JP2021181277A - 車両のルーフ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーフの剛性を確保できながら、ルーフの前端への衝突による衝撃を吸収できる車両のルーフ構造を提供する。【解決手段】車両のルーフ構造1は、ルーフ10における車両前方にサンルーフ15を備える。ルーフ10は、サンルーフパネル5と、サンルーフパネル5よりも車両前方に配置される前方ルーフパネル2fと、サンルーフパネル2fよりも車両後方に配置される後方ルーフパネル2rとを備える。前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとは、サンルーフパネル5によって分断されると共に、前方ルーフパネル2fにおける上方向からの荷重に対する剛性が後方ルーフパネル2rにおける前記剛性より低い。【選択図】図2

Description

本発明は、サンルーフを備える車両のルーフ構造に関する。
車両のルーフにサンルーフが設けられたサンルーフ付き自動車が知られている。通常、サンルーフを設ける場合、ルーフを構成するルーフパネルに形成された開口部にサンルーフパネルが取り付けられる。特許文献1には、ルーフの前部にフロントサンルーフと、その後部にリヤサンルーフとを備える車両が開示されている。
特開2000−219045号公報
ルーフにおける車両前方にサンルーフを備える車両において、歩行者がルーフの前端に衝突した際に歩行者の傷害値の悪化を抑制することが望まれる。
ルーフの車両前方にサンルーフを設けた場合、ウインドシールドの上端部が取り付けられるルーフパネルの前端部と、サンシェードレールといったサンルーフ用のフレームとの間において剛性が高められる。そのため、ルーフのうち、ルーフの前端側の領域における剛性が高くなる傾向がある。特に、サンルーフがルーフの比較的前方に位置する、具体的には、サンルーフパネルの前端をルーフの前端付近まで拡大すると、上記剛性が更に高くなる。ルーフの前端側の領域における剛性が高くなる理由は次のとおりである。ルーフの車両前方にサンルーフを設けると、ウインドシールドとサンルーフパネルとの間の距離、即ちルーフの前端側の領域における前後方向の長さが短くなる。換言すれば、ルーフの前端側の領域における面積が小さくなる。ルーフの前端側の領域は、その前後をウインドシールドとサンルーフパネルとに挟まれる。また、ルーフの左右両側には、ルーフサイドレールが配置される。ルーフの前端側の領域は、ウインドシールド、サンルーフパネル、ルーフサイドレールといった高剛性の部材によって、その周縁が支持される。そのため、ルーフの前端側の領域における面積が小さいほど、ルーフの前端側の領域は、ルーフの上方向からの荷重に対して変形し難くなる。即ち、ルーフの前端側の領域における剛性が高くなる。サンルーフパネルの前端をルーフの前端付近まで拡大すると、ルーフの前端側の領域における面積がより小さくなるため、ルーフの前端側の領域がより変形し難くなる。
このようにルーフの前端側の領域における剛性が高い構造では、自動車と歩行者との正面衝突時、歩行者がルーフの前端側の領域に衝突した際の傷害値が悪くなることが懸念される。歩行者がルーフの前端に衝突した際に衝撃を吸収できる車両のルーフ構造が求められている。
そこで、ルーフの前端側の領域における剛性を低下させるため、例えばルーフパネル全体の厚さを薄くすると、ルーフに必要な剛性を確保することが困難になるおそれがある。ルーフ全体の剛性が低下すると、ルーフの建付け剛性の低下や、車両走行時のこもり音の発生を招く。
本発明の目的の一つは、ルーフの剛性を確保できながら、ルーフの前端への衝突による衝撃を吸収できる車両のルーフ構造を提供することにある。
(1)本発明の一態様に係る車両のルーフ構造は、
ルーフにおける車両前方にサンルーフを備える車両のルーフ構造であって、
前記ルーフは、
サンルーフパネルと、
前記サンルーフパネルよりも車両前方に配置される前方ルーフパネルと、
前記サンルーフパネルよりも車両後方に配置される後方ルーフパネルと、を備え、
前記前方ルーフパネルと前記後方ルーフパネルとは、前記サンルーフパネルによって分断されると共に、前記前方ルーフパネルにおける上方向からの荷重に対する剛性が前記後方ルーフパネルにおける前記剛性より低い。
上記のルーフ構造は、ルーフの前端への衝突による衝撃を吸収できる。前方ルーフパネルは、上方向からの荷重に対する剛性が後方ルーフパネルに比較して低いため、上方向からの荷重に対して変形し易いといえる。例えば、自動車と歩行者との正面衝突時、歩行者がルーフの前端側の領域に衝突すると、ルーフの前端側の領域を構成する前方ルーフパネルに衝突による上方向からの荷重が作用する。この上方向からの荷重により、前方ルーフパネルが容易に下方に座屈することで、ルーフの前端への衝突による衝撃を吸収できる。その結果、歩行者への衝撃が軽減される。したがって、上記のルーフ構造は、歩行者がルーフの前端に衝突した際に歩行者の傷害値の悪化を抑制できる。
また、上記のルーフ構造は、ルーフの剛性を確保できる。上記のルーフ構造では、後方ルーフパネルの上記剛性が前方ルーフパネルの上記剛性より高いことから、ルーフ全体として最低限必要な剛性を確保することができる。上記のルーフ構造によれば、ルーフの前方にサンルーフが設けられるので、ルーフにおける後方ルーフパネルの面積を大きくとれる。ルーフ全体としての剛性を確保できるので、ルーフの建付け剛性の低下や、車両走行時のこもり音の発生を抑制できる。
上記のルーフ構造は、サンルーフを大型化することができる。上記のルーフ構造では、前方ルーフパネルの上記剛性が相対的に低い。サンルーフパネルの前端をルーフの前端付近まで拡大してサンルーフを大型化しても、歩行者がルーフの前端に衝突した際に前方ルーフパネルが下方へ座屈することによって衝撃を吸収できる。サンルーフパネルの前端をルーフの前端付近まで拡大できるので、見晴らしが良好である。上記のルーフ構造は、小型車に大型のサンルーフを設定する場合に好適である。
図1は、実施形態1に係る車両のルーフ構造を示す概略斜視図である。 図2は、図1のII−II線で切断した部分を示す概略断面図である。 図3は、図1のIII−III線で切断した部分を示す概略断面図である。 図4は、実施形態1に係る車両のルーフ構造の構成を示す概略上面図である。 図5は、実施形態1に係る車両のルーフ構造の構成を示す概略分解斜視図である。 図6は、実施形態1に係る車両のルーフ構造に備えるヘッダパネルを示す概略斜視図である。
本発明の実施形態に係る車両のルーフ構造の具体例を、図面を参照して説明する。各図において、同一又は相当する部材には同じ符号を付している。図中、「FR」は車両の前方、「RR」は車両の後方、「LH」は車両の左方、「RH」は車両の右方、「UP」は車両の上方、「LWR」は車両の下方を示す。前後方向は車長方向に相当する。左右方向は車幅方向に相当する。以下、単に、前方、後方等と呼ぶことがある。
図1は、ルーフ10における車両前方の領域を左上方から見た斜視図である。図2は、ルーフ10の車幅方向の中央を通り、車幅方向に直交する平面で切断した部分断面図である。図3は、ルーフ10における車両前方の領域であって、右側部分を車長方向に直交する平面で切断した部分断面図である。図4は、ルーフ10における車両前方の領域を上方から見た平面図である。図5は、ルーフ10における車両前方の領域であって、右側部分を左上方から見た斜視図である。図1、図2、図4、図5では、後方ルーフパネル2rのうち、前端部の近傍の領域のみを示す。また、図4、図5では、サンルーフパネル5を省略して示す。
図6は、ヘッダパネル3を左上方から見た斜視図である。図6では、ヘッダパネル3において、前方ルーフパネル2f(図2)に向かい合って配置される内面が見え、この内面に対向する外面、即ち車内側に臨む内装面は見えない。また、図6では後壁部32が見えない。
[実施形態1]
<概要>
実施形態1に係るルーフ構造1は、図1に示すように、自動車の車体上部を構成するルーフ10にサンルーフ15を備える。ルーフ10は、車体側部を構成するサイドパネル6によって支持されている。
サイドパネル6は、車体の左右のそれぞれに配置されている。各サイドパネル6は、車体上部において前後方向に延びるルーフサイドレール61と、ルーフサイドレール61に連結される各種のピラー62とを備える。図1では、前方に位置するピラー62がフロントピラー62fであり、後方に位置するピラー62がセンターピラー62cである。フロントピラー62fとルーフ10の前端縁によって囲まれる開口部には、ウインドシールド8が取り付けられる。
実施形態1のルーフ構造1は、ルーフ10における車両前方にサンルーフ15を備える。ここでいう「ルーフ10における車両前方」とは、ルーフ10の前後方向の中央よりも車両前方に位置する部分である。前後方向の中央は、ルーフ10の全長を二等分する中間位置である。ルーフ10の全長は、ルーフ10の最前部と最後部との間の車長方向に沿った距離である。本例では、サンルーフ15は、センターピラー62cよりも車両前方に位置する。
ルーフ10は、サンルーフ15を構成するサンルーフパネル5と、前方ルーフパネル2fと、後方ルーフパネル2rとを備える。前方ルーフパネル2fは、サンルーフパネル5よりも車両前方に配置される。後方ルーフパネル2rは、サンルーフパネル5よりも車両後方に配置される。換言すれば、サンルーフパネル5は、前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとの間に配置される。
実施形態1のルーフ構造1では、ルーフ10は、前方から順に並ぶ前方ルーフパネル2f、サンルーフパネル5及び後方ルーフパネル2rにより構成されている。前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとは、サンルーフパネル5によって分断されている。つまり、前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとはつながっておらず、各々のルーフパネル2f,2rはそれぞれ独立している。
特に、実施形態1のルーフ構造1では、前方ルーフパネル2fにおける上方向からの荷重に対する剛性が後方ルーフパネル2rにおける上記剛性より低い。以下では、上記剛性を「上方向の剛性」と呼ぶことがある。実施形態1のルーフ構造1では、ルーフ10の構成部位によって、上述の上方向の剛性が異なり、特に前方ルーフパネル2fが上方向からの荷重によって変形し易い。実施形態1のルーフ構造1は、通常時には適切な剛性を確保しつつ、正面衝突時には上方向からの荷重に対する前方ルーフパネル2fの変形容易性を利用して、前方ルーフパネル2fを下方に座屈させる。
以下、ルーフ構造1の構成について詳細に説明する。
(サンルーフパネル)
サンルーフパネル5は、図1に示すように、ルーフ10における車両前方に設けられる。サンルーフパネル5は、ルーフ10の車幅方向の全幅にわたって延びており、左右のルーフサイドレール61間に架け渡される。サンルーフパネル5は、透明なガラスや樹脂などの光透過性を有する板材で構成されている。本例のサンルーフパネル5はガラス板で構成されている。サンルーフパネル5の平面形状は矩形状である。サンルーフパネル5は、その少なくとも一部がルーフ10の車両前方に位置すればよい。例えば、サンルーフパネル5の全体がルーフ10の車両前方に位置していてもよいし、サンルーフパネル5の一部がルーフ10の車両前方に位置し、残部がルーフ10の車両後方に及んでいてもよい。
図2に示すように、サンルーフパネル5の内側、即ち車室1R側には、サンシェード7を取り付けるためのサンシェードレール75が設けられる。本例のサンシェード7は、車室1R側から見て、サンルーフパネル5の全体を覆う面積を有する板材である。サンシェードレール75は、車室1R側から見て、枠状に構成されている。サンシェード7は、サンシェードレール75に沿って前後方向に移動可能である。後方ルーフパネル2rの内側、即ち車室1R側であって、サンシェードレール75の後側には、サンシェード収納部材76が設けられている。後方ルーフパネル2rとサンシェード収納部材76とは離間して配置されている。サンシェード7を後方に移動させたとき、サンシェード7が後方ルーフパネル2rとサンシェード収納部材76との間の空間に収納される。
本例では、サンルーフパネル5の前端部は、図2に示すように、前方ルーフパネル2fの後端部に固定される。具体的には、サンルーフパネル5の前端部は、後述する後方のルーフ側フランジ部24に接着部37を介して固定される。一方、サンルーフパネル5の後端部は、後方ルーフパネル2rの前端部に固定される。具体的には、サンルーフパネル5の後端部は、後方ルーフパネル2rの前端フランジ部26に接着部39を介して固定される。サンルーフパネル5の左右両端部は、図1に示すように、左右のルーフサイドレール61に連結されている。具体的には、サンルーフパネル5の左右両端部は、後述する図3に示すサンルーフリインフォース51に接着部52を介して固定される。
(ルーフサイドレール)
ルーフサイドレール61は、図1に示すように、ルーフ10の左右両側にそれぞれ配置され、前後方向に沿って延びる。左右のルーフサイドレール61は、ルーフ10の左右の角部を構成する。ルーフサイドレール61は、各ピラー62によって支持されている。
本例のルーフサイドレール61は、図3に示すように、サイドパネル6(図1)の車外側を構成するサイドアウタパネル63と、サイドアウタパネル63の内側、即ち車室1R側に設けられるルーフサイドインナパネル64とを備える。ルーフサイドレール61は、サイドアウタパネル63とルーフサイドインナパネル64とによって筒状に形成され、車長方向に直交する切断面において閉断面を有する。更に、サイドアウタパネル63とルーフサイドインナパネル64との間の空間には、ルーフサイドリインフォース65が配置されている。サイドアウタパネル63、ルーフサイドインナパネル64及びルーフサイドリインフォース65は、代表的には、鋼板といった金属板で構成されている。
各ルーフサイドレール61を構成するサイドアウタパネル63の上端部には、車幅方向の内側に向かって突出する上端フランジ部63fが設けられている。ルーフサイドインナパネル64の上端部は、上端フランジ部63fの下側に、ルーフサイドリインフォース65の上端部を挟んで接合される。ルーフサイドインナパネル64の下端部は、ルーフサイドリインフォース65の下端部を挟んで、サイドアウタパネル63の内側の面に接合される。上端フランジ部63fの上側には、サンルーフリインフォース51が接合される。接合には、スポット溶接、焼抜き栓溶接(SPW)等の溶接が利用できる。図3では、右側のルーフサイドレール61及びサンルーフリインフォース51のみ示すが、左側のルーフサイドレール61及びサンルーフリインフォース51も右側と同様である。
(サンルーフリインフォース)
本実施形態では、図3に示すように、サンルーフパネル5の左右両端部の下側に車長方向に沿ってそれぞれ配置されるサンルーフリインフォース51を備える。サンルーフリインフォース51は、代表的には、鋼板からなる帯状の金属板で構成されている。左右のサンルーフリインフォース51には、接着部52を介して、サンルーフパネル5の左右両端部がそれぞれ接合される。左右のサンルーフリインフォース51における各々の幅は、各ルーフサイドレール61における上端フランジ部63fの幅より大きい。ここでいう幅とは、車幅方向に沿った長さをいう。そのため、サンルーフリインフォース51の車幅方向の一部のみが上端フランジ部63fに重複して配置される。つまり、サンルーフリインフォース51の一部のみが上端フランジ部63fの上側に接合されることで、サンルーフリインフォース51がルーフサイドレール61によって支持されている。例えば、左右のサンルーフリインフォース51のうち、図3に示す右側のサンルーフリインフォース51では、サンルーフリインフォース51の右端部が上端フランジ部63fに接合される。
サンルーフリインフォース51の前後方向の長さは、サンルーフパネル5の前後方向の長さより若干大きい。図4に示すように、左右のサンルーフリインフォース51の前端部及び後端部はそれぞれ、前方ルーフパネル2fの左右両側の後端部、及び後方ルーフパネル2rの左右両側の前端部に重なる位置まで延びている。換言すれば、サンルーフリインフォース51は、前方ルーフパネル2fの後端部と後方ルーフパネル2rの前端部との間に架け渡されるように配置される。左右のサンルーフリインフォース51の前端部は、図5に示すように、後述するヘッダパネル3の左右両端部の上側に接合される。具体的には、ヘッダパネル3における後端フランジ部34に接合される。また、左右のサンルーフリインフォース51の後端部は、後述するルーフクロス66の左右両端部の上側に接合される。つまり、サンルーフリインフォース51の前端部及び後端部はそれぞれ、ヘッダパネル3及びルーフクロス66によって支持されている。図5では、右側部分のみ示すが、左側部分の構造も右側と同様である。
(前方ルーフパネル)
前方ルーフパネル2fは、図1に示すように、ルーフ10の前端側の領域に配置される。前方ルーフパネル2fは、左右のルーフサイドレール61間に架け渡される。前方ルーフパネル2fは、代表的には、鋼板といった金属板で構成されている。前方ルーフパネル2fの左右両端部は、左右のルーフサイドレール61に連結されている。具体的には、前方ルーフパネル2fの左右両端部は、各ルーフサイドレール61の上端フランジ部63f(図3)の上側に接合される。
本例の前方ルーフパネル2fは、図2に示すように、本体部20と、前壁部及び後壁部と、ルーフ側フランジ部23,24とを備える。前方ルーフパネル2fを車幅方向に直交する平面で切断した断面形状は、ハット状である。本体部20は、車幅方向に延びる帯状の領域である。前壁部及び後壁部は、本体部20の前後方向の端部、即ち前端部及び後端部からそれぞれ立設されている。ルーフ側フランジ部23,24はそれぞれ、前壁部、後壁部から互いに離れる方向に延設されている。つまり、前方のルーフ側フランジ部23は、前壁部から前方に向かって延びる。後方のルーフ側フランジ部24は、後壁部から後方に向かって延びる。
前方のルーフ側フランジ部23には、接着部38を介して、ウインドシールド8の上端部が固定される。後方のルーフ側フランジ部24には、接着部37を介してサンルーフパネル5の前端部が固定される。
また、図4に示すように、本例の前方ルーフパネル2fの左右両側は後方に向かって若干延びている。前方ルーフパネル2fの左右両側における後端部、具体的には後方のルーフ側フランジ部24は、左右のサンルーフリインフォース51の前端部の上側に接合されている。
本実施形態では、図2に示すように、前方ルーフパネル2fの内側、即ち車室1R側にヘッダパネル3を備える。ヘッダパネル3は、前方ルーフパネル2fの下側に車幅方向に沿って配置される。ヘッダパネル3は、ルーフ10の前端側の領域における内装面を構成する。ヘッダパネル3における車幅方向の中央部には、インナーミラー90(図6)が取り付けられる。
ヘッダパネル3の詳細は後述する。
(後方ルーフパネル)
後方ルーフパネル2rは、図1に示すように、ルーフ10の後方側の領域に配置される。図1では、後方ルーフパネル2rの後端は図示を省略しているが、後方ルーフパネル2rは、例えばCピラーやDピラーなどのリヤピラーに対応する位置まで配置されている。本例では、Cピラーに対応する位置に後方ルーフパネル2rの後端が配置される。後方ルーフパネル2rは、左右のルーフサイドレール61間に架け渡される。後方ルーフパネル2rは、代表的には、鋼板といった金属板で構成されている。後方ルーフパネル2rの左右両端部は、左右のルーフサイドレール61に連結されている。具体的には、後方ルーフパネル2rの左右両端部は、各ルーフサイドレール61の上端フランジ部63f(図3)の上側に接合される。
後方ルーフパネル2rの前端部には、図2に示すように、前端フランジ部26が設けられている。前端フランジ部26は、サンルーフパネル5の後端部の下側に重複して配置される。前端フランジ部26には、接着部39を介して、サンルーフパネル5の後端部が固定される。
後方ルーフパネル2rの前端部の下側近傍には、図2に示すように、車幅方向に延びるルーフクロス66が配置されている。ルーフクロス66は、左右のセンターピラー62c(図1)間に架け渡される。ルーフクロス66は、代表的には、鋼板からなる帯状の金属板で構成されている。ルーフクロス66の左右両端は、左右のセンターピラー62cに接合される。ルーフクロス66の前端部の上側に後方ルーフパネル2rの前端フランジ部26が接合されることで、後方ルーフパネル2rの前端部がルーフクロス66に支持されている。
また、図4に示すように、本例の後方ルーフパネル2rの左右両側は前方に向かって若干延びている。後方ルーフパネル2rの左右両側における前端部、具体的には前端フランジ部26は、左右のサンルーフリインフォース51の後端部の上側に接合されている。
(前方ルーフパネルと後方ルーフパネルの剛性)
前方ルーフパネルと後方ルーフパネルとは、上述の上方向の剛性が異なる。具体的には、前方ルーフパネル2fの上記剛性が後方ルーフパネル2rの上記剛性より低い。前方ルーフパネル2fの上記剛性が後方ルーフパネル2rの上記剛性より低くくなる構成としては、前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rにおいて、例えば、(a)厚さが異なる、(b)材質が異なる、(c)構造が異なるなどが挙げられる。具体的には、上記(a)厚さが異なる構成では、前方ルーフパネル2fの厚さが後方ルーフパネル2rの厚さよりも薄い。上記(b)材質が異なる構成では、前方ルーフパネル2fの材質の強度が後方ルーフパネル2rの材質の強度よりも低い。材質の強度の代表例としては、引張強度が挙げられる。上記(c)構造が異なる構成では、前方ルーフパネル2fの構造強度が後方ルーフパネル2rの構造強度よりもを低い。前方ルーフパネルの構造強度が低くなる構成としては、例えば、前方ルーフパネル2fに凹ビードや溝などを格子状に設け、前方ルーフパネル2fを局所的に薄くすることが挙げられる。凹ビードや溝は、前方ルーフパネル2fの車外側から車室1R側に窪むように形成される。本実施形態では、前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとがそれぞれ独立した部材で構成されているため、前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとで、厚さ、材質、構造を異ならせることは容易である。
上記(a)〜(c)の構成のうち、一つだけ備えてもよいし、複数を組み合わせて備えてもよい。代表的には、(a)厚さが異なる構成、及び(b)材質が異なる構成のうち、少なくとも一方の構成を備えることが挙げられる。より好ましくは、(a)厚さが異なる構成を少なくとも備えることが挙げられる。上記(a)の構成は、各々のルーフパネル2f、2rの板厚を変えるだけであるので、容易である。
本例では、前方ルーフパネル2fの厚さが後方ルーフパネル2rの厚さより薄い。前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとは、材質及び構造が実質的に同じである。例えば、前方ルーフパネル2fの厚さは、後方ルーフパネル2rの厚さの50%以上90%以下、更に60%以上80%以下が挙げられる。また、本例では、サンルーフリインフォース51の厚さは、前方ルーフパネル2f及び後方ルーフパネル2rの双方の厚さより厚い。サンルーフリインフォース51の材質は、前方ルーフパネル2f及び後方ルーフパネル2rの材質と実質的に同じである。
(ヘッダパネル)
ヘッダパネル3は、図2に示すように、本体部30と、前壁部31及び後壁部32と、前端フランジ部33及び後端フランジ部34とを備える。ヘッダパネル3を車幅方向に直交する平面で切断した断面形状は、ハット状である。本例のヘッダパネル3は、一様な厚さを有する金属板にプレス成形等を施すことで成形された一体成型物である。従って、ヘッダパネル3の厚さはヘッダパネル3の全体にわたって一様である。本例のヘッダパネル3の幅は、ヘッダパネル3の前後方向の長さより大きい。つまり、ヘッダパネル3は横長である。ヘッダパネル3の左右両端は、左右のフロントピラー62f(図1)や左右のルーフサイドレール61(図5)に接合される。
〈本体部〉
本体部30は、前方ルーフパネル2fに対応して、車幅方向に沿って配置される帯状の領域である。図2に示すように、本体部30は、前方ルーフパネル2fの本体部20と離間して対向配置される。本体部30の幅は、本体部30の前後方向の長さより大きい。但し、本体部30の前後方向に沿った大きさは、前壁部31及び後壁部32における前後方向に沿った大きさより大きい。
図6に示すように、本体部30における車室1R側には、インナーミラー90が設けられる。本例では、本体部30の車幅方向の中央にインナーミラー90が設けられ、その両側にそれぞれサンバイザー91が設けられている。
〈前壁部及び後壁部〉
前壁部31及び後壁部32は、図2に示すように、本体部30における前後方向の端部からそれぞれ前方ルーフパネル2f側に向かって延びる。本体部30の前端部及び後端部からそれぞれ立設される。前壁部31及び後壁部32によって、本体部30は、前方ルーフパネル2fから車室1R側に張り出すように設けられる。
〈フランジ部〉
前端フランジ部33及び後端フランジ部34はそれぞれ、前壁部31、後壁部32の上端縁から互いに離れる方向に延設される。つまり、前端フランジ部33は、前壁部31から前方に向かって延びる。後端フランジ部34は、後壁部32から後方に向かって延びる。前端フランジ部33及び後端フランジ部34はそれぞれ、前方ルーフパネル2fのルーフ側フランジ部23,24に接合される。
本例では、前端フランジ部33における前壁部31から前後方向に沿った突出長さが前方ルーフパネル2fの前方のルーフ側フランジ部23における前壁部から前後方向に沿った突出長さより短い。換言すれば、前方のルーフ側フランジ部23における前後方向に沿った突出長さがヘッダパネル3の前端フランジ部33における前後方向に沿った突出長さより長い。ルーフ側フランジ部23の一部のみが前端フランジ部33に重複して配置される。ルーフ側フランジ部23の他部は、前端フランジ部33に接合されない。そのため、図2に示すように、前端フランジ部33の前縁とルーフ側フランジ部23の前縁とが揃えられて、前端フランジ部33とルーフ側フランジ部23とが接合されると、内角330,230が前後方向にずれる。具体的には、ルーフ側フランジ部23の内角230は、前端フランジ部33の内角330より後方に位置する。内角330は、前端フランジ部33と前壁部31との角部である。内角230は、ルーフ側フランジ部23と前方ルーフパネル2fの前壁部との角部である。
内角330,230における前後方向のずれ長さは、適宜選択できる。本例では、上記ずれ長さは、前方ルーフパネル2fが上方向からの荷重を受けた際、ルーフ側フランジ部23における内角230近くの領域、即ち後方の領域が座屈可能な長さを有する。
図2に示すように、ヘッダパネル3と前方ルーフパネル2fとが接合されることによって、ヘッダパネル3と前方ルーフパネル2fとは矩形筒状の閉空間を形成する。つまり、ヘッダパネル3と前方ルーフパネル2fとによって、車幅方向に直交する切断面において閉断面を有する筒状体が構成される。
更に、本例のヘッダパネル3は、図6に示すように、左右両端部に延長部40を備える。本例では、ヘッダパネル3における本体部30の左右両側に、車幅方向の外側に向かって延びるように、左右一対の延長部40が設けられている。各延長部40は、ヘッダパネル3の左右両側に接合されている。
本例では、ヘッダパネル3の前壁部31における上方向からの荷重に対する剛性がヘッダパネル3における前壁部31以外の箇所の上記剛性より小さい。つまり、ヘッダパネル3の構成部位によって、上述の上方向の剛性が異なり、特に前壁部31が上方向からの荷重によって変形し易い。そのため、本例のヘッダパネルは、正面衝突時に上方向から荷重によって前方ルーフパネル2fが下方に座屈した際、前方ルーフパネル2fと共に前壁部31が下方に座屈し易い。
《前壁部》
前壁部31における上述の上方向の剛性が相対的に小さくなる構成として、例えば図6に示すように、前壁部31が少なくとも一つの貫通孔31hを備えることが挙げられる。貫通孔31hの数、形状、大きさ、前壁部31における形成位置等は適宜選択できる。
本例の前壁部31は、複数の貫通孔31hを備える。複数の貫通孔31hは、前壁部31の車幅方向に所定の間隔をあけて並ぶ。貫通孔31hの数が多いほど、前壁部31における上述の上方向の剛性が小さくなり易い。
本例では、各貫通孔31hの平面形状は、長方形状である。そのため、貫通孔31hの開口縁において、前壁部31の上端縁及び下端縁の延伸方向に沿って配置される長さが長くなり易い。換言すれば、隣り合う貫通孔31hの間隔が短くなり易い。前壁部31の上端縁及び下端縁の延伸方向は、ほぼ車幅方向に沿う方向である。上記間隔が短ければ、前壁部31において隣り合う貫通孔31h間の領域が屈曲し易い。この点で、前壁部31における上述の上方向の剛性が小さくなり易い。なお、前壁部31の上端縁は、前壁部31と前端フランジ部33との稜線である。前壁部31の下端縁は、前壁部31と本体部30との稜線である。その他、上記平面形状は、円形状や楕円形状、多角形状等でもよい。
以下、前壁部31の上端縁から下端縁に向かう方向に沿った長さを前後長さと呼ぶ。車幅方向に沿った長さを幅とする。
本例では、各貫通孔31hの前後長さは、前壁部31の前後長さに概ね等しい。そのため、各貫通孔31hは大きな開口面積を有し易い。上記開口面積が大きいほど、前壁部31における上述の上方向の剛性が小さくなり易い。
本例では、貫通孔31hの開口面積が異なるものを含む。具体的には、車幅方向の中間部に位置する各貫通孔31hの開口面積は、右端及び左端の貫通孔31hの開口面積より大きい。開口面積が大きい貫通孔31hが複数設けられることで、前壁部31における上述の上方向の剛性が小さくなり易い。
また、中間部の各貫通孔31hは、幅が前後長さより大きい孔、いわば横長の孔である。横長の貫通孔31hが複数設けられることで、隣り合う貫通孔31hの間隔が短くなり易い。
これらの点で、前壁部31における上述の上方向の剛性が小さくなり易い。
その他、貫通孔31hの前後長さ及び幅の少なくとも一方は、本例より短くてもよい。また、全ての貫通孔31hの大きさは同じでもよい。
本例では、前壁部31における車幅方向の中央を中心として線対称となるように、貫通孔31hが設けられている。そのため、前壁部31は、任意の箇所において、上方向からの荷重を確実に受けられる。その他、貫通孔31hの配列は非対称でもよい。
本例では、ヘッダパネル3における左右両端部、即ち延長部40には、貫通孔31hが設けられていない。また、前壁部31における右端及び左端の貫通孔31hの開口面積が相対的に小さい。これらの点で、通常時において、前壁部31は、所定の剛性を確保し易い。なお、ヘッダパネル3における左右の両端部又は一方の端部に貫通孔31hが設けられてもよい。
本例では、隣り合う貫通孔31hの間隔が全て等しいが、異なってもよい。
なお、複数の貫通孔31hを備える場合、全ての貫通孔31hの形状及び大きさが同じでもよいし、形状及び大きさの少なくとも一方が異なる貫通孔31hを含んでもよい。
《後壁部》
後壁部32は、前壁部31に比較して、上述の上方向の剛性が高くなるように構成されている。本例の後壁部32は、貫通孔を有さない細帯状の領域である。
更に、本例のヘッダパネル3は、図6に示すように、前壁部31が車幅方向に間隔をあけて並ぶ複数の貫通孔31hを備えることに加えて、本体部30が少なくとも一つの貫通孔30hを備える。本例では、貫通孔30hが本体部30における車幅方向の両側部分に設けられている。本体部30の貫通孔30hは、前壁部31における隣り合う貫通孔31h間の仕切り部31pの後方に位置する。前壁部31の仕切り部31pは、貫通孔30hの前端縁の中間部より前方に位置することが好ましい。貫通孔30hの前端縁の中間部とは、1つの貫通孔30hの前端縁における車幅方向の中間部分を意味する。
図6に示すように、前壁部31の仕切り部31pは、貫通孔30hの前端縁の車幅方向に重なるように位置することが好ましい。より具体的には、仕切り部31pの車幅方向の全域が、貫通孔30hの前端縁の車幅方向の範囲内に収まることが好ましい。つまり、仕切り部31pの車幅方向の長さが、貫通孔30hの前端縁の車幅方向の長さよりも小さいことが好ましい。
本例では、前壁部31における仕切り部31pは、右端及び左端の貫通孔31hとその隣りの貫通孔31hとの間に位置する部分である。
本例では、本体部30における車幅方向の中央を中心として線対称となるように、貫通孔30hが設けられている。各貫通孔30hの平面形状は、長方形状である。各貫通孔30hの前後長さは、本体部30の前後長さに概ね等しい。貫通孔30hの平面形状や大きさは、適宜変更できる。
ヘッダパネル3において、本体部30の貫通孔30hが前壁部31における隣り合う貫通孔31h間の仕切り部31pの後方に位置することで、正面衝突時にヘッダパネル3が前方向からの荷重を受けたとき、前壁部31だけでなく本体部30も効果的に後方に座屈させ易い。そのため、前壁部31及び本体部30の座屈により衝撃を効果的に吸収することができる。
<主要な効果>
実施形態1のルーフ構造1は、前方ルーフパネルにおける上方向からの荷重に対する剛性を後方ルーフパネルの上記剛性に比べて積極的に低くしたことで、次の効果を奏する。
(1)自動車と歩行者との正面衝突時において、ルーフ10の前端への衝突による衝撃を吸収できる。正面衝突して、歩行者がルーフ10の前端側の領域に衝突した場合、ルーフ10の前端側の領域を構成する前方ルーフパネル2fが、上方向からの荷重によって前方ルーフパネル2fが下方に座屈し易い。前方ルーフパネル2fが下方に座屈することで、ルーフ10の前端への衝突による衝撃を吸収できる。即ち、歩行者への衝撃が軽減される。したがって、ルーフ構造1は、歩行者がルーフ10の前端に衝突した際に歩行者の傷害値の悪化を抑制できる。
(2)ルーフ10に対してサンルーフ15を大型化することができる。サンルーフパネル5の前端をルーフ10の前端付近まで拡大してサンルーフ15を大型化しても、歩行者がルーフ10の前端に衝突した際に、前方ルーフパネル2fが容易に座屈する。サンルーフパネル5の前端をルーフ10の前端付近まで拡大できるので、見晴らしが良好である。加えて、サンルーフパネル5が車幅方向の全幅にわたって延びているので、見晴らしが非常によい。特に、ルーフ構造1は、小型車に大型のサンルーフを設定する場合に好適である。
(3)ルーフ10全体としての剛性を確保できる。後方ルーフパネル2rの上記剛性が前方ルーフパネル2fの上記剛性より高いことから、ルーフ10全体として最低限必要な剛性を確保することができる。ルーフ構造1では、ルーフ10の前方にサンルーフ15が設けられるので、ルーフ10における後方ルーフパネル2rの面積を大きくとれる。ルーフ10の剛性を確保できるので、ルーフ10の建付け剛性の低下や、車両走行時のこもり音の発生を抑制できる。
その他の効果としては、以下のものが挙げられる。
(4)前方ルーフパネル2fの後端部、及び後方ルーフパネル2rの前端部がそれぞれ、サンルーフパネル5の前端部及び後端部に上側から覆われることから、見栄えが悪化しない。サンルーフパネル5に覆われることで、前方ルーフパネル2fの後端部、及び後方ルーフパネル2rの前端部の端面が目立たないからである。
(5)前方ルーフパネル2fとヘッダパネル3とで閉断面を有する筒状体が構成されるので、前方ルーフパネル2fの剛性を下げても、ルーフ10の前端の剛性を最低限確保し易い。
(6)サンルーフリインフォース51を備えることで、ルーフ10全体としての剛性を確保しつつ、サンルーフパネル5の建付け剛性を向上できる。前方ルーフパネル2fと後方ルーフパネル2rとの間の左右両側にサンルーフリインフォース51が掛け渡されるからである。サンルーフリインフォース51は、前方ルーフパネル2f及び後方ルーフパネル2rの双方より厚く、剛性が高い。
更に、実施形態1のルーフ構造1は、特定の構造のヘッダパネル3を備えることで、以下の効果が期待できる。
正面衝突時、前方ルーフパネル2fを下方に座屈させ易い。ヘッダパネル3の前壁部31における上方向からの荷重に対する剛性が前壁部31以外の箇所の上記剛性より小さい。正面衝突時に上方向から荷重によって前方ルーフパネル2fが下方に座屈した際、前壁部31が下方に座屈し易い。前壁部31の下方への座屈に伴い、前方ルーフパネル2fが下方に変異できる。そのため、前方ルーフパネル2fの下方への座屈による衝撃吸収効果が十分に発揮でき、歩行者への衝撃を効果的に低減される。したがって、歩行者がルーフ10の前端に衝突した際に歩行者の傷害値の悪化を抑制できる。
本例では、以下の(a)〜(b)によって、前壁部31が下方により座屈し易いため、前方ルーフパネル2fがより確実に下方に変位できることからも、上述の傷害値の悪化が抑制される。
(a)ルーフ側フランジ部23と前端フランジ部33との全体が重複して配置される場合に比較して、ルーフ側フランジ部23における後方の領域が座屈し易い。そのため、ルーフ側フランジ部23の座屈箇所が前壁部31を確実に押圧することができる。
(b)前壁部31が複数の横長の貫通孔31hを備える。そのため、前壁部31における金属部分の体積が小さい上に、隣り合う貫通孔31hの間隔が短い。また、各貫通孔31hが前壁部31の上端縁近くにまでいたる大きさであるため、前壁部31の全体を押し潰す必要がない。即ち、押圧により変形される箇所が上端縁近くの部分的領域に設定される。
(c)貫通孔31hが前壁部31の上端縁に近接する程度の前後長さを有する。そのため、上述のルーフ側フランジ部23の座屈箇所が前壁部31に接触し易い。
(d)前方ルーフパネル2f及びヘッダパネル3の下方への変位を許容しつつ、サンシェードレール75の剛性を高めることが可能である。ヘッダパネル3の後端部とサンシェードレール75の前端部とは、上下に重複しておらず、前後方向に離隔されている。そのため、前方ルーフパネル2f及びヘッダパネル3の下方への変位がサンシェードレール75に及ぶことがない。よって、サンシェードレール75の剛性は、前方ルーフパネル2f及びヘッダパネル3の変位の影響を考慮する必要がなく、高く設定することができる。一方、ヘッダパネル3の後端部とサンシェードレール75の前端部とが上下に重複していると、前方ルーフパネル2f及びヘッダパネル3の下方への適切な変位を許容するには、サンシェードレール75も共に変位することが必要となる。そのため、サンシェードレール75の剛性は低く設定せざるを得ない。
上述のルーフ側フランジ部23の座屈箇所によって、前壁部31における上端縁の近くの箇所が押し潰されることで、前壁部31が座屈できる。このようなルーフ構造1は、ヘッダパネル3の前後方向の長さが比較的長く大型な場合、即ちヘッダパネル3全体の剛性が高められる場合に好適である。
また、ヘッダパネル3全体に対して前壁部31が小さいため、前壁部31に複数の貫通孔31hが設けられても、ヘッダパネル3全体としては所定の剛性を確保できる。そのため、ルーフ構造1は、正面衝突等が生じていない通常時には、以下の場合(α),(β)に比較して、インナーミラー90の振動、いわゆるビビりを抑制できる。
(α)ヘッダパネル3の全体の厚さを一様に薄くする等、ヘッダパネル3の全体において上述の上方向の剛性を一様に低下させる場合。
(β)ヘッダパネル3の本体部30に局所的に脆弱部を設定することで本体部30を変形し易くする場合。
本例のヘッダパネル3は、前壁部31に貫通孔31hを備えるため、プレス成形等によってヘッダパネル3を容易に製造できる、ヘッダパネル3が軽量であるといった効果も奏する。特に、前壁部31における上述の上方向の剛性は、貫通孔31hの数、形状、大きさ、形成位置等によって調整し易い。
更に、本例のヘッダパネル3では、前壁部31における隣り合う貫通孔31h間の仕切り部31pの後方に位置するように、本体部30に貫通孔30hを備えることで、正面衝突時の前方向からの衝撃を効果的に吸収できる。歩行者との衝突によって、ヘッダパネル3の前壁部31に前方向からの荷重が作用した際に、前壁部31の後方への座屈により、本体部30が後方に座屈し易い。そのため、前壁部31及び本体部30の座屈により、衝突による衝撃を効果的に吸収することができ、歩行者への衝撃がより低減される。よって、歩行者の傷害値を改善できる。
ヘッダパネル3の左右両端は、フロントピラー62fやルーフサイドレール61と接合されることから、ヘッダパネル3の左右両端部は剛性が高く、変形し難い。本例では、本体部30の左右両側部分に貫通孔30hが設けられている。そのため、正面衝突時に、ルーフ10の前端側の領域のうち、車幅方向の両端部に歩行者が衝突するようなことがあっても、前壁部31及び本体部30が効果的に座屈することができる。よって、歩行者の傷害値を改善する効果が高いといえる。
1 ルーフ構造、1R 車室、10 ルーフ、15 サンルーフ
2f 前方ルーフパネル、2r 後方ルーフパネル
20 本体部、23,24 ルーフ側フランジ部、230 内角
26 前端フランジ部
3 ヘッダパネル
30 本体部、31 前壁部、32 後壁部
30h 貫通孔、31h 貫通孔、31p 仕切り部
33 前端フランジ部、34 後端フランジ部、37,38,39 接着部
330 内角
30h 貫通孔
40 延長部
5 サンルーフパネル
51 サンルーフリインフォース
52 接着部
6 サイドパネル、61 ルーフサイドレール
62 ピラー、62f フロントピラー、62c センターピラー
63 サイドアウタパネル
64 ルーフサイドインナパネル
65 ルーフサイドリインフォース
66 ルーフクロス
7 サンシェード、75 サンシェードレール、76 サンシェード収納部材
8 ウインドシールド
90 インナーミラー、91 サンバイザー

Claims (1)

  1. ルーフにおける車両前方にサンルーフを備える車両のルーフ構造であって、
    前記ルーフは、
    サンルーフパネルと、
    前記サンルーフパネルよりも車両前方に配置される前方ルーフパネルと、
    前記サンルーフパネルよりも車両後方に配置される後方ルーフパネルと、を備え、
    前記前方ルーフパネルと前記後方ルーフパネルとは、前記サンルーフパネルによって分断されると共に、前記前方ルーフパネルにおける上方向からの荷重に対する剛性が前記後方ルーフパネルにおける前記剛性より低い、
    車両のルーフ構造。
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