御してもよい。
また、例えば、バルブ駆動機構30が直打式であり、複数の吸気カムおよび複数の排気カムがカムシャフト31に固定されており、カムシャフト31がエンジン本体20に対してカム軸線31Xの方向に相対移動可能な場合を想定する。ECU75は、クランクシャフト21の回転速度に応じて、カムシャフト31がカム軸線31Xの方向に相対移動するように、可変バルブタイミング機構35(アクチュエータ36)を制御してもよい。
図5および図6に示すように、点火プラグ27が、シリンダヘッド20Dに設けられる。点火プラグ27の先端部は、燃焼室24に配置される。点火プラグ27は、燃焼室24内の燃料と空気とを含む混合気に点火する。
燃料噴射装置28が、内部吸気経路20Da内で燃料を噴射するようにシリンダヘッド20Dに設けられる。なお、燃料噴射装置28は、内部吸気経路20Daに接続される吸気管51内で燃料を噴射するように配置されてもよい。
ヘッドカバー20Eは、エンジン本体20のシリンダ上方向Uaの端部にある。ヘッドカバー20Eは一体成形品である。ここで、図5および図7に示すように、シリンダ軸線20Xに平行な直線およびカム軸線31Xに平行な直線の両方に直交し、吸気口24aから排気口24bに向かう方向を、シリンダ前方向と定義する。シリンダ前方向の逆方向を、シリンダ後方向と定義する。図7に示す矢印Faはシリンダ前方向を表し、矢印Baはシリンダ後方向を表す。
ヘッドカバー20Eの外面は、右面20E1a、左面20E1b、天面20E2a、前面20E2b、後面20E2c、および傾斜面20E3を含む。右面20E1a、天面20E2a、前面20E2b、後面20E2c、および傾斜面20E3は、それぞれ、1つの平面で構成されていなくてもよい。例えば、曲面が含まれていてもよく、凹凸が含まれていてもよい。天面20E2aは、ヘッドカバー20Eのシリンダ上方向Uaの端面である。前面20E2bは、ヘッドカバー20Eのシリンダ前方向Faの端面である。後面20E2cは、ヘッドカバー20Eのシリンダ後方向Baの端面である。傾斜面20E3は、天面20E2aのシリンダ前方向Faの端と前面20E2bのシリンダ上方向Uaの端とを接続する。図7に示すように、傾斜面20E3は、シリンダ軸線20Xと平行な直線に対して傾斜する。傾斜面20E3は、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方に直交する直線と平行な直線に対して傾斜する。
図6および図7に示すように、天面20E2aのシリンダ前方向Faの端部には、電動ポンプ装置46を固定するための台座20Fが接続されている。台座20Fはヘッドカバー20Eの一部である。台座20Fは、天面20E2aからシリンダ上方向Uaに突出している。
エンジンユニット11Aは、冷却液が循環する冷却液経路41を有する。冷却液経路41は、エンジン本体20の内部にそれぞれ形成された第1内部冷却液経路41a、第2内部冷却液経路41b、流入経路41c、および排出経路41dを含む。冷却液経路41の一部は、エンジン本体20の外部に位置し、冷却ユニット40に含まれる。
図6および図8〜図10に示すように、第1内部冷却液経路41aは、シリンダボディ20Cの内部に形成されている。第1内部冷却液経路41aは、シリンダボア20Caの径方向外側に位置する。第1内部冷却液経路41aは、シリンダボア20Caを全周にわたって取り囲むように形成されている。第2内部冷却液経路41bは、シリンダヘッド20Dに形成されている。第2内部冷却液経路41bのシリンダ下方向Daの端の形状は、第1内部冷却液経路41aのシリンダ上方向Uaの端の形状と同じまたはほぼ同じである。
図6および図8〜図10に示すように、流入経路41cおよび排出経路41dは、シリンダヘッド20Dの内部に形成されている。流入経路41cの下流端は、第2内部冷却液経路41bに接続されている。流入経路41cの上流端は、シリンダヘッド20Dの外面に形成された入口20D1である。排出経路41dの上流端は、第2内部冷却液経路41bに接続されている。排出経路41dの下流端は、シリンダヘッド20Dの外面に形成された出口20D2である。入口20D1および出口20D2は、冷却液経路41に含まれる。冷却液は、エンジン本体20の内部からエンジン本体20の外部へと移動するときに出口20D2を通過する。冷却液は、エンジン本体20の外部からエンジン本体20の内部へと移動するときに入口20D1を通過する。図7に示すように、出口20D2は、入口20D1よりも上方に位置する。
図6に示すように、冷却液経路41には、冷却液経路41内を流れる冷却液の温度を検出する温度センサ38が設けられる。温度センサ38は、エンジン本体20の内部に位置する。温度センサ38は、出口20D2の近傍に位置する。温度センサ38は、出口20D2を通過する直前の冷却液の温度を検出できるように配置されている。図6から明らかなように、冷却液経路41において、温度センサ38と入口20D1との間の距離よりも、温度センサ38と出口20D2との間の距離が短い。
図6および図8〜図10に示すように、冷却ユニット40は、切換弁42、第1チューブ43、第2チューブ44、ラジエータ45、電動ポンプ装置46、第3チューブ47、および第4チューブ48を有している。冷却液経路41の一部は、切換弁42、第1チューブ43、第2チューブ44、ラジエータ45、電動ポンプ装置46、第3チューブ47、および第4チューブ48によって形成される。
図6に示すように、切換弁42は、エンジン本体20の外面に固定されている。切換弁42は、シリンダヘッド20Dの外面に固定されている。図8〜図10に示すように、切換弁42は、弁ケース42aと可動弁体42cを有する。弁ケース42aの内部空間42a1は、冷却液経路41の一部を形成する。切換弁42はサーモスタット弁である。可動弁体42cは、内部空間42a1に配置され、内部空間42a1にある冷却液の温度に応じて移動する。可動弁体42cの端部には、冷却液の温度を検出する温度検出部42c1が設けられている。温度検出部42c1は、可動弁体42cにおける、第1出口42b3から第2出口42b4へ直線的に向かう方向の端部に設けられている。可動弁体42cは、温度検出部42c1が検出した冷却液の温度に応じて内部空間42a1を移動する。切換弁42はいかなる方式のサーモスタット弁でもよい。例えば、切換弁42はバイメタルを利用した機械式サーモスタット弁でもよい。切換弁42はワックスを利用した膨張式サーモスタット弁でもよい。弁ケース42aは、第1入口42b1、第2入口42b2、第1出口42b3、および第2出口42b4を有する。即ち、切換弁42は4方弁である。
内部空間42a1の冷却液の温度が第1低温領域または第2低温領域のとき、可動弁体42cは図8に示す低温位置に位置する。第2低温領域は、第1低温領域よりも高い温度領域である。可動弁体42cが低温位置のとき、第1入口42b1から内部空間42a1へ流入した冷却液が、第2出口42b4へ流れることが許容される。可動弁体42cが低温位置のとき、第1入口42b1から内部空間42a1へ流入した冷却液が、第1出口42b3へ流れることが阻止される。可動弁体42cが低温位置のとき、第2入口42b2から冷却液が内部空間42a1に流入することが阻止される。
内部空間42a1の冷却液の温度が第2低温領域よりも高い中温領域のとき、可動弁体42cは図9に示す中温位置に位置する。可動弁体42cが中温位置のとき、第1入口42b1から内部空間42a1へ流入した冷却液が、第1出口42b3および第2出口42b4へ流れることが許容される。可動弁体42cが中温位置のとき、第2入口42b2から内部空間42a1に流入した冷却液が第2出口42b4へ流れることが許容される。可動弁体42cが中温位置のとき、第2入口42b2から内部空間42a1に流入した冷却液が第1出口42b3へ流れにくくなっている。つまり、この流れが完全に阻止されていてもよく、微量の流れが許容されていてもよい。
内部空間42a1の冷却液の温度が中温領域よりも高い高温領域のとき、可動弁体42cは図10に示す高温位置に位置する。可動弁体42cが高温位置のとき、第1入口42b1から内部空間42a1へ流入した冷却液が第1出口42b3へ流れることが許容される。可動弁体42cが高温位置のとき、第1入口42b1から内部空間42a1へ流入した冷却液が第2出口42b4へ流れることが阻止される。可動弁体42cが高温位置のとき、第2入口42b2から内部空間42a1に流入した冷却液が第2出口42b4へ流れることが許容される。可動弁体42cが高温位置のとき、第2入口42b2から内部空間42a1に流入した冷却液が第1出口42b3へ流れにくくなっている。つまり、この流れが完全に阻止されていてもよく、微量の流れが許容されていてもよい。
図6および図8〜図10に示すように、弁ケース42aの第1入口42b1は、シリンダヘッド20Dの出口20D2と連通する。第1チューブ43の上流端は、切換弁42の第1出口42b3に接続されている。第1チューブ43の下流端は、エンジン本体20の外部に設けられたラジエータ45に接続されている。第2チューブ44の上流端は、ラジエータ45に接続されている。第2チューブ44の下流端は、切換弁42の第2入口42b2に接続されている。つまり、ラジエータ45は、冷却液経路41における切換弁42と入口20D1との間ではない位置に配置される。出口20D2から流出した後、ラジエータ45を通っていない冷却液が内部空間42a1に入るときに、冷却液は第1入口42b1を通過する。内部空間42a1からラジエータ45に向かって流れる冷却液が内部空間42a1から出るときに、冷却液は第1出口42b3を通過する。第1出口42b3から流出した後、ラジエータ45を通り抜けた冷却液が内部空間42a1に入るときに、冷却液は第2入口42b2を通過する。
図7に示すように、上下方向と直交しかつエンジン本体20を通る平面Sfは、ラジエータ45を通る。平面Sfにおいて、ラジエータ45は、エンジン本体20よりも前方に位置する。図示は省略するが、前後方向に見て、ラジエータ45は、シリンダ軸線20Xと重なる。なお、図6は、ラジエータ45の位置を模式的に表している。
図6に示すように、電動ポンプ装置46は、電動モータ46A2を収容するモータケース46A1と、ポンプ機構46B2の少なくとも一部を収容するポンプケース46B1とを有する。バッテリから電動モータ46A2に電力が供給されると、電動モータ46A2の出力軸(図示せず)が電動モータ46A2まわりに回転する。出力軸はポンプ機構46B2に接続されている。出力軸が回転すると、ポンプ機構46B2が作動する。ポンプ機構46B2は、供給された冷却液を加圧して吐出する。電動ポンプ装置46は、如何なる種類の電動ポンプ装置であってもよい。例えば、電動ポンプ装置46は非容積式の電動ポンプ装置であってもよい。また、電動ポンプ装置46は容積式の電動ポンプ装置であってもよい。
電動ポンプ装置46は、モータ軸線46Xがカム軸線31Xと平行になるように配置されている。モータケース46A1とポンプケース46B1は、モータ軸線46Xの方向に並んでいる。電動モータ46A2とポンプ機構46B2は、モータ軸線46Xの方向に並んでいる。ポンプケース46B1は、電動ポンプ装置46の左部に位置する。
モータケース46A1は、第1筒部46A1aと第1フランジ46A1bと取付部46A1cとを有する。ポンプケース46B1は、第2筒部46B1aと第2フランジ46B1bとを有する。第1筒部46A1aは、電動モータ46A2を収容する。第2筒部46B1aは、ポンプ機構46B2の少なくとも一部を収容する。第1筒部46A1aおよび第2筒部46B1aは、一端が閉塞された筒状である。第1筒部46A1aおよび第2筒部46B1aは、例えば円筒状であってもよく四角筒状であってもよい。第1筒部46A1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、第2筒部46B1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法よりも小さい。なお、第1筒部46A1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、第2筒部46B1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法と同じであってもよく、それよりも大きくてもよい。
第1フランジ46A1bは、第1筒部46A1aの左端(開口端)に接続されている。つまり、第1フランジ46A1bは、モータ軸線46Xの方向に第1筒部46A1aと並ぶように第1筒部46A1aに接続される。第1フランジ46A1bのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、第1筒部46A1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法よりも大きい。第2フランジ46B1bは、第2筒部46B1aの右端(開口端)に接続されている。第2フランジ46B1bのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、第2筒部46B1aのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法よりも大きい。第1フランジ46A1bおよび第2フランジ46B1bの外周端の形状は、特に限定されない。例えば円形であってもよく矩形であってもよい。第1フランジ46A1bのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法は、第2フランジ46B1bのモータ軸線46Xを中心とする径方向の最大寸法と同じまたはほぼ同じである。第1フランジ46A1bは、第2フランジ46B1bと接触した状態で、例えば複数のボルト等によって第2フランジ46B1bに固定される。
図7に示すように、取付部46A1cは、第2筒部46B1aの外周面に接続されている。取付部46A1cが、例えば複数のボルト等によって、ヘッドカバー20Eの台座20Fに固定されることによって、電動ポンプ装置46はヘッドカバー20Eに固定(支持)される。つまり、ポンプケース46B1は、モータケース46A1を介してヘッドカバー20Eに支持される。この構成により、モータケース46A1がポンプケース46B1を介してヘッドカバー20Eに接続される場合と比べて、より簡単な支持構造によって、電動ポンプ装置46をヘッドカバー20Eに安定的に支持できる。
図6に示すように、ポンプケース46B1(第2筒部46B1a)に、第3チューブ47の上流端と、第4チューブ48の下流端が接続されている。第3チューブ47の下流端は、シリンダヘッド20Dの入口20D1に接続されている。第4チューブ48の上流端は、切換弁42の第2出口42b4に接続されている。電動ポンプ装置46は、冷却液の流れ方向において切換弁42よりも下流で且つ入口20D1よりも上流に位置する。切換弁42の内部空間42a1から電動ポンプ装置46に向かって流れる冷却液が内部空間42a1から出るときに、冷却液は第2出口42b4を通過する。
図6に示すように、第1フランジ46A1bの一部は、モータ軸線46Xおよびカム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの左面20E1bと並ぶ。つまり、第1フランジ46A1bは、モータ軸線46Xおよびカム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの左面20E1bと並ぶ部位を有する。図7に示すように、第1筒部46A1aの筒軸方向の一部は、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方と直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ。つまり、第1筒部46A1aは、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方と直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ部位を有する。第1フランジ46A1bの前記部位は、本発明の第1部位に相当し、第1筒部46A1aの前記部位は、本発明の第2部位に相当し、シリンダ軸線20Xと平行な方向が、本発明の第1方向に相当する。第1フランジ46A1bは、本発明の大径部に相当し、第1筒部46A1aは、本発明の小径部に相当する。さらに、第1筒部46A1aの前記部位は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ。第1筒部46A1aの前記部位は、本発明の第3部位に相当する。
図6に示すように、モータ軸線46Xと直交する方向に見たとき、第1フランジ46A1b(大径部)、第2フランジ46B1b、およびポンプケース46B1は、ヘッドカバー20Eと重ならない。電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと直交しかつシリンダ軸線20Xを含む平面PL1と交差する。平面PL1は、電動ポンプ装置46のモータケース46A1と交差する。
図7に示すように、カム軸線31Xの方向に見たときに、電動ポンプ装置46全体が、シリンダ軸線20Xから離れている。より詳細には、カム軸線31Xの方向に見たときに、電動ポンプ装置46全体が、シリンダ軸線20Xからシリンダ前方向Faに離れている。図7に示すように、カム軸線31Xと平行かつシリンダ軸線20Xを含む平面PL2で区切られる2つの空間の一方に、排気口24b全体および電動ポンプ装置46全体が位置する。
図6に示すように、モータ軸線46Xに直交する方向に見たとき、第1フランジ46A1bの一部および第2フランジ46B1bの一部が、ヘッドカバー20Eの左面20E1bと第4チューブ48の一部との間に位置する。この構成によると、ヘッドカバー20Eに支持される電動ポンプ装置46を備えたエンジンユニット11Aの大型化をより抑制しやすい。第4チューブ48の内部空間は、本発明の外部冷却液経路に相当する。
図6に示すように、点火プラグ27から電動ポンプ装置46のモータケース46A1までの最短距離をL1とし、点火プラグ27から電動ポンプ装置46のポンプケース46B1までの最短距離をL2とする。最短距離L1は最短距離L2よりも短い。そのため、最短距離L1が最短距離L2以上の場合と比べて、電動モータ46A2は点火プラグ27に近い。そのため、バッテリから点火プラグ27に電力を供給するための配線と、バッテリから電動モータ46A2に電力を供給するための配線とを束ねる場合に、束ねられた配線の長さをより長くできる。そのため、2つの配線を配置するために必要な空間をより小さくできる。それにより、エンジンユニット11Aの大型化をより抑制できる。
図6に示すように、可変バルブタイミング機構35のアクチュエータ36から電動ポンプ装置46のモータケース46A1までの最短距離をL3とし、アクチュエータ36から電動ポンプ装置46のポンプケース46B1までの最短距離をL4とする。最短距離L3は最短距離L4よりも短い。そのため、最短距離L3が最短距離L4以上の場合と比べて、電動モータ46A2はアクチュエータ36に近い。そのため、バッテリから可変バルブタイミング機構35のアクチュエータ36に電力を供給するための配線と、バッテリから電動モータ46A2に電力を供給するための配線とを束ねる場合に、束ねられた配線の長さをより長くできる。そのため、2つの配線を配置するために必要な空間をより小さくできる。それにより、エンジンユニット11Aの大型化をより抑制できる。
ECU75(図4参照)は、エンジンユニット11Aの動作を制御する。ECU75は、例えば、点火プラグ27、燃料噴射装置28、可変バルブタイミング機構35、および電動ポンプ装置46などを制御する。ECU75は、プロセッサ(演算処理部)およびメモリを含む。ECU75は、離れた位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。
ECU75は、温度センサ38から送信された検出結果に基づいて電動ポンプ装置46を制御する。ECU75は、電動ポンプ装置46の電動モータ46A2を制御する。温度センサ38が検出した冷却液の温度が第1低温領域のとき、ECU75は電動ポンプ装置46を停止させる。温度センサ38が検出した冷却液の温度が第1低温領域よりも高い温度のとき、ECU75は電動ポンプ装置46を作動させる。ECU75は、電動ポンプ装置46の出力軸(図示せず)の回転速度を制御可能であってもよい。
例えば、エンジンユニット11Aの冷間始動時、温度センサ38によって検出される冷却液の温度、および、切換弁42の可動弁体42cの温度検出部42c1により検出される冷却液の温度は、第1低温領域にある。そのため、ECU75の制御により、電動ポンプ装置46は停止状態である。切換弁42の可動弁体42cは、図8に示す低温位置に位置する。
エンジンユニット11Aの冷間始動後、シリンダボディ20Cおよびシリンダヘッド20Dの温度が上昇する。そして、シリンダボディ20Cおよびシリンダヘッド20Dの熱が冷却液に伝わる。そのため、冷却液が対流によって移動する。その結果、対流によって冷却液が冷却液経路41を循環する。出口20D2は入口20D1よりも上方に位置する。そのため、対流によって循環する冷却液は、入口20D1ではなく出口20D2を通って、エンジン本体20の内部からエンジン本体20の外部に流出する。そのため、対流によって冷却液が冷却液経路41を循環する。冷却液は図9の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。即ち、第1内部冷却液経路41aおよび第2内部冷却液経路41b→排出経路41d→出口20D2→切換弁42(第1入口42b1→内部空間42a1→第2出口42b4)→第4チューブ48→電動ポンプ装置46→第3チューブ47→入口20D1→流入経路41c→第1内部冷却液経路41aおよび第2内部冷却液経路41bの順で、冷却液が循環する。
例えば、エンジンユニット11Aの冷間始動からある程度の時間が経過すると、温度センサ38によって検出される冷却液の温度、および、切換弁42の可動弁体42cの温度検出部42c1により検出される冷却液の温度が、第2低温領域に到達する。すると、ECU75によって、電動ポンプ装置46は停止状態から作動状態に切り替えられる。切換弁42の可動弁体42cは、依然として低温位置に位置する。そのため、電動ポンプ装置46によって圧送された冷却液が、図9の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。即ち、電動ポンプ装置46→第3チューブ47→入口20D1→流入経路41c→第1内部冷却液経路41aおよび第2内部冷却液経路41b→排出経路41d→出口20D2→切換弁42(第1入口42b1→内部空間42a1→第2出口42b4)→第4チューブ48→電動ポンプ装置46の順で、冷却液が循環する。
上述のように、出口20D2は入口20D1よりも上方に位置する。そのため、冷却液の温度が第1低温領域のときに、対流によって循環する冷却液は、出口20D2を通ってエンジン本体20の内部からエンジン本体20の外部に流出し、入口20D1を通ってエンジン本体20の外部からエンジン本体20の内部に流入する。そのため、出口20D2の冷却液の温度は、エンジン本体20の内部を流れる冷却液の平均温度に近い。冷却液はエンジン本体20の外部を流れるときに温度が低下する。そのため、入口20D1の冷却液の温度は、出口20D2の冷却液の温度よりも低い。仮に、温度センサ38が入口20D1の近傍に配置された場合、出口20D2の冷却液の温度が第2低温領域に到達する程度に、エンジン本体20の内部の冷却液の温度が上昇しても、電動ポンプ装置46はECU75によって作動状態に切り替えられず停止状態を維持する。これにより、シリンダボディ20Cおよびシリンダヘッド20Dが過剰に高温になるおそれがある。温度センサ38が出口20D2の近傍に配置されることによって、電動ポンプ装置46が適切なタイミングで停止状態から作動状態に切り替えられるため、シリンダボディ20Cおよびシリンダヘッド20Dが過剰に高温になることを防止できる。
例えば、温度センサ38によって検出された冷却液の温度が第2低温領域に到達してからある程度の時間が経過すると、温度センサ38によって検出された冷却液の温度が上昇して高温領域に到達することがある。この場合、高温領域の冷却液が、第1入口42b1から内部空間42a1に流入する。そのため、可動弁体42cは低温位置から第1入口42b1に向かって移動する。それにより、第1入口42b1から内部空間42a1に流入した冷却液の一部が、第1出口42b3へ流れる。内部空間42a1から第1出口42b3を通って流出した冷却液は、ラジエータ45によって冷却された後、第2入口42b2から内部空間42a1に流入し、可動弁体42cの温度検出部42c1に向かって流れる。以下、内部空間42a1を第2入口42b2から温度検出部42c1へ流れる冷却液を、第1冷却液CL1と称する。第1冷却液CL1はラジエータ45を通り抜けた後の冷却液である、そのため、第1入口42b1から内部空間42a1に流入した冷却液の温度が高温領域のときに、第1冷却液CL1の温度が第2低温領域になることがある。
第1入口42b1から内部空間42a1に流入した高温領域の冷却液の別の一部は、可動弁体42cの温度検出部42c1に向かって流れる。以下、内部空間42a1を第1入口42b1から温度検出部42c1へ流れる冷却液を、第2冷却液CL2と称する。第2低温領域の第1冷却液CL1と高温領域の第2冷却液CL2が、温度検出部42c1の周辺で合流する。合流した冷却液の温度は、第2低温領域よりも高くかつ高温領域よりも低い中温領域となる。そのため、可動弁体42cは図10に示す中温位置に位置する。この中温領域の冷却液は、内部空間42a1から第2出口42b4を通って流出し、その後、電動ポンプ装置46へ流入する。そのため、冷却液は図10の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。
例えば、温度センサ38によって検出された冷却液の温度が高温領域でありかつ温度検出部42c1の周辺の冷却液の温度が中温領域である状態で、クランクシャフト21の回転速度が増加すると、第1冷却液CL1の温度が高温領域まで上昇することがある。この場合は、高温領域の第1冷却液CL1と高温領域の第2冷却液CL2が、温度検出部42c1の周辺で合流する。合流した冷却液の温度は高温領域である。そのため、可動弁体42cは図10に示す高温位置に移動する。このとき、温度センサ38によって検出された冷却液の温度は高温領域であるので、ECU75の制御により、電動ポンプ装置46は依然として作動状態である。そのため、冷却液は図10の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。即ち、冷却液が、電動ポンプ装置46→第3チューブ47→入口20D1→流入経路41c→第1内部冷却液経路41a、第2内部冷却液経路41b→排出経路41d→出口20D2→切換弁42(第1入口42b1→内部空間42a1→第1出口42b3)→第1チューブ43→ラジエータ45→第2チューブ44→切換弁42(第2入口42b2→内部空間42a1→第2出口42b4)→第4チューブ48→電動ポンプ装置46の順で冷却液経路41を循環する。
温度センサ38によって検出された冷却液の温度が高温領域であり、かつ、第1冷却液CL1の温度が高温領域である状態を想定する。この状態でクランクシャフト21の回転速度が低下すると、温度センサ38によって検出された冷却液の温度が高温領域のまま、第1冷却液CL1の温度が低下して第2低温領域に到達することがある。第1冷却液CL1の温度を可動弁体42cの温度検出部42c1が検出するので、可動弁体42cは高温位置から第2入口42b2に向かって移動する。それにより、第2低温領域の第1冷却液CL1と高温領域の第2冷却液CL2が、温度検出部42c1の周辺で合流する。合流した冷却液の温度は、第2低温領域よりも高くかつ高温領域よりも低い中温領域となる。そのため、可動弁体42cの温度検出部42c1が、冷却液の温度が中温領域にあることを検出するので、可動弁体42cは図10に示す中温位置に位置する。そのため、冷却液は図10の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。
温度センサ38によって検出された冷却液の温度が中温領域であり、かつ、第1冷却液CL1の温度が第2低温領域である状態を想定する。この状態でクランクシャフト21の回転速度がさらに低下すると、第2冷却液CL2の温度が中温領域となり、かつ、第1冷却液CL1の温度が第1低温領域になる場合がある。この場合、第1低温領域の第1冷却液CL1と中温領域の第2冷却液CL2が、温度検出部42c1の周辺で合流する。合流した冷却液の温度は第2低温領域である。そのため、可動弁体42cが図9に示す低温位置に移動する。そのため、冷却液は図9の矢印の方向に沿って冷却液経路41を循環する。
温度センサ38によって検出された冷却液の温度が第1低温領域のとき、ECU75の制御により、電動ポンプ装置46は停止状態である。そのため、冷却液の温度が低い状態でエンジンユニット11Aが始動した直後は、冷却液が電動ポンプ装置46によって冷却液経路41を循環しない。そのため、エンジンユニット11Aの始動後、シリンダボディ20Cおよびシリンダヘッド20Dの温度が素早く上昇して、エンジン本体20の内部を流れる潤滑油の温度が素早く上昇する。潤滑油の温度が高いと、潤滑油の粘度が低い。潤滑油の粘度が低いほど、潤滑油で潤滑される部品間の摩擦損失が低くなる。摩擦損失が低いと、エンジンユニット11Aの燃費(燃料消費率)が低くなる。したがって、具体例9では、冷却液の温度が低い状態でエンジンユニット11Aが始動した場合のエンジンユニット11Aの燃費が向上する。
切換弁42は、温度検出部42c1が、第1冷却液CL1と第2冷却液CL2とが合流した冷却液に接触可能できるように構成されている。そのため、温度検出部42c1に接触する冷却水の温度が安定する。したがって、可動弁体42cが短時間の間に、低温位置と中温位置との間、または、中温位置と高温位置との間を往復移動しにくい。
<実施形態の具体例10>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例10について図11を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態の具体例9と同じ部位についての説明は省略する。本発明の実施形態の具体例10は、上述した本発明の実施形態に包含される。
具体例10のエンジンユニット11Bは、ラジエータ45および電動ポンプ装置46の配置が具体例9のエンジンユニット11Aと異なる。具体例10のエンジンユニット11Bのその他の構成は具体例9のエンジンユニット11Aと同じである。具体例10のエンジンユニット11Bは、例えば、スクータタイプの自動二輪車に搭載可能である。
具体例10のモータケース46A1およびポンプケース46B1は、具体例9のモータケース46A1およびポンプケース46B1とほぼ左右対称である。第1フランジ46A1bは、モータ軸線46Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの右面20E1aと並ぶ部位を有する。具体例9と同様に、第1筒部46A1aは、シリンダ軸線20Xおよびカム軸線31Xの両方と直交する直線と平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ部位を有する。さらに、第1筒部46A1aの前記部位は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ。
具体例9と同様に、モータ軸線46Xに直交する方向に見たとき、第1フランジ46A1b(大径部)、第2フランジ46B1b、およびポンプケース46B1は、ヘッドカバー20Eと重ならない。具体例9と同様に、電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと直交しかつシリンダ軸線20Xを含む平面PL1と交差する。平面PL1は、電動ポンプ装置46のモータケース46A1と交差する。
図示は省略するが、具体例9と同様に、カム軸線31Xの方向に見たときに、電動ポンプ装置46全体が、シリンダ軸線20Xからシリンダ前方向Faに離れている。図示は省略するが、具体例9と同様に、カム軸線31Xと平行かつシリンダ軸線20Xを含む平面(図7の平面PL2参照)で区切られる2つの空間の一方に、内部排気経路20Db全体および電動ポンプ装置46全体が位置する。
具体例9と同様に、モータ軸線46Xに直交する方向に見たとき、第1フランジ46A1bの一部および第2フランジ46B1bの一部が、ヘッドカバー20Eの右面20E1aと第4チューブ48の一部との間に位置する。
前後方向に見たとき、具体例10のラジエータ45はシリンダ軸線20Xと重ならない。カム軸線31Xと直交しかつシリンダ軸線20Xを含む平面PL1で仕切られる2つの空間の一方に、ラジエータ45全体およびポンプ機構46B2全体が位置する。ラジエータ45およびポンプ機構46B2は、平面PL1よりも右方の空間に位置する。
<実施形態の具体例11>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例11について図12を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態の具体例9と同じ部位についての説明は省略する。本発明の実施形態の具体例11は、上述した本発明の実施形態に包含される。
図12に示すように、具体例11のエンジンユニット11Cは、ヘッドカバー20Eの形状と、電動ポンプ装置46の配置が具体例9のエンジンユニット11Aと異なる。なお、図12では、第3チューブ47および第4チューブ48の表示が省略されている。また、図12では、可変バルブタイミング機構35の表示が省略されている。
具体例11のヘッドカバー20Eの外面は、傾斜面20E4を有する。傾斜面20E3は、天面20E2aのシリンダ前方向Faの端と右面20E1aのシリンダ上方向Uaの端とを接続する。傾斜面20E4は、シリンダ軸線20Xと平行な直線に対して傾斜する。傾斜面20E4は、カム軸線31Xと平行な直線に対して傾斜する。電動ポンプ装置46の取付部46A1cと固定される台座20Fは、天面20E2aの右端部に接続されている。
具体例11の電動ポンプ装置46は、モータ軸線46Xが、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方に直交する直線と平行になるように配置されている。
電動ポンプ装置46の第1フランジ46A1bは、モータ軸線46Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの後面20E2cと並ぶ部位を有する。モータ軸線46Xは、カム軸線31Xおよびシリンダ軸線20Xの両方に直交する直線と平行な方向である。第1筒部46A1aは、カム軸線31Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E4と並ぶ部位を有する。さらに、第1筒部46A1aの前記部位は、シリンダ軸線20Xと平行な方向にヘッドカバー20Eの傾斜面20E3と並ぶ。第1筒部46A1aの前記部位は、本発明の第1部位に相当し、第1フランジ46A1bの前記部位は、本発明の第2部位に相当する。シリンダ軸線20Xと平行な方向が、本発明の第1方向に相当し、カム軸線31Xと平行な方向も、本発明の第1方向に相当する。第1フランジ46A1bは、本発明の大径部に相当し、第1筒部46A1aの少なくとも一部が、本明の小径部に相当する。また、第1筒部46A1aの前記部位は、本発明の第3部位に相当する。
図示は省略するが、カム軸線31Xの方向に見たとき(即ち、モータ軸線46Xおよびシリンダ軸線20Xの両方に直交する方向に見たとき)、第1フランジ46A1b(大径部)、第2フランジ46B1b、およびポンプケース46B1は、ヘッドカバー20Eと重ならない。
図示は省略するが、電動ポンプ装置46は、カム軸線31Xと直交しかつシリンダ軸線20Xを含む平面と交差しない。カム軸線31Xの方向に見たときに、電動ポンプ装置46は、シリンダ軸線20Xと交差する。
モータ軸線46Xに直交する方向に見たとき、第1フランジ46A1bの一部および第2フランジ46B1bの一部が、ヘッドカバー20Eの後面20E2cと第4チューブ48の一部との間に位置していてもよい。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態およびその具体例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。
本発明において、点火プラグからモータケースまでの最短距離は、点火プラグからポンプケースまでの最短距離と同じであってもよくそれよりも長くてもよい。
本発明において、可変バルブタイミング機構のアクチュエータからモータケースまでの最短距離は、可変バルブタイミング機構のアクチュエータからポンプケースまでの最短距離と同じであってもよくそれよりも長くてもよい。
具体例9、10において、カム軸線31Xの方向に見たときに、電動ポンプ装置46全体が、シリンダ軸線20Xからシリンダ前方向Faに離れている。しかし、本発明において、カム軸線の方向に見たときに、電動ポンプ装置全体が、シリンダ軸線からシリンダ後方向に離れていてもよい。
具体例11において、ラジエータ45およびポンプ機構46B2は、平面PL1よりも右方の空間に位置する。本発明において、カム軸線と直交しかつシリンダ軸線を含む平面で仕切られる2つの空間のうち、単気筒エンジンユニットが搭載される車両の左右方向における左方の空間に、ラジエータおよびポンプ機構が位置してもよい。
本発明において、カム軸線と平行かつシリンダ軸線を含む平面で区切られる2つの空間のうちの第1空間に、排気口全体が位置し、2つの空間のうちの第2空間に、電動ポンプ装置の少なくとも一部が位置してもよい。
本発明において、カム軸線に直交しかつシリンダ軸線を含む平面で仕切られる2つの空間のうちの第1空間に、ラジエータの少なくとも一部が位置し、2つの空間のうちの第2空間に、ポンプ機構の少なくとも一部が位置してもよい。
本発明において、モータケースがポンプケースを介してヘッドカバーに支持されていてもよい。
本発明において、モータ軸線は、カム軸線に対して斜めであってもよい。例えば、モータ軸線は、カム軸線に直交する直線と平行で、かつ、シリンダ軸線と平行でなくてもよい。例えば、モータ軸線は、シリンダ軸線に直交する直線と平行で、かつ、カム軸線と平行でなくてもよい。例えば、モータ軸線は、カム軸線に直交する直線と平行ではなく、かつ、シリンダ軸線に直交する直線と平行でなくてもよい。
本発明において、モータ軸線に直交する方向に見たときに、第1フランジの一部および第2フランジの一部は、第2筒部に接続された外部冷却液経路とヘッドカバーとの間に位置しなくてもよい。本発明において、モータ軸線に直交する方向に見たとき、大径部がヘッドカバーと重なってもよい。
本発明において、電動ポンプ装置の大径部は、第1フランジおよび第2フランジのどちらでもなくてもよい。本発明において、本発明の小径部は、第1筒部および第2筒部のどちらにも含まれなくてもよい。
本発明において、電動ポンプ装置が、カム軸線およびシリンダ軸線のいずれかと平行な第1方向にヘッドカバーと並ぶ第1部位と、第1部位とは異なる部位であって、第1方向と直交する第2方向にヘッドカバーと並ぶ第2部位とを有する場合、モータ軸線は、第1方向および第2方向の両方に直交する直線と平行であってもよい。つまり、本発明において、電動ポンプ装置が第1部位と第2部位を有する場合、電動ポンプ装置はモータ軸線に平行な方向にヘッドカバーと並ぶ大径部を有さなくてもよい。
本発明において、冷却液は、エンジン本体の内部からエンジン本体の外部に位置する経路を通って電動ポンプ装置に供給されることが好ましい。本発明において、冷却液は、エンジン本体の内部からエンジン本体の外部に位置する経路を通らずに電動ポンプ装置に供給されてもよい。
本発明の単気筒エンジンユニットのバルブ駆動機構は、DOHC(Double Over Head Camshaft)型であってもよい。この場合に、本発明の単気筒エンジンユニットが、電動式または電磁式のアクチュエータを有する可変バルブタイミング機構を有してもよい。本発明の単気筒エンジンユニットのバルブ駆動機構は、シリンダボディにカムシャフトが配置されるOHV(Over Head Valve)型であってもよい。この場合に、本発明の単気筒エンジンユニットが、電動式または電磁式のアクチュエータを有する可変バルブタイミング機構を有していてもよい。本発明の単気筒エンジンユニットは、電動式または電磁式のアクチュエータを有する可変バルブタイミング機構を有さなくてもよい。
本発明の単気筒エンジンユニットは、直噴式エンジンユニットであってもよい。直噴式エンジンユニットとは、燃焼室内で燃料が噴射されるタイプのエンジンユニットである。本発明の単気筒エンジンユニットは、点火プラグを有さなくてもよい。本発明の単気筒エンジンユニットが2ストロークエンジンユニットであってもよい。本発明のエンジンユニットは、過給機を備えた過給エンジンであってもよい。過給機は、燃焼室に供給される空気を圧縮する装置である。過給機は、機械式過給機であってもよく、排気タービン式過給機(いわゆるターボチャージャ)であってもよい。
本発明の単気筒エンジンユニットが車両に搭載される場合、カム軸線は、車両の左右方向と平行に限らない。例えば、カム軸線が、車両の前後方向と平行であってもよい。
本発明の単気筒エンジンユニットが車両に搭載される場合、シリンダ軸線の方向は、具体例9〜11の方向に限定されない。単気筒エンジンユニットを車両の左右方向に見たときに、シリンダ軸線は車両上下方向と平行であってもよい。単気筒エンジンユニットを車両の左右方向に見たときに、シリンダ軸線の上下方向に対する傾斜角度は、45°より大きく90°以下であってもよい。
本発明の単気筒エンジンユニットが搭載される車両は、自動二輪車に限らない。本発明の単気筒エンジンユニットは、自動二輪車以外の鞍乗型車両に搭載されてもよい。鞍乗型車両とは、乗員が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指す。本発明の単気筒エンジンユニットが搭載される鞍乗型車両には、例えば、自動二輪車、三輪車、四輪バギー(ATV:All Terrain Vehicle(全地形型車両))、水上バイク、スノーモービル等が含まれる。自動二輪車としては、例えば、スクータ型、オフロード型、モペット型等がある。本発明の単気筒エンジンユニットは鞍乗型車両以外の車両に搭載されてよい。例えば、本発明の単気筒エンジンユニットは、鞍乗型車両ではない四輪車両(自動車)または船舶に搭載されてもよい。本発明の単気筒エンジンユニットが搭載される車両は、駆動源として単気筒エンジンユニットおよび電動モータを有するハイブリッド車両であってもよい。また、本発明の単気筒エンジンユニットは車両以外の装置に搭載されてもよい。
1 自動二輪車(車両)
11、11A、11B、11C 単気筒エンジンユニット
20 エンジン本体
20B クランクケース
20C シリンダボディ
20Ca シリンダボア
20D シリンダヘッド
20D1 入口
20D2 出口
20E ヘッドカバー
20X シリンダ軸線
20Da 内部吸気経路
20Db 内部排気経路
22 ピストン
24 燃焼室
24a 吸気口
24b 排気口
25 吸気バルブ
26 排気バルブ
27 点火プラグ
31 カムシャフト
31X カム軸線
35 可変バルブタイミング機構
36 アクチュエータ
38 温度センサ
41 冷却液経路
42 切換弁
42a1 内部空間
42b1 第1入口
42b2 第2入口
42b3 第1出口
42b4 第2出口
42c 可動弁体
45 ラジエータ
46 電動ポンプ装置
46A1 モータケース
46A1a 第1筒部(小径部)
46A1b 第1フランジ(大径部)
46A2 電動モータ
46X モータ軸線
46B1 ポンプケース
46B1a 第2筒部
46B1b 第2フランジ
46B2 ポンプ機構
48 第4チューブ(外部冷却液経路)
75 ECU(制御装置)

Claims (15)

  1. エンジン本体の一部であって、シリンダボアを1つのみ有するシリンダボディと、
    前記エンジン本体の一部であって、前記シリンダボアの中心軸線であるシリンダ軸線の方向における前記シリンダボディの端部に接続されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドの前記シリンダ軸線の方向の端部に接続され、前記エンジン本体の前記シリンダ軸線の方向の端部にあるヘッドカバーと、
    一部が前記エンジン本体の内部に形成され、かつ、冷却液が循環する冷却液経路と、
    前記シリンダヘッドに支持され、前記シリンダ軸線に平行な直線と直交するカム軸線まわりに回転するカムシャフトと、
    電動モータを有し、前記冷却液経路を流れる冷却液を圧送する電動ポンプ装置と、
    を備え、
    前記電動ポンプ装置の少なくとも一部分は、前記エンジン本体の外部に位置し、
    前記電動ポンプ装置は、前記電動モータの出力軸の回転中心軸線であるモータ軸線が前記カム軸線と同軸にならないように、前記ヘッドカバーに支持されることを特徴とする単気筒エンジンユニット。
  2. 前記電動ポンプ装置が、
    前記カム軸線および前記シリンダ軸線のいずれかと平行な第1方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第1部位と、
    前記第1部位とは異なる部位であって、前記第1方向と直交する第2方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第2部位と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の単気筒エンジンユニット。
  3. 前記第1方向が、前記シリンダ軸線と平行であることを特徴とする請求項2に記載の単気筒エンジンユニット。
  4. 前記電動ポンプ装置が、
    小径部と、
    前記モータ軸線の方向に前記小径部と並んでおり、前記モータ軸線を中心とする径方向の最大寸法が、前記小径部の前記モータ軸線を中心とする径方向の最大寸法よりも大きい大径部と、
    を有し、
    前記モータ軸線が、前記カム軸線と平行であるか、もしくは、前記カム軸線に平行な直線と直交し、
    前記大径部の一部が、前記モータ軸線に平行な方向に前記ヘッドカバーと並び、前記第1部位または第2部位であって、
    前記小径部の少なくとも一部が、前記モータ軸線と直交する方向に前記ヘッドカバーと並び、前記大径部の前記一部が前記第1部位の場合に前記第2部位であって、前記大径部の前記一部が前記第2部位の場合に前記第1部位であることを特徴とする請求項2または3に記載の単気筒エンジンユニット。
  5. 前記モータ軸線に直交する方向に見たとき、前記大径部が、前記ヘッドカバーと重ならないことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  6. 前記電動ポンプ装置が、
    前記電動モータが収容される第1筒部と、
    供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容される第2筒部と、
    前記第1筒部の端部に接続される第1フランジと、
    前記第2筒部の端部に接続され、前記第1フランジと接触した状態で前記第1フランジに固定される前記第2フランジと、
    を有し、
    前記第1フランジまたは前記第2フランジが、前記大径部であって、
    前記第1筒部の少なくとも一部または前記第2筒部の少なくとも一部が、前記小径部であることを特徴とする請求項4または5に記載の単気筒エンジンユニット。
  7. 前記冷却液経路が、前記エンジン本体の外部に位置し、前記第2筒部に接続された外部冷却液経路を有し、
    前記モータ軸線に直交する方向に見たときに、前記第1フランジの一部および前記第2フランジの一部が、前記ヘッドカバーと前記外部冷却液経路の一部との間に位置することを特徴とする請求項6に記載の単気筒エンジンユニット。
  8. 前記モータ軸線が、前記カム軸線と平行であるか、前記シリンダ軸線と平行であるか、前記カム軸線と前記シリンダ軸線の両方に直交する直線と平行であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  9. 前記モータ軸線が、前記シリンダ軸線と直交する直線と平行であって、
    前記電動ポンプ装置が、前記シリンダ軸線と平行な方向に前記ヘッドカバーと並び、かつ、前記シリンダ軸線と直交する直線と平行な方向に前記ヘッドカバーと並ぶ第3部位を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  10. 前記電動ポンプ装置が、
    前記電動モータが収容されるモータケースと、
    供給された冷却液を加圧して吐出するポンプ機構の少なくとも一部が収容されるポンプケースと、
    を有し、
    前記ポンプケースが、前記モータケースを介して、前記ヘッドカバーに支持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  11. 前記カム軸線の方向に見たときに、前記電動ポンプ装置が、前記シリンダ軸線から離れていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  12. 前記エンジン本体が、排気口および吸気口が形成された燃焼室を有し、
    前記カム軸線と平行かつ前記シリンダ軸線を含む平面で区切られる2つの空間の一方に、前記排気口全体および前記電動ポンプ装置全体が位置することを特徴とする請求項11に記載の単気筒エンジンユニット。
  13. 前記電動ポンプ装置が、前記カム軸線と直交しかつ前記シリンダ軸線を含む平面と交差することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  14. 前記冷却液経路内を流れる冷却液の温度を検出する温度センサと、
    前記電動ポンプ装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記冷却液経路が、
    前記エンジン本体の外面に形成され、冷却液が前記エンジン本体の外部から前記エンジン本体の内部に移動するときに通過する入口と、
    前記エンジン本体の外面に形成され、冷却液が前記エンジン本体の内部から前記エンジン本体の外部へと移動するときに通過し、前記単気筒エンジンユニットが搭載される車両の上下方向において前記入口よりも上方に位置する出口と、
    を有し、
    前記冷却液経路において、前記温度センサと前記入口との間の距離よりも、前記温度センサと前記出口との間の距離が短く、
    前記制御装置が、前記温度センサが検出した冷却液の温度が第1低温領域のときに、前記電動ポンプ装置を停止させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の単気筒エンジンユニット。
  15. 前記冷却液経路の一部を形成し、前記エンジン本体の外部に位置し、前記出口よりも冷却液の流れ方向における下流に位置する切換弁と、
    前記エンジン本体の外部に位置し、前記冷却液経路の一部を形成し、前記冷却液経路における前記切換弁と前記入口との間ではない位置に配置されるラジエータと、
    を備え、
    前記電動ポンプ装置が、冷却液の流れ方向において前記切換弁よりも下流でかつ前記入口よりも上流に位置し、
    前記切換弁が、
    前記冷却液経路の一部である内部空間と、
    前記内部空間に配置され、前記内部空間にある冷却液の温度に応じて移動する可動弁体と、
    前記出口から流出した後、前記ラジエータを通っていない冷却液が、前記内部空間に入るときに通過する第1入口と、
    前記内部空間から前記ラジエータに向かって流れる冷却液が、前記内部空間から出るときに通過する第1出口と、
    前記第1出口から流出した後、前記ラジエータを通り抜けた冷却液が、前記内部空間に入るときに通過する第2入口と、
    前記内部空間から前記電動ポンプ装置に向かって流れる冷却液が、前記内部空間から出るときに通過する第2出口と、
    を有し、
    前記内部空間にある冷却液の温度が前記第1低温領域よりも高い第2低温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを阻止し、前記第2入口から冷却液が前記内部空間に流入するのを阻止する低温位置に位置し、
    前記内部空間にある冷却液の温度が前記第2低温領域よりも高い中温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口および前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを阻止する中温位置に位置し、
    前記内部空間にある冷却液の温度が前記中温領域よりも高い高温領域のときに、前記可動弁体は、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第1出口へ流れるのを許容し、前記第1入口から前記内部空間へ流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを阻止し、前記第2入口から前記内部空間に流入した冷却液が前記第2出口へ流れるのを許容する高温位置に位置し、
    前記制御装置が、前記温度センサが検出した冷却液の温度が前記第2低温領域、前記中温領域、および前記高温領域のときに、前記電動ポンプ装置を作動させることを特徴とする請求項14に記載の単気筒エンジンユニット。
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