JP2021183326A - 線状異物除去装置および線状異物が除去された異物除去対象の製造方法 - Google Patents

線状異物除去装置および線状異物が除去された異物除去対象の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目的とする線状異物除去対象から細長い線状異物を効率的に除去することのできる、新規な線状異物除去装置を提供する。【解決手段】液体を含まない異物除去対象Oに含まれた線状異物Pを整列させて除去する、線状異物除去装置40であって、周壁14を有して中心軸回りで回転可能な円筒形の整列装置本体12と、周壁14を厚さ方向で貫通して整列装置本体12の中心軸L方向に延び、且つ周壁14の周方向に相互に離隔して並列配置された、複数の細長い除去孔16と、を備え、整列装置本体12は、中心軸L回りの回転により、周壁14に載置された線状異物Pを含む異物除去対象Oを繰り返し転動させて、転動により線状異物Pを中心軸L方向に整列させるものであり、周壁14を貫通する複数の除去孔16は、中心軸L方向に整列された線状異物Pが挿通可能で、異物除去対象Oは挿通不能な大きさを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば海産物や農産物等の食品等から線状の異物を除去するための線状異物除去装置および線状異物が除去された異物除去対象の製造方法に関するものである。
従来から、採取や収穫した海産物や農産物等から異物を除去するための異物除去装置が知られている。このような異物除去装置は、例えば特開2007−43906号公報(特許文献1)等において提案されている。
すなわち、特許文献1には、パンチングメタル等からなる微小孔を備えた洗浄槽が示されており、洗浄槽へ採取した原藻と海水を入れて撹拌及び洗浄することで、原藻に付着した微小汚物(微小異物)が微小孔を通じて排水と共に排出されるようになっている。このような異物除去装置を、例えば農産物に適用した場合には土や泥、虫等を除去することができると共に、海産物に適用した場合には微小なエビや小魚、ごみ等を除去することができる。
ところで、例えば海産物の場合、除去すべき異物としては、上記の微小なエビや小魚、ごみ等だけでなく、魚網片(網繊維)や釣糸(テグス)等の細長い異物もあった。農産物の場合でも、農業用ネット等の網片(網繊維)といった細長い異物の混入が問題となる場合もあった。
特開2007−43906号公報
ところが、上記特許文献1のように洗浄槽に円形の微小孔を設ける場合、微小孔の直径が細長い線状異物の長さ寸法よりも小さく、上記の如き細長い異物を除去することが困難となるおそれがあった。一方、洗浄槽に設けられる円形の貫通孔を、細長い線状異物が通過できる程の直径をもって形成すると、貫通孔が大きくなり過ぎて、目的とする海産物や農産物まで洗浄槽から排出されるおそれがあった。
本発明の解決課題は、目的とする線状異物除去対象から細長い線状異物を効率的に除去することのできる、新規な線状異物除去装置および線状異物が除去された異物除去対象の製造方法を提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第1の態様は、液体を含まない異物除去対象に含まれた線状異物を整列させて除去する、線状異物除去装置であって、周壁を有して中心軸回りで回転可能な円筒形の整列装置本体と、前記周壁を厚さ方向で貫通して前記整列装置本体の中心軸方向に延び、且つ前記周壁の周方向に相互に離隔して並列配置された、複数の細長い除去孔と、を備え、前記整列装置本体は、前記中心軸回りの回転により、前記周壁に載置された前記線状異物を含む前記異物除去対象を繰り返し転動させて、前記転動により前記線状異物を前記中心軸方向に整列させるものであり、前記周壁を貫通する前記複数の除去孔は、前記中心軸方向に整列された前記線状異物が挿通可能で、前記異物除去対象は挿通不能な大きさを有する、ものである。
本態様の線状異物除去装置によれば、円筒形の整列装置本体が、中心軸回りで回転可能であり、整列装置本体の周壁には、中心軸方向に延びる複数の細長い除去孔が、厚さ方向に貫通して設けられている。そして、整列装置本体が中心軸回りに回転すると、周壁に載置された異物除去対象は、周壁の回動に伴って上方に移動した後、重力により下方に落下するという転動を繰り返す。その結果、異物除去対象に含まれる線状異物は、線状異物の重心の上下動が少なくなる安定方向である線状異物の長手方向が中心軸方向に向かって沿うように整列されることとなる。すなわち、整列装置本体は、中心軸回りの回転により、線状異物を中心軸方向に整列させる機能を果たすものである。なお、繰り返しの転動により、線状異物が中心軸方向に延びる除去孔に当接することも、線状異物を中心軸方向に整列させ得る。
さらに、整列装置本体の周壁には、中心軸方向に延びる複数の細長い除去孔が貫設されており、除去孔は、線状異物が挿通可能で、異物除去対象は挿通不能な大きさを有している。それゆえ、整列装置本体の回転により中心軸方向に整列された線状異物は、除去孔を挿通して周壁の外部に除去され、異物除去対象から線状異物を除去することが可能となる。このように、本態様の線状異物除去装置は、除去されるべき線状異物を整列させる整列機としての機能と除去されるべき線状異物を異物除去対象から分離する分離機としての機能を、1つの装置で併せ持つものである。このような2つの機能により、異物除去対象から線状異物を効率的に除去することが可能となるのである。
加えて、本態様の線状異物除去装置による異物除去対象は、液体を含まないものであることから、除去すべき線状異物を含んだ乾燥した状態の海産物や農産物等である。したがって、前述の特許文献1のような水(海水)を用いない。それゆえ、本態様の線状異物除去装置は、乾燥食品、例えば海産物では乾燥させたヒジキやワカメ、シラス、煮干し等の乾燥した海産物から線状異物を除去することに適用可能である。さらに、液体を含まない異物除去対象には農産物も含まれ、農産物に含まれる線状異物を除去するためにも、有利に用いることができる。特に、液体を含まない乾燥した状態の異物除去対象に用いることで、異物除去対象と線状異物の絡まりが解消又は低減されることから、整列装置本体の回動に伴い生じる線状異物を含む異物除去対象全体の繰り返しの転動により、異物除去対象に含まれる線状異物の中心軸方向の整列および除去孔からの除去が、より効率良く達成され得る。
第2の態様は、第1の態様に記載された線状異物除去装置において、前記整列装置本体の一端側が他端側より上方に位置するように傾斜配置されており、前記一端側に前記線状異物を含む前記異物除去対象の投入口が設けられており、前記他端側に前記線状異物が除去された前記異物除去対象の回収口が設けられている、ものである。
本態様によれば、整列装置本体が、中心軸方向の一端側が他端側よりも上方に位置するように傾斜配置されていることから、一端側の投入口から投入される異物除去対象に含まれる線状異物に対して、滑動による整列作用を発現することができる。すなわち、線状異物は、整列装置本体の一端側(上方)から他端側(下方)に向かって重力の作用により滑動することとなる。周壁に設けられた除去孔は中心軸方向に細長く延びていることから、線状異物は、その長手方向が滑動に際して摩擦が少ない向きである中心軸方向となるように整列することとなる。それゆえ、整列装置本体の傾斜により、線状異物の中心軸方向への整列を一層有利に実現することができる。加えて、傾斜角度を調整することにより、異物除去対象の状態に合わせた処理量や処理精度を設定することも可能となる。加えて、傾斜配置された整列装置本体の一端側に投入された異物除去対象は、重力により整列装置本体の他端側に設けられた回収口に自動的に送られることから、異物除去対象に対する連続的な異物除去処理が可能となる。
第3の態様は、第2の態様に記載された線状異物除去装置において、前記整列装置本体の前記中心軸の接地面に対する傾斜角度αが、5°≦α≦15°に設定されている、ものである。
整列装置本体の中心軸の接地面(水平面)に対する傾斜角度αは、5°≦α≦15°に設定されることが好ましく、より好ましくは8°≦α≦12°に設定される。5°より小さいと線状異物の軸方向への滑動が生じ難く、線状異物の滑動による整列作用が得られ難く、15°より大きいと線状異物の滑動速度が大きくなり過ぎて、整列装置本体の回転により線状異物の繰り返しの転動により整列作用が得られ難いからである。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記整列装置本体の前記中心軸回りの回転速度は、10回/分〜20回/分である、ものである。
本態様によれば、整列装置本体の中心軸周りの回転速度が、10回/分〜20回/分の範囲に設定されていることから、目的とする網繊維等の線状異物の転動による整列作用を一層有利に生じさせることができ、除去孔からの線状異物の除去が有利に促進される。回転速度が、10回/分より小さいと、繰り返しの転動による線状異物の中心軸方向への整列作用を得難くなり、20回/分より大きいと、線状異物に加わる遠心力が大きくなり過ぎ、重力による線状異物の落下およびそれに伴う重心移動による中心軸方向への整列効果が得難くなるからである。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記複数の除去孔の周方向幅寸法が、前記周壁の内周側に比べて外周側の方が大きくされている、ものである。
本態様では、除去孔を外周側になるにつれて幅広に形成することで、除去孔内に入り込んだ線状異物が除去孔を通過しやすく、除去孔が線状異物で詰まるおそれが低減され得る。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記周壁が、前記周方向に所定の隙間を隔てて均等配置されて前記中心軸方向に三角形断面で延びる複数のウェッジワイヤを含んで構成されており、各前記ウェッジワイヤは、三角形断面の底辺が前記周壁の内面を構成するように配置されており、前記周方向で隣接する前記ウェッジワイヤ間の隙間により、前記複数の除去孔が構成されている、ものである。
本態様によれば、中心軸方向に延びる複数のウェッジワイヤを周方向で均等配置することにより、ウェッジワイヤの底辺を利用して整列機として機能する円筒状の整列装置本体の周壁を構成できる。しかも、ウェッジワイヤ間の隙間を利用して分離機として機能する線状異物の除去孔も同時に構成できて、本発明の線状異物除去装置を効率的に形成することができる。しかも、ウェッジワイヤの断面形状を利用して周壁の内周側から外周側に向かって除去孔の周方向幅寸法を大きくすることも可能であり、第5の態様に記載の線状異物除去装置も一層効率的に構成することができる。
さらに、周壁の内面を構成するウェッジワイヤの底辺の両側縁が整列装置本体の中心軸方向に延びていることから、線状異物の転動を、ウェッジワイヤの底辺の両側縁への引っ掛かりにより一層効率的に発生させることができる。加えて、第2の態様と組み合わされる場合、整列装置本体の傾斜方向上方から下方に向かう線状異物の滑動も、ウェッジワイヤの底辺の両側縁に沿う滑りにより一層効率的に発生させることができる。その結果、転動と滑動による線状異物の整列装置本体の中心軸方向への整列効果を一層有利に発現することができ、除去孔からの線状異物の除去を促進することができる。
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、各前記除去孔における前記周壁の内周側の周方向幅寸法が、0.8mm〜1.2mmの範囲内に設定されている、ものである。
本態様のように各除去孔の内周側の周方向幅寸法を所定の数値範囲に設定することで、所望の異物除去対象に適した線状異物除去装置を提供することができる。例えば、各除去孔の内周側の周方向幅寸法を上記範囲内に設定することで、ヒジキに適した線状異物除去装置を提供することもできる。
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、各前記除去孔における前記周壁の内周側の周方向幅寸法に比べて、各前記除去孔における前記整列装置本体の前記中心軸方向の寸法が10倍以上とされている、ものである。
本態様では、各除去孔が細長く形成されることから、除去すべき細長い線状異物に対して除去孔が大きくなり過ぎるおそれが一層低減され得る。また、各除去孔の周方向幅寸法を小さく設定することで、複数の除去孔を周方向で並列的に設ける場合にも、周壁において複数の除去孔をスペース効率良く形成することができて、より多くの除去孔を設けることも可能となる。これにより、異物除去の効率を向上させることもできる。
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記整列装置本体の前記周壁の内周側には、前記中心軸回りで鉛直方向下端である0°の位置から回転方向に向かって180°の位置に至る領域は、前記線状異物の重力により落下を許容する空間であり、他の部材が配置されていない、ものである。
円筒状の整列装置本体の周壁の内周側の回転方向で0°から180°に至る領域が、他の部材が配置されていない空間であることから、周壁に沿って上方に移動した線状異物を含む異物除去対象の重力による落下が途中で妨げられることがない。それゆえ、転動による線状異物の中心軸方向への整列作用が安定して発揮される。
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記周壁の内周側から外周側に送風する送風機が、前記整列装置本体の前記周壁の内周側における、前記中心軸回りで270°〜330°の領域に配置されている、ものである。
本態様では、除去すべき線状異物が整列装置本体の内周側に配置された送風機からの送風により中心軸方向に整列された線状異物を、除去孔を挿通して外部に速やかに排除できる。しかも、送風機は、中心軸回りで270°〜330°の領域に配置されていることから、整列装置本体の回転による線状異物の転動や重力による落下が送風機により阻害されることが有利に抑制されている。
第11の態様は、第1から第10のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記周壁の外周側から吸引力を及ぼす吸引器を更に含んで構成されている、ものである。
本態様では、除去すべき線状異物が周壁の外周側から吸引されることから、異物除去の効率が一層向上され得る。
第12の態様は、第1から第11のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置において、前記周壁の内径寸法が、前記周壁の前記中心軸方向の全長に亘って一定である、ものである。
周壁の内径寸法が中心軸方向の全長に亘って一定であることから、転動や滑動による線状異物の中心軸方向への整列作用が、周壁の内面に設けられた突起物等による阻害されることが有利に抑制されており、線状異物の中心軸方向への整列作用が安定して発揮される。
第13の態様は、第1から第12のいずれか1つの態様に記載の線状異物除去装置を用いた、線状異物が除去された異物除去対象の製造方法であって、前記整列装置本体を前記中心軸回りで回転させることで前記線状異物を含む前記異物除去対象を繰り返し転動させて、前記転動により前記線状異物を前記中心軸方向に整列させる整列工程と、前記整列工程により整列された前記線状異物を前記複数の除去孔を通じて除去する除去工程と、を含む、ものである。
本態様では、線状異物が除去された異物除去対象を製造するにあたって、第1から第12のいずれか1つの態様に記載された線状異物除去装置を用いることで、各態様に記載の線状異物除去装置による効果の少なくとも1つを享受することができる。特に、本態様では、整列装置本体を回転させることによって線状異物が整列装置本体内で転動して中心軸方向で整列することから、線状異物を整列させるにあたって特別な操作等を行うことがなく、線状異物の整列および除去が速やかに実現される。
第14の態様は、第13の態様に記載の線状異物が除去された異物除去対象の製造方法において、第2から第12のいずれか1つの態様に記載の線状異物除去装置を用いて、前記投入口に前記線状異物を含む前記異物除去対象を投入して、前記線状異物を含む前記異物除去対象を傾斜配置された前記整列装置本体内を滑動させて前記回収口に自動的に送り、前記線状異物が除去された前記異物除去対象を前記回収口から回収する、ものである。
本態様では、線状異物が除去された異物除去対象を製造するにあたって、整列装置本体が傾斜配置された異物除去装置を採用している。これにより、重力の作用によって、投入口に投入された線状異物を含む異物除去対象を滑動させて、自動的に回収口へ送ることができる。この結果、線状異物の除去処理を連続的に行うことができるだけでなく、滑動による線状異物の整列作用も発揮されて、線状異物の除去処理効率の向上が図られる。
第15の態様は、第14の態様に記載の線状異物が除去された異物除去対象の製造方法において、第10の態様に記載の線状異物除去装置を用いて、前記送風機を、前記整列装置本体における前記回収口側に設置する工程と、前記送風機の送風により、前記整列工程により整列された前記線状異物を前記複数の除去孔の内周側から外周側へ押し出して除去する送風工程と、を含む、ものである。
本態様では、線状異物除去装置が、周壁の中心軸回りで鉛直方向下端を0°とした場合の270°〜330°の領域に配置されて、周壁の内周側から外周側に送風する送風機を備えており、この送風機が、整列装置本体における回収口側に設けられている。これにより、投入口から送風機までの距離を十分に確保することができて、線状異物を転動および/または滑動の作用により、安定して中心軸方向に整列させることができる。そして、送風機の設置箇所までに整列された線状異物が送風機の送風によって除去孔の内周側から外周側へ押し出されて除去される。これにより、線状異物の除去孔からの除去が一層有利に促進されて、周壁の内部に残留する線状異物が除去された異物除去対象を回収口から回収することができる。
本発明に従う線状異物除去装置および線状異物が除去された異物除去対象の製造方法によれば、目的とする異物除去対象から細長い線状異物を効率良く除去することができる。
本発明の第1の実施形態としての線状異物除去装置を概略的に示す正面図。 図1に示された線状異物除去装置を構成する整列装置本体の右側面図。 図1に示された線状異物除去装置の横断面図であって、図1におけるIII−III断面に相当する図。 図2におけるIV−IV断面図。 本発明の第2の実施形態としての線状異物除去装置の横断面図であって、図3に対応する図。 図5に示された線状異物除去装置における整列装置本体を回収口の側から示す斜視図。 図5に示された線状異物除去装置における縦断面図であって、図4に対応する図。 図5に示す第2の実施形態の線状異物除去装置の試作品を図6に対応する斜視で撮影した参考図。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の第1の実施形態としての線状異物除去装置10が示されている。この線状異物除去装置10は、異物除去対象Oに含まれる線状異物Pを中心軸Lの方向に整列させる整列装置本体12を備えている。整列装置本体12は、図2〜4に示されるように略円筒状であり、整列装置本体12が、周方向の略全周に亘って連続して延びる周壁14を有している。周壁14には、所定の大きさの除去孔16が複数形成されており、整列装置本体12を中心軸L回りで回転させることで、図3に示されるように、整列装置本体12の内部に載置された液体を含まない異物除去対象Oから線状異物Pが除去孔16を通じて除去され得る。すなわち、本実施形態の線状異物除去装置10は、線状異物Pを整列させる整列機としての機能と、線状異物Pを異物除去対象Oから分離させて除去する分離機としての機能とを併せ持つものである。
なお、図1〜4は線状異物除去装置10及び整列装置本体12を概略的に示すものであり、線状異物除去装置10及び整列装置本体12の具体的な構造が限定されるものではない。即ち、図1〜4では、例えば除去孔16や後述する接続部30(ウェッジワイヤ)等の周方向寸法や径方向寸法等を誇張して示す場合がある。また、以下の説明において、中心軸方向及び長さ方向とは、整列装置本体12の中心軸Lが延びる図1中の左右方向をいう。
より詳細には、線状異物除去装置10は、整列装置本体12を支持する支持台18と、整列装置本体12を回転させるためのモータ20とを備えている。モータ20には、回転軸22の一端が連結されていると共に、回転軸22の他端が支持台18により支持されている。これにより、回転軸22が、モータ20の駆動により中心軸回りに回転可能とされている。また、回転軸22は、整列装置本体12に対して略同軸的に挿通されており、回転軸22と整列装置本体12とが固定的に連結されている。
回転軸22と整列装置本体12との固定構造は限定されるものではないが、例えば整列装置本体12の長さ方向両端に設けられる後述する環状板部26,26と回転軸22とが、整列装置本体12の径方向に延びる複数(図1,2中では4本)の連結ロッド24により連結されてもよい。このような連結ロッド24は、例えば周方向で略等間隔に設けられ得る。
このような構造とされた線状異物除去装置10においてモータ20を駆動させることで、回転軸22と共に整列装置本体12が、中心軸L回りに回転するようになっている。
なお、整列装置本体12の中心軸L回りの回転速度は限定されるものではないが、例えば好ましくは10回/分〜20回/分とされて、より好ましくは12回/分〜16回/分とされる。整列装置本体12の中心軸L回りの回転速度が10回/分よりも小さいと、後述する整列装置本体12による線状異物Pの整列効果が十分に発揮されないおそれがある。また、整列装置本体12の中心軸L回りの回転速度が20回/分よりも大きいと、線状異物Pを含む異物除去対象Oに作用する遠心力が大きくなり過ぎて、重力による異物除去対象Oの落下や撹拌、およびそれに伴う線状異物Pの整列効果等が十分に発揮されないおそれがある。本実施形態では、整列装置本体12の中心軸L回りの回転速度が、14回/分とされている。
また、整列装置本体12の周壁14には、複数の除去孔16が、周壁14を厚さ方向で貫通して形成されている。本実施形態では、各除去孔16が、整列装置本体12の中心軸方向に延びている。また、各除去孔16が、周壁14の周方向において相互に離隔して並列して設けられている。特に、本実施形態では、各除去孔16が同形状である。
特に、本実施形態では、整列装置本体12の周壁14における長さ方向両端に、環状板部26,26が設けられている。また、整列装置本体12(周壁14)の長さ方向中間部分、即ち両環状板部26,26の対向間には、環状の補強部材28が複数設けられており、整列装置本体12(周壁14)の剛性が向上されている。これら複数の補強部材28は、整列装置本体12(周壁14)の長さ方向で相互に離隔して、略等間隔に設けられている。そして、これら整列装置本体12の長さ方向で隣り合う補強部材28,28間において、上述の複数の除去孔16が設けられている。
具体的には、整列装置本体12(周壁14)の長さ方向で隣り合う補強部材28,28間には、これら補強部材28,28を接続する接続部30が設けられている。本実施形態では、整列装置本体12の長さ方向(中心軸方向)に延びる複数の接続部30が、周方向で略等間隔に設けられており、これら接続部30の周方向間に、整列装置本体12の長さ方向に延びる除去孔16が形成されている。なお、図4の右上の拡大図において、分かり易さのために、除去孔16を灰色で示す。
なお、これら環状板部26、補強部材28、接続部30は、それぞれ鉄等の金属により形成されており、相互に溶接等により固着されることで、整列装置本体12が一体的に形成されている。また、本実施形態では、環状板部26と補強部材28と接続部30とを含んで構成される周壁14の内径寸法が、周壁14の長さ方向で略一定とされている。特に、本実施形態では、周壁14の内径寸法が、中心軸L方向の全長に亘って一定である。即ち、環状板部26の内径寸法と、補強部材28の内径寸法と、複数の接続部30の内周端部を繋ぐ仮想的な円の直径とが略等しくされている。
特に、本実施形態では、図3にも示されるように、接続部30の断面形状が略二等辺三角形とされており、頂点の1つが周壁14の外周端部に位置していると共に、頂点と対向する底辺が周壁14の内周端部に位置している。即ち、本実施形態では、接続部30がウェッジワイヤにより構成されており、換言すれば、周壁14において除去孔16,16の周方向間がウェッジワイヤにより構成されている。したがって、周壁14が、周方向に所定の隙間を隔てて均等配置されて中心軸L方向に三角形断面で延びる複数のウェッジワイヤを含んで構成されており、図3の横断面図にも示されるように、各ウェッジワイヤは、三角形断面の底辺が周壁14の内面を構成するように配置されている。そして、周方向で隣り合う接続部30,30(ウェッジワイヤ)間の隙間により各除去孔16が構成されることから、各除去孔16において周壁14の内周側の周方向幅寸法A(図3,4参照)に比べて、周壁14の外周側の周方向幅寸法B(図3参照)の方が大きくされている。
また、除去孔16の長さ方向寸法C(図4参照)は、除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aよりも大きくされている。除去孔16の長さ方向寸法Cは、限定されるものではないが、例えば除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aの10倍以上や、20倍以上とされ得る。これにより、除去孔16は、図4にも示されるように、径方向視(例えば周壁14の内周側から外周側に向かって見た場合)において、整列装置本体12の中心軸方向に細長い略矩形状とされ得る。すなわち、本実施形態では、各除去孔16において、内周側の周方向幅寸法Aおよび外周側の周方向幅寸法Bは、中心軸L方向で略一定である。なお、各除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aや長さ方向寸法Cは、後述する細長い線状異物Pが整列装置本体12の中心軸L方向に整列された状態において挿通可能であり、且つ異物除去対象Oが挿通不能な大きさに設定される。
これら除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aや外周側の周方向幅寸法B、長さ方向寸法Cは、適用される異物除去対象Oや、除去したい線状異物Pの大きさ等に応じて適宜設定可能であるが、例えば異物除去対象Oが乾燥状態のヒジキである場合、除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aは、0.8mm以上とされることが好適である。除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aが0.8mmより小さい場合、幅寸法が小さくなり過ぎて、線状異物Pを除去しにくくなるおそれがあるからである。また、除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aは、1.2mm以下とされることが好適である。除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aが1.2mmより大きい場合、線状異物Pに対して除去孔16が大きくなり過ぎて、除去孔16を通じて目的となる異物除去対象O(ヒジキ)も落下しやすくなるおそれがあるからである。
さらに、本実施形態の線状異物除去装置10は、図1に示されるように、整列装置本体12における周壁14の外周側から吸引力を及ぼす吸引器32を含んで構成されている。即ち、線状異物除去装置10は、除去された線状異物Pを受ける、例えば略箱状や略皿状、或いは略樋状とされた受部34を備えていてもよい。本実施形態の線状異物除去装置10では、線状異物Pが重力に従って下方に落下することから、受部34は整列装置本体12の下方に設けられる。そして、例えば受部34の底面に吸引器32から延びるチューブ等を開口させることで、整列装置本体12の外部(下方)から吸引器32による負圧を整列装置本体12に対して及ぼすことができる。なお、例えば受部34から吸引器32に至る経路上にはフィルタ等が設けられてもよく、線状異物Pが吸引器32内へ入り込むことが阻止されるようになっていてもよい。また、受部34の形状は限定されるものではなく、例えば整列装置本体12の下方において平面状に広がっていてもよいし、整列装置本体12の下半分を覆うように断面円弧状に広がっていてもよい。更に、このような吸引器32は、支持台18上に載置されてもよいし、支持台18の外部に設けられてもよい。
このような構造とされた線状異物除去装置10の整列装置本体12の内部、即ち周壁14と回転軸22との径方向間に、図3に示されるように異物除去対象Oを載置して、モータ20を駆動させる。これにより、回転軸22及び整列装置本体12(周壁14)が、中心軸L回りに、例えば図3中の白矢印の方向に回転させられる。この結果、異物除去対象Oは、例えば太い二点鎖線で示すように、整列装置本体12(周壁14)の内周面にくっついて整列装置本体12(周壁14)と共に上方に移動して、ある程度の高さまで上昇した後、重力の作用により下方に落下する。この転動作動を繰り返して異物除去対象Oが撹拌される。或いは、異物除去対象Oは、整列装置本体12(周壁14)の回転に対して略移動することなく、整列装置本体12(周壁14)が回転する振動等により撹拌される。このような異物除去対象Oの撹拌の態様は、異物除去対象Oの種類や状態(どの程度乾燥しているか等)により異なるが、何れにしろ、整列装置本体12(周壁14)の中心軸L回りの回転に伴って、異物除去対象Oが撹拌される。
このように異物除去対象Oが撹拌されたり振動が及ぼされたりすることで、異物除去対象Oから線状異物Pが分離する。なお、整列装置本体12に異物除去対象Oを載置した直後の状態では、異物除去対象O内に含まれる細長い線状異物Pが様々な方向を向いて延びているが、整列装置本体12(周壁14)を回転させて上記のように撹拌することで細長い線状異物Pの延びる向きも刻々と変化する。そして、細長い線状異物Pの延びる方向と整列装置本体12の中心軸方向が一致すると、即ち細長い線状異物Pが図3中の紙面直交方向に延びた場合には、線状異物Pに伝達される整列装置本体12の中心軸L回りの回転力が、線状異物Pの延びる方向に沿う線状異物Pの中心軸回りの回転を生じさせ、線状異物Pの延びる向きが整列装置本体12の中心軸L方向に略一致した状態が継続しやすくなる。その結果、線状異物Pの延びる向きと除去孔16の長さ方向とが合致して、除去孔16を通じて線状異物Pが下方に落下して、異物除去対象Oから線状異物Pを除去することができる。
上記の如き構造とされた本実施形態の線状異物除去装置10では、周壁14を貫通して設けられた除去孔16を通じて、異物除去対象Oから細長い線状異物Pを効率的に除去することができる。即ち、例えば異物除去対象O中に、細長い線状異物Pが整列装置本体12の中心軸L方向に直交する方向に延びるように含まれていた場合、異物除去対象Oの撹拌当初は、整列装置本体12の回転に伴って、その延びる方向が大きく変化する。そして、線状異物Pの長さ方向と整列装置本体12の中心軸L方向が一致すると、細長い線状異物Pは、整列装置本体12の中心軸L回りの回転に伴って、例えば図3中において小さい二点鎖線の矢印で示すように整列装置本体12の中心軸Lの方向に沿う線状異物Pの延びる方向を回転軸として回転する。また、線状異物Pが異物除去対象Oと共に整列装置本体12(周壁14)の内周面に沿って移動したとしても、その延びる方向は大きく変わることがない。したがって、異物除去対象Oを撹拌して一度線状異物Pの長さ方向と整列装置本体12の中心軸方向が一致すると、その線状異物Pの長さ方向はそれ以上大きく変わることがなく、撹拌を続けることで、異物除去対象O内で整列装置本体12の中心軸L方向に延びる線状異物Pの割合が多くなる。そして、更なる撹拌に伴って、異物除去対象O内で線状異物Pが、その長さ方向を略変えることなく上下方向で変位することとなり、異物除去対象Oから分離して除去孔16に入り込んだ線状異物Pが除去孔16を通じて整列装置本体12(周壁14)の外部へ除去される。
以下、転動による線状異物Pの整列作用をより詳細に説明する。前述のように、整列装置本体12に異物除去対象Oを載置した状態で整列装置本体12を中心軸L回りに回転させると、異物除去対象Oの上昇と落下、及び/又は整列装置本体12の振動等により繰り返し転動されて、線状異物Pが異物除去対象O内で撹拌される。その際、線状異物Pの中心軸方向が整列装置本体12の中心軸L方向とは異なる場合、線状異物Pが異物除去対象O内で転がり、線状異物Pの重心の上下方向の変位量が大きくなる。一方で、線状異物Pが異物除去対象O内で撹拌されて、線状異物Pの中心軸方向が整列装置本体12の中心軸L方向と一致することで、整列装置本体12の中心軸L回りの回転力を線状異物Pへ中心軸回りの回転として作用させることができて、線状異物Pの重心の上下方向の変位量を小さく抑えることができる。ここにおいて、一般に、物体は、重力の作用により下方に引かれることから、上方への変位量が小さい、換言すれば上下方向の変位量が小さい状態の方が安定している。それゆえ、線状異物Pが異物除去対象O内で、線状異物Pの中心軸方向と整列装置本体12の中心軸L方向とが一致すると、その状態で安定して、この安定状態が維持されることとなる。そして、整列装置本体12の中心軸L回りの回転を続けることによって、線状異物Pの中心軸方向が整列装置本体12の中心軸L方向と一致した安定状態の割合が次第に増えて、線状異物Pの中心軸方向が整列装置本体12の中心軸L方向に整列させられる。
なお、整列装置本体12による線状異物Pの整列作用は、上記のような重力による線状異物Pの上下方向変位量の抑制だけでなく、例えば整列装置本体12の中心軸L方向に延びる除去孔16の側縁部によっても実現される。すなわち、異物除去対象O内で撹拌される線状異物Pが整列装置本体12の中心軸L方向に延びる除去孔16の側縁部に引っ掛かることで、線状異物Pの向きが中心軸L方向に揃えられやすく、整列装置本体12の中心軸L回りの回転を続けることによって、線状異物Pの中心軸方向を次第に整列装置本体12の中心軸L方向に整列させることができる。また、前述のように、異物除去対象Oの撹拌の態様は、異物除去対象Oの種類や状態により異なるが、整列装置本体12の中心軸L回りの回転速度を適切に設定することにより、適度な遠心力を線状異物Pを含む異物除去対象Oに及ぼすことができて、整列装置本体12の中心軸L回りの回転に伴って周壁14と共に上方に移動して重力の作用に従い下方に落下するという異物除去対象Oの撹拌効果を安定して得ることができる。すなわち、異物除去対象Oが略移動されることなく撹拌されることを抑制し、よりダイナミックに撹拌して、線状異物Pの向きの変化を促進することもできる。
そして、整列装置本体12を、所定時間または所定回数だけ中心軸L回りに回転させた後、整列装置本体12の回転を停止させることで、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを得ることができる。
すなわち、本実施形態の線状異物除去装置10を用いて異物除去対象Oから線状異物Pを除去する方法、要するに、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを製造する方法は、以下の(1),(2)の工程を含んでいる。
(1)整列装置本体12を中心軸L回りで回転させることで線状異物Pを含む異物除去対象Oを繰り返し転動させて、この転動により線状異物Pを中心軸L方向に整列させる整列工程
(2)上記整列工程により整列された線状異物Pを複数の除去孔16を通じて除去する除去工程
本実施形態の線状異物除去装置10では、整列装置本体12の中心軸L回りの回転に伴って、異物除去対象O中の細長い線状異物Pは、次第にその長さ方向が整列装置本体12の中心軸L方向に揃えられることから、除去孔16を整列装置本体12の中心軸L方向に延びるように設けることで、異物除去対象Oから線状異物Pが効率的に除去され得る。
すなわち、本実施形態の線状異物除去装置10は、整列装置本体12を備えており、単なる分離装置や異物除去装置ではなく、整列装置としての機能も有している。これにより、異物除去対象O中の線状異物Pの向きを、積極的に整列装置本体12の中心軸L方向に整列させることができる。この結果、除去孔16を通じた線状異物Pの除去が、一層効率的に達成され得る。
また、本実施形態の線状異物除去装置10による線状異物Pの除去は、前記特許文献1に記載のような水(海水等を含む)を利用するものではなく、従来公知の濾過器による固液分離とも異なるものである。それゆえ、本実施形態の線状異物除去装置10は、異物除去対象Oが液体を含まない乾燥食品等とされる。特に、異物除去対象Oが液体を含まないものであることで、液体を含んだ湿潤状態の異物除去対象に比べて異物除去対象Oが縮んだりして、異物除去対象Oから線状異物Pが分離しやすくなる。したがって、良品を残しつつ、乾燥状態の異物除去対象Oから線状異物Pをより効率的に除去することができる。
また、本実施形態の線状異物除去装置10では、整列装置本体12における中心軸L回りの回転速度が、10回/分〜20回/分の範囲内に設定されている。これにより、整列装置本体12内において、異物除去対象Oの撹拌を効率的に生じさせて、線状異物Pの整列および除去孔16を通じた線状異物Pの除去を安定して行うことができる。
さらに、本実施形態では、除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aに比べて外周側の周方向幅寸法Bの方が大きくされている。これにより、除去孔16に入り込んだ線状異物Pが周壁14の外部へ抜けやすく、除去孔16を詰まりにくくすることができる。
このような内周側の周方向幅寸法Aに比べて外周側の周方向幅寸法Bの方が大きくされた除去孔16は、周方向で隣り合う除去孔16,16間に位置する接続部30が略三角形断面からなるウェッジワイヤにより構成されることで、簡単に形成され得る。また、各除去孔16は、整列装置本体12の中心軸L方向に延びており、異物除去対象Oの撹拌によって線状異物Pが各除去孔16の側縁部、即ちウェッジワイヤの両側縁部に引っ掛かることによっても線状異物Pの向きが整列装置本体12の中心軸L方向に揃えられることから、周壁14を構成するウェッジワイヤによっても線状異物Pの整列効果が発揮される。
更にまた、除去孔16は、周方向幅寸法Aよりも長さ方向寸法Cが大きくされており、例えば内周側から外周側を見た場合に略矩形状とされている。これにより、細長い線状異物Pを除去するに際して除去孔16が大きくなり過ぎることが回避される。特に、例えば除去孔16の長さ方向寸法Cを周方向幅寸法Aの10倍以上とすることで、除去孔16を細長い形状とすることもできる。これにより、除去孔16を周方向で並列して配置しやすくなり、周方向でより多くの除去孔16を配置することで、線状異物Pの除去効率を向上させることも可能である。なお、除去孔16の周方向幅寸法Aや長さ方向寸法Cは限定されるものでなく、異物除去対象Oや線状異物Pに応じて適宜に設定され得る。
また、本実施形態では、整列装置本体12に対して外側から吸引力を及ぼす吸引器32が設けられていることから、除去孔16を通じた線状異物Pの除去がより効率的に達成され得る。
さらに、本実施形態では、整列装置本体12における周壁14の内径寸法が、中心軸L方向の全長に亘って一定とされている。これにより、整列装置本体12を中心軸L回りに回転させて異物除去対象Oを撹拌する際に、例えば周壁の内周面に突部が設けられる場合に比べて、撹拌が部分的に生じなかったり不均一となることが抑制されて、異物除去対象Oを略均一に撹拌することができる。さらに、線状異物Pの整列が、内周面の突部に衝突して阻害されることが防止される。この結果、整列装置本体12による線状異物Pの整列および除去孔16を通じての線状異物Pの除去が安定して実現され得る。
更にまた、本実施形態の線状異物除去装置10を用いた、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを製造する方法によれば、整列装置本体12を中心軸L回りに回転させることで線状異物Pを中心軸L方向に整列させることができて、線状異物Pを中心軸L方向に整列させるに際して特別な操作を行う必要がなく、除去孔16を通じての線状異物Pの除去が速やかに実現され得る。
次に、図5〜7には、本発明の第2の実施形態としての線状異物除去装置40が示されている。本実施形態における線状異物除去装置40の全体的な構成は、第1の実施形態における線状異物除去装置10と同様であるが、いくつかの相違点があり、以下の説明では、第1の実施形態との相違点について詳細に説明すると共に、本実施形態の線状異物除去装置40において第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位には、図中に、第1の実施形態と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。なお、本出願人は、本実施形態に係る線状異物除去装置40を試作しており、その試作品の写真を図8に示す。
すなわち、第1の実施形態では、モータ20により整列装置本体12に挿通された回転軸22を回転させることで、整列装置本体12を中心軸L回りに回転させていたが、本実施形態では、図5,7中に二点鎖線で示すように、整列装置本体12の外周側に、整列装置本体12の中心軸Lと同方向の中心軸L’を有する複数の駆動用車輪42が、整列装置本体12への当接状態で配置されている。そして、これら複数の駆動用車輪42を、例えば図示しないモータ等で同一の周方向(図5中の小さい二点鎖線の矢印参照)に同期して回転させることで、整列装置本体12を中心軸L回りに回転させるようになっている。本実施形態では、複数の駆動用車輪42が、整列装置本体12の中心軸L方向両端部に設けられた環状板部26,26と一体的に形成された補強部材28,28の外周面に当接するように配置されている。このような駆動用車輪42は、例えば整列装置本体12を支持する支持台18に設けられる。これにより、本実施形態では、整列装置本体12を回転させる部材が整列装置本体12の外部に設けられており、整列装置本体12の内部には、他の部材が略配置されない状態となっている。
また、本実施形態では、図7に示されるように、線状異物除去装置40の使用時には、整列装置本体12が、水平方向に広がる接地面43に対して傾斜するようになっている。具体的には、図7に示されるように、整列装置本体12の中心軸Lが、接地面43に平行な水平方向線Fに対して傾斜角度αだけ傾いている。傾斜角度αの大きさは限定されるものではないが、例えば5°≦α≦15°であることが好適であり、より好ましくは8°≦α≦12°とされる。傾斜角度αが5°より小さいと、後述する滑動作用による線状異物Pの整列効果が十分に得られないおそれがある。また、傾斜角度αが15°より大きいと、線状異物Pの滑動の速度が速くなり過ぎて、線状異物Pの整列効果が十分に得られなかったり、除去孔16を通じての線状異物Pの除去が十分になされないおそれがある。本実施形態では、傾斜角度αが10°とされている。
そして、整列装置本体12を水平方向に対して傾斜して配置することで、整列装置本体12の一端側(図7中の左端側)が他端側(図7中の右端側)よりも上方に位置しており、整列装置本体12において上方に位置する図7中の左端側(一端側)に線状異物Pを含む異物除去対象Oの投入口44が設けられていると共に、下方に位置する図7中の右端側(他端側)に線状異物Pが除去された異物除去対象Oの回収口46が設けられている。これら投入口44および回収口46の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、何れも略樋状である。すなわち、本実施形態では、図7中の左方から右方に向かって、線状異物Pを含む異物除去対象Oが移動する。投入口44や回収口46の底面はベルトコンベアとされて投入口44や回収口46上に位置する異物除去対象Oが移動方向に自動的に送り出されるようになっていてもよい。また、整列装置本体12は、例えば使用時に図7中の左端を上昇させたり右端を下降させることで所定の角度の傾斜状態とすることができる。このような整列装置本体12の上昇や下降は、例えば油圧ジャッキ等、従来公知の昇降手段が採用され得る。
さらに、本実施形態では、整列装置本体12の周壁14に対して、異物除去対象Oの回収側となる図7中の右側から、送風機48が挿入されて設置されている。特に、本実施形態では、送風機48が、図5中の横断面において鉛直方向下方を0°とした場合、整列装置本体12の中心軸L回りの回転方向において、270°〜330°の範囲内の領域、即ち図5中の横断面において左下の領域に配置されている。なお、送風機48が、270°〜330°の範囲内に配置されるとは、例えば送風機48において整列装置本体12に挿入されて中心軸L方向に延びる管状部分の中心軸が270°〜330°の範囲内に配置されていればよく、送風機48の全体が270°〜330°の範囲内に配置される必要はない。この送風機48には、図5中の左斜め下に図示しない開口部が設けられており、周壁14の内周側から外周側に向かって、図5,6中の黒矢印や図8中の白矢印で示す方向に送風することができる。なお、整列装置本体12への送風機48の中心軸L方向の挿入量は比較的小さくされており、異物除去対象Oの撹拌や線状異物Pの整列が問題なく生じるようになっている。特に、図5に示される横断面において、送風機48が、整列装置本体12における周壁14の内周側で、中心軸L回りの回転方向で270°〜330°の範囲内の領域に設けられることで、少なくとも0°(下方)から180°(上方)の位置に至る領域は、他の部材が配置されない空間50である。
本実施形態の線状異物除去装置40では、第1の実施形態と同様に線状異物Pの転動作用に加えて、線状異物Pの滑動作用によっても線状異物Pにおける中心軸L方向の整列が実現される。以下、滑動による線状異物Pの整列作用について詳細に説明する。すなわち、前述のように、整列装置本体12が水平方向に対して傾斜していることから、線状異物Pは、整列装置本体12の回転や振動によって撹拌されつつ、中心軸L方向に移動する。ここにおいて、線状異物Pの中心軸方向が整列装置本体12の中心軸L方向とは異なる場合には、中心軸Lと交差する方向において線状異物Pと整列装置本体12との接触面積が大きくなる。これにより、線状異物Pが中心軸L方向に移動する際の線状異物Pと整列装置本体12との摩擦が大きくなって、線状異物Pにおける整列装置本体12の中心軸L方向に沿った滑動が生じにくくなっている。一方、第1の実施形態に記載の転動作用等により線状異物Pの中心軸方向と整列装置本体12の中心軸L方向とが一致すると、中心軸Lと交差する方向において線状異物Pと整列装置本体12との接触面積が小さくなる。これにより、線状異物Pが中心軸L方向に移動する際の線状異物Pと整列装置本体12との摩擦が小さくなって、線状異物Pにおける整列装置本体12の中心軸L方向に沿った滑動が生じやすくなる。この結果、線状異物Pの転動および滑動によって、次第に線状異物Pの向きが中心軸L方向に揃えられて、線状異物Pが除去孔16を通じて除去される。
また、本実施形態では、整列装置本体12における回収口46側の端部(図7中の右端部)付近に、周壁14の内周側から外周側に向かって送風する送風機48が設けられている。この送風機48には、外周側に向かって開口が設けられており、当該開口を通じて異物除去対象Oに送風して、異物除去対象Oから線状異物Pを、除去孔16を通じて除去することができる。これにより、例えば線状異物Pを、図5中において中心軸Lを中心として整列装置本体12の回転方向で315°の方向(図5中の左下)に除去して、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを0°の方向(図5中の下方)から回収することができる。なお、図示は省略するが、本実施形態においても、第1の実施形態における吸引器32および受部34を採用することが可能であり、送風機48による送風と吸引器32による吸引を組み合わせて、線状異物Pを除去することも可能である。
特に、本実施形態では、送風機48が、図5中において中心軸Lを中心として整列装置本体12の回転方向で270°〜330°の範囲内に設けられており、0°〜180°は、他の部材が設けられていない空間50とされている。したがって、この空間50において、周壁14の内周面に沿って上昇した異物除去対象Oが重力により落下することができて、異物除去対象Oの撹拌および線状異物Pの整列が安定して実現され得る。
また、本実施形態では、整列装置本体12の水平方向に対する傾斜角度αが、5°≦α≦15°に設定されている。これによって、滑動作用により線状異物Pを整列させるだけでなく、投入口44から回収口46まで異物除去対象Oを自動的に移動させることができて、異物除去作業の効率の向上が図られる。
特に、本実施形態では、線状異物Pの転動作用と滑動作用を組み合わせることで、線状異物Pを整列装置本体12の中心軸L方向に整列させている。要するに、本実施形態では、特定の範囲内における整列装置本体12の水平方向に対する傾斜角度αと、特定の範囲内における整列装置本体12の回転速度とを組み合わせて採用することで、より良好な整列効果を発揮し得たのである。すなわち、傾斜角度αと回転速度の好適な組み合わせに対して、例えば傾斜角度αが大きくなると(すなわち、回転速度が相対的に小さくなると)転動作用により線状異物Pが中心軸L方向に整列して除去される前に回収口46まで滑動してしまうおそれがある。また、傾斜角度αと回転速度の好適な組み合わせに対して、例えば回転速度が大きくなると(すなわち、傾斜角度αが相対的に小さくなると)遠心力の作用を受けやすくなって、例えば重力による下方への落下が生じにくくなり、異物除去対象Oの撹拌や整列が十分になされないおそれがある。なお、本実施形態における整列装置本体12の好適な回転速度は、例えば第1の実施形態と同様とされて、好ましくは10回/分〜20回/分とされる。
そして、本実施形態の線状異物除去装置40を用いて線状異物Pが除去された異物除去対象Oを製造する方法は、第1の実施形態に記載の(1)整列工程と(2)除去工程に加えて、以下の工程(3)〜(5)を含んでいる。
(3)投入口44に線状異物Pを含む異物除去対象Oを投入して、線状異物Pを含む異物除去対象Oを傾斜配置された整列装置本体12内を滑動させて回収口46に自動的に送り、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを回収口46から回収する工程
(4)送風機48を周壁14の中心軸L回りで270°〜330°の領域内であって整列装置本体12の回収口46側に設置する工程
(5)上記(2)の除去工程において送風機48により周壁14の内周側から外周側に送風することで、上記(1)の整列工程により整列された線状異物Pを複数の除去孔16の内周側から外周側に押し出して除去する工程
本実施形態の線状異物除去装置40を用いた、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを製造する方法が上記(3)の工程を含んでいることにより、滑動作用により線状異物Pを中心軸L方向に整列させるだけでなく、投入口44から回収口46まで異物除去対象Oを自動的に送ることができて、連続的な異物除去処理が可能となり、線状異物Pの除去効率が向上される。また、本実施形態の線状異物除去装置40を用いた、線状異物Pが除去された異物除去対象Oを製造する方法が上記(4),(5)の工程を含んでいることにより、除去孔16を通じた線状異物Pの除去が送風機48による送風により促進されて、線状異物Pの除去効率が向上される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
例えば、前記実施形態では、複数の除去孔16が、整列装置本体12の周方向の全周において均等に配置されていたが、不均等に配置されてもよく、中心軸L方向に延びる複数の除去孔は任意のパターンで設けることができる。
また、前記実施形態では、周壁14の長さ方向両端に環状板部26,26が設けられて、これらの環状板部26,26間に複数の補強部材28が設けられていたが、これらの補強部材は必須なものではない。即ち、例えば補強部材が設けられることなく、環状板部間に延びる除去孔が周方向で複数設けられてもよい。
更にまた、前記実施形態では、全ての除去孔16が同形状とされて、周方向幅寸法Aよりも長さ方向寸法Cの方が大きくされていたが、部分的に形状が異ならされてもよく、例えば長さ方向寸法Cよりも周方向幅寸法Aの方が大きい除去孔を含んでいてもよい。
また、前記実施形態では、接続部30が略三角形断面のウェッジワイヤにより構成されて、除去孔16の内周側の周方向幅寸法Aに比べて外周側の周方向幅寸法Bの方が大きくされていたが、例えば接続部が略矩形断面とされて除去孔の内周側の周方向幅寸法Aと外周側の周方向幅寸法Bが略等しくされてもよい。或いは、除去孔の外周側の周方向幅寸法Bに比べて、内周側の周方向幅寸法Aの方が大きくされてもよい。
なお、除去孔の内周側の周方向幅寸法Aに比べて外周側の周方向幅寸法Bの方が大きくされる場合であっても、接続部は略三角形断面のウェッジワイヤによって構成される必要はない。例えば、接続部の断面が略台形状であってもよく、即ち接続部の外周端部が所定の周方向寸法を有していてもよい。また、前記実施形態では、環状板部26と補強部材28と接続部30(ウェッジワイヤ)が溶接により固着されて一体化されていたが、金属製の筒状体に対してレーザー加工等を施して除去孔を形成するようにしてもよく、即ち整列装置本体12(周壁14)は一体として形成されてもよい。
更にまた、前記実施形態では、整列装置本体12に吸引器32や受部34、送風機48が設けられていたが、これらは必須なものではなく、吸引器や受部、送風機は設けられなくてもよい。
前記実施形態では、異物除去対象Oとして乾燥状態のヒジキを例示したが、異物除去対象は海産物だけでなく、例えば農産物であってもよい。なお、本発明において液体を含まない異物除去対象とは、液体に浸漬等されていない、いわゆる乾燥状態の海産物や農産物をいい、異物除去対象は、内部に水分(液体)を含んでいてもよい。
10 線状異物除去装置(第1の実施形態)
12 整列装置本体
14 周壁
16 除去孔
18 支持台
20 モータ
22 回転軸
24 連結ロッド
26 環状板部
28 補強部材
30 接続部(ウェッジワイヤ)
32 吸引器
34 受部
40 線状異物除去装置(第2の実施形態)
42 駆動用車輪
43 接地面
44 投入口
46 回収口
48 送風機
50 空間
F 水平方向線
L (整列装置本体の)中心軸
L’ (駆動用車輪の)中心軸
O 異物除去対象
P 線状異物

Claims (15)

  1. 液体を含まない異物除去対象に含まれた線状異物を整列させて除去する、線状異物除去装置であって、
    周壁を有して中心軸回りで回転可能な円筒形の整列装置本体と、
    前記周壁を厚さ方向で貫通して前記整列装置本体の中心軸方向に延び、且つ前記周壁の周方向に相互に離隔して並列配置された、複数の細長い除去孔と、を備え、
    前記整列装置本体は、前記中心軸回りの回転により、前記周壁に載置された前記線状異物を含む前記異物除去対象を繰り返し転動させて、前記転動により前記線状異物を前記中心軸方向に整列させるものであり、
    前記周壁を貫通する前記複数の除去孔は、前記中心軸方向に整列された前記線状異物が挿通可能で、前記異物除去対象は挿通不能な大きさを有する、
    線状異物除去装置。
  2. 前記整列装置本体の一端側が他端側より上方に位置するように傾斜配置されており、前記一端側に前記線状異物を含む前記異物除去対象の投入口が設けられており、前記他端側に前記線状異物が除去された前記異物除去対象の回収口が設けられている、請求項1に記載の線状異物除去装置。
  3. 前記整列装置本体の前記中心軸の接地面に対する傾斜角度αが、5°≦α≦15°に設定されている、請求項2に記載の線状異物除去装置。
  4. 前記整列装置本体の前記中心軸回りの回転速度は、10回/分〜20回/分である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  5. 前記複数の除去孔の周方向幅寸法が、前記周壁の内周側に比べて外周側の方が大きくされている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  6. 前記周壁が、前記周方向に所定の隙間を隔てて均等配置されて前記中心軸方向に三角形断面で延びる複数のウェッジワイヤを含んで構成されており、
    各前記ウェッジワイヤは、三角形断面の底辺が前記周壁の内面を構成するように配置されており、
    前記周方向で隣接する前記ウェッジワイヤ間の隙間により、前記複数の除去孔が構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  7. 各前記除去孔における前記周壁の内周側の周方向幅寸法が、0.8mm〜1.2mmの範囲内に設定されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  8. 各前記除去孔における前記周壁の内周側の周方向幅寸法に比べて、各前記除去孔における前記整列装置本体の前記中心軸方向の寸法が10倍以上とされている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  9. 前記整列装置本体の前記周壁の内周側には、前記中心軸回りで鉛直方向下端である0°の位置から回転方向に向かって180°の位置に至る領域は、前記線状異物の重力により落下を許容する空間であり、他の部材が配置されていない、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  10. 前記周壁の内周側から外周側に送風する送風機が、前記整列装置本体の前記周壁の内周側における、前記中心軸回りで270°〜330°の領域に配置されている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  11. 前記周壁の外周側から吸引力を及ぼす吸引器を更に含んで構成されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  12. 前記周壁の内径寸法が、前記周壁の前記中心軸方向の全長に亘って一定である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の線状異物除去装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の線状異物除去装置を用いた、線状異物が除去された異物除去対象の製造方法であって、
    前記整列装置本体を前記中心軸回りで回転させることで前記線状異物を含む前記異物除去対象を繰り返し転動させて、前記転動により前記線状異物を前記中心軸方向に整列させる整列工程と、
    前記整列工程により整列された前記線状異物を前記複数の除去孔を通じて除去する除去工程と、
    を含む、線状異物が除去された異物除去対象の製造方法。
  14. 請求項2から請求項12のいずれか1項に記載の線状異物除去装置を用いて、
    前記投入口に前記線状異物を含む前記異物除去対象を投入して、前記線状異物を含む前記異物除去対象を傾斜配置された前記整列装置本体内を滑動させて前記回収口に自動的に送り、前記線状異物が除去された前記異物除去対象を前記回収口から回収する、請求項13に記載の線状異物が除去された異物除去対象の製造方法。
  15. 請求項10に記載の線状異物除去装置を用いて、
    前記送風機を、前記整列装置本体における前記回収口側に設置する工程と、
    前記送風機の送風により、前記整列工程により整列された前記線状異物を前記複数の除去孔の内周側から外周側へ押し出して除去する送風工程と、
    を含む、請求項14に記載の線状異物が除去された異物除去対象の製造方法。
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