JP2021183765A - 屋根 - Google Patents

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JP2021183765A
JP2021183765A JP2020088823A JP2020088823A JP2021183765A JP 2021183765 A JP2021183765 A JP 2021183765A JP 2020088823 A JP2020088823 A JP 2020088823A JP 2020088823 A JP2020088823 A JP 2020088823A JP 2021183765 A JP2021183765 A JP 2021183765A
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Masanori Muguruma
隆 大嶋
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悠磨 齋藤
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Abstract

【課題】段差を設けて連結した屋根ユニット同士を、エキスパンションジョイントを用いないで、地震に耐えられるように連結する。【解決手段】両端部が支持部材に支持された屋根ユニット20、30、40をスパン方向と直交する方向に複数配置すると共に、互いに隣り合う屋根ユニット20、30、40同士を、段差を設けて連結し構築した屋根10において、屋根ユニット20、30、40は、スパン方向に延設され互いに並列配置された複数の大梁24、34、44と、スパン方向と交わる方向に延設され大梁24、34、44に連結された小梁26、36、46と、を備え、互いに隣り合う屋根ユニット20、30、40は、それぞれの屋根ユニット20、30、40における大梁24、34、44と小梁26、36、46との接合部同士が、縦部材50によって剛接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、屋根に関する。
下記特許文献1には、互いに間隔をおいて建設された建築物の屋根の間隙部を覆うエキスパンションジョイントが記載されている。
特開平9−137513号公報
上記特許文献1のように2つの建物の屋根をエキスパンションジョイントで連結した場合、エキスパンションジョイントの下方の空間に雨水等が流下することを抑制できる。しかし、それぞれの屋根の変位が大きい場合、変位吸収幅が大きいエキスパンションジョイントを構築する必要がある。
例えば吊り構造やアーチ構造の部材によって形成された屋根ユニットを複数連結して構築した屋根においては、それぞれの屋根ユニットは、ラーメン構造等の架構で形成された屋根ユニットと比較して揺れやすい。このため、屋根ユニット同士の連結部に、大掛かりなエキスパンションジョイントを構築する場合がある。
しかしながら、大掛かりなエキスパンションジョイントを形成する場合、エキスパンションジョイントを形成した部分にサッシや仕上げ材を敷設することが難しく、建物の意匠性が損なわれる可能性がある。また、建物の建設コストに占めるエキスパンションジョイントのコストの割合が高くなり、不経済である。
本発明は、上記事実を考慮して、段差を設けて配置した屋根ユニット同士を、エキスパンションジョイントを用いないで、地震に耐えられるように連結することを目的とする。
請求項1の屋根は、両端部が支持部材に支持された屋根ユニットをスパン方向と直交する方向に複数配置すると共に、互いに隣り合う前記屋根ユニット同士を、段差を設けて連結し構築した屋根において、前記屋根ユニットは、スパン方向に延設され互いに並列配置された複数の大梁と、スパン方向と交わる方向に延設され前記大梁に連結された小梁と、を備え、互いに隣り合う前記屋根ユニットは、それぞれの前記屋根ユニットにおける前記大梁と前記小梁との接合部同士が、縦部材によって剛接合されている。
請求項1に記載の屋根を構成するそれぞれの屋根ユニットは、両端部が支持部材に支持されて構成されている。このため、これらの屋根ユニットは、地震時に大梁の延設方向と交わる方向へブランコ状に揺れ、ラーメン構造やトラス構造等の架構で形成された屋根ユニットと比較して、地震時の変位が大きい。
一方、互いに隣り合う屋根ユニットにおいて、それぞれの大梁と小梁との接合部同士は、縦部材によって剛接合されている。すなわち、互いに隣り合う屋根ユニット同士が、剛接合されている。
これにより、複数の屋根ユニットは、大梁、小梁及び縦部材による格子状の一体的な架構を形成する。これにより、地震時の変位差が小さくなる。このため、互いに隣り合う屋根ユニットの間にサッシや仕上げ材を敷設することができる。つまり、止水性や意匠性を確保できる。したがって、エキスパンションジョイントを用いなくても、地震に耐えられるように屋根ユニットを連結できる。
請求項2の屋根は、請求項1に記載の屋根において、前記縦部材の上端部は上側の前記接合部に剛接合され、前記縦部材の下端部は、下側の前記接合部に剛接合されると共に、下側の前記接合部との間に上下方向の変位誤差を吸収する変位吸収機構が設けられている。
一般的に、両端部が支持部材に支持された屋根ユニットは、大梁と小梁とを架台の上で組付け、架台をジャッキダウンすることで構築される。しかし、ジャッキダウンするときに、屋根ユニットはそれぞれ下方へ変形するが、この変形量を予測するのは難しい。このため、屋根ユニットの上下にある大梁と小梁との接合部を縦部材で剛接合した状態でジャッキダウンすると、屋根が想定外の形状に変形する虞がある。
請求項2に記載の屋根では、縦部材の上端部は上側の接合部に剛接合される一方、縦部材の下端部には、下側の接合部との間に変位吸収機構が設けられている。このため、縦部材の下端部と下側の接合部とが相対的に上下方向へ移動できる。これにより、ジャッキダウン時に、屋根ユニットの変位誤差が吸収される。したがって、ジャッキダウン完了後、変位誤差が吸収された状態で、下側の接合部と縦部材の下端部を剛接合できる。
請求項3の屋根は、請求項1又は2に記載の屋根において、外側に配置された前記屋根ユニットの前記大梁と前記小梁との接合部は基礎部から立ち上がるマリオン柱の頭部と接合されている
請求項3に記載の屋根では、マリオン柱によって、地震時に、屋根がスパン方向と直交する方向に揺れることを抑制できる。また、屋根の上下方向の揺れを抑制することができる。
本発明によると、段差を設けて連結した屋根ユニット同士を、エキスパンションジョイントを用いないで、地震に耐えられるように連結することができる。
本発明の実施形態に係る屋根の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る屋根を構成する屋根ユニットのそれぞれの概略構成を示す立面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る屋根において、屋根ユニット同士を連結する縦部材の上端部の構造を示す断面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。 (A)は本発明の実施形態に係る屋根において、屋根ユニット同士を連結する縦部材の下端部の構造を示す断面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。 本発明の実施形態に係る屋根において、変位吸収機構による変位の吸収後に、縦部材の下端部に補剛部材を接合している状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る屋根について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
<屋根>
図1には、本発明の実施形態に係る屋根10が示されている。屋根10は、複数の屋根ユニット20、30、40、縦部材50及びマリオン柱60を含んで形成されている。
(屋根ユニット)
屋根ユニット20、30、40は、それぞれ高さの異なる(段差が設けられた)吊り構造の構造躯体とされている。
具体的には、図2に示すように、屋根ユニット20においては、柱22A及び柱22Aより高さが高い柱22B(柱22Bの高さをH20とする)に、大梁24が架け渡されている。すなわち、大梁24の両端が柱22A、22Bに支持されることにより、大梁24は吊り支持されている。また、柱22A、22Bの間には、大梁24を支持する構造柱は配置されていないものとする。なお、間柱や振れ止め用の長尺部材などは適宜配置してもよい。
屋根ユニット20においては、大梁24の自重等により、柱22A、22Bの頂部同士を互いに近づく方向へ引っ張るスラスト力が発生する。このスラスト力に抵抗できるように、柱22A、22Bの断面寸法が決定される。なお、柱22A、22Bの断面寸法を小さくするために、柱22Aの頂部と基礎部Gとを、また、柱22Bの頂部と基礎部Gとを、引張材28で連結することが好適である。なお、引張材28としては、H形鋼、平形鋼及びケーブルなど、引張力に抵抗できる各種の材料を用いることができる。
以下の説明においては、図2における紙面左右方向(X方向)を、大梁24の延設方向又は屋根ユニット20のスパン方向と称す場合がある。一方、図2における紙面前後方向は、図1に示したY方向と一致する方向である。このY方向は、X方向と交わる(略直交する)方向である。
図1に示すように、大梁24はY方向に所定の間隔を空けて複数並列配置されている。大梁24には、複数の小梁26が架け渡されている。小梁26は、Y方向に沿って延設され、大梁24に連結されている。また、小梁26は、X方向に所定の間隔を空けて複数並列配置されている。
屋根ユニット30は、屋根ユニット20とY方向に隣接している。図2に示す屋根ユニット30における柱32A、32B、大梁34、小梁36、引張材38の構成の概略は、屋根ユニット20における柱22A、22B、大梁24、小梁26、引張材28の構成と同様である。
柱32Bの高さH30は、柱22Bの高さH20より低く形成されている。また、大梁34は、大梁24の延設方向に沿って配置されている。より正確には、大梁34と大梁24とは、必ずしも平行に配置されている必要はないが、平行となるように意図して設計されている。また、大梁34は、全体に亘って、大梁24より寸法(H20−H30)だけ下方に配置されるように設計されている。
図1に示すように、屋根ユニット20におけるY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の大梁24Aと、屋根ユニット30におけるY方向端部(屋根ユニット20側の端部)の大梁34Aとは、上下方向に隣り合って配置されている。この大梁34Aの両端は、屋根ユニット20の柱22A、22Bに架設されている。
なお、屋根ユニット20においてY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の柱22Bは、屋根ユニット30においてY方向端部(屋根ユニット20側の端部)の柱32Bを兼ねている。一方、屋根ユニット20においてY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の柱22Aと、屋根ユニット30においてY方向端部(屋根ユニット20側の端部)の柱32Aとは、別体とされている。
屋根ユニット40は、屋根ユニット30とY方向に沿って隣接し、かつ、屋根ユニット20の反対側に配置されている。図2に示す屋根ユニット40における柱42A、42B、大梁44、小梁46、引張材48の構成の概略も、屋根ユニット20における柱22A、22B、大梁24、小梁26、引張材28の構成と同様である。
柱42Bの高さH40は、柱32Bの高さH30より低く形成されている。また、大梁44は、大梁34の延設方向に沿って配置されている。より正確には、大梁34と大梁44とは、必ずしも平行に配置されている必要はないが、平行となるように意図して設計されている。また、大梁44は、全体に亘って大梁34より寸法(H30−H40)だけ下方に配置されるように設計されている。
図1に示すように、屋根ユニット30におけるY方向端部(屋根ユニット40側の端部)の大梁34Bと、屋根ユニット40におけるY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の大梁44Bとは、上下方向に隣り合って配置されている。この大梁44Bの両端は、屋根ユニット30の柱32A、32Bに架設されている。
なお、屋根ユニット30においてY方向端部(屋根ユニット40側の端部)の柱32Bは、屋根ユニット40においてY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の柱42Bを兼ねている。一方、屋根ユニット30においてY方向端部(屋根ユニット40側の端部)の柱32Aと、屋根ユニット40においてY方向端部(屋根ユニット30側の端部)の柱42Aとは、別体とされている。
なお、屋根ユニット20、30、40における大梁24、34、44が架設された柱22A、22B、32A、32B、42A、42Bは、それぞれ本発明における支持部材の一例である。また、屋根ユニット20、30、40においては、大梁24及び小梁26の上方、大梁34及び小梁36の上方、及び、大梁44及び小梁46の上方に、図示しない屋根材が架設されている。
(縦部材)
図1に示すように、大梁24Aと小梁26との接合部は、縦部材50を介して、大梁34Aと小梁36との接合部と、連結されている。同様に、大梁34Bと小梁36との接合部も、縦部材50を介して、大梁44Bと小梁46との接合部と、連結されている。
図3(A)、(B)には、大梁24Aと小梁26との接合部及び縦部材50の上端部が示されている。一方、図4(A)、(B)には、大梁34Aと小梁36との接合部及び縦部材50の下端部が示されている。
これらの図に示すように、縦部材50は、本体部52、上ブラケット54A、下ブラケット54B、接合プレート56A、接合プレート56B及び補剛部材58を備えて形成されている。
(縦部材の上端部)
図3(A)、(B)に示すように、大梁24Aと小梁26とは、溶接によって剛接合されている。具体的には、小梁26におけるウェブ26Wの端面が、大梁24におけるウェブ24Wの側面に溶接されている。また、小梁26におけるフランジ26Fの端面が、大梁24におけるフランジ24Fの端面に溶接されている。なお、大梁24と小梁26とは、ガセットプレート及びスプライスプレートを用いて剛接合してもよい。
大梁24Aと小梁26との接合部には、縦部材50が剛接合されている。具体的には、縦部材50における本体部52及び上ブラケット54Aは断面が等しいH形鋼とされ、上ブラケット54Aの上端面(フランジ及びウェブの上端面)が、大梁24Aにおける下側のフランジ24Fの下面に溶接されている。また、上ブラケット54Aにおけるフランジの下端面は、本体部52におけるフランジの上端面と溶接されている。
さらに、上ブラケット54Aのウェブと、本体部52のウェブにはそれぞれ接合プレート56Aが溶接されている。すなわち、上ブラケット54Aのウェブと本体部52のウェブとは、接合プレート56Aを介して接合されている。接合プレート56Aは、上ブラケット54Aにボルトで仮固定された後、本体部52及び上ブラケット54Aに溶接されている。なお、本体部52と上ブラケット54Aとは、スプライスプレートを用いて剛接合してもよい。
(補剛プレート)
大梁24Aにおける上下のフランジ24Fの間には、補剛プレート72、74が溶接されている。補剛プレート72は、小梁26が接合された反対側のフランジ24F間において、小梁26におけるウェブ26Wの延長線上に配置されている。補剛プレート72は、両フランジ24F及びウェブ24Wに溶接されている。
一方、補剛プレート74は、小梁26が接合された側及び補剛プレート72が接合された側の双方のフランジ24F間において、縦部材50におけるフランジの延長線上に配置されている。補剛プレート74は、両フランジ24F、ウェブ26W及び補剛プレート72に溶接されている。
(縦部材の下端部)
図4(A)、(B)に示すように、大梁34Aと小梁36とは、溶接によって剛接合されている。具体的には、小梁36におけるウェブ36Wの端面が、大梁34におけるウェブ34Wの側面に溶接されている。また、小梁36におけるフランジ36Fの端面が、大梁34におけるフランジ34Fの端面に溶接されている。なお、大梁34と小梁36とは、ガセットプレート及びスプライスプレートを用いて剛接合してもよい。
大梁34Aと小梁36との接合部には、縦部材50が剛接合されている。具体的には、縦部材50における本体部52及び下ブラケット54BはH形鋼とされ、下ブラケット54Bの下端面(フランジ及びウェブの上端面)が、大梁34Aにおける上側のフランジ34Fの上面に溶接されている。なお、図4(B)に示すように、下ブラケット54Bのフランジは、本体部52のフランジより幅広に形成されている。
また、下ブラケット54Bのフランジと、本体部52のフランジには、それぞれ補剛部材58が溶接されている。すなわち、下ブラケット54Bのフランジと本体部52のフランジとは、補剛部材58を介して剛接合されている。補剛部材58は、T型の鋼材(所謂カットT)を用いて形成され、4組(それぞれの側のフランジ毎に2組ずつ)設けられている。
さらに、上ブラケット54Aのウェブと、本体部52のウェブにはそれぞれ接合プレート56Bが溶接されている。すなわち、下ブラケット54Bのウェブと本体部52のウェブとは、接合プレート56Bを介して接合されている。接合プレート56Bには、ボルト挿通用の長孔56BHが形成されている。長孔56BHは、上下方向の寸法が横方向の寸法より大きい長孔である。接合プレート56Bは、下ブラケット54Bにボルトで仮固定された後、溶接されている。一方、接合プレート56Bは、本体部52に対しては、長孔56BHに挿通されたボルトを介して固定されている。なお、接合プレート56B及び長孔56BHは、本発明における「変位吸収機構」の一例である。
(補剛プレート)
大梁34Aにおける上下のフランジ34Fの間には、補剛プレート76、78が溶接されている。補剛プレート76は、小梁36が接合された反対側のフランジ34F間において、小梁36におけるウェブ36Wの延長線上に配置されている。補剛プレート76は、両フランジ34F及びウェブ34Wに溶接されている。
一方、補剛プレート78は、小梁36が接合された側及び補剛プレート76が接合された側の双方のフランジ34F間において、縦部材50におけるフランジの延長線上に配置されている。補剛プレート78は、両フランジ34F、ウェブ36W及び補剛プレート76に溶接されている。
なお、大梁34B及び小梁36の接合部の構造は、大梁24A及び小梁26の接合部の構造と等しい。また、大梁44B及び小梁46の接合部の構造も、大梁34A及び小梁36の接合部と等しい。さらに、これらに接合される縦部材50の構造も、上記で説明した縦部材50の構造と等しい。したがって、これらの構造に関する詳しい説明は省略する。
(マリオン柱)
図1に示すように、屋根ユニット40におけるY方向端部(屋根ユニット30と反対側の端部)の大梁44Aと小梁46との接合部には、マリオン柱60の上端部(頭部)が接合されている。マリオン柱60は、基礎部Gから立設された方立であり、大梁44Aに対してピン接合されている。
なお、マリオン柱60は、大梁44Aと小梁46との接合部だけでなく、大梁44Aにおいて小梁46が接合されない部分に接合してもよい。
また、図1においては図示が省略されているが、マリオン柱60は、屋根ユニット20におけるY方向端部(屋根ユニット30と反対側の端部)の大梁24Bと小梁26との接合部にも接合されている。すなわち、マリオン柱60は、屋根10においてスパン方向と交わる方向の最も外側の大梁に接合されている。
<作用及び効果>
本発明の実施形態に係る屋根10を構成するそれぞれの屋根ユニット20、30、40は、両端部が支持部材に支持されて構成されている。具体的には、図2に示すように、屋根ユニット20、30、40における大梁24、34、44が、それぞれ、支持部材としての柱22、32、42に支持されて構成されている。
このため、これらの屋根ユニット20、30、40は、図1に矢印で示したように、地震時に大梁24、34、44の延設方向と交わる方向へブランコ状に揺れ、ラーメン構造やトラス構造等の架構で形成された屋根ユニットと比較して、地震時の変位が大きい。
一方、互いに隣り合う屋根ユニット20、30、40において、それぞれの大梁24、34、44と小梁26、36、46との接合部同士は、縦部材50によって剛接合されている。すなわち、互いに隣り合う屋根ユニット20、30、40同士が、剛接合されている。
これにより、これらの屋根ユニット20、30、40は、大梁24、34、44、小梁26、36、46及び縦部材50による格子状の一体的な架構を形成する。これにより、地震時の変位差が小さくなる。このため、互いに隣り合う屋根ユニット20、30、40の間、具体的には、互いに隣り合う縦部材50の間に、サッシや仕上げ材を敷設することができる。つまり、止水性や意匠性を確保できる。したがって、エキスパンションジョイントを用いなくても、地震に耐えられるように屋根ユニットを連結できる。
また、一般的に、両端部が支持部材に支持された屋根ユニットは、大梁と小梁とを架台の上で組付け、架台をジャッキダウンすることで構築される。しかし、ジャッキダウンするときに、屋根ユニットはそれぞれ下方へ変形するが、この変形量を予測するのは難しい。このため、屋根ユニットの上下にある大梁と小梁との接合部を縦部材で剛接合した状態でジャッキダウンすると、屋根が想定外の形状に変形し、想定外の内部応力が発生する虞がある。
これに対して、本発明の実施形態に係る屋根10では、図3(A)、(B)に示すように、縦部材50の上端部は上側の接合部(一例として、大梁24Aと小梁26との接合部)に剛接合される一方、図4(A)、(B)に示すように、縦部材50の下端部には、下側の接合部(一例として、大梁34と小梁36との接合部)との間に変位吸収機構としての接合プレート56Bが設けられている。
この接合プレート56Bには、長孔56BHが形成されている。長孔56BH及び縦部材50における本体部52の下端部には、ボルトが挿通され、このボルトによって、接合プレート56Bと本体部52とが仮固定される。この仮固定された状態で、接合プレート56Bと本体部52とは相対的に上下方向に移動できる一方、横方向への移動は制限されて位置決めされる。これにより、縦部材50における本体部52の下端部と、下ブラケット54B及び接合プレート56Bと、を上下方向における任意の位置(但し、長孔56BHの寸法の範囲内)で固定できる。
これにより、縦部材50の上端部が大梁24Aと小梁26との接合部に剛接合された状態で屋根ユニット20及び屋根ユニット30をジャッキダウンした場合においても、変位誤差を吸収することができる。
すなわち、上述したように、屋根ユニット30の大梁34は、屋根ユニット20の大梁24より寸法(H20−H30)だけ下方に配置されるように設計されているが、この寸法(H20−H30)に誤差が生じても、この誤差が生じた状態で固定することができる。
このように変位誤差が吸収された状態で、図5に示すように、下ブラケット54Bのフランジと、本体部52のフランジに、補剛部材58を溶接する。これにより、縦部材50と、大梁34と小梁36との接合部と、が剛接合される。また、補剛部材58は、縦部材50をY方向(図1参照)に曲げ補剛する。これにより、屋根ユニット20と30とのY方向に対する一体性を高めている。
また、本発明の実施形態に係る屋根10では、屋根ユニット40におけるY方向端部(屋根ユニット30と反対側の端部)の大梁44A、及び、屋根ユニット20におけるY方向端部(屋根ユニット30と反対側の端部)の大梁24Bに、それぞれ、マリオン柱が接合されている。これにより、大梁44A及び大梁24Bが、スパン方向と直交する方向に揺れることが抑制されている。
また、この大梁44A及び大梁24Bと、小梁46及び小梁26を介して連結された大梁44、大梁24等の揺れも抑制される。これにより、屋根10全体の揺れを抑制することができる。
<その他の実施形態>
本発明の実施形態に係る屋根10においては、それぞれの屋根ユニット20、30、40は吊り構造とされているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば大梁24、34、44を、上側に向かって湾曲したアーチ構造として、これらの屋根ユニット20、30、40をアーチ構造の架構としてもよい。引張材28、38、48を設ける場合は、張力の作用方向は、適宜設計するものとする。
また、屋根10においては、大梁24、34、44が、それぞれ2本の柱22(柱22A、22B)、柱32(柱32A、32B)、柱42(柱42A、42B)に支持されているものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。
一例として、柱22Bからみて柱22Aの反対側に、異なる柱を立設し、この柱と柱22Bにも、大梁24を架け渡し、吊り支持させてもよい。すなわち、大梁24、34、44が吊り構造又はアーチ構造とされていれば、これらの大梁24、34、44を支持する支持部材の数(支点数)は特に限定されない。
また、屋根10は、屋根ユニット20、30、40の3つの屋根ユニットによって形成されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。屋根10は、複数の屋根ユニットを備えるものであれば、この屋根ユニットの数は特に限定されるものではない。
また、屋根10においては、マリオン柱60を設けているが、本発明の実施形態はこれに限らない。このマリオン柱60を設けなくても、屋根ユニット20、30、40間の変位を抑制することができる。
10 屋根
20 屋根ユニット
22 柱(支持部材)
22A 柱(支持部材)
22B 柱(支持部材)
24 大梁
24A 大梁
24B 大梁
26 小梁
30 屋根ユニット
32 柱(支持部材)
32A 柱(支持部材)
32B 柱(支持部材)
34 大梁
34A 大梁
34B 大梁
36 小梁
40 屋根ユニット
42 柱(支持部材)
42A 柱(支持部材)
42B 柱(支持部材)
44 大梁
44A 大梁
44B 大梁
46 小梁
50 縦部材
56B 接合プレート(変位吸収機構)
60 マリオン柱
G 基礎部

Claims (3)

  1. 両端部が支持部材に支持された屋根ユニットをスパン方向と直交する方向に複数配置すると共に、互いに隣り合う前記屋根ユニット同士を、段差を設けて連結し構築した屋根において、
    前記屋根ユニットは、
    スパン方向に延設され互いに並列配置された複数の大梁と、スパン方向と交わる方向に延設され前記大梁に連結された小梁と、を備え、
    互いに隣り合う前記屋根ユニットは、
    それぞれの前記屋根ユニットにおける前記大梁と前記小梁との接合部同士が、縦部材によって剛接合されている、
    屋根。
  2. 前記縦部材の上端部は上側の前記接合部に剛接合され、
    前記縦部材の下端部は、下側の前記接合部に剛接合されると共に、下側の前記接合部との間に上下方向の変位誤差を吸収する変位吸収機構が設けられている、請求項1に記載の屋根。
  3. 外側に配置された前記屋根ユニットの前記大梁と前記小梁との接合部は基礎部から立ち上がるマリオン柱の頭部と接合されている請求項1又は2に記載の屋根。
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