JP2021188317A - 仮設床材及びそのつかみ金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】つかみ金具によって横架材間に架設又は懸架された仮設床材を撤去する仮設床材撤去作業の作業性を改善し、撤去作業時の作業者の作業上の負担又は負荷を軽減する。【解決手段】仮設床材(1)は、床材本体の端部に突設した可動フック式つかみ金具(10)を有する。つかみ金具の本体部分(11)は、横架材の上半部外周面に着座する弧状着座面(11f)を備える。つかみ金具は、本体部分に上下方向にスライド可能に支持又は支承された可動フック(12)を更に有する。可動フックは、横架材の外周面に沿って延びる横架材係合面(12a,12g,12f)と、床材本体の浮き上がりを阻止する外れ止め部分(13)と、横架材係合面及び外れ止め部分によって画成される横架材収容域(ε)と、横架材を横架材収容域に受入れ可能な開口域(λ)とを有する。開口域の開口寸法(D2,D3)は、本体部分及び可動フックの相対位置に相応して拡大し又は縮小する。【選択図】図2

Description

本発明は、仮設床材及びそのつかみ金具に関するものであり、より詳細には、仮設足場の横架材等に係止するつかみ金具によって横架材間に架設又は懸架され、仮設足場の作業通路又は作業床を形成する仮設床材及びそのつかみ金具に関するものである。
建築物、土木構造物、プラント設備等の建設工事に使用される仮設足場として、枠組足場、単管足場、楔結合式足場等の各種形式の仮設足場が日本国内において広く普及している。枠組足場又は楔結合式足場等において作業通路又は作業床を構成する仮設床材として、「床付き布わく」(床付き布枠)が知られている(特許文献1〜4、非特許文献1)。床付き布枠(布わく)は、床材、布材、梁材及びつかみ金具等を一体的に組み付けた構成を有する金属製の仮設床材であり、床付き布枠の各部構造については、比較的厳格な基準が定められている(非特許文献2)。例えば、床付き布枠のつかみ金具は、原則として、非特許文献2に記載される如く、「建わくの横架材からの浮き上がりを防止するための外れ止めを有していること」を要する。
一般に、床付き布枠は、左右一対のつかみ金具を両端部に有する。各つかみ金具のフック部分は、建枠(建てわく)の横架材、或いは、左右の支柱に楔結合した腕木等に係止する。各つかみ金具の外れ止め(可動爪)は、重力式セルフロック機構を有し、つかみ金具のフック部分を横架材又は腕木等(以下、横架材、腕木、桁材、梁材等の床荷重支持用の横部材又は水平部材を総称して「横架材」というものとする。)に係止すると、セルフロック機構がこの係止動作に機構連動してつかみ金具を横架材に自動的にロックし、横架材に対するフック部分の係止状態を拘束する。かくして、各つかみ金具は、セルフロック式に横架材上に係留されるが、床付き布枠を横架材から撤去する際には、セルフロック機構を手作業で解放しなければならない。図9(A)及び図9(B)には、従来の床付き布枠100を建枠Aの横架材Bから取り外す過程が例示されている。足場解体時等に床付き布枠を横架材から取り外す際には、図9(A)に示す如く、床付き布枠100の両端部に設けられたつかみ金具104の重力式セルフロック機構を実質的に同時に手動解放して床付き布枠100を全体的に持ち上げるか、或いは、図9(B)に示す如く、床付き布枠100の一端部に設けられたつかみ金具104の重力式セルフロック機構を手動で解放して床付き布枠100の一端部を持ち上げ、その傾斜状態を維持しつつ、床付き布枠100の他端部に設けられたつかみ金具104の重力式セルフロック機構を手動で解放して床付き布枠100の他端部を更に持ち上げる必要が生じる。前者の床付き布枠撤去作業は、一枚の床付き布枠の撤去のために複数の作業従事者等(以下、「作業者」という。)を要する作業形態であるので、実務的には、あまり採用されていない。他方、後者の床付き布枠撤去作業は、作業者が単独で遂行し得る作業であり、これは、一般に採用される作業形態であるが、作業者の負担が比較的大きいことから、作業上の負担を軽減することが望ましい。
床付き布枠撤去時の作業上の負担を軽減する対策として、外れ止めの重力式セルフロック機構を過渡的に解放状態に保持し得るように構成された床付き布枠が特許文献5に記載されている。この構成の床付き布枠においては、外れ止めを解放した直後につかみ金具を持ち上げて横架材上に載置することができるので、一端部の荷重を横架材によって過渡的に支持又は支承した状態で他端部の外れ止めを解放することができる。このような床付き布枠を使用した場合、単独の作業者が床付き布枠の端部間で移動して各端部を順次持ち上げ、床付き布枠を比較的容易に撤去し得るかもしれない。
特開2017-160666号公報 特開2010-185262号公報 特開2014-80845号公報 特開2000-179149号公報 特開2017-166207号公報
建築工事標準仕様書・同解説、JASS2、仮設工事(社団法人日本建築学会発行) 仮設工事認定基準とその解説、第8版(一般社団法人仮設工業会発行)
しかしながら、従来の床付き布枠は、4箇所のつかみ金具の全てにセルフロック式可動爪を外れ止め部材として備えるので、作業者が全てのつかみ金具の手動ロック解除操作を行う必要があり、従って、床付き布枠撤去時に床付き布枠の一端部の荷重を横架材で過渡的に支持又は支承し得たとしても、床付き布枠撤去作業は、一般に作業者が単独で(一人で)遂行することが多いという実務上の実態等を考慮すると、更なる作業者の負担軽減を図る対策が望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、つかみ金具によって横架材間に架設又は懸架された仮設床材を撤去する仮設床材撤去作業の作業性を改善し、撤去作業時の作業者の作業上の負担又は負荷を軽減することにある。
なお、床付き布枠は、床材、布材、梁材及びつかみ金具等を一体化し又は一体的に組み付けた構造を有する作業床等形成用の仮設材である。この種の仮設床材として、踏板、足場板、布板等の名称で各種形式の作業床等形成用の仮設材が市場に流通している。近年においては、アルミ押出形材からなる床材本体につかみ金具等を直に取付けた構造を有するアルミ製仮設床材等の如く、新規な構造を有する多様な作業床等形成用の仮設材が提案されている(例えば、特願2019-22105号明細書・図面)。本明細書の以下の記載においては、多種多様な作業床等形成用の仮設材を総称する用語として、「仮設床材」の用語を使用するものとする。
上記目的を達成すべく、本発明は、仮設足場の作業床又は作業通路を形成する仮設床材(1)のつかみ金具(10)であって、
仮設床材の端部から布方向又は桁方向に突出するように床材本体の端部に突設され、仮設床材を支持又は支承する横架材(B)に係止する仮設床材のつかみ金具において、
前記横架材の上半部外周面に着座して前記仮設床材の荷重を前記横架材に伝達する着座面(11f)を備えた本体部分(11)と、
該本体部分に上下方向にスライド可能又は面内変位可能に支持又は支承された可動フック(12)とを有し、
該可動フックは、前記横架材の上半部外周面に沿って延びる横架材係合面(12a)と、前記横架材の下半部外周面に沿って延び、前記横架材との係合又は衝合によってつかみ金具の上方変位を阻止する外れ止め部分(13)と、前記横架材係合面及び外れ止め部分によって画成される横架材収容域(ε)と、前記横架材係合面の先端部(12d)と前記外れ止め部分の先端部(13d)との間に形成され、前記横架材を前記横架材収容域に受入れ可能な開口域(λ)とを有し、
該開口域の開口寸法(D2,D3)は、前記着座面が前記横架材に着座したつかみ金具の係止位置において前記横架材の直径(D1)よりも小さく、前記可動フックが前記本体部分に対して下方に相対変位した開放位置において前記横架材の直径よりも大きいことを特徴とするつかみ金具を提供する。
本発明の上記構成によれば、つかみ金具は、上記可動フックの横架材係合面及び外れ止め部分によって画成される横架材収容域に横架材を収容するとともに、上記本体部分の着座面によって仮設床材の荷重を横架材に伝達するように構成される。つかみ金具の「浮き上がり」は、横架材の下半部外周面に沿って延びる外れ止め部分と横架材との係合又は衝合によって阻止される。横架材に対するつかみ金具の水平変位(布方向又は桁方向)は、横架材と着座面又は横架材係合面との係合又は衝合によって拘束される。
本発明に係る可動フック式つかみ金具は、着座面を介して仮設床材の鉛直荷重を横架材に伝達し、仮設床材は、横架材によって支持又は支承される。上向き鉛直の外力がつかみ金具の本体部分に作用すると、本体部分は上方に移動するが、可動フックは、重力下に横架材上に留まり、本体部分に対して相対的に下方にスライドし又は面内変位し、この結果、横架材収容域は、斜め下方に比較的大きく開放する。即ち、開口域の開口寸法(D2,D3)は、本体部分及び可動フックの相対位置に相応して拡大し又は縮小する。横架材収容域が比較的大きく開放した状態でつかみ金具を斜め上方に移動させると、つかみ金具は、横架材から円滑に離脱する。従って、仮設床材の撤去作業では、作業者は、片側に設けられた従来構造のつかみ金具のセルフロックを手作業で解除し、このつかみ金具を横架材の上方に若干持ち上げて、仮設床材を全体的に傾斜させた後、仮設床材の反対側の端部を上方に若干持ち上げて、本発明に係る可動フック式つかみ金具の横架材収容域を斜め下方に比較的大きく開放し、しかる後、このつかみ金具が横架材から離脱するように床材本体を全体的に斜め上方に移動させれば良く、これにより、床材本体を横架材から撤去し又は取り外すことができる。かくして、本発明に係る仮設床材によれば、作業者は、仮設床材の端部間で移動して両端部のつかみ金具を手動操作することを要しないので、仮設床材撤去作業の作業性が大きく改善し、撤去作業時の作業者の作業上の負担又は負荷は、大幅に軽減する。
他の観点より、本発明は、上記構成のつかみ金具を一方の端部に備えた仮設床材を提供する。
更に他の観点より、本発明は、上記仮設床材の施工方法であって、
仮設構造物の横架材(B)に架設又は懸架された前記仮設床材(1)を該横架材から撤去すべく、該仮設床材の一方の端部に配置された前記つかみ金具(10)を前記横架材から離脱させる作業において、
前記横架材に対して前記つかみ金具の本体部分(11)を僅かに上方に移動させて、前記可動フック(12)を前記本体部分に対して下方に相対変位させることにより、前記開口域(λ)部の開口寸法(D2,D3)を拡大し、
前記仮設床材を斜め上方(μ)に移動させることにより、前記つかみ金具を前記横架材から離脱させることを特徴とする仮設床材の施工方法を提供する。
上記構成の可動フックを備えた本発明のつかみ金具、このつかみ金具を備えた仮設床材及びその施工方法によれば、つかみ金具によって横架材間に架設又は懸架された仮設床材を撤去する仮設床材撤去作業の作業性を改善し、撤去作業時の作業者の作業上の負担又は負荷を軽減することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、上記可動フック(12)は、上記本体部分(11)の鉛直面(正面)と平行な鉛直面(背面)を有し、可動フック及び本体部分の各鉛直面は、互いに僅かに離間し又は近接して対向し、或いは、互いに摺動可能に接触する。好ましくは、本体部分及び可動フックが横架材との係合を離脱した状態において、可動フックは、本体部分に対して重力下に降下し、上記開口域(λ)は、横架材(B)の直径(D)よりも大きい開口寸法(D3)に拡開し、上記横架材収容域(ε)は、この開口域を斜め下方に比較的大きく開口して、横架材を受入れ可能に開放する。つかみ金具の係止位置において、可動フックは、横架材の支持力又は反力によって支持又は支承され、本体部分に対して相対的に上方に変位した位置において静止し、開口域は、横架材の直径よりも小さい開口寸法(D2)に縮小し、本体部分及び可動フックは、横架材を横架材収容域に収容して、つかみ金具が横架材から係合離脱するのを阻止する。
本発明の更に好適な実施形態によれば、可動フック又は本体部分の一方は、上下方向に延びるスロット又は長孔(16,17)を有し、可動フック又は本体部分の他方は、その鉛直面に水平に突設されたスタッド又は支軸(14,15)を有する。スタッド又は支軸は、スロット又は長孔に延入し、或いは、スロット又は長孔を貫通する。可動フックは、スロット又は長孔とスタッド又は支軸との上下方向の相対変位に相応して上下動し、本体部分に対して相対的にスライドし又は面内変位する。スロット又は長孔とスタッド又は支軸とから構成されるスライド機構又は面内変位機構は、好ましくは、つかみ金具の正面視において横架材収容域の両側に配置される。なお、本明細書において、「面内変位」は、可動フックの中心平面と実質的に同一又は平行な平面内、或いは、実質的に鉛直な平面内における可動フックの変位を意味する。この面内変位は、正面視における可動フックの挙動により特定し得る可動フックの二次元的変位として把握しても良い。
好適には、つかみ金具は、上記着座面(11f)によって仮設床材の荷重を横架材に伝達し、この着座面又は上記横架材係合面(12f)と横架材との係合又は衝合によってつかみ金具の水平変位を拘束するように構成される。着座面及び横架材係合面は、横架材収容域に収容した横架材の上半部外周面に面接触し又は近接して延びるように少なくとも部分的に湾曲しており、外れ止め部分の上面は、横架材収容域に収容した横架材の下半部外周面に近接又は接触し、或いは、横架材の下半部外周面から僅かに離間して延びるように湾曲し又は傾斜する横架材衝合面(13a)を構成する。横架材と外れ止め部分との重なり寸法(β)は、平面視において5mm以上且つ17mm以下、好ましくは、8〜15mmの範囲内の寸法に設定される。風圧等に起因した仮設床材の浮き上がり等は、横架材衝合面と横架材との係合によって阻止される。
本発明の好適な実施形態において、上記開口域(λ)の開口平面(ω)の垂線方向(μ)は、水平面(HL)に対して30〜70度の角度範囲内、好ましくは、30〜60度の角度範囲内、更に好ましくは、40〜60度の角度範囲内の角度の傾斜角(θ1)をなす方向に配向される。横架材から離脱する際のつかみ金具の斜め上方の運動は、好ましくは、この垂線方向と概ね平行な方向の運動である。
図1は、本発明の好適な実施例に係る仮設床材を仮設足場の横架材間に架設又は懸架した状態で示す斜視図及び平面図である。 図2は、図1に示す仮設床材の正面図及び部分拡大正面図である。 図3(A)及び図3(B)は、図1及び図2に示すつかみ金具を横架材から係合離脱させる過程を示す仮設床材の部分拡大正面図であり、図3(A)には、可動フック式つかみ金具の係合離脱過程が示され、図3(B)には、可動爪式つかみ金具の係合離脱過程が示されている。 図4(A)〜図4(D)は、可動フック式つかみ金具の構造を示す平面図、正面図、背面図及び右側面図である。 図5は、図4に示す可動フック式つかみ金具の斜視図である。 図6(A)及び図6(B)は、可動フック式つかみ金具の正面図及び右側面図であり、つかみ金具本体に対して可動フックを下方にスライドさせた状態が示されている。 図7は、図1〜図6に示す仮設床材の撤去作業の作業手順を段階的に示す正面図である。 図8は、従来の床付き布枠(比較例)の撤去作業の作業手順を段階的に示す正面図である。 図9(A)及び図9(B)は、従来の床付き布枠を建枠の横架材から取り外す作業の態様を示す仮設足場の正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施例に係る仮設床材の構成を全体的に示す斜視図及び平面図であり、図2は、図1に示す仮設床材の正面図及び部分拡大正面図である。図1及び図2には、各つかみ金具を仮設足場の横架材に係止して横架材間に架設した状態が示されている。図3(A)及び図3(B)は、図2の部分拡大正面図と同様、各つかみ金具の構成を示す仮設床材の部分拡大正面図である。図3(A)及び図3(B)には、各つかみ金具を横架材から離脱可能な位置又は形態に変位又は変形させた状態が示されている。
図1及び図2には、枠組足場の建枠Aに支持又は支承された仮設床材1が示されている。建枠Aは、横架材B及び脚柱Cを一体化し、補剛材D、E等によって補強してなる鋼製の枠体である。仮設床材1は、床材本体2を有し、床材本体2の上面(床面)は、仮設足場の作業通路又は作業床を構成する。床面延設部材3が、床材本体2の両端部に一体的に取付けられる。左右一対の可動爪式つかみ金具4が、床材本体2の一端部に配設され、左右一対の可動フック式つかみ金具10が、床材本体2の他端部に配設される。つかみ金具4、10は、床材本体2の端部から布方向又は桁方向に突出する。つかみ金具4、10の取付け位置は、図1(B)に示す如く、仮設床材1の平面視鉛直中心軸線に対して180度の回転対称の位置である。なお、以下の説明においては、枠組足場の建枠Aの横架材Bに仮設床材1を架設した構成について説明するが、本実施例の仮設床材1は、枠組足場のみならず、楔結合式足場等においても横架材(腕木)間に架設し得るように設計されており、従って、仮設床材1は、枠組足場及び楔結合式足場等の各種形式の足場において共用又は兼用可能な仮設床材である。
図1及び図2に示す床材本体2は、布枠(布材及び梁)を備えておらず、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の押出成形材21、22を一体的に組付けた構造を有する。本例の床材本体1は、幅約250mmの押出成形材21を幅約30mm程度のジョイント用押出成形材22によって並列且つ一体的に連結した構造を有する。各押出成形材21は、押出成形材21の全長に亘って長手方向(布方向又は桁方向)に延びる複数の補剛リブ23を有する。補剛リブ23は、側縁部及び中間部に並列配置され、押出成形材21を補強又は補剛する。補剛リブ23は、鉛直荷重等に抗する曲げ剛性(断面係数等)の向上という点でおいて、床付き布枠の布枠又は布地材に相当する構造要素である。床面延設部材3も又、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の押出成形材からなり、床材本体2の各端部に一体的に取付けられる。床材本体2及び床面延設部材3の構造については、本出願人の出願に係る特願2019-22105号及び特願2020-020221号の明細書・図面に詳細に記載されているので、特願2019-22105号及び特願2020-020221号の明細書・図面を引用することにより、更なる詳細な説明を省略する。
図1及び図2に示す如く、仮設床材1は、つかみ金具4、10を建枠Aの横架材Bに係止することにより、隣り合う建枠Aの横架材B間に架設又は懸架される。つかみ金具4、10は、仮設床材1の荷重を横架材Bに伝達する。つかみ金具4は、図2の部分拡大図に示す如く、重力式(セルフロック式)の可動爪を備えた従来の可動爪式つかみ金具である。つかみ金具10は、図2の部分拡大図に示す如く、本発明に係る可動フック12を有する可動フック式つかみ金具である。可動フック12は、外れ止め部分13を一体化した構造を有し、つかみ金具本体11に上下動可能に支持又は支承されている。
図2の部分拡大図に示す如く、可動爪式つかみ金具4(以下、「つかみ金具4」という。)は、重力式(セルフロック式)の可動爪からなる外れ止め5と、横架材Bの上面に着座して横架材Bに係止するつかみ金具本体6(以下、「本体6」という。)とから構成される。本体6の基部6aが、ボルト・ナット組立体6bによって床材本体20の側縁部の補剛リブ23に固定される。
外れ止め5及び本体6は夫々、一体成形されたアルミ製部品からなる。外れ止め5は、湾曲スロット(長孔)7を有し、スロット7を貫通する上下一対の水平スタッド(水平支軸)8が、本体6の側面に水平に突設される。外れ止め5は、常時は、重力下に降下したロック位置(図2)に位置する。上側のスタッド8は、スロット7の上縁部分を支承し、外れ止め5の湾曲係止面5aは、横架材Bの下半部外周面に接触し又は近接する。外れ止め5は、図2に示すように、横架材Bの下半部外周域に延在し、平面視において外れ止め5と重なり、その重なり寸法αは、5mm以上且つ15mm以下、例えば、約10mmに設定される。風圧等に起因した仮設床材1の浮き上がり等は、湾曲係止面5aと横架材Bとの係合によって阻止される。ロック位置の外れ止め5の先端部と、本体6の一体的フック部分6dの先端部との間に画成された開口域κの開口寸法D4は、横架材Bの直径D1よりも小さく、従って、つかみ金具4は、横架材Bを抱持した状態で横架材B上に拘束される。
円形断面の番線挿通孔9が、本体6の上部を水平に貫通する。所望より、番線(図示せず)を番線挿通孔9に挿通して横架材B廻りに周回せしめた後、番線を固縛し又は緊締し、これにより、本体6を横架材Bに番線固定することができる。
図2に示す如く、作業者の手指の圧力Fpで外れ止め5を斜め上方に押し上げ、下側のスタッド8がスロット7の下縁部分に当接又は衝合せしめると、外れ止め5の湾曲係止面5aは、図3(B)に示す如く、横架材Bの下半部外周域から退避し、この結果、横架材Bを収容した本体6の凹所又は横架材収容域は、比較的大きく下方に開放する。図3(B)には、外れ止め5をロック解除位置に移動させたつかみ金具4の状態が示されている。このような外れ止め5のロック解除位置においては、外れ止め5の先端部とフック部分6dの先端部との間に画成された開口域κの開口寸法D5は、横架材Bの直径D1よりも大きく、従って、つかみ金具4は、横架材Bから係合離脱するように上昇することができる。かくして、つかみ金具4の退避に伴う開放域κの拡開により、横架材Bに対する仮設床材1の上方変位が許容されるので、上向きの力Fvとして図3(B)に示す如く、作業者等が手作業で床材本体2を上方に持ち上げることにより、つかみ金具4を横架材Bから円滑に離間又は離脱させることができる。
他方、仮設床材1の反対側の端部に配置された可動フック式つかみ金具10(以下、「つかみ金具10」という。)は、前述のとおり、横架材Bに係止可能なつかみ金具本体11(以下、「本体11」という。)と、本体11に上下動可能に支持された下面開口形且つ凹形又はC形の平板状可動フック12とを備えており、可動フック12は、横架材Bの下側に延びる外れ止め部分13を有する。本体11の基部11aが、つかみ具4の基部6aと同様、ボルト・ナット組立体11bによって床材本体20の側縁部の補剛リブ23に固定される。外れ止め部分13は、つかみ金具4の外れ止め5と同様、横架材Bの下半部外周域に延在し、平面視において横架材Bと重なり、その重なり寸法βは、5mm以上且つ18mm以下、好適には、10mm以上且つ16mm以下、例えば、約14mmに設定される。風圧等に起因した仮設床材1の浮き上がり等は、外れ止め部分13の上面からなる横架材衝合面13aと横架材Bとの係合又は衝合によって阻止される。
つかみ金具10は、可動フック12を上下動可能に支持又は支承するスライド機構又は面内変位機構として、水平スタッド(水平支軸)14、15及び鉛直スロット(鉛直長孔)16、17を備える。図2に示すようにつかみ金具10を横架材Bに係止した状態では、可動フック12は、横架材Bの反力又は支持力によって降下を阻止され、本体11に対して相対的に上昇した係止位置に位置する。以下、図2に示す如く本体11に対して相対的に上昇した可動フック12の位置を「係止位置」というものとし、このように可動フック12が係止位置に位置する状態で弧状着座面11fが横架材Bの外周面に着座した状態をつかみ金具10の「係止位置」というものとする(弧状着座面11fについては後述する)。この係止位置においては、外れ止め部分13の先端部13dと本体11の先端部11dとの間に画成された開口域λの開口寸法D2は、横架材Bの直径D1よりも小さく、従って、つかみ金具4は、横架材Bを抱持した状態で横架材B上に拘束される。
他方、図2に上向きの力Fvで示す如く、作業者等が手作業で床材本体2を上方に持ち上げると、つかみ金具10が上昇する一方、可動フック12が重力下に横架材B上に留まり、従って、可動フック12は、本体11に対して相対的に降下する。この結果、図3(A)に示す如く、横架材Bを収容した本体11の凹所又は空所、即ち、横架材収容域εは斜め下方に比較的大きく開放する。以下、このように可動フック12が本体11に対して相対的に降下し、本体11の横架材収容域εが斜め下方に比較的大きく開放する可動フック12の位置を可動フック12の「開放位置」というものとし、このように可動フック12が開放位置に位置する状態で横架材収容域ε内の横架材Bが横架材収容域εから離脱可能な状態、或いは、横架材Bが横架材収容域εから完全に脱した状態をつかみ金具10の「開放位置」というものとする。この開放位置においては、外れ止め13の先端部13dと可動フック12の先端部12dとの間に画成された開口寸法D3(>横架材Bの直径D1)の開口域λが斜め下方に比較的大きく開放し、従って、つかみ金具10は、斜め上向きの力Fuによって横架材Bから係合離脱するように斜め上方に移動することができる。即ち、この開放位置において、横架材Bに対する仮設床材1の斜め上方の変位が許容されるので、斜め上向きの力Fuとして図3(A)に示す如く、作業者等が手作業で床材本体2を斜め上方に移動させることにより、つかみ金具10を横架材Bから離間又は離脱させ、仮設床材1を横架材Bから取外し又は撤去することができる。なお、力Fuの方向、即ち、係合離脱方向μは、横架材Bの中心軸線Bcを含む水平面HLに対して角度θ1をなす方向に設定され、角度θ1は、好ましくは、30〜60度の範囲内、更に好ましくは、約40〜50度の範囲内(例えば、45度)に設定される。この角度は、後述する開口面ω(図6)の垂線方向と実質的に一致する。
図4(A)〜図4(D)及び図5は、つかみ金具10の構造を示す平面図、正面図、背面図、右側面図及び斜視図である。図4(A)〜図4(D)及び図5には、可動フック12を係止位置に上昇させた状態が示されている。図6(A)及び図6(B)も又、つかみ金具10の構造を示す正面図及び右側面図であるが、図6(A)及び図6(B)には、可動フック12を開放位置に降下させた状態が示されている。
つかみ金具10を構成する本体11及び可動フック12は夫々、一体成形された直立平板状のアルミ製部品からなる。図4に示す如く、本体11の基部11aには、ボルト・ナット組立体11bのボルトを挿通可能なボルト孔11cが穿設される。前述のとおり、基部11aは、ボルト孔11cを貫通するボルト・ナット組立体11bによって床材本体2の補剛リブ23に固定される(図2)。可動フック12は、図4(A)に示す如く、本体11と平行且つ近接して本体11に並列配置されており、可動フック12は、本体11の鉛直面と平行な鉛直面を有する。可動フック12及び本体11の各鉛直面は、互いに僅かに離間し又は近接して対向し、或いは、互いに摺動可能に接触している。つかみ金具10の全体的な厚さ(幅)は、比較的小さい(薄い)寸法に設定されているが、可動フック12の外れ止め部分13は、図4(D)に示す如く、側方に僅かに屈曲して本体11の側面から離間している。このような外れ止め部分13の変形又は異形性は、つかみ金具10を備えた仮設床材1の収納時、格納時又は保管時等に仮設床材1を上下に積み重ねる際、外れ止め部分13が直下の可動フック12の上部に衝合するのを防止し、上下に積層された仮設床材1のつかみ金具10同士が位置的又は物理的に干渉する事態を回避する手段である。
可動フック12は、上記のとおり、鉛直方向又は上下方向に真っ直ぐに延び且つ可動フック12の板体を貫通する左右一対の鉛直スロット(鉛直長孔)16、17と、各スロット16、17を夫々貫通する左右一対の水平スタッド(水平支軸)14、15とをスライド機構又は面内変位機構として備える。各スタッド14、15は、本体11に固定された段付きリベット等の金属部材からなり、本体11の側面に水平に突設される。図4(B)に示す如く、可動フック12の基端側(図4(B)において左側)に位置するスタッド14の中心軸線は、横架材Bの中心軸線Bcを含む水平面HLと実質的に同じ又は同等の高さ位置に配置され、可動フック12の先端側(図4(B)において右側)に位置するスタッド15の中心軸線は、水平面HLよりも上方に配置される。水平面HLに対するスタッド15の中心軸線の高さh2(図4(B))は、10〜15mmの範囲内の寸法(例えば、13mm)に設定される。スロット16、17の全高h3、h4は、約25mmに設定される。図4に示す可動フック12の上昇位置(即ち、図2に示すつかみ金具10の係止位置)において、スタッド14、15は、スロット16、17の下端部に位置する。これに対し、図6に示す可動フック12の降下位置(即ち、図3(A)に示すつかみ金具10の開放位置)において、スタッド14、15は、スロット16、17の上端部に位置する。所望により、可動フック12の上下動を案内する補助的なスライド機構又は面内変位機構として、図4(A)及び図4(C)に仮想線(二点鎖線)で示すガイド部材19等を本体11に配設しても良い。ガイド部材19は、可動フック12の先端面に摺接可能なL形金属部材からなり、可動フック12を上下方向に案内して可動フック12の上下動を安定させるように機能する。
本体11は、図4(C)に示す如く、横架材Bの上半部外周面に着座するように湾曲した弧状着座面11fを有する。一般に、枠組足場(及び楔結合式足場)においては、横架材Bの直径D1は、42.7mmである。弧状着座面11fは、横架材Bの中心軸線Bcを中心とした半径rの円弧面を少なくとも部分的に有し、半径rは、約21〜22mmの範囲内の寸法(例えば、21.35mm)に設定される。仮設床材1を横架材Bの間に架設した状態(図1及び図2)において、弧状着座面11fは、横架材Bの上半部外周面に着座する。つかみ金具10の係止位置(図2)において、仮設床材1の荷重は、弧状着座面11fを介して横架材Bに伝達する。
係止位置のつかみ金具10の正面視及び背面視(図4(B)及び図4(C))に示すように、弧状着座面11fは、その先端側では、開口域λを画成する先端部11dを介して先端下面11eに連続し、その基端側では、概ね直線的に斜め下方に延びる外れ止め部分13の横架材衝合面13aに実質的に連続する。先端下面11eは、水平面HLの下方に位置する概ね水平な平坦面であり、水平面HLに対する先端下面11eの高さ位置h1(図4(B))は、−5〜−10mmの範囲内の寸法(例えば、−8mm)に設定される。
横架材衝合面13aは、つかみ金具10の係止位置及び開放位置において開口域λを画成する先端部13dを含む。弧状着座面11f、先端部11d、横架材衝合面13a及び先端部13dは、横架材Bを収容可能な横架材収容域εを形成する。横架材収容域εは、横架材Bを収容し得る概ねC字形断面の下面開口形凹所である。先端部11d、13dによって規定される横架材収容域εの開口面ω(図4(C))は、横架材Bの中心軸線Bcを含む水平面HLに対して所定角度θ2(図4(C))をなして開口し、開口域λは、横架材収容域εを斜め下方に向けて開放する。本例において、つかみ金具10の係止位置における開口面ωの傾斜角θ2は、約25〜35度(例えば、30度)に設定される。
他方、開放位置のつかみ金具10の正面視(図6(A))においては、弧状着座面11fは、本体11の上昇に伴って横架材Bの上半部外周面から離間し、可動フック12の弧状着座面12fが、横架材Bの上半部外周面に着座する。弧状着座面12fは、弧状着座面11fの半径rと実質的に同じ半径r’の円弧面を少なくとも部分的に有し、半径r’は、約21〜22mmの範囲内の寸法(例えば、21.35mm)に設定される。弧状着座面12fは、その先端側では、正面視において概ね直線的に斜め下方に延びる先端斜面12gに連続する。弧状着座面12f及び先端斜面12gは、横架材Bの上半部外周面に沿って延びる横架材係合面12aを構成する。横架材係合面12aは、つかみ金具10の係止位置(図4)において、横架材Bに対する相対的な水平変位により横架材Bと係合又は衝合する。従って、横架材係合面12aは、弧状着座面11fと協働して、つかみ金具10の水平変位を拘束するように機能する。
先端斜面12gは、つかみ金具10の開放位置において開口域λを画成する先端部分12dを含む。本例において、先端部分12dは、外れ止め部分13の先端部13dに対して最短距離に位置する先端斜面12gの部位として特定し得る。先端斜面12gの最先端部(最下端部)は、先端下面12eに連続する。先端下面12eは、水平面HLと同等の高さ位置に位置する概ね水平な平坦面である。つかみ金具10の係止位置(図4)では、先端下面12eは先端下面11eの上側に位置し、横架材収容域εの開口域λは本体11の先端部11d及びその近傍の部分によって少なくとも部分的に閉鎖又は閉塞するのに対し、つかみ金具10の開放位置(図6)においては、先端下面12eは先端下面11eの下側に位置し、横架材収容域εの開口域λは完全に開放する。弧状着座面12fは、その基端側では、外れ止め部分13の横架材衝合面13aに連続する。先端斜面12g及び横架材衝合面13aは概ね平行に延びる斜面であり、つかみ金具10を横架材Bから係合離脱せしめる前述の力Fuの方向(図6(A)に二点鎖線で示す方向)と概ね同じ角度θ1の方向に配向される。図6に示すつかみ金具10の開放位置において、横架材収容域εの開口寸法D3は、先端斜面12g及び横架材衝合面13aの最短離間距離であり、開口寸法D3は、横架材Bの直径D1(=42.7mm)よりも僅かに大きい寸法(例えば、45mm)に設定される。この開放位置における弧状着座面11f、12fの高低差h5(図6(A))は、約13〜18mm(例えば、16mm)に設定される。
図7は、仮設床材1の撤去作業の作業手順を段階的に示す正面図であり、図8は、従来構造のつかみ金具を両端部に備えた床付き布枠(比較例)の撤去作業の作業手順を段階的に示す正面図である。本発明と従来技術との相違に関する理解を容易にするため、仮設床材1の撤去作業について説明する前に、比較例に係る床付き布枠の撤去作業について、図8を参照して説明する。
図8(A)には、つかみ金具104によって仮設足場の横架材Bに支持された床付き布枠100が示されている。つかみ金具104は、セルフロック式可動爪(外れ止め105)を備えた従来の可動爪式つかみ金具である。床付き布枠100は、床材101、布材102及び梁材(はり材)103を一体的に組み付けてなる鋼製の仮設床材である。左右一対のつかみ金具104が左右の布材102の両端部に一体的に取付けられており、従って、実質的に同じ構造を有するつかみ金具104が、床付き布枠100の4つの角部に夫々配設されている。図8(B)に示す如く、各つかみ金具104は、上記構成の外れ止め105と、横架材Bに着座可能なフック本体106とから構成される。外れ止め105は、湾曲したスロット(長孔)107を有し、フック本体に水平に固定されたスタッド(支軸)108がスロット107を貫通する。各つかみ金具104の外れ止め105は、横架材Bの下半部外周域に延在し、フック本体106の上方変位を阻止するロック位置に位置する。外れ止め105は、このロック位置において、風圧等に起因した床付き布枠100の浮き上がり等を防止する。なお、図8には、前述の特許文献5に記載された構造及び形態を有する外れ止め105が例示されている。
仮設足場の解体撤去時等に床付き布枠100を横架材Bから撤去する際には、作業者は、図8(B)に矢印で示す如く、一端部(図8において左側の端部)の外れ止め105を手指で上方に押し上げてロック解除位置に変位させ、図8(C)に示す如く、フック本体106の下面を解放し、フック本体106を全体的に上方変位させる。作業者は、図8(C)に矢印で示すように床付き布枠100の端部を上方に持ち上げた後、図8(D)及び図8(E)に示すように外れ止め105を手指で下方に変位させ、外れ止め105の下端部を横架材Bの上面に着座せしめると、床付き布枠100の端部が横架材Bによって過渡的に支持又は支承される。この状態では、他端部(図8において右側の端部)の外れ止め105は、依然としてロック位置に位置する(図8(F))。
作業者が床付き布枠100の他端部に移動し、図8(F)に矢印で示すように他端部の外れ止め105を手指でロック解除位置に変位させ、図8(G)に矢印で示すように床付き布枠100の端部を上方に持ち上げると、床付き布枠100は、全体的に上方に変位し、図8(H)に示す如く、横架材Bから完全に離脱する。作業者は、図8(H)に矢印で示すように床付き布枠100を全体的に持ち上げ、或いは、傾倒させ、これにより、床付き布枠100を横架材Bから撤去することができる。
このような従来の床付き布枠100を使用した場合、作業者は、床付き布枠100の端部間で移動し、各端部の外れ止め105を手指でロック解除位置に変位させる手動ロック解除操作を実施しなければならない。このような端部間の移動の間、作業者は、床付き布枠100の姿勢及び位置等の安定状態を維持しなければならず、これは、従来より、作業上の負担又は負荷として作業者に意識又は認識されていた。これに対し、本実施例に係る仮設床材1のつかみ金具10は、以下に説明するとおり、一方の端部の外れ止め105を操作する必要をなくし、作業上の負担又は負荷を大幅に軽減する。
本発明に係る仮設床材1の撤去作業の過程又は工程が図7に示されている。前述の如く、仮設床材1は、左右一対の可動爪式つかみ金具4を床材本体2の一端部に備えるとともに、左右一対の可動フック式つかみ金具10を床材本体2の他端部に備える。可動爪式つかみ金具4は、図8に示すつかみ金具104と概ね同等の構造を有するが、可動フック式つかみ金具10は、前述の如く、本体11に上向きの外力Fv(図7(C))によって若干上昇させた後、係合離脱方向μの外力Fu(図7(F))によってつかみ金具10を斜め上方に移動させることにより、ロック解除のための手動操作を行うことなく、横架材Bから離脱させることができるように構成されている。以下、仮設床材1の撤去作業の過程又は工程について説明する。
仮設足場の解体撤去時等に仮設床材1を横架材Bから取り外す際には、作業者は、図7(B)に矢印で示す如く、つかみ金具4の外れ止め5を手指で上方に押し上げ、図7(D)に示すロック解除位置に変位させ、図7(D)及び図7(G)に矢印で示すように本体6を若干上方に変位させる。つかみ金具10は、横架材B廻りに回転するので、作業者がつかみ金具4の近傍において仮設床材1の端部を手指で押し上げると、仮設床材1は、図7(E)に示すように全体的に傾斜する。仮設床材1は、2〜5度程度、例えば、3度程度の傾斜角をなして傾斜すれば良い。
図7(C)に示す如く、作業者は、上向きの外力Fvによって上方に変位させるようにつかみ金具10近傍の仮設床材1の端部を持ち上げ、可動フック12をその開放位置に変位させることにより、つかみ金具10の横架材収容域ε(図6)を斜め下方に向けて比較的大きく開放せしめる。作業者は更に、図7(F)に示す如く、仮設床材1を係合離脱方向μの外力Fuによって全体的に係合離脱方向μに移動させて、つかみ金具10を係合離脱方向μに移動させる。この結果、つかみ金具10は、図7(I)に示すように横架材Bから完全に離脱する。
かくして、本実施例の仮設床材1によれば、図7(A)〜図7(D)に示す如く、つかみ金具4の外れ止め5のロックを解除してつかみ金具4を若干上方に持ち上げるとともに、つかみ金具10を若干持ち上げて開放位置に切り換えた後、図7(E)〜図7(G)に矢印で示すように仮設床材1を全体的に斜め上方に移動させることにより、つかみ金具4、10と横架材Bとの係合を円滑に解き、図7(I)及び図7(H)に示すようにつかみ金具4、10を横架材Bから完全に離脱させることができる。作業者は更に、図7(H)に示す如く全体的に持ち上げた仮設床材1を更に傾倒させ、作業通路上に降ろし、手作業等で作業通路上を場内搬送し、これにより、仮設床材1を横架材Bから撤去して他の場所に移設し、或いは、場外に搬出すれば良い。
このような仮設床材1の撤去作業においては、仮設床材1を若干持ち上げた状態で仮設床材1の端部間を移動して両端部のつかみ金具10の手動ロック解除操作を行う煩雑な作業を要しない。このため、作業者の労力が大幅に低減し、作業上の負担又は負荷が大幅に軽減する。なお、仮設床材1を横架材B間に架設又は懸架する仮設足場の組立作業等においては、上記撤去作業とは逆の作業手順に従って仮設床材1のつかみ金具4、10を横架材Bに係止又は係合させれば良い。
以上、本発明の好適な実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施例においては、可動フック式つかみ金具は、床材本体を構成するアルミ押出形材に取付けられているが、可動フック式つかみ金具を従来の床付き布枠に取付けても良い。
また、上記実施例の説明は、主として、枠組足場の建枠によって仮設床材を支持した構成に関するものであるが、前述のとおり、本発明の仮設床材は、楔結合式足場の横架材(腕木)によっても支持することができる。所望により、本発明の仮設床材をブラケット足場、移動式足場等の他の形式の足場において使用し、或いは、他の形式の足場において好適に使用し得るように設計変更することも可能である。
更に、可動フックの支持又は支承構造や、可動フックの各部構造については、本発明に適合する限りにおいて、従来の任意の形態、寸法又は設計を適宜採用することができ、例えば、上記実施例では、スライド機構又は面内変位機構として、可動フックにスロットを形成し、スタッドをつかみ金具本体に突設した構造を採用しているが、スロットをつかみ金具本体に形成し、スタッドを可動フックに突設することも可能である。所望により、他の構造又は設計のスライド機構又は面内変位機構を採用しても良く、例えば、可動フックを支持又は支承するとともに可動フックの上下動を案内するように設計された金属製ガイド部材又は溝形部材等をつかみ金具本体に配設しても良い。
また、上記実施例では、つかみ金具をボルト・ナット組立体によって床材本体に固定しているが、つかみ金具をリベット、溶接等の他の固定手段又は接合手段によって床材本体に固定しても良い。
本発明は、建築・土木工事等において使用される枠組足場、楔結合式足場等において、仮設足場の横架材等に係合するつかみ金具によって隣り合う横架材の間に架設又は懸架され、仮設足場の作業通路又は作業床を形成する仮設床材及びそのつかみ金具に適用される。床材本体の第1端部に可動爪式つかみ金具を配設し、床材本体の第2端部に本発明の可動フック式つかみ金具を配設した仮設床材によれば、つかみ金具によって横架材間に架設又は懸架された仮設床材を撤去する仮設床材撤去作業の作業性を大幅に改善し、撤去作業時の作業者の作業上の負担又は負荷を軽減することができるので、本発明に係るつかみ金具を備えた仮設床材の実用的効果は、顕著である。
1 仮設床材
2 床材本体
3 床面延設部材
4 可動爪式つかみ金具
5 外れ止め
6 つかみ金具本体
7 湾曲スロット
8 水平スタッド
9 番線挿通孔
10 可動フック式つかみ金具
11 つかみ金具本体
11a 基部
11e、12e 先端下面
11d、12d、13d 先端部
11f、12f 弧状着座面
12 可動フック
12a 横架材係合面12g 先端斜面
13 外れ止め部分
13a 横架材衝合面
14、15 水平スタッド(水平支軸)
16、17 鉛直スロット(鉛直長孔)
A 建枠
B 横架材
Bc 横架材の中心(凹所の中心)
D1 横架材の直径
D2、D3、D4、D5 開口寸法
Fv 上向きの力
Fu 斜め上向きの力
r、r’ 半径
HL 水位面
α、β 重なり寸法
ε 横架材収容域(凹所)
λ、κ 開口域
μ 係合離脱方向
ω 開口面
θ1、θ2 角度

Claims (11)

  1. 仮設足場の作業床又は作業通路を形成する仮設床材(1)のつかみ金具(10)であって、
    仮設床材の端部から布方向又は桁方向に突出するように床材本体の端部に突設され、仮設床材を支持又は支承する横架材(B)に係止する仮設床材のつかみ金具において、
    前記横架材の上半部外周面に着座して前記仮設床材の荷重を前記横架材に伝達する着座面(11f)を備えた本体部分(11)と、
    該本体部分に上下方向にスライド可能又は面内変位可能に支持又は支承された可動フック(12)とを有し、
    該可動フックは、前記横架材の上半部外周面に沿って延びる横架材係合面(12a)と、前記横架材の下半部外周面に沿って延び、前記横架材との係合又は衝合によってつかみ金具の上方変位を阻止する外れ止め部分(13)と、前記横架材係合面及び外れ止め部分によって画成される横架材収容域(ε)と、前記横架材係合面の先端部(12d)と前記外れ止め部分の先端部(13d)との間に形成され、前記横架材を前記横架材収容域に受入れ可能な開口域(λ)とを有し、
    該開口域の開口寸法(D2,D3)は、前記着座面が前記横架材に着座したつかみ金具の係止位置において前記横架材の直径(D1)よりも小さく、前記可動フックが前記本体部分に対して下方に相対変位した開放位置において前記横架材の直径よりも大きいことを特徴とするつかみ金具。
  2. 前記可動フックは、前記本体部分の鉛直面と平行な鉛直面を有し、前記可動フック及び本体部分の各鉛直面は、互いに僅かに離間し又は近接して対向し、或いは、摺動可能に接触していることを特徴とする請求項1に記載のつかみ金具。
  3. 前記本体部分及び可動フックが前記横架材との係合を離脱した状態において、前記可動フックは、前記本体部分に対して重力下に降下し、前記開口域は、前記横架材の直径よりも大きい開口寸法(D3)に拡開し、前記横架材収容域は、前記横架材を前記横架材収容域内に受入れ可能に開放することを特徴とする請求項1又は2に記載のつかみ金具。
  4. 前記つかみ金具の係止位置において、前記可動フックは、前記横架材の支持力又は反力によって前記本体部分に対して上方に変位し、前記開口域は、前記横架材の直径よりも小さい開口寸法(D2)に縮小し、前記本体部分及び前記可動フックは、前記横架材を前記横架材収容域に収容して、前記つかみ金具が前記横架材から離脱するのを阻止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のつかみ金具。
  5. 前記可動フック又は前記本体部分の一方は、上下方向に延びるスロット又は長孔(16,17)を有し、前記可動フック又は前記本体部分の他方は、その鉛直面に突設されるとともに前記スロット又は長孔に延入し又は該スロット又は長孔を貫通するスタッド又は支軸(14,15)を有し、前記可動フックは、前記スロット又は長孔に沿う前記スタッド又は支軸の上下動に相応して上下方向にスライドし又は面内変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記記載のつかみ金具。
  6. 前記スロット又は長孔と前記スタッド又は支軸とから構成されるスライド機構又は面内変位機構は、つかみ金具の正面視において前記横架材収容域の両側に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記に記載のつかみ金具。
  7. 前記着座面によって仮設床材の荷重を前記横架材に伝達し、前記着座面又は横架材係合面と前記横架材との係合又は衝合によってつかみ金具の水平変位を拘束する形態又は構造を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のつかみ金具。
  8. 前記着座面及び横架材係合面は、前記横架材収容域に収容した前記横架材の上半部外周面に面接触し又は近接して延びるように少なくとも部分的に湾曲しており、前記外れ止め部分の上面(13a)は、前記横架材収容域に収容した前記横架材の下半部外周面に近接又は接触し、或いは、該横架材の下半部外周面から僅かに離間して延びるように湾曲し又は傾斜することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のつかみ金具。
  9. 前記開口域(λ)の開口平面(ω)の垂線方向(μ)は、水平面(HL)に対して30〜70度の角度範囲内の傾斜角(θ1)をなす方向に配向されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のつかみ金具。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載されたつかみ金具を一方の端部に備えた仮設床材。
  11. 請求項10に記載された仮設床材の施工方法であって、
    仮設構造物の横架材(B)に架設又は懸架された前記仮設床材(1)を該横架材から撤去すべく、該仮設床材の一方の端部に配置された前記つかみ金具(10)を前記横架材から離脱させる作業において、
    前記横架材に対して前記つかみ金具の本体部分(11)を僅かに上方に移動させて、前記可動フック(12)を前記本体部分に対して下方に相対変位させることにより、前記開口域(λ)部の開口寸法(D2,D3)を拡大し、
    前記仮設床材を斜め上方(μ)に移動させることにより、前記つかみ金具を前記横架材から離脱させることを特徴とする仮設床材の施工方法。
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