JP4704368B2 - 燃料直接噴射型内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、加圧された混合気を燃焼室内に直接噴射する燃料直接噴射型内燃機関に関する。
従来、上記内燃機関において、エア噴射バルブの開閉作動により加圧された混合気を燃焼室内に噴射する混合気噴射インジェクタと、当該内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記混合気噴射インジェクタの作動制御を行う制御装置とを備え、当該内燃機関の運転状況に応じて、前記混合気噴射インジェクタによる燃焼室内への混合気噴射タイミング後の所定時間に、該混合気噴射インジェクタのエア噴射バルブを開作動させることで、当該内燃機関の始動時における燃焼室内の圧縮圧力を逃がし、もって当該内燃機関の始動性を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−105826号公報
ところで、上記従来の構成においては、燃焼室内の圧縮圧力が混合気噴射インジェクタ内及び該混合気噴射インジェクタへの空気供給路内に逃がされる。すなわち、前記空気供給路の容量が燃焼室内の減圧に影響するが、その容量を増加させることは通路長を増加させたり空気圧を低下させる等の課題がある。また、特に混合気の噴射圧力を高めようとした場合、空気供給路内の残圧が影響し易く、燃料室内の十分な減圧が困難になるという課題がある。
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数気筒の燃料直接噴射型内燃機関において、エンジン始動時における燃焼室内の減圧を混合気噴射インジェクタを用いて簡易かつ効率良く行うことを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、加圧された混合気を燃焼室(30)内に直接噴射する燃料直接噴射型内燃機関(20)であって、
エア噴射バルブ(44)の開閉作動により前記混合気を燃焼室(30)内に噴射する混合気噴射インジェクタ(40)と、当該内燃機関(20)の運転状態を検出する運転状態検出手段(71,72,73)と、前記混合気噴射インジェクタ(40)の作動制御を行う制御装置(71)とを備え、
当該内燃機関(20)の運転状態に応じて、前記混合気噴射インジェクタ(40)による燃焼室(30)内への混合気噴射タイミング後の所定時間に、該混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)を開作動させる燃料直接噴射型内燃機関(20)において、
当該内燃機関(20)が位相の異なる複数の気筒(23a,23b)を有し、該各気筒(23a,23b)に設けられる前記混合気噴射インジェクタ(40)のそれぞれへの空気供給路(66a,66b)が、位相の異なる気筒に対応するもの同士で互いに連通すると共に、
当該内燃機関(20)の始動時で、前記位相の異なる各気筒(23a,23b)の一方における前記混合気噴射タイミング後の所定時間に前記混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)が開作動した際には、前記各気筒(23a,23b)の他方が吸気行程又は排気行程にあり、かつ前記各気筒(23a,23b)の他方における前記混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)も同時に開作動することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、当該内燃機関(20)がV型二気筒エンジンであり、その各気筒(23a,23b)間に前記空気供給路(66a,66b)を配置したことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、当該内燃機関の始動時において、混合気噴射インジェクタからの混合気噴射タイミング後にエア噴射バルブを開作動させて燃焼室内の減圧(デコンプレッション)を行う際、該燃焼室内の圧力を対応する空気供給路のみならず他の気筒に対応する空気供給路をも利用して逃がすと共に、前記他の気筒が排気行程であれば、該気筒の混合気噴射インジェクタのエア噴射バルブを開作動させて空気供給路内の圧力を排気と共に逃がすことができる。すなわち、エンジン始動時における燃焼室内の減圧を簡易かつ効率良く行うことができる。
請求項2に記載した発明によれば、各気筒への空気供給路を効率良く配置でき、かつこれに連なる空気圧縮機を各気筒のバンク間に配置した場合にも、該空気圧縮機と空気供給路とを容易に接続できる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1は、この発明の一実施例であるエンジン(燃料直接噴射型内燃機関)20を搭載した自動二輪車1を示す。図1に示すように、自動二輪車1の前輪2は左右一対のフロントフォーク3の下端部に軸支され、該左右フロントフォーク3の上部はステアリングステム4を介して車体フレーム5前端部のヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。ステアリングステム4の上部には転舵用のバーハンドル7が取り付けられる。自動二輪車1の後輪8はスイングアーム9の後端部に軸支され、該スイングアーム9の前端部は車体フレーム5後部のピボットブラケット11に上下揺動可能に枢支される。スイングアーム後部の左右アームと車体フレーム5の後部両側との間にはそれぞれ左右リアクッション12が配設される。
車体フレーム5は、車体略中央に位置する自動二輪車1の原動機としてのエンジン20を取り囲む所謂クレードル型とされ、ヘッドパイプ6の上部からエンジン20の上方を斜め下後方へ延びるメインパイプ13と、ヘッドパイプ6の下部から左右に分岐してメインパイプ13よりも急傾斜をなして斜め後下方に延びた後にさらに屈曲して後方に延びる左右ダウンパイプ15と、メインパイプ13及び各ダウンパイプ15の後端部間に跨る前記左右ピボットブラケット11とを主になる。メインパイプ13の上方には燃料タンク16が配設され、燃料タンク16の後方には運転者用の前シート17が配設され、該前シート17の後方には後部同乗者用の後シート18が配設される。
図2を併せて参照し、エンジン20は単一のクランクシャフト22を左右方向に沿わせた狭角のV型二気筒エンジンとされ、そのクランクケース21上には上側ほど前側となるように傾斜する前シリンダ23a、及び上側ほど後側となるように傾斜する後シリンダ23bがそれぞれ立設される。なお、図中符号C1はクランクシャフト22の回転軸線を示す。前シリンダ23aの後側及び後シリンダ23bの前側には吸気マニホールド31aの一対の下流側端がそれぞれ接続される。なお、吸気マニホールド31aの上流側端にはスロットルボディ及びエアクリーナケース(何れも不図示)が連なって接続される。一方、前シリンダ23aの前側及び後シリンダ23bの後側にはそれぞれ排気管32aの上流側端が接続される。各排気管32aは車体右下に取り回され、その下流側端が後輪8左方に位置するサイレンサ32bに接続される(図1参照)。
前後シリンダ23a,23bは、クランクケース21上に取り付けられるシリンダ本体24と、該シリンダ本体24上に取り付けられるシリンダヘッド25と、該シリンダヘッド25上に取り付けられるヘッドカバー26とを一体に結合してなる。シリンダヘッド25及びヘッドカバー26は動弁室27を形成する。各シリンダ本体24内にはピストン28が往復動可能に嵌挿され、該各ピストン28がコンロッド29を介してクランクシャフト22のクランクピン22a(図3参照)に連結される。各ピストン28はそれぞれシリンダヘッド25及びシリンダ本体24と共に燃焼室30を形成する。各ピストン28の往復動により生じたクランクシャフト22の回転動力は、クランクケース21後部内に収容された変速機及び例えばシャフトドライブ式の伝動機構(何れも不図示)を介して後輪8に伝達される。
各シリンダヘッド25には吸排気ポート31,32が形成され、該吸排気ポート31,32の燃焼室側開口がそれぞれ吸排気バルブ33,34により開閉される。吸排気バルブ33,34のステムは側面視V字状をなして配置され、該各ステム間に吸排気バルブ33,34駆動用のカムシャフト35が左右方向に沿って配置される。なお、図中符号C2はカムシャフト35の回転軸線を示す。各カムシャフト35は例えばチェーン式の伝動機構を用いてクランクシャフト22と同期して回転する。各カムシャフト35には吸排気カムが設けられ、該吸排気カムにそれぞれ接して揺動する吸排気ロッカーアーム36,37により、吸排気バルブ33,34が作動して吸排気ポート31,32の燃焼室側開口をそれぞれ開閉させる。
図3,6に示すように、エンジン20は、加圧された混合気を各シリンダ23a,23bの燃焼室30内に運転状態に応じた制御により直接噴射する燃料直接噴射型内燃機関として構成される。具体的には、エンジン20は、後述のエア噴射バルブ44の開閉作動により前記混合気を燃焼室30内に噴射する混合気噴射インジェクタ40と、当該エンジン20の運転状態を検出する運転状態検出手段としてのスロットル開度センサ71、回転数センサ72及びクランク角センサ73と、前記混合気噴射インジェクタ40の作動制御を行う制御装置70とを備える。なお、図3は前シリンダ23aを示すが、後シリンダ23bも同様の構成を有するものとする。また、図3中符号25aは点火プラグを示す。
混合気噴射インジェクタ40は、その内部の混合室42b(図4参照)内で圧縮空気と加圧燃料とからなる加圧混合気を生成し、該混合気を燃焼室30内に噴射する所謂エアアシスト式のものとされる。混合気噴射インジェクタ40はシリンダヘッド25の中央部にその軸線(シリンダ軸線)C3に沿うように配設され、かつ自身の燃焼室側端に設けられる噴射口49(図4参照)を燃焼室30内に臨ませ、該噴射口49からピストン28上面に向けて略垂直に(シリンダ軸線C3に沿うように)混合気を噴射可能とされる。
混合気噴射インジェクタ40は、その本体部分を構成するべくシリンダヘッド25に挿通されるエアインジェクタ41と、該エアインジェクタ41の動弁室側に連設される燃料インジェクタ51とを有してなる。
図3,4に示すように、エアインジェクタ41は、シリンダヘッド25に挿通保持される筒状のハウジング42と、該ハウジング42内にその軸線に沿って形成される管路43と、該管路43内にその軸線に沿って往復動可能に嵌挿されるエア噴射バルブ44と、該エア噴射バルブ44の動弁室側に一体的に設けられるコア45と、該コア45を動弁室側に付勢するスプリング46と、コア45外周を囲むように前記ハウジング42に保持されるコイル47とを有してなる。コイル47は制御装置70からの電力供給により励磁可能とされる。
エア噴射バルブ44の下端部にはプラグ部材48が連設され、前記コイル47が非励磁状態のときは前記スプリング46の付勢力によりコア45、エア噴射バルブ44及びプラグ部材48が動弁室側に付勢され、もってプラグ部材48が前記管路43の燃焼室側端に形成された噴射口49を閉塞する。一方、前記コイル47が励磁されたときは、コア45、エア噴射バルブ44及びプラグ部材48がスプリング46の付勢力に抗して燃焼室側に移動し、プラグ部材48が噴射口49を開放させる。このとき、管路43の動弁室側端に連通する混合室42b内に生成された加圧混合気が、噴射口49から燃焼室30内に噴射可能となる。
図5を併せて参照し、燃料インジェクタ51は、エアインジェクタ41のハウジング42の動弁室側に連設される筒状のハウジング52と、該ハウジング52の燃焼室側に一体的に設けられるノズル部53と、該ノズル部53内にその軸線に沿って往復動可能に嵌挿される燃料噴射バルブ54と、該燃料噴射バルブ54の動弁室側に一体的に設けられるコア55と、該コア55を燃焼室側に付勢するスプリング56と、コア55外周を囲むように前記ハウジング52に保持されるコイル57とを有してなる。コイル57は制御装置70からの電力供給により励磁可能とされる。
ノズル部53内にはその軸線と直交する内壁53aが形成され、該内壁53a中央には燃料噴射口59が形成される。燃料噴射口59の動弁室側端と前記燃料噴射バルブ54の燃焼室側端との間にはプラグボール58が挟持され、前記コイル57が非励磁状態のときは前記スプリング56の付勢力によりコア55、燃料噴射バルブ54及びプラグボール58が燃焼室側に付勢され、もってプラグボール58が燃料噴射口59を閉塞する。一方、前記コイル57が励磁されたときは、コア55、燃料噴射バルブ54及びプラグボール58がスプリング56の付勢力に抗して動弁室側に移動し、プラグボール58が燃料噴射口59を開放させる。
エアインジェクタ41のハウジング42の動弁室側内は、上方に開放する燃料インジェクタ装着空間とされ、該空間の底部には燃料インジェクタ51のノズル部53を嵌入保持するノズル保持部材42aが設けられる。ノズル保持部材42aの内部空間は燃料インジェクタ51からの加圧燃料と空気圧縮機65からの圧縮空気とを混合する混合室42bとされる。混合室42bは、その燃焼室側に延びる連通路42cを介して前記管路43(エア噴射バルブ44の内部空間)と連通して設けられる。
燃料インジェクタ51のノズル部53内の内壁53aよりも動弁室側には、燃料ポンプ61からの加圧燃料を供給可能な燃料室53bが設けられ、前述の如く燃料噴射口59が開放した際には、燃料室53b内の燃料を燃料噴射口59から混合室42b内に噴射可能となる。混合室42b内に噴射された燃料は圧縮空気と混合されて高濃度の加圧混合気となり、該混合気が自身の圧力により混合気噴射インジェクタ40から(エアインジェクタ41から)噴射可能となる。
ここで、図7に示すように、前後シリンダ23a,23bの各混合気噴射インジェクタ40は、単一の燃料ポンプ61及び空気圧縮機65を共有する。燃料ポンプ61の吐出口から延びる燃料供給路62は、前後シリンダ23a,23bの混合気噴射インジェクタ40(燃料インジェクタ51)に向けて前後燃料供給路62a,62bに分岐する。同様に、空気圧縮機65の吐出口から延びる空気供給路66は、前後シリンダ23a,23bの混合気噴射インジェクタ40(エアインジェクタ41)に向けて前後空気供給路66a,66bに分岐する。
各供給路は、前後シリンダ23a,23bから独立した配管又はシリンダヘッド25内若しくは混合気噴射インジェクタ40内に形成された通路の少なくとも一方からなる。これら各供給路並びに燃料ポンプ61及び空気圧縮機は、前後シリンダ23a,23bのバンク間に配置される。なお、燃料ポンプ61及び空気圧縮機65の吐出口には、制御装置70により開閉作動を制御される制御弁63,67がそれぞれ設けられる。
図6に示すように、制御装置70は、前記スロットルボディのスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ71、クランクシャフト22の回転数(エンジン回転数)を検出する回転数センサ72、及びクランクシャフト22の回転角(クランク角)を検出するクランク角センサ73等が電気的に接続され、これら各センサからの検出情報等に基づき、エアインジェクタ41及び燃料インジェクタ51の噴射制御(燃料室53b内への混合気の噴射制御)を行う。
図8のダイヤグラムは、エンジン20のクランク角に対するエア噴射バルブ44(噴射口49)及び燃料噴射バルブ54(燃料噴射口59)の開弁期間を示すもので、上死点のクランク角を0度とし、左回り(進角側)を+方向としている(左回りに進角側の角度を増加させている)。
燃料噴射バルブ54の開弁期間は、クランク角センサ73が検出したクランク角が例えば圧縮上死点前330°〜210°にあるときで、この間に制御装置70がコイル57に給電して燃料インジェクタ51から混合室42b内に燃料を噴射させる。一方、エア噴射バルブ44の開弁期間は、クランク角が例えば圧縮上死点前120°〜30°にあるときで、この間に制御装置70がコイル47に給電してエアインジェクタ41から燃料室53b内に混合室42b内で生成した混合気を噴射させる。以下、前記燃料噴射バルブ54の開弁期間を燃料噴射タイミングといい、前記エア噴射バルブ44の開弁期間を混合気噴射タイミングという。
所定の混合気噴射タイミングで燃焼室30内に噴射された混合気は、点火プラグ25aの点火により燃焼を開始して燃焼(膨張)行程に移行する。このとき、混合気噴射インジェクタ40から点火プラグ25aの点火部(電極部)の周囲に高濃度の混合気を噴射することで、効率の良い燃焼を実現すると共に全体として希薄燃焼を実現し、もって燃費向上及び排気ガスの清浄化を実現させる。
ここで、混合気噴射インジェクタ40は、エンジン20の始動時等のクランク低回転時に燃焼室30内の圧縮圧力を逃がすデコンプレッション装置としても機能する。具体的には、混合気噴射インジェクタ40は、エンジン20が圧縮上死点の直前(圧縮行程の終盤)にあるときに、燃焼室30内の圧縮圧力を逃がすべくエア噴射バルブ44を開作動させる。
制御装置70は、エンジン20の始動時において、クランクシャフト22が所定速度(エンジン始動後の安定回転速度に相当)未満で回転するときには、前記燃料噴射タイミングにおいて燃料噴射バルブ54を閉じたままとして混合室42bに燃料を噴射させず、かつ前記混合気噴射タイミング(圧縮行程の後半)においては燃料噴射バルブ54及び制御弁67を閉じたままとしてエア噴射バルブ44が開作動しても混合気噴射インジェクタ40から混合気を噴射させない。
その後、制御装置70は、圧縮行程終盤のデコンプ作動タイミング(例えば圧縮上死点前30°〜0°)において、燃料噴射バルブ54及び制御弁67を閉じたままとしてエア噴射バルブ44を開作動させ、管路43及び前記各空気供給路66a,66b等を通じて燃焼室30内の圧縮圧力を逃がす。このときのエア噴射バルブ44の開作動は、前記混合気噴射タイミングの開作動から継続して行っても一旦閉じた後に行ってもよい。これにより、圧縮上死点直前の圧力上昇によるクランクシャフト22の回転抑制力が抑えられ、クランクシャフト22の回転が十分に加速される。なお、デコンプ作動タイミングは、クランク角だけではなくスロットル開度やエンジン回転数等を含むエンジン運転状態に応じて設定される。
一方、制御装置70は、クランクシャフト22が前記所定速度以上で回転し始めた際には、前記燃料噴射タイミングにおいて制御弁63及び燃料噴射バルブ54を開作動させて混合室42bに燃料を噴射させ、かつ前記混合気噴射タイミングにおいて制御弁67及びエア噴射バルブ44を開作動させて混合気噴射インジェクタ40から混合気を噴射させる。エア噴射バルブ44を開いて混合気を噴射する際には、燃料噴射バルブ54を閉じて燃料インジェクタ51内に加圧混合気が逆流することを防止する。
その後、制御装置70は、前記デコンプ作動タイミングにおいてエア噴射バルブ44を閉じたままとし、燃焼室30内での通常の圧縮行程を可能とする。これにより、スタータモータ等のエンジン始動手段の初期入力を軽減させた上で、エンジン20を容易かつ確実に始動させることが可能となる。
図9のタイミングチャートに示すように、前後シリンダ23a,23bの間には300°程の位相差があり、前シリンダ23aがデコンプ作動タイミングにあるときには後シリンダ23bが吸気行程(図中INで示す)となり、後シリンダ23bがデコンプ作動タイミングにあるときには前シリンダ23aが排気行程(図中EXで示す)となる。
そして、エンジン始動持には、まず前シリンダ23aにおいて、吸気行程後の前記混合気噴射タイミング(BTDC120°〜30°)が終了した後、前記デコンプ作動タイミング(BTDC30°〜0°)に移行すると、燃料噴射バルブ54及び制御弁67が閉じたままでエア噴射バルブ44が開作動する。このとき、前シリンダ23aだけでなく吸気行程にある後シリンダ23bのエア噴射バルブ44も同時に開作動する。
これにより、前シリンダ23aの燃焼室30内がエア噴射バルブ44内及び各空気供給路66a,66b内と連通すると共に後シリンダ23bの燃焼室30内とも連通し、前シリンダ23a内の圧縮圧力がエア噴射バルブ44内及び各空気供給路66a,66b内並びに後シリンダ23b内に逃がされる。特に、後シリンダ23bが吸気行程にあることで、前シリンダ23a内の圧縮圧力が吸引されて効果的に逃がされると共に、後シリンダ23bの吸気抵抗も軽減され、クランクシャフト22の回転が効率良く加速される。
次いで、後シリンダ23bにおいても同様に、混合気噴射タイミング後のデコンプ作動タイミングに移行した際、燃料噴射バルブ54及び制御弁67が閉じたままで前後シリンダ23a,23bのエア噴射バルブ44が同時に開作動する。
これにより、前記同様、後シリンダ23b内の圧縮圧力がエア噴射バルブ44内及び各空気供給路66a,66b内並びに前シリンダ23a内に逃がされる。このとき、前シリンダ23aは排気工程にあり、該前シリンダ23a内に逃がされた圧縮圧力はその排気経路中にも逃がされる。
このように、前後シリンダ23a,23bのデコンプ作動タイミングを経てクランクシャフト22の回転が十分に加速され、その速度が所定値以上になったと制御装置70に判断された時点で、混合気噴射インジェクタ40からの混合気の噴射が開始されると共に、前後シリンダ23a,23bにおいて減圧を行わない通常の四工程(吸気、圧縮、燃焼及び排気行程)が実施され、もってエンジン20がスムーズに始動を開始する。
以上説明したように、上記実施例におけるエンジン20は、加圧された混合気を燃焼室30内に直接噴射する燃料直接噴射型内燃機関であって、エア噴射バルブ44の開閉作動により前記混合気を燃焼室30内に噴射する混合気噴射インジェクタ40と、当該エンジン20の運転状態を検出する運転状態検出手段としてのスロットル開度センサ71、回転数センサ72及びクランク角センサ73と、前記混合気噴射インジェクタ40の作動制御を行う制御装置70とを備え、当該エンジン20の運転状態に応じて、前記混合気噴射インジェクタ40による燃焼室30内への混合気噴射タイミング後の所定時間に、該混合気噴射インジェクタ40のエア噴射バルブ44を開作動させるものにおいて、当該エンジン20が位相の異なる前後シリンダ23a,23bを有し、該各シリンダ23a,23bに設けられる前記混合気噴射インジェクタ40のそれぞれへの前後空気供給路66a,66bが互いに連通するものである。
この構成によれば、当該エンジン20の始動時において、一シリンダの混合気噴射タイミング後に対応する混合気噴射インジェクタ40のエア噴射バルブ44を開作動させて燃焼室30内の圧縮圧力を減圧(デコンプレッション)する際、該圧縮圧力を対応する空気供給路のみならず他シリンダに対応する空気供給路をも利用して逃がすと共に、前記他気筒の行程に応じてその混合気噴射インジェクタ40のエア噴射バルブ44を開作動させ、該他シリンダの燃焼室30内にも前記圧縮圧力逃がすことができる。これにより、空気供給路内の残圧や該空気供給路に設けたプレッシャレギュレータの制御圧に影響されることなく、エンジン始動時における燃焼室30内の減圧を簡易かつ効率良く行うことができる。
また、上記エンジン20においては、当該エンジン20がV型二気筒エンジンであり、その各シリンダ23a,23b間に前記混合気噴射インジェクタ40への空気供給路66a,66bを配置したことで、各シリンダ23a,23bの混合機噴射インジェクタ40への空気供給路66a,66bを効率良く配置できると共に、混合気噴射インジェクタ40に対応する空気圧縮機65を各シリンダ23a,23bのバンク間に配置した場合にも、該空気圧縮機65と空気供給路66a,66bとを容易に接続できる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、自動二輪車以外の車両(乗用車、バス、トラック、原動機付自転車、自転車、四輪バギー車等)あるいは航空機、船、ボート、ヨット、マリンバイク等の各種輸送機器の原動機に適用してもよい。
また、DOHCエンジンやOHVエンジン等に適用してもよく、三気筒以上の複数気筒エンジンに適用してもよく、並列(直列)気筒エンジンやクランクシャフトを車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等の各種レシプロエンジンに適用してもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの一部断面を含む左側面図である。 図2のA−A断面図である。 上記エンジンの混合気噴射インジェクタのエアインジェクタの断面図である。 上記混合気噴射インジェクタの燃料インジェクタの断面図である。 上記混合気噴射インジェクタの制御系の主要構成図である。 上記エンジンの前後シリンダの混合気噴射インジェクタ周りの主要構成を示す図2に相当する側面図である。 上記混合気噴射インジェクタのクランク角に対する作動範囲を示すダイヤグラムである。 上記前後シリンダの混合気噴射インジェクタのクランク角に対する行程の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 自動二輪車
20 エンジン(燃料直接噴射型内燃機関)
23a 前シリンダ(気筒)
23b 後シリンダ(気筒)
30 燃焼室
40 混合気噴射インジェクタ
44 エア噴射バルブ
66a 前空気供給路(空気供給路)
66b 後空気供給路(空気供給路)
70 制御装置
71 スロットル開度センサ(運転状態検出手段)
72 回転数センサ(運転状態検出手段)
73 クランク角センサ(運転状態検出手段)

Claims (2)

  1. 加圧された混合気を燃焼室(30)内に直接噴射する燃料直接噴射型内燃機関(20)であって、
    エア噴射バルブ(44)の開閉作動により前記混合気を燃焼室(30)内に噴射する混合気噴射インジェクタ(40)と、当該内燃機関(20)の運転状態を検出する運転状態検出手段(71,72,73)と、前記混合気噴射インジェクタ(40)の作動制御を行う制御装置(71)とを備え、
    当該内燃機関(20)の運転状態に応じて、前記混合気噴射インジェクタ(40)による燃焼室(30)内への混合気噴射タイミング後の所定時間に、該混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)を開作動させる燃料直接噴射型内燃機関(20)において、
    当該内燃機関(20)が位相の異なる複数の気筒(23a,23b)を有し、該各気筒(23a,23b)に設けられる前記混合気噴射インジェクタ(40)のそれぞれへの空気供給路(66a,66b)が、位相の異なる気筒に対応するもの同士で互いに連通すると共に、
    当該内燃機関(20)の始動時で、前記位相の異なる各気筒(23a,23b)の一方における前記混合気噴射タイミング後の所定時間に前記混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)が開作動した際には、前記各気筒(23a,23b)の他方が吸気行程又は排気行程にあり、かつ前記各気筒(23a,23b)の他方における前記混合気噴射インジェクタ(40)のエア噴射バルブ(44)も同時に開作動することを特徴とする燃料直接噴射型内燃機関。
  2. 当該内燃機関(20)がV型二気筒エンジンであり、その各気筒(23a,23b)間に前記空気供給路(66a,66b)を配置したことを特徴とする請求項1に記載の燃料直接噴射型内燃機関。
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