JP2021184463A - 洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法、基板の清浄度を判定するプログラム、および洗浄工程の終点を判定するプログラム - Google Patents

洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法、基板の清浄度を判定するプログラム、および洗浄工程の終点を判定するプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2021184463A
JP2021184463A JP2021083726A JP2021083726A JP2021184463A JP 2021184463 A JP2021184463 A JP 2021184463A JP 2021083726 A JP2021083726 A JP 2021083726A JP 2021083726 A JP2021083726 A JP 2021083726A JP 2021184463 A JP2021184463 A JP 2021184463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
substrate
contaminants
cleaning member
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021083726A
Other languages
English (en)
Inventor
智佳子 高東
Chikako Takato
恵 宇野
Megumi Uno
祐士 阿部
Yuji Abe
隼也 近
Toshiya Kon
由美子 中村
Yumiko Nakamura
昇平 嶋
Shohei Shima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Publication of JP2021184463A publication Critical patent/JP2021184463A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • B08B1/52
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • H03H3/007Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks
    • H03H3/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks
    • B08B1/12
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B3/00Cleaning by methods involving the use or presence of liquid or steam
    • B08B3/04Cleaning involving contact with liquid
    • B08B3/08Cleaning involving contact with liquid the liquid having chemical or dissolving effect
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/15Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
    • H03H9/21Crystal tuning forks
    • H03H9/215Crystal tuning forks consisting of quartz

Abstract

【課題】改善されたブレークイン処理や、改善された洗浄部材の出荷前検査にも適用できる、新たな洗浄部材の汚染度評価方法を提供する。【解決手段】基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する方法は、電極上に汚染物質を付着させる前の水晶振動子の振動数を測定し、初期値として記録媒体に記録しS50、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行いS51、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定しS52、水晶振動子の電極上から汚染物質を除去するS53。【選択図】図14

Description

本開示は、洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法に関する。
従来から半導体基板等の基板の表面を洗浄する方法として、基板の表面に純水を供給しながらブラシやスポンジ等からなる洗浄部材を擦り付けることによってその洗浄を行うスクラブ洗浄方法がある。
一般に、研磨材料及び化学添加剤を含むCMPスラリーが基板上に存在する状態で、制御された圧力の下、研磨パッドに対して基板を保持し、回転させて研磨するCMPプロセスの後、研磨スラリー、スラリーに添加された化学物質、及び研磨スラリーの反応副産物からの粒子で構成された汚染物質の粒子(0.3μmより小さいことが多い)を除去するために、基板洗浄工程が行われる。汚染物質には、洗浄溶液中の化学成分に化学的に不活性なものもあること等のため、CMPプロセス後の基板洗浄工程では、薬液を用いた洗浄工程に加えて、微細な気孔を持つスポンジ素材(PVA等)から構成され、また自己発塵性をきわめて低くするように構成された洗浄部材を使用して、基板表面からの残渣及び汚染物質の実質的な除去を行うスクラブ洗浄工程が実施される。ところで、この種のスクラブ洗浄は、基板に付着した汚染物質を除去する力は高いが、その一方で、洗浄部材を基板に直接接触させて洗浄を行うため、洗浄部材自体が汚染されてしまい、長期間の使用により洗浄力が低下するという問題がある。
また、洗浄部材の汚染が進むと、基板の洗浄力が落ちるだけでなく、洗浄部材に堆積した汚染物質が基板を逆に汚染してしまい、洗浄効果が現れなくなるという問題もある。
これらの問題を回避するため、従来、洗浄部材に洗浄液を供給するとともに洗浄液に超音波振動を与える方法(特開平5−317783号公報)、超音波振動を作用させた洗浄液中で洗浄ブラシにより基板を洗浄する方法(特開平6−5577号公報)、超音波振動を作用させた洗浄液中で洗浄部材と当接部材を擦り合わせる方法(特開平10−109074号公報)等が提案されている。
しかしながら、これらの方法は、洗浄部材の比較的表層の部分に堆積した汚染物質の除去については効果的であるが、半導体基板の微細化の進展によって従来よりもさらに高度な洗浄効果が要求されている状況においては、洗浄部材の内部まで入り込んだ汚染物質を除去してより高度な洗浄性を達成するうえでは十分な方法ではないと考えられる。例えば、洗浄部材の内部から洗浄液を出して洗浄部材の内部汚染を低減させるという方法も考えられるが、この方法でも、例えば洗浄液供給部からの距離によって洗浄部材内部全体にわたる高度な洗浄処理の実現には課題が残る。
また、従来は、これら汚染物質の定量的な測定は、洗浄部材で基板の洗浄プロセスを実施した後に基板上に残った汚染物質数を欠陥検査装置で定量的に評価することで行われている。
しかしながら、例えば洗浄後の基板全てについて欠陥検査装置で評価するとスループットの向上が図れず、また所定枚数ごとに基板をサンプリングして検査を実施した場合には適時の評価が難しくなる。また、評価手法そのものについても、洗浄部材から放出されるすべての汚染物質が基板上に残って検出されるわけではなく、実際には基板上で検出された数以上の汚染物質が洗浄部材から放出されている。そのため、基板上に残った汚染物質数のデータだけで洗浄部材の汚染度を求め、それを基準に使用可否を判断する従来の方法は、微細化の進展によって従来よりもさらに高度な洗浄効果が要求されてきている中で、今後も判断指標となりうるような清浄度の判断・推定方法とは言えなくなるものと考えられる。
また、典型的にはポリビニルアセタール樹脂多孔質体から構成される新しいロール洗浄部材、ペンシル洗浄部材等の洗浄部材を基板洗浄装置に装着して使用を開始する場合には、ウェハ等の基板に不具合が発生しないように、新しい洗浄部材を基板の洗浄のまま用いることはできず、ブレークイン処理(ならし処理)を行う必要があった。特に、洗浄部材には湿潤状態でパッケージング(保存)されたうえで出荷されるウェットタイプの洗浄部材があるが、このウェットタイプの洗浄部材では、有機物質、イオン物質、微粒子物、微生物類等による各種物質による汚染が問題とされていた。また、洗浄部材の製品出荷前においても、基板洗浄部材の汚染物を低減させる必要があり、基板洗浄プロセス(実際の使用時)における基板洗浄性向上のためには、洗浄部材の製品出荷段階で従来の汚染度評価では検出できなかった汚染物をも評価して汚染物を低減しておくことが好ましい。すなわち、改善されたブレークイン処理や、改善された洗浄部材の出荷前検査にも適用できる、新たな洗浄部材の汚染度評価方法が望まれている。
特開平5−317783号公報 特開平6−5577号公報 特開平10−109074号公報 特開2019−54177号公報 特開平11−152367号公報
本件発明者らは、洗浄部材の汚染度評価手法における改良技術を見出すべく、鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。なお、以下の知見はあくまで本発明をなすきっかけとなったものであり、本発明を限定するものではない。
すなわち、洗浄部材の汚染度評価手法として、従来は低感度でも十分役目を果たせており、むしろ分析感度が高すぎる場合には、SN比(Signal to Noise比)を考慮すると、汚染度の評価手法としては必ずしも適していなかった。しかしながら、半導体基板の微細化に伴い、基板洗浄におけるパーティクル除去の要求レベルが従来よりも格段に高いものが求められてきており、従来の汚染度評価の分析手法で「清浄」と判定された状態(従来であれば汚染物質が除去されたと判断されている状態)であっても、その洗浄とされた液中に汚染物質が溶出していることが発明者の検討により判明した。
なお、本明細書で使用する「汚染物質」は、基板製造工程の過程で発生する粒子に対応し、これは化学機械研磨、ウェットエッチング、プラズマエッチング、アッシング及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。また、化学機械研磨(CMPプロセス)を経て基板上に残存する汚染物質には、スラリー中に存在する化学物質(腐食防止剤化合物など)、研磨スラリー、反応副産物、研磨パッド粒子、洗浄部材から分離したデブリス、及びCMPプロセスの副産物である任意の他の物質を含みうる。「汚染物質」は、例えば、錯化剤、界面活性剤、スルホン酸含有炭化水素、分散剤を含みうる。
したがって、洗浄部材の清浄度をより正確に判定できる技術を提供することが望まれる。また、洗浄部材に付着する汚染物質の吸着特性をより適切に定量的に評価できる技術が望まれる。さらに、改善されたブレークイン処理や、改善された洗浄部材の出荷前検査にも適用できる、新たな洗浄部材の汚染度評価方法が望まれる。また、洗浄時のスループット低下を抑制しながら、基板の清浄度をより適時・正確に判定できる技術を提供することが望まれる。
本開示の一態様に係る方法は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する方法であって、
洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行う第1ステップと、
セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する第2ステップと、を含む。
図1は、第1の実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。 図2Aは、第1の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図2Bは、第1の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態において液体中に浸漬された水晶振動子の振動数の時間変化を示すグラフである。 図4は、第2の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図5は、第2の実施形態において汚染物質を含む純水中にゼータ電位の異なる水晶振動子を浸漬する工程を説明するための図である。 図6は、第3の実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。 図7は、第3の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図8は、第3の実施形態において基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングする工程を説明するための図である。 図9は、第3の実施形態において基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングする工程の一変形例を説明するための図である。 図10は、第4の実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。 図11Aは、第4の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図11Bは、第4の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図12Aは、第5の実施形態に係る基板洗浄装置の構成を示す模式図である。 図12Bは、第5の実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。 図13Aは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Bは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Cは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Dは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Eは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Fは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Gは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Hは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Iは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Jは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図13Kは、第5の実施形態に係るセルフクリーニング装置の構成の一変形例を示す模式図である。 図14は、第5の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。 図15Aは、ステップS52の処理の第1実施例を示すフローチャートである。 図15Bは、ステップS52の処理の第2実施例を示すフローチャートである。 図15Cは、ステップS52の処理の第3実施例を示すフローチャートである。
実施形態の第1の態様に係る方法は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する方法であって、
洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行う第1ステップと、
セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する第2ステップと、を含む。
このような態様によれば、洗浄部材のセルフクリーニングにおける排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて洗浄部材の清浄度の判定を行うことで、汚染物質が残っている洗浄部材を「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、洗浄部材の清浄度を正確に判定することが可能となる。
実施形態の第2の態様に係る方法は、第1の態様に係る方法であって、
第1ステップでは、前記基板のスクラブ洗浄が行われる筐体内において、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行い、
第2ステップでは、前記筐体内において、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を、前記筐体内に前記水晶振動子が配置されたまま測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する。
このような態様によれば、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定することを、基板のスクラブ洗浄が行われる筐体内に水晶振動子が配置されたまま行われるため、洗浄部材の洗浄度をインラインで迅速に判定することが可能であり、また、洗浄度の経時変化を確認し、それに基づいて洗浄部材の劣化交換時期を予測することが可能となる。
実施形態の第3の態様に係る方法は、第1または2の態様に係る方法であって、
第2ステップでは、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に付着させ、電極上に付着している排液を乾燥させる前に、(a)水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に付着している排液の液量を測定し、あるいは、(b)排液の容量あるいは重量あるいは接触時間の計量設備により接触液量を測定し、次いで、電極上に付着している排液を乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し、測定された排液の液量と汚染物質量とに基づいて、排液の汚染物質濃度を算出し、算出された汚染物質濃度に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する。
実施形態の第4の態様に係る方法は、第1または2の態様に係る方法であって、
第2ステップでは、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に所定量付着させて乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する。
実施形態の第5の態様に係る方法は、第1または2の態様に係る方法であって、
第2ステップでは、汚染物質を化学吸着および物理吸着のうちの一方または両方の作用により吸着する吸着膜が電極上に固定された水晶振動子をセルフクリーニングの排液中に浸漬し、排液中に含まれる汚染物質を吸着膜上に吸着させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、吸着膜上に吸着された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する。
実施形態の第6の態様に係る方法は、第3または4の態様に係る方法であって、
電極上に汚染物質が析出された水晶振動子を液体中に浸漬し、水晶振動子の振動数応答の時間変化を測定し、時間変化が飽和したときの振動数と液体中に浸漬した直後の振動数応答との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定する第3ステップをさらに含む。
実施形態の第7の態様に係る方法は、第2の態様に係る方法であって、
電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出するステップをさらに含む。
実施形態の第8の態様に係る方法は、第6または7の態様に係る方法であって、
前記液体は純水あるいはアンモニア水あるいは洗浄液を含む水溶液である。
実施形態の第9の態様に係る方法は、第1〜8のいずれかの態様に係る方法であって、
第1ステップでは、洗浄部材を洗浄液中に浸漬し、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる。
実施形態の第10の態様に係る方法は、第1〜8のいずれかの態様に係る方法であって、
第1ステップでは、洗浄部材の表面に向けて洗浄液を噴射し、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる。
実施形態の第11の態様に係る方法は、第1〜8のいずれかの態様に係る方法であって、
第1ステップでは、洗浄部材の内部に洗浄液を流入し、洗浄部材の表面から洗浄液を流出させることで、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる。
実施形態の第12の態様に係る装置は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する装置であって、
洗浄部材から洗浄液中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む洗浄液が水晶振動子の電極上に接触され、洗浄液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定する測定部と、
測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する判定部と、を備える。
実施形態の第13の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的(non-transitory)に記憶している:プログラムは、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
洗浄部材から洗浄液中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む洗浄液が水晶振動子の電極上に接触され、洗浄液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定するステップと、
測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定するステップと、を実行させる。
実施形態の第14の態様に係る基板洗浄装置は、
筐体内に配置され、基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材と、
前記筐体内に配置され、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させるセルフクリーニング装置と、
前記筐体内に配置された水晶振動子と、
セルフクリーニング装置の排液が水晶振動子の電極上に接触され、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する判定装置と、を備える。
実施形態の第15の態様に係る方法は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法であって、
純水中に洗浄部材を浸漬し、洗浄部材から純水中に汚染物質を放出させるステップと、
汚染物質を含む純水中に、第1ゼータ電位を有する第1物質が電極上に形成された第1水晶振動子および第1のゼータ電位とは異なる第2ゼータ電位を有する第2物質が電極上に形成された第2水晶振動子を浸漬し、第1水晶振動子および第2水晶振動子の振動数応答を測定し、振動数応答の時間変化の差異に基づいて、汚染物質の吸着特性を判定するステップと、を含む。
実施形態の第16の態様に係る方法は、
洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する方法であって、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗するステップと、
第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するステップと、
第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
第1の振動数測定値および第2の振動測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、を含む。
実施形態の第17の態様に係る方法は、第16の態様に係る方法であって、
前記水晶振動子の振動数の測定は、基板の水洗に使用された排水の一部を排水配管から分岐された分岐管からサンプリングして、サンプリングされた排液を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数の測定を行う。
実施形態の第18の態様に係る装置は、
洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する装置であって、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するとともに、第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定する手段と、
第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定する手段と、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定する手段と、を備える。
実施形態の第19の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的に記憶している:プログラムは、
基板洗浄装置を用いて洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する際の基板の清浄度を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するステップと、
第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、を実行させる。
実施形態の第20の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的に記憶している:プログラムは、
連続的に複数の基板を洗浄する基板洗浄装置の洗浄工程の終点を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
薬液を供給しながら洗浄部材を第1の基板に当接させて第1の基板を洗浄したのち、第1の基板を水洗する際に、第1の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するとともに、水洗された第1の基板が乾燥されたうえで欠陥検査装置により評価された第1の基板上のディフェクト数を当該欠陥検査装置から取得し、ディフェクト数が所定の基準値を下回った場合に、第1の振動数測定値を洗浄工程の終点として記録媒体に記録するステップと、
薬液を供給しながら洗浄部材を第2の基板に当接させて第2の基板を洗浄したのち、第2の基板を水洗する際に、第2の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
記録された第1の振動数測定値と測定された第2の振動数測定値とを比較して、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、洗浄工程の終点に到達していると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値未満の場合には、洗浄工程の終点に到達していないと判定するステップと、
終点に到達していると判定した場合には、該第2の基板の洗浄工程を停止するための第1制御信号を前記基板洗浄装置に送信し、終点に到達していないと判定された場合には、該第2の基板の洗浄工程を継続するための第2制御信号を前記基板洗浄装置に送信するステップと、を実行させる。
実施形態の第21の態様に係る方法は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定する方法であって、
電極上に汚染物質を析出させる前の水晶振動子の振動数を測定し、初期値として記録媒体に記録するステップと、
純水中に洗浄部材を浸漬し、洗浄部材から純水中に汚染物質を放出させるステップと、
汚染物質を含む純水の攪拌を開始したのち、サンプル液としてサンプリングするステップと、
水晶振動子の電極上にサンプリングしたサンプル液を所定量滴下して乾燥させることで、サンプル液中に含まれた汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させるステップと、
電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数を測定し、測定された振動数に関する信号を制御部に受け入れて、初期値を制御部において参照しながら測定値と初期値との差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定するステップと、
電極上に析出された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の清浄度を判定するステップと、を含む。
このような態様によれば、水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質量を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて洗浄部材の清浄度の判定を行うことで、汚染物質が残っている洗浄部材を「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、洗浄部材の清浄度を正確に判定することが可能となる。
実施形態の第22の態様に係る方法は、第21の態様に係る方法であって、
電極上に汚染物質が析出された水晶振動子を液体中に浸漬し、水晶振動子の振動数の時間変化を測定し、時間変化が飽和したときの振動数と液体中に浸漬した直後の振動数との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定するステップ
をさらに含む。
このような態様によれば、洗浄部材の汚染物質に液体可溶性の物質が含まれているか否かが分かり、汚染物質の化学的特性(液体可溶性)の分類計測が可能となる。
実施形態の第23の態様に係る方法は、第22の態様に係る方法であって、
電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出するステップ
をさらに含む。
このような態様によれば、洗浄部材の汚染物質に液体非可溶性の物質が含まれているか否かが分かり、汚染物質の化学的特性(液体非可溶性)の分類計測が可能となる。
実施形態の第24の態様に係る方法は、第22または23の態様に係る方法であって、
前記液体は純水である。
このような態様によれば、洗浄部材の汚染物質に水溶性の物質(または非水溶性の物質)が含まれているか否かが分かるようになる。
実施形態の第25の態様に係る方法は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法であって、
純水中に洗浄部材を浸漬し、洗浄部材から純水中に汚染物質を放出させるステップと、
汚染物質を含む純水中に、第1ゼータ電位を有する第1物質が電極上に形成された第1水晶振動子および第1のゼータ電位とは異なる第2ゼータ電位を有する第2物質が電極上に形成された第2水晶振動子を浸漬し、第1水晶振動子および第2水晶振動子の振動数を測定し、振動数の時間変化の差異に基づいて、汚染物質の吸着特性を判定するステップと、
を含む。
このような態様によれば、第1水晶振動子および第2水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質の吸着特性を判定するため、非常に微量な汚染物質であってもその吸着特性を判定することが可能であり、すなわち、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を定量的に評価することが可能となる。
実施形態の第26の態様に係る装置は、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定する装置であって、
電極上に汚染物質を析出させる前の水晶振動子の振動数を測定し、初期値として記録媒体に記録する手段と、
純水中に洗浄部材が浸漬され、洗浄部材から純水中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む純水の攪拌が開始されたのち、サンプル液としてサンプリングされ、水晶振動子の電極上にサンプリングされたサンプル液が所定量滴下されて乾燥されることで、サンプル液中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を測定し、初期値を参照しながら測定値と初期値との差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定する手段と、
電極上に析出された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の清浄度を判定する手段と、
を備える。
実施形態の第27の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的に記憶している:プログラムは、
基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
電極上に汚染物質を析出させる前の水晶振動子の振動数を測定し、初期値として記録媒体に記録するステップと、
純水中に洗浄部材が浸漬され、洗浄部材から純水中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む純水の攪拌が開始されたのち、サンプル液としてサンプリングされ、水晶振動子の電極上にサンプリングされたサンプル液が所定量滴下されて乾燥されることで、サンプル液中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を測定し、初期値を参照しながら測定値と初期値との差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定するステップと、
電極上に析出された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の清浄度を判定するステップと、を実行させる。
実施形態の第28の態様に係る方法は、
洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する方法であって、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗するステップと、
第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定するステップと、
第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定するステップと、
第1の振動数測定値および第2の振動測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、
を含む。
このような態様によれば、水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質量を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて排水の清浄度の判定を行い、当該判定結果に基づいて基板の清浄度を判定することで、汚染物質が残っている基板を「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、基板の清浄度を正確に判定することが可能となる。
実施形態の第29の態様に係る方法は、第8の態様に係る方法であって、
前記水晶振動子の振動数の測定は、基板の水洗に使用された排水の一部を排水配管から分岐された分岐管からサンプリングして、サンプリングされた排液を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数の測定を行う。
実施形態の第30の態様に係る装置は、
洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する装置であって、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定するとともに、第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定する手段と、
第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定する手段と、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定する手段と、
を備える。
実施形態の第31の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的に記憶している:プログラムは、
基板洗浄装置を用いて洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する際の基板の清浄度を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定するステップと、
第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定するステップと、
第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、
を実行させる。
実施形態の第32の態様に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体は、以下の制御プログラムを非一時的に記憶している:プログラムは、
連続的に複数の基板を洗浄する基板洗浄装置の洗浄工程の終点を判定するプログラムであって、
コンピュータに、
薬液を供給しながら洗浄部材を第1の基板に当接させて第1の基板を洗浄したのち、第1の基板を水洗する際に、第1の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定するとともに、水洗された第1の基板が乾燥されたうえで欠陥検査装置により評価された第1の基板上のディフェクト数を当該欠陥検査装置から取得し、ディフェクト数が所定の基準値を下回った場合に、第1の振動数測定値を洗浄工程の終点として記録媒体に記録するステップと、
薬液を供給しながら洗浄部材を第2の基板に当接させて第2の基板を洗浄したのち、第2の基板を水洗する際に、第2の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定するステップと、
記録された第1の振動数測定値と測定された第2の振動数測定値とを比較して、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、洗浄工程の終点に到達していると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値未満の場合には、洗浄工程の終点に到達していないと判定するステップと、
終点に到達していると判定した場合には、洗浄工程を停止させて該第2の基板の乾燥処理工程を開始するための第1制御信号を前記基板洗浄装置に送信し、終点に到達していないと判定された場合には、該第2の基板の洗浄工程を継続するための第2制御信号を前記基板洗浄装置に送信するステップと、
を実行させる。
以下に、添付の図面を参照して、実施の形態の具体例を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る判定装置10の構成を示すブロック図である。第1の実施形態に係る判定装置10は、基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定する装置である。判定装置10は、1つまたは複数のコンピュータによって構成されている。
図1に示すように、判定装置10は、入力部11と、制御部12と、記憶部13と、出力部14とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち入力部11は、QCM(Quartz Crystal Microbalance)センサ50と判定装置10との間の通信インターフェースである。入力部11は、QCMセンサ50から出力される水晶振動子の振動数のデータを受信する。
出力部14は、判定装置10からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段やスピーカ等の音声出力手段である。後述する清浄度判定部12cによる判定結果は、出力部14を介してユーザに出力される。
記憶部13は、たとえばフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部13には、制御部12が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部13には、後述する初期値測定部12aにより測定された水晶振動子の振動数の初期値13aが記録される。
制御部12は、判定装置10の各種処理を行う制御手段である。図1に示すように、制御部12は、初期値測定部12aと、汚染物質量測定部12bと、清浄度判定部12cとを有している。これらの各部は、判定装置10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
初期値測定部12aは、電極上に汚染物質を析出させる前のQCMセンサ50の水晶振動子の振動数を測定し、初期値13aとして記憶部13(記録媒体)に記録する。
汚染物質量測定部12bは、純水中に洗浄部材が浸漬され、洗浄部材から純水中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む純水の攪拌が開始されたのち、サンプル液としてサンプリングされ、QCMセンサ50の水晶振動子の電極上にサンプリングされたサンプル液が所定量滴下されて乾燥されることで、サンプル液中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を測定する。そして、汚染物質量測定部12bは、初期値13aを参照しながら測定値と初期値13aとの差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定する。
清浄度判定部12cは、汚染物質量測定部12bにより測定された電極上に析出された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の清浄度を判定する。たとえば、清浄度判定部12cは、電極上に析出された汚染物質量を予め定められた閾値と比較し、電極上に析出された汚染物質量が、閾値以下である場合には、洗浄部材が「清浄」であると判定し、閾値より大きい場合には、「汚染」(洗浄部材に汚染物質が残っている)と判定する。
汚染物質量測定部12bは、電極上に汚染物質が析出されたQCMセンサ50の水晶振動子が液体(たとえば純水)中に浸漬された状態で、水晶振動子の振動数の時間変化を測定し、時間変化が飽和したときの振動数と液体中に浸漬した直後の振動数との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定してもよい。
汚染物質量測定部12bは、電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出してもよい。
次に、第1の実施形態に係る判定方法について説明する。図2Aおよび図2Bは、第1の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。
図2Aに示すように、まず、初期値測定部12aが、電極上に汚染物質を析出させる前のQCMセンサ50の水晶振動子の振動数を測定し、初期値13aとして記憶部13(記録媒体)に記録する(ステップS11)。
次に、ユーザが、純水中に洗浄部材を浸漬し、洗浄部材から純水中に汚染物質を放出させる(ステップS13)。このとき、純水に超音波を与えて振動させてもよいし、洗浄部材を揉み洗いしてもよい。
次に、ユーザが、汚染物質を含む純水の攪拌を開始したのち、均一な状態でピペットなどを用いてサンプル液としてサンプリングする(ステップS13)。
次に、ユーザが、QCMセンサ50の水晶振動子の電極上にサンプリングしたサンプル液を所定量(たとえば数マイクロリットル)滴下して乾燥させることで、サンプル液中に含まれた汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させる(ステップS14)。
次に、汚染物質量測定部12bが、電極上に汚染物質が析出されたQCMセンサ50の水晶振動子の振動数を測定し、測定された振動数に関する信号を受け入れて、初期値13aを参照しながら測定値と初期値13aとの差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定する(ステップS15)。
より詳しくは、QCMセンサ50では、水晶振動子の表裏両面に電極が設けられており、当該電極に電圧を印加することで水晶振動子が振動する。この水晶振動子の振動数は、電極の質量によって変化する。本実施の形態の場合、電極上に汚染物質が析出した後には水晶振動子の振動数が減少する。初期値13aをA0、電極上に汚染物質を析出させた状態の測定値をA1とすると、測定値A1と初期値A0との差分A0−A1と、この水晶振動子に固有の質量/振動数の比Bとを掛け合わせた数値(A0−A1)×Bの絶対値が、汚染物質の質量(汚染物質量)である。
次に、清浄度判定部12cが、電極上に析出された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の清浄度を判定する(ステップS16)。たとえば、清浄度判定部12cは、電極上に析出された汚染物質量を予め定められた閾値と比較し、電極上に析出された汚染物質量が、閾値以下である場合には、洗浄部材が「清浄」であると判定し、閾値より大きい場合には、「汚染」(洗浄部材に汚染物質が残っている)と判定する。清浄度判定部12cによる判定結果は出力部14を介してユーザに出力される。
次に、ユーザが、電極上に汚染物質が析出されたQCMセンサ50の水晶振動子を液体(たとえば純水)中に浸漬する(ステップS17)。
そして、汚染物質量測定部12bは、液体中に浸漬された水晶振動子の振動数の時間変化を測定し、時間変化が飽和したときの振動数と液体中に浸漬した直後の振動数との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定する(ステップS18)。
また、汚染物質量測定部12bは、電極上に析出された汚染物質の質量と液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出する(ステップS19)。
次に、第1の実施形態に係る実施例について、図3を参照して説明する。図3は、液体中に浸漬された水晶振動子の振動数の時間変化を示すグラフである。本実施例では、液体として純水を使用し、洗浄部材としてよく用いられているポリビニルホルマールブラシから放出された汚染物質の水溶性の有無について定量的な計測を行った。
図3のグラフにおいて、C1は、電極上に汚染物質を析出させる前の初期の水晶振動子を液体中に浸漬したときに測定された振動数を示している。C2は、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子を純水中に浸漬した直後の振動数を示している。(C1−C2)×Bが汚染物質の質量である。
図3に示すように、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数は、水晶振動子が純水中に浸漬され直後から時間の経過にしたがって徐々に増加し、次第に飽和する現象が生じた。C3は、この飽和した振動数を示している。
この振動数の変化は、汚染物質が純水に溶解する現象を表している。すなわち、汚染物質の中に水溶性の成分が含まれていることを示しており、その質量は(C2−C3)×Bである。
本実施例では、洗浄部材としてポリビニルホルマールブラシが用いられており、その原材料であるポリビニルアルコールが水溶性であることから、ポリビニルアルコールが水溶性汚染物質として洗浄部材の汚染物質に含まれていると推測できる。
一方、図3のグラフから、非水溶性汚染物質は、その質量が(C1−C3)×Bであったことが分かる。このことから、洗浄部材に付着していた汚染物質は一種類ではなく、異なる物質から構成されていることが判明し、さらにその中に水溶性のものが含まれていることが判明した。
なお、本実施例では、液体として純水を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体として他の溶剤を使用することで、洗浄部材の汚染物質の化学的特性をより細かく分類することが可能である。
以上のような本実施の形態によれば、水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質量を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて洗浄部材の清浄度の判定を行うことで、汚染物質が残っている洗浄部材を「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、洗浄部材の清浄度を正確に判定することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子を液体中に浸漬し、水晶振動子の振動数の時間変化に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定するため、洗浄部材の汚染物質に液体可溶性の物質が含まれているか否かが分かり、汚染物質の化学的特性(液体可溶性)の分類計測が可能となる。
また、本実施の形態によれば、電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出するため、洗浄部材の汚染物質に液体非可溶性の物質が含まれているか否かが分かり、汚染物質の化学的特性(液体非可溶性)の分類計測が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る判定方法は、基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法である。
洗浄部材を当接させる基板に対して汚染物質の吸着性が大きい場合には、洗浄部材から放出される汚染物質が基板を逆汚染してしまうことが考えられる。そのため、基板に対する汚染物質の吸着特性を把握しておくことが重要である。この吸着特性を示すパラメータとして、ゼータ電位という測定値がよく用いられている。ゼータ電位の符号が同じ物質同士は吸着しにくいが、ゼータ電位の符号が逆の物質同士は吸着しやすいと判断される。このゼータ電位の特性は、一般に、pH依存性があり、各種物質のゼータ電位のpH依存性のデータが公開されている。
したがって、本実施の形態では、ゼータ電位が分かっている物質の薄膜を、QCMセンサの水晶振動子のAu電極上に形成したものを用意しておく。ゼータ電位が異なる2つ以上の物質をそれぞれ電極上に形成した異なる2つ以上の水晶振動子を用意しておくことが望ましい。また、洗浄対象となる基板と同じ物質を水晶振動子の電極上に形成したものを用意しておくことがさらに望ましい。水晶振動子のAu電極上に他の物質の薄膜を形成しておくことで、以下に説明するように、汚染物質の吸着特性を判定することが可能である。
図4は、第2の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。
第2の実施形態に係る判定方法では、まず、図5に示すように、純水20中に洗浄部材31を浸漬し、洗浄部材31から純水中に汚染物質を放出させる(ステップS21)。このとき、純水20に超音波を与えて振動させてもよいし、洗浄部材31を揉み洗いしてもよい。
次に、図5に示すように、汚染物質を含む純水20中に、第1ゼータ電位を有する第1物質が電極上に形成された第1水晶振動子21と、第1のゼータ電位とは異なる第2ゼータ電位を有する第2物質が電極上に形成された第2水晶振動子22とを浸漬する(ステップS22)。図示は省略するが、洗浄対象となる基板と同じ物質が電極上に形成された第3水晶振動子を純水20中にさらに浸漬してもよい。
純水20中に含まれる汚染物質は、純水20中に浸漬された水晶振動子21、22の電極付近に近づく。このとき、汚染物質が水晶振動子21、22の電極上に形成された物質とゼータ電位の符号が逆である場合には、相互に強い静電引力が作用し、汚染物質は当該電極上に吸着し、水晶振動子21、22の振動数が変化する。一方、汚染物質と水晶振動子21、22の電極上に形成された物質とが同じゼータ電位特性を示す場合には、逆に静電反発力が作用し、汚染物質が当該電極上に吸着することがなく、水晶振動子21、22の振動数は変化しない。
したがって、第1水晶振動子21および第2水晶振動子22の振動数をそれぞれ測定し、振動数の時間変化の差異に基づいて、汚染物質の吸着特性を判定する(ステップS23)。これにより、洗浄部材から放出される汚染物質の洗浄対象である基板への吸着特性、吸着量のみならず、汚染物質のゼータ電位特性を定性的に推定することができる。
以上のような本実施の形態によれば、第1水晶振動子21および第2水晶振動子22の振動数の測定に基づいて汚染物質の吸着特性を判定するため、非常に微量な汚染物質であってもその吸着特性を判定することが可能であり、すなわち、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を定量的に評価することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態に係る判定装置100の構成を示すブロック図である。第3の実施形態に係る判定装置100は、図8および図9を参照し、洗浄部材31を基板Wに当接させてスクラブ洗浄する基板Wの清浄度を判定する装置である。
図6に示すように、判定装置100は、入力部111と、制御部112と、記憶部113と、出力部114とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち入力部111は、QCM(Quartz Crystal Microbalance)センサ50と判定装置100との間の通信インターフェースである。入力部111は、QCMセンサ50から出力される水晶振動子の振動数のデータを受信する。
出力部114は、判定装置100からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段やスピーカ等の音声出力手段である。後述する基板清浄度判定部112cによる判定結果は、出力部114を介してユーザに出力される。
記憶部113は、たとえばフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部113には、制御部112が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部113には、後述する振動数測定部112aにより測定された水晶振動子の振動数の測定値113aが記録される。
制御部112は、判定装置100の各種処理を行う制御手段である。図6に示すように、制御部112は、振動数測定部112aと、排水清浄度判定部112bと、基板清浄度判定部112cとを有している。これらの各部は、判定装置100内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
振動数測定部112aは、薬液を供給しながら洗浄部材31を基板Wに当接させて基板を洗浄したのち、基板Wを水洗する際に、第1のタイミングで基板Wの水洗に使用された排水40の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水40がQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水40中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定する。また、振動数測定部112aは、第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板Wの水洗に使用された排水40の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水40がQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定する。第1の振動数測定値および第2の振動数測定値は、振動数測定値113aとして記憶部113に記憶される。
排水清浄度判定部112bは、振動数測定部112aにより測定された第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水40の清浄度を判定する。たとえば、排水清浄度判定部112bは、第1の振動数測定値と第2の振動数測定値とを比較し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値より小さい場合には、排水40が「清浄」であると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、排水が「汚染」(排水40中に汚染物質が残っている)と判定する。
基板清浄度判定部113bは、排水清浄度判定部112bにより判定された排水40の清浄度に基づいて、基板Wの清浄度を判定する。たとえば、基板清浄度判定部113bは、排水40が「清浄」の場合には、基板Wも「清浄」であると判定し、排水40が「汚染」の場合には、基板Wも「汚染」(基板上に汚染物質が残っている)と判定する。
次に、第3の実施形態に係る判定方法について説明する。図7は、第3の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。
図7および図8に示すように、まず、基板W上に薬液を供給しながら洗浄部材31を基板Wに当接させて基板Wを洗浄したのち、洗浄部材31を基板Wから離間させ、次いで、基板W上に純水を供給して基板W上の汚染物質を洗い流す(基板Wを水洗する)(ステップS31)。
次に、ユーザが、第1のタイミングで基板Wの水洗に使用された排水40の一部をサンプリングする。ここで、図8に示すように、排水40の一部を排水配管41からサンプリングしてもよいし、図9に示すように、排水配管41から分岐された分岐管42からサンプリングしてもよい。そして、ユーザが、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより、電極上に汚染物質を析出させる。そして、振動数測定部112aが、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定する(ステップS32)。
次に、ユーザが、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで基板Wの水洗に使用された排水40の一部を排水配管41または分岐管42からサンプリングし、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより、電極上に汚染物質を析出させる。そして、振動数測定部112aが、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定する(ステップS33)。
次に、排水清浄度判定部112bが、振動数測定部112aにより測定された第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水40の清浄度を判定する(ステップS34)。たとえば、排水清浄度判定部112bは、第1の振動数測定値と第2の振動数測定値とを比較し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値より小さい場合には、排水40が「清浄」であると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、排水が「汚染」(排水40中に汚染物質が残っている)と判定する。
そして、基板清浄度判定部113bが、排水清浄度判定部112bにより判定された排水40の清浄度に基づいて、基板Wの清浄度を判定する(ステップS35)。たとえば、基板清浄度判定部113bは、排水40が「清浄」の場合には、基板Wも「清浄」であると判定し、排水40が「汚染」の場合には、基板Wも「汚染」(基板上に汚染物質が残っている)と判定する。基板清浄度判定部113bによる判定結果は出力部114を介してユーザに出力される。
以上のような本実施の形態によれば、水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質量を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて排水40の清浄度の判定を行い、当該判定結果に基づいて基板Wの清浄度を判定することで、汚染物質が残っている基板Wを「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、基板Wの清浄度を正確に判定することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態に係る判定装置200の構成を示すブロック図である。第4の実施形態に係る判定装置200は、連続的に複数の基板Wを洗浄する基板洗浄装置70における洗浄工程の終点を判定する装置である。
図10に示すように、判定装置200は、入力部211と、制御部212と、記憶部213と、出力部214とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち入力部211は、QCM(Quartz Crystal Microbalance)センサ50と判定装置200との間の通信インターフェースである。入力部211は、QCMセンサ50から出力される水晶振動子の振動数のデータを受信する。
出力部214は、基板洗浄装置70の制御部と判定装置200との間の通信インターフェースである。後述する制御信号送信部212dにより生成される制御信号は、出力部214を介して基板洗浄装置70の制御部に出力される。
記憶部213は、たとえばフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部213には、制御部212が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部213には、後述する洗浄工程終点記録部212aにより洗浄工程の終点として評価された第1の振動数測定値213aが記録される。
制御部212は、判定装置200の各種処理を行う制御手段である。図10に示すように、制御部212は、洗浄工程終点記録部212aと、振動数測定部212bと、終点判定部212cと、制御信号送信部212dとを有している。これらの各部は、判定装置200内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
洗浄工程終点記録部212aは、基板洗浄装置70において薬液を供給しながら洗浄部材を第1の基板W1に当接させて第1の基板W1を洗浄したのち、第1の基板W1を水洗する際に、第1の基板W1の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水がQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を、第1の振動数測定値として測定する。また、洗浄工程終点記録部212aは、水洗された第1の基板W1が乾燥されたうえで欠陥検査装置60により評価された第1の基板W1上のディフェクト数を当該欠陥検査装置60から取得する。そして、洗浄工程終点記録部212aは、欠陥検査装置60から取得したディフェクト数が所定の基準値を下回った場合に、第1の振動数測定値213aを洗浄工程の終点として記録部213に記録する。
振動数測定部212bは、基板洗浄装置70において薬液を供給しながら洗浄部材を第2の基板W2に当接させて第2の基板W2を洗浄したのち、第2の基板W2を水洗する際に、第2の基板W2の水洗に使用された排水40の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水40がQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定する。
終点判定部212cは、記録部213に記録された第1の振動数測定値213aと振動数測定部212bにより測定された第2の振動数測定値とを比較して、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、洗浄工程の終点に到達していると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値未満の場合には、洗浄工程の終点に到達していないと判定する。
制御信号送信部212dは、終点判定部212cにより終点に到達していると判定した場合には、洗浄工程を停止させて第2の基板W2の乾燥処理工程を開始するための第1制御信号を、出力部214を介して基板洗浄装置70の制御部に送信する。また、制御信号送信部212dは、終点判定部212cにより終点に到達していないと判定された場合には、第2の基板W2の洗浄工程を継続するための第2制御信号を、出力部214を介して基板洗浄装置70の制御部に送信する。
次に、第4の実施形態に係る判定方法について説明する。図11Aおよび図11Bは、第4の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。
図11Aに示すように、まず、基板洗浄装置70において第1の基板W1上に薬液を供給しながら洗浄部材を第1の基板W1に当接させて第1の基板W1を洗浄したのち、洗浄部材を第1の基板W1から離間させ、次いで、第1の基板W1上に純水を供給して第1の基板W1上の汚染物質を洗い流す(第1の基板W1を水洗する)(ステップS41)。
次に、ユーザが、第1の基板W1の水洗に使用された排水の一部をサンプリングし、サンプリングされた排水をQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより、電極上に汚染物質を析出させる。そして、洗浄工程終点記録部212aが、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数を第1の振動数測定値として測定する(ステップS42)。
次に、水洗された第1の基板W1が乾燥されたのち、第1の基板W1上のディフェクト数を欠陥検査装置60により評価する(ステップS43)。そして、洗浄工程終点記録部212aは、第1の基板W1上のディフェクト数を欠陥検査装置60から取得し、取得したディフェクト数を所定の基準値と比較し、取得したディフェクト数が所定の基準値を下回った場合に、ステップS42にて測定された第1の振動数測定値213aを洗浄工程の終点として記録部213に記録する(ステップS44)。
次に、図12Bに示すように、基板洗浄装置70において第1の基板W1とは異なる第2の基板W2上に薬液を供給しながら洗浄部材を第2の基板W2に当接させて第2の基板W2を洗浄したのち、洗浄部材を第2の基板W2から離間させ、次いで、第2の基板W2上に純水を供給して第2の基板W2上の汚染物質を洗い流す(第2の基板W2を水洗する)(ステップS51)。
次に、ユーザが、第2の基板W2の水洗に使用された排水の一部をサンプリングし、サンプリングされた排水をQCMセンサ50の水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより、電極上に汚染物質を析出させる。そして、振動数測定部212bが、電極上に汚染物質が析出された水晶振動子の振動数を第2の振動数測定値として測定する(ステップS52)。
次に、終点判定部212cが、ステップS44にて記録部213に記録された第1の振動数測定値213aと、ステップS52にて振動数測定部212bにより測定された第2の振動数測定値とを比較する(ステップ53)。
第2の振動数測定値が第1の振動数測定値213a以上である場合には(ステップS54:YES)、終点判定部212cは、洗浄工程の終点に到達していると判定する(ステップS55)。そして、制御信号送信部212dが、洗浄工程を停止させて第2の基板W2の乾燥処理工程を開始するための第1制御信号を、出力部214を介して基板洗浄装置70の制御部に送信する(ステップS56)。
他方、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値213a未満である場合には(ステップS54:NO)、洗浄工程の終点に到達していないと判定する(ステップS57)。そして、制御信号送信部212dが、第2の基板W2の洗浄工程を継続するための第2制御信号を、出力部214を介して基板洗浄装置70の制御部に送信する(ステップS58)。
以上のような本実施の形態によれば、第2の基板W2以降については、洗浄後に欠陥検査装置70での評価を必要とすることなしに、連続的にスクラブ洗浄工程に導入される任意の枚数の処理対象の基板W(全ての基板についても可能)それぞれについて、清浄度を判定することが可能となる。しかも、水晶振動子の振動数の測定に基づいて汚染物質量を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて排水40の清浄度の判定を行い、当該判定結果に基づいて基板Wの清浄度を判定することで、汚染物質が残っている基板Wを「清浄」と誤判定することが起こりにくくなる。これらにより、第2の基板W2以降については、洗浄後の基板全てについての欠陥検査装置での評価を不要として洗浄時のスループット低下を抑制しながら、基板Wの清浄度をより適時・正確に判定することが可能となる。
(第5の実施形態)
図12Aは、第5の実施形態に係る基板洗浄装置70の構成を示す模式図である。図12Aに示すように、基板洗浄装置70は、筐体71と、回転保持部72と、洗浄部材73、74と、洗浄液ノズル78、79と、セルフクリーニング装置80と、QCMセンサ84と、ポンプ83と、判定装置75とを有している。
このうち筐体71は、洗浄対象である基板Wを内部に収容し、基板Wの洗浄中に洗浄液が外部に飛散することを防止している。回転保持部72は、たとえば回転ローラであり、筐体71内において基板Wの外縁部を保持し、基板Wをその中心軸線回りに回転させる。洗浄液ノズル78、79は、筐体71内に配置され、回転保持部72に保持された基板Wの表面および裏面にそれぞれ基板洗浄用の洗浄液を供給する。
洗浄部材73、74は、ロール形状を有しており、筐体71内に配置され、回転保持部72に保持された基板Wの表面および裏面にそれぞれ当接してスクラブ洗浄する。洗浄部材73、74としては、たとえばPVA(ポリビニルアルコール)ブラシが用いられる。
セルフクリーニング装置80は、筐体71内に配置され、洗浄部材73、74のブレークイン処理(ならし処理)時、または基板Wのスクラブ洗浄後に、洗浄部材73、74からセルフクリーニング用の洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材73、74のセルフクリーニングを行う。セルフクリーニング用の洗浄液としては、たとえば、純水、アンモニア水、洗浄液を含む水溶液などが用いられる。
図12Aに示す例では、セルフクリーニング装置80は、セルフクリーニング用の洗浄液を収容する水槽81と、水槽81内の洗浄液中に配置された板状のセルフクリーニング部材82とを有している。洗浄部材73、74のブレークイン処理(ならし処理)時、または基板Wのスクラブ洗浄後に、洗浄部材73、74が水槽81内の洗浄液中に浸漬され、洗浄部材73、74がその中心軸線回りに回転されながら、セルフクリーニング部材82が洗浄部材73、74の表面に押し当てられることで、洗浄部材73、74の表面に付着していた汚染物質が、洗浄液中に放出される。
一変形例として、図13Bに示すように、セルフクリーニング装置80は、セルフクリーニング用の洗浄液を噴射する噴射ノズル85と、セルフクリーニング部材82とを有しており、洗浄部材73がその中心軸線回りに回転されながら、噴射ノズル85から洗浄部材73の表面に向けて洗浄液が噴射されるとともに、セルフクリーニング部材82が洗浄部材73の表面に押し当てられることで、洗浄部材73の表面に付着していた汚染物質が、洗浄液中に放出されてもよい。この場合、汚染物質を含む排液は、排液ドレイン86に溜められる。
別の変形例として、図13Cに示すように、セルフクリーニング装置80は、セルフクリーニング用の洗浄液を洗浄部材73の内部に供給するインナーリンス手段86と、セリフクリーニング部材82とを有しており、洗浄部材73がその中心軸線回りに回転されながら、インナーリンス手段86から洗浄部材73の内部に洗浄液が流入され、洗浄部材の表面から洗浄液が流出されるとともに、セルフクリーニング部材82が洗浄部材73の表面に押し当てられることで、洗浄部材73の内部に入り込んでいた汚染物質や洗浄部材73の表面に付着していた汚染物質が、洗浄液中に放出されてもよい。この場合も、汚染物質を含む排液は、排液ドレイン86に溜められる。
QCMセンサ84は、筐体71内に配置され、セルフクリーニング装置80に隣接して位置決めされている。図12A、図13B、図13Cに示す例では、QCMセンサ84は、大気中で、水晶振動子の電極が水平上向きに向けられて配置されているが、これに限定されるものではなく、図13A、図13Dに示すように、鉛直横向きに向けられて配置されていてもよいし、図示は省略するが、水平下向きに向けられて配置されていてもよい。水平下向きの場合には、セルフクリーニング中に飛散した排液が電極上に付着することを抑制できるため好ましい。鉛直横向きの場合には、セルフクリーニング中に飛散した排液が電極上に付着しないように、洗浄槽71に対して外向きに向けられているのが好ましい。水平上向き、または鉛直横向きかつ洗浄装置71に対して内向きに向けられている場合には、セルフクリーニング中に飛散した排液が電極上に付着しないように、開閉可能なシャッタ(不図示)が電極を覆うように設けられているのが好ましい。
ポンプ83は、水槽71内の洗浄液(セルフクリーニング後の排液)または排液ドレイン86内の排液を吸引し、QCMセンサ84の水晶振動子の電極上に吐出して接触させる。ポンプ83としては、たとえば、送液ポンプが用いられてもよいし、シリンジポンプが用いられてもよい。一変形例として、ポンプ83の代わりに昇降手段(不図示)が設けられ、当該昇降手段は、QCMセンサ84を水槽71内の洗浄液(セルフクリーニング後の排液)または排液ドレイン86内の排液中に浸漬させた後で大気中に引き上げることで、水晶振動子の電極上に排液を接触させてもよい。
図12Aおよび図13A〜図13Dに示す例では、QCMセンサ84は大気中に配置されていたが、これに限定されるものではなく、図13E〜図13Kに示すように、QCMセンサ84は、セルフクリーニングの排液中に配置されていてもよい。たとえば、セルフクリーニング装置80が、セルフクリーニング用の洗浄液を収容する水槽81を有する場合には、QCMセンサ84は、図13Eに示すように、水槽81内において洗浄液の液面より低い位置に配置されていてもよい。また、セルフクリーニング装置80が、セルフクリーニング用の洗浄液を噴射する噴射ノズル85を有する場合には、QCMセンサ84は、図13Fに示すように、排液ドレイン86内に配置されていてもよいし、図13Gに示すように、セルフクリーニング部材82上において洗浄部材73より下方に配置されていてもよいし、図13Hに示すように、セルフクリーニング部材73と排液ドレイン76との間の底板87上に配置されていてもよい。また、セルフクリーニング装置80が、セルフクリーニング用の洗浄液を洗浄部材73の内部に供給するインナーリンス手段86を有する場合には、QCMセンサ84は、図13Iに示すように、排液ドレイン86内に配置されていてもよいし、図13Jに示すように、セルフクリーニング部材82上において洗浄部材73より下方に配置されていてもよいし、図13Kに示すように、セルフクリーニング部材73と排液ドレイン76との間の底板87上に配置されていてもよい。
図13E〜図13Kに示すように、QCMセンサ84が、セルフクリーニングの排液中に配置されている場合には、QCMセンサ84の水晶振動子の電極上には、汚染物質を化学吸着(水素結合による吸着)および物理吸着(ファンデルワールス力による吸着)のうちの一方または両方の作用により吸着する吸着膜が固定されていてもよい。
ところで、PVAブラシの製造方法は、通常、以下のとおりである。すなわち、まず、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、5〜15重量%程度のポリビニルアルコール水溶液を調整する。そこへ気孔生成材であるでんぷんを水に分散させた液を投入する。この液を、でんぷんのα(アルファ)化温度周辺まで昇温したのち、さらに硫酸とホルムアルデヒドの水溶液を加えたのち、十分に攪拌混合し、均一なスラリー状原液となす。この原液を、所定の型枠内に一定量注型する。そのまま約60℃で10時間以上反応させ、反応完結後、圧搾、水洗すると、未反応のアルデヒド類、酸類、およびでんぷん類微粉末が除去されるとともに、剥離して、ポリビニルアセタール系多孔質体からなるスポンジシート(PVAブラシ)が得られる。ポリビニルアルコールのケン化度は97%以上、ポリビニルアルコールの重合度は300〜2000、アセタール化度は50〜80%である。アセタール化度が80%を超えると、水に湿潤したときも硬く、使用に適さない。このようにして得られたPVAブラシには、最終的には、アセタール基が50〜80%、OH基(ヒドロキシ基)が20〜50%存在する。PVAブラシの表面物性には、このOH基(ヒドロキシ基)の作用が大きく影響する。
洗浄部材(PVAブラシ)から放出される汚染物質としては、(1)洗浄部材洗浄工程によるもの、(2)装置からの汚染によるもの、(3)ウェハ洗浄後に放出されるもの、がある。このうち(1)洗浄部材洗浄工程によるものとしては、より詳しくは、気孔生成材(でんぷん類微粉末など)、樹脂多孔質体からなるスポンジシート素材(ポリビニルアセタールの架橋分子、未架橋分子など)、他の原料(ポリビニルアルコール、アルデヒドなど)がある。また、(2)装置からの汚染によるものとしては、より詳しくは、躯体金属、塗料、構造樹脂などがある。また、(3)ウェハ洗浄後に放出されるものとしては、より詳しくは、ウェハ研磨片(酸化シリカ、配線メタル・バリアメタル、メタルと薬液との化合物など)、研磨薬液由来(防食剤、洗浄剤など)、洗浄部材の劣化由来(樹脂多孔質体からなるスポンジシート素材(ポリビニルアセタールの架橋分子、未架橋分子など))がある。これらのうち、気孔生成材(でんぷん類微粉末など)と樹脂多孔質体からなるスポンジシート素材(ポリビニルアセタールの架橋分子、未架橋分子など)が、洗浄部材の立ち上げ(ブレークイン処理)完了および劣化交換時期を判断する物質となる。
したがって、吸着膜としては、たとえば、上記汚染物質の中から、でんぷんやポリビニルアセタールを選択的に吸着する膜が用いられてもよい。具体的には、たとえば、吸着膜は、(a)適度な長さのアルキル鎖(たとえばC=6〜40)、または官能基(ヒドロキシ基、カルボキシ基など)を持つアルキル鎖からなる分子膜、(b)官能基がアルキル鎖の末端部や中間部、または分岐したアルキル鎖の末端部や中間部に位置する分子膜、(c)QCMセンサの電極表面に遷移金属(Au、Ptなど)、酸化物(SiO2)、または半導体をコーティングし、その表面にチオール反応やシランカップリング反応などにより分子鎖を固定した膜、のうちのいずれかまたは2種類以上であってもよい。ここで、官能基で吸着する吸着膜は、化学吸着と物理吸着の双方が一定の比率で寄与する場合が殆どであるのに対し、分子膜がアルキル鎖だけからなる場合には、ファンデルワールス力(物理力)や疎水性の影響が大きいため、物理吸着となる。アルキル鎖は疎水的(水素結合し難い)な性質をもつため、水分子は吸着しない。ブラシ立ち上げ時のクリーニングで放出される汚染物質は、でんぷんとPVAブラシの分子鎖(架橋、未架橋含む)になるが、これらは水分子よりもアルキル鎖と結合し易い。また、研磨に使用後のブラシクリーニング時には、汚染物質に砥粒やメタルなどの無機物が入ってくるが、無機物もアルキル鎖とは結合し難い。したがって、化学反応を利用せずに物理作用だけを利用しても、汚染物質の中から、でんぷんやポリビニルアルコールなどの特定の物質を選択的に吸着することが可能である。
図12Aに戻って、判定装置75は、基板Wに当接してスクラブ洗浄する洗浄部材74、75の洗浄度を判定する装置である。判定装置75は、1つまたは複数のコンピュータによって構成されている。
図12Bは、判定装置75の構成を示すブロック図である。図12Bに示すように、判定装置75は、入力部751と、制御部752と、記憶部753と、出力部754とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち入力部751は、QCMセンサ84と判定装置75との間の通信インターフェースである。入力部751は、QCMセンサ84から出力される水晶振動子の振動数応答(すなわち振動数または振動数の位相(遅れ))のデータを受信する。
出力部754は、判定装置75からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段やスピーカ等の音声出力手段である。後述する洗浄度判定部752cによる判定結果は、出力部754を介してユーザに出力される。
記憶部753は、たとえばフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部753には、制御部752が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部753には、後述する初期値測定部752aにより測定された水晶振動子の振動数応答の初期値753aが記録される。
制御部752は、判定装置75の各種処理を行う制御手段である。図12Bに示すように、制御部752は、初期値測定部752aと、振動数応答測定部752bと、洗浄度判定部752cとを有している。これらの各部は、判定装置75内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
初期値測定部752aは、電極上に汚染物質を付着させる前のQCMセンサ50の水晶振動子の振動数応答を測定し、初期値753aとして記憶部753(記録媒体)に記録する。
振動数応答測定部752bは、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に接触され、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定する。
洗浄度判定部752cは、振動数応答測定部752bにより測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材74、75の洗浄度を判定する。たとえば、洗浄度判定部752cは、初期値753aを参照しながら、振動数応答測定部752bにより測定された振動数応答と初期値753aとの差分を算出し、算出された差分に基づいて、電極上に付着している測定対象物(たとえば汚染物質)の量を測定する。そして、洗浄度判定部752cは、電極上に付着している汚染物質量を予め定められた閾値と比較し、電極上に付着している汚染物質量が、閾値以下である場合には、洗浄部材が「清浄」であると判定し、閾値より大きい場合には、「汚染」(洗浄部材に汚染物質が残っている)と判定する。
第1実施例として、振動数応答測定部752bは、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に付着され、電極上に付着している排液を乾燥させる前に、(a)水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に付着している排液の液量(X1)を測定し、あるいは、洗浄度判定部752cは、(b)排液の容量あるいは重量あるいは接触時間の計量設備により接触液量(X2)を測定し、次いで、振動数応答測定部752bは、電極上に付着している排液を乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量(Y)を測定し、測定された排液の液量(X1またはX2)と汚染物質量(Y)とに基づいて、排液の汚染物質濃度(Z)を算出し、算出された汚染物質濃度(Z)に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定してもよい。ここで、電極上に付着している排液の乾燥方法は、たとえば、電極面の加温または常温より高い温度での常時保温であってもよいし、ドライエアまたはガスの噴射であってもよい。また、排液の容量の計量設備は、たとえば、シリンジポンプ、ベリスタポンプなどの容量型の送液機構であってもよいし、液滴形状を電極面の横から観察するカメラであってもよい。排液の重量の計量設備は、たとえば、天秤型機構にて一定重量に到達すると送液する機構であってもよい。排液の接触時間の計量設備は、たとえば、タイマーであり、ブラシクリーニング時に供給する液量から、液体の流速は分かるため、当該液体の流速と、電極表面の上下移動による浸漬時間やシャッタの開閉による浸漬時間とから接触液量を計量してもよい。
第2実施例として、振動数応答測定部752bは、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に所定量付着されて乾燥されることで、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に析出されたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定してもよい。
第3実施例として、振動数応答測定部752bは、汚染物質を化学吸着および物理吸着のうちの一方または両方の作用により吸着する吸着膜が電極上に固定された水晶振動子がセルフクリーニング装置80の排液中に浸漬され、排液中に含まれる汚染物質が吸着膜上に吸着されたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、吸着膜上に吸着された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定してもよい。
第1実施例および第2実施例において、振動数応答測定部752bは、電極上に汚染物質が析出されたQCMセンサ50の水晶振動子が液体(たとえば純水)中に浸漬された状態で、水晶振動子の振動数応答の時間変化を測定し、洗浄度判定部752cは、時間変化が飽和したときの振動数応答と液体中に浸漬した直後の振動数応答との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定してもよい。洗浄度判定部752cは、電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出してもよい。
次に、第5の実施形態に係る判定方法について説明する。図14は、第5の実施形態に係る判定方法を示すフローチャートである。
図14に示すように、まず、初期値測定部752aが、電極上に汚染物質を付着させる前のQCMセンサ50の水晶振動子の振動数を測定し、初期値753aとして記憶部753(記録媒体)に記録する(ステップS50)。
次に、洗浄部材73、74のブレークイン処理時、または基板Wのスクラブ洗浄後に、セルフクリーニング装置80が、洗浄部材73、74からセルフクリーニング用の洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材73、74のセルフクリーニングを行う(ステップS51)。
次に、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に接触され、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、振動数応答測定部752bが、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cが、振動数応答測定部752bにより測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材73、74の洗浄度を判定する(ステップS52)。
ステップS52の第1実施例として、図15Aに示すように、洗浄度判定部752cは、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に付着され、電極上に付着している排液を乾燥させる前に、電極上に付着している排液の液量(X)を測定してもよい(ステップS520)。ステップS520において、振動数応答測定部752bは、(a)水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に付着している排液の液量(X)を測定してもよいし、洗浄度判定部752cは、(b)排液の容量あるいは重量あるいは接触時間の計量設備により接触液量(X)を測定してもよい。次いで、振動数応答測定部752bは、電極上に付着している排液を乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量(Y)を測定してもよい(ステップS521)。そして、洗浄度判定部752cは、測定された排液の液量(X)と汚染物質量(Y)とに基づいて、排液の汚染物質濃度(Z=Y/X)を算出し(ステップS522)、算出された汚染物質濃度(Z)に基づいて、洗浄部材73、74の洗浄度を判定してもよい(ステップS523)。
ステップS52の第2実施例として、図15Bに示すように、振動数応答測定部752bは、セルフクリーニング装置80の排液がQCMセンサ84の水晶振動子の電極上に所定量付着されて乾燥されることで、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に析出されたのち、水晶振動子の振動数応答を測定してもよい(ステップS524)。次いで、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し(ステップS525)、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材73、74の洗浄度を判定してもよい(ステップS526)。
ステップS52の第3実施例として、図15Cに示すように、振動数応答測定部752bは、汚染物質を化学吸着および物理吸着のうちの一方または両方の作用により吸着する吸着膜が電極上に固定された水晶振動子がセルフクリーニング装置80の排液中に浸漬され、排液中に含まれる汚染物質が吸着膜上に吸着されたのち、水晶振動子の振動数応答を測定してもよい(ステップS527)。次いで、洗浄度判定部752cは、測定された振動数応答に基づいて、吸着膜上に吸着された汚染物質量を測定し(ステップS528)、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材73、74の洗浄度を判定してもよい(ステップS529)。
第1実施例または第2実施例において、ステップS523またはS526の後、振動数応答測定部752bは、電極上に汚染物質が析出されたQCMセンサ50の水晶振動子が液体(たとえば純水)中に浸漬された状態で、水晶振動子の振動数応答の時間変化を測定し、洗浄度判定部752cは、時間変化が飽和したときの振動数応答と液体中に浸漬した直後の振動数応答との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定してもよい。洗浄度判定部752cは、電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出してもよい。
その後、図14に示すように、QCMセンサ84の水晶振動子の電極上から汚染物質が除去され(リセットされ)、次の測定の準備が行われる(ステップS53)。汚染物資の除去方法は、たとえば、水洗または薬液洗浄であってもよいし、加熱により汚染物質を蒸発させてもよい。
以上のような本実施の形態によれば、洗浄部材73、74のセルフクリーニングにおける排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定するため、非常に微量な汚染物質であっても検出することが可能であり、当該測定結果に基づいて洗浄部材73、74の清浄度の判定を行うことで、汚染物質が残っている洗浄部材73、74を「清浄」と誤判定することが起こりにくくなり、すなわち、洗浄部材73、74の清浄度を正確に判定することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定することを、基板Wのスクラブ洗浄が行われる筐体71内に水晶振動子が配置されたまま行われるため、洗浄部材73、74の洗浄度をインラインで迅速に判定することが可能であり、また、洗浄度の経時変化を確認し、それに基づいて洗浄部材73、74の劣化交換時期を予測することが可能となる。
以上、実施の形態および変形例を例示により説明したが、本技術の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。たとえば、一実施態様に係る洗浄部材の汚染度評価方法は、改善されたブレークイン処理や、改善された洗浄部材の出荷前検査にも適用できる。また、各実施の形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本実施の形態に係る判定装置10は1つまたは複数のコンピュータによって構成され得るが、1つまたは複数のコンピュータに判定装置10を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを非一時的に記録した記録媒体も、本件の保護対象である。
10 判定装置
11 入力部
12 制御部
12a 初期値測定部
12b 汚染物質量測定部
12c 清浄度判定部
13 記憶部
13a 初期値
14 出力部
20 液体
21 第1水晶振動子
22 第2水晶振動子
31 洗浄部材
40 排水
41 排水配管
42 分岐管
50 QCMセンサ
60 欠陥検査装置
70 基板洗浄装置
100 判定装置
111 入力部
112 制御部
112a 振動数測定部
112b 排水清浄度判定部
112c 基板清浄度判定部
113 記憶部
113a 振動数測定値
114 出力部
200 判定装置
211 入力部
212 制御部
212a 洗浄工程終点記録部
212b 振動数測定部
212c 終点判定部
212d 制御信号送信部
213 記憶部
213a 振動数測定値
214 出力部
W 基板

Claims (20)

  1. 基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する方法であって、
    洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行う第1ステップと、
    セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する第2ステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 第1ステップでは、前記基板のスクラブ洗浄が行われる筐体内において、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させることで、洗浄部材のセルフクリーニングを行い、
    第2ステップでは、前記筐体内において、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に接触させ、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に付着させたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を、前記筐体内に前記水晶振動子が配置されたまま測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 第2ステップでは、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に付着させ、電極上に付着している排液を乾燥させる前に、(a)水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に付着している排液の液量を測定し、あるいは、(b)排液の容量あるいは重量あるいは接触時間の計量設備により接触液量を測定し、次いで、電極上に付着している排液を乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し、測定された排液の液量と汚染物質量とに基づいて、排液の汚染物質濃度を算出し、算出された汚染物質濃度に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 第2ステップでは、セルフクリーニングの排液を水晶振動子の電極上に所定量付着させて乾燥させることで、排液中に含まれる汚染物質を水晶振動子の電極上に析出させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、電極上に析出された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 第2ステップでは、汚染物質を化学吸着および物理吸着のうちの一方または両方の作用により吸着する吸着膜が電極上に固定された水晶振動子をセルフクリーニングの排液中に浸漬し、排液中に含まれる汚染物質を吸着膜上に吸着させたのち、水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、吸着膜上に吸着された汚染物質量を測定し、測定された汚染物質量に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  6. 電極上に汚染物質が析出された水晶振動子を液体中に浸漬し、水晶振動子の振動数応答の時間変化を測定し、時間変化が飽和したときの振動数と液体中に浸漬した直後の振動数応答との差分に基づいて、液体可溶性汚染物質の質量を測定する第3ステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
  7. 電極上に析出された汚染物質の質量と、液体可溶性汚染物質の質量との差分に基づいて、液体非可溶性汚染物質の質量を算出するステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 前記液体は純水あるいはアンモニア水あるいは洗浄液を含む水溶液である、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
  9. 第1ステップでは、洗浄部材を洗浄液中に浸漬し、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 第1ステップでは、洗浄部材の表面に向けて洗浄液を噴射し、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  11. 第1ステップでは、洗浄部材の内部に洗浄液を流入し、洗浄部材の表面から洗浄液を流出させることで、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  12. 基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の洗浄度を判定する装置であって、
    洗浄部材から洗浄液中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む洗浄液が水晶振動子の電極上に接触され、洗浄液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定する測定部と、
    測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする装置。
  13. 基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材の清浄度を判定するプログラムであって、
    コンピュータに、
    洗浄部材から洗浄液中に汚染物質が放出され、汚染物質を含む洗浄液が水晶振動子の電極上に接触され、洗浄液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定するステップと、
    測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  14. 筐体内に配置され、基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材と、
    前記筐体内に配置され、洗浄部材から洗浄液中に汚染物質を放出させるセルフクリーニング装置と、
    前記筐体内に配置された水晶振動子と、
    セルフクリーニング装置の排液が水晶振動子の電極上に接触され、排液中に含まれる汚染物質が水晶振動子の電極上に付着されたのち、電極上に汚染物質が付着している水晶振動子の振動数応答を測定し、測定された振動数応答に基づいて、洗浄部材の洗浄度を判定する判定装置と、
    を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
  15. 基板に当接してスクラブ洗浄する洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法であって、
    純水中に洗浄部材を浸漬し、洗浄部材から純水中に汚染物質を放出させるステップと、
    汚染物質を含む純水中に、第1ゼータ電位を有する第1物質が電極上に形成された第1水晶振動子および第1のゼータ電位とは異なる第2ゼータ電位を有する第2物質が電極上に形成された第2水晶振動子を浸漬し、第1水晶振動子および第2水晶振動子の振動数応答を測定し、振動数応答の時間変化の差異に基づいて、汚染物質の吸着特性を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  16. 洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する方法であって、
    薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗するステップと、
    第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するステップと、
    第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部をサンプリングして、サンプリングされた排水を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
    第1の振動数測定値および第2の振動測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
    排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 前記水晶振動子の振動数の測定は、基板の水洗に使用された排水の一部を排水配管から分岐された分岐管からサンプリングして、サンプリングされた排液を水晶振動子の電極上に供給した後で乾燥させることにより水晶振動子の振動数の測定を行う、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する基板の清浄度を判定する装置であって、
    薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するとともに、第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定する手段と、
    第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定する手段と、
    排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定する手段と、
    を備えたことを特徴とする装置。
  19. 基板洗浄装置を用いて洗浄部材を基板に当接させてスクラブ洗浄する際の基板の清浄度を判定するプログラムであって、
    コンピュータに、
    薬液を供給しながら洗浄部材を基板に当接させて基板を洗浄したのち、基板を水洗する際に、第1のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するステップと、
    第1のタイミングと異なる第2のタイミングで基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
    第1の振動数測定値および第2の振動数測定値に基づいて、排水の清浄度を判定するステップと、
    排水の清浄度に基づいて、基板の清浄度を判定するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  20. 連続的に複数の基板を洗浄する基板洗浄装置の洗浄工程の終点を判定するプログラムであって、
    コンピュータに、
    薬液を供給しながら洗浄部材を第1の基板に当接させて第1の基板を洗浄したのち、第1の基板を水洗する際に、第1の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第1の振動数測定値として測定するとともに、水洗された第1の基板が乾燥されたうえで欠陥検査装置により評価された第1の基板上のディフェクト数を当該欠陥検査装置から取得し、ディフェクト数が所定の基準値を下回った場合に、第1の振動数測定値を洗浄工程の終点として記録媒体に記録するステップと、
    薬液を供給しながら洗浄部材を第2の基板に当接させて第2の基板を洗浄したのち、第2の基板を水洗する際に、第2の基板の水洗に使用された排水の一部がサンプリングされ、サンプリングされた排水が水晶振動子の電極上に供給された後で乾燥されることにより、排水中に含まれた汚染物質が電極上に析出された水晶振動子の振動数応答を第2の振動数測定値として測定するステップと、
    記録された第1の振動数測定値と測定された第2の振動数測定値とを比較して、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値以上の場合には、洗浄工程の終点に到達していると判定し、第2の振動数測定値が第1の振動数測定値未満の場合には、洗浄工程の終点に到達していないと判定するステップと、
    終点に到達していると判定した場合には、該第2の基板の洗浄工程を停止するための第1制御信号を前記基板洗浄装置に送信し、終点に到達していないと判定された場合には、該第2の基板の洗浄工程を継続するための第2制御信号を前記基板洗浄装置に送信するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
JP2021083726A 2020-05-20 2021-05-18 洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法、基板の清浄度を判定するプログラム、および洗浄工程の終点を判定するプログラム Pending JP2021184463A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020087789 2020-05-20
JP2020087789 2020-05-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021184463A true JP2021184463A (ja) 2021-12-02

Family

ID=78767539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021083726A Pending JP2021184463A (ja) 2020-05-20 2021-05-18 洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法、基板の清浄度を判定するプログラム、および洗浄工程の終点を判定するプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20210384881A1 (ja)
JP (1) JP2021184463A (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3928063A (en) * 1974-06-05 1975-12-23 Exxon Research Engineering Co Method for cleaning a crystal microbalance
US5315793A (en) * 1991-10-01 1994-05-31 Hughes Aircraft Company System for precision cleaning by jet spray
US5706840A (en) * 1995-03-03 1998-01-13 Sandia Corporation Precision cleaning apparatus and method
GB9925373D0 (en) * 1999-10-27 1999-12-29 Schlumberger Ltd Downhole instrumentation and cleaning system
JP4511591B2 (ja) * 2004-09-28 2010-07-28 株式会社荏原製作所 基板洗浄装置及び洗浄部材の交換時期判定方法
KR100795622B1 (ko) * 2005-03-30 2008-01-17 다이닛뽕스크린 세이조오 가부시키가이샤 기판처리장치 및 기판처리방법
US20100212702A1 (en) * 2005-09-15 2010-08-26 Satomi Hamada Cleaning Member, Substrate Cleaning Apparatus and Substrate Processing Apparatus
JP2010021457A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Fujitsu Microelectronics Ltd ブラシの洗浄方法
US9211568B2 (en) * 2013-03-12 2015-12-15 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited Clean function for semiconductor wafer scrubber
KR102454775B1 (ko) * 2015-02-18 2022-10-17 가부시키가이샤 에바라 세이사꾸쇼 기판 세정 장치, 기판 세정 방법 및 기판 처리 장치
JP6837274B2 (ja) * 2015-06-30 2021-03-03 東京エレクトロン株式会社 半導体製造装置及び基板搬送方法
KR102541489B1 (ko) * 2016-02-26 2023-06-08 삼성전자주식회사 기판 세정 장치 및 이를 이용한 기판 세정 설비
US11772134B2 (en) * 2017-09-29 2023-10-03 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd Sonic cleaning of brush
US10684559B2 (en) * 2017-11-20 2020-06-16 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Apparatus and method for cleaning reticle stage
CN114930149A (zh) * 2019-12-27 2022-08-19 富士胶片株式会社 管理方法、测定方法、测定装置、石英晶体振子传感器及套件

Also Published As

Publication number Publication date
US20210384881A1 (en) 2021-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4511591B2 (ja) 基板洗浄装置及び洗浄部材の交換時期判定方法
JP4160254B2 (ja) 半導体チップを製造する際の洗浄および水回収プロセスの効率を向上させるための蛍光測定法
CN101652837A (zh) 从电极组件上清洁表面金属污染物的方法
TWI494426B (zh) 藉使用溶劑及系統之基材乾燥方法
KR101625703B1 (ko) 손상이 없는 고효율 파티클 제거 세정
TWI816697B (zh) Pva刷子的清洗方法及清洗裝置
JP2021184463A (ja) 洗浄部材の清浄度を判定する方法、洗浄部材を汚染する汚染物質の吸着特性を判定する方法、基板の清浄度を判定する方法、基板の清浄度を判定するプログラム、および洗浄工程の終点を判定するプログラム
JP2010021457A (ja) ブラシの洗浄方法
CN109047160B (zh) 一种掩膜版玻璃基板的清洗方法
US20050023246A1 (en) Methods and devices for modifying a substrate surface
KR102113995B1 (ko) 화학적 기계적 연마 후 반도체 디바이스 기판 세정용 세정 조성물 및 방법
KR20110050254A (ko) 슬릿코터
JP2011027563A (ja) プリント基板に付着した汚損物の分析方法及びプリント基板の洗浄方法
JPH05275410A (ja) ウェーハ表面の付着有機化合物の評価方法
JPH01140727A (ja) 基板洗浄方法
CN102489469B (zh) 使用超声波震荡液体以清洁基板的方法
TW202109043A (zh) 腔室部件清潔度量測系統
JP7191216B2 (ja) 基板処理方法
US20240050991A1 (en) Cleaning apparatus for cleaning member, cleaning method for cleaning member, and substrate cleaning method
JP2005185973A (ja) 洗浄中のハードディスク基板に付着するパーティクル数推定方法およびパーティクル数評価装置
CN116262889B (zh) 等离子刻蚀清洗后中和清洗剂在清洗半导体器件中的应用
JP2006032416A (ja) 基板の洗浄方法及び基板の洗浄装置
JPH11195685A (ja) 欠陥評価装置及び欠陥評価方法
Quillen et al. Optimizing surface finishing processes through the use of novel solvents and systems
JPH11176784A (ja) シリコンウエハの洗浄方法、洗浄装置および洗浄槽