JP2004276387A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Seiichi Inoue
斉逸 井上
Kenichi Kodama
憲一 児玉
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Abstract

【課題】寿命による吐出不良ノズルに起因する不適正な画像の発生を防止すると共に、長時間にわたる連続的な稼働を可能にし、消耗品である記録ヘッドを無駄なく効率よく使用できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッドの液滴吐出回数を計数する計数手段と、計数手段によって計数された液滴吐出回数と予め設定された記録ヘッドの耐久吐出回数とを比較する比較手段と、使用中の記録ヘッドと新規な記録ヘッドとを交換する交換手段とを有し、比較手段による比較結果に応じて、交換手段によって記録ヘッドの交換を行うことにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置の技術分野に属し、詳しくは、長時間にわたる連続的な稼働が可能であり、高速記録を高い稼働率で行う産業用のプリンタ等に好適なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パルス加熱によってインクの一部を急速に気化させ、その膨張力によってインク液滴をオリフィスから吐出させる、サーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタ(記録装置)が、特開昭48−9622号、同54−51837号等の各公報に開示されている。
また、特開平5−50601号や同11−207956号等の各公報には、インク室にダイアフラム(振動板)を配置して、このダイアフラムを静電気やピエゾ素子等によって振動し、この振動によってノズルからインク液滴を吐出させるタイプのインクジェットプリンタが開示されている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、比較的安価である、取り扱いが簡単である等の利点を有し、パーソナルコンピュータ(PC)用のプリンタなどの各種の用途のプリンタとして、広く利用されている。
また、近年では、インクジェットプリンタは、PCなどの民生用のみならず、長尺な布地に所望の模様や絵柄を布地に記録するプリンタなど、産業用のプリンタとしても利用が開始されている。
【0004】
周知のように、インクジェットプリンタは、インク液滴を吐出するノズル列が形成されたインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドとする)を用い、メディア(受像媒体)と記録ヘッドとを相対的に移動(走査)することで、画像記録を行う。
この記録ヘッドの耐久性、例えば、安価で構成が簡易である等の理由で汎用されているサーマルインクジェットの記録ヘッドの耐久性は、一般的に、1つのノズルからのインク液滴吐出回数で1×10回程度である。
【0005】
一般的な民生用のプリンタでは、稼働率が低く、処理速度も遅いため、耐久性が問題になることはない。
これに対し、m/sec(秒)オーダでメディアを走査搬送するような高速処理を要求され、かつ、稼働率も高い産業用のプリンタでは、極めて短期間で記録ヘッドが寿命(少なくとも1つのノズルが耐久吐出回数を超える)となってしまう。当然のことであるが、寿命によって吐出不良ノズルが生じれば、適正な画像記録を行うことはできず、不適正な製品を生産する結果となる。そのため、産業用のプリンタでは、寿命による記録ヘッドの交換頻度が著しく高くなってしまい、場合によっては、24時間の連続稼働で1日に数回以上の記録ヘッドの交換が必要である場合も生じる。
【0006】
記録ヘッドの交換は、記録作業を中止して人手によって行われるのが現状であり、生産性を低下すると共に、作業効率も極めて悪い。
また、吐出不良ノズルは、多数が同時に発生するのではなく、当初は1個や2個程度の発生であるため、これを迅速に検出することは困難であり、不適正な製品を生産し続けることになってしまう。その結果、24時間稼働などの連続的な稼働が困難であるという問題もある。
【0007】
このような問題を解決する方法としては、記録ヘッドの耐久性を向上する方法、および、必要長を超えるノズル列を有する記録ヘッドを用いて、吐出不良ノズルが生じたら使用領域を変える方法が例示される。
しかしながら、記録ヘッドの耐久性向上には限界がある。また、両者とも、記録ヘッドのコストアップや歩留りの低下を避けることができず、結果として、消耗品である記録ヘッドのコストが向上し、プリンタのランニングコストが悪くなってしまう。
【0008】
他方、特許文献1には、インクジェットプリンタ(液滴噴射記録装置)において、ラインヘッドとシリアルヘッドとを有し、通常はラインヘッドで記録を行うと共に、ラインヘッドの吐出不良を検出して、ラインヘッドの吐出不良ノズルが発生したら、その部分をシリアルヘッドで記録するインクジェットプリンタが開示されている。
また、特許文献2には、記録ヘッドとメディアとの相対移動量(メディアの搬送量)から記録ヘッドの残り寿命を予測し、予測した残り寿命から、これ以降に可能な相対移動量を算出して、予め設定した相対移動量(設定相対移動量)と可能な相対移動量とを比較して、例えば、記録ヘッドの交換や設定相対移動量などの記録形態の変更を行うプリント方法が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特許第2731003号公報
【特許文献2】
特開平9−193372号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1や特許文献2に開示される方法によれば、吐出不良ノズルが発生しても記録を停止する必要はなく、あるいは、記録ヘッドの寿命を予測して、不適正な画像の発生を防止することができ、その結果、インクジェットによって、連続的に効率のよい画像記録を行うことができる。
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示されるプリンタでは、ラインヘッドとシリアルヘッドという異なる種類の記録ヘッド、および、それぞれの記録ヘッドに対応する複数のドライバが必要であり、装置のコストアップが避けられない。
他方、特許文献2に開示されるプリント方法では、メディアの搬送量から記録ヘッドの寿命を予測するため、寿命予測精度が低く、例えば、極低濃度領域が多い画像のように、画像被覆率(単位面積当たりのインク吐出量)が低い画像が連続した場合には、実際には寿命に対する吐出回数が極めて少ないにも関わらず、寿命と判定され、記録ヘッドが交換されてしまう。
【0012】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、インクジェット、特にサーマルインクジェットによる画像の記録装置であって、記録ヘッドのコストアップ等を生じることなく、寿命による吐出不良ノズルに起因する不適正な画像の発生を防止すると共に、長時間にわたる連続的な稼働を可能にし、しかも、記録ヘッドの寿命を適正に判定して、消耗品である記録ヘッドを無駄なく効率よく使用でき、例えば、高速記録を高い稼働率で要求される産業用のプリンタに最適なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、インクの液滴を飛翔して画像を記録するインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドの液滴吐出回数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された液滴吐出回数と予め設定された前記インクジェット記録ヘッドの耐久吐出回数とを比較する比較手段と、使用中のインクジェット記録ヘッドと新規なインクジェット記録ヘッドとを交換する交換手段とを有し、前記比較手段による比較結果に応じて、前記交換手段によってインクジェット記録ヘッドの交換を行うことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0014】
このような本発明のインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの吐出回数が耐久吐出回数となった時点で、画像記録を中断して、前記交換手段によるインクジェット記録ヘッドの交換を行い、交換を終了した後、画像記録を再開するのが好ましく、また、前記インクジェット記録ヘッドが、加熱によってインクの一部を急速に気化させ、その膨張力でインク液滴を吐出する、サーマルインクジェットのインクジェット記録ヘッドであるのが好ましく、さらに、前記インクジェット記録ヘッドが、薄膜抵抗体を利用するインクの加熱手段を用いるものであり、かつ、前記薄膜抵抗体が、Ta−Si−Oの三元合金からなり、Ta、SiおよびOの三元成分図において、Taの組成が64原子%以上85原子%以下、Siの組成が5原子%以上26原子%以下、Oの組成が6原子%以上15原子%以下の範囲で納まる組成を有するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
【0016】
図1に、本発明にかかるインクジェット記録装置の一例をブロック図によって概念的に示す。
図示例のインクジェットプリンタ10(以下、プリンタ10とする)は、サーマルインクジェットによって、メディア(受像媒体)Mに画像を記録するものであって、基本的に、記録ヘッド12と、走査搬送手段14と、交換制御系16と、ヘッド交換系18とを有して構成される。
【0017】
記録ヘッド12は、ノズルを一方向に配列してなるノズル列、加熱によってインクの一部を急速に気化させ、その膨張力でノズルからインク液滴を吐出するヒータ(加熱手段)を有する、サーマルインクジェットの記録ヘッドである。
図示例において、記録ヘッドは、対応するメディアMの最大幅(後述する走査搬送方向と直交する方向)を超えるノズル列を有する、いわゆるラインヘッドであり、図1紙面横方向にノズル列を一致して、配置される。
また、記録ヘッド12は、公知の手段でホルダ20に着脱自在にされ、ホルダ20に装着されることにより、プリンタ10の所定位置に固定/配置される。
【0018】
本発明において、サーマルインクジェットの記録ヘッド12は、公知の各種のものが利用可能であり、また、基板に対して垂直方向にインクを吐出する、いわゆるトップシュータ型(フェイスインクジェット)でも、基板に平行にインクを吐出する、いわゆるサイドシュータ型(エッジインクジェット)でもよい。
なお、本発明の効果を好適に発揮できる等の点で、記録ヘッド12としては、後述する仕様耐久吐出回数が1×1010回以下のものが好適である。
【0019】
好ましくは、ヒータとして、薄膜抵抗体と、この薄膜抵抗体に通電する電極とを有するヒータを用い、かつ、この薄膜抵抗体が、Ta−Si−Oの三元合金からなり、Ta、SiおよびOの三元成分図において、Taの組成が64原子%以上85原子%以下、Siの組成が5原子%以上26原子%以下、Oの組成が6原子%以上15原子%以下の範囲で納まる薄膜抵抗体である、サーマルインクジェットの記録ヘッドが例示される。
中でも特に、ヒータの表面にNi金属薄膜層を有するのが好ましく、また、薄膜抵抗体は、TaとSiをターゲットとして用いる反応性スパッタリングで形成されるのが好ましく、さらに、薄膜抵抗体は、表面に絶縁性酸化皮膜が形成されているのが好ましい。
この記録ヘッドに関しては、本出願人による特許第3194465号公報に詳述されている。
【0020】
この記録ヘッドは、耐キャビテーション性およびインクに対する耐蝕性に優れ、製品仕様の耐久吐出回数まで安定して確実な動作が可能であるので、本発明にこの記録ヘッドを利用することにより、良好な作業効率で、かつ、不適正画像を防止しつつ、長時間の連続的な稼働が可能であるという本発明の効果を、より好適に発現することができる。
【0021】
なお、図示例においては、本発明の効果を最も好適に発現できる好適な一例として、サーマルインクジェットの記録ヘッド12を利用しているが、本発明はこれに限定はされず、例えば、ピエゾ素子や静電力等を用いてインク室の振動板を振動させて、この力でインクを吐出する記録ヘッドであっても良く、すなわち、各種のインクジェット記録ヘッドが利用可能である。
【0022】
本発明のプリンタ10において、記録ヘッド12は、インクタンク(インク供給系)と一体化されたものでも、インクタンクとは別体のものでもよい。
但し、後述するように、本発明のプリンタ10では、寿命に応じて自動的に記録ヘッド12の交換を行うので、交換の容易性やインクアップが不要にできる等の点で、記録ヘッド12は、インクタンクと一体化されユニット化(カートリッジ化)されたものであるのが好ましい。なお、記録ヘッド12とインクタンクとが別体の場合には、記録ヘッド12の交換と同じタイミングで、インクタンクの交換も行うのが好ましい。
【0023】
また、本発明のプリンタ10は、モノクロであっても、C,M,およびY(あるいはさらにK)のフルカラー画像を記録するものであってもよい。
ここで、フルカラー画像の記録を行う場合には、記録ヘッド12は、個々の色毎に独立したものであっても、全色(あるいは、複数色)が一体化されたものであってもよい。プリンタ10の構成の簡易性の点では、全色が一体化された記録ヘッド12が好適であり、逆に、各色毎の使用効率を考慮すれば、個々の色毎に独立した記録ヘッド12が好ましいので、プリンタ10の用途に応じて、適宜、決定すればよい。
【0024】
プリンタ10において、画像データは、記録制御部22に供給され、記録制御部22が、各種の補正や変換等の所定の処理を行って、記録ヘッド12による画像記録に対応する駆動信号として、記録ヘッド12に供給する。
【0025】
ここで、本発明のプリンタ10においては、例えば、品質検査時や工場出荷時等に各記録ヘッド10毎に検査を行い、各記録ヘッド12に固有の吐出補正テーブル等を作成して、記録ヘッド12に搭載される記憶手段に記憶しておくのが好ましい。
これに対応して、プリンタ10においては、後述するヘッド交換系18によって新規な記録ヘッド12がホルダ20に装着された際に、例えば、記録制御部22が、この吐出補正テーブルを記録ヘッド12から読み出し、これを用いて供給された画像データを補正して、駆動信号とするのが好ましい。
【0026】
走査搬送手段14は、ノズル列方向と直交する走査搬送方向にメディアMを走査搬送するものである。前述のように、記録ヘッド12はノズル列を図1中横方向に一致して配置されるので、メディアMは、図1紙面に対して垂直方向に走査搬送される(すなわち、図1横方向がメディアMの幅方向)。
走査搬送手段14にも、特に限定はなく、ラインヘッドを用いるインクジェットプリンタに利用される公知のシート状物の搬送手段である。一例として、記録ヘッド12と共にメディアMを挟持して搬送するプラテンローラ、記録ヘッド12によるメディアMへの記録位置を走査搬送方向に挟んで配置される、一対のニップローラ等が例示される。
【0027】
交換制御系16は、記録ヘッド12の状態に応じて、後述するヘッド交換系18による記録ヘッド12の交換を決定するものであって、吐出回数計数手段26、不吐出(ノズル)検出手段28、および、制御手段30とを有する。
【0028】
吐出回数計数手段26は、記録ヘッド12の各ノズルからの(インク)液滴の吐出回数を計数(カウント)するものである。
各ノズルからの液滴の吐出回数の計数手段には特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。一例として、記録ヘッド12のヘッドドライバにおける各ヒータの出力回数から、液滴の吐出回数を検出する方法や、記録ヘッド12の各ノズルに対応する画像データから、液滴の吐出回数を検出する方法が例示される。
【0029】
図示例においては、吐出回数計数手段26は、好ましい態様として、記録ヘッド12の全ノズルについて、個々に吐出回数を計数する。しかしながら、本発明は、これに限定はされず、1つの記録ヘッド12において、1つ置き、2つ置き、3つ置き…など、所定間隔毎のノズルで吐出回数を計数してもよい。
【0030】
不吐出検出手段28は、好ましい態様として設けられるものであり、各ノズルからの液滴吐出状態を検出することにより、吐出不良ノズルの発生を検出し、吐出不良ノズルが発生した際に、その情報を制御手段30に送るものである。
液滴吐出状態の検出方法には、限定はなく、公知の方法が利用可能である。一例として、光学的な方法等を用いてインク液滴の飛翔を検出する方法や、各ノズルのヒータの電流値を測定して不吐出等を検出する方法等が例示される。
また、不吐出検出手段28は、好ましい態様として、全てのノズルからのインク液滴の吐出を検出して、吐出不良ノズルの検出を行うが、本発明は、これに限定はされない。
【0031】
制御手段30は、プリンタ10の全体の動作や作用を制御すると共に、吐出回数計数手段26による各ノズル毎の液滴吐出回数、および、不吐出検出手段28から供給される吐出不良ノズル発生の情報に応じて、記録ヘッド12の交換(交換時期)を決定して、ヘッド交換系18に指示を出す。
また、制御手段30は、プリンタ10のユーザによる記録ヘッド交換の入力指示に応じて、記録ヘッド12の交換を行うようにしてもよい。
【0032】
通常の記録ヘッド12では、1つのノズルから安定して液滴を吐出できる総回数が仕様で定められている(以下、この吐出回数を仕様耐久吐出回数とする)。図示例においては、制御手段30は、対応する記録ヘッド12の仕様耐久吐出回数を記憶している。
制御手段30は、画像記録中に、吐出回数計数手段26によって計数される各ノズル毎の吐出回数から、最も吐出回数の多いノズル(以下、max−chとする)の吐出回数と仕様耐久吐出回数とを比較する。制御手段30は、この比較の結果、あるいはさらに記録制御部22から画像データの情報を取得して、max−chの吐出回数が仕様耐久吐出回数となった時点で、プリンタ10における画像記録を停止し、記録ヘッド12を交換するようにヘッド交換系18に指示を出す。すなわち、記録ヘッド12が(仕様上の)寿命となった時点で、画像記録を停止し、記録ヘッド12の交換の指示を出す。
【0033】
また、不吐出検出手段28によって吐出不良ノズルが検出された際には、制御手段30は、直ちに画像記録を中止し、かつ、記録ヘッド12を交換するようにヘッド交換系18に指示を出す。
【0034】
ヘッド交換系18は、制御手段30からの交換指示に応じて、ホルダ12に装着される記録ヘッド12を交換するものであり、ストッカ34と、廃棄部36と、ヘッド交換手段38とを有する。
【0035】
ストッカ34は、未使用の新規な記録ヘッド12を、複数、収容する部位である。なお、ストッカ34への記録ヘッド12の供給(セット)は、1つずつでもよいが、好ましくは、12個等の複数がパッケージングされたカートリッジタイプで記録ヘッド12をストッカ34に供給する構成が好ましい。
図示例においては、好ましい態様として、ストッカ34が収容する記録ヘッド12の残数検出手段44を有しており、その残数検出結果を、例えば、プリンタ10が有するディスプレイに表示する。また、ストッカ34に収容される記録ヘッド12数が所定数以下となった時点で、ディスプレイ表示や音声によって、警告を発するようにしてもよく、さらに、ネットワーク経由で、新規な記録ヘッド12(記録ヘッドのカートリッジ)の発注を自動的に行うようにしてもよい。
【0036】
廃棄部36は、ヘッド交換手段38によって取り外された寿命となった記録ヘッド12を収容する部位である。
ここで、図示例においては、好ましい態様として、マーカ46を有しており、ヘッド交換手段38から廃棄部36に至る途中において、この記録ヘッド12が使用済みの(寿命になった)ものであることを示すマーキングを行う。マーキングの方法には、特に限定はなく、所定位置への着色や穿孔、所定の突起や爪などの除去や折曲等、各種の方法が利用可能である。
【0037】
ヘッド交換手段38は、制御手段30からの記録ヘッド12の交換指示に応じて、寿命となった記録ヘッド12をホルダ20から取り外して、マーカ46を介して廃棄部36に供給し、次いで、ストッカ34から新規な記録ヘッド34を取り出して、ホルダ20の所定位置に装着する。
あるいは、ストッカ34がヘッド交換手段38に新規な記録ヘッド12を供給するようにしてもよい。
【0038】
このようなヘッド交換手段38には、特に限定はなく、各種の機械的な手段を利用して、構成すればよい。
一例として、三軸のロボット等を利用する方法が例示される。また、記録ヘッド12の把持手段、この把持手段の昇降手段および移動手段を用い、把持手段によって記録ヘッド12を把持して昇降手段で移動してホルダ20から取り外し、移動手段で移動して把持を解除して廃棄部36に送り、次いで、移動手段および昇降手段で把持手段を移動して、ストッカ34内の記録ヘッド12を把持して取り出し、移動して、取り外しと逆にホルダ20に記録ヘッド12を装着するヘッド交換手段38でもよい。
【0039】
以下、図2のフローチャートを参照してプリンタ10の作用を説明することにより、本発明のインクジェット記録装置について、より詳細に説明する。
【0040】
プリンタ10において、メディアMへの画像記録は、基本的に、通常のラインヘッドを用いるサーマルインクジェットのプリンタと同様に行われる。
すなわち、走査搬送手段14によって走査搬送方向(図1紙面と垂直方向)にメディアMを走査搬送しつつ、記録制御手段22に供給される画像データに応じた駆動信号で記録ヘッド12の各ヒータを変調駆動することにより、各ノズルから記録画像に応じて(インク)液滴を吐出して、メディアMに着弾させ、画像を記録する。なお、記録制御手段22は、好ましい態様として、各記録ヘッド12毎に設定された吐出制御テーブルを用いて、画像データを補正して駆動信号としている。
【0041】
前述のように、プリンタ10においては、吐出回数計数手段26が、記録ヘッド12の各ノズルからの(インク)液滴の吐出回数を計数している。
制御手段30は、吐出回数計数手段26による吐出回数の計数結果から、max−ch(最も吐出回数の多いノズル)の吐出回数と、記録ヘッド12の仕様耐久吐出回数とを比較し、max−chの吐出回数仕様耐久吐出回数となった時点、すなわち記録ヘッド12が寿命となった時点で、プリンタ10における画像記録を停止し、記録ヘッド12を交換するようにヘッド交換系18に指示を出す。さらに、必要に応じて、メディアM上における記録停止位置を記憶する。
【0042】
記録ヘッド12の交換指示を受けたヘッド交換系18では、ヘッド交換手段38が、ホルダ20から寿命となった記録ヘッド12を取り外し、廃棄部36に送る。この際、マーカ46が、記録ヘッド12に使用済みのマーキングを行う。
次いで、ヘッド交換手段38は、ストッカ34から、未使用の記録ヘッド12を取り出し、ホルダ20の所定位置に装着する。
また、記録ヘッド12の自動交換が終了したら、残数検出手段44がストッカ34の記録ヘッド数を検出し、残数が所定値n未満である場合には、前述のように、記録ヘッド12の供給指示や自動発注を行う。
【0043】
なお、前述のように、不吐出検出手段28によって、不吐出ノズルが検出された際にも、同様に、画像記録を中断して、記録ヘッド12の交換を行う。
あるいは、不吐出ノズルが検出された場合には、記録ヘッド12の交換ではなく、公知の記録ヘッド12のクリーニングで対処するようにしてもよい。
【0044】
記録ヘッド12をホルダ20に装着すると、記録制御手段22が、記録ヘッド12に搭載された記憶手段から、この記録ヘッド12に対応して設定された吐出補正テーブルを読み出し、吐出補正テーブルを書き換える。
【0045】
次いで、必要に応じて、新たにホルダ20に装着した記録ヘッド12に対応して、色ずれ補正を行う。
この色ずれ補正は、各種のカラーのインクジェットプリンタで行われている方法と同様に行えばよく、あるいは、必要に応じて、記録ヘッド12を所定の色ずれ補正エリアに退避して行ってもよい。
【0046】
以上の記録ヘッド12の交換に必要な操作が全て終了したら、メディアMへの画像記録を再開する。
なお、再開の前に、必要に応じて、先に記憶したメディアM上における記録停止位置に応じて、操作搬送手段14によってメディアMを操作搬送方向もしくは逆方向に搬送して、位置合わせを行った後に、画像記録を再開してもよい。
【0047】
以上の説明から明らかなように、本発明のプリンタ10によれば、記録ヘッド12の寿命を知見して、自動的に記録ヘッド12を交換するので、不吐出ノズルの発生による不適正な製品の発生を防止して、製品歩留りを向上できる。また、寿命を知見して記録ヘッド12を自動交換するので、例えば、メディアMの走査搬送速度がm/secオーダでの高速処理を、高い稼働率で要求されるような、産業用のプリンタであっても、人手を省いて、長時間にわたる連続的な稼働(製造)が可能である。
しかも、本発明では、ノズルの液滴吐出回数から記録ヘッド12の交換時期を決定するので、寿命推定精度が高く、充分な安全性を確保した上で、消耗品である記録ヘッド12の利用効率を最大限にすることができる。
【0048】
以上の例では、記録ヘッド12が寿命(max−chが仕様耐久吐出回数)になった時点で、画像記録を中断して記録ヘッド12の交換を行い、交換後に画像記録を再開したが、本発明は、これに限定はされず、各種の態様が利用可能である。
例えば、以上の例では、記録ヘッド12の交換を行う耐久吐出回数として、仕様耐久吐出回数を用いたが、これ以外にも、仕様耐久吐出回数と過去の使用実績等に応じて、適宜、耐久吐出回数を設定してもよく、あるいは、耐久吐出回数の設定手段を設け、プリンタ10のユーザが記録ヘッド12を交換する吐出回数を選択/設定できるようにしてもよい。
あるいは、画像記録中に記録ヘッド12が寿命(耐久吐出回数)になっても、中断せずに現在記録中のメディアMへの画像記録を終了し、その後に記録ヘッド12の交換を行って、次のメディアMへの画像記録を行うようにしてもよい。
【0049】
また、記録ヘッド12が寿命になった時点における、記録中のメディアMに対する残りの記録長を検出し、残りの記録長に応じて、記録長が長い場合には、画像記録を中断して記録ヘッド12の交換を行って画像記録を再開し、記録長が短い場合には、そのメディアMへの画像記録が終了した後に記録ヘッド12の交換を行うようにしてもよい。
なお、この際において、記録ヘッド12が寿命になった時点での記録中断か終了まで記録かの判断は、耐久吐出回数の設定に用いられたマージンの大きさ、過去の記録ヘッド12の使用実績、要求される安全性や製品歩留り、製品に要求される品質等に応じて、適宜、決定すればよい。
【0050】
また、次に画像を記録するメディアMの長さや画像データの情報等から、予測を行い、記録中に記録ヘッド12が寿命になってしまう可能性が高い場合には、記録開始に先立って、記録ヘッド12の交換を行うようにしてもよい。
この際にも、記録ヘッド12が寿命になると予測される時点での残りの記録長に応じて、記録前の交換と、記録後の交換とを選択するようにしてもよい。
【0051】
さらに、これらの各種の記録ヘッド12の交換タイミングを、適宜、選択できるようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明のインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、走査搬送方向に2つの同じラインヘッドを配列し、通常は、(メディアMの走査搬送方向)上流側のラインヘッドで画像記録を行い、上流側のラインヘッドの或るノズルが寿命になったら、以降は、そのノズルに対応する画像記録を下流ラインヘッドの対応するノズルで行い、記録中もしくは記録を終了した時点で、上流側のラインヘッドを交換するようにしてもよい。
この構成であれば、2つのラインヘッドを用いるものの、1つのドライバの接点の切り替え等によって両ラインヘッドを駆動できるので、コストアップも最小限に抑えられる。
【0053】
また、上記実施例は、いわゆるラインヘッドを用いるインクジェット記録装置である。しかしながら、本発明はこれに限定はされず、ノズル列と直交する方向に記録ヘッドを走査すると共に、この走査に同期してノズル列方向に断続的にメディアを搬送する、いわゆるシリアルヘッドを用いるシャトルタイプ(キャリッジタイプ)のインクジェット記録装置であってもよい。
この際においても、記録中に記録ヘッドが寿命になった際の交換は、上記の各態様が利用可能であり、また、1つのメディアへの記録中に交換を行う際には、寿命になった時点におけるシリアルヘッドの1走査が終了した後に、記録ヘッドの交換を行うようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、インクジェット記録装置において、記録ヘッドのコストアップ等を生じることなく、寿命による吐出不良ノズルに起因する不適正画像の発生を防止すると共に、長時間にわたる連続的な稼働を可能にし、しかも、記録ヘッドの寿命を適正に判定して、消耗品である記録ヘッドを無駄なく効率よく使用できる。従って、本発明のインクジェット記録装置は、高速記録を高い稼働率で要求される産業用のプリンタである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェットプリンタの一例を概念的に示すブロック図である。
【図2】図1に示されるインクジェットプリンタの作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 (インクジェット)プリンタ
12 記録ヘッド
14 走査搬送手段
16 交換制御系
18 ヘッド交換系
20 ホルダ
22 記録制御手段
26 吐出回数計数手段
28 不吐出検出手段
30 制御手段
34 ストッカ
36 廃棄部
38 ヘッド交換手段
44 残数検出手段
46 マーカ

Claims (4)

  1. インクの液滴を飛翔して画像を記録するインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドの液滴吐出回数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された液滴吐出回数と予め設定された前記インクジェット記録ヘッドの耐久吐出回数とを比較する比較手段と、使用中のインクジェット記録ヘッドと新規なインクジェット記録ヘッドとを交換する交換手段とを有し、
    前記比較手段による比較結果に応じて、前記交換手段によってインクジェット記録ヘッドの交換を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インクジェット記録ヘッドの吐出回数が耐久吐出回数となった時点で、画像記録を中断して、前記交換手段によるインクジェット記録ヘッドの交換を行い、交換を終了した後、画像記録を再開する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インクジェット記録ヘッドが、加熱によってインクの一部を急速に気化させ、その膨張力でインク液滴を吐出する、サーマルインクジェットのインクジェット記録ヘッドである請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクジェット記録ヘッドが、薄膜抵抗体を利用するインクの加熱手段を用いるものであり、かつ、前記薄膜抵抗体が、Ta−Si−Oの三元合金からなり、Ta、SiおよびOの三元成分図において、Taの組成が64原子%以上85原子%以下、Siの組成が5原子%以上26原子%以下、Oの組成が6原子%以上15原子%以下の範囲で納まる組成を有する請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9039112B2 (en) 2010-06-03 2015-05-26 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus for changing a range of used ejection ports according to ejection port usage
JP2017102849A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 株式会社ニコン 電子機器
WO2023032951A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置

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