図面では、液体吐出装置が水平面上に置かれるものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、好ましくは互いに直交し、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸方向を幅方向X、Y軸方向を奥行き方向Y、記録時の媒体の搬送方向を搬送方向Y1、Z軸方向を鉛直方向Zともいう。また、本実施形態においては、幅方向Xが後述するキャリッジの走査方向でもあることから、幅方向Xを走査方向Xともいう。なお、Y軸において後述する操作パネルが配置される面を前面、前面とは反対側の面を背面という。
(第1実施形態)
<液体吐出装置の構成について>
図1に示すように、液体吐出装置11は、直方体状の筐体12と、筐体12の+Z方向側に例えば背面側を回動軸として開閉可能に設けられた上部カバー13とを備える。液体吐出装置11は、一例としての複合機であり、筐体12の大部分を占める記録ユニット20と、筐体12の+Z方向側の端部及び上部カバー13とにより構成される読取ユニット30とを有する。さらに、液体吐出装置11は、記録ユニット20と読取ユニット30との制御を行う制御部70を備える。制御部70は、例えばコンピューター及びメモリーを含む処理回路等から構成され、メモリーに記憶されたプログラムに従って記録ユニット20と読取ユニット30との制御を行う。
筐体12の前面下部に設けられた凹部14には、媒体収納部の一例としてのカセット21が着脱可能な状態で挿着される。カセット21には、媒体Mが複数枚収容される。それぞれのカセット21の前面中央部には、ユーザーが指を引っ掛けて着脱できる被操作部21aが設けられる。
筐体12におけるカセット21の+Z方向側の位置には、記録された媒体Mが排出される排出口15が開口する。排出口15とカセット21の間には伸縮式の排出トレイ22が設けられる。排出トレイ22は、搬送方向Y1の下流へ延出させた状態で使用され、排出された記録後の媒体Mは排出トレイ22上に積載される。また、筐体12の全面には排出口15の+Z方向側の位置に操作パネル24が設けられる。
操作パネル24は、ユーザーが液体吐出装置11に指示を与える際に操作される複数のスイッチよりなる操作部25と、メニューやメッセージ等が表示される表示部26とを備える。操作部25には、電源スイッチ25aや選択スイッチ等が含まれる。ここで、表示部26をタッチパネルとし、表示部26の操作機能が操作部25の一部を兼ねてもよい。ユーザーが操作部25によって行った操作に基づいて、制御部70によって液体吐出装置11の制御が行われる。また、制御部70は、必要に応じて表示部26上にメニューやメッセージ等を表示する。
図1に示すように、上部カバー13は、本実施形態では読取ユニット30の原稿台カバー31となっており、その上には複数枚の原稿Dを載置可能な原稿トレイ33を備えた自動原稿送り装置32が装備される。読取ユニット30は、エッジガイド33aにより奥行き方向Yに位置決めされた原稿Dを原稿トレイ33から一枚ずつ給送して読み取るシートフィーダー型のスキャナー機能と、原稿台カバー31を開けると露出する原稿台に載置された原稿Dを読み取るフラットベット型のスキャナー機能とを備える。シートフィーダー型のスキャナー機能では、原稿トレイ33から一枚ずつ給送された原稿Dは読取ユニット30によって読み取られたのち排出トレイ31aに排出される。
このように読取ユニット30を備えた複合機である液体吐出装置11は、インクジェット方式の記録機能の他に、読取ユニット30が原稿Dを読み取るスキャナー機能と、読取ユニット30が読み取った原稿Dの画像を記録するコピー記録機能とを備える。
図1に示すように、筐体12の前面における+X方向側の一端部には、液体供給ユニット27が設けられる。液体供給ユニット27内には、インク等の液体をそれぞれ収容する複数の液体収容体28が収容される。複数の液体収容体28は、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの色の異なるインクを収容するインクカートリッジである。液体収容体28が収容する液体は、液体吐出装置11が媒体Mに吐出して記録するために用いられる。液体供給ユニット27は、前面に液体収容体28ごとの液量を示す複数の窓部27aを有する。
液体供給ユニット27は、上方に開閉可能な蓋部27bを有する。例えば、ユーザーは窓部27aを見て液量が少なくなると、ユーザーは蓋部27bを開けて、液体収容体28が交換されるように、液体吐出装置11が構成される。
図2に示すように、液体吐出装置11は、その幅方向Xの中央部にカセット21から供給された媒体Mが搬送される搬送領域TAを有する。液体吐出装置11は、液体吐出装置11が有する記録ユニット20内に、記録対象となる媒体Mをカセット21から1枚ずつ給送して搬送領域TAを通る経路で搬送する搬送部40と、搬送領域TAの媒体Mに対して移動しながら液体を吐出して記録するキャリッジユニット50とを備える。
搬送部40は、液体吐出装置11の後部にカセット21から媒体Mを1枚ずつ給送する給送部41を有する。給送部41は、搬送方向Y1に並んで配置された複数の不図示の中間ローラーを有する。給送部41は、不図示のピックアップローラーの回転によりカセット21から後方へ送り出した媒体Mを中間ローラーの外周に沿って反転させたのち搬送領域TAを通って搬送方向Y1に搬送する。搬送領域TAにはキャリッジユニット50が記録を施す対象の媒体Mを支持する支持部42が配置される。搬送部40は搬送経路に沿って複数の不図示のローラーを有し、そのローラーの回転によって媒体Mを搬送方向Y1に搬送する。搬送部40は、図1に示す制御部70によって制御される。
図2に示すように、キャリッジユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載され媒体Mに液体を吐出する図3に示す液体吐出ヘッド54とを備える。液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54が液体収容体28に収容される液体を吐出するように構成される。液体吐出装置11におけるキャリッジユニット50の移動経路の一端部後方には、キャリッジユニット50の駆動源となるキャリッジモーター52が配設される。キャリッジモーター52の駆動力は無端状のタイミングベルト53を介してキャリッジユニット50に伝達される。タイミングベルト53は不図示の一対のプーリーに巻き掛けられて走査方向Xに延びるように第1ガイド部材17に沿って張設される。一方のプーリーがキャリッジモーター52の出力軸に連結される。キャリッジユニット50及びキャリッジモーター52は、図1に示す制御部70によって制御される。
図3に示すように、−Z方向側の面に液体吐出ヘッド54を備えるキャリッジユニット50は、第1ガイド部材17と第2ガイド部材18とにそれぞれ案内されることで、媒体Mの搬送方向Y1と交差する走査方向Xに往復移動可能に支持される。すなわち、キャリッジモーター52が正逆転駆動されると、鉛直方向Zに並ぶ第1ガイド部材17と第2ガイド部材18とに沿って、液体吐出ヘッド54を備えるキャリッジユニット50が走査方向Xに往復移動する。
図3に示すように、液体吐出ヘッド54の移動領域と対峙する−Z方向側の位置には、媒体Mを支持する支持部42が配置される。支持部42に支持された媒体Mと液体吐出ヘッド54との間に適切なギャップが確保される。キャリッジユニット50が第1ガイド部材17と第2ガイド部材18とに沿って走査方向Xに往復動する過程で、液体吐出ヘッド54が有する不図示のノズルから、液体を媒体Mに向けて吐出することによって、媒体Mに画像等が印刷される。
媒体Mに液体を吐出するための液体吐出ヘッド54の制御は、図1に示す制御部70が行う。制御部70が液体吐出ヘッド54の制御を行うために、制御部70から液体吐出ヘッド54までは不図示のフレキシブルフラットケーブルによって接続される。
図2では、キャリッジユニット50は、媒体Mに記録を行わない非記録時に待機するホームポジションHPに位置する。図2に示すように、本実施形態では、キャリッジユニット50が、走査方向Xにおいて液体供給ユニット27の配置位置と反対側の端部に位置するときの位置が、ホームポジションHPとなる。走査方向XにおいてホームポジションHPとは反対側となる端部の位置が、キャリッジ51の反ホームポジションAHである。キャリッジ51は、媒体Mに記録する場合、ホームポジションHPと反ホームポジションAHとの間の移動可能範囲内のうち媒体Mの走査方向Xの長さに応じた記録領域で往復移動する。
図2に示すように、液体吐出装置11が搭載する前述の液体収容体28は、図3に示す液体吐出ヘッド54に供給する液体を液体供給ユニット27内に収容可能であり、キャリッジ51とは別の位置に設けられる。本実施形態においては、キャリッジユニット50に液体を供給する液体収容体28が、キャリッジユニット50のホームポジションHPとは反対側の反ホームポジションAH側の設置位置に配置される。
ユーザーが図1に示す上部カバー13を開放することにより、図2に示すキャリッジユニット50が露出する。より詳しくは、キャリッジユニット50が媒体Mに記録を行わない非記録時に待機する図2に示すホームポジションHPに位置するとき、ユーザーが上部カバー13を開放することにより、ユーザーはキャリッジユニット50に搭載される図3に示す液体吐出ヘッド54へのアクセスが可能となる。これにより、ユーザーはキャリッジユニット50からの液体吐出ヘッド54の取り外し作業と新しい液体吐出ヘッドの取り付け作業とが可能である。
図2に示すように、液体吐出装置11は、支持部42が配置される搬送領域TAより−X方向側に外れた位置に移動したキャリッジユニット50の直下に相当する位置に、液体吐出ヘッド54のメンテナンスとしてのクリーニング等を行うメンテナンス部71を備える。また、液体吐出装置11は、支持部42に対する液体吐出ヘッド54の高さ位置を変更して液体吐出ヘッド54と媒体Mとのギャップを媒体Mの種類に応じて調整するギャップ調整機構72を備える。メンテナンス部71及びギャップ調整機構72は、図1に示す制御部70によって制御される。
<メンテナンス部の構成について>
図4に示すように、液体吐出ヘッド54は、液体Lを吐出する複数のノズル54aを有するノズル面54bを備える。前述したように、液体吐出装置11は、支持部42が配置される搬送領域TAより−X方向側に外れた位置に移動したキャリッジユニット50の直下に相当する位置に、液体吐出ヘッド54のメンテナンスとしてのノズル54aのクリーニング等を行うメンテナンス部71を備える。メンテナンス部71は、不図示のワイパーユニットと、不図示のフラッシングユニットと、不図示のキャップユニットとで構成される。本実施形態においては、液体吐出ヘッド54のノズル面54bと対峙する奥行き方向Yの位置に、キャップユニットと、ワイパーユニットと、フラッシングユニットとが走査方向Xにおいて図3に示す支持部42と並んで位置する。これらの三つのユニットが並ぶ順序は限定しない。
図4に示すように、キャップユニットは、キャップ部73を有する。搬送領域TAより−X方向側に外れた位置において、さらにキャリッジユニット50が図2に示すホームポジションHPに位置するとき、液体吐出ヘッド54のノズル面54bはキャップ部73と対峙する。キャップ部73は、ホームポジションHPにある液体吐出ヘッド54に接触する図4に示す接触位置と、液体吐出ヘッド54から−Z方向側に離れた退避位置との間で移動する。接触位置に位置するキャップ部73は、ノズル54aを囲うように液体吐出ヘッド54に接触してノズル54aを囲む閉空間CSを形成する。すなわち、キャップ部73は液体吐出ヘッド54をキャッピングする。キャッピングによって形成された閉空間CSによって、ノズル54a内の液体Lの乾燥が抑制される。
また、キャップ部73は、排出流路73aを介して吸引ポンプ73bと接続される。キャップ部73が液体吐出ヘッド54をキャッピングする状態で吸引ポンプ73bを駆動すると、キャップ部73内に負圧が生じる。キャップ部73内に生じる負圧の作用により、ノズル54aから増粘した液体L、気泡などが排出される。このように、吸引することによってノズル54aから強制的に液体Lを排出させることを吸引クリーニングともいう。
不図示のワイパーユニットは、ノズル面54bに付着する液体Lを除去するように構成されるワイピング部材を有する。ワイパーユニットは、ワイピング部材により液体吐出ヘッド54のノズル面54bをワイピングする。ワイピングとは、液体吐出ヘッド54のノズル面54bに付着する液体L、塵埃などの汚れを除去するために、ノズル面54bを払拭する動作である。
不図示のフラッシングユニットは、液体吐出ヘッド54が吐出した液体Lを受容する不図示の液体受容部を有する。フラッシングとは、液体吐出ヘッド54のノズル54aの目詰まりなどを予防及び解消する目的で、記録処理とは無関係にノズル54aから液体Lを吐出する動作である。
<液体吐出ヘッドの液体流路の構成について>
図4に示すように、液体吐出ヘッド54は、供給接続部54cと複数のノズル54aとを連通する第1ヘッド内流路54dを備える。また、液体吐出装置11は、液体収容体28から液体吐出ヘッド54に液体Lを供給する供給流路の一例としての第1液体供給流路75を備える。本実施形態においては、第1液体供給流路75は、可撓性を有するチューブから構成される部分を含む。第1液体供給流路75の不図示の上流端部は、液体収容体28に接続される。
本実施形態においては、液体Lの流通方向Fとは、液体収容体28から液体吐出ヘッド54に到達するまでの液体Lの通過方向をいう。下流側とは、基準とする位置から流通方向F側をいい、上流側とは、基準とする位置から流通方向Fとは反対方向側をいう。
第1液体供給流路75の下流端部75aは、液体吐出ヘッド54の供給接続部54cに対して、着脱可能に接続される。なお、下流端部75aは、可撓性を有するチューブの端部そのものでもよいし、供給接続部54cに対して簡易に着脱可能な継手であってもよい。
液体吐出装置11は、第1液体供給流路75を開閉可能な開閉機構の一例としての第1開閉弁75bを備える。すなわち、開閉機構の一例としての第1開閉弁75bは、供給流路の一例としての第1液体供給流路75を開閉する。第1開閉弁75bは、第1開閉弁75bから液体吐出ヘッド54までの第1液体供給流路75の容積を小さくする観点から、第1液体供給流路75の全長の半分よりも液体吐出ヘッド54側に接続されるとよく、より好ましくは、下流端部75aの近傍に接続されるとよい。第1開閉弁75bが開放されると、液体吐出ヘッド54と液体収容体28とが連通する。第1開閉弁75bが閉鎖されると、液体吐出ヘッド54と液体収容体28とが遮断される。
液体吐出装置11は、第1液体供給流路75を大気に連通可能な第1大気連通路76を備える。第1大気連通路76は、第1液体供給流路75における第1開閉弁75bよりも下流側に接続される。
液体吐出装置11は、第1大気連通路76を開閉可能な第1大気開放弁76aを備える。第1大気開放弁76aは、第1大気連通路76に接続される。第1大気開放弁76aが開放されると、第1液体供給流路75が大気に連通する。第1大気開放弁76aが閉鎖されると、第1液体供給流路75が大気から遮断される。
本実施形態においては、前述したように、液体供給ユニット27内には、インク等の液体Lをそれぞれ収容する複数の液体収容体28が収容される。複数の液体収容体28は、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの色の異なるインクを収容する。すなわち、本実施形態においては、記録に使用される液体Lが4種類であるため、液体吐出ヘッド54は、4種類の液体L用に4つのヘッド内流路として、第1ヘッド内流路54dと、不図示の第2ヘッド内流路と、不図示の第3ヘッド内流路と、不図示の第4ヘッド内流路とを有する。
そして、液体吐出ヘッド54は、それぞれのヘッド内流路に対して、供給流路として、第1液体供給流路75と、不図示の第2液体供給流路と、不図示の第3液体供給流路と、不図示の第4液体供給流路とを有する。さらに、液体吐出ヘッド54は、それぞれのヘッド内流路に対して、供給流路を開閉可能な開閉弁として、第1開閉弁75bと、不図示の第2開閉弁と、不図示の第3開閉弁と、不図示の第4開閉弁とを有する。さらに、液体吐出ヘッド54は、それぞれのヘッド内流路に対して、大気連通路として、第1大気連通路76と、不図示の第2大気連通路と、不図示の第3大気連通路と、不図示の第4大気連通路とを有する。さらに、液体吐出ヘッド54は、それぞれのヘッド内流路に対して、大気連通路を開閉可能な大気開放弁として、第1大気開放弁76aと、不図示の第2大気開放弁と、不図示の第3大気開放弁と、不図示の第4大気開放弁とを有する。
本実施形態においては、各液体収容体28から液体吐出ヘッド54の各ヘッド内流路に至る4種類の液体の流路は構成が同じであるため、1種類の液体Lの流路を説明することによって、他の液体Lの流路の説明は省略する。
<液体吐出ヘッド交換フローについて>
本実施形態においては、液体Lを吐出する液体吐出ヘッド54はユーザーによって着脱可能に装着される。すなわち、液体吐出装置11は、ユーザーによって液体吐出ヘッド5
4の交換が可能な構成である。液体吐出ヘッド交換フローには、図5に示す液体吐出ヘッド54内の液体除去動作と、液体吐出ヘッド54が交換されたか否かを確認する工程と、図6に示す液体吐出ヘッド54への液体充填動作と、図7に示す液体吐出ヘッド54のメンテナンス工程とが含まれる。
なお、制御部70は、液体吐出ヘッド交換フローの1つとして、液体吐出ヘッド54の交換手順を表示部26上に表示してもよい。すなわち、制御部70が、後述する配送フローによって要求されて配送された新しい液体吐出ヘッド54を取り付けるためのフローである液体吐出ヘッド交換フローを実施可能としてもよい。本実施形態においては、液体吐出ヘッド54内の液体除去動作と、新しい液体吐出ヘッド54への液体充填動作は、制御部70によって自動で行われる。そのため、制御部70が、表示部26上に液体吐出ヘッド交換フローの進捗状況を表示するとともに、液体吐出ヘッド54内の液体除去動作が終了したタイミングで、ユーザーに新しい液体吐出ヘッドへの交換を促すメッセージを表示部26上に表示してもよい。液体吐出装置11が表示部26を備えないときや、表示部26の表示面積が小さいときは、PCや携帯端末において、ユーザーがアプリケーションプログラム等を使用して、PCや携帯端末の画面上に、液体吐出ヘッドの交換手順や液体吐出ヘッド交換フローの進捗状況を表示できるようにしてもよい。
最初に、図5に示すフローチャートを参照し、ユーザーが液体吐出ヘッド54を交換する前に、制御部70が行う液体吐出ヘッド54内の液体除去動作の一例を説明する。
図5に示すように、制御部70は、以下に説明する排出処理を実行することで、液体吐出ヘッド54の液体除去動作を行わせるように、液体吐出装置11の構成要素を制御する。なお、第1大気開放弁76aは、液体除去動作の開始時において開放されているものとする。
液体吐出ヘッド54内の液体除去動作が行われるときは、キャリッジユニット50は、図2に示すホームポジションHPに位置する。すなわち、液体吐出ヘッド54のノズル面54bはキャップ部73と対峙する。
ステップS101において、制御部70は、キャップ部73が退避位置から図4に示す接触位置に移動するように、キャップユニットの移動機構を制御する。キャップ部73が接触位置にあるとき、キャップ部73は液体吐出ヘッド54に接触する。これにより、複数のノズル54aが開口する部分に閉空間CSが形成される。液体除去動作の開始時にキャップ部73が接触位置にある場合には、ステップS101はスキップするようにしてもよい。
ステップS102において、制御部70は、第1開閉弁75b及び第1大気開放弁76aを閉鎖させる。すなわち、ステップS102は、開閉機構の一例としての第1開閉弁75bにより、供給流路の一例としての第1液体供給流路75を閉鎖し、第1大気開放弁76aにより、第1大気連通路76を閉鎖する工程である。
ステップS103において、制御部70は、吸引ポンプ73bを駆動させる。これにより、吸引ポンプ73bは、閉空間CS内の液体Lを吸引するとともに、液体Lを不図示の廃液収容部に排出する。制御部70は、所定時間の一例である第1規定時間が経過するまで、吸引ポンプ73bを駆動させたまま待機する。第1規定時間が経過すると、制御部70は、ステップS104の処理に移行する。ここで言う第1規定時間とは、例えば、吸引ポンプ73bの駆動によって閉空間CS内が−50kPaから−95kPaの間の圧力まで下がるのに要する時間である。
ステップS104において、制御部70は、第1大気開放弁76aを開放させる。ステ
ップS104において、制御部70は、第1大気開放弁76aを開放させてから規定時間が経過するまで、吸引ポンプ73bを駆動させたまま待機する。すなわち、液体吐出装置11は、第1大気開放弁76aを開放した後も吸引ポンプ73bによる吸引を継続する。制御部70は、規定時間が経過すると、ステップS105に移行する。ここでいう規定時間とは、例えば、第1開閉弁75bからノズル54aまでの液体Lを排出するのに要する時間である。吸引ポンプ73bは第1大気開放弁76aを開放させるのと同時に駆動を停止してもよいし、第1大気開放弁76aを開放させる前に駆動を停止してもよい。
ステップS105において、制御部70は、吸引ポンプ73bを停止する。ステップS101〜S105の処理によって、液体吐出ヘッド54内の液体Lを排出する排出動作が構成される。
ステップS106において、制御部70は、第1大気開放弁76aを閉鎖させる。すなわち、液体吐出装置11は、排出動作終了後に第1大気開放弁76aを閉鎖する。
ステップS107において、制御部70は、キャップ部73が図4に示す接触位置から退避位置に移動するように、キャップユニットの移動機構を制御する。これにより、液体除去動作が終了する。
以上のように、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54を第1液体供給流路75の下流端部75aから取り外すに先立って、第1開閉弁75b及び第1大気開放弁76aを閉鎖した状態で、吸引ポンプ73bにより所定時間の吸引を行った後、第1大気開放弁76aを開放する。これにより、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54内の液体Lを排出する排出動作を実行する。その結果、液体吐出ヘッド54内の液体Lがなくなることにより、ユーザーは液体吐出ヘッド54を液体吐出装置11から取り外すことが可能となる。
また、本実施形態においては、第1開閉弁75bの閉鎖動作と、第1大気開放弁76aの開閉動作とは、制御部70によって自動で行われるが、ユーザーが手動で行なう構成としてもよい。その場合、制御部70は、表示部26上に液体除去動作の工程を表示するとともに、それぞれの開閉動作が必要な工程のときに、第1開閉弁75bの閉鎖動作と、第1大気開放弁76aの解放動作及び閉鎖動作を促す表示を、表示部26上に行うことが望ましい。
なお、図5に示すルーチンは、液体吐出装置11が液体吐出ヘッド54内から1種類の液体を排出する排出動作に関してのルーチンである。本実施形態においては、前述したように、液体吐出装置11が備える液体供給ユニット27内には、複数の種類の液体Lをそれぞれ収容する複数の液体収容体28が収容される。そして、その複数の液体収容体28が収容するそれぞれの液体Lが、液体吐出ヘッド54のそれぞれのヘッド内流路に供給される。そのため、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54に供給される全ての液体Lを排出する排出動作を同様に実行する。その結果、液体吐出ヘッド54内の液体Lが全てなくなることにより、ユーザーは、液体吐出装置11が有するキャリッジユニット50から、使用済みの液体吐出ヘッド54を取り外すことが可能となる。そして、ユーザーは、液体吐出装置11が有するキャリッジユニット50に、未使用の新しい液体吐出ヘッド54を取り付けることが可能となる。
次に、図6に示すフローチャートを参照し、ユーザーが液体吐出ヘッド54を交換した後に制御部70が行う、新しい液体吐出ヘッド54への液体充填動作の一例を説明する。
図6に示すように、制御部70は、再供給処理を実行することで、液体吐出ヘッド54の液体充填動作を行わせるように、液体吐出装置11の構成要素を制御する。
ステップS201において、制御部70は、キャップ部73が退避位置から図4に示す
接触位置に移動するように、キャップユニットの移動機構を制御する。キャップ部73が接触位置にあるとき、キャップ部73は液体吐出ヘッド54に接触する。これにより、複数のノズル54aの開口が連通する閉空間CSが形成される。
ステップS202において、制御部70は、第1開閉弁75b及び第1大気開放弁76aを閉鎖させる。なお、液体吐出ヘッド54の液体除去動作に続けて、液体充填動作が行われるときは、第1開閉弁75b及び第1大気開放弁76aは、既に閉鎖されているため、本ステップは不要となる。
ステップS203において、制御部70は、吸引ポンプ73bを駆動させる。これにより、吸引ポンプ73bは、閉空間CS内の液体Lを吸引するとともに、不図示の廃液収容部に排出する。制御部70は、第2規定時間が経過するまで、吸引ポンプ73bを駆動させたまま待機する。第2規定時間が経過すると、制御部70は、ステップS204の処理に移行する。ここで第2規定時間とは、例えば、吸引ポンプ73bの駆動によって閉空間CS内が−50kPaから−95kPaの間の圧力まで下がるのに要する時間である。
ステップS204において、制御部70は、第1開閉弁75bを開放させる。ステップS204において、制御部70は、第1開閉弁75bを開放させてから規定時間が経過するまで、吸引ポンプ73bを駆動させたまま待機する。すなわち、液体吐出装置11は、第1開閉弁75bを開放した後も吸引ポンプ73bによる吸引を継続する。制御部70は、規定時間が経過すると、ステップS205に移行する。ここでいう規定時間とは、例えば、第1開閉弁75bからノズル54aまで液体Lを充填するのに要する時間である。吸引ポンプ73bは第1開閉弁75bを開放させるのと同時に駆動を停止してもよいし、第1開閉弁75bを開放させる前に駆動を停止してもよい。
ステップS205において、制御部70は、吸引ポンプ73bを停止する。ステップS201〜S205の処理によって、液体吐出ヘッド54に液体Lを供給する再供給動作が構成される。これにより、液体充填動作が終了する。
以上のように、液体吐出装置11は、ユーザーが液体吐出ヘッド54を取り外し、新しい液体吐出ヘッド54を第1液体供給流路75の下流端部75aに接続した後において、第1開閉弁75b及び第1大気開放弁76aを閉鎖する。その状態で、液体吐出装置11は、吸引ポンプ73bにより所定時間の吸引を行い、その後に第1開閉弁75bを開放する。これにより、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54内に液体Lを供給する再供給動作を実行する。
また、本実施形態においては、第1開閉弁75bの開閉動作と、第1大気開放弁76aの閉鎖動作とは、制御部70によって自動で行われるが、ユーザーが手動で行なう構成としてもよい。その場合、制御部70は、表示部26上に液体充填動作の工程を表示するとともに、それぞれの開閉動作が必要な工程のときに、第1開閉弁75bの解放動作及び閉鎖動作と、第1大気開放弁76aの閉鎖動作を促す表示を、表示部26上に行うことが望ましい。
なお、図6に示すルーチンは、液体吐出装置11が液体吐出ヘッド54内へ1種類の液体を充填する液体充填動作に関してのルーチンである。本実施形態においては、前述したように、液体吐出装置11が備える液体供給ユニット27内には、複数の種類の液体Lをそれぞれ収容する複数の液体収容体28が収容される。そして、その複数の液体収容体28が収容するそれぞれの液体Lが、液体吐出ヘッド54のそれぞれのヘッド内流路に供給される。そのため、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド54に供給される全ての液体Lを充填する液体充填動作を同様に実行する。
液体充填動作後に、液体吐出ヘッド54のメンテナンスとして、キャップ部73内の液体Lを排出する動作や、ノズル面54bを清掃する動作が行われることが望ましい。そのため、液体吐出ヘッド交換フローには、メンテナンス部71により液体吐出ヘッド54のメンテナンスを行うメンテナンス工程が含まれる。メンテナンスには、自動メンテナンスと手動メンテナンスとの2種類がある。ユーザーの操作が介在せず、液体吐出装置11の各部からの情報に基づき、制御部70によって自動で行われるメンテナンスを自動メンテナンスという。また、ユーザーの操作部25からの開始指示により、制御部70によって行われるメンテナンスを手動メンテナンスという。
手動メンテナンスにおいては、制御部70は、表示部26上にメンテナンスフローを立ち上げる。例えば、最初に、制御部70は、ユーザーに手動メンテナンスが開始されるボタンを押下させる。手動メンテナンスが終了したときに、制御部70は、ユーザーが手動メンテナンスに続けてノズルチェック印刷を開始させる方法を表示部26上に表示してもよい。ノズルチェック印刷とは、液体吐出ヘッド54が有するノズル54aにおける吐出不良の有無をユーザーがチェックするために、制御部70が、液体吐出装置11に特定のテストパターンを媒体Mに印刷させる処理である。ノズルチェック印刷が終了すると、制御部70は、吐出による不具合が「回復した」または「回復しない」の選択画面を表示部26上に表示し、ユーザーにいずれかを選択させる。そして、制御部70は、ユーザーが選択した結果に応じた処理を行う。ユーザーが「回復しない」を選択したときは、制御部70は、表示部26上に再度メンテナンスフローを立ち上げるか否かの選択画面を表示部26上に表示してもよい。
自動メンテナンスにおいても、メンテナンスフローを自動で実行するようにしてもよい。例えば、自動メンテナンスが終了すると、制御部70は、ノズルチェック印刷を自動で行う。そして、ノズルチェック印刷が終了すると、制御部70は、吐出による不具合が「回復した」または「回復しない」の選択画面を表示部26上に表示し、ユーザーにいずれかを選択させてもよい。そして、制御部70は、ユーザーが選択した結果に応じた処理を行ってもよい。
自動メンテナンスと手動メンテナンスとのいずれも、図7に示すフローチャートの処理が制御部70によって行われる。本実施形態においては、液体充填動作後に自動メンテナンスが行われる。図7に示すフローチャートを参照し、液体吐出ヘッド54のメンテナンス工程のサブルーチンを説明する。
ステップS301において、制御部70は、吸引クリーニングを実行する。吸引クリーニングとは、ノズル54a内の気泡や異物などを液体Lと共にノズル54aから吸引する動作である。制御部70は、キャリッジユニット50をホームポジションHPに移動させて、キャップ部73が接触位置に位置する状態で、吸引ポンプ73bにより所定時間の吸引を行う。吸引が終了すると、制御部70は、キャップ部73を退避位置に移動させる。
吸引クリーニングが実行されると、ノズル54aから排出された液体Lが液体吐出ヘッド54のノズル面54bに付着することがある。そのため、吸引クリーニングが実行された後には、ワイピングが実行されてもよい。これにより、吸引クリーニングによってノズル面54bに付着した液体Lを、ワイピングによって除去できる。
ステップS302において、制御部70は、吸引クリーニングを実行した後に、ワイピングを実行する。制御部70は、キャリッジユニット50をワイピング位置に移動させて、ワイピングを実行する。ワイピング部材によりワイピングが実行されると、液体吐出ヘッド54に付着していた異物、気泡などがノズル54a内に押し込まれることがある。こ
の場合、ノズル54a内のメニスカスが破壊されたり、ノズル54aの吐出不良を生じたりする虞がある。そのため、ワイパーユニットがワイピングを実行した後には、制御部70は、フラッシングユニットにフラッシングを実行させてもよい。
ステップS303において、制御部70は、キャリッジユニット50をフラッシング位置に移動させて、フラッシングユニットにフラッシングを実行させる。これにより、ノズル54a内に混入した異物を排出したり、ノズル54a内のメニスカスを整えたりすることができる。
なお、本実施形態においては、液体吐出ヘッド54が交換されて液体充填動作が行われた後に、液体吐出ヘッド54のメンテナンスとして、吸引クリーニングと、ワイピングと、フラッシングとが行われるが、吸引クリーニングだけが行われてもよい。また、液体充填動作に吸引クリーニングの機能が含まれる場合は、制御部70は、液体充填動作に続けて、吸引クリーニングを行わなくてもよい。
<吐出不良を検知する検知部について>
図8に示すように、本実施形態においては、液体吐出装置11が備えるキャリッジユニット50は、液体吐出ヘッド54の吐出状態を監視する監視部55を有する。
監視部55は、様々な監視方法を採用することができる。本実施形態においては、液体吐出ヘッド54内の液体チャンバーの残留振動情報を取得する方法を採用する。一例を挙げると、監視部55は、不図示の圧電素子を有する液体吐出ヘッド54において、圧電素子に対して図4に示すノズル54aから液体Lを吐出しない範囲で液体チャンバーの容積を変化させる駆動信号を出力する一方、圧電素子が検出した液体チャンバーの残留振動情報を取得することによりノズル毎における液体Lの吐出状態を監視する。
監視方法は、他の方法が採用されてもよい。例えば、液体吐出ヘッド54の図4に示すノズル54aから吐出された液体Lに光源から光を照射して散乱光を発生させ、その散乱光を受光する受光素子の出力電圧の値を取得して、吐出が正常か否かを判断する方法が採用されてもよい。また、液体吐出ヘッド54の各々のノズル54aから吐出される液体Lを静電センサー上に吐出させ、静電センサーが有する静電容量検出部により静電容量の値を取得して、各々のノズル54aからの吐出が正常か否かを判断する方法が採用されてもよい。さらには、ユーザーによる操作部25からの指示により、または制御部70が定期的にノズルチェック印刷を実行し、ノズルチェック印刷の印刷結果から、ユーザーによって吐出が正常か否かを判断させて、その判断結果を操作部25によって入力させ、制御部70が操作部25からその判断結果を取得する方法でもよい。
本実施形態においては、制御部70は、液体吐出ヘッド54の吐出不良を検知する機能を有する検知部70aを備える。監視部55は、液体吐出ヘッド54において吐出不良が発生したか否かを常に監視し、その結果を検知部70aに通知する。そして、制御部70は、検知部70aが監視部55から通知された結果に応じて、図2に示すメンテナンス部71によって液体吐出ヘッド54の自動メンテナンスを実行する。すなわち、制御部70は、検知部70aが吐出不良を検知した場合に、メンテナンス部71に自動でメンテナンスを実行させる自動メンテナンスを行う。
検知部70aは、液体吐出ヘッド54の吐出に関する不具合を検知する。本実施形態においては、検知部70aは、メンテナンス部71による液体吐出ヘッド54のメンテナンスの実行状況の検知も行う。検知部70aが、制御部70による自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知したとき、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合が発生していると判定する。より詳しくは、本実施形態においては、検知部70aは
、1つの印刷ジョブが全て終了された後に監視部55から通知された結果に応じて自動メンテナンスが実行される動作が、複数回繰り返し実行されたことを検知したときに、吐出に関する不具合が発生していると判定する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。
また、検知部70aは、ユーザーによる手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知したときも、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合が発生していると判定する。より詳しくは、本実施形態においては、検知部70aは、1つの印刷ジョブが全て終了された後にユーザーによる手動メンテナンスが行われる操作が、複数回繰り返し実行されたことを検知したときに、吐出に関する不具合が発生していると判定する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、ユーザーによりメンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。
本実施形態においては、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合が発生していることをユーザーが発見したとき、ユーザーは、表示部26上に表示されるメニューを操作部25によって操作し、入力部の一例としての操作部25より、吐出に関する不具合が発生したことを入力することができる。すなわち、液体吐出装置11は、吐出に関する不具合が発生したことをユーザーが入力可能な入力部を備える。そして、検知部70aは、ユーザーが操作部25によって吐出に関する不具合が発生したことを入力したときも、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合が発生していると判定する。
<配送システムの構成について>
図8に示すように、液体吐出装置11は、制御部70に制御されて信号を送信する送信部60を備える。送信部60は、ネットワークNWに対して無線もしくは有線により接続される。
制御部70は、液体吐出ヘッド54に関する型式情報と、液体吐出ヘッド54の吐出に関する不具合の履歴情報とを取得するように構成される。型式情報と、吐出に関する不具合の履歴情報とは、液体吐出ヘッド54が備えるICチップ56に記憶されている。詳しくは後述するが、吐出に関する不具合の履歴情報は、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数とユーザーによる手動メンテナンスが繰り返し行われた回数である。制御部70は、キャリッジユニット50に装着された液体吐出ヘッド54のICチップ56に対して電気的に接続される。
液体吐出装置11は、配送システム100の一部を構成する。すなわち、配送システム100は、液体吐出装置11と、ネットワークNW上のサーバー装置80とを備える。サーバー装置80は、液体吐出装置11の送信部60から送信される情報を受信する受信部80aを備える。配送システム100は、複数の液体吐出装置11を有し、サーバー装置80に対して複数の液体吐出装置11が接続されてもよい。各液体吐出装置11は、ネットワークNWを介してサーバー装置80と通信可能に接続される。
吐出に関する不具合が発生した液体吐出ヘッド54は、交換が必要になる。検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークNWを介して、送信部60によってサーバー装置80に送信させることが可能である。また、サーバー装置80は、制御部70から送信された新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークNWを介して、受信部80aに受信させることが可能である。すなわち、サーバー装置80は、制御部70から送信された新しい液体吐出ヘッドの配送要求を受信する受信部80aを有する。
配送システム100は、液体吐出装置11において交換が必要になった液体吐出ヘッド
54に代わる交換用の新しい液体吐出ヘッド54を、液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送する。このとき、制御部70は、新しい液体収容体の配送要求を、ネットワークNWを介して、送信部60によってサーバー装置80に送信させてもよい。すなわち、サーバー装置80は、液体吐出装置11から送信される交換用の新しい液体収容体の配送を要求する要求信号を受信した場合に、新しい液体収容体の配送を手配してもよい。
また、制御部70が吐出に関する不具合を検知した場合ではなくても、操作部25からのユーザーの指示によって、配送システム100は、交換用の液体吐出ヘッド54を、液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送してもよい。そして、操作部25からのユーザーの指示によって、配送システム100は、新しい液体収容体28を液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送してもよい。
<吐出に関する不具合の判断処理について>
図9に示すフローチャートを参照し、液体吐出ヘッド54の「吐出に関する不具合の判断処理」において、制御部70が実行する制御の一例を説明する。本ルーチンは、電源スイッチ25aが操作されることにより液体吐出装置11の電源が投入されて、液体吐出装置11の初期化動作が行なわれた直後のタイミングや、電源が投入されている状態で、液体吐出ヘッド54がキャリッジユニット50に装着されたタイミングにおいて実行される。
ステップS600において、制御部70は、図11に示す「新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理」のサブルーチンを実行する。「新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理」のサブルーチンについては後述する。
ステップS401において、制御部70は、液体吐出ヘッド54の吐出が正常と判断されているか否かを判定する。より詳細には、制御部70は、後述する「吐出に関する不具合発生」のフラグが、立っているか否かを判定する。液体吐出ヘッド54において、既に吐出に関する不具合が発生しているときに、一時的に電源スイッチ25aが切断されて、その後、電源スイッチ25aが再投入されるときがある。そのため、電源が投入されたタイミングにおいて、本ステップS401の判定が必要となる。すなわち、電源が投入されたタイミングにおいて、制御部70が有する検知部70aによって、既に吐出に関する不具合が発生していると判定されているときがある。液体吐出ヘッド54の吐出が正常のときは、ステップS401の判定結果はYESとなり、ステップS402に移行する。液体吐出ヘッド54の吐出が正常と判断されていないときは、ステップS401の判定結果はNOとなり、後述するステップS407に移行する。
ステップS402において、制御部70は、検知部70aによって液体吐出ヘッド54の吐出不良が検知されたか否かを判定する。吐出不良が検知されたときは、ステップS402の判定結果はYESとなり、ステップS403に移行する。吐出不良が検知されていないときは、ステップS402の判定結果はNOとなり、ステップS408に移行する。
ステップS403において、制御部70は、印刷ジョブが終了したタイミングで、メンテナンス部71に液体吐出ヘッド54のメンテナンスの実行を開始させる。本ステップにおいて実行されるメンテナンスは、ユーザーの処理が介在せず、自動で行なわれる自動メンテナンスである。
ステップS300において、制御部70は、図7に示す前述したメンテナンス処理のサブルーチンを実行する。
ステップS404において、自動メンテナンスが終了したタイミングで、制御部70は、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数に1を加算する。制御部70はその内部に、
例えば、書き替え可能なメモリーを有しており、液体吐出装置11に装着されている液体吐出ヘッド54が有するICチップ56内の複数の情報を読み取ってメモリー内に記憶し、ICチップ56と情報を共有する。ICチップ56内には、液体吐出ヘッド54の型式情報や、吐出に関する不具合の履歴等が記憶されている。型式情報は、液体吐出ヘッド54の型番や製造番号等であり、制御部70による液体吐出ヘッド54の識別に使用される。さらに、型式情報によって、装着された液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11において問題なく使用できるか否かを、制御部70が判断できる。吐出に関する不具合の履歴は、装着された液体吐出ヘッド54において、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数や、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数等である。
新しい液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11に装着されてから、本ステップS404において自動メンテナンスが初めて行われたのであれば、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数として、ICチップ56内に記憶されている数値である「ゼロ」が1に書き替えられる。制御部70は、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数を1として、内部のメモリー内の数値と、ICチップ56内の数値とを共有する。
自動メンテナンスを行った後の次の印刷ジョブにおいて、検知部70aによって吐出不良が検知されず、自動メンテナンスが行なわれなかったときは、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数において、ICチップ56内に記憶されている数値である1が「ゼロ」に書き替えられる。制御部70は、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数を「ゼロ」として、内部のメモリー内の数値と、ICチップ56内の数値とを共有する。そのため、液体吐出ヘッド54が、本ステップS404において自動メンテナンスが行われたことがあっても、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数として、ICチップ56内に記憶されている数値が「ゼロ」の場合がある。以降の説明においては、自動メンテナンスが繰り返し行われた回数を自動メンテナンス回数という。
ステップS405において、制御部70が有する検知部70aは、自動メンテナンス回数が、第1規定回数N1に達したか否かを判定する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。自動メンテナンス回数が第1規定回数N1に達するとき、ステップS405の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。自動メンテナンス回数が第1規定回数N1に達していないとき、ステップS405の判定結果はNOとなり、ステップS402に移行する。第1規定回数N1は、液体吐出ヘッド54の種類によって異なるため限定されないが、例えば3回とする。第1規定回数N1は3回よりも多くても少なくてもよい。第1規定回数N1が3回のときは、自動メンテナンス回数が3回に達するときに、ステップS405の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。
ステップS406において、制御部70が有する検知部70aは、液体吐出ヘッド54において吐出に関する不具合が発生していると判定する。制御部70は、その内部の書き替え可能なメモリー内に「吐出に関する不具合発生」のフラグを立てる。例えば、「吐出に関する不具合発生」の有無を記憶する部分の数値を「ゼロ」から1に書き替える。また、制御部70は、液体吐出ヘッド54のICチップ56内にも書き込みを行い、「吐出に関する不具合発生」の有無を記憶する部分の数値を「ゼロ」から1に書き替えることにより、制御部70の内部のメモリー内と、ICチップ56内とで情報を共有してもよい。
そして、ステップS500において、詳細は後述するが、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローのサブルーチンを実行する。すなわち、制御部70は、検知部70aが液体吐出ヘッド54において吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げる。
本実施形態においては、上記の確認フローを立ち上げる代わりに、制御部70は、検知部70aが液体吐出ヘッド54において吐出に関する不具合を検知した場合に、確認フローを立ち上げずに、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、自動でサーバー装置80に送信してもよい。
上記の確認フローのサブルーチンが終了すると、制御部70は、図9に示す本フローを終了する。
前述したように、ステップS401において、液体吐出ヘッド54の吐出が正常と判断されていないときは、ステップS401の判定結果はNOとなり、ステップS407に移行する。
ステップS407において、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信済か否かを判定する。新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信済のときは、ステップS407の判定結果はYESとなり、制御部70は、図9に示す本フローを終了する。すなわち、既に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信済のときは、制御部70は、配送フローを含む確認フローを行う必要がない。例えば、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信された後に、一時的に電源スイッチ25aが切断されて、再度電源スイッチ25aが投入されたときは、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信済である。制御部70が、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信済でないときは、ステップS412の判定結果はNOとなり、ステップS500に移行する。例えば、制御部70によって確認フローが開始されて、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信される前に、一時的に電源スイッチ25aが切断されて、再度電源スイッチ25aが投入されたときは、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信していない。そのときは、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信される必要がある。すなわち、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを再度立ち上げる。
前述したように、ステップS402において、吐出不良が検知されていないときは、ステップS402の判定結果はNOとなり、制御部70は、ステップS408の処理に移行する。
ステップS408において、制御部70は、ユーザーによる液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスが行われたか否かを判定する。ユーザーによる液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスが行われたときは、ステップS408の判定結果はYESとなり、ステップS409に移行する。ユーザーによる液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスが行われていないときは、ステップS408の判定結果はNOとなり、ステップS411に移行する。
ステップS409において、手動メンテナンスが終了したタイミングで、制御部70は、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数に1を加算する。新しい液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11に装着されてから、本ステップS409において手動メンテナンスが初めて行われたのであれば、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数として、ICチップ56内に記憶されている数値である「ゼロ」が1に書き替えられる。制御部70は、手動メンテナンス回数を1として内部のメモリー内の数値と、ICチップ56内の数値とを共有する。
ユーザーによる手動メンテナンスを行なわれた後の最初の印刷ジョブにおいて、手動メンテナンスが行なわれなかったときは、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数において、ICチップ56内に記憶されている数値である1が「ゼロ」に書き替えられる。制御部70は、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数を「ゼロ」として、内部のメモリー内の数値と、ICチップ56内の数値とを共有する。新しい液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11に装着されてから、本ステップS409において手動メンテナンスが行われた
ことがあるときも、手動メンテナンスが前回の印刷ジョブの後に行われていないときは、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数として、ICチップ56内に記憶されている数値は「ゼロ」である。以降の説明においては、手動メンテナンスが繰り返し行われた回数を手動メンテナンス回数という。
ステップS410において、制御部70が有する検知部70aは、手動メンテナンス回数が、第2規定回数N2に達したか否かを判定する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。手動メンテナンス回数が第2規定回数N2に達するとき、ステップS410の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。手動メンテナンス回数が第2規定回数N2に達していないとき、ステップS410の判定結果はNOとなり、ステップS402に移行する。第2規定回数N2は、液体吐出ヘッド54の種類によって異なるため限定されないが、例えば3回とする。第2規定回数N2は3回よりも多くても少なくてもよい。また、第2規定回数N2は、第1規定回数N1と同じ値としてもよいし、第1規定回数N1と異なる値としてもよい。第2規定回数N2が3回のときは、手動メンテナンス回数が3回に達するときに、ステップS410の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。
本実施形態においては、検知部70aは、自動メンテナンス回数と手動メンテナンス回数を別々にカウントしているが、検知部70aは、自動メンテナンス回数と手動メンテナンス回数との合計が規定回数に達したか否かを判定してもよい。自動メンテナンス回数と手動メンテナンス回数との合計が規定回数に達したか否かの判定結果によって、制御部70は、吐出に関する不具合が発生しているか否かを判断してもよい。またその場合、検知部70aは、前回の印刷ジョブの後に自動メンテナンスが実行されて次の印刷ジョブの後に手動メンテナンスが実行されたときや、前回の印刷ジョブの後に手動メンテナンスが実行されて次の印刷ジョブの後に自動メンテナンスが実行されたときも、メンテナンスが繰り返し実行されたと判断してもよい。
前述したように、ステップS408において、ユーザーによる液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスが行われていないときは、ステップS408の判定結果はNOとなり、制御部70は、ステップS411の処理に移行する。
ステップS411において、制御部70は、ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって吐出に関する不具合が発生したことの入力を行ったか否かを判定する。ユーザーによる操作部25への吐出に関する不具合が発生したことの入力が行われたときは、ステップS411の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。すなわち、操作部25によって、液体吐出ヘッド54の吐出に関する不具合が発生したことを入力した場合に、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げる。ユーザーによる操作部25への吐出に関する不具合が発生したことの入力が行われていないときは、ステップS411の判定結果はNOとなり、ステップS412に移行する。
ステップS412において、制御部70は、ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行ったか否かを判定する。ユーザーによる操作部25への新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力が行われたときは、ステップS412の判定結果はYESとなり、ステップS406に移行する。すなわち、ユーザーが操作部25によって新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行ったときも、ユーザーによる操作部25への吐出に関する不具合が発生したことの入力に含まれる。ユーザーによる操作部25への新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力が行われていないときは、ステップS412の判定結果はNOとなり、ステップS402に移行する。
<確認フローについて>
最初に、図10に示す確認フローの概要について説明する。
制御部70が、吐出に関する不具合が発生していると判断するときは、検知部70aによる液体吐出装置11の状態の検知によって判断する場合と、ユーザーの操作部25による入力によって判断する場合とがある。図9のステップS411においてユーザーによる吐出に関する不具合が発生したことの入力が行われたときや、図9のステップS412においてユーザーによる新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力が行われたときは、制御部70は、ユーザーの操作部25による入力によって吐出に関する不具合が発生していると判断する。
ユーザーが、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスが実行できることを知らずに、操作部25に吐出に関する不具合が発生したことの入力や新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行う場合がある。そのため、制御部70は、液体吐出装置11における液体吐出ヘッド54のメンテナンスの実施状況に応じた確認フローを立ち上げることが望ましい。これにより、制御部70は、ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって入力が行われる前の液体吐出ヘッド54のメンテナンスの実施状況に応じた確認フローを立ち上げる。
より詳しくは、本実施形態においては、ユーザーが操作部25に対して吐出に関する不具合が発生したことの入力や新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行ったとき、手動メンテナンス回数が第3規定回数N3以上のときは、制御部70は配送フローに移行する。また、ユーザーが操作部25に吐出に関する不具合が発生したことの入力や新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行ったとき、手動メンテナンス回数が第3規定回数N3未満のときは、制御部70が自動メンテナンスを行った後、自動メンテナンスによっても吐出による不具合が回復しない場合に、制御部70は配送フローに移行する。
ユーザーが、液体吐出装置11が液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスを実行できることを知らずに、操作部25に吐出に関する不具合が発生したことの入力や新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力を行った場合は、自動メンテナンスによって、吐出による不具合が回復する場合がある。例えば、ユーザーが、液体吐出装置11が液体吐出ヘッド54の手動メンテナンスを実行できることを知らずに、ユーザーが操作部25によって吐出に関する不具合が発生したことを入力した場合、メンテナンスによって不具合が回復すれば、新しい液体吐出ヘッド54が配送される必要がない。すなわち、制御部70は配送フローに移行する必要がない。そのため、制御部70は、メンテナンス部71にメンテナンスを1回以上実行させる。
さらに、配送フローにおいては、消耗品の配送要求も同時に可能となっている。制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求をサーバー装置80に送信するとともに、新しい液体収容体の配送要求をサーバー装置80に送信する。
本実施形態においては、制御部70は、液体吐出装置11の表示部26上に確認フローを立ち上げる。その代わりに、制御部70は、ネットワークNWを介して接続されるPC画面上に確認フローを立ち上げてもよいし、PC画面上と液体吐出装置11の表示部26上との両方に確認フローを立ち上げるようにしてもよい。
次に、図10に示すフローチャートを参照し、確認フローのサブルーチンについて、各ステップにおける制御部70が実行する制御を順に説明する。
ステップS501において、制御部70は、入力部の一例としての操作部25に、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされた場合か否かを判定
する。操作部25に、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされて、制御部70が確認フローに移行したときは、ステップS501の判定結果はYESとなり、ステップS502に移行する。操作部25に、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされていないとき、すなわち、自動メンテナンス回数が第1規定回数N1に達したか、ユーザーによるメンテナンス回数が第2規定回数N2に達して、制御部70が確認フローに移行したときは、ステップS501の判定結果はNOとなり、ステップS503に移行する。
ステップS502において、制御部70が有する検知部70aは、手動メンテナンス回数が、第3規定回数N3に達したか否かを判定する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。手動メンテナンス回数が第3規定回数N3に達するとき、ステップS502の判定結果はYESとなり、ステップS503に移行する。手動メンテナンス回数が第3規定回数N3に達していないとき、ステップS502の判定結果はNOとなり、ステップS511に移行する。第3規定回数N3は、液体吐出ヘッド54の種類によって異なるため限定されないが、例えば2回とする。第3規定回数N3は2回よりも多くても少なくてもよい。また、第3規定回数N3は、第1規定回数N1または第2規定回数N2と同じ値としてもよいし、第1規定回数N1または第2規定回数N2と異なる値としてもよい。第3規定回数N3が2回のときは、手動メンテナンス回数が2回に達するときに、ステップS502の判定結果はYESとなり、ステップS503に移行する。手動メンテナンス回数が「ゼロ」回または1回のときに、ステップS502の判定結果はNOとなり、ステップS511に移行する。
なお、制御部70は、ステップS502を、手動メンテナンスまたはノズルチェック印刷の実施の有無を表示部26によってユーザーに確認するステップとしてもよい。すなわち、制御部70が、手動メンテナンスまたはノズルチェック印刷の実施の有無を表示部26によってユーザーに確認し、操作部25によって「実施済」が選択された場合は、ステップS503の配送フローに移行し、「未実施」が選択された場合は、ステップS511に移行してもよい。
ステップS503において、制御部70は、表示部26上に新しい液体吐出ヘッド54を配送するか否かの確認画面を表示する。例えば、制御部70は、表示部26上に「吐出に関する不具合を検知しました。新しい液体吐出ヘッドの配送を要求しますか。」のメッセージを表示し、ユーザーに操作部25による「YES」または「NO」の選択入力を要求する。ユーザーが操作部25により「YES」を入力すると、ステップS503において、制御部70は、配送フローを開始する。
ステップS504において、制御部70は、操作部25によって、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が選択されたか否かを判定する。新しい液体吐出ヘッドの配送要求が選択されたときは、ステップS504の判定結果はYESとなり、ステップS505に移行する。新しい液体吐出ヘッドの配送要求が選択されなかったときは、ステップS504の判定結果はNOとなり、ステップS509に移行する。ユーザーによって既に新しい液体吐出ヘッドの配送要求がされているときは、制御部70は、その旨を表示部26に表示して、ユーザーが新しい液体吐出ヘッドの配送を要求できないフローとしてもよい。
ステップS505において、図8に示すように、制御部70は、送信部60によって新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信させる。サーバー装置80は、受信部80aによって送信部60からの送信内容を受信し、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を受け付ける。そして、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを表示部26上に表示し、液体吐出装置1
1の使用を禁止する。例えば、本実施形態においては、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信された場合に、後述するステップS508において制御部70が配送フローを終了すると、液体吐出装置11は、操作部25からの電源スイッチ25aの操作と使用禁止解除処理の操作以外の一切の操作を受け付けない。すなわち、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した場合に、液体吐出装置11の使用を禁止する。
ステップS506において、制御部70は、表示部26上に液体吐出装置11が備える液体収容体28に対する新しい液体収容体28を配送するか否かの確認画面を表示する。例えば、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドの配送と同時に、全ての新しい液体収容体の配送を要求しますか。」のメッセージを表示し、ユーザーに操作部25による「YES」または「NO」の選択入力を要求する。そして、制御部70は、操作部25によって、全ての新しい液体収容体の配送要求が選択されたか否かを判定する。全ての新しい液体収容体の配送要求が選択されたときは、ステップS506の判定結果はYESとなり、ステップS507に移行する。全ての新しい液体収容体の配送要求が選択されなかったときは、ステップS506の判定結果はNOとなり、ステップS509に移行する。なお、制御部70は、ステップS506の処理を行わず、ステップS505を実行した後にステップS509に移行してもよい。
液体吐出装置11においてノズルチェック印刷が実行され、そのノズルチェック印刷の結果をユーザーが確認することによって、どの液体収容体28から供給されている液体Lが吐出されるノズルで不具合が発生しているかを、ユーザーが判断できる場合がある。例えば、イエローのインクにおいて吐出不良が発生しているときは、イエローのインクに問題がある可能性がある。そのときは、吐出不良が発生しているイエローのインクを収容する液体収容体28に対する新しい液体収容体28が配送されることが望ましい。すなわち、ステップS506において、制御部70は、液体吐出装置11が備える液体収容体28において、どの液体収容体28に対する新しい液体収容体28が配送されるかを選択する画面を表示部26上に表示し、制御部70は、どの液体収容体28に対する新しい液体収容体28が配送されるかをユーザーに選択させてもよい。
ステップS507において、図8に示すように、制御部70は、送信部60によって新しい液体収容体の配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信させる。制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信可能である。サーバー装置80は、受信部80aによって送信部60からの送信内容を受信し、新しい液体収容体の配送要求を受け付ける。
本実施形態のように、制御部70は、全ての新しい液体収容体の配送要求を、サーバー装置80に送信させてもよいし、ユーザーによって選択された液体収容体28に対する新しい液体収容体の配送要求を、サーバー装置80に送信させてもよい。
ステップS508において、制御部70は、配送フローを終了させる。例えば、新しい液体吐出ヘッド54と全ての新しい液体収容体28とが配送要求されたときは、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドと全ての新しい液体収容体の配送が要求されました。」のメッセージを表示して、配送フローを終了させる。そして、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。
ステップS509において、制御部70は、液体吐出装置11が備える液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるか否かを判定する。例えば、液体吐出装置11は、液体供給ユニット27内にそれぞれの液体収容体28内の液体Lの残量を検知する複数の不図示の液体残量センサーを有し、投光素子と受光素子とで構成され
る液体残量センサーは、それぞれの液体収容体28内に収容された液体Lの残量に応じて変化する反射光の強さに基づいて液体Lの残量を検出する。制御部70は、液体残量センサーから入力される信号に基づいて液体収容体28内に収容された液体Lの残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるか否かを判定する。例えば、閾値は、液体収容体28が届くまでの日数や、液体吐出装置11において一日に消費される液体Lの量によって、決められた値である。残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるときは、ステップS509の判定結果はYESとなり、ステップS510に移行する。残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がないときは、ステップS509の判定結果はNOとなり、ステップS508に移行する。
ステップS510において、制御部70は、残量が所定の閾値を下回った液体収容体28において、送信部60によって新しい液体収容体の配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信させる。制御部70は、検知部70aが不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、残量が所定の閾値を下回った液体収容体28に対応する新しい液体収容体の配送要求を送信可能である。すなわち、新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、その液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを収容する複数の液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がある場合、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信する。
なお、ユーザーによって既に新しい液体収容体の配送要求がされているときは、新しい液体収容体の配送要求はされなくてもよい。また、残量が所定の閾値を下回った複数の液体収容体28があるときは、その複数の液体収容体28に対応した新しい液体収容体の配送要求を、制御部70は、サーバー装置80に自動で送信させてもよい。
ステップS508において、制御部70は、配送フローを終了させる。例えば、新しい液体吐出ヘッド54とイエローインク用の新しい液体収容体28とが配送要求されたときは、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドとイエローインク用の新しい液体収容体の配送が要求されました。」のメッセージを表示して、配送フローを終了させる。そして、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。
前述したように、手動メンテナンス回数が第3規定回数N3に達していないとき、ステップS502の判定結果はNOとなり、制御部70は、ステップS511の処理に移行する。
ステップS511において、制御部70は、メンテナンス部71に液体吐出ヘッド54の自動メンテナンスの実行を開始させる。なお、ステップS511において、制御部70は、手動メンテナンスを実行させるフローへ移行してもよい。そして、ユーザーの操作部25による操作によって、手動メンテナンスを開始させてもよい。
ステップS300において、制御部70は、図7に示す前述したメンテナンスのサブルーチンを実行する。
ステップS512において、制御部70は、キャリッジユニット50にノズルチェック印刷を実行させる。自動メンテナンス後にノズルチェック印刷が行なわれる目的は、ユーザーによる手動メンテナンス回数が少ないとき、自動メンテナンスによって吐出による不具合が回復したか否かを、ユーザーに確認させるためである。
ステップS513において、制御部70は、吐出による不具合が「回復した」または「回復しない」の選択画面を表示部26上に表示する。ユーザーはノズルチェック印刷の結果を見て、「回復した」または「回復しない」のいずれかを選択する。
ステップS514において、制御部70は、操作部25によって、「回復した」が選択されたか否かを判定する。「回復した」が選択されたときは、ステップS514の判定結果はYESとなり、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。「回復した」が選択されなかった、すなわち「回復しない」が選択されたときは、ステップS514の判定結果はNOとなり、ステップS503の配送フローに移行する。そして、制御部70は、新しい液体吐出ヘッド54を配送するか否かの確認画面を表示部26上に表示する。
ステップS514において、「回復しない」が選択されたときは、制御部70は、ステップS511に移行し、自動メンテナンス処理を再度行ってもよい。その場合は、自動メンテナンス処理を所定回数繰り返しても「回復しない」が選択されたときに、制御部70は、ステップS503の配送フローに移行する。
なお、ステップS513において、制御部70は、吐出による不具合が「回復した」または「回復しない」の選択画面を表示部26上に表示し、ステップS514において、制御部70は、操作部25によって、「回復した」が選択されたか否かを判定する代わりに、自動で検知部70aによって吐出不良検知を行ってもよい。そして、その結果に応じて、制御部70は、吐出による不具合が回復したか否かを判定してもよい。回復したと判定されたときは、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。回復しなかったと判定されたときは、ステップS503の配送フローに移行する。
<新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理について>
次に、図11に示すフローチャートを参照し、図9に示す「吐出に関する不具合の判断処理」において、最初に制御部70が実行する「新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理」のサブルーチンについて説明する。
ステップS601において、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信済みか否かを判定する。新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信済のときは、ステップS601の判定結果はYESとなり、ステップS602に移行する。新しい液体吐出ヘッドの配送要求が送信されていないとき、または、配送要求によって配送された新しい液体吐出ヘッド54が装着済みで、その配送された新しい液体吐出ヘッド54の使用を既に開始しているときは、ステップS601の判定結果はNOとなり、制御部70は、本サブルーチンを終了する。
ステップS602において、制御部70は、液体吐出ヘッド54が有するICチップ56から、キャリッジユニット50が備える液体吐出ヘッド54の型式情報と、吐出に関する不具合の履歴情報の取得を実行する。
ステップS603において、制御部70は、「交換された液体吐出ヘッドは、使用済みの液体吐出ヘッドです。」または「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージが表示部26上に表示されているときは、そのメッセージを消す。本メッセージについては、後述するステップS605および後述するステップS607において説明する。
ステップS604において、制御部70は、液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されたか否かを判定する。前述したように、制御部70は、型式情報によって液体吐出ヘッド54を識別する。すなわち、制御部70は、型式情報によって液体吐出ヘッド54が交換されたかどうかを確認できる。液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されたときは、ステップS604の判定結果はYESとなり、ステップS606に移行する。液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されていないときは、ステップS604の判定結果はNOとなり、ステップS605に移行する。なお、本液体吐出装置11に初めて液体吐出ヘッド54が
搭載されるときは、ステップS606に移行することとする。
ステップS605において、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを表示部26上に表示し、液体吐出装置11の使用を禁止する。例えば、液体吐出装置11は、操作部25からの電源スイッチ25aと使用禁止解除処理以外の一切の操作を受け付けない。制御部70は、液体吐出装置11の使用を禁止した状態のまま、本サブルーチンを終了する。
液体吐出装置11が液体吐出装置11の使用を禁止した状態のときに、ユーザーによって操作部25から電源スイッチ25aが、一時的に切断されて再投入された場合は、制御部70は、液体吐出装置11の初期化動作を行った後に、図9に示す「吐出に関する不具合の判断処理」を実行する。そのため、制御部70は、「吐出に関する不具合の判断処理」の最初の処理である本ルーチンにすぐに移行する。そして、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを表示部26上に再度表示し、操作部25からの電源スイッチ25aと後述する使用禁止解除処理以外の一切の操作を受け付けない。すなわち、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した場合に、液体吐出装置11の使用を禁止する。
液体吐出装置11は、液体吐出装置11が液体吐出装置11の使用を禁止した状態のときに、ユーザーによって操作部25から使用禁止解除処理の操作が可能である。例えば、本実施形態においては、液体吐出装置11が液体吐出装置11の使用を禁止した状態のときは、制御部70は、表示部26上に液体吐出装置11の動作を管理するメニューのみを操作可能とする。これにより、ユーザーは、操作部25の操作によって、そのメニューから「装置の使用禁止解除」を選択可能である。液体吐出装置11が液体吐出装置11の使用を禁止した状態のときに、ユーザーによって操作部25から使用禁止解除処理の操作が行われた場合は、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを表示部26上に表示したまま、液体吐出装置11の使用禁止を解除する。すなわち、ユーザーからの要求を条件として、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した後の液体吐出装置11の使用禁止を解除する。
なお、ステップS605において、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを表示部26上に表示した後、操作部25によって、ユーザーが液体吐出装置11の使用を禁止するか、液体吐出装置11の使用を継続するか、を選択できるようにしてもよい。
前述したように、ステップS604において、液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されたときは、ステップS604の判定結果はYESとなり、制御部70はステップS606の処理に移行する。
ステップS606において、制御部70は、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴があるか否かを判定する。液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されたときに、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴がある場合は、制御部70は、液体吐出ヘッド54が吐出に関する不具合を有する他の使用済みの液体吐出ヘッド54に交換されたと判断する。液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴があるときは、ステップS606の判定結果はYESとなり、ステップS607に移行する。液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴がないときは、ステップS606の判定結果はNOとなり、ステップS608に移行する。
ステップS607において、制御部70は、「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」と、「交換された液体吐出ヘッドは、使用済みの液体吐出ヘッドです。」との両方
のメッセージを表示部26上に表示し、液体吐出装置11の使用を禁止する。なお、ユーザーによって操作部25が有する電源スイッチ25aが、一時的に切断されて再投入された場合にも、本メッセージは、表示部26上に再度表示される。制御部70は、液体吐出装置11の使用を禁止した状態のまま、本サブルーチンを終了する。
ステップS607において、装着された液体吐出ヘッド54の自動メンテナンス回数が第1規定回数N1に達しておらず、かつ手動メンテナンス回数が第2規定回数N2に達していないときは、制御部70は、液体吐出装置11の使用禁止を解除して、液体吐出装置11が使用できるようにして、本サブルーチンを終了してもよい。
前述したように、ステップS606において、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴がないときは、ステップS606の判定結果はNOとなり、ステップS608に移行する。
ステップS608において、制御部70は、制御部70内に保持する吐出に関する不具合の履歴をリセットし、吐出に関する不具合のフラグを初期化する。例えば、制御部70は、「吐出に関する不具合発生」の有無を記憶する部分の数値を1から「ゼロ」に書き替える。すなわち、液体吐出ヘッド54の型式情報が変更されたときに、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合の履歴がない場合は、制御部70は、新しい液体吐出ヘッド54に交換されたと判断する。
ステップS609において、制御部70は、表示部26上に表示されている「新しい液体吐出ヘッドに交換してください。」のメッセージを消し、液体吐出装置11の使用禁止を解除する。制御部70は、本サブルーチンを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
液体吐出装置11において、ユーザーによって電源スイッチ25aが投入されると、初期化動作が行なわれた直後のタイミングで、制御部70は図9に示すフローを開始させ、最初に、図11に示す「新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理」を実行する。
制御部70は、液体吐出ヘッド54のICチップ56に書き込まれている型式情報と、吐出に関する不具合の履歴とを、制御部70内のメモリー内の情報と共有する。制御部70は、型式情報によって、液体吐出ヘッド54が別の液体吐出ヘッド54に交換されたか否かを確認するとともに、液体吐出装置11との互換性を確認する。そして、制御部70は、吐出に関する不具合の履歴によって、液体吐出ヘッド54が新しい液体吐出ヘッド54に交換されたか否かを確認する。
液体吐出装置11に装着されていた液体吐出ヘッド54において吐出に関する不具合が発生していたときは、制御部70が、液体吐出ヘッド54が別の液体吐出ヘッド54に交換されたか否かを確認することによって、吐出に関する不具合が発生している液体吐出ヘッド54とは別の液体吐出ヘッド54で、印刷を行うことができる。すなわち、液体吐出装置11において、吐出不良が発生する虞が少なくなる。
また、制御部70が、互換性を確認することによって、非互換の液体吐出ヘッド54が装着されているときは、制御部70は、液体吐出装置11が印刷できないようにすることができる。例えば、ある製造番号を有する液体吐出ヘッド54において、特定の液体吐出装置に装着されると不具合が起きることが、出荷後に発見されたとき、その不具合が起きる可能性がある製造番号を有する液体吐出ヘッド54が、該当する液体吐出装置に装着されている場合に、制御部70は、液体吐出装置11の使用を禁止することができる。
さらに、吐出に関する不具合の履歴を確認することによって、液体吐出ヘッド54が別の液体吐出ヘッド54に交換されるときに、吐出に関する不具合がある液体吐出ヘッド54に交換されることが防止できる。すなわち、制御部70は、液体吐出ヘッド54が新しい液体吐出ヘッド54に交換されたか否かを確認できるため、液体吐出装置11において、吐出不良が発生する虞が少なくなる。例えば、液体吐出ヘッド54が、以前に吐出に関する不具合があると判断された液体吐出ヘッド54に、ユーザーによって間違って交換されたときに、制御部70は、それを検知することができる。そして、その場合に、制御部70は、液体吐出装置11の使用を禁止することができる。
制御部70は、液体吐出ヘッド54の装着確認処理を終了する。この状態において、液体吐出装置11は、媒体Mに記録が可能となる。また、液体吐出装置11の使用が禁止されていたときも、ICチップ56に書き込まれている型式情報と、吐出に関する不具合の履歴とから、制御部70が、装着されている液体吐出ヘッド54が使用可能であると判断するときは、制御部70は、液体吐出装置11の使用禁止を解除することができる。
図9に示すように、新しい液体吐出ヘッド54の装着確認処理が終了したときに、ステップS401において、制御部70が、吐出に関する不具合が発生していると判断し、ステップS407において、配送要求が送信されていないと判断された場合は、制御部70は、すぐに確認フローを立ち上げる。すなわち、ユーザーによって電源スイッチ25aが投入されたときに、吐出に関する不具合が発生しているのに配送要求が送信されていない場合は、制御部70は、すぐに配送要求を含む確認フローを立ち上げることができる。
液体吐出装置11が媒体Mに記録するときは、液体吐出ヘッド54のノズル54aから媒体Mに向けて液体Lが吐出される。そして液体吐出装置11が、媒体Mを次の記録位置まで搬送する搬送動作と、次の記録位置でキャリッジユニット50が走査方向Xに移動する途中で液体吐出ヘッド54のノズル54aから液体Lを吐出する記録動作とを交互に繰り返すことで、媒体Mに文字又は画像等が記録される。
液体吐出装置11による媒体Mへの記録によって、液体吐出ヘッド54のノズル54aから液体Lを吐出する動作が繰り返される。図4に示すように、液体吐出装置11において、記録が行われないときは、キャップ部73が液体吐出ヘッド54に接触することによりノズル54aを囲む閉空間CSが形成される。しかし、液体吐出ヘッド54内の液体Lはノズル54aの開口部において常に空気と触れており、液体L中の水分は少しずつ蒸発する。そのため、ノズル54aの開口部において常に空気と触れている部分の液体Lが増粘することがある。すなわち、ノズル54aの開口部が増粘した液体Lによって詰まり、液体Lが吐出されない吐出不良が発生する場合がある。
図8に示すように、監視部55は、液体吐出ヘッド54において吐出不良が発生したか否かを常に監視し、その結果を検知部70aに通知する。そして、制御部70は、図9のステップS402及びステップS403において、監視部55から検知部70aに通知された結果に応じて、メンテナンス部71によって液体吐出ヘッド54の自動メンテナンスを実行する。増粘することによりノズル54aの開口部を詰まらせた液体Lが、メンテナンスによってノズル54aの開口部より排出される。そのため、自動メンテナンスが実行された次の印刷において、吐出不良が発生する虞を少なくすることができる。
制御部70は、図9のステップS405において、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知部70aが検知したときに、ステップS406において、吐出に関する不具合と判断する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。これにより、検知部70aが不具合を検知し、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない
吐出不良があった場合に、制御部70は、吐出に関する不具合が発生していると判断するため、制御部70は、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローを立ち上げることができる。
液体吐出ヘッド54において、吐出不良の状態が続いていても、制御部70によって、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されない場合がある。例えば、液体チャンバーの残留振動情報が検知閾値近傍のときは、同じ吐出不良であっても検知がされるときと検知がされないときがあるため、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されない場合がある。このようなときは、ユーザーが印刷物の印刷結果を確認することによって吐出不良に気づき、ユーザーによるメンテナンスである手動メンテナンスが実行される。
制御部70は、図9のステップS410において、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知部70aが検知したときに、ステップS406において、吐出に関する不具合と判断する。すなわち、検知部70aは、吐出に関する不具合として、ユーザーによりメンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。これにより、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない吐出不良があった場合に、制御部70は、吐出に関する不具合が発生していると判断するため、制御部70は、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローを立ち上げることができる。
液体吐出装置11は、吐出に関する不具合が発生したことをユーザーが入力可能な入力部の一例としての操作部25を備える。ユーザーは、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されることや、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されることを待つことなく、吐出に関する不具合が発生したことを操作部25に入力することができる。図9のステップS411において、ユーザーによって操作部25に吐出に関する不具合が発生したことの入力がされたときは、制御部70は、ステップS406において、吐出に関する不具合が発生していると判断するため、制御部70は、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローを立ち上げることができる。
液体吐出装置11は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求をユーザーが入力可能な操作部25を備える。ユーザーは、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されることや、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されることを待つことなく、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を操作部25に入力することができる。図9のステップS412において、操作部25に配送要求の入力がされたときは、制御部70は、ステップS406において、吐出に関する不具合が発生していると判断するため、制御部70は、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローを立ち上げることができる。
制御部70は、図9のステップS406において、液体吐出装置11において吐出に関する不具合が発生していると判断するとき、制御部70は、図10に示す確認フローを立ち上げる。
図10に示すように、制御部70は、ステップS501〜ステップS503において、操作部25によって、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされた場合に、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返されていないときは、制御部70は、ステップS511において、自動メンテナンスの実行を開始する。換言すると、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされる直前に、手動メンテナンスが所定回数以上繰り返されていないときは、自動メンテナンスを実行する。すなわち、ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって吐出に関する不具合が発生したことを入力、または配送要求を入力した場合、制御部70は、メンテナンス部71に前記メンテナンスを1回以上実行させる。これにより、メンテナンスで不具合が回復するときは、制御部70による交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローの
立ち上げが不要になる。
また、ユーザーによって、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされた場合に、既に手動メンテナンスが所定回数以上繰り返されているときは、メンテナンスでは不具合が回復しないため、制御部70は、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送要求を含む確認フローをすぐに立ち上げることができる。
すなわち、ユーザーによって、吐出に関する不具合が発生したことの入力、または配送要求の入力がされたときは、制御部70は、入力前のメンテナンスの実施状況や、入力後に自動メンテナンスを行った結果の状況に応じた確認フローを実行することができる。
制御部70は、ステップS503において確認フローを開始し、ステップS504〜ステップS505において、ユーザーによる新しい液体吐出ヘッドの配送要求の選択を確認し、新しい液体吐出ヘッドの配送要求をサーバー装置80に送信する。そして、制御部70は、液体吐出装置11の使用を禁止する。これにより、吐出に関する不具合のある液体吐出ヘッド54での印刷継続を防ぐことができる。
制御部70は、ステップS506〜ステップS507において、ユーザーによる全ての液体収容体28に対する新しい液体収容体の配送要求の選択を確認し、全ての液体収容体28に対する新しい液体収容体の配送要求が選択されたときは、全ての新しい液体収容体の配送要求をサーバー装置80に送信する。全ての液体収容体28に対する新しい液体収容体の配送要求が選択されなかったときは、制御部70は、ステップS509〜ステップS510において、液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるときは、所定の閾値を下回った液体収容体28に対応する新しい液体収容体の配送要求をサーバー装置80に送信する。
これにより、ユーザーは、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lとのどちらも配送を要求することができ、さらに、ユーザーは、新しい液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、新しい液体収容体の配送も要求することができる。
図8に示すように、液体吐出装置11は、着脱可能に装着され液体Lを吐出する液体吐出ヘッド54と、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信可能な制御部70と、を備える。これにより、ユーザーは、必要な時に交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。
液体吐出装置11は、吐出に関する不具合を検知する検知部70aを更に備える。これにより、ユーザーは、吐出に関する不具合が発生した場合に交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。
図8に示す液体吐出装置11においては、制御部70は、検知部70aが不具合を検知した場合に、自動で配送要求を送信することが可能である。これにより、ユーザーが配送要求する手間を省くことができる。
図8に示すように、液体吐出装置の配送システム100は、液体吐出装置11と、制御部70から送信された新しい液体吐出ヘッドの配送要求を受信する受信部80aを有するサーバー装置80と、を備える。これにより、ユーザーは、液体吐出ヘッドに54問題が発生した場合に新しい液体吐出ヘッド54に交換することができる。
図10に示すステップS505において、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送
要求をサーバー装置80に送信した後に、液体吐出装置11の使用を禁止する。これにより、不具合のある液体吐出ヘッド54での印刷継続を防ぐことができる代わりに、新しい液体吐出ヘッド54が配送されるまでは、液体吐出装置11のダウンタイムが発生する。しかし、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合があっても、ユーザーは印刷物を印刷したい場合がある。本実施形態においては、ユーザーからの要求を条件として、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した後の液体吐出装置11の使用禁止を解除する。これにより、液体吐出ヘッド54に吐出に関する不具合があっても、ユーザーの要求によっては新しい液体吐出ヘッド54が届くまで、そのまま印刷を継続することができる。
ユーザーの元に新しい液体吐出ヘッド54が配送されると、ユーザーは、不具合がある液体吐出ヘッド54を、配送された新しい液体吐出ヘッド54に交換する作業を開始する。
最初にユーザーは、液体吐出装置11に装着されている不具合がある液体吐出ヘッド54を液体吐出装置11から取り外す前に、制御部70によって、液体吐出ヘッド54内の液体除去動作を実行させる。例えば、ユーザーは操作部25を操作して、制御部70に液体吐出ヘッド交換フローを表示部26上に表示させる。そして、ユーザーは液体除去動作開始のボタンとして表示部26上に指示された操作部25上のボタンを押して、制御部70に、図5に示す液体除去動作を実行させる。すなわち、制御部70は、装着されている不具合がある液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11から取り外され、配送された新しい液体吐出ヘッド54が取り付けられる為のフローである液体吐出ヘッド交換フローを開始し、最初にユーザーに、液体除去動作が実行されるボタンを押下させる。
図5に示すように、液体吐出ヘッド交換フローにおいて最初に行われる液体除去動作には、開閉機構により液体吐出ヘッド54に液体Lを供給する供給流路を閉鎖する工程が含まれる。本実施形態においては、この工程は、第1開閉弁75bにより第1液体供給流路75を閉鎖する閉鎖工程である。ステップS102において、制御部70がこの工程を実行する。液体吐出ヘッド54に液体Lを供給する供給流路が閉鎖されることによって、液体吐出装置11に装着されている不具合がある液体吐出ヘッド54を、液体吐出装置11から取り外す際の液体Lの漏れを抑制することができる。
制御部70が図5に示す液体除去動作を終了すると、ユーザーは、液体吐出装置11に装着されている不具合がある液体吐出ヘッド54を液体吐出装置11から取り外し、配送された新しい液体吐出ヘッド54を液体吐出装置11に取り付ける作業を実行する。例えば、制御部70は、図5に示す液体除去動作を終了したことを表示部26上に表示し、ユーザーに対して、装着されている不具合がある液体吐出ヘッド54を液体吐出装置11から取り外し、配送された新しい液体吐出ヘッド54を取り付ける作業を促すメッセージを表示部26上に表示する。
ユーザーは、図1に示す上部カバー13を開放することにより、キャリッジユニット50を露出させる。キャリッジユニット50は、媒体Mに記録を行わない非記録時には、図2に示すホームポジションHPに位置するため、上部カバー13が開放されたときに、ユーザーはキャリッジユニット50に搭載される図3に示す液体吐出ヘッド54へのアクセスが可能となる。ユーザーは、キャリッジユニット50からの液体吐出ヘッド54の取り外し作業と、配送された新しい液体吐出ヘッド54の取り付け作業とを実行し、上部カバー13を閉じて、液体吐出ヘッド54の交換作業を終了する。すなわち、筐体12を液体吐出装置11から外すことなく、ユーザーは液体吐出ヘッド54の取り外し作業と取り付け作業とを行うことができる。
なお、本実施形態においては、図5に示す液体除去動作のステップS107において、制御部70は、キャップ部73を液体吐出ヘッド54から−Z方向側に離れた退避位置に移動させる。これにより、ユーザーはキャップ部73が液体吐出ヘッド54に接触しない状態で、液体吐出ヘッド54を取り外すことができる。
ユーザーによって配送された新しい液体吐出ヘッド54が液体吐出装置11に取り付けられ、制御部70は、上部カバー13が閉じられたことを不図示のカバー開閉センサーによって確認すると、制御部70は図9に示す「吐出に関する不具合の判断処理」を実行する。前述したように本ルーチンは、電源スイッチ25aが操作されることにより液体吐出装置11の電源が投入されて、液体吐出装置11の初期化動作が行なわれた直後のタイミングや、電源が投入されている状態で、液体吐出ヘッド54がキャリッジユニット50に装着されたタイミングにおいて実行される。
図9に示す「吐出に関する不具合の判断処理」における最初の処理として、制御部70は、図11に示す「新しい液体吐出ヘッドの装着確認処理」を実行する。配送された新しい液体吐出ヘッド54が取り付けられたときに、吐出に関する不具合の履歴はリセットされ、吐出に関する不具合のフラグは初期化され、表示部26に表示されていたメッセージは消え、液体吐出装置11が使用禁止のときは使用禁止が解除される。そして、制御部70は、図9のステップS402、S408、S411、S412の判断処理を並行して実行する。すなわち、液体吐出装置11は、監視部55による吐出不良の監視と、ユーザーによる操作部25からの操作の検知とを、並行して実行している状態になる。
ユーザーは、新しい液体吐出ヘッドへの交換作業が終了したときに、ユーザーは交換作業終了のボタンとして表示部26上に指示された操作部25上のボタンを押して、制御部70に交換作業の終了を通知する。なお、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信したときは、ユーザーは新しい液体吐出ヘッド54と新しい液体収容体28との両方を交換した後に、ユーザーは交換作業終了のボタンを押して、制御部70に交換作業の終了を通知する。これにより、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lとの両方を交換することができる。
ユーザーの操作により、制御部70に交換作業の終了が通知されると、制御部70は、図6に示す液体充填動作を実行する。本実施形態においては、図6に示す液体充填動作のステップS201において、制御部70は、退避位置にあるキャップ部73を図4に示す接触位置に移動させる。これにより、液体吐出ヘッド54が取り付けられるとすぐに、キャップ部73により液体吐出ヘッド54をキャッピングすることができる。
液体充填動作に続いて、制御部70は、メンテナンス部71によりメンテナンスを行うメンテナンス工程を自動で実行する。最後に、制御部70は、表示部26上に表示されていた液体吐出ヘッド交換フローが終了したことを表示部26上に表示して、液体吐出ヘッド交換フローを終了する。これにより、ユーザーは液体吐出ヘッド交換フロー後にすぐ印刷を開始することができる。
前述したように、液体吐出ヘッド交換フローが終了したとき、液体吐出装置11は、監視部55による交換後の新しい液体吐出ヘッド54の吐出不良の監視と、交換後のユーザーによる操作部25からの操作の検知とを、制御部70によって並行して実行している。そのため、液体吐出装置11において、再び吐出に関する不具合が発生した場合にも、ユーザーは交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)液体吐出装置11は、着脱可能に装着され液体Lを吐出する液体吐出ヘッド54
と、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信可能な制御部70と、を備える。そのため、ユーザーは、必要な時に交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(2)液体吐出装置11は、吐出に関する不具合を検知する検知部70aを更に備える。そのため、吐出に関する不具合が発生した場合に交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(3)制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、自動で配送要求を送信する。そのため、ユーザーが配送要求する手間を省くことができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(4)制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げる。そのため、液体吐出ヘッド54の不具合が発生した場合に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(5)検知部70aは、吐出に関する不具合として、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。そのため、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない吐出不良があった場合に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(6)検知部70aは、吐出に関する不具合として、ユーザーによりメンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知する。そのため、ユーザーによるメンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない不具合が発生した場合に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。また、液体吐出ヘッド54において、監視部55によって検知されない不具合が発生した場合でも、検知部70aは、吐出に関する不具合が発生したと判断するため、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(7)液体吐出装置11は、吐出に関する不具合が発生したことをユーザーが入力可能な入力部の一例としての操作部25を更に備える。そのため、ユーザーによって液体吐出ヘッド54に不具合があると判断された場合に、液体吐出装置11は、適した対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(8)ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって吐出に関する不具合が発生
したことを入力した場合、制御部70は、メンテナンス部71に前記メンテナンスを1回以上実行させる。そのため、ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力があった場合に、メンテナンスで不具合が回復するか否かを再確認することができる。これにより、メンテナンスで不具合が回復するときは、ユーザーは、装着されている液体吐出ヘッド54を使い続けることができるため、液体吐出装置11において、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(9)ユーザーが入力部の一例としての操作部25によって吐出に関する不具合が発生したことを入力した場合、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げる。そのため、ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力があった場合に、その時の状況に応じた対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(10)制御部70は、入力部の一例としての操作部25による入力が行われる前のメンテナンスの実施状況に応じた確認フローを立ち上げる。そのため、ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力があった場合に、その前のメンテナンスの実施状況に応じた対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(11)制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した場合に、液体吐出装置11の使用を禁止する。これにより、液体吐出装置11において、吐出に関する不具合のある液体吐出ヘッド54での印刷継続を防ぐことができる。
(12)ユーザーからの要求を条件として、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した後の液体吐出装置11の使用禁止を解除する。そのため、液体吐出ヘッド54に不具合があっても、ユーザーの要求によっては新しい液体吐出ヘッド54が届くまでそのまま印刷を継続することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(13)制御部70は、配送された新しい液体吐出ヘッド54を取り付ける為のフローである液体吐出ヘッド交換フローを実施可能であり、液体吐出ヘッド交換フローには、メンテナンス部71によりメンテナンスを行うメンテナンス工程が含まれる。そのため、液体吐出ヘッド交換フロー後に、すぐ印刷を開始することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(14)液体吐出装置11は、液体収容体28から液体吐出ヘッド54に液体Lを供給する供給流路の一例としての第1液体供給流路75と、第1液体供給流路75を開閉する開閉機構の一例としての第1開閉弁75bと、を備え、液体吐出ヘッド交換フローには、第1開閉弁75bにより第1液体供給流路75を閉鎖する閉鎖工程が含まれる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54交換の際の液体漏れを抑制することができる。
(15)液体吐出ヘッド54は、液体収容体28に収容される液体Lを吐出するように
構成され、制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信可能である。そのため、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lとの両方の配送を要求することができる。
(16)新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを収容する複数の液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がある場合、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信する。これにより、新しい液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、残量が少ない液体収容体の配送も要求することができる。
(17)液体吐出装置11の配送システム100は、液体吐出装置11と、制御部70から送信された新しい液体吐出ヘッドの配送要求を受信する受信部80aを有するサーバー装置80と、を備える。そのため、液体吐出ヘッド54に問題が発生した場合に新しい液体吐出ヘッド54に交換することができる。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(第2実施形態)
以下、液体吐出装置11の第2実施形態について図面を参照して説明する。第1実施形態においては、ユーザーは液体収容体28を交換する。第2実施形態においては、液体収容体28は液体吐出装置11に固定され、ユーザーは液体収容体28が有する供給口へ、インク等の液体を補充容器から補給する点が、前記第1実施形態と異なる。その他の点では、第2実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
<液体吐出装置の構成について>
図1に示すように、液体供給ユニット27は、上方に開閉可能な蓋部27bを有する。液体供給ユニット27内に収容される複数の液体収容体28は、上部に液体Lを補給可能な不図示の供給口を有する。ユーザーが蓋部27bを開けることにより、供給口が露出する。例えば、ユーザーは窓部27aを見て液量が少なくなると、ユーザーは蓋部27bを開けて、液体収容体28が有する供給口へ、不図示の複数の補充容器からインク等の液体が補給されるように、液体吐出装置11が構成される。複数の補充容器は、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの色の異なるインクを収容するインクボトルである。なお、液体吐出ヘッド54は、補充容器内の液体Lを補給可能な液体収容体28に収容される液体Lを吐出するように構成される。
<配送システムの構成について>
図8に示すように、配送システム100は、液体吐出装置11において交換が必要になった液体吐出ヘッド54に代わる交換用の液体吐出ヘッド54を、液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送する。このとき、制御部70は、補給用の新しい補充容器の配送要求を、ネットワークNWを介して、送信部60に送信させてもよい。すなわち、サーバー装置80は、液体吐出装置11から送信される補給用の新しい補充容器の配送を要求する要求信号を受信した場合に、新しい補充容器の配送を手配してもよい。
また、制御部70が吐出に関する不具合を検知した場合ではなくても、操作部25からのユーザーの指示によって、配送システム100は、交換用の液体吐出ヘッド54を、液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送してもよい。そして、操作部25からのユーザーの指示によって、配送システム100は、補給用の新しい補充容器を液体吐出装置11を使用するユーザーに対して配送してもよい。
<確認フローについて>
本実施形態においては、液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるとき、所定の閾値を下回った液体収容体28において、制御部70は、新しい補充容器の配送要求をサーバー装置80に送信する。
図12に示すフローチャートを参照し、確認フローのサブルーチンについて、制御部70の処理が第1実施形態と異なるステップのみを説明する。
ステップS506aにおいて、制御部70は、表示部26上に液体吐出装置11が備える液体収容体28に対する新しい補充容器を配送するか否かの確認画面を表示する。例えば、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドの配送と同時に、全ての液体収容体に対する新しい補充容器の配送を要求しますか。」のメッセージを表示し、ユーザーに操作部25による「YES」または「NO」の選択入力を要求する。そして、制御部70は、操作部25によって、全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求が選択されたか否かを判定する。全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求が選択されたときは、ステップS506aの判定結果はYESとなり、ステップS507aに移行する。全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求が選択されなかったときは、ステップS506aの判定結果はNOとなり、ステップS509に移行する。なお、制御部70は、ステップS506aの処理を行わず、ステップS505を実行した後にステップS509に移行してもよい。
液体吐出装置11においてノズルチェック印刷が実行され、そのノズルチェック印刷の結果をユーザーが確認することによって、どの液体収容体28から供給されている液体が吐出されるノズルで不具合が発生しているかを、ユーザーが判断できる場合がある。例えば、イエローのインクにおいて吐出不良が発生しているときは、イエローのインクに問題がある可能性がある。そのときは、吐出不良が発生しているイエローのインクを収容する液体収容体28に対する新しい補充容器が配送されることが望ましい。すなわち、ステップS506aにおいて、制御部70は、液体吐出装置11が備える液体収容体28において、どの新しい補充容器が配送されるかを選択する画面を表示部26上に表示し、制御部70は、どの新しい補充容器が配送されるかをユーザーに選択させてもよい。
ステップS507aにおいて、図8に示すように、制御部70は、送信部60によって液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求を、ネットワークNWを介してサーバー装置80に送信させる。制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい補充容器の配送要求を送信可能である。サーバー装置80は、受信部80aによって送信部60からの送信内容を受信し、液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求を受け付ける。
本実施形態のように、制御部70は、全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求を、サーバー装置80に送信させてもよいし、ユーザーによって選択された液体収容体28に対する新しい補充容器のみの配送要求を、サーバー装置80に送信させてもよい。
ステップS508において、制御部70は、配送フローを終了させる。例えば、新しい液体吐出ヘッド54と全ての液体収容体28に対する新しい補充容器とが配送要求されたときは、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドと全ての液体収容体に対する新しい補充容器の配送が要求されました。」のメッセージを表示して、配送フローを終了させる。そして、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。
ステップS509において、制御部70は、液体吐出装置11が備える液体収容体28
の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるか否かを判定する。例えば、液体吐出装置11は、液体供給ユニット27内にそれぞれの液体収容体28内の液体Lの残量を検知する複数の不図示の液体残量センサーを有し、投光素子と受光素子とで構成される液体残量センサーは、それぞれの液体収容体28内に収容された液体Lの残量に応じて変化する反射光の強さに基づいて液体Lの残量を検出する。制御部70は、液体残量センサーから入力される信号に基づいて液体収容体28内に収容された液体Lの残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるか否かを判定する。例えば、閾値は、液体収容体28が届くまでの日数や、液体吐出装置11において一日に消費される液体Lの量によって、決められた値である。残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるときは、ステップS509の判定結果はYESとなり、ステップS510aに移行する。残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がないときは、ステップS509の判定結果はNOとなり、ステップS508に移行する。
ステップS510aにおいて、制御部70は、残量が所定の閾値を下回った液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求を、送信部60によってネットワークNWを介してサーバー装置80に送信させる。制御部70は、検知部70aが不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、残量が所定の閾値を下回った液体収容体28に対応する新しい補充容器の配送要求を送信可能である。すなわち、新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、その液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを収容する複数の液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がある場合、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加えて、新しい補充容器の配送要求を送信する。サーバー装置80は、受信部80aによって送信部60からの送信内容を受信し、新しい補充容器の配送要求を受け付ける。
なお、ユーザーによって既に新しい補充容器の配送要求がされているときは、新しい補充容器の配送要求はされなくてもよい。また、残量が所定の閾値を下回った複数の液体収容体28があるときは、その複数の液体収容体28に対応した複数の新しい補充容器の配送要求を、制御部70は、サーバー装置80に自動で送信させてもよい。
ステップS508において、制御部70は、配送フローを終了させる。例えば、新しい液体吐出ヘッド54とイエローインク用の新しい補充容器とが配送要求されたときは、制御部70は、表示部26上に「新しい液体吐出ヘッドとイエローインク用の新しい補充容器の配送が要求されました。」のメッセージを表示して、配送フローを終了させる。そして、制御部70は、確認フローのサブルーチンを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
第2実施形態の作用においても、第1実施形態の作用と重複した説明は省略する。
図12に示すように、制御部70は、ステップS506a〜ステップS507aにおいて、ユーザーによる全ての新しい補充容器の配送要求の選択を確認し、全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求が選択されたときは、新しい補充容器の配送要求をサーバー装置80に送信する。全ての液体収容体28に対する新しい補充容器の配送要求が選択されなかったときは、制御部70は、ステップS509〜ステップS510aにおいて、液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28があるときは、所定の閾値を下回った液体収容体28に対応した新しい補充容器の配送要求をサーバー装置80に送信する。
これにより、ユーザーは、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lのどちらも配送を要求することができ、さらに、ユーザーは、新しい液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、新しい補充容器の配送も要求することができる。
ユーザーは、新しい液体吐出ヘッドへの交換作業が終了したときに、ユーザーは交換作業終了のボタンとして表示部26上に指示された操作部25上のボタンを押して、制御部70に交換作業の終了を通知する。なお、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい補充容器の配送要求を送信したときは、ユーザーは新しい液体吐出ヘッドへの交換作業と、新しい補充容器から液体収容体28への液体の注入作業とを行った後に、ユーザーは交換作業終了のボタンを押して、制御部70に交換作業の終了を通知する。これにより、ユーザーは、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lとの両方を交換することができる。
本実施形態の効果について説明する。
液体吐出装置11においては、第1実施形態における(1)〜(14)と同じ効果が得られる。
(15)液体吐出ヘッド54は、液体収容体28に収容される液体Lを吐出するように構成され、制御部70は、検知部70aが吐出に関する不具合を検知した場合に、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい補充容器の配送要求を送信可能である。これにより、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド54の不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッド54がないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができるとともに、吐出に関する不具合の要因となっている可能性がある液体吐出ヘッド54と液体Lとの両方の配送を要求することができる。
(16)新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを収容する複数の液体収容体28の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体28がある場合、制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい補充容器の配送要求を送信する。これにより、新しい液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、残量が少ない補充容器の配送も要求することができる。
液体吐出ヘッドの配送システム100においては、第1実施形態における(17)と同じ効果が得られる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・液体吐出装置11は、交換可能な液体収容体28がキャリッジユニット50とは別の場所に設けられる本実施形態のようなオフキャリッジタイプに限らず、交換可能な液体収容体28がキャリッジユニット50に設けられるオンキャリッジタイプとしてもよい。液体吐出装置11がオンキャリッジタイプの場合には、第1開閉弁75b、第1大気連通路76、第1大気開放弁76aを設けずに液体吐出ヘッド54を交換できる構成としてもよい。また、液体吐出装置11がオフキャリッジタイプの場合でも、第1大気連通路76および第1大気開放弁76aは設けなくてもよいし、第1開閉弁75bはその下流側が所定の負圧になった時に開放する圧力調整弁で代用してもよい。
・液体吐出装置11が、本実施形態のようなオフキャリッジタイプのときに、液体吐出ヘッド54は、当該液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを貯留する貯留部と一体でヘッドユニットを構成してもよい。また、液体吐出装置11がオンキャリッジタイプのときにおいても、液体収容体28から液体吐出ヘッド54に連続して液体を供給するために、当該液体吐出ヘッド54に供給する液体Lを貯留する貯留部と一体でヘッドユニットを構成してもよい。貯留部と一体でヘッドユニットを構成する場合には、配送はヘッドユニット単位で行なわれる。また、この場合には、貯留部に液体Lが充填された状態の新しい液体吐出ヘッドユニットが配送されてもよい。配送される新しい液体吐出ヘッドユニットには
既に液体Lが充填されている。そのため、液体吐出ヘッドユニットが交換された後に、液体吐出ヘッド54への液体充填動作が実行される必要がない。ユーザーは、液体吐出ヘッドユニットを交換した後に、すぐに液体吐出装置11を使用できる。
・液体収容体28は、筐体12の外に設けられていてもよい。
・本実施形態の液体吐出装置11において使用される液体Lは4種類であるが、液体吐出装置11において使用される液体Lは何種類であってもよい。また、液体吐出装置11において使用される液体Lは1種類であってもよい。
・本実施形態においては、液体吐出ヘッド54が監視部55を有するが、監視部55は、液体吐出ヘッド54以外の場所に設けられてもよい。本実施形態においては、液体吐出ヘッド54内の液体チャンバーの残留振動情報を取得して、吐出が正常か否かを判断する方法を採用するため、液体吐出ヘッド54が監視部55を有するが、液体吐出装置11が他の監視方法を採用する場合は、監視部55は、その監視方法に適した場所に設けられることが望ましい。
・本実施形態においては、1つの印刷ジョブが終了した後に監視部55から通知された結果に応じて自動メンテナンスが実行されるが、1つの印刷ジョブが終了したときに、監視部55から通知された結果に応じて制御部70は表示部26上にメッセージを表示し、ユーザーに操作部25によって手動メンテナンスを実行させてもよい。
・本実施形態においては、1つの印刷ジョブが終了した後に、監視部55から通知された結果に応じて自動メンテナンスが実行されるが、1つの印刷ジョブの1ページ分の印刷が終了する毎に、監視部55から通知された結果に応じて自動メンテナンスが実行されてもよい。そのとき、検知部70aは、1つの印刷ジョブの1ページ分の印刷が終了した後に自動メンテナンスが行われる動作が、複数回繰り返し実行されたことを検知したときに、吐出に関する不具合が発生していると判定してもよい。
・メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されていなくても、検知部70aが、所定期間内にメンテナンスが実行される動作が、所定回数以上実行されたことを検知したときに、検知部70aは、吐出に関する不具合が発生していると判定してもよい。所定回数以上の繰り返しのメンテナンスが行われていないときも、直近に所定回数以上のメンテナンスが行われていれば、液体吐出ヘッド54の不具合が発生している可能性は高い。例えば、検知部70aが、24時間の間にメンテナンスが実行される動作が、所定回数以上実行されたことを検知したときに、検知部70aは、吐出に関する不具合が発生していると判定してもよい。
・上記の所定期間は時間でなくてもよい。例えば、電源スイッチ25aが投入されてから電源スイッチ25aが切断されるまでの期間であってもよい。また、直近に印刷された所定枚数内において、検知部70aが、メンテナンスが実行される動作が所定回数以上実行されたことを検知したときに、検知部70aは、吐出に関する不具合が発生していると判定してもよい。
・液体吐出ヘッド54はICチップ56やそれに代わる記憶部を備えなくてもよい。その場合は、吐出に関する不具合の履歴情報は、制御部70のメモリーのみに記憶される。そして、液体吐出ヘッド交換フローを実行したときは、制御部70は、液体吐出ヘッド54が装着されたときに無条件に新しい液体吐出ヘッド54が装着されたと判断し、制御部70のメモリー内に記憶している吐出に関する不具合の履歴情報をリセットし、吐出に関する不具合のフラグを初期化してもよい。
・液体吐出ヘッド54が備えるICチップ56は読み出しのみが行えるICチップであってもよい。その場合、ICチップ56には型式情報のみが記憶される。型式情報によって、制御部70は、液体吐出ヘッド54が装着されたときに新しい液体吐出ヘッド54か否かを判断できる。
・吐出に関する不具合の履歴情報は、ICチップ56や制御部70のメモリーに記憶しなくてもよい。吐出に関する不具合が発生した直前に自動メンテナンスや手動メンテナンスが行われたか否かによって、吐出に関する不具合と判断するか否かを判断してもよい。また、制御部70のメモリーのみに自動メンテナンスや手動メンテナンスの回数を記憶し、電源スイッチ25aが切断されたときは、自動メンテナンスや手動メンテナンスの回数がリセットされる構成としてもよい。
・ICチップ56に記憶される吐出に関する不具合の履歴情報は、吐出に関する不具合発生の有無の情報だけであってもよい。例えば、新品の液体吐出ヘッド54の吐出に関する不具合の履歴情報には、「ゼロ」が書き込まれており、検知部70aが吐出に関する不具合を検知したときに、制御部70は、装着されている液体吐出ヘッド54が有するICチップ56内の吐出に関する不具合の履歴情報の「ゼロ」を1に書き変えてもよい。そして、制御部70は、図11のステップS606において、ICチップ56内の吐出に関する不具合の履歴情報によって、吐出に関する不具合が発生している液体吐出ヘッド54か否かを判断してもよい。
・吐出に関する不具合の履歴情報は他の情報を含めてもよい。例えば、吐出に関する不具合の履歴情報は、吐出に関する不具合が発生したことの入力された回数を含めてもよい。そして、吐出に関する不具合が発生したことの入力された回数が規定回数を超えると、液体吐出装置11が、使用禁止解除を受け付けないようにしてもよい。
・吐出に関する不具合の履歴情報としてICチップ56や制御部70のメモリーに記憶するメンテナンスの履歴情報は、メンテナンスが行われた日時の情報や、メンテナンスが行われたときの液体吐出ヘッド54が使用されてから印刷した枚数の情報を含めてもよい。
・ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力、または新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力があった場合、入力前にメンテナンスが未実施のときは、制御部70は、メンテナンスフローを自動で実行し、メンテナンスフローの最後で、「回復した」または「回復しない」をユーザー選択させてもよい。すなわち、図10のステップS502において、制御部70は、入力前にメンテナンスが実施されたか否かを確認し、判定結果がNOのときは、ステップS511に移行してもよい。そして、ステップS514において、「回復しない」が選択されたら、制御部70は、ステップS503の配送フローへ移行してもよい。
・ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力、または新しい液体吐出ヘッドの配送要求の入力があった場合、入力前にメンテナンスが未実施のときは、確認フローの中のメンテナンスフローへ移行してもよい。すなわち、図10のステップS502において、制御部70は、入力前にメンテナンスが実施されたか否かを確認し、判定結果がNOのときは、ステップS511において、制御部70は、手動メンテナンスとしてのメンテナンスフローを立ち上げてもよい。そして、メンテナンスフローが最後まで実行されたら、「回復した」または「回復しない」を選択させてもよい。そして、「回復しない」が選択されたら、制御部70は、ステップS503の配送フローへ移行してもよい。
・ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力、または新しい液体吐出ヘ
ッドの配送要求の入力があった場合、制御部70は、メンテナンスの実施の有無をユーザーに確認し、実施していない場合はメンテナンスフローへ移行して、メンテナンスフローの最後で、「回復した」または「回復しない」を選択させてもよい。そして、「回復しない」が選択されたら、制御部70は、配送フローへ移行してもよい。すなわち、制御部70は、図10のステップS502を、入力前にメンテナンスが実施されたか否かをユーザーに確認するステップとしてもよい。なお、本メンテナンスは、自動メンテナンスであってもよいし、手動メンテナンスであってもよい。
・新しい液体吐出ヘッド54を配送する際には、初期充填用の液体収容体28または補充容器を一緒に配送してもよい。
・制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を行った後、液体吐出ヘッド54の交換が完了するまで、新しい液体吐出ヘッドへの交換を促す報知を行ってもよい。
・制御部70は、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を行った後、操作部25によって、ユーザーによって何かしらの操作が行われたときにだけ、新しい液体吐出ヘッドへの交換を促す報知を行ってもよい。
・液体吐出ヘッド54の不具合が検知されてから新しい液体吐出ヘッド54に交換するまでの期間を液体吐出装置11またはサーバー装置80で記憶するようにしてもよい。この期間は正しい状態での印刷が出来ない状態であるため、記憶した期間に相当する返金、プレゼント、プラン内容変更等のサービスでユーザーに還元するようにしてもよい。
・液体吐出ヘッド54の不具合が検知された場合でも、新しい液体吐出ヘッドへの交換をユーザーが選択しなかった場合には、その分、返金、プレゼント、プラン内容変更等のサービスで還元するようにしてもよい。
・液体吐出ヘッド54のリサイクルの為、交換した古い液体吐出ヘッド54を回収するシステムを構築してもよい。例えば、ユーザーが、新しい液体吐出ヘッド54が梱包されていた箱に古い液体吐出ヘッド54を入れて返送する。例えば、古い液体吐出ヘッド54の回収用の箱がユーザーに予め配送され、ユーザーが事前にその箱に古い液体吐出ヘッド54を入れ、新しい液体吐出ヘッド54が配送されるときに、その箱を配送業者が回収する。例えば、ユーザーが、古い液体吐出ヘッド54を最寄りの家電量販店に持って行く。
・入力部に吐出に関する不具合が発生したことの入力がされたときと、入力部に配送要求の入力がされたときとでは、すぐに配送フローに移行するための、ユーザーによるメンテナンス回数の規定回数を別々の規定回数としてもよい。
・液体収容体28の残量における所定の閾値は、新しい液体収容体28や新しい補充容器がユーザー届くまでの日数や、液体吐出装置11において液体Lが使用される頻度等によって、ユーザー毎やユーザーの使用する液体吐出装置毎に違ってもよい。液体吐出装置11が複数の種類の液体収容体28を備えるときは、液体収容体28毎に違ってもよい。
・ユーザーが配送要求したときは、メンテナンス回数に関係なく、制御部70は、配送フローに移行してもよい。すなわち、自動メンテナンスを行わずにすぐに配送フローに移行してもよい。
・図12のステップS511〜ステップS513の自動メンテナンスとノズルチェック印刷の結果において、ユーザーが吐出による不具合が少し回復したと判断したきは、ユーザーが、制御部70に再度自動メンテナンスを行わせることができるようにフローを構成してもよい。複数回の自動メンテナンスによって吐出不良が回復することがある。
・配送フローにおいて、ユーザーによる新しい液体吐出ヘッドの配送要求が選択されなかったときにも、制御部70は、ユーザーによる全ての新しい液体収容体や新しい補充容器の配送要求を、サーバー装置80に送信させることができるようにフローを構成してもよい。
・液体吐出装置11は、液体収容体28から液体吐出ヘッド54に至るまでの液体吐出装置11内の殆ど全ての液体Lが液体吐出装置11内の液体流路より排出されるモードを設けてもよい。吐出に関する不具合の要因が液体Lのときは、このモードが実行されることによって、吐出に関する不具合の要因である液体Lの殆どが液体吐出装置11内の液体流路より排出される。その後、制御部70は、新しい液体収容体28が装着されることや、新しい補充容器から液体Lが補給されることによって、新しい液体Lが液体吐出装置11内の液体流路に流入するため、液体吐出装置11における吐出に関する不具合を回復させることができる。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置は、着脱可能に装着され液体を吐出する液体吐出ヘッドと、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークを介してサーバー装置に送信可能な制御部と、を備える。
この構成によれば、必要な時に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(B)上記液体吐出装置において、前記吐出に関する不具合を検知する検知部を更に備え、前記制御部は、前記検知部が前記不具合を検知した場合に、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信可能であってもよい。
この構成によれば、吐出に関する不具合が発生した場合に交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(C)上記液体吐出装置において、前記制御部は、前記検知部が前記不具合を検知した場合に、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げてもよい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドに関する不具合が発生した場合、液体吐出ヘッドの不具合の状態によっては交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(D)上記液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を備え、前記検知部は、前記液体吐出ヘッドの吐出不良を検知する機能を有し、前記制御部は、前記検知部が前記吐出不良を検知した場合に、前記メンテナンス部に自動で前記メンテナンスを実行させる自動メンテナンスを行い、前記検知部は、前記不具合として、前記自動メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知してもよい。
この構成によれば、自動メンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない吐出不良があった場合に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(E)上記液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を備え、前記検知部は、前記不具合として、ユーザーにより前記メンテナンスが所定回数以上繰り返し実行されたことを検知してもよい。
この構成によれば、ユーザーによるメンテナンスが所定回数以上繰り返されても回復しない不具合が発生した場合に、交換用の新しい液体吐出ヘッドの配送を要求することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(F)上記液体吐出装置において、前記不具合が発生したことをユーザーが入力可能な入力部を更に備えてもよい。
この構成によれば、ユーザーによって液体吐出ヘッドに不具合があると判断された場合に、適した対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(G)上記液体吐出装置において、ユーザーが前記入力部によって前記不具合が発生したことを入力した場合、前記制御部は、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求が含まれる確認フローを立ち上げてもよい。
この構成によれば、ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力があった場合に、その時の状況に応じた対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(H)上記液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を更に備え、前記制御部は、前記入力部による入力が行われる前の前記メンテナンスの実施状況に応じた前記確認フローを立ち上げてもよい。
この構成によれば、ユーザーからの吐出に関する不具合が発生したことの入力があった場合に、その前のメンテナンスの実施状況に応じた対処を行うことができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(I)上記液体吐出装置において、前記制御部は、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した場合に、前記液体吐出装置の使用を禁止してもよい。
この構成によれば、液体吐出装置において、吐出に関する不具合のある液体吐出ヘッドでの印刷継続を防ぐことができる。
(J)上記液体吐出装置において、ユーザーからの要求を条件として、前記制御部は、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求を送信した後の前記液体吐出装置の使用禁止を解除
してもよい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドに不具合があっても、ユーザーの要求によっては新しい液体吐出ヘッドが届くまでそのまま印刷を継続することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。
(K)上記液体吐出装置において、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容する複数の液体収容体の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体がある場合、前記制御部は、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい液体収容体の配送要求を送信してもよい。
この構成によれば、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、残量が少ない液体収容体の配送も要求することができる。
(L)上記液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドに供給する前記液体を収容する複数の液体収容体を収容し、前記液体収容体は、補充容器に収容される液体を補給するための供給口を有し、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求時に、前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容する複数の前記液体収容体の中に残量が所定の閾値を下回った液体収容体がある場合、前記制御部は、前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求に加え、新しい補充容器の配送要求を送信してもよい。
この構成によれば、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの配送タイミングに合わせて、残量が少ない液体収容体に液体を補給する為の補充容器の配送も要求することができる。
(M)液体吐出ヘッドの配送システムは、着脱可能に装着され、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、新しい液体吐出ヘッドの配送要求を、ネットワークを介してサーバー装置に送信可能な制御部と、を有する上記液体吐出装置と、前記制御部から送信された前記新しい液体吐出ヘッドの配送要求を受信する受信部を有するサーバー装置と、を備える。
この構成によれば、液体吐出ヘッドに問題が発生した場合に新しいヘッドに交換することができる。これにより、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの不具合が発生したときに、ユーザーの手元に交換用の新しい液体吐出ヘッドがないことによって生じるダウンタイムを少なくすることができる。