JP2021183443A - 車両の車体フレーム補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャブの後方側で車体フレームの剛性を確保する。【解決手段】キャブリヤメンバ8は、車体フレーム4に固定されてキャブの後端部を下方から支持する部材であって、エンジンよりも後方の左右のサイドメンバ5間にアーチ状に架け渡される。カバー部材10は、エンジンからキャブの後方への騒音を抑える部材であって、起立する第1パネル部13と、第1パネル部13の下端縁13cから後方へ延びる第2パネル部14とを有する。第1パネル部13は、前後方向と交叉するパネルであって、左右のサイドメンバ5よりも上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆うように配置されてキャブリヤメンバ8に固定される。第2パネル部14は、キャブリヤメンバ8よりも後方且つ左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆うように配置されて左右のサイドメンバ5に固定される。【選択図】図3
Description
本開示は、車両の車体フレーム補強構造に関する。
特許文献1には、車両用エンジンのリヤカバー装置が記載されている。キャブマウントブラケットの断面コ字状のアッパメンバには、断面コ字状に形成されたサイドメンバが垂直に固着されており、そのサイドメンバはフレームに締結されている。アッパメンバ及びサイドメンバには、エンジンの後方に対する騒音を防止するためのリヤカバーが固定されている。
ところで、キャブを車体フレームによって下方から支持している車両では、キャブの安定性を確保するために車体フレームの剛性を確保することが必要とされる。しかし、キャブの後方には架装が搭載される場合があり、キャブと架装との間のスペースには上記特許文献1に記載のように、キャブの後部を支持するキャブマウントブラケット(キャブリヤメンバ)や、エンジンからの後方への騒音を防止するためのリヤカバーが設けられる場合があるので、キャブの後方のスペースが狭く、キャブの後方側で車体フレームの剛性を確保することが難しい。
そこで、本開示は、キャブの後方側で車体フレームの剛性を確保することが可能な車両の車体フレーム補強構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、前後方向に延びる左右1対のサイドメンバを有する車体フレームの前部の上方にキャブが搭載される車両の車体フレーム補強構造であって、キャブリヤメンバとカバー部材とを備える。キャブリヤメンバは、左右のサイドメンバ間にアーチ状に架け渡されて左右のサイドメンバに固定され、キャブの後部を支持する。カバー部材は、キャブリヤメンバに対して固定されて左右のサイドメンバよりも上方且つキャブリヤメンバのアーチ状の内側の空間を後方から覆う第1パネル部と、第1パネル部の下端から後方へ延びて左右のサイドメンバに対して固定されて左右のサイドメンバ間の空間を上方から覆う第2パネル部とを有する。
上記構成では、カバー部材は、キャブリヤメンバに対して固定されて左右のサイドメンバの上方且つキャブリヤメンバのアーチ状の内側の空間を後方から覆う第1パネル部を有するので、第1パネル部によってキャブリヤメンバを補強することができる。
また、カバー部材は、左右のサイドメンバに対して固定されて左右のサイドメンバ間の空間を上方から覆う第2パネル部を有するので、第2パネル部によって左右のサイドメンバを補強することができる。
また、第2パネル部は、第1パネル部の下端から後方へ延びる。すなわち、カバー部材は、側面視において略L状に形成され、キャブリヤメンバ及び左右のサイドメンバに対して固定される。このため、互いに別体の第1パネル部と第2パネル部とをキャブリヤメンバまたは左右のサイドメンバに対して固定する場合に比べて、第1パネル部及び第2パネル部の変形を抑えることができるので、カバー部材によって左右のサイドメンバを補強することができる。
また、第1パネル部は、左右のサイドメンバよりも上方且つキャブリヤメンバのアーチ状の内側の空間を後方から覆うパネル部であるので、キャブの後方への第1パネル部の突出量を抑えることができる。また、第2パネル部は、第1パネル部の下端から後方へ延びて左右のサイドメンバ間の空間を上方から覆うパネル部であるので、第2パネル部を左右のサイドメンバの上面に沿って配置することができ、左右のサイドメンバよりも上方への第2パネル部の突出量を抑えることができる。
従って、カバー部材をキャブの後方の限られたスペースに配置することができ、キャブの後方側で車体フレームの剛性を確保することができる。
また、第1パネル部は、左右のサイドメンバの上方且つキャブリヤメンバのアーチ状の内側の空間を後方から覆うので、キャブの下方にエンジンが配置されるキャブオーバー型の車両において、キャブの後方へのエンジンからの騒音を第1パネル部によって抑えることができる。
また、第2パネル部は、第1パネル部の下端から後方へ延びて左右のサイドメンバ間の空間を上方から覆うので、キャブオーバー型の車両において、キャブの後方の左右のサイドメンバ間から上方へのエンジンからの騒音を第2パネル部によって抑えることができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の車両の車体フレーム補強構造であって、カバー部材の第1パネル部は、前後方向の一方側の面から突出した状態で第1パネル部の車幅方向の一側の下端から他側の上方へ延びる第1補強リブと、上記一方側の面から突出した状態で第1パネル部の上記他側の下端から上記一側の上方へ延びる第2補強リブとを有する。第1補強リブと第2補強リブとは、互いに交叉した略X状に形成される。
上記構成では、カバー部材の第1パネル部は、互いに交叉した略X状に形成される第1補強リブと第2補強リブとを有するので、第1補強リブと第2補強リブとによって第1パネル部を強固に補強して、車体フレームの剛性を確保することができる。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または上記第2の態様の車両の車体フレーム補強構造であって、カバー部材は、第1パネル部の車幅方向の両端部から前方へ延びてキャブリヤメンバの車幅方向両側の車幅方向外側面に対して固定される左右の第1フランジ部と、第2パネル部の車幅方向の両端部から下方へ延びて左右のサイドメンバの車幅方向外側面に対して固定される左右の第2フランジ部とを有する。左右の第1フランジ部の下端側と左右の第2フランジ部の前端側とは連続している。
上記構成では、第1パネル部の車幅方向の両端部から前方へ延びる左右の第1フランジ部の下端側と、第2パネル部の車幅方向の両端部から下方へ延びる左右の第2フランジ部の前端側とが連続しているので、左右の第1フランジ部と左右の第2フランジ部とによって第1パネル部及び第2パネル部を更に補強して、車体フレームの剛性を確保することができる。
本開示によれば、キャブの後方側で車体フレームの剛性を確保することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る車体フレーム補強構造を適用する車両1は、キャブ2が概ねエンジン3の上方に配置されるキャブオーバー型の車両1であって、車体フレーム4を有する。
図2及び図3に示すように、車体フレーム4は、車幅方向両側で前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ5と、車幅方向に延びて左右のサイドメンバ5を連結する複数のクロスメンバ6(図2及び図3には1つのクロスメンバ6のみが図示されている。)とによって梯子状に形成される。エンジン3は、車体フレーム4の前部の左右のサイドメンバ5間に配置され、左右のサイドメンバ5に支持される。エンジン3の後方には、トランスミッション7が連結されている。このように、左右のサイドメンバ5間には、エンジン3からの駆動力を車輪側へ伝えるパワートレインが配置されて前後方向に延びている。
キャブ2は、箱状に形成され、その前端下部が車体フレーム4の前端部に下方から支持され(本実施形態では、回転自在に支持され)、キャブ2の後端側は、キャブリヤメンバ8を介して車体フレーム4に支持される。
キャブリヤメンバ8は、車体フレーム4に固定されてキャブ2の後端部を下方から支持する部材であって、エンジン3よりも後方の左右のサイドメンバ5間にアーチ状に架け渡される。キャブリヤメンバ8は、上下方向に延びる左右1対の脚部9と、脚部9の上端部同士を連結する連結部11とを有し、前後方向から見た状態で下方へ開放される略U状に形成される。左右の脚部9の下端部は、左右のサイドメンバ5の車幅方向外側面5aに固定される。左右の脚部9の上端部は、左右のサイドメンバ5よりも上方に配置される。連結部11は、キャブ2の後端部に固定されるキャブリヤマウントブラケット12を下方から弾性支持する。キャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5には、カバー部材10が固定される。
カバー部材10は、エンジン3からキャブ2の後方への騒音を抑える部材であって、起立する第1パネル部13と、第1パネル部13の下端縁13cから後方へ延びる第2パネル部14と、第1パネル部13をキャブリヤメンバ8に固定する左右の横フランジ部15及び上フランジ部16と、第2パネル部14を左右のサイドメンバ5に固定する左右の下フランジ部17とを一体的に有する。なお、図3では、右側の横フランジ部15及び右側の下フランジ部17の図示を省略している。
第1パネル部13は、前後方向と交叉するパネルであって、左右のサイドメンバ5よりも上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆うように配置され、左右の横フランジ部15及び上フランジ部16を介してキャブリヤメンバ8に固定される。第1パネル部13の車幅方向両側及び上側の外縁部の前面は、キャブリヤメンバ8の後面に近接または接触する。第1パネル部13の車幅方向両側の外縁13aは、キャブリヤメンバ8の左右の脚部9の車幅方向の外縁に沿って上下方向に延びる。第1パネル部13の上側の外縁13bは、キャブリヤメンバ8の連結部11の上側の外縁に沿って車幅方向に延びる。左右の横フランジ部15は、第1パネル部13の左右に対称的に設けられ、第1パネル部13の車幅方向両側の外縁13aから曲折して前方へ延びる。左右の横フランジ部15は、第1パネル部13の車幅方向両側の外縁13aに沿って上下方向に延び、キャブリヤメンバ8の左右の脚部9の車幅方向外側面に固定される。上フランジ部16は、第1パネル部13の上側の外縁13bから曲折して前方へ延びて、第1パネル部13の上側の外縁13bに沿って車幅方向に延び、キャブリヤメンバ8の連結部11の上面に固定される。なお、キャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間とは、キャブリヤメンバ8の左右の脚部9に車幅方向外側が区画され、且つ連結部11に上方が区画される空間である。また、第1パネル部13に、ルーバー等を有する通気口等を設けてもよい。
第2パネル部14は、上下方向と交叉するパネルであって、第1パネル部13の下端縁13cから左右のサイドメンバ5の上面に沿って後方へ延びる。第2パネル部14は、キャブリヤメンバ8よりも後方且つ左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆うように配置され、左右の下フランジ部17を介して左右のサイドメンバ5に固定される。第2パネル部14は、その左右の両側が左右のサイドメンバ5の上面に載置された状態で、左右の下フランジ部17を介して左右のサイドメンバ5に固定され、左右のサイドメンバ5同士を連結する。本実施形態では、第2パネル部14は、トランスミッション7の上方に配置される。第2パネル部14の車幅方向両側の外端部の下面は、左右のサイドメンバ5の上面に近接または接触する。第2パネル部14の車幅方向両側の外縁14aは、左右のサイドメンバ5の車幅方向外側の外縁に沿って前後方向に延びる。左右の下フランジ部17は、第2パネル部14の左右に対称的に設けられ、第2パネル部14の車幅方向両側の外縁14aから曲折して下方へ延びる。左右の下フランジ部17は、第2パネル部14の車幅方向両側の外縁14aに沿って前後方向に延び、左右のサイドメンバ5の車幅方向外側面5aに固定される。なお、第2パネル部14に、ルーバー等を有する通気口等を設けてもよい。
上記構成では、カバー部材10の第1パネル部13は、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆う状態でキャブリヤメンバ8に対して固定されている。このため、第1パネル部13によってキャブリヤメンバ8を補強することができる。
また、カバー部材10の第2パネル部14は、左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆う状態で左右のサイドメンバ5に対して固定されている。このため、第2パネル部14によって左右のサイドメンバ5を補強することができる。
また、カバー部材10の第2パネル部14は、第1パネル部13の下端縁13cから後方へ延びる。すなわち、カバー部材10は、側面視において略L状に形成され、キャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5に対して固定される。このため、互いに別体の第1パネル部13と第2パネル部14とをキャブリヤメンバ8または左右のサイドメンバ5に対して固定する場合に比べて、第1パネル部13及び第2パネル部14の変形を抑えることができるので、カバー部材10によって左右のサイドメンバ5を補強することができる。
このように、カバー部材10によってキャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5を補強することができるので、左右のサイドメンバ5間にエンジン3が搭載されることによってクロスメンバ6を配置することが難しい車体フレーム4の前廻り区間の剛性(捩じり剛性や曲げ剛性)を確保することができる。
また、カバー部材10の第1パネル部13は、その前面がキャブリヤメンバ8の後面に近接または接触する状態でキャブリヤメンバ8に固定され、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆う。このため、キャブ2の後方への第1パネル部13の突出量を抑えることができる。
また、カバー部材10の第2パネル部14は、その下面が左右のサイドメンバ5の上面に近接または接触する状態で左右のサイドメンバ5に固定され、左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆う。このため、左右のサイドメンバ5よりも上方への第2パネル部14の突出量を抑えることができる。
従って、本実施形態によれば、カバー部材10をキャブ2の後方の限られたスペースに配置することができ、キャブ2の後方側で車体フレーム4の剛性を確保することができる。
また、カバー部材10の第1パネル部13は、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆うので、キャブ2の下方にエンジン3が配置されるキャブオーバー型の車両1において、エンジン3からキャブ2の後方への騒音を第1パネル部13によって抑えることができる。
また、カバー部材10の第2パネル部14は、第1パネル部13の下端縁13cから後方へ延びて左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆うので、キャブオーバー型の車両1において、エンジン3から左右のサイドメンバ5の上方への騒音を第2パネル部14によって抑えることができる。また、第2パネル部14は、トランスミッション7の上方に配置されるので、トランスミッション7から左右のサイドメンバ5の上方への騒音を第2パネル部14によって抑えることができる。
なお、本実施形態では、カバー部材10に複数のフランジ部15,16,17を設け、第1パネル部13及び第2パネル部14をキャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5に対してフランジ部15,16,17を介して固定したが、これに限定されるものではない。例えば、第1パネル部13または第2パネル部14をキャブリヤメンバ8または左右のサイドメンバ5に対してボルト等によって直接的に固定してもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の車体フレーム補強構造は、カバー部材30が第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、カバー部材30は、キャブ2の後方へのエンジン3(図1参照)からの騒音を抑える部材であって、キャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5に対して固定される。カバー部材30は、起立する第1パネル部31と、第1パネル部31の下端縁31cから後方へ延びる第2パネル部32と、第1パネル部31をキャブリヤメンバ8に固定する上フランジ部33と、左右の固定板部34とを一体的に有する。
第1パネル部31は、前後方向と交叉するパネルであって、左右のサイドメンバ5よりも上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆うように配置され、上フランジ部33及び左右の固定板部34を介してキャブリヤメンバ8に固定される。第1パネル部31の車幅方向両側及び上側の外縁部の前面は、キャブリヤメンバ8の後面に近接または接触する。第1パネル部31の車幅方向両側の外縁31aは、キャブリヤメンバ8の左右の脚部9の車幅方向の外縁に沿って上下方向に延びる。第1パネル部31の上側の外縁31bは、キャブリヤメンバ8の連結部11の上側の外縁に沿って車幅方向に延びる。上フランジ部33は、第1パネル部31の上側の外縁31bから曲折して前方へ延びて、第1パネル部31の上側の外縁31bに沿って車幅方向に延び、キャブリヤメンバ8の連結部11の上面に固定される。第1パネル部31の後面(一方側の面)41には、後述する略X状の補強リブ35が設けられる。なお、第1パネル部31に、ルーバー等を有する通気口等を設けてもよい。また、図4では、キャブリヤメンバ8の右側の脚部9、及び第1パネル部31の左側の外縁31aの図示を省略している。
第2パネル部32は、上下方向と交叉するパネルであって、第1パネル部31の下端縁31cから左右のサイドメンバ5の上面に沿って後方へ延びる。第2パネル部32は、キャブリヤメンバ8よりも後方且つ左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆うように配置され、左右の固定板部34を介して左右のサイドメンバ5に固定される。第2パネル部32は、その左右の両側が左右のサイドメンバ5の上面に載置された状態で、左右の固定板部34を介して左右のサイドメンバ5に固定され、左右のサイドメンバ5同士を連結する。本実施形態では、第2パネル部32は、トランスミッション7(図1参照)の上方に配置される。第2パネル部32の車幅方向両側の外端部の下面は、左右のサイドメンバ5の上面に近接または接触する。第2パネル部32の車幅方向両側の外縁32aは、左右のサイドメンバ5の車幅方向外側の外縁に沿って前後方向に延びる。なお、第2パネル部32に、ルーバー等を有する通気口等を設けてもよい。また、図4では、第2パネル部32の左側の外縁32aの図示を省略している。
左右の固定板部34は、車幅方向と交叉する板部であって、第1フランジ部36と、第2フランジ部37と、補強板部38とを一体的に有し、カバー部材30の左右に対称的に設けられる。第1フランジ部36と第2フランジ部37と補強板部38とは、平板状に一体成形される。第1フランジ部36は、第1パネル部31の車幅方向両側の外縁31aから前方へ延びて、キャブリヤメンバ8の左右の脚部9の車幅方向外側面に固定される。第2フランジ部37は、第2パネル部32の車幅方向両側の外縁32aから下方へ延びて、左右のサイドメンバ5の車幅方向外側面5aに固定される。第1フランジ部36の下端側は、第2フランジ部37の前端側に連続している。補強板部38は、側面視において略三角形状に形成される板部であって、補強板部38の前端縁が第1フランジ部36の後端縁に連続し、補強板部38の下端縁が第2フランジ部37の上端縁に連続する。補強板部38の前端縁の上端と下端縁の後端との間には、下方へ膨出するように湾曲する湾曲端縁38aが設けられる。
第1パネル部31の補強リブ35は、第1パネル部31の後面41から後方へ突出する板状のリブであって、第1補強リブ39と第2補強リブ40とを有し、第1補強リブ39と第2補強リブ40とが交叉した略X状に形成される。第1補強リブ39は、第1パネル部31の車幅方向の一側(本実施形態では左側)の下方の角部から他側(本実施形態では右側)の上方へ直線状に延びる。第2補強リブ40は、第1パネル部31の車幅方向の上記他側の下方の角部から上記一側の上方へ直線状に延びる。本実施形態では、第1補強リブ39及び第2補強リブ40の上端は、左右の固定板部34の第1フランジ部36の上端の近傍に配置される。第1補強リブ39及び第2補強リブ40は、第1パネル部31の後面41の近傍に配置される上端側から下方へ向かうほど前後方向の長さ(リブの高さ)が長くなるように形成される。第1補強リブ39と第2補強リブ40とは、第1パネル部31の車幅方向の略中央で互いに交叉している。
上記構成では、カバー部材30の第1パネル部31は、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆う状態でキャブリヤメンバ8に対して固定されている。このため、第1パネル部31によってキャブリヤメンバ8を補強することができる。
また、カバー部材30の第2パネル部32は、左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆う状態で左右のサイドメンバ5に対して固定されている。このため、第2パネル部32によって左右のサイドメンバ5を補強することができる。
また、カバー部材30は、側面視において略L状に形成され、キャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5に対して固定される。このため、互いに別体の第1パネル部31と第2パネル部32とをキャブリヤメンバ8または左右のサイドメンバ5に対して固定する場合に比べて、第1パネル部31及び第2パネル部32の変形を抑えることができるので、カバー部材30によって左右のサイドメンバ5を補強することができる。
また、カバー部材30の第1パネル部31は、その前面がキャブリヤメンバ8の後面に近接または接触する状態でキャブリヤメンバ8に固定され、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆う。このため、キャブ2の後方への第1パネル部31の突出量を抑えることができる。
また、カバー部材30の第2パネル部32は、その下面が左右のサイドメンバ5の上面に近接または接触する状態で左右のサイドメンバ5に固定され、左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆う。このため、左右のサイドメンバ5よりも上方への第2パネル部32の突出量を抑えることができる。
また、カバー部材30の第1パネル部31は、略X状の補強リブ35を有する。補強リブ35の第1補強リブ39は、第1パネル部31の車幅方向の一側の下方の角部から他側の上方へ直線状に延び、第2補強リブ40は、第1パネル部31の車幅方向の上記他側の下方の角部から上記一側の上方へ直線状に延びる。このため、第1補強リブ39と第2補強リブ40とによって第1パネル部31を強固に補強して、車体フレーム4の剛性を確保することができる。
また、左右の固定板部34の第1フランジ部36の下端側は、第2フランジ部37の前端側に連続しているので、第1パネル部31及び第2パネル部32を一体化された第1フランジ部36と第2フランジ部37とによって更に補強することができ、車体フレーム4の剛性を確保することができる。
また、左右の固定板部34は、第1フランジ部36の後端縁と第2フランジ部37の上端縁との間に配置される補強板部38を有するので、カバー部材30の第1パネル部31及び第2パネル部32を左右の固定板部34によって更に補強することができ、車体フレーム4の剛性を確保することができる。
また、第1補強リブ39及び第2補強リブ40は、第1パネル部31の後面41の近傍に配置される上端側から下方へ向かうほど前後方向の長さ(リブの高さ)が長くなるように形成される。このように、第1補強リブ39及び第2補強リブ40の上端側を第1パネル部31の後面41の近傍に配置することによって、第1補強リブ39及び第2補強リブ40の高さを抑えているのでカバー部材30の後方への突出量を抑えることができる。
従って、本実施形態によれば、カバー部材30をキャブ2の後方の限られたスペースに配置することができ、キャブ2の後方側で車体フレーム4の剛性を確保することができる。
また、カバー部材30の第1パネル部31は、左右のサイドメンバ5の上方且つキャブリヤメンバ8のアーチ状の内側の空間を後方から覆うので、キャブ2の下方にエンジン3が配置されるキャブオーバー型の車両1において、エンジン3からキャブ2の後方への騒音を第1パネル部31によって抑えることができる。
また、カバー部材30の第2パネル部32は、第1パネル部31の下端縁31cから後方へ延びて左右のサイドメンバ5間の空間を上方から覆うので、キャブオーバー型の車両1において、エンジン3から左右のサイドメンバ5の上方への騒音を第2パネル部32によって抑えることができる。また、第2パネル部32は、トランスミッション7の上方に配置されるので、トランスミッション7から左右のサイドメンバ5の上方への騒音を第2パネル部32によって抑えることができる。
なお、本実施形態では、第1パネル部31の補強リブ35を、第1パネル部31の後面41側から後方へ突出させたが、これに限定されるものではなく、第1パネル部31の前面側から前方へ突出させてもよい。
また、本実施形態では、第1パネル部31の補強リブ35の第1補強リブ39及び第2補強リブ40を、上方から下方へ向かうほど前後方向の長さ(リブの高さ)が長くなるように形成したが、これに限定されるものではなく、補強リブ35の前後方向の長さを任意の長さに設定することができる。
また、本実施形態では、第1パネル部31の補強リブ35の第1補強リブ39及び第2補強リブ40を、下端から上端まで直線状に延ばしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第1補強リブ39及び第2補強リブ40を、下端と上端との間で曲折させてもよい。
また、本実施形態では、第1パネル部31に補強リブ35を設けたが、補強リブ35を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、左右の固定板部34の第1フランジ部36と第2フランジ部37とを一体成形することによって、第1フランジ部36の下端側と第2フランジ部37の前端側とを連続させたが、これに限定されるものではない。例えば、互いに離間した第1フランジ部36の下端側と第2フランジ部37の前端側とを他のパネル部材を固定することによって互いに連結させてもよい。
また、本実施形態では、第1フランジ部36の下端側と第2フランジ部37の前端側とを連続させたが、これに限定されるものではなく、上記第1実施形態の左右の横フランジ部15及び左右の下フランジ部17と同様に、第1フランジ部36の下端側と第2フランジ部37の前端側とを連続させなくてもよい。
また、本実施形態では、左右の固定板部34に補強板部38を設けたが、補強板部38を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材30に上フランジ部33及び左右の固定板部34を設け、第1パネル部31及び第2パネル部32をキャブリヤメンバ8及び左右のサイドメンバ5に対して上フランジ部33及び左右の固定板部34を介して固定したが、これに限定されるものではない。例えば、第1パネル部31または第2パネル部32をキャブリヤメンバ8または左右のサイドメンバ5に対してボルト等によって直接的に固定してもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、キャブリヤメンバ8を、互いに別体に成形された左右の脚部9と連結部11とを固定することによってU状に形成したが、これに限定されるものではなく、U状に一体成形されたキャブリヤメンバ8であってもよい。
本開示に係る車両の車体フレーム補強構造は、車体フレームの上方にキャブが搭載される車両に広く適用することができる。
1:車両
2:キャブ
4:車体フレーム
5:左右1対のサイドメンバ
8:キャブリヤメンバ
10,30:カバー部材
13,31:第1パネル部
14,32:第2パネル部
36:第1フランジ部
37:第2フランジ部
39:第1補強リブ
40:第2補強リブ
2:キャブ
4:車体フレーム
5:左右1対のサイドメンバ
8:キャブリヤメンバ
10,30:カバー部材
13,31:第1パネル部
14,32:第2パネル部
36:第1フランジ部
37:第2フランジ部
39:第1補強リブ
40:第2補強リブ
Claims (3)
- 前後方向に延びる左右1対のサイドメンバを有する車体フレームの前部の上方にキャブが搭載される車両の車体フレーム補強構造であって、
前記左右のサイドメンバ間にアーチ状に架け渡されて前記左右のサイドメンバに固定され、前記キャブの後部を支持するキャブリヤメンバと、
前記キャブリヤメンバに対して固定されて前記左右のサイドメンバよりも上方且つ前記キャブリヤメンバのアーチ状の内側の空間を後方から覆う第1パネル部と、前記第1パネル部の下端から後方へ延びて前記左右のサイドメンバに対して固定されて前記左右のサイドメンバ間の空間を上方から覆う第2パネル部とを有するカバー部材と、を備えた
ことを特徴とする車両の車体フレーム補強構造。 - 請求項1に記載の車両の車体フレーム補強構造であって、
前記カバー部材の前記第1パネル部は、前後方向の一方側の面から突出した状態で前記第1パネル部の車幅方向の一側の下端から他側の上方へ延びる第1補強リブと、前記一方側の面から突出した状態で前記第1パネル部の前記他側の下端から前記一側の上方へ延びる第2補強リブとを有し、
前記第1補強リブと前記第2補強リブとは、互いに交叉した略X状に形成される
ことを特徴とする車両の車体フレーム補強構造。 - 請求項1または請求項2に記載の車両の車体フレーム補強構造であって、
前記カバー部材は、前記第1パネル部の車幅方向の両端部から前方へ延びて前記キャブリヤメンバの車幅方向両側の車幅方向外側面に対して固定される左右の第1フランジ部と、前記第2パネル部の車幅方向の両端部から下方へ延びて前記左右のサイドメンバの車幅方向外側面に対して固定される左右の第2フランジ部とを有し、
前記左右の第1フランジ部の下端側と前記左右の第2フランジ部の前端側とは連続している
ことを特徴とする車両の車体フレーム補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020089177A JP2021183443A (ja) | 2020-05-21 | 2020-05-21 | 車両の車体フレーム補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020089177A JP2021183443A (ja) | 2020-05-21 | 2020-05-21 | 車両の車体フレーム補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021183443A true JP2021183443A (ja) | 2021-12-02 |
Family
ID=78767030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020089177A Pending JP2021183443A (ja) | 2020-05-21 | 2020-05-21 | 車両の車体フレーム補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021183443A (ja) |
-
2020
- 2020-05-21 JP JP2020089177A patent/JP2021183443A/ja active Pending
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