JP2021176921A - 熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置用ダイアタッチ材 - Google Patents

熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置用ダイアタッチ材 Download PDF

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Abstract

【課題】硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物となり、また基材との接着力に優れた熱硬化性シリコーン樹脂組成物の提供。【解決手段】下記(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分、(A−1)1分子中に2個以上の炭素数2〜8のアルケニル基を有し、かつ1分子中に2個以上のケイ素原子に直接結合した水素原子を有する分岐状オルガノポリシロキサン、(A−2)下記式(2)で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、(B)下記式(3)(R4R22SiO1/2)2(HR2SiO2/2)x(R22SiO2/2)y・・(3)で示される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加硬化触媒、を含有するものである熱硬化性シリコーン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置用ダイアタッチ材に関する。
光半導体(LED)は、電球や蛍光灯などの従来の発光装置と比較して、消費電力が少なく、また長寿命であるといった利点から近年急速に普及している。光半導体装置を作製する場合、先ず光半導体基板上の所定位置にダイアタッチ材と呼ばれる光半導体チップの基板への固定化を目的とする硬化性の樹脂組成物が塗布される。ダイアタッチ材の塗布方法は、シリンジに充填された樹脂を、シリンジ先端に取り付けたニードルから圧力をかけて吐出し基板上へ転写するディスペンス法と、樹脂皿上に薄膜状態で広げた樹脂に転写ピンを押し付けた後、基板上へ樹脂の付着したピンを押し付け転写するスタンピング法の2つの方法が一般的である。そして、塗布した樹脂組成物の上部に、底部の多くがサファイアで形成されるLEDチップを圧着するダイボンド工程が行われ、その後、上記樹脂組成物を硬化する工程を経て、多くが金により形成される光半導体チップの電極パッド部と、基板上の多くは銀により形成される導電性のリードフレーム部位とを金ワイヤにて接合するワイヤボンディング工程が行われるものである。ワイヤボンディング工程では、キャピラリー先端部に形成される金ボールを、超音波をかけながら電極パッド部に押しつけるが、この際、LEDチップが基板上に十分に固定化されていない場合、押し付け時に超音波が周囲へと拡散してしまい、金ワイヤが十分な強度で接合できないといった問題が発生する。また、後工程を経てLED装置を作製した後、点灯動作中にLEDチップが基板から浮いてしまうと、発熱体であるLEDチップから基板への放熱が十分に行えず、動作不良を引き起こすおそれがある。このため、ダイアタッチ材にはLEDチップを基板に十分に固定化するために、高強度且つ高接着性の硬化物を付与できる硬化性の樹脂組成物が用いられる。
また、照明用途に多く使用される高出力青色LED装置には、ダイアタッチ材として耐熱性及び耐光性の付与といった観点から、メチルシリコーン系等の付加硬化性シリコーン樹脂組成物が多く用いられているが、赤色LED装置で使用されるエポキシ樹脂をバインダとして用いた銀ペーストなどの有機系樹脂と比較すると、樹脂強度に起因して接着強度が低いことが指摘されている。特に最近では、一つの基板上に複数のLEDチップを搭載したCОB型の青色LED装置が台頭しており、その場合標準サイズと言われる約600μmの青色LEDチップと比較して、約300μm以下である小サイズの青色LEDチップがよく使用されているが、従来のメチルシリコーン系の付加硬化性シリコーン樹脂組成物ではワイヤボンディング工程においてLEDチップの保持力が要求値を満たせないといった問題も挙がっている。
このように、特許文献1や特許文献2に挙げられるような従来の付加硬化性シリコーン樹脂組成物では、LED装置用ダイアタッチ材として使用した場合に、特に小サイズのLEDチップにおける接着強度が不十分であるという問題があった。
特開2018−131583号公報 国際公開2018/155131号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物が得られ、また基材との接着力に優れた熱硬化性シリコーン樹脂組成物を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、下記(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分、
(A−1)下記式(1)
(R 3−nSiO1/2(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2 (1)
(式中、Rは炭素数2〜8のアルケニル基、Rは独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、0.01<a<0.15、0.05<b<0.2、0≦c<0.1、0≦d<0.1、0.45<e<0.94であり、但し、a+b+c+d+e=1を満足する数であり、nは1〜3の整数である。)
で示され、1分子中に2個以上の炭素数2〜8のアルケニル基を有し、かつ1分子中に2個以上のケイ素原子に直接結合した水素原子を有する分岐状オルガノポリシロキサン、
(A−2)下記式(2)
Figure 2021176921
(式中、R及びRはそれぞれ上記と同じであり、Rは前記R又は前記Rから選ばれる基であり、1分子中の2個以上がRであり、2≦k1<20、0≦k2<10である)
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)下記式(3)
(R SiO1/2(HRSiO2/2(R SiO2/2 (3)
(式中、Rはそれぞれ上記と同じであり、Rは水素原子又はRで示される基であり、x及びyはx>0、y>0であり、0.60≦(x/(x+y))≦0.95であり、かつ、30≦x+y≦120となる数である。)
で示される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)付加硬化触媒
を必須成分として含有するものであることを特徴とする熱硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
このような熱硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物が得られ、また基材との接着力に優れたものとなる。
また、本発明では、前記(A−1)、(A−2)、及び(B)成分のRにおいて、全てのRの90モル%以上がメチル基である熱硬化性シリコーン樹脂組成物であることが好ましい。
このような熱伝導性シリコーン組成物であれば、高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の耐変色性が優れる。
また、本発明では、更に、(D)接着助剤として下記式(4)
(MeSiO3/2p1(EpSiO3/2p2(EpMeSiO2/2q1(MeSiO2/2q2(ViMeSiO2/2q3(OR (4)
(式中、Meはメチル基であり、Epはエポキシ基を有する1価の有機基であり、Viはビニル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、0≦p1<0.35、0≦p2<0.35、0≦q1<0.35、0.4≦q2<0.7、0<q3<0.1、0≦r<0.05であり、0.15≦(p2+q1)/(p1+p2+q1+q2+q3+r)≦0.35であり、但し、p1+p2+q1+q2+q3+r=1となる数である。)
で示される分岐状オルガノポリシロキサンであって、該分岐状オルガノポリシロキサンの重量平均分子量が1,500〜6,000であり、かつエポキシ当量が250〜500g/eqである接着助剤成分を含有する熱硬化性シリコーン樹脂組成物であることが好ましい。
このような熱伝導性シリコーン組成物であれば、高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の変色性を低く抑えることができる。
また、本発明は、上記熱硬化性シリコーン樹脂組成物からなる光半導体装置用ダイアタッチ材を提供する。
このような光半導体装置用ダイアタッチ材であれば、小サイズのLEDチップであっても接着強度が優れることから信頼性の高いLED装置を与えることができる。
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物によれば、LED用ダイアタッチ材として使用した際、小サイズのLEDチップであっても接着強度が優れることから信頼性の高いLED装置を与えることが可能であり、それ故、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物はLED用ダイアタッチ材として極めて有用である。
なお、このような効果が発現する理由として、上記特定のオルガノポリシロキサンを特定の組み合わせで使用することにより、通常の熱硬化性シリコーン樹脂組成物と比較して、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物が得られ、また基材との接着性に優れることが考えられる。
上述のように、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物となり、また基材との接着力に優れた熱硬化性シリコーン樹脂組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記(A−1)〜(C)成分を含有する熱硬化性シリコーン樹脂組成物を、光半導体装置用ダイアタッチ材として使用した場合、小サイズのLEDチップであっても優れた接着性を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分、
(A−1)下記式(1)
(R 3−nSiO1/2(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2 (1)
(式中、Rは炭素数2〜8のアルケニル基、Rは独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、0.01<a<0.15、0.05<b<0.2、0≦c<0.1、0≦d<0.1、0.45<e<0.94であり、但し、a+b+c+d+e=1を満足する数であり、nは1〜3の整数である。)
で示され、1分子中に2個以上の炭素数2〜8のアルケニル基を有し、かつ1分子中に2個以上のケイ素原子に直接結合した水素原子を有する分岐状オルガノポリシロキサン、
(A−2)下記式(2)
Figure 2021176921
(式中、R及びRはそれぞれ上記と同じであり、Rは前記R又は前記Rから選ばれる基であり、1分子中の2個以上がRであり、2≦k1<20、0≦k2<10である)
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)下記式(3)
(R SiO1/2(HRSiO2/2(R SiO2/2 (3)
(式中、Rはそれぞれ上記と同じであり、Rは水素原子又はRで示される基であり、x及びyはx>0、y>0であり、0.60≦(x/(x+y))≦0.95であり、かつ、30≦x+y≦120となる数である。)
で示される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)付加硬化触媒
を必須成分として含有するものであることを特徴とする熱硬化性シリコーン樹脂組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、上記(A−1)〜(C)を含有するものであるが、必要に応じてさらに、各種の公知の添加剤を含んでもよい。以下、各成分について説明する。
<(A−1)分岐状オルガノポリシロキサン>
(A−1)成分は、下記式(1)で表され、1分子中に2個以上の炭素数2〜8のアルケニル基を有し、1分子中に2個以上のケイ素原子に直接結合した水素原子を有する分岐状オルガノポリシロキサンである。
(R 3−nSiO1/2(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2 (1)
(式中、Rは炭素数2〜8のアルケニル基、Rは独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、繰り返し単位のモル分率(含有率)a〜eについては、0.01<a<0.15、0.05<b<0.2、0≦c<0.1、1、0≦d<0.1、0.45<e<0.94であり、但し、a+b+c+d+e=1を満足する数であり、nは1〜3の整数である。)
上記式(1)中、Rの炭素数2〜8、特に炭素数2〜6が好ましいアルケニル基として、具体的には、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基などが例示され、特にビニル基が好ましい。
上記式(1)中、Rの炭素数1〜12、特に炭素数1〜10が好ましいアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基等が例示できる。上記Rのアルキル基としては、得られる熱硬化性シリコーン樹脂組成物より作製されるシリコーン硬化物の、高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の耐変色性を考慮すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
このように、アルケニル基及びヒドロシリル基を有するRSiO1/2単位(M単位)と、レジン源であるRSiO3/2単位(T単位)を有するオルガノポリシロキサンは、従来のアルケニル基を有するRSiO1/2単位(M単位)と、SiO4/2単位(Q単位)をレジン源とするオルガノポリシロキサンと比較して樹脂強度の高い硬化物を与えることが可能であり、また付加硬化反応が温和に進行することから基材との接着性を向上させることが可能である。
また、上記式(1)中のR 3−nSiO1/2単位の上記含有率aは、シロキサン単位の合計a+b+c+d+e=1に対して0.01<a<0.15の範囲にあり、好ましくは0.02≦a≦0.14の範囲である。また、HR SiO1/2単位の上記含有率bは、シロキサン単位の合計a+b+c+d+e=1に対して0.05<b<0.2の範囲にあり、好ましくは0.08≦b≦0.18の範囲である。また、R SiO1/2単位の上記含有率cは、シロキサン単位の合計a+b+c+d+e=1に対して0≦c<0.1の範囲にあり、好ましくは0≦c≦0.08の範囲である。また、R SiO2/2単位の上記含有率dは、シロキサン単位の合計a+b+c+d+e=1に対して0≦d<0.1の範囲にあり、好ましくは0≦d≦0.08の範囲である。また、RSiO3/2単位の上記含有率eについては、シロキサン単位の合計a+b+c+d+e=1に対して0.45<e<0.94の範囲にあり、好ましくは0.5≦e≦0.9の範囲である。
上記(A−1)成分は、各単位源となる化合物を上記範囲内の含有率で混合し、例えば酸存在下で共加水分解縮合を行うことによって容易に合成することができる。
ここで、上記R 3−nSiO1/2単位源は、下記構造式で表されるトリオルガノクロロシラン、トリオルガノアルコキシシラン及びヘキサオルガノジシロキサン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるR 3−nSiO1/2単位源はこれらに限定されない。nは1〜3の整数である。
Figure 2021176921
Figure 2021176921
ここで、上記HR SiO1/2単位源は、下記構造式で表されるテトラオルガノジシロキサン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるHR SiO1/2単位源はこれらに限定されない。
Figure 2021176921
ここで、上記R SiO1/2単位源は、下記構造式で表されるヘキサオルガノジシロキサン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるR SiO1/2単位源はこれらに限定されない。
Figure 2021176921
ここで、上記R SiO2/2単位源は、下記構造式で表されるジオルガノジアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるR SiO2/2単位源はこれらに限定されない。
Figure 2021176921
ここで、上記RSiO3/2単位源は、下記構造式で表されるモノオルガノトリクロロシランやモノオルガノトリアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるRSiO3/2単位源はこれらに限定されない。
Figure 2021176921
前記(A−1)成分の性状としては特に限定されないが、25℃で液状であることが好ましい。
また、前記(A−1)成分の重量平均分子量は4,000〜12,000の範囲であることが好ましく、6,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。なお、本発明で言及する重量平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
・展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
・流量:0.6mL/min
・検出器:示差屈折率検出器(RI)
・カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
・TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
・TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
・TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
・カラム温度:40℃
・試料注入量:20μL(濃度0.5質量%のTHF溶液)
<(A−2)直鎖状オルガノポリシロキサン>
(A−2)成分は、下記式(2)で表され、1分子中に2個以上のR(炭素数2〜8のアルケニル基)を有する直鎖状オルガノポリシロキサンである。
Figure 2021176921
(式中、R及びRはそれぞれ上記と同じであり、Rは前記R又は前記Rから選ばれる基であり、1分子中の2個以上がRであり、2≦k1<20、0≦k2<10である。)
上記式(2)で表される、アルケニル基を側鎖に有し、さらに末端にも有してよい直鎖状オルガノポリシロキサンは、架橋密度を向上させられることから高硬度の樹脂硬化物を与えることが可能であり、また付加硬化反応が温和に進行することから基材との接着性を向上させることが可能である。
上記式(2)中、Rは前記R又は前記Rから選ばれる基であり、1分子中の2個以上がRであり、好ましくは10〜18個がRである。また、2≦k1<20、0≦k2<10である。前記Rは分子中の側鎖にあり、さらに、末端のいずれか又は両方にあってもよく、両末端及び側鎖にあることが好ましい。
前記(A−2)成分の性状としては、25℃で液状であることが好ましく、JIS K 7117−1:1999記載の方法で回転粘度計により測定した25℃における粘度が8〜50mPa・sの範囲であることがより好ましい。
(A−2)成分としては、具体的には、以下のものが例示できる。
Figure 2021176921
(式中、kは5〜20の整数である。)
(A−2)成分の配合量としては、前記(A−1)成分100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、2〜8.5質量部であることがより好ましく、3〜8質量部であることがさらに好ましい。
<(B)直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(B)成分は、下記式(3)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(R SiO1/2(HRSiO2/2(R SiO2/2 (3)
(式中、Rはそれぞれ上記と同じであり、Rは水素原子又はRで示される基であり、x及びyは、x>0、y>0であり、0.60≦(x/(x+y))≦0.95であり、かつ、30≦x+y≦120となる数である。)
上記(B)成分は架橋剤として作用するものであり、上記(A−1)成分及び(A−2)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基(特に好ましくはビニル基)と、(B)成分中のケイ素原子に結合する水素原子(ヒドロシリル基)とが付加反応することにより、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物からシリコーン硬化物が形成される。
上記式(3)中のHRSiO2/2単位(D単位)の含有量xおよびR SiO2/2単位(D単位)の含有量yの関係は、0.60≦(x/(x+y))≦0.95の範囲であり、好ましくは0.70≦(x/(x+y))≦0.90の範囲である。また、30≦x+y≦120の範囲であり、好ましくはまた40≦x+y≦110の範囲である。
上記式(3)中、Rの炭素数1〜12、特に炭素数1〜10が好ましいアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基等が例示できる。上記Rのアルキル基としては、得られる熱硬化性シリコーン樹脂組成物より作製されるシリコーン硬化物の、高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の耐変色性を考慮すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記式(3)中、Rは水素原子又はRで示される基であり、RとしてRで示される基を選択した場合、好ましい態様としては、前記と同様にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
このような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、D単位上にケイ素原子に結合した水素原子を有するシロキサン単位を豊富に含むため、付加硬化反応時の立体障害により、硬化性を調整することができる。また、基材との濡れ性が高く、立体障害によってアルケニル基との付加硬化反応に組み込まれず残存したヒドロシリル基が、付加硬化触媒によってヒドロキシシリル基へと変換され、基材との接着性向上に寄与することができる。
前記(B)成分の性状としては、25℃で液状であることが好ましく、JIS K 7117−1:1999記載の方法で回転粘度計により測定した25℃における粘度が30〜200mPa・sの範囲であることがより好ましい。
(B)成分の直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、以下のものが例示できる。
Figure 2021176921
(式中、x、yは上記と同じである。)
また、熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体におけるケイ素原子に結合したアルケニル基の合計モル数1モルに対して、上記(A−1)成分+(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計モル数が1.0〜2.0モルの範囲であることが好ましく、特に好ましくは1.1〜1.5モルの範囲である。(A−1)成分及び(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が上記範囲内であると、硬化反応が円滑に進行し、基材との接着性が高い状態でシリコーン硬化物を得ることができる。
なお、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物において、上記(A−1)、(A−2)、および(B)成分のRにおいて、全てのRの90モル%以上、好ましくは95モル%以上がメチル基であることが好適である。この範囲内であれば高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の耐変色性が優れる。
<(C)付加硬化触媒>
(C)成分の付加硬化触媒は、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物の付加硬化反応を進行させるために配合されるものであり、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、コスト等の観点から白金、塩化白金酸等の白金系のもの、例えば、HPtCl・mHO,KPtCl,KHPtCl・mHO,KPtCl,KPtCl・mHO(mは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができ、これらは単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。
付加硬化触媒の配合量は、熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体100質量部に対して、白金族金属の質量単位で0.1〜50ppmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜25ppmの範囲である。付加硬化触媒の配合量が上記範囲内であれば、熱硬化性シリコーン樹脂組成物の付加硬化反応が円滑に進行し、シリコーン硬化物に着色が生じるおそれがなくなる。
<(D)接着助剤>
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、前記(A−1)〜(C)成分の他に、接着助剤を添加してもよい。(D)成分の接着助剤は、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化時の基材との接着性をより好ましく発現させるために配合されるものであり、下記式(4)で表され、重量平均分子量が1,500〜6,000であり、エポキシ当量が250〜500g/eqである分岐状オルガノポリシロキサンである。
(MeSiO3/2p1(EpSiO3/2p2(EpMeSiO2/2q1(MeSiO2/2q2(ViMeSiO2/2q3(OR (4)
(式中、Meはメチル基であり、Epはエポキシ基を有する1価の有機基であり、Viはビニル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、繰り返し単位のモル分率(含有率)p1〜rについては、0≦p1<0.35、0≦p2<0.35、0≦q1<0.35、0.4≦q2<0.7、0<q3<0.1、0≦r<0.05であり、0.15≦(p2+q1)/(p1+p2+q1+q2+q3+r)≦0.35であり、但し、p1+p2+q1+q2+q3+r=1となる数である。)
上記式(4)中、Epで表されるエポキシ基を有する1価の有機基として具体的には、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、5,6−エポキシヘキシル基、7,8−エポキシオクチル基等の有機基が例示でき、特にEpとしては熱硬化性シリコーン樹脂組成物に配合した状態における保存安定性の観点から、3−グリシドキシプロピル基が好ましい。
このように、重量平均分子量が大きく、エポキシ当量が小さな分岐状オルガノポリシロキサンは、(A−1)成分との極性差が大きいため、硬化時に基材との界面に移行しやすいことから良好な接着性を発現させることができる。また、D単位上にビニル基を有するため、付加硬化反応で熱硬化性シリコーン樹脂組成物中に組み込まれることから、硬化後のブリードアウトを抑制することができ、更にはM単位上にビニル基を有するものと比較して組成物中にマイルドに組み込まれることから、基材と十分に馴染む余地を与えることができる。更に、ジメチルシロキサン単位を多く含有することから、上記(A−1)〜(B)成分からなるベース樹脂への相溶性が良くなり、また、高温条件下や波長450nmの青色光下に長時間放置した際の変色性を低く抑えることができる。
また、上記式(4)中のMeSiO3/2単位の上記含有率p1は、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0≦p1<0.35の範囲であり、特に好ましくは0≦p1≦0.3の範囲である。またEpSiO3/2単位の上記含有率p2は、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0≦p2<0.35の範囲であり、特に好ましくは0≦p2≦0.3の範囲である。更にEpMeSiO2/2単位の上記含有率q1は、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0≦q1<0.35の範囲であり、特に好ましくは0≦q1≦0.3の範囲である。また更に、MeSiO2/2単位の上記含有率q2は、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0.4≦q2<0.7であり、特に好ましくは0.45≦q2≦0.65の範囲である。また更に、ViMeSiO2/2単位の上記含有率q3は、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0<q3<0.1であり、特に好ましくは0<q3≦0.08の範囲である。更に、OR単位の上記含有率rは、シロキサン単位の合計p1+p2+q1+q2+q3+r=1に対して0≦r<0.05であり、特に好ましくは0≦r≦0.03の範囲である。
また、上記式(4)の重量平均分子量は1,500〜6,000の範囲にあり、好ましくは2,000〜5,000の範囲である。重量平均分子量が6,000以下であれば、シリコーン樹脂硬化物の外観が濁る恐れがなく、重量平均分子量が1,500以上であれば、基材との接着性を十分に得ることができる。
更に、上記式(4)のエポキシ当量は250〜500g/eqの範囲にあり、好ましくは300〜450g/eqの範囲である。エポキシ当量が500g/eq以下であれば、基材との接着性を十分に得ることができ、エポキシ当量が250g/eq以上であれば、シリコーン樹脂硬化物の外観が濁る恐れがない。
上記(D)成分は、各単位源となる化合物を上記範囲内の含有率で混合し、例えば塩基存在下で共加水分解縮合を行うことによって容易に合成することができる。
ここで、上記EpSiO3/2単位源及びEpMeSiO2/2単位源としては、下記構造式で表される有機ケイ素化合物が例示できるが、使用できるEpSiO3/2単位源及びEpMeSiO2/2単位源はこれらに限定されない。
Figure 2021176921
Figure 2021176921
(D)成分の配合量は、熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲であることが好ましく、特に好ましくは1〜8質量部の範囲である。(D)成分の配合量が0.5質量部以上であれば、基材との接着性に優れるため好ましく、10質量部以下であれば、熱硬化性シリコーン樹脂硬化物の外観が濁ることなく透明となるため好ましい。
<その他の成分>
また、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、上述した(A)〜(D)成分以外にも、必要に応じて、各種の公知の添加剤を目的に応じて適宜配合することができる。
<無機充填材>
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、得られる硬化物の強度を向上させる目的や、チキソ性を付与しダイアタッチ材の塗布作業性を向上させる目的で、無機充填材を適宜配合することができる。無機充填材としては、例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等が例示できる。特には、得られる硬化物の透明性の観点から、無機充填材としてヒュームドシリカを用いることが好適である。
無機充填材を配合する場合その配合量は、シリコーン樹脂組成物全体100質量部に対して好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは1〜10質量部の範囲とすることができる。特に、無機充填材としてヒュームドシリカを用いる場合は、前記シリコーン樹脂との馴染み性といった観点から、前記シリカ表面が疎水性基で処理されていることが好適である。疎水性基としては、具体的には、トリメチルシリル基やジメチルシリル基などのシロキサン系が挙げられる。
また、表面処理することによって、前記(D)成分に含まれるエポキシ基とヒュームドシリカ表面のヒドロキシシリル基との相互作用を抑え、保存安定性を改善する効果もある。このため、ヒュームドシリカとしては、十分に表面処理がされているものが好ましく、具体的には、比表面積が150m/g以上290m/g以下、好ましく170m/g以上230m/g以下であるヒュームドシリカを用いることが好ましい。上記シロキサン系の官能基で表面処理されたヒュームドシリカとしては、市販品として、日本アエロジル社のトリメチルシリル基で表面処理されたR812(比表面積230〜290m/g)及びRX300(比表面積180〜220m/g)、ジメチルシリル基で表面処理されたR976(比表面積225〜275m/g)、R976S(比表面積215〜265m/g)等が挙げられる。
<硬化抑制剤>
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、硬化速度を調整する等の目的で硬化抑制剤を配合することができる。硬化抑制剤としては、例えば、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンやヘキサビニルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン、エチニルシクロヘキサノールや3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコール類及びそのシラン変性物やシロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物等が挙げられる。硬化抑制剤を配合する場合は、シリコーン樹脂組成物全体100質量部に対して、好ましくは0.001〜1.0質量部、特に好ましくは0.005〜0.5質量部添加することができる。
<耐熱性向上剤>
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、高温環境下での耐クラック性を向上する目的で耐熱性向上剤を配合することができる。耐熱性向上剤は、180℃以上などの高温環境下において進行するシリコーン樹脂の酸化劣化に対して、例えばジメチルシロキサン鎖長の切断などにより樹脂硬さの向上を抑制する効果を有する。耐熱性向上剤としては、例えば、トリス(2−エチルヘキサン酸)セリウム(III)、トリアルコキシセリウム(III)、及びセリウム(III)のシロキサン変性体などが挙げられる。
耐熱性向上剤の配合量は、熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体100質量部に対して、金属元素の質量単位で0.1〜100ppmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜50ppmの範囲である。耐熱性向上剤の配合量が上記範囲内であれば、高温環境下での耐クラック性が向上し、シリコーン樹脂硬化物の着色による光透過率低下が小さくなる。また、ダイアタッチ材の塗布方法がスタンピング法の場合には、樹脂皿上に薄膜状態でおかれるため、加水分解性が低い耐熱性向上剤を使用することが好適である。
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、用途に応じて、基板上に塗布した後、硬化させることができ、好ましくは温度100〜200℃、より好ましくは温度150〜170℃の範囲で加熱硬化を行うことができる。加熱温度が上記範囲内であれば、基材と樹脂硬化物との接着強度が向上し、急激な溶剤の揮発による気泡の発生がなく、樹脂の劣化が進行してしまうおそれがないので好ましい。なお、上記加熱硬化時間は1〜4時間で良く、また、ステップ硬化の方式を採用しても良い。
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、上記特定のオルガノポリシロキサンを特定の組み合わせで使用することにより、通常の熱硬化性シリコーン樹脂組成物と比較して、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物が得られ、また基材との接着性に優れることから、小サイズのチップにおいても高い接着強度を発揮でき、上記特定のオルガノポリシロキサンを特定の組み合わせで使用することにより、通常の熱硬化性シリコーン樹脂組成物と比較して、硬さと樹脂強度が高い樹脂硬化物が得られ、また基材との接着性に優れる。このため電気電子部品用途に好適に用いることができ、具体的には、光半導体装置用ダイアタッチ材として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、部とは「質量部」のことであり、Meは「メチル基」、Viは「ビニル基」、Ep’は「γ−グリシドキシプロピル基」をそれぞれ示す。また、重量平均分子量は、前述した条件で測定したGPC測定による重量平均分子量を指す。また、下記実施例において、SiH基量とは、分子中のケイ素原子に直結した水素原子のモル数を示し、ブルカー社製核磁気共鳴(NMR)測定装置によるH−NMR測定によってジメチルスルホキシド(DMSO)を内部標準として定量した値であり、SiVi基量とは、分子中のケイ素原子に直結したビニル基のモル数を示し、ブルカー社製核磁気共鳴(NMR)測定装置によるH−NMR測定によってDMSOを内部標準として定量した値である。
<(A−1)成分>
(a1−1):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が9モル%、HMeSiO1/2単位が14モル%、MeSiO3/2単位が77モル%で示され、SiH基量が0.18mol/100gであり、SiVi基量が0.11mol/100gであり、重量平均分子量が7,000であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
(a1−2):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が5モル%、HMeSiO1/2単位が12モル%、MeSiO3/2単位が83モル%で示され、SiH基量が0.16mol/100gであり、SiVi基量が0.11mol/100gであり、重量平均分子量が8,200であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
(a1−3):シロキサン単位が、ViSiO1/2単位が3モル%、MeSiO1/2単位が6モル%、HMeSiO1/2単位が14モル%、MeSiO3/2単位が77モル%で示され、SiH基量が0.18mol/100gであり、SiVi基量が0.11mol/100gであり、重量平均分子量が6,700であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
(a1−4):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が8モル%、HMeSiO1/2単位が13モル%、MeSiO1/2単位が13モル%、MeSiO3/2単位が66モル%で示され、SiH基量が0.18mol/100gであり、SiVi基量が0.10mol/100gであり、重量平均分子量が2,800であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のcが範囲外)
(a1−5):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が12モル%、HMeSiO1/2単位が21モル%、Me1/2単位が17モル%、SiO4/2単位が50モル%で示され、SiH基量が0.17mol/100gであり、SiVi基量が0.11mol/100gであり、重量平均分子量が4,800であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のbが範囲外)
(a1−6):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が11モル%、MeSiO1/2単位が20モル%、MeSiO3/2単位が69モル%で示され、SiVi基量が0.15mol/100gであり、重量平均分子量が4,200であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のb=0)
(a1−7):シロキサン単位が、HMeSiO1/2単位が43モル%、MeSiO3/2単位が57モル%で示され、SiH基量が0.63mol/100gであり、重量平均分子量が1,800であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のa=0)
(a1−8):シロキサン単位が、ViMeSiO1/2単位が10モル%、MeSiO1/2単位が40モル%、SiO4/2単位が50モル%で示され、SiVi基量が0.08mol/100gであり、GPC測定による重量平均分子量が5,600であり、25℃で固体のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のb=e=0)
(a1−9):シロキサン単位が、ViSiO1/2単位が7モル%、MeSiO1/2単位が41モル%、SiO4/2単位が52モル%で示され、SiVi基量が0.22mol/100gであり、重量平均分子量が5,800であり、25℃で固体のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のb=e=0)
(a1−10):シロキサン単位が、HMeSiO1/2単位が25モル%、MeSiO1/2単位が25モル%、SiO4/2単位が50モル%で示され、SiH基量が0.40mol/100gであり、重量平均分子量が2,600であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン(比較例、式(1)のa=e=0)
<(A−2)成分>
(a2−1):下記式
(ViMeSiO1/2(ViMeSiO2/2
で示され、SiVi基量が1.16mol/100gであり、25℃の粘度が12mPa・sであり、25℃で液体のオルガノポリシロキサン
(a2−2):下記式
(ViMeSiO1/2(ViMeSiO2/216
で示され、SiVi基量が1.16mol/100gであり、25℃の粘度が22mPa・sであり、25℃で液体のオルガノポリシロキサン
(a2−3):下記式
(ViMeSiO1/2(MeSiO2/250
で示され、SiVi基量が0.05mol/100gであり、25℃の粘度が55mPa・sであり、25℃で液体のオルガノポリシロキサン(比較例、式(2)のk2が範囲外)
<環状オルガノポリシロキサン>
(a3−1):下記で示される2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン(比較例)
Figure 2021176921
<(B)成分>
(b−1):下記式
(MeSiO1/2(HMeSiO2/286(MeSiO2/210
で表され、ヒドロシリル基量が1.35mol/100gであり、25℃で液体であり、25℃の粘度が140mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(b−2):下記式
(MeSiO1/2(HMeSiO2/272(MeSiO2/224
で表され、ヒドロシリル基量が1.13mol/100gであり、25℃で液体であり、25℃の粘度が145mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(b−3):下記式
(MeSiO1/2(HMeSiO2/238
で表され、ヒドロシリル基量が1.55mol/100gであり、25℃で液体であり、25℃の粘度が23mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(比較例、式(3)のy=0)
<(C)成分>
(c−1):白金の含有量が2質量%であり、SiVi基量が1.15mol/100gである、白金(0)のテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン錯体のテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン溶液
<(D)成分>
(d−1):シロキサン単位が、Ep’SiO3/2単位が29モル%、MeSiO2/2単位が64モル%、ViMeSiO2/2単位が6モル%、OMe単位が1モル%で示され、重量平均分子量が2,400であり、SiVi基量が0.05mol/100gであり、エポキシ当量が330g/eqであり、25℃で液体であり、25℃の粘度が350mPa・sであるオルガノポリシロキサン
(d−2):シロキサン単位が、MeSiO3/2単位が20モル%、Ep’MeSiO2/2単位が9モル%、MeSiO2/2単位が65モル%、ViMeSiO2/2単位が5モル%、OMe単位が1モル%で示され、重量平均分子量が1,900であり、SiVi基量が0.05mol/100gであり、エポキシ当量が850g/eqであり、25℃で液体であり、25℃の粘度が105mPa・sであるオルガノポリシロキサン
<無機充填材>
(e−1):日本アエロジル社製ヒュームドシリカ「RX300」
[実施例1〜5,比較例1〜6]
実施例1〜5及び比較例1〜6の熱硬化性シリコーン樹脂組成物を表1に示した配合比(数値は質量部)により調製し、該組成物の硬さ、曲げ強さ、接着性を下記に示す試験方法により評価した。各測定結果について表1に示した。
(a)硬さ
熱硬化性シリコーン樹脂組成物を、熱風循環式乾燥機を使用して150℃で3時間加熱することにより、シリコーン硬化物を作製した。該シリコーン硬化物をJIS K 6253−3:2012に準拠し、タイプDデュロメータを用いて測定した。
(b)曲げ強さ
熱硬化性シリコーン樹脂組成物を、熱風循環式乾燥機を使用して150℃で3時間加熱することにより、棒状のシリコーン硬化物を作製した。該シリコーン硬化物をJIS K 7171:2016に準拠し測定した。
(c)接着性
リードフレーム部が銀めっきであり、リフレクタ部材がEMCであり、成型後に化学エッチングにより洗浄されたSMD型3030パッケージの各キャビティ中央部に熱硬化性シリコーン樹脂組成物を所定量塗布し、小サイズのLEDチップ(GeneLite社製:B1012(250μm×300μm))をダイボンドした後、熱風循環式乾燥機を使用して150℃で3時間加熱硬化した。加熱後、取り出したパッケージを25℃まで冷却し、ボンドテスター(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製:Dage4000)にてLEDチップと銀めっきとの接着強度を各樹脂硬化物について試験数50で測定し、平均接着強度を算出した。また、測定後、銀めっき表面を顕微鏡にて観察し、樹脂残りを評価した。銀めっき側との平均樹脂残りが面積比で70%以上であるものを「良(○)」、70%未満であるものを「不可(×)」として評価した。
Figure 2021176921
上記評価試験の結果、本発明(実施例1〜5)の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化物の硬さ及び樹脂強度が高く、また接着性も良好であり、小サイズのLEDチップにおける接着強度に優れることが分かった。一方、(A−2)成分を含まない比較例1や、本発明の(A−1)成分以外のオルガノポリシロキサンを含む比較例2〜6は接着強度に劣るものであった。従って、本発明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、光半導体装置用ダイアタッチ材として極めて有用であることが確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. 下記(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分、
    (A−1)下記式(1)
    (R 3−nSiO1/2(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2 (1)
    (式中、Rは炭素数2〜8のアルケニル基、Rは独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、0.01<a<0.15、0.05<b<0.2、0≦c<0.1、0≦d<0.1、0.45<e<0.94であり、但し、a+b+c+d+e=1を満足する数であり、nは1〜3の整数である。)
    で示され、1分子中に2個以上の炭素数2〜8のアルケニル基を有し、かつ1分子中に2個以上のケイ素原子に直接結合した水素原子を有する分岐状オルガノポリシロキサン、
    (A−2)下記式(2)
    Figure 2021176921
    (式中、R及びRはそれぞれ上記と同じであり、Rは前記R又は前記Rから選ばれる基であり、1分子中の2個以上がRであり、2≦k1<20、0≦k2<10である)
    で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
    (B)下記式(3)
    (R SiO1/2(HRSiO2/2(R SiO2/2 (3)
    (式中、Rはそれぞれ上記と同じであり、Rは水素原子又はRで示される基であり、x及びyはx>0、y>0であり、0.60≦(x/(x+y))≦0.95であり、かつ、30≦x+y≦120となる数である。)
    で示される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)付加硬化触媒
    を必須成分として含有するものであることを特徴とする熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記(A−1)、(A−2)、及び(B)成分のRにおいて、全てのRの90モル%以上がメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 更に、(D)接着助剤として下記式(4)
    (MeSiO3/2p1(EpSiO3/2p2(EpMeSiO2/2q1(MeSiO2/2q2(ViMeSiO2/2q3(OR (4)
    (式中、Meはメチル基であり、Epはエポキシ基を有する1価の有機基であり、Viはビニル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、0≦p1<0.35、0≦p2<0.35、0≦q1<0.35、0.4≦q2<0.7、0<q3<0.1、0≦r<0.05であり、0.15≦(p2+q1)/(p1+p2+q1+q2+q3+r)≦0.35であり、但し、p1+p2+q1+q2+q3+r=1となる数である。)
    で示される分岐状オルガノポリシロキサンであって、該分岐状オルガノポリシロキサンの重量平均分子量が1,500〜6,000であり、かつエポキシ当量が250〜500g/eqである接着助剤成分を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物からなることを特徴とする光半導体装置用ダイアタッチ材。
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