JP2021187986A - ブロックイソシアネート組成物、水系塗料組成物及び樹脂膜 - Google Patents

ブロックイソシアネート組成物、水系塗料組成物及び樹脂膜 Download PDF

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Tomoharu Yoshinuma
理計 山内
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Abstract

【課題】水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れるブロックイソシアネート組成物を提供する。【解決手段】ブロックイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のイソシアネート化合物(X)のイソシアネート基の少なくとも一部が、一般式(I)で表されるモノカルボジイミド化合物(Y)でブロック化されたブロックイソシアネートを含む。[化1](一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、ブロックイソシアネート組成物、水系塗料組成物及び樹脂膜に関する。
近年、自動車等ライン塗装工程において、VOC削減の観点から、塗料組成物の水系化が望まれており、さらに、環境負荷低減や製造コスト低減の観点から、塗膜の焼付温度の低温化可能な1液型塗料組成物が望まれている。該1液型塗料組成物に使用する架橋剤として、ピラゾール化合物をブロック剤とするブロックポリイソシアネートや、活性メチレン化合物をブロック剤とするブロックポリイソシアネートが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。これらのブロックポリイソシアネート化合物は、比較的低温の加熱により、ポリオール中の水酸基との反応が進行し、架橋塗膜が形成される。しかしながら、カルボキシ基を含有するポリオールである場合に、該カルボキシ基との反応は進行しないため、耐水性が不足する場合がある。
カルボキシ基と架橋させるために、架橋剤として、カルボジイミド基含有化合物や、さらに、カルボジイミド基と反応し得る基と反応させて、カルボジイミド基含有化合物の課題である貯蔵安定性を向上させた技術が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4等参照)。これらの架橋剤を使用した塗料組成物では、カルボキシ基との架橋が進行し、耐水性は向上するが、その一方で水酸基との架橋が進行しないため、耐溶剤性が不足する場合がある。
上記課題を解決する方法として、カルボジイミド基含有化合物とジイソシアネート化合物を反応させたウレトンイミノ基を有する架橋剤が提案されている(例えば、特許文献5等参照)。
特許第6328875号公報 特許第3947260号公報 特開平10−316930号公報 特開2013−112755号公報 国際公開第2019/221173号
しかしながら、特許文献5等に記載の架橋剤では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性に改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れるブロックイソシアネート組成物、並びに、前記ブロックイソシアネート組成物を用いた水系塗料組成物及び樹脂膜を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のイソシアネート化合物(X)のイソシアネート基の少なくとも一部が、下記一般式(I)で表されるモノカルボジイミド化合物(Y)でブロック化されたブロックイソシアネートを含む、ブロックイソシアネート組成物。
Figure 2021187986
(一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。)
(2) 前記ブロックイソシアネートの少なくとも一部が、親水性化合物から誘導される構造単位を有する、請求項1に記載のブロックイソシアネート組成物。
(3) (1)又は(2)に記載のブロックイソシアネート組成物と、ポリオールと、水と、を含む、水系塗料組成物。
(4) (3)に記載の水系塗料組成物を硬化させてなる、樹脂膜。
上記態様のブロックイソシアネート組成物によれば、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れるブロックイソシアネート組成物を提供することができる。上記態様の水系塗料組成物は、前記ブロックイソシアネート組成物を含み、貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。上記態様の樹脂膜は、前記水系塗料組成物を硬化させてなり、100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(−OH)を有する(ポリオール一分子中のヒドロキシ基平均数が2以上である)化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルとの両方を包含するものとする。
≪ブロックイソシアネート組成物≫
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基の少なくとも一部が、下記一般式(I)で表されるモノカルボジイミド化合物(Y)(以下、単に「モノカルボジイミド化合物(Y)」と称する場合がある)でブロック化されたブロックイソシアネートを含む。イソシアネート化合物(X)は、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上である。
Figure 2021187986
(一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。)
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、上記構成を有することで、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。
以下、本実施形態のブロックイソシアネート組成物に含まれる各構成成分について詳に説明する。
<ブロックイソシアネート>
ブロックイソシアネートは、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基の少なくとも一部がモノカルボジイミド化合物(Y)でブロック化されたものである。すなわち、イソシアネート化合物(X)及びモノカルボジイミド化合物(Y)の反応物である。
[イソシアネート化合物(X)]
イソシアネート化合物(X)は、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上である。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4以上30以下のものが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとして具体的には、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート(MPDI)、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等が挙げられる。これら脂肪族ジイソシアネートは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートノルボルナン、ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナン等が挙げられる。これら脂環族ジイソシアネートは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する場合がある)、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある)、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある)、リジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある)等が挙げられる。
上述のとおり例示された脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び脂肪族トリイソシアネートの中でも、工業的入手の容易さから、HDI、IPDI又はNTIであることが好ましい。
上記脂肪族ジイソシアネート、上記脂環族ジイソシアネート、及び上記脂肪族トリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のイソシアネート化合物(以下、「イソシアネートモノマー」と称する場合がある)から誘導されるポリイソシアネートは、アロファネート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、イソシアヌレート基、ウレタン基及びビウレット基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を有することができる。中でも、耐候性が優れることから、イソシアヌレート基を含むことが好ましい。
また、ポリイソシアネートの製造に用いられるイソシアネート化合物としては、工業的入手の容易さから、HDI又はIPDIであることが好ましく、ブロックイソシアネート組成物を低粘度にする観点から、HDIであることがより好ましい。
イソシアネート化合物(X)は、上述したものに加えて、芳香族ジイソシアネート及び該芳香族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含んでもよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、イソシアネート化合物(X)としては、HDI、IPDI、NTI又はこれらイソシアネートモノマーから誘導されるポリイソシアネートが好ましく、NTI、又はHDIから誘導されるポリイソシアネートがより好ましい。
(ポリイソシアネートの製造方法)
ポリイソシアネートの製造方法について、以下に詳細を説明する。
ポリイソシアネートは、例えば、アロファネート基を形成するアロファネート化反応、ウレトジオン基を形成するウレトジオン化反応、イミノオキサジアジンジオン基を形成するイミノオキサジアジンジオン化反応、イソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応、ウレタン基を形成するウレタン化反応、及び、ビウレット基を形成するビウレット化反応を、過剰のイソシアネートモノマー存在下で一度に製造して、反応終了後に、未反応のイソシアネートモノマーを除去して得ることができる。すなわち、上記反応により得られるポリイソシアネートは、上述のイソシアネートモノマーが複数結合したものであり、且つ、アロファネート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、イソシアヌレート基、ウレタン基及びビウレット基からなる群より選択される1種類以上を有する反応物である。
また、上記の反応を別々に行ない、それぞれ得たポリイソシアネートを特定比率で混合してもよい。
製造の簡便さからは、上記反応を一度に行いポリイソシアネートを得ることが好ましく、各官能基のモル比を自由に調整する観点からは、別々に製造した後に混合することが好ましい。
例えば、イソシアネートモノマーからイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化反応触媒が挙げられる。
イソシアヌレート化反応触媒としては、特に限定されないが、一般に塩基性を有するものであることが好ましい。イソシアヌレート化反応触媒として具体的には、例えば、以下に示すもの等が挙げられる。
1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記テトラアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
2)ベンジルトリメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等のアリールトリアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記アリールトリアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
3)トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記ヒドロキシアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
4)酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、オクチル酸、カプリン酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩。
5)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート。
6)ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物。
7)マンニッヒ塩基類。
8)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物。
9)トリブチルホスフィン等の燐系化合物。
中でも、不要な副生成物を生じさせにくい観点からは、イソシアヌレート化反応触媒としては、4級アンモニウムのハイドロオキサイド又は4級アンモニウムの有機弱酸塩であることが好ましく、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、テトラアルキルアンモニウムの有機弱酸塩、アリールトリアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、又は、アリールトリアルキルアンモニウムの有機弱酸塩であることがより好ましい。
上述したイソシアヌレート化反応触媒の使用量の上限値は、仕込んだイソシアネートモノマーの質量に対して、1000質量ppmであることが好ましく、500質量ppmであることがより好ましく、100質量ppmであることがさらに好ましい。
一方、上述したイソシアヌレート化反応触媒の使用量の下限値は、特別な限定はないが、例えば、10質量ppmであってもよい。
イソシアヌレート化反応温度としては、50℃以上120℃以下であることが好ましく、55℃以上90℃以下であることがより好ましい。イソシアヌレート化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等をより効果的に抑制できる傾向にある。
所望の転化率(仕込んだイソシアネートモノマーの質量に対する、イソシアヌレート化反応で生成したポリイソシアネートの質量の割合)になった時点で、イソシアヌレート化反応を、酸性化合物(例えば、リン酸、酸性リン酸エステル等)の添加によって停止する。
なお、ポリイソシアネートを得るためには、反応の進行を初期で停止する必要がある。しかしながら、イソシアヌレート化反応は、初期の反応速度が非常に速いため、反応の進行を初期で停止することに困難が伴い、反応条件、特に触媒の添加量及び添加方法は慎重に選択する必要がある。例えば、触媒の一定時間毎の分割添加方法等が好適なものとして推奨される。
したがって、ポリイソシアネートを得るためのイソシアヌレート化反応の転化率は、10%以上60%以下であることが好ましく、15%以上55%以下であることがより好ましく、20%以上50%以下であることがさらに好ましい。
イソシアヌレート化反応の転化率が上記上限値以下であることによって、ブロックイソシアネート成分をより低粘度とすることができる。また、イソシアヌレート化反応の転化率が上記下限値以上であることによって、反応停止操作をより容易に行うことができる。
また、イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートを誘導する際に、上記イソシアネートモノマー以外に1価以上6価以下のアルコールを用いることができる。
使用することのできる1価以上6価以下のアルコールとしては、例えば、非重合性アルコール、重合性アルコールが挙げられる。ここでいう「非重合性アルコール」とは、重合性基を有さないアルコールを意味する。一方、「重合性アルコール」とは、重合性基及び水酸基を有する単量体を重合して得られるアルコールを意味する。
非重合性アルコールとしては、例えば、モノアルコール類、ジオール類、トリオール類、テトラオール類等の多価アルコールが挙げられる。
モノアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ノナノール、2−エチルブタノール、2,2−ジメチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
トリオール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
テトラオール類としては、例えば、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
重合性アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、アクリルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られる生成物が挙げられる。
二塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の二塩基酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及び、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールが挙げられる。
また、ポリエステルポリオール類としては、例えば、上記多価アルコールを用いて、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属の水酸化物、又は、強塩基性触媒を使用して、多価アルコールの単独又は混合物に、アルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、ポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類、上記ポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類が挙げられる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
強塩基性触媒としては、例えば、アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、上記ポリエステルポリオール類において例示されたものと同様のものが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
アクリルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合したものが挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、不飽和アミド、ビニル系単量体、加水分解性シリル基を有するビニル系単量体が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和アミドとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等が挙げられる。
ビニル系単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するビニル系単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオール類としては、例えば、末端水酸基化ポリブタジエン及びその水素添加物等が挙げられる。
アロファネート化反応、ウレトジオン化反応、イミノオキサジアジンジオン化反応、イソシアヌレート化反応、ウレタン化反応、及び、ビウレット化反応は、それぞれ逐次行ってもよく、そのいくつかを並行して行ってもよい。
反応終了後の反応液から、未反応イソシアネートモノマーを薄膜蒸留、抽出等により除去し、ポリイソシアネートを得ることができる。
また、得られたポリイソシアネートに対して、例えば、貯蔵時の着色を抑制する目的で、酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のヒンダードフェノール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら酸化防止剤や紫外線吸収剤は、1種を単独又は2種以上を併用してもよい。これらの添加量は、ポリイソシアネートの質量に対して、10質量ppm以上500質量ppm以下であることが好ましい。
(ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数)
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、特に制限されないが、2.0以上20以下であることが好ましく、3.0以上15以下であることがより好ましく、3.5以上10以下であることがさらに好ましく、4.5以上8以下であることが特に好ましい。ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数が上記下限値以上であることにより、100℃程度の低温での硬化性をより良好なものとすることができる。一方、上記上限値以下であることにより、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性をより良好なものとすることができる。
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、例えば、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
[モノカルボジイミド化合物(Y)]
モノカルボジイミド化合物(Y)は、下記一般式(I)で表される化合物である。
Figure 2021187986
(一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。)
(R11及びR12
11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。
11及びR12は同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造の容易さから、同一であることが好ましい。
11及びR12におけるアルキル基としては、炭素数1以上30以下であり、炭素数1以上20以下が好ましく、炭素数1以上10以下がより好ましい。
11及びR12におけるアルキル基としては、鎖状であってもよく、環状であってもよい。鎖状アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
11及びR12における直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。中でも、R11及びR12における直鎖状アルキル基としては、n−ブチル基又はn−ヘキシル基が好ましい。
11及びR12における分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基等が挙げられる。中でも、R11及びR12における分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基が好ましい。
11及びR12における環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。中でも、R11及びR12における環状アルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
11及びR12におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。中でも、R11及びR12におけるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
11及びR12におけるアルキル基及びアリール基はそれぞれ置換基を有していてもよい。アルキル基における置換基としては、例えば、アリール基が挙げられる。アリール基における置換基としては、例えば、アルキル基等が挙げられる。置換基としてのアルキル基及びアリール基としては、それぞれ上記R11及びR12におけるアルキル基及びアリール基として例示されたものと同様のものが挙げられる。
11及びR12における置換基を有するアルキル基としては、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
11及びR12における置換基を有するアリール基としては、例えば、トリル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基等が挙げられる。中でも、R11及びR12における置換基を有するアリール基としては、2,6−ジイソプロピルフェニル基が好ましい。
好ましいモノカルボジイミド化合物(Y)としては、例えば、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(以下、「DIC」と称する場合がある)、1,3−n−ブチルカルボジイミド、1,3−n−ヘキシルカルボジイミド、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、「DCC」と称する場合がある)、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド等が挙げられる。
これらモノカルボジイミド化合物(Y)を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、塗膜の焼付後の着色を考慮した場合、脂肪族基又は脂環族基のみで形成されているモノカルボジイミド化合物(Y)であることが好ましく、カルボジイミド基がポリオールのカルボキシ基に対し、過剰に存在した場合の揮発性を考慮した場合には、DICが好ましい。
モノカルボジイミド化合物(Y)は、一般的には、製造方法として、次の3つの方法が知られており、どの方法で製造したものも使用可能である。例えば、DCCを製造する場合には、ジシクロヘキシルチオ尿素を脱硫化水素化反応する方法、ジシクロヘキシルイソシアネートを脱炭酸化縮合反応する方法、或いは、1,3−ジシクロヘキシル尿素を脱水する方法等が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物(Y)に加えて、一分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物を更に用いてもよい。
ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基平均数は、特に制限されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましい。なお、ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基平均数とは、ポリカルボジイミド化合物一分子中に含まれるカルボジイミド基の平均数である。
ポリカルボジイミド化合物は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、上記「イソシアネート化合物(X)」で例示されたジイソシアネートモノマーを、溶剤存在下又は溶剤非存在下で、ホスホレンオキサイド等を触媒として使用し、100℃以上200℃以下で加熱することで製造できる。溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素類、エステル類、低極性有機溶剤等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。低極性有機溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、テレビン油等が挙げられる。触媒としては、例えば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド等が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物を併用する場合に、モノカルボジイミド化合物(Y)の含有率は、特に制限はされないが、ポリカルボジイミド化合物及びモノカルボジイミド化合物(Y)の総モル量に対して、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。モノカルボジイミド化合物(Y)の含有率が上記下限値以上であることで、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性をより良好なものとすることができる。
ブロックイソシアネート組成物におけるモノカルボジイミド化合物(Y)単独、又は、モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物によるブロック化率は、特に制限されないが、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましく、70モル%以上が特に好ましく、80モル%以上が最も好ましい。上記ブロック化率が上記下限値以上であることで、樹脂膜としたときの耐水性及び耐溶剤性をより向上させることができる。
上記ブロック化率は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基のモル数に対するブロックイソシアネート組成物中のウレトンイミノ基のモル数の比率で表すことができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
[その他ブロック剤]
ブロック剤として、上記モノカルボジイミド化合物(Y)に加えて、樹脂膜としたときの低温硬化性を阻害しない範囲内で、他の各種ブロック剤を更に用いることができる。
その他ブロック剤としては、例えば、1)アルコール系化合物、2)アルキルフェノール系化合物、3)フェノール系化合物、4)活性メチレン系化合物、5)メルカプタン系化合物、6)酸アミド系化合物、7)酸イミド系化合物、8)イミダゾール系化合物、9)尿素系化合物、10)オキシム系化合物、11)アミン系化合物、12)イミド系化合物、13)重亜硫酸塩、14)ピラゾール系化合物、15)トリアゾール系化合物等が挙げられる。ブロック剤としてより具体的には、以下に示すもの等が挙げられる。
1)アルコール系化合物:メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等のアルコール類。
2)アルキルフェノール系化合物:炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ及びジアルキルフェノール類。アルキルフェノール系化合物として具体的には、例えば、n−プロピルフェノール、iso−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類;ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−tert−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類。
3)フェノール系化合物:フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等。
4)活性メチレン系化合物:マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジt−ブチル等。
5)メルカプタン系化合物:ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等。
6)酸アミド系化合物:アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等。
7)酸イミド系化合物:コハク酸イミド、マレイン酸イミド等。
8)イミダゾール系化合物:イミダゾール、2−メチルイミダゾール等。
9)尿素系化合物:尿素、チオ尿素、エチレン尿素等。
10)オキシム系化合物:ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等。
11)アミン系化合物:ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等。
12)イミン系化合物:エチレンイミン、ポリエチレンイミン等。
13)重亜硫酸塩化合物:重亜硫酸ソーダ等。
14)ピラゾール系化合物:ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等。
15)トリアゾール系化合物:3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール等。
その中でも、低温硬化性の観点から、4)活性メチレン系化合物、8)イミダゾール系化合物、10)オキシム系化合物、11)アミン化合物、14)ピラゾール系化合物、又は、15)トリアゾール系化合物が好ましく、4)活性メチレン系化合物、又は、14)ピラゾール系化合物がより好ましい。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物におけるブロック剤によるブロック化率は、特に制限されないが、50モル%以上であることが好ましく、75モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。上記ブロック化率が上記下限値以上であることで、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性をより向上させることができる。
上記ブロック化率は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基のモル数に対するブロックイソシアネート組成物中のブロック剤に由来する構造単位のモル数の比率で表すことができる。具体的には、以下の式で算出される。
「ブロック化率」 = (ブロック剤モル数)/(イソシアネート基モル数)
なお、上記式中の、「イソシアネート基モル数」は、加熱処理にてブロック剤を解離させた後のポリイソシアネート組成物における単位質量あたりのイソシアネート基モル数である。「イソシアネート基モル数」は、イソシアネート基(NCO)含有率(X1)を用いて、以下の式にて定量することができる。ここで、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率(X1)に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
イソシアネート基モル数 = (X1×0.01)/42
また、上記式中の、「ブロック剤モル数」は、ブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、トラップされたブロック剤をガスクロマトグラフィー質量分析測定に分析することで定量することができる。
[親水性化合物]
ブロックイソシアネートは、その一部又は全部が親水性化合物から誘導される構造単位を有してもよい。
親水性化合物は、1つのイソシアネート基と反応するために、イソシアネート化合物(X)が有するイソシアネート基と反応するための活性水素基を、親水性化合物1分子に対して、1つ以上有することが好ましい。活性水素基として、具体的には、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基、アミノ基、チオール基が挙げられる。
親水性化合物が有する親水基としては、ノニオン性親水基、カチオン性親水基、アニオン性親水基が挙げられる。これら親水基は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、親水基としては、入手容易性及び配合物との電気的な相互作用を受けにくいという観点で、ノニオン性親水基が好ましく、得られる樹脂膜の硬度の低下を抑制する観点で、アニオン性親水基が好ましい。
(ノニオン性親水基含有化合物)
ノニオン性親水基含有化合物として、具体的には、モノアルコール、アルコールの水酸基にエチレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコールの水酸基にエチレンオキサイドを付加した化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
エチレンオキサイドを付加した化合物のエチレンオキサイドの付加数としては、4以上30以下が好ましく、4以上20以下がより好ましい。エチレンオキサイドの付加数が上記下限値以上であることで、ブロックイソシアネート組成物に水分散性をより効果的に付与できる傾向にあり、エチレンオキサイドの付加数が上記上限値以下であることで、低温貯蔵時にブロックイソシアネート組成物の析出物がより発生しにくい傾向にある。
中でも、ノニオン性親水基含有化合物としては、少ない使用量でブロックイソシアネート組成物の水分散性を向上できることから、アルコールの水酸基にエチレンオキサイドを付加した化合物が好ましく、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
ブロックイソシアネート組成物に付加されるノニオン性親水基の量(以下、「ノニオン性親水基含有量」と称する場合がある)は、1質量%以上30質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、4質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
ノニオン性親水基含有量が上記下限値以上であることで、樹脂膜としたときの光沢をより良好なものとすることができる。一方、上記上限値以下であることで、樹脂膜としたときの耐水性をより良好なものとすることができる。
(カチオン性親水基含有化合物)
カチオン性親水基含有化合物としては、例えば、カチオン性親水基と活性水素基とを併せて有する化合物が挙げられる。また、グリシジル基等の活性水素基を有する化合物と、スルフィド、ホスフィン等のカチオン性親水基を有する化合物を併せて、カチオン性親水基含有化合物としてもよい。この場合は、予め、イソシアネート基を有する化合物と活性水素基を有する化合物を反応させて、グリシジル基等の官能基を付加し、その後、スルフィド、ホスフィン等の化合物を反応させる。製造の容易性の観点からは、カチオン性親水基と活性水素基とを併せて有する化合物が好ましい。
カチオン性親水基と活性水素基とを併せて有する化合物としては、例えば、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。また、これらの化合物を用いて付加された三級アミノ基は、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルで四級化することもできる。
カチオン性親水基含有化合物とポリイソシアネートとの反応は、溶剤の存在下で反応させることができる。この場合の溶剤は、活性水素基を含まないものが好ましく、具体的には、例えば、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
ブロックイソシアネート組成物に付加されたカチオン性親水基は、アニオン性基を有する化合物で中和されることが好ましい。このアニオン性基として、具体的には、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、燐酸基、ハロゲン基、硫酸基等が挙げられる。
カルボキシ基を有する化合物としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有する化合物としては、例えば、エタンスルホン酸等が挙げられる。
燐酸基を有する化合物としては、例えば、燐酸、酸性燐酸エステル等が挙げられる。
ハロゲン基を有する化合物としては、例えば、塩酸等が挙げられる。
硫酸基を有する化合物としては、例えば、硫酸等が挙げられる。
中でも、アニオン性基を有する化合物としては、カルボキシ基を有する化合物が好ましく、酢酸、プロピオン酸又は酪酸がより好ましい。
(アニオン性親水基含有化合物)
アニオン性親水基として、具体的には、カルボキシ基、スルホン酸基、燐酸基、ハロゲン基、硫酸基が挙げられる。
アニオン性親水基含有化合物として、具体的には、アニオン性基と活性水素基とを併せて有する化合物が挙げられ、より具体的には、例えば、モノヒドロキシカルボン酸、ポリヒドロキシカルボン酸のカルボキシ基をアニオン性基として有する化合物が挙げられる。
モノヒドロキシカルボン酸としては、例えば、1−ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロパン酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデカン酸、ヒドロキシピバル酸(ヒドロキシピバリン酸)、乳酸等が挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸のカルボキシ基をアニオン性基として有する化合物としては、例えば、ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジメチロールプロピオン酸等が挙げられる。
また、スルホン酸基と活性水素基とを併せて有する化合物も挙げられ、より具体的には、例えば、イセチオン酸等が挙げられる。
中でも、アニオン性基と活性水素基とを併せて有する化合物としては、ヒドロキシピバル酸又はジメチロールプロピオン酸が好ましい。
ブロックイソシアネート組成物に付加されたアニオン性親水基は、塩基性物質であるアミン系化合物で中和することが好ましい。
アミン系化合物として、具体的には、例えば、アンモニア、水溶性アミノ化合物等が挙げられる。
水溶性アミノ化合物として、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等の第3級アミンも挙げられ、これらを用いることもできる。これらのアミン系化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他構成成分>
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、上記ブロックイソシアネートに加えて、低温硬化性を発現するため、ブロック剤の解離触媒を更に含むことが好ましい。一般にブロック剤の解離に効果がある触媒であればよく、例えば、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。その中でも、有機スズ化合物が好ましい。有機スズ化合物としては、例えば、ジオクチルスズジラウレート等が挙げられる。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、上記ブロックイソシアネートに加えて、溶剤、界面活性剤等の添加剤を更に含むことができる。
溶剤としては、例えば、1−メチルピロリドン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、メタノール、iso−プロパノール、1−プロパノール、iso−ブタノール、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ペンタン、iso−ペンタン、ヘキサン、iso−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット等が挙げられる。これら溶剤を、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。水への分散性の観点から、溶剤としては、水への溶解度が5質量%以上のものが好ましく、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
<ブロックイソシアネート組成物の製造方法>
ブロックイソシアネート組成物は、特に限定されないが、例えば、上記イソシアネート化合物(X)と上記モノカルボジイミド化合物(Y)とを反応させて得られる。
イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)とのブロック化反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができ、ブロックイソシアネートが得られる。
なお、モノカルボジイミド化合物(Y)は、上記記載のモノカルボジイミド化合物(Y)のうち1種類を単独で用いてもよく、或いは、上記記載のモノカルボジイミド化合物(Y)と、上述したポリカルボジイミドイミド化合物及びその他のブロック剤からなる群から選択される1種類以上と、を併用してもよい。
モノカルボジイミド化合物(Y)の添加量は、通常は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基のモル量1に対して、モノカルボジイミド化合物(Y)のカルボジイミド基の量が0.2以上3.0以下となる量であり、0.4以上2.5以下となる量であることが好ましく、0.6以上2.0以下となる量であることがより好ましく、0.8以上1.6以下となる量であることがさらに好ましく、1.0以上1.4以下となる量であることが特に好ましく、1.1以上1.3以下となる量であることが最も好ましい。
モノカルボジイミド化合物(Y)の添加量が上記下限値以上であることにより、得られた樹脂膜の耐水性及び耐溶剤性がより向上する。一方、上記上限値以下であることにより、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性がより向上する。
また、溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いればよい。
溶剤を用いる場合、ブロックイソシアネート組成物100質量部に対するイソシアネート化合物(X)及びブロック剤に由来する不揮発分の含有量は、通常は、10質量部以上95質量部以下であり、15質量部以上80質量部以下であることが好ましく、20質量部以上75質量部以下であることがより好ましい。
モノカルボジイミド化合物(Y)のブロック化反応は、一般に−20℃以上150℃以下で行うことができ、0℃以上120℃以下で行うことが好ましく、20℃以上100℃以下で行うことがより好ましく、40℃以上90℃以下で行うことがさらに好ましく、50℃以上80℃以下で行うことが特に好ましい。ブロック化反応の温度が上記下限値以上であることにより、反応速度をより高めることができる。一方、上記上限値以下であることにより、副反応をより抑制することができる。
モノカルボジイミド化合物(Y)とポリカルボジイミド化合物とを併用する場合は、モノカルボジイミド化合物(Y)と同時に反応させてもよく、或いは、予めどちらかの反応を行った後に、2つ目の反応を行うこともできる。
また、モノカルボジイミド化合物(Y)(及び、必要に応じてポリカルボジイミド化合物)と上述したその他のブロック剤を併用する場合は、モノカルボジイミド化合物(Y)と同時に反応させてもよく、或いは、予めどちらかの反応を行った後に、2つ目の反応を行うこともできる。中でも、モノカルボジイミド化合物(Y)(及び、必要に応じてポリカルボジイミド化合物)によるブロック化率を高めるため、モノカルボジイミド化合物(Y)(及び、必要に応じてポリカルボジイミド化合物)を先に反応させ、その後に、上述したその他のブロック剤を反応させることが好ましい。
ブロック化反応に際して、有機金属塩、3級アミン系化合物、アルカリ金属のアルコラートを触媒として用いてもよい。前記有機金属塩を構成する金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。前記アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム等が挙げられる。
触媒の添加量は、ブロック化反応の温度等により変動するが、通常は、イソシアネート化合物(X)100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下であり、0.1質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
ブロック化反応後には、酸性化合物等の添加で中和処理してもよい。
前記酸性化合物としては、無機酸を用いてもよく、有機酸を用いてもよい。無機酸としては、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等が挙げられる。
また、親水基含有化合物を変性したブロックイソシアネート組成物を製造する場合には、例えば、上記イソシアネート化合物(X)と上記親水性化合物と上記モノカルボジイミド化合物(Y)とを反応させて得られる。
イソシアネート化合物(X)と親水性化合物との反応、及び、イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)との反応を同時に行うこともでき、或いは、予めどちらかの反応を行った後に、2つ目の反応を行うこともできる。中でも、モノカルボジイミド基の反応率を高めるため、イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)との反応を先に実施し、その後、得られた反応生成物と親水性化合物との反応を行うことが好ましい。また、ブロック剤として、モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物を併用する場合には、イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)との反応と同時、或いは、イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)との反応の後であって、親水性化合物を用いた反応を行う前であることが好ましい。さらに、モノカルボジイミド化合物(Y)及びその他のブロック剤を併用する場合には、イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)との反応を行い、得られた反応生成物と親水性化合物との反応を行った後に、その他のブロック剤を添加して反応させることが好ましい。
親水性化合物の使用量は、通常は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基のモル量1に対して、親水性化合物の活性水素基の量が0.01以上0.5以下となる量であり、0.03以上0.3以下となる量であることが好ましく、0.05以上0.1以下となる量であることがより好ましい。
親水性化合物の使用量が上記下限値以上であることにより、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性がより向上する。一方、上記上限値以下であることにより、得られた樹脂膜の耐水性がより向上する。
イソシアネート化合物(X)と親水性化合物との反応は、有機金属塩、3級アミン系化合物、アルカリ金属のアルコラートを触媒として用いてもよい。前記有機金属塩を構成する金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。前記アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム等が挙げられる。
イソシアネート化合物(X)と親水性化合物との反応温度は、−20℃以上150℃以下が好ましく、30℃以上130℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応性をより高くできる傾向にある。一方、反応温度が上記上限値以下であることで、副反応をより効果的に抑制できる傾向にある。
親水性化合物が未反応状態で残存しないよう、完全にイソシアネート化合物(X)と反応させることが好ましい。未反応状態で残存しないことにより、ブロックイソシアネート組成物の水分散安定性、及び、樹脂膜としたときの低温硬化性の低下をより効果的に抑制する傾向にある。
親水性化合物による変性率は、イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基100モル%に対し、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、15モル%以下がさらに好ましく、12モル%以下が特に好ましい。
イソシアネート化合物(X)とモノカルボジイミド化合物(Y)等のブロック剤とのブロック化反応は、上述のブロック化反応として記載された方法を用いることができる。
≪水系塗料組成物≫
本実施形態の水系塗料組成物は、上記ブロックイソシアネート組成物と、ポリオールと、水と、を含む。
本実施形態の水系塗料組成物は、上記ブロックイソシアネート組成物を硬化剤成分として含むことで、貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。
以下、本実施形態の水系塗料組成物の各構成成分について詳細を説明する。
<ポリオール>
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、アクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、フッ素ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリウレタンポリオール類等が挙げられる。
ポリオールの樹脂あたりの水酸基価は10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、25mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがより好ましく、40mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
ポリオールの樹脂あたりの水酸基価が上記下限値以上であることによって、架橋密度が減少することを防止し、目的とする物性をより十分に達成することができる。一方、ポリオールの樹脂あたりの水酸基価が上記上限値以下であることによって、架橋密度が過度に増大することを抑制し、塗膜の機械的物性をより高度に維持することができる。
また、ポリオールは、分散性を発現するために、カルボキシ基を有することが好ましい。
ポリオールの樹脂あたりの酸価としては、1mgKOH/g以上60mgKOH/g以下であることが好ましく、2mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましく、4mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることがさらに好ましく、6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
ポリオールの樹脂あたりの酸価が上記下限値以上であることにより、貯蔵安定性をより向上させることができる。一方、酸価が上記上限値以下であることにより、得られた塗膜の耐水性をより向上させることができる。
(アクリルポリオール類)
アクリルポリオール類としては、水性アクリルポリオールであることが好ましい。水性アクリルポリオールは、水酸基を有し、水系塗料中安定的に存在する必要があり、ディスパージョンタイプ、エマルションタイプ、水溶性タイプ等が挙げられる。中でも、耐水性の観点から、ディスパージョンタイプ、又はエマルションタイプが好ましい。
水性アクリルポリオールは、例えば、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマー及びカルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含むモノマーを、上記水酸基及びカルボキシ基について上記水酸基価及び酸価の要件を満たす量でアクリル共重合することによって得られる。
上記水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アリルアルコール、メタクリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、又は(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物が好ましい。
また、カルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、又はメタクリル酸が好ましい。
水性アクリルポリオールを製造するためのアクリル共重合において、必要に応じて、その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーを用いることができる。上記その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、重合性アミド化合物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等が挙げられる。重合性アミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)は、溶液重合を行ってアクリルポリオールを得た後に水性化する方法により、製造される。
アクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)は、加熱条件下において、原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したものを重合開始剤と共に溶媒中へ滴下しながら撹拌する方法が一般的である。溶液重合する際の条件は、例えば、重合温度が60℃以上160℃以下、滴下時間が0.5時間以上10時間以下である。上記原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーは、2段階に分けて重合することも可能である。この場合、原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマー全体として、上記水酸基及びカルボキシ基についての要件を満たしていればよい。
上記重合開始剤は、通常の重合に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、アゾ系化合物や過酸化物が挙げられる。一般に、モノマー混合物100質量部に対する重合開始剤の量は0.1質量部以上18質量部以下であり、0.3質量部以上12質量部以下であることが好ましい。
また、重合反応おいて用いられる溶媒は反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されず、例えば、アルコール、ケトン、エーテル、炭化水素系溶媒等が挙げられる。さらに、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン、及び、α − メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。
溶液重合で得られるアクリルポリオールの数平均分子量は、4,000以上20,000以下であることが好ましい。本明細書において、溶液重合で得られるアクリル樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン標準サンプル基準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定することができる。
また、アクリルポリオールのガラス転移点(Tg) は−20℃以上80℃以下の範囲内であることが好ましい。アクリルポリオールのガラス転移点は、アクリルポリオールの調製に用いたモノマーの種類及び量から計算によって求めることができる。或いは、アクリル樹脂のガラス転移点を、示差走査型熱量計(DSC)によって測定することもできる。
上記溶液重合で得られたアクリルポリオールは、必要に応じて溶剤を除去した後、塩基性化合物を加えて水性化することにより、アクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)が得られる。上記塩基性化合物としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。上記塩基性化合物を加える量は、上記溶液重合で得られたアクリルポリオールが有するカルボキシ基に対して中和率が60モル%以上100モル%以下であることが好ましい。中和率が上記下限値以上であることで、水性化を十分なものとすることができ、貯蔵安定性がより良好なものとなる。このようにして得られるアクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)の樹脂固形分は、アクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)の総質量に対して、25質量%以上55質量%以下とすることが一般的である。
代表的なアクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)としては、例えば、Setaqua6520、6522(Allex社製)等が挙げられる。
アクリルポリオール(エマルションタイプ)は、水性媒体中で乳化重合により、製造される。
水性媒体中での乳化重合を行う場合は、例えば、水、又は必要に応じてアルコール等の有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を溶解させ、加熱撹拌下、原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したもの及び重合開始剤を滴下することにより行うことができる。原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したものは、乳化剤と水とを用いて予め乳化しておいてもよい。
乳化重合に好適に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系の油性化合物及び水性化合物、レドックス系の油性過酸化物及び水性過酸化物が挙げられる。アゾ系の油性化合としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。アゾ系の水性化合物としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン等のアゾ系のアニオン系水性化合物;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)等のアゾ系のカチオン系水性化合物が挙げられる。レドックス系の油性過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエー等が挙げられる。レドックス系の水性過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
乳化剤は、当業者が通常用いる一般的な乳化剤を用いることができる。乳化剤として、反応性乳化剤、例えば、アントックス( Antox)MS−60(日本乳化剤社製)、エレミノールJ S−2(三洋化成工業社製)、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)、アクアロンGS−10(第一工業製薬社製)、ラテムルPD−104(花王社製)等を特に好ましく用いることができる。また、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン、及び、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。
反応温度は開始剤により決定され、例えば、アゾ系開始剤や過酸化物では60℃以上90℃以下で行うことが好ましく、レドックス系では30℃以上70℃以下で行うことが好ましい。一般に、反応時間は1時間以上8時間以下である。
モノマー混合物100質量%に対する開始剤の量は一般に、0.1質量%以上5質量%以下である。上記乳化重合は多段階で行うことができ、例えば、二段階で行うことができる。すなわち、まず上記原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したもののうちの一部を乳化重合し、ここに上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の残りをさらに加えて乳化重合を行うものである。
上記アクリルポリオール(エマルションタイプ)は、貯蔵安定性の観点から、塩基性化合物で中和することにより、pH5以上10以下で用いることができる。上記塩基性化合物は、先の溶液重合で得られるアクリル樹脂の水性化の際に使用するのと同じであってよい。上記中和は、乳化重合の前または後に、上記塩基性化合物を系に添加することによって行うことが好ましい。
上記アクリルポリオール(エマルションタイプ)を用いる場合は、数平均分子量が10,000以上80,000以下であることが好ましい。
(ポリエステルポリオール類)
ポリエステルポリオール類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等からなる群より選ばれる1種以上の二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等からなる群より選ばれる1種以上の多価アルコールとの縮合反応によって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。或いは、例えば、多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトン類等が挙げられる。
(ポリエーテルポリオール類)
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物、アルコラート、アルキルアミン等の強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、以下に示すもの等が挙げられる。
(1)ジクリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等;
(2)エリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物;
(3)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;
(4)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類;
(5)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類;
(6)スタキオース等の四糖類。
(ポリオレフィンポリオール類)
ポリオレフィンポリオール類としては、例えば、水酸基を2個以上有する、ポリブタエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下、水酸基平均数)は2以上であることが好ましい。ポリオールの水酸基平均数が2以上であることによって、得られた塗膜の架橋密度の低下をより抑制することができる。
(フッ素ポリオール類)
フッ素ポリオール類は分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57−34107号公報(参考文献1)、特開昭61−275311号公報(参考文献2)で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体がある。
(ポリカーボネートポリオール類)
ポリカーボネートポリオール類としては、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物と、上述のポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。
(ポリウレタンポリオール類)
ポリウレタンポリオール類は、常法により、例えば、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させることにより得ることができる。カルボキシ基を含有しないポリオールとしては、低分子量のものとして、エチレングリコール、プロピレングリコール等が例示され、高分子量のものとして、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が例示される。
水分散性を高めるため、ポリウレタンポリオールにカルボキシ基を含有するポリオールを一部付加させてもよい。カルボキシ基を含有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等が挙げられる。上記のポリオールと反応させるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソジアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類、及び、これらジイソシアネート類から誘導される脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
[有効NCO/OHのモル比]
本実施形態の水系塗料組成物に含まれるポリオールの水酸基に対するブロックイソシアネート組成物の有効イソシアネート基のモル当量比(有効NCO/OHのモル比)は、必要とする樹脂膜の物性により決定されるが、通常、0.01以上10以下であり、0.1以上5以下であることが好ましく、0.15以上3以下であることがより好ましく、0.2以上1.5以下であることがさらに好ましい。なお、ここでいう「有効イソシアネート基(有効NCO)」とは、ブロックイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるイソシアネート基を意味する。有効NCO/OHのモル比は、具体的には、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
[ブロック化N=C=N/COOHのモル比]
本実施形態の水系塗料組成物に含まれるポリオールのカルボキシ基(COOH基)に対する、ブロックイソシアネート組成物のブロック剤に由来し、イソシアネート基との反応によりウレトンイミノ基を形成しているカルボジイミド基(以下、「ブロック化カルボジイミド基」、又は「ブロック化N=C=N」と称する場合がある)のモル当量比(ブロック化N=C=N/COOHのモル比)は、必要とする樹脂膜の物性により決定されるが、通常、0.1以上100以下であり、0.2以上50以下であることが好ましく、0.4以上40以下であることがより好ましく、0.5以上20以下であることがさらに好ましく、0.8以上10以下であることが特に好ましい。ブロック化N=C=N/COOHのモル比は、具体的には、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
<その他添加剤>
本実施形態の水系塗料組成物は、上記ブロックイソシアネート組成物、上記ポリオール及び水に加えて、その他添加剤を更に含んでもよい。
その他添加剤としては、例えば、ポリオール中の架橋性官能基と反応しうる硬化剤、硬化触媒、溶剤、顔料類(体質顔料、着色顔料、メタリック顔料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル安定剤、焼付工程時の着色を抑える黄変防止剤、塗面調整剤、流動調整剤、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤等が挙げられる。
ポリオール中の架橋性官能基と反応しうる硬化剤としては、例えば、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、ヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、アルコキシシラン基含有化合物等が挙げられる。中でも、工業的入手の容易さ、低温硬化性、塗料の貯蔵性の観点で、メラミン化合物、又はオキサゾリン化合物が好ましい。
(メラミン化合物)
メラミン化合物としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られる部分又は完全メチロール化メラミン樹脂等が挙げられる。
前記アルデヒドとしは、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
また、前記メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコールによって部分的に又は完全にエーテル化したものであってもよい。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
メラミン化合物の市販品としては、例えば、サイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート776(いずれもオルネクス社製、商品名)等が挙げられる。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物としては、1分子にエポキシ基を2個以上有する樹脂であればよい。エポキシ基含有化合物として具体的には、例えば、ビスフェノールにエポクロルヒドリンを付加させて得られるビスフェノール型エポキシ基含有化合物、フェノールノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを付加させて得られるノボラック型エポキシ基含有化合物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基含有化合物は、必要に応じて水分散化した状態のものであってもよい。
(オキサゾリン化合物)
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基を側鎖に少なくとも2個有する重合体状の化合物、1分子中にオキサゾリン基を少なくとも2個有する単量体の化合物等が挙げられる。オキサゾリン化合物の市販品としては、例えば、エポクロスWS−500(日本触媒製、標品名)等が挙げられる。
前記硬化触媒としては、塩基性化合物であってもよく、ルイス酸性化合物であってもよい。
前記塩基性化合物としては、例えば、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、オニウム塩のハロゲン化物、活性メチレン系化合物の金属塩、活性メチレン系化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類等が挙げられる。前記オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩又はスルホニウム塩が好適である。
前記ルイス酸性化合物としては、例えば、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
前記溶剤としては、上記ブロックイソシアネート組成物の「その他構成成分」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
また、顔料類(体質顔料、着色顔料、メタリック顔料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル安定剤、焼付工程時の着色を抑える黄変防止剤、塗面調整剤、流動調整剤、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤及び造膜助剤としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。
<水系塗料組成物の製造方法>
本実施形態の水系塗料組成物を製造する場合には、配合の順番は限定されるわけではないが、必須成分であるブロックイソシアネート組成物、ポリオールを混合した後、水や、必要に応じて溶剤を更に添加して、粘度を調整することで水系塗料組成物を得ることができる。
≪樹脂膜≫
本実施形態の樹脂膜は、上記水系塗料組成物を硬化させてなる。本実施形態の樹脂膜は、100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性が良好である。
本実施形態の樹脂膜は、上記水系塗料組成物を、基材にロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の方法を用いて塗装し、加熱して硬化させることで得られる。
加熱温度は、省エネルギー及び基材の耐熱性の観点から、約70℃以上約120℃以下が好ましく、約80℃以上約110℃以下がより好ましく、約85℃以上約100℃以下がさらに好ましい。
加熱時間は、省エネルギー及び基材の耐熱性の観点から、約1分間以上約60分間以下が好ましく、約2分間以上約40分間以下がより好ましい。
基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;バンパー等の自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部;各種フィルム等が挙げられる。中でも、自動車車体の外板部又は自動車部品が好ましい。
基材の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、各種のFRP等のプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;紙、布等の繊維材料等が挙げられる。中でも、金属材料又はプラスチック材料が好ましい。
基材は、上記金属材料の表面、又は、上記金属材料から成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよく、さらに、その上に塗膜が形成されているものであってもよい。塗膜が形成された基材としては、必要に応じて表面処理を施し、その上に下塗り塗膜が形成されたもの、例えば、電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体であってもよい。基材は、上記プラスチック材料の表面、又は、上記金属材料から成形された自動車部品等のプラスチック表面に、所望の表面処理を行ったものであってもよい。また、基材は、プラスチック材料と金属材料とが組み合わさったものであってもよい。
本実施形態の樹脂膜は、後述する実施例に示すように、上記樹脂組成物を80℃で30分間加熱して硬化させてなる膜厚40μmの樹脂膜を、23℃で1週間保存後にアセトン中に23℃で24時間浸漬した際のゲル分率が60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。ゲル分率が上記下限値以上であることで、低温硬化性をより良好なものとすることができる。一方、ゲル分率の上限値は特に限定されないが、例えば100質量%とすることができる。ゲル分率の具体的な測定方法は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いることができる。
本実施形態の樹脂膜は低温硬化性に優れることから、省エネルギー化が求められる種々の分野の製品や、耐熱性の低い材料の塗膜として好適に用いられる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいて更に詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<試験項目>
合成例で得られたポリイソシアネート及びポリカルボジイミド化合物、並びに、実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物について、以下に示す方法に従い、各物性の測定を行った。また、実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物について、以下に示す方法に従い、各評価を行った。
[物性1]
(イソシアネート基(NCO)含有率)
ポリイソシアネートのNCO含有率を測定するために、ブロック剤によるブロック化前のポリイソシアネートを測定試料として用いた。
まず、フラスコに測定試料2g以上3g以下を精秤した(Wg)。次いで、トルエン20mLを添加し、測定試料を溶解した。次いで、2規定のジ−n−ブチルアミンのトルエン溶液20mLを添加し、混合後、15分間室温放置した。次いで、イソプロピルアルコール70mLを加え、混合した。次いで、この液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬に滴定した。得られた滴定値をV2mLとした。次いで、同様の操作をポリイソシアネート試料無しで行い、得られた滴定値をV1mlとした。次いで、下記式からポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)含有率(イソシアネート基(NCO)含有率)(質量%)を算出した。
イソシアネート基(NCO)含有率(質量%) = (V1-V2)×F×42/(W×1000)×100
[物性2]
(数平均分子量)
ポリイソシアネートの数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」という)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量で求めた。
(測定条件)
装置:東ソー社製「HLC−8120GPC」(商品名)
カラム:東ソー社製「TSKgel SuperH1000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH2000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH3000」(商品名)×1本
キャリア:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
試料濃度:5wt/vol%
検出方法:視差屈折計
流出量:0.6mL/min
カラム温度:30℃
[物性3]
(イソシアネート基平均数)
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数(平均NCO数)は、下記式により、イソシアネート基平均数を求めた。なお、式中、「Mn」は、ポリイソシアネートの数平均分子量であり、上記「物性2」において測定された値を用いた。「NCO含有率」は、ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率であり、上記「物性1」において算出された値を用いた。
イソシアネート基平均数 = (Mn×NCO含有率×0.01)/42
[物性4]
(カルボジイミド基平均数)
ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基平均数は、以下の方法を用いて算出した。
まず、合成されたポリカルボジイミド化合物をGPC測定することにより、ポリカルボジイミド化合物び数平均分子量を得た。次いで、以下の式によりポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基平均数を算出した。
「ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基平均数」
={(ポリカルボジイミド化合物の数平均分子量)/(原料ジイソシアネートモノマーの分子量)}−1
[物性5]
(モノカルボジイミド化合物(Y)の含有率)
モノカルボジイミド化合物(Y)の含有率として、ブロックイソシアネート組成物の製造に用いたモノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物の総モル量に対するモノカルボジイミド化合物(Y)のモル量の割合(百分率、単位:モル%)を算出した。
[物性6]
(ウレトンイミノ基のモル比率)
モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物によるブロック化率として、ウレトンイミノ基のモル比率(単位:モル%)を算出した。
まず、Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた、13C−NMRの測定により、イソシアネート化合物(X)のイソシアヌレート基/イソシアネート基のモル比率を求めた。具体的な測定条件は以下のとおりであった。
(測定条件)
13C−NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
Cryo Probe
CPDUL
600S3−C/H−D−05Z
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl(77ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
(A)イソシアネート基:122.0ppm:積分値÷1
(B)イソシアヌレート基:148.6ppm付近:積分値÷3
実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物について、上記と同様の条件で、13C−NMR測定を実施し、以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
(C)ウレトンイミノ基:159.5ppm付近:積分値÷1
(D)イソシアヌレート基:148.6ppm付近:積分値÷3
ウレトンイミノ基のモル比率(モル%)は、[{(C)/(D)}/{(A)/(B)}×100]で算出した。
[水系塗料組成物の作製]
ポリカップにアクリルポリオール(ディスパージョンタイプ)(Allnex社製、商品名「Setaqua6515」、水酸基価110mgKOH/g、酸価9.9mgKOH/g、固形分45質量%)100質量部、及び、水性ポリエステルポリオール(Allnex社製、商品名「Setal6306」、水酸基価90mgKOH/g、酸価26mgKOH/g、固形分40質量%)50質量部を添加し、固形分が45質量%となるように、イオン交換水を添加し、ディスパー羽根で600rpmで5分間攪拌した。その後、600rpmで攪拌した状態で、ブロックイソシアネート組成物をNCO/OHのモル比が1.0となるように、5分間かけて滴下し、滴下後、10分間攪拌した。その後、固形分40質量%となるように、イオン交換水を添加し、600rpmで5分間攪拌し、水系塗料組成物を得た。
[物性7]
(有効NCO/OHのモル比)
得られた水系塗料組成物において、ポリオールの水酸基のモル量に対する、ブロックイソシアネート組成物の有効イソシアネート基(有効NCO)のモル量の比(有効NCO/OHのモル比)は、使用したブロックイソシアネート組成物における有効NCOのモル量及びポリオールにおける水酸基のモル量をそれぞれ算出し、有効NCOのモル量を水酸基のモル量で除することで算出した。
(1)有効NCOのモル量
まず、ブロックイソシアネート組成物の有効NCOのモル量は、以下の式から算出した。下記式において、aは有効NCOのモル量(mol/g)であり、Aはブロックイソシアネート組成物の使用量である。
a(mol/g)
= [A×{(有効NCO含有率(質量%))/100}]/42(g/mol)
上記式における「有効NCO含有率」とは、ブロック化反応後のブロックイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるブロックシアネート基量を定量化したものであって、イソシアネート基の質量%で表したものである。
有効NCO含有率は、下記式により算出した。
有効NCO含有率[質量%]
=[(ブロックイソシアネート組成物の固形分[質量%])×{(ブロック化反応に使用したイソシアネート化合物(X)の質量)×(NCO%)}]/(ブロック化反応後のブロックイソシアネート組成物の質量)
上記式において、「NCO%」は、物性3で算出された値を用いた。「ブロックイソシアネート組成物の固形分」は、次の方法により求めた。なお、試料が溶剤等で希釈されている場合は、希釈された状態での値を算出した。
まず、底直径38mmのアルミ皿を精秤した。次いで、アルミ皿上に約1g乗せた状態で、ブロックイソシアネート組成物を精秤した(W1)。次いで、ブロックイソシアネート組成物を均一厚さに調整した。次いで、アルミ皿に乗せた状態のブロックイソシアネート組成物を105℃のオーブンで1時間保持した。次いで、アルミ皿が室温になった後、アルミ皿に残存したブロックイソシアネート組成物を精秤した(W2)。次いで、下記式からブロックイソシアネート組成物の固形分を算出した。
「ブロックイソシアネート組成物の固形分(質量%)」 = W2/W1×100
(2)ポリオールの水酸基のモル量
また、ポリオールの水酸基のモル量は、以下の式から算出した。下記式において、bはポリオールの水酸基のモル量(mol/g)であり、Bはポリオールの使用量である。
b(mol/g)
= [B×{(ポリオールの固形分の含有量(質量%))/100}×{水酸基価(mgKOH/g)}]/56.1
[物性8]
(ブロック化N=C=N/COOHのモル比)
得られた水系塗料組成物において、ポリオールのカルボキシ基のモル量に対する、ブロックイソシアネート組成物のブロック剤に由来し、イソシアネート基との反応によりウレトンイミノ基を形成しているカルボジイミド基(以下、「ブロック化カルボジイミド基」、又は「ブロック化N=C=N」と称する場合がある)のモル量の比(ブロック化N=C=N/COOHのモル比)は、使用したブロックイソシアネート組成物におけるカルボジイミド基のモル量及びポリオールにおけるカルボキシ基のモル量をそれぞれ算出し、カルボジイミド基のモル量をカルボキシ基のモル量で除することで算出した。
(1)ブロック化カルボジイミド基のモル量
ブロック化カルボジイミド基のモル量は、ブロックイソシアネート組成物の製造時に使用したカルボジイミド化合物のカルボジイミド基のモル数から、ブロックイソシアネート組成物の製造後にブロック化に使用されていないカルボジイミド化合物のカルボジイミド基のモル数を引くことにより、算出した。
(2)カルボキシ基のモル量
ポリオールのカルボキシ基のモル量は、以下の式から算出した。下記式において、cはポリオールのカルボキシ基のモル量(mol/g)であり、Cはポリオールの使用量である。
c(mol/g)
=[C×{(ポリオールの固形分の含有量(質量%))/100}×{(酸価(mgKOH/g)}]/56.1
[評価1]
(貯蔵安定性)
得られた水系塗料組成物をガラスのサンプル瓶に保管し、23℃で10日間保管した。10日後の塗液外観、粘度変化を確認して、以下の評価基準に従って貯蔵安定性の評価を行った。
(評価基準)
○:液の分離、沈降、ゲル化等なく、粘度変化が保管前の2倍以下
△:液の分離、沈降、ゲル化等は見られないが、粘度変化が保管前の2倍以上
×:液の分離、沈降、ゲル化等が見られる
[評価2]
(低温硬化性)
得られた水系塗料組成物をポリプロピレン(PP)板上に乾燥膜厚40μmになるよう塗装した後、100℃で30分間加熱乾燥し、樹脂膜を得た。得られた樹脂膜を常温(23℃)で1週間保管し、ゲル分率の測定を行なった。ゲル分率は、樹脂膜をアセトン中に23℃で24時間浸漬した際の未溶解部分質量を浸漬前質量で除した値の百分率(質量%)として求めた。得られたゲル分率について、以下の評価基準に従って、低温硬化性の評価を行った。
(評価基準)
◎:ゲル分率が80質量%以上
○:ゲル分率が70質量%以上80%未満
△:ゲル分率が60質量%以上70質量%未満
×:ゲル分率が60質量%未満
[評価3]耐水性試験
得られた水系塗料組成物をガラス板上に乾燥膜厚40μmになるよう塗装した後、100℃で30分間加熱乾燥し、樹脂膜を得た。得られた樹脂膜を常温(23℃)で1日間保管した樹脂膜を、23℃の水に、24時間浸漬し、24時間後の塗膜外観を観察した。観察結果から、以下の評価基準に従って耐水性の評価を行った。
(評価基準)
◎:白化、プリスターがほぼ見られなかったもの
○:浸漬部の一部にブリスターが見られた場もの
△:浸漬部にうっすらと白化が見られたもの
×:浸漬部の白化が明らかなもの
[評価4]
(耐溶剤性(キシレンラビング試験))
得られた水系塗料組成物をガラス板上に乾燥膜厚40μmになるよう塗装した後、100℃で30分間加熱乾燥し、樹脂膜を得た。得られた樹脂膜を常温(23℃)で1日間保管した樹脂膜を、23℃でエタノールを染み込ませた綿棒で3cmの長さを20往復回擦り、樹脂膜の状態を観察した。観察結果から、以下の評価基準に従って耐溶剤性の評価を行った。
(評価基準)
◎:ほぼ劣化が見られないもの
○:一部、ラビング部に筋が見られたもの
△:傷又はラビング部で薄膜化が見られたもの
×:ラビング部の樹脂膜が全て溶解した箇所が存在したもの
<イソシアネート化合物(X)の合成>
[合成例1]
(イソシアネート化合物X−2の合成)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、HDI:100質量部、及び、3価アルコールとε−カプロラクトンとから誘導されるポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、「プラクセル303」(商品名)):5.2質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が51質量%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去して、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(以下、「イソシアネート化合物X−2」と称する場合がある)を得た。得られたイソシアネート化合物X−2のNCO含有率は18.8質量%、数平均分子量は1130、イソシアネート基平均数は5.1であった。
[合成例2]
(イソシアネート化合物X−3の合成)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「TPA−100」、NCO含有率23.1質量%):100質量部、及び、イソシアネート化合物X−2:100質量部を添加し、60℃に保持し、3時間混合し、イソシアネート化合物X−3を得た。得られたイソシアネート化合物X−3のNCO含有率は20.9質量%、数平均分子量は860、イソシアヌレート基平均数は、4.3であった。
[合成例3]
(イソシアネート化合物X−6の合成)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、HDI:80質量部、IPDI:20質量部、及び、トリメチロールプロパン:7.5質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が46質量%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDI、IPDIを除去して、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(以下、「イソシアネート化合物X−6」と称する場合がある)を得た。得られたイソシアネート化合物X−6のNCO含有率は18.5質量%、数平均分子量は1200、イソシアネート基平均数は5.3であった。
<ポリカルボジイミド化合物の合成>
[合成例4]
(ポリカルボジイミド化合物C−1の合成)
SUS316攪拌槽に、キシレン:300質量部、及び、ジフェニルメタンジイソシアネート:500質量部を投入し、140℃に加熱した。ここに、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド:1gを投入し5時間攪拌した。キシレン、余剰のジフェニルメタンジイソシアネートを留去し、ポリカルボジイミド化合物C−1を得た。得られたポリカルボジイミド化合物C−1のカルボジイミド基の平均数は3.0であった。
<ブロックイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]
(ブロックイソシアネート組成物BP−a1の製造)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、ジプロピレングリコールジメチルエーテル:100質量部、HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「TPA−100」、NCO含有率23.1質量%)(以下、「イソシアネート化合物X−1」と称する場合がある。):100質量部、及び、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(東京化成製)(以下、「モノカルボジイミド化合物Y−1」と称する場合がある):76質量部(カルボジイミド基/イソシアネート基のモル比が1.1となる質量)を添加し、反応器内温度80℃で攪拌しながら、6時間ブロック化反応を実施した。その後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名「MPEG400」、数平均分子量400):22質量部(水酸基/イソシアネート基のモル比が0.1となる質量)を添加し、80℃で3時間反応させた。その後、3,5−ジメチルピラゾール:2.6質量部(ブロック剤活性基/イソシアネート基のモル比が0.05となる質量)をさらに添加し、80℃で1時間保持した。その後、50℃に降温後、ジオクチルスズジラウレート(日東化成製、商品名「ネオスタンU−810」)を反応生成物の固形分の総質量に対して0.1質量%となる量添加し、ブロックイソシアネート組成物BP−a1を得た。
[実施例2〜実施例10及び比較例1]
(ブロックイソシアネート組成物BP−a2〜BP−a10及びBP−b1の製造)
表1又は表2の組成及び配合比となるようにした以外は、実施例1と同様の方法を用いて各ブロックイソシアネート組成物を得た。
なお、モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物を併用した実施例10では、これら化合物を同時に添加してイソシアネート化合物(X)と反応させた。
[実施例11]
(ブロックイソシアネート組成物BP−a11の製造)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、ジプロピレングリコールジメチルエーテル:100質量部、イソシアネート化合物X−2(NCO含有率18.8質量%):100質量部、及び、モノカルボジイミド化合物Y−1:62質量部(カルボジイミド基/イソシアネート基のモル比が1.1となる質量)を添加し、反応器内温度80℃で攪拌しながら、6時間ブロック化反応を実施した。その後、3,5−ジメチルピラゾール:6.4質量部(ブロック剤活性基/イソシアネート基のモル比が0.15となる質量)をさらに添加し、80℃で1時間保持した。その後、50℃に降温後、ジオクチルスズジラウレート(日東化成製、商品名「ネオスタンU−810」)を反応生成物の固形分の総質量に対して0.1質量%となる量添加し、ブロックイソシアネート組成物BP−a11を得た。
また、ブロックイソシアネート組成物BP−a11を使用し、上述した方法を用いて水系塗料組成物を調製する際には、ブロックイソシアネート組成物BP−a11の固形分に対し、0.1質量%のポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム塩(日油社製、商品名「ニッサントラックスK−40」、固形分28質量%)を事前に添加した混合液を用いて、水系塗料組成物の調製を行った。
[比較例2]
(ブロックイソシアネート組成物BP−b2の製造)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、ジプロピレングリコールジメチルエーテル:70質量部、イソシアネート化合物X−1:100質量部、その後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名「MPEG400」、数平均分子量400):22質量部(水酸基/イソシアネート基のモル比が0.1となる質量)を添加し、80℃で3時間反応させた。その後、3,5−ジメチルピラゾール:50質量部(ブロック剤活性基/イソシアネート基のモル比が0.95となる質量)をさらに添加し、80℃で1時間保持して、ブロック化反応を行った。その後、50℃に降温後、ジオクチルスズジラウレート(日東化成製、商品名「ネオスタンU−810」)を反応生成物の固形分の総質量に対して0.1質量%となる量添加し、ブロックイソシアネート組成物BP−b2を得た。
[比較例3]
(ブロックイソシアネート組成物BP−b3の製造)
温度計、攪拌羽根及び還流冷却管を取り付けた四ツ口フラスコに、窒素気流下で、ジプロピレングリコールジメチルエーテル:70質量部、イソシアネート化合物X−1:100質量部、その後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名「MPEG400」、数平均分子量400):22質量部(水酸基/イソシアネート基のモル比が0.1となる質量)を添加し、80℃で3時間反応させた。内温を40℃まで冷却し、ブロック剤として、マロン酸ジエチル:64質量部及びアセト酢酸エチル:16質量部(合計でブロック剤活性基/イソシアネート基のモル比で0.95となる量)を添加し、さらにナトリウムメチラート(28質量%)含有メタノール溶液:1.0質量部を添加し、撹拌した。50℃に内浴を維持して6時間以上攪拌し、赤外スペクトルでイソシアネート基の特性吸収がなくなったことを確認し、ブロックイソシアネート組成物BP−b3を得た。
実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物について、上記記載の方法を用いて各種評価を行った。結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において、各化合物の詳細は以下のとおりである。
(イソシアネート化合物(X))
X−1:HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「TPA−100」、NCO含有率23.1質量%)
X−2:製造例1のイソシアネート化合物(NCO基含有率:18.8質量%)
X−3:製造例2のイソシアネート化合物(NCO基含有率:20.9質量%)
X−4:HDI(旭化成株式会社製、商品名「50M」、NCO基含有率:49.8質量%)
X−5:NTI(NCO基含有率:49.7質量%)
X−6:製造例3のイソシアネート化合物(NCO基含有率:18.5質量%)
(モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物)
Y−1:DIC(東京化成製)
Y−2:DCC(東京化成製)
C−1:製造例4のポリカルボジイミド化合物
(親水性化合物)
MPEG400:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量400)
MPEG550:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量550)
(その他のブロック剤)
B−1:3,5−ジメチルピラゾール
B−2:マロン酸ジエチル及びアセト酢酸エチル(マロン酸ジエチル/アセト酢酸エチル=80/20(質量比))
Figure 2021187986
Figure 2021187986
表1及び表2から、ブロックイソシアネート組成物BP−a1〜BP−a11(実施例1〜11)では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性が良好であった。
また、モノカルボジイミド化合物(Y)の種類が異なるブロックイソシアネート組成物BP−a1及びBP−a2(実施例1及び2)の比較において、DICを用いたブロックイソシアネート組成物BP−a1では、塗膜としたときの耐溶剤性が特に優れる傾向がみられた。
また、親水性化合物の種類が異なるブロックイソシアネート組成物BP−a1及びBP−a3(実施例1及び3)の比較において、MPEG550を用いたブロックイソシアネート組成物BP−a3では、塗膜としたときの低温硬化性が特に優れる傾向がみられた。
また、イソシアネート化合物(X)として用いられたポリイソシアネートの種類が異なるブロックイソシアネート組成物BP−a3、BP−a4及びBP−a7(実施例3、4及び7)の比較において、イソシアネート化合物X−1又はX−6を用いたブロックイソシアネート組成物BP−a3及びBP−a7では、塗膜としたときの低温硬化性が特に優れる傾向がみられた。
また、イソシアネート化合物(X)の種類がポリイソシアネートとNTIとで異なるブロックイソシアネート組成物BP−a1及びBP−a5(実施例1及び5)の比較において、ポリイソシアネートを用いたブロックイソシアネート組成物BP−a1では、塗膜としたときの耐溶剤性が特に優れる傾向がみられた。
また、ウレトンイミノ基のモル比率、すなわち、モノカルボジイミド化合物(Y)によるブロック化率が異なるブロックイソシアネート組成物BP−a1、BP−a8及びBP−a9(実施例1、8及び9)の比較において、ウレトンイミノ基のモル比率が増加するほど、塗膜としたときの低温硬化性、耐水性及び耐溶剤性が向上する傾向がみられた。
また、モノカルボジイミド化合物(Y)を単独で用いたブロックイソシアネート組成物BP−a1(実施例1)、並びに、モノカルボジイミド化合物(Y)及びポリカルボジイミド化合物を併用したブロックイソシアネート組成物BP−a10(実施例10)の比較において、モノカルボジイミド化合物(Y)を単独で用いたブロックイソシアネート組成物BP−a1では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、及び、塗膜としたときの耐水性が特に優れていた。
また、親水性化合物の使用有無が異なるブロックイソシアネート組成物BP−a3及びBP−a11(実施例3及び11)の比較において、親水性化合物を用いたブロックイソシアネート組成物BP−a3では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性の全てが特に優れていた。
一方、ブロック剤としてモノカルボジイミド化合物(Y)を用いず、ポリカルボジイミド化合物を用いたブロックイソシアネート組成物BP−b1(比較例1)では、塗膜としたときの低温硬化性は良好であったが、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性が不良であった。また、ブロックイソシアネート組成物BP−b1を用いて水系塗料組成物を調製後、一部ゲル化が進行し、平滑な塗膜形成ができなかったため、塗膜としたときの耐水性及び耐溶剤性を評価することができなかった。
また、ブロック剤としてカルボジイミド基含有化合物を用いず、3,5−ジメチルピラゾールを用いたブロックイソシアネート組成物BP−b2(比較例2)では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性及び塗膜としたときの耐溶剤性は良好であったが、塗膜としたときの低温硬化性及び耐水性が不良であった。
また、ブロック剤としてカルボジイミド基含有化合物を用いず、マロン酸ジエチル及びアセト酢酸エチルを用いたブロックイソシアネート組成物BP−b3(比較例3)では、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、塗膜としたときの低温硬化性及び耐溶剤性が良好であったが、塗膜としたときの耐水性が不良であった。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物によれば、水系塗料組成物としたときの貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れるブロックイソシアネート組成物を提供することができる。本実施形態の水系塗料組成物は、前記ブロックイソシアネート組成物を含み、貯蔵安定性、並びに、樹脂膜としたときの100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。本実施形態の樹脂膜は、前記水系塗料組成物を硬化させてなり、100℃程度の低温での硬化性、耐溶剤性及び耐水性に優れる。

Claims (4)

  1. 脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のイソシアネート化合物(X)のイソシアネート基の少なくとも一部が、下記一般式(I)で表されるモノカルボジイミド化合物(Y)でブロック化されたブロックイソシアネートを含む、ブロックイソシアネート組成物。
    Figure 2021187986
    (一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1以上30以下のアルキル基又は炭素数6以上30以下のアリール基である。)
  2. 前記ブロックイソシアネートの少なくとも一部が、親水性化合物から誘導される構造単位を有する、請求項1に記載のブロックイソシアネート組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のブロックイソシアネート組成物と、ポリオールと、水と、を含む、水系塗料組成物。
  4. 請求項3に記載の水系塗料組成物を硬化させてなる、樹脂膜。
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