JP2021185638A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、誘電体層12と内部電極13a、13bとが交互に複数積層された積層体11と、外部電極14a、14bとを備える。誘電体層12は、積層方向と直交する面の面方向に配置され、Ba、Ti、希土類元素を含む第1の結晶粒子と、面方向に配置され、Ba、Ti、希土類元素を含む第2の結晶粒子とを含む。第1の結晶粒子の界面から50nm以内の希土類元素のTiに対するモル比M1と、界面から50nm以上100nm以下の範囲内の希土類元素のTiに対するモル比M2について、0.95≦M1/M2≦1.05の関係が成り立つ。第2の結晶粒子内の希土類元素のTiに対するモル比は第1の結晶粒子内の希土類元素のTiに対するモル比の半分以下であり、第2の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度は第1の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度より低い。【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
誘電体層と内部電極とが交互に複数積層された積層体と、積層体の表面に設けられ、積層体の表面に引き出された内部電極と電気的に導通された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサが知られている。
近年、積層セラミックコンデンサの使用用途が拡大する一方で、その使用環境は厳しさを増しており、高温環境下で使用されることが多くなってきた。高温環境下において、高電界が加わると、絶縁抵抗が低下するという問題がある。
特許文献1には、チタン酸バリウムを主成分とし、マグネシウム、マンガンおよび希土類元素が酸化物として固溶した複数の結晶粒子を誘電体層に含む積層セラミックコンデンサが記載されている。特許文献1に記載のセラミックコンデンサのように、誘電体層に含まれる結晶粒子を、コア部と、コア部の周囲のシェル部とからなるコアシェル構造とすることにより、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる。
特開2008−10530号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサのように、誘電体層にコアシェル構造の結晶粒子を含む構成であっても、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を十分に抑制することはできず、改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、
誘電体層と内部電極とが交互に複数積層された積層体と、
前記積層体の表面に設けられ、前記積層体の表面に引き出された前記内部電極と電気的に導通された外部電極と、
を備え、
前記誘電体層は、第1の結晶粒子が前記内部電極の積層方向と直交する面の面方向に配置された第1の粒子層と、第2の結晶粒子が前記面方向に配置された第2の粒子層とを含み、
前記第1の結晶粒子は、Ba、Ti、および希土類元素を含み、
前記第2の結晶粒子は、Ba、Ti、および希土類元素を含み、
前記第1の結晶粒子の平均粒径は、150nm以上500nm以下であり、
前記第2の結晶粒子の平均粒径は、100nm以上200nm以下であり、
前記第1の結晶粒子の界面から50nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比M1と、前記第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比M2について、0.95≦M1/M2≦1.05の関係が成り立ち、
前記第2の粒子層中の前記第2の結晶粒子に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比は、前記第1の粒子層中の前記第1の結晶粒子に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比の半分以下であり、
前記希土類元素は、前記第1の結晶粒子間および前記第2の結晶粒子間にも含まれており、前記第2の結晶粒子間に含まれる前記希土類元素の濃度は、前記第1の結晶粒子間に含まれる前記希土類元素の濃度より低い、
ことを特徴とする。
前記誘電体層は、前記第1の結晶粒子が前記面方向に連続して配置された第1の粒子層と、前記第2の結晶粒子が前記面方向に連続して配置された第2の粒子層とを含んでいてもよい。
前記積層方向に隣り合う2つの前記内部電極の間には、2つの前記第2の粒子層と、前記2つの第2の粒子層に挟まれた前記第1の粒子層とが配置されていてもよい。
前記第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比は、前記第2の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比の1.7倍以上であってもよい。
前記誘電体層の厚みは、0.1μm以上6.0μm以下であってもよい。
前記第1の結晶粒子の平均粒径は、前記第2の結晶粒子の平均粒径より大きくてもよい。
前記第1の結晶粒子の平均粒径は、150nm以上500nm以下であり、
前記第2の結晶粒子の平均粒径は、100nm以上200nm以下であってもよい。
前記第2の結晶粒子は、界面から50nm以内に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比が、界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比より高いコアシェル構造を有していてもよい。
前記希土類元素は、Dyであってもよい。
本発明の積層セラミックコンデンサによれば、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる。これは、誘電体層を構成する第1の結晶粒子内、第2結晶粒子内、および、それぞれの結晶粒子の界面に希土類元素が配置されていることにより、絶縁抵抗の劣化の要因となる酸素空孔の移動を抑制することができるからであると考えられる。
第1の実施形態における積層セラミックコンデンサの斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII−II線に沿った断面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのIII−III線に沿った断面図である。 第1の実施形態における積層セラミックコンデンサの断面を部分的に拡大した図であって、誘電体層の詳細な構成を説明するための模式的断面図である。 第2の実施形態における積層セラミックコンデンサの断面を部分的に拡大した図であって、誘電体層の詳細な構成を説明するための模式的断面図である。 第1の実施形態における積層セラミックコンデンサについて、電圧の印加開始からの経過時間と絶縁抵抗との関係を示す図である。 第2の実施形態における積層セラミックコンデンサについて、電圧の印加開始からの経過時間と絶縁抵抗との関係を示す図である。 比較例の積層セラミックコンデンサについて、電圧の印加開始からの経過時間と絶縁抵抗との関係を示す図である。 第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ、および、比較例の積層セラミックコンデンサの温度変化に対する静電容量変化率を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところを具体的に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10のIII−III線に沿った断面図である。
図1〜図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、全体として直方体形状を有する電子部品であり、積層体11と、一対の外部電極14(14a,14b)とを有している。一対の外部電極14(14a,14b)は、図1に示すように、対向するように配置されている。
ここでは、一対の外部電極14が対向する方向を積層セラミックコンデンサ10の長さ方向Lと定義し、後述する内部電極13(13a,13b)の積層方向を厚み方向Tと定義し、長さ方向Lおよび厚み方向Tのいずれの方向にも直交する方向を幅方向Wと定義する。
積層体11は、長さ方向Lに相対する第1の端面15aおよび第2の端面15bと、厚み方向Tに相対する第1の主面16aおよび第2の主面16bと、幅方向Wに相対する第1の側面17aおよび第2の側面17bとを有する。
第1の端面15aには、第1の外部電極14aが設けられており、第2の端面15bには、第2の外部電極14bが設けられている。
積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法は、例えば2.0mm、1.2mm、1.2mmである。ただし、積層体11の寸法が上述した数値に限定されることはない。積層体11の寸法は、マイクロメータまたは光学顕微鏡で測定することができる。
積層体11は、角部および稜線部に丸みを帯びていることが好ましい。ここで、角部は、積層体11の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体11の2面が交わる部分である。
図2および図3に示すように、積層体11は、誘電体層12と、第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bとを備える。
誘電体層12は、積層体11の厚み方向Tの両外側に位置する外層誘電体層121と、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bとの間に位置する内層誘電体層122とを含む。
内層誘電体層122の積層枚数は、積層体11のサイズによって異なる。例えば、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ2.0mm、1.2mm、および1.2mmの場合、内層誘電体層122の積層枚数は、200枚以上1300枚以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ1.6mm、0.8mm、および0.8mmの場合、内層誘電体層122の積層枚数は、200枚以上1000枚以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ1.0mm、0.5mm、および0.5mmの場合、内層誘電体層122の積層枚数は、例えば200枚以上800枚以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ0.6mm、0.3mm、および0.3mmの場合、内層誘電体層122の積層枚数は、例えば200枚以上600枚以下とすることができる。
内層誘電体層122の厚みは、積層体11のサイズによって異なる。例えば、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ2.0mm、1.2mm、および1.2mmの場合、内層誘電体層122の厚みは、例えば0.1μm以上6.0μm以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ1.6mm、0.8mm、および0.8mmの場合、内層誘電体層122の厚みは、例えば0.1μm以上4.0μm以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ1.0mm、0.5mm、および0.5mmの場合、内層誘電体層122の厚みは、例えば0.1μm以上2.5μm以下とすることができる。
また、積層体11の長さ方向L、幅方向W、および厚み方向Tの寸法がそれぞれ0.6mm、0.3mm、および0.3mmの場合、内層誘電体層122の厚みは、例えば0.1μm以上1.0μm以下とすることができる。
なお、上述した積層体11の寸法には、それぞれ±10%の公差が加わってもよい。
図4は、積層セラミックコンデンサ10の断面を部分的に拡大した図であって、誘電体層12の詳細な構成を説明するための模式的断面図である。誘電体層12は、第1の結晶粒子と第2の結晶粒子とを含む。より具体的には、誘電体層12は、図4に示すように、第1の結晶粒子が面方向に連続して配置された第1の粒子層41と、第2の結晶粒子が面方向に連続して配置された第2の粒子層42とを含む。ここで、「面方向」とは、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bの積層方向、すなわち、厚み方向Tと直交する面が延伸する方向である。
本実施形態では、誘電体層12のうちの内層誘電体層122が第1の粒子層41と第2の粒子層42の2層により構成されている。
なお、本発明は、第1の粒子層41に第2の粒子が含まれる構成を排除するものではなく、また、第2の粒子層42に第1の粒子が含まれる構成を排除するものではない。
第1の結晶粒子は、チタン酸バリウムであるBaTiO3を主成分とし、希土類元素が均一に固溶した構造を有する。希土類元素は、例えばジスプロシウムであるDyが挙げられる。
第1の結晶粒子の平均粒径は、第2の結晶粒子の平均粒径よりも大きい。第1の結晶粒子の平均粒径は、例えば150nm以上500nm以下である。
ここで、「希土類元素が均一に固溶」とは、第1の結晶粒子の界面から50nm以内の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比M1と、第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比M2について、0.95≦(M1/M2)≦1.05の関係が成り立つ。この関係が成り立たない場合には、第1の結晶粒子はコアシェル構造を作っているということになる。
希土類元素のTiに対するモル比は、以下の方法により測定することができる。まず、積層体11の幅方向Wの中央部まで、厚み方向Tおよび長さ方向Lにより規定される面を研磨することによって、断面を露出させた後、集中イオンビームであるFIBにより複数の結晶粒子を含んだ断面で小片化する。そして、小片化した試料に対して、透過型電子顕微鏡プローブを測定位置に当てて、結晶粒子に含まれるTiおよび希土類元素の組成量を測定し、Tiに対する希土類元素のモル比であるM1とM2とを求める。
ここで、第1の結晶粒子に含まれる希土類元素の含有量は、Ti100モル部に対して6モル部以上であることが好ましい。Ti100モル部に対して、希土類元素が6モル部以上含まれることにより、第1の結晶粒子に含まれる酸素空孔の移動を抑制することができる。
また、結晶粒子に含まれる希土類元素について、第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比は、第2の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比の1.7倍以上である。
第2の結晶粒子は、第1の結晶粒子に含まれるチタン酸バリウムよりも高結晶性のチタン酸バリウムを主成分とし、希土類元素が固溶したコアシェル構造を有する。希土類元素は、例えばジスプロシウムであるDyが挙げられる。
第2の結晶粒子の平均粒径は、例えば100nm以上200nm以下である。
第2の結晶粒子に固溶している希土類元素の量は、第1の結晶粒子に固溶している希土類元素の量に比べて少ない。本実施形態では、第2の結晶粒子に固溶している希土類元素のTiに対するモル比は、第1の結晶粒子に固溶している希土類元素のTiに対するモル比の半分以下である。
また、第2の結晶粒子の界面から50nm以内の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比は、第2の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比より高い。
上述した希土類元素は、第1の結晶粒子間および第2の結晶粒子間にも含まれている。第2の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度は、第1の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度よりも低い。
上述した構成の第2の結晶粒子を含む第2の粒子層42が設けられていることにより、温度変化によって積層セラミックコンデンサ10の誘電率が変化することを抑制することができる。
第1の内部電極13aは、積層体11の第1の端面15aに引き出されている。また、第2の内部電極13bは、積層体11の第2の端面15bに引き出されている。第1の内部電極13aと第2の内部電極13bは、厚み方向Tにおいて、内層誘電体層122を介して交互に配置されている。
第1の内部電極13aは、第2の内部電極13bと対向する部分である対向電極部と、対向電極部から積層体11の第1の端面15aまで引き出された部分である引出電極部とを備えている。また、第2の内部電極13bは、第1の内部電極13aと対向する部分である対向電極部と、対向電極部から積層体11の第2の端面15bまで引き出された部分である引出電極部とを備えている。
第1の内部電極13aの対向電極部と、第2の内部電極13bの対向電極部とが内層誘電体層122を介して対向することにより容量が形成され、これにより、コンデンサとして機能する。
第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、およびAuなどの金属、またはAgとPdの合金などを含有している。好ましくは、第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bは、Niを含有している。第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bは、さらに誘電体層12に含まれるセラミックと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bの厚みは、例えば0.4μm以上1.0μm以下である。
ここで、誘電体層12の厚み、および、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bの各々の厚みは、以下の方法により測定することができる。
まず、積層体11の厚み方向Tおよび幅方向Wにより規定される面、換言すると、積層体11の長さ方向Lと直交する面を研磨することによって、断面を露出させて、その断面を走査型電子顕微鏡であるSEMにて観察する。次に、露出させた断面の中心を通る厚み方向に沿った中心線、および、この中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上において、誘電体層12の厚みを測定する。この5つの測定値の平均値を、誘電体層12の厚みとする。
なお、より正確に求めるためには、厚み方向Tにおいて、積層体11を上部、中央部、および、下部に分けて、上部、中央部、および、下部のそれぞれにおいて、上述した5つの測定値を求め、求めた全ての測定値の平均値を、誘電体層12の厚みとする。
上では、誘電体層12の厚みを測定する方法について説明したが、第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bの厚みも、誘電体層12の厚みを測定する方法に準じる方法で、誘電体層12の厚みを測定した断面と同じ断面について、走査型電子顕微鏡であるSEMを用いて測定することができる。
第1の外部電極14aは、積層体11の第1の端面15aの全体に形成されているとともに、第1の端面15aから、第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面17a、および第2の側面17bに回り込むように形成されている。第1の外部電極14aは、第1の内部電極13aと電気的に接続されている。
第2の外部電極14bは、積層体11の第2の端面15bの全体に形成されているとともに、第2の端面15bから、第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面17a、および第2の側面17bに回り込むように形成されている。第2の外部電極14bは、第2の内部電極13bと電気的に接続されている。
第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bは、例えば、下地電極層と、下地電極層上に配置されためっき層とを備える。
下地電極層は、以下に説明するような、焼付け電極層、樹脂電極層、および、薄膜電極層などの層のうち、少なくとも1つの層を含む。
焼付け電極層は、ガラスと金属とを含む層であり、1層であってもよいし、複数層であってもよい。焼付け電極層は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、およびAuなどの金属、またはAgとPdの合金などを含む。
焼付け電極層は、ガラスおよび金属を含む導電ペーストを積層体に塗布して焼き付けることによって形成される。焼き付けは、積層体の焼成と同時に行ってもよいし、積層体の焼成後に行ってもよい。
樹脂電極層は、例えば、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む層として形成することができる。樹脂電極層を形成する場合には、焼付け電極層を形成せずに、積層体上に直接形成するようにしてもよい。樹脂電極層は、1層であってもよいし、複数層であってもよい。
薄膜電極層は、例えば、金属粒子が堆積した1μm以下の層であり、スパッタ法または蒸着法などの既知の薄膜形成法により形成することができる。
下地電極層上に配置されるめっき層は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、およびAuなどの金属、またはAgとPdの合金などのうちの少なくとも1つを含む。めっき層は、1層であってもよいし、複数層であってもよい。ただし、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造とすることが好ましい。Niめっき層は、下地電極層が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されるのを防止する機能を果たす。また、Snめっき層は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだの濡れ性を向上させる機能を果たす。
なお、第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bは、上述した下地電極層を備えず、積層体11上に直接配置されるめっき層により構成されていてもよい。この場合、めっき層が直接、第1の内部電極13aまたは第2の内部電極13bと接続される。以下では、第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bが上述した下地電極層を備えず、積層体11上に直接形成されるめっき層を備える構成である場合のめっき層の詳細について説明する。
めっき層は、積層体11上に形成された第1めっき層と、第1めっき層上に形成された第2めっき層とを含むことが好ましい。ただし、無電解めっき法によりめっき層を形成する場合には、積層体11上に触媒を設けるようにしてもよい。
第1めっき層および第2めっき層は、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi、および、Znからなる群より選ばれる1種の金属、または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
例えば、内部電極としてNiを用いた場合、第1めっき層としては、Niと接合性のよいCuを用いることが好ましい。また、第2めっき層としては、はんだ濡れ性のよいSnやAuを用いることが好ましい。また、第1めっき層として、はんだバリア性能を有するNiを用いるようにしてもよい。
第2めっき層は必要に応じて形成すればよい。したがって、第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bは、第1めっき層だけを備える構成であってもよい。また、第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bは、第1めっき層および第2めっき層に加えて、第2めっき層上に形成される別のめっき層をさらに備える構成としてもよい。
めっき層の単位体積あたりの金属の割合は、99体積%以上であることが好ましい。また、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層は、厚み方向に沿って粒成長したものであり、柱状である。
上述したように、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10は、誘電体層12と内部電極13(13a,13b)とが交互に複数積層された積層体11と、積層体11の表面に設けられ、積層体11の表面に引き出された内部電極13と電気的に導通された外部電極14(14a,14b)とを備える。誘電体層12は、内部電極13の積層方向と直交する面の面方向に配置され、Ba、Ti、および希土類元素を含む第1の結晶粒子と、面方向に配置され、Ba、Ti、および希土類元素を含む第2の結晶粒子とを含む。第1の結晶粒子の界面から50nm以内の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比M1と、第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる希土類元素のTiに対するモル比M2について、0.95≦(M1/M2)≦1.05の関係が成り立つ。第2の結晶粒子に含まれる希土類元素のTiに対するモル比は、第1の結晶粒子に含まれる希土類元素のTiに対するモル比の半分以下である。希土類元素は、第1の結晶粒子間および第2の結晶粒子間にも含まれており、第2の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度は、第1の結晶粒子間に含まれる希土類元素の濃度より低い。
そのような構成により、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10では、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる。
ここで、誘電体層の結晶粒子に含まれる酸素空孔は、電荷の通り道と考えられており、酸素空孔が多いと、電荷が移動しやすくなり、絶縁抵抗劣化が生じやすくなる。特に、高温環境下では、酸素空孔が負極近傍に移動しやすく、負荷が加わると、局所的に誘電体層の負極側で酸素空孔量が多くなり、絶縁抵抗劣化が生じやすくなる。
しかしながら、本実施形態における積層セラミックコンデンサ10では、誘電体層を構成する結晶粒子内および界面に希土類元素が配置されているので、酸素空孔の移動を抑制して、絶縁抵抗劣化を抑制することができる。
[実施例]
第1の結晶粒子となる第1の誘電体原料配合物を以下の方法により作製した。
まず、BaTiO3を秤量した後、ボールミルによって湿式混合して、凝集体を解砕した。
次に、以下の組成式で表される添加成分および添加量にて、低結晶性のBaTiO3と添加成分素材を配合し、水を媒体としてボールミルにより混合した。その後、蒸発乾燥させて、第1の誘電体原料配合物を得た。
組成式:100BamTiO3+aDy23+bMgO+cMn+dSiO2+eV25
ただし、m=1.0070、a=5.0、b=0.08、c=0.56、d=1.0、e=0.1
なお、添加成分素材として、BaCO3、Dy23、MgCO3、MnCO3、SiO2、およびV25を用いた。
また、第2の結晶粒子となる第2の誘電体原料配合物を以下の方法により作製した。
まず、第1の結晶粒子を作製する際に用いたBaTiO3よりも高結晶性のBaTiO3を秤量した後、ボールミルによって湿式混合して、凝集体を解砕した。
次に、以下の組成式で表される添加成分および添加量にて、BaTiO3と添加成分素材を配合し、水を媒体としてボールミルにより混合した。その後、蒸発乾燥させて、第2の誘電体原料配合物を得た。
組成式:100BamTiO3+aDy23+bMgO+cMn+dSiO2+eV25
ただし、m=1.0070、a=5.0、b=0.08、c=0.56、d=1.0、e=0.1
なお、添加成分素材として、BaCO3、Dy23、MgCO3、MnCO3、SiO2、およびV25を用いた。
第1の誘電体原料配合物と第2の誘電体原料配合物に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール等の有機溶媒を加えて、ボールミルにより所定の時間、湿式混合して、セラミックスラリーを作製した。そして、作製したセラミックスラリーを焼成後の誘電体層の厚さが3μmとなるようにシート成形して、セラミックグリーンシートを得た。
なお、第1の誘電体原料配合物と第2の誘電体原料配合物を混合せずに、それぞれ別々にシート成形し、2枚のシートを重ねることによって、1枚のセラミックグリーンシートを作製してもよい。
なお、同じ材料配合であっても、基材となるBaTiO3の結晶度の違いにより、希土類元素が均一に固溶する構造となるか、コアシェル構造となるかの違いが生じ、セラミックグリーンシートの厚み方向中央部に、希土類元素が全固溶した結晶粒子が集まりやすくなる。
続いて、内部電極用導電性ペーストを用意し、セラミックグリーンシート上に、焼成後の電極厚みが1.0μmとなるように内部電極用導電性ペーストを印刷することによって、内部電極パターンを形成した。内部電極用導電性ペーストには、例えばNi粉、有機溶剤、バインダなどが含まれる。内部電極用導電性ペーストの印刷は、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷方法を用いることができる。
続いて、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを順次積層し、さらにその上に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層して、マザー積層体を作製した。
続いて、マザー積層体をプレスした後、所定のサイズにカットした。プレスは、例えば、剛体プレスや静水圧プレスなどの方法を用いることができる。また、プレス後のマザー積層体のカットは、例えば、押切り、ダイシング、レーザなどの切断方法により行うことができる。
この後、バレル研磨などにより、角部および稜線部に丸みをつけてもよい。上述した工程により、未焼成積層体が得られる。この未焼成積層体の両端面には、内部電極パターンが露出している。
続いて、未焼成積層体を焼成することによって、積層体を作製した。焼成温度は、例えば900℃以上1300℃以下とすることが好ましい。
なお、上述したように、セラミックグリーンシートは、第1の誘電体原料配合物と第2の誘電体原料配合物とを混合することによって作製した。未焼成積層体を焼成して積層体を得る過程において、第1の粒子をより多く含む層と、第2の粒子をより多く含む層とに分離して、第1の粒子層と第2の粒子層とが形成される。
続いて、積層体の両端面に、外部電極用導電性ペーストを塗布して焼き付けることによって、焼付け電極層を形成した。焼き付け温度は、例えば700℃以上900℃以下である。
この後、必要に応じて、焼き付け電極層の上に、めっき処理を施すことによって、めっき層を形成してもよい。
ここでは、外部電極を焼付け電極層として形成したが、上述したように、積層体上に直接めっき層を形成することもできる。その場合、積層体の両端面に、めっき処理を施して、下地めっき膜を形成する。めっき処理は、電解めっきおよび無電解めっきのうちのどちらを採用してもよいが、無電解めっきは、めっき析出速度を向上させるために、触媒添加などの前処理が必要となり、工程が複雑化する。したがって、電解めっきを採用することが好ましい。また、めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
なお、表面導体を形成する場合には、予め最外層のセラミックグリーンシート上に表面導体パターンを印刷して、未焼成積層体と同時焼成してもよく、また、焼成後の積層体の主面上に表面導体を印刷してから焼き付けてもよい。
この後、必要に応じて、形成した下地めっき膜の表面にめっき処理を施して、めっき層を形成する。
上述した方法により、積層セラミックコンデンサを作製した。
<第2の実施形態>
第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10では、誘電体層12の内層誘電体層122が第1の粒子層41と第2の粒子層42の2層により構成されている。
これに対し、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサでは、誘電体層12の内層誘電体層122が第2の粒子層42、第1の粒子層41、および第2の粒子層42の3層により構成されている。
図5は、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ10Aの断面を部分的に拡大した図であって、誘電体層12の詳細な構成を説明するための模式的断面図である。図5に示すように、誘電体層12の内層誘電体層は、第2の粒子層42、第1の粒子層41、および第2の粒子層42の3層により構成されている。具体的には、厚み方向Tにおいて、第1の粒子層41が2つの第2の粒子層42に挟まれる形で3層が構成されている。
第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ10Aも、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10と同様に、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる。また、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ10Aは、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10と比べて、温度変化による誘電率の変化をより効果的に抑制することができる。
ここで、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bの間に、第2の粒子層42、第1の粒子層41、および第2の粒子層42の3層が含まれているか否かは、以下の方法により検出することができる。
まず、積層体11を研磨することによって、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bを同一視野で確認することができる断面を露出させて、その断面を波長分散型X線分析により分析して、希土類元素を検出する。このとき、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bとの間に位置する内層誘電体層において、厚み方向Tの中央部に含まれる希土類元素の量が、中央部よりも厚み方向Tの両外側に位置する部位に含まれる希土類元素の量よりも多く検出されれば、2つの第2の粒子層42の間に、第1の粒子層41が挟まれた構造であると判断することができる。
なお、希土類元素の検出感度は任意に設定することができるが、厚み方向Tの中央部と、その両外側に位置する部位にそれぞれ含まれる希土類元素の含有量の差が把握できるように設定する。
[評価]
(平均故障時間)
上述した方法により作製した積層セラミックコンデンサに対して、195℃の高温下で、110Vの直流電圧を印加した状態で保持し、寿命時間を測定することにより、高温加速寿命を評価した。ここでは、電圧の印加開始から絶縁抵抗が1桁小さくなるまでの時間を故障時間とし、故障時間をワイブル解析することにより算出した平均故障時間を寿命と定義した。
図6〜図8はそれぞれ、9個の積層セラミックコンデンサの電圧の印加開始からの経過時間と絶縁抵抗との関係を示すグラフである。図6は、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ、図7は、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ、図8は、比較例の積層セラミックコンデンサを対象として、電圧の印加開始からの経過時間と絶縁抵抗との関係をそれぞれ示している。
比較例の積層セラミックコンデンサは、希土類元素を実施例と同程度含んでいるが、コアシェル構造の結晶粒子のみを含む誘電体層を備えたコンデンサである。
9個の第1の実施形態における積層セラミックコンデンサの平均故障時間の平均値は、21.1時間となった。また、9個の第2の実施形態における積層セラミックコンデンサの平均故障時間の平均値は、32.8時間となった。一方、9個の比較例の積層セラミックコンデンサの平均故障時間の平均値は、6.7時間であった。すなわち、第1および第2の実施形態における積層セラミックコンデンサは、比較例の積層セラミックコンデンサと比べて、平均故障時間が長く、高温環境下における絶縁抵抗の劣化を抑制することができる。
(静電容量の温度特性)
評価対象の積層セラミックコンデンサを、150℃、1時間の条件で加熱する処理を行った後、室温で24時間放置した。
次に、積層セラミックコンデンサを恒温槽にセットして、−55℃〜135℃の範囲で温度を変化させて、1kHz、1Vの条件で静電容量を測定した。そして、25℃における静電容量を基準としたときの各温度における静電容量の変化率を算出した。
図9は、第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ、および、比較例の積層セラミックコンデンサの温度変化に対する静電容量変化率を示す図である。比較例の積層セラミックコンデンサは、製造工程において、第2の誘電体原料配合物を用いず、第1の誘電体原料配合物を用いて誘電体層を形成したコンデンサである。
第1および第2の実施形態における積層セラミックコンデンサは、温度変化に対する静電容量変化率が、基準となる±33%以下となった。
一方、比較例の積層セラミックコンデンサは、40℃より高い温度のときに、第1および第2の実施形態における積層セラミックコンデンサよりも、静電容量変化率が大きくなった。特に、比較例の積層セラミックコンデンサは、静電容量変化率の最大値が40%近い値となり、基準となる±33%を超えた。
以上の通り、第1および第2の実施形態における積層セラミックコンデンサは、温度変化に対する静電容量の変化を抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述した実施形態では、希土類元素としてジスプロシウムを用いた例を挙げて説明したが、Dy以外の希土類元素を用いた場合にも、同様の効果を得ることができる。すなわち、希土類元素がDyに限定されることはなく、その他、La、Sm、Gd、Y、Ho、Ybであってもよい。
第1の実施形態における積層セラミックコンデンサ10では、内層誘電体層122が第1の粒子層41と第2の粒子層42の2層により構成され、第2の実施形態における積層セラミックコンデンサ10Aでは、内層誘電体層122が第2の粒子層42、第1の粒子層41、および第2の粒子層42の3層により構成されている。しかしながら、内層誘電体層122は、第1の粒子層41と第2の粒子層42が交互に積層された4層以上の積層構造で構成されていてもよい。
10、10A 積層セラミックコンデンサ
11 積層体
12 誘電体層
13a 第1の内部電極
13b 第2の内部電極
14a 第1の外部電極
14b 第2の外部電極
41 第1の粒子層
42 第2の粒子層
121 外層誘電体層
122 内層誘電体層

Claims (7)

  1. 誘電体層と内部電極とが交互に複数積層された積層体と、
    前記積層体の表面に設けられ、前記積層体の表面に引き出された前記内部電極と電気的に導通された外部電極と、
    を備え、
    前記誘電体層は、第1の結晶粒子が前記内部電極の積層方向と直交する面の面方向に配置された第1の粒子層と、第2の結晶粒子が前記面方向に配置された第2の粒子層とを含み、
    前記第1の結晶粒子は、Ba、Ti、および希土類元素を含み、
    前記第2の結晶粒子は、Ba、Ti、および希土類元素を含み、
    前記第1の結晶粒子の平均粒径は、150nm以上500nm以下であり、
    前記第2の結晶粒子の平均粒径は、100nm以上200nm以下であり、
    前記第1の結晶粒子の界面から50nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比M1と、前記第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比M2について、0.95≦M1/M2≦1.05の関係が成り立ち、
    前記第2の粒子層中の前記第2の結晶粒子に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比は、前記第1の粒子層中の前記第1の結晶粒子に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比の半分以下であり、
    前記希土類元素は、前記第1の結晶粒子間および前記第2の結晶粒子間にも含まれており、前記第2の結晶粒子間に含まれる前記希土類元素の濃度は、前記第1の結晶粒子間に含まれる前記希土類元素の濃度より低い、
    ことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の粒子層は、前記第1の結晶粒子が前記面方向に連続して配置された層であり、前記第2の粒子層は、前記第2の結晶粒子が前記面方向に連続して配置された層であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比は、前記第2の結晶粒子の界面から50nm以上100nm以内の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比の1.7倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記誘電体層の厚みは、0.1μm以上6.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記第1の結晶粒子の平均粒径は、前記第2の結晶粒子の平均粒径より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記第2の結晶粒子は、界面から50nm以内に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比が、界面から50nm以上100nm以下の範囲に含まれる前記希土類元素のTiに対するモル比より高いコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記希土類元素は、Dyであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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