JP2021176833A - 主剤が均一に分散されたマイクロスフェアー及びそれを含有する徐放性製剤 - Google Patents

主剤が均一に分散されたマイクロスフェアー及びそれを含有する徐放性製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができるマイクロスフェアーを提供す特性が制御されたケイ素化合物被覆金属微粒子を提供すること。【解決手段】高分子マトリクス中に主剤が均一に分散されたマイクロスフェアーであって、前記マイクロスフェアーの平均体積基準粒子径が1μm以上150μm以下であり、前記マイクロスフェアーを切断した断面観察試料を作成し、前記断面観察試料をマイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、前記電子顕微鏡断面観察した像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を算出して、4つの領域における算出された前記比率の変動係数が0.35以下であることを特徴とするマイクロスフェアー。【選択図】図1

Description

本発明は、主剤が均一に分散されたマイクロスフェアー及びそれを含有する徐放性製剤に関する。本発明は、特に、生分解性を有する高分子マトリクス中に主剤が均一に分散されたマイクロスフェアー及びそれを含有する徐放性製剤に関する。
主剤を含有する医薬品等の徐放性製剤等として、近年、マイクロスフェアー又はナノスフェアーが注目されている。マイクロスフェアーとは、通常、粒子径が1μmから150μm程度の製剤をいい、それよりも小さい1μm未満の製剤はナノスフェアーと呼ばれる。これらは、例えば、主剤を生分解性の合成高分子又は天然高分子に内包させて、局所で主剤を持続的に放出することができ、又は組織への主剤のターゲッティング等を行うことができる。
主剤を一定の速度で徐々に放出する徐放性マイクロスフェアー製剤には、例えば、生分解性高分子、主剤、添加剤、溶媒等が適切に制御された製剤が必要である。徐放性マイクロスフェアー製剤が生体内で一定期間、有効に薬理学的効果を示すためには、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度を適切に制御して、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することが必要である。しかしながら、従来のマイクロスフェアーの場合には、投与後10〜30%が初期バーストするため、インスリン、抗がん剤のような血中・組織中濃度の制御が必要な薬物では使えなかった。逆にこの初期バーストを解決した場合には、長期徐放性マイクロスフェアーの利用価値はもっと高まると考えられている(非特許文献1)。
主剤の初期放出量異常(初期バースト)を抑え、放出期間中の放出速度を一定に制御するためには、マイクロスフェアーの粒子径とマイクロスフェアー中の主剤の分散状態が関係する。マイクロスフェアーの粒子径は、歩留まりの問題があるが、ろ過などの操作で目的とする粒子径に合わせこむことができる。しかしながら、マイクロスフェアー中の主剤の分散状態は、ただ一様とされており確認されていない。
長期徐放型マイクロカプセルとして、黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を皮下注射することで約1ヶ月から数ヶ月にわたって放出する製剤が特許文献1に開示されている。同製剤には粒子径の粒度分布が1μmから400μmと非常に広いことの問題がある。そこで、この問題を解決する方法として、特許文献2に二重乳化法により担体用高分子内に主剤が封入されたマイクロスフェアーを製造する方法が提案されている。しかし、実施例1〜5で得られたリュープロレイン酢酸塩含有マイクロスフェアーは、粒子中の薬物の分散状態については、記載されていない。
特許文献3には、少なくとも28日間(672時間)、慢性の痛みを軽減するマイクロスフェアーが開示されている。同マイクロスフェアーは、生分解性ポリマー及び局所麻酔剤(主剤)を含み、局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、局所麻酔剤の約80〜90%が約120時間までに放出される。このことから、マイクロスフェアー中の局所麻酔剤の分布はマイクロスフェアー中に均一ではなく外側に偏っていることが示唆される。図2に記載されたマイクロスフェアーの断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像からは、局所麻酔剤の分散状態は、確認できない。
特許文献4では、コアが固体状のアリピプラゾールを含有し、生分解性ポリマーを含むシェルがコアの表面を被覆したコアシェル構造のマイクロスフェアーが開示されている。このように、特許文献4のマイクロスフェアーは、マイクロスフェアー中に主剤が均一に分散されたものではない。また、図5に記載された実施例で得られたマイクロスフェアーを切断した断面の電子顕微鏡写真では、シェル中には、アリピプラゾールの分散状態が、確認できない。
特許文献5では、水溶性高分子を主成分とする水溶性賦形剤からなる高分子マトリクス中に親油性物質の主剤を含有する油性成分を多分散させている。ここでは、水溶性高分子マトリクスを溶解し、主剤の粒度分布を測定して粒子径は確認されているが、実際に水溶性高分子マトリクス中の主剤の分散状態について確認されていない。
特許2653255号公報 特開2014−224114号公報 特開2016−069378号公報 特表2010−531303号公報 国際公開2008/053920号公報
Drug Delivery System,2014年29巻1号,p.51〜63
平均体積基準粒子径が1μm以上150μm以下である生分解性高分子マイクロスフェアーは、マイクロスフェアー中の主剤(薬物と表記する場合もある)の分布が制御されていなければ、放出期間を設計通りに実現することができない。例えば、マイクロスフェアーの表面近くに主剤が偏っていれば、投与後初期にマイクロスフェアーから多量の主剤が放出され、初期バーストの問題が発生する。逆に、マイクロスフェアーの中心部に主剤が偏っていれば、又はコアシェルの様な状態であれば、初期から持続的に放出することができない。故に、微粒子の主剤が均一に分散された状態が望ましい。大きな塊の主剤が点在するような分散状態では、初期から持続的に放出することはできない。同様に、空孔の制御がなされていなければ、主剤の放出において同様な問題が発生する。
実際にラット等の小動物を用いて薬物動態を調べた際、放出速度や放出プロファイルにバラつきが多く発生することがあり、その原因としてラット等の個体差であると結論付けることが多い。しかし、マイクロスフェアー中の主剤の分散状態が均一であれば、バラつきの多くがより改善され、高分子の種類や分子量で分解速度を制御したマイクロスフェアーからの主剤の放出も設計通りに実現できる。
マイクロスフェアー中に主剤が均一に分散されていることが、主剤を生体内で一定期間継続して放出するための絶対条件である。しかし、現状ではマイクロスフェアー内の主剤の均一な分散状態について探索がなされていない。マイクロスフェアーの粒子径は、ナノ粒子と違って大きいため、一般に均一化が難しい。そこで、マイクロスフェアー中の主剤の分散状態を確認する必要がある。そのためには、マイクロスフェアーの粒子を切断した断面観察試料を作成し、マイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、その分散状態を確認することが、容易に実施することができ、確実である。
図1は、特許文献1に記載されるLH−RH誘導体の長期徐放型マイクロカプセルに相当する、マイクロカプセル型徐放性製剤リュープリン(登録商標)注射用1.88mg(武田薬品工業株式会社製)の電子顕微鏡写真である。
本製剤には、大きな粒子から小さな粒子までいろいろ含まれているが、その代表的な粒子である約6μmの粒子を選択して、その粒子の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像を図2に示す。図2中の矢印で示す大きな分散体は、空孔であることが、画像でのエッジ効果の確認によって、またSEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器)によって分かる。図3は、図2のSEM断面画像を画像上で4分割(領域1〜領域4)し、市販の画像処理解析ソフトiTEM(TEMカメラ制御、画像解析ソフトウェア、EMSIS社製)を用いてピクセル範囲3×3で平均化処理後に、エッジ部分を強調する処理を行い、コントラストの最適化を行った。その後、2値化処理を行い、画像処理でノイズ除去及びコントラストの低い粒子の強調処理を行った後に、再度ピクセル範囲3×3で平均化処理後にエッジ部分を強調する処理を行った画像である。図3に基づいて、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)の変動係数を求めたところ、1.114であった。この様に実施することで、粒子断面から主剤の分散状態を確認することができる。この変動係数が0.35を超えており、マイクロスフェアー粒子中に分散された主剤が均一でない分散状態であるために、本製剤では放出期間中の放出速度を適切に制御することができない。
そこで、本発明の課題は、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができるマイクロスフェアーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、マイクロスフェアーの断面の電子顕微鏡観察を行い、断面観察した像の4分割した領域における主剤の面積比率の変動係数が0.35以下であるマイクロスフェアーであることによって、主剤がマイクロスフェアー中に均一に分散され、不均一な空孔がなく、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができることを見出して、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]本発明の第1の態様は、高分子マトリクス中に主剤が均一に分散されたマイクロスフェアーであって、
前記マイクロスフェアーの平均体積粒子径が1μm〜150μm以下であり、
前記マイクロスフェアーを切断した断面観察試料を作成し、前記断面観察試料をマイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、前記電子顕微鏡断面観察した像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を算出して、4つの領域における算出された前記比率の変動係数が0.35以下であることを特徴とするマイクロスフェアーである。
[2]本発明の第2の態様は、前記主剤が親油性物質である、[1]に記載のマイクロスフェアーである。
[3]本発明の第3の態様は、分散された前記主剤の平均体積基準粒子径が5nm〜500nmである、[1]又は[2]に記載のマイクロスフェアーである。
[4]本発明の第4の態様は、前記マイクロスフェアー中の前記主剤の含有量が前記マイクロスフェアー全量に対して0.10〜50質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載のマイクロスフェアーである。
[5]本発明の第5の態様は、前記高分子が生分解性ポリマーである、[1]〜[4]のいずれかに記載のマイクロスフェアーである。
[6]本発明の第6の態様は、[1]〜[5]のいずれかに記載のマイクロスフェアーを含有する徐放性製剤である。
本発明のマイクロスフェアーによって、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を一定期間、継続して放出することができる。
リュープリン(登録商標)注射用1.88mg(武田薬品工業株式会社製)のSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。 リュープリン(登録商標)注射用1.88mg(武田薬品工業株式会社製)の代表的な粒子の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。 図2の断面画像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を求めるために2値化処理した画像である。 参考例1の主剤を含まないマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 マイクロスフェアーの分割方法の例を示す。(A)は同心円上に4分割したものである。(B)は縦方向に4分割したものである。(C)は円周方向に4分割したものである。 実施例1のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 図6−1の断面画像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を求めるために2値化処理した画像である。 実施例3のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 図7−1の断面画像を拡大し、2値化処理した画像である。 実施例4のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 図8−1の断面画像を2値化処理した画像である。 実施例7のマイクロスフェアーの断面を拡大したSEM画像である。 実施例8のマイクロスフェアーの断面のSEM画像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を求めるために2値化処理した画像である。 比較例1のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 比較例2のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 比較例3のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。 比較例4のマイクロスフェアーの断面のSEM画像である。
1.マイクロスフェアー
本発明のマイクロスフェアーは、高分子マトリクス中に主剤が均一に分散されたマイクロスフェアーであって、前記マイクロスフェアーの平均体積粒子径が1μm〜150μm以下であり、前記マイクロスフェアーを切断した断面観察試料を作成し、前記断面観察試料をマイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、前記電子顕微鏡断面観察した像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を算出して、4つの領域における算出された前記比率の変動係数が0.35以下であることを特徴とするマイクロスフェアーである。
表層又は中心部に主剤が偏析するか、あるいは粗大粒子や凝集体又は大きな空孔等があれば、上記比率の変動係数が大きくなる。上記比率の変動係数が0.35以下であれば主剤が均一に分散している状態である。本発明に係るマイクロスフェアーは、上記マイクロスフェアーの断面を4分割した各領域内において、各領域面積に対する主剤が占める面積比率の変動係数が0.35以下であり、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下である。
本発明のマイクロスフェアーによって、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができる。
<マイクロスフェアーの断面の観察>
マイクロスフェアー中の主剤の分散状態の確認方法について以下に述べる。
分散された主剤の微粒子を明確に確認できる倍率で、マイクロスフェアーの断面を電子顕微鏡で観察することで実施することができる。電子顕微鏡は、透過電子を情報源にした透過型電子顕微鏡(TEM)と二次電子(反射電子)を検出する走査型電子顕微鏡(SEM)等がある。観察する試料に合わせて選択するが、ナノスフェアーなどは、透過型電子顕微鏡の方が微細構造を観察できる。また、位相差顕微鏡などを用いて、マイクロスフェアー内に500nm以上の空孔及び又は主剤等の偏りの有無を確認することが出来る。空孔や含有物に偏りがあると屈折率が変化するため、マイクロスフェアー粒子内のコントラストに差が生じる。光の波長以上の大きさで変化がある場合には簡便で有用である。
断面観察の方法について特に限定されるものではないが、具体的には次の手順で確認することができる。先ず金や白金、白金パラジウム合金等の薄膜をマイクロスフェアーにコートする。実施例では、オスミウムを用いてコートしている。次にマイクロスフェアーを液体窒素によって凍結させる。凍結後、FIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)により断面を作成する。すなわち、FIB装置を用いて、集束したイオンビームを試料に照射し、試料内部の所望位置の構造を切り出すことで、マイクロスフェアーの断面観察試料を作製した。高分子マトリクス中に分散された主剤の微粒子の好ましい粒子径は数10nm〜数100nmであるが、数μmの場合もある。この大きさの分散微粒子を確認できる電子顕微鏡の観察倍率でマイクロスフェアーの断面全体を観察する。通常、電子顕微鏡の観察倍率は2500倍から数十万倍程度である。また、マイクロスフェアー全体を観察できない高い倍率を用いた場合、観察された部分を繋ぎ合わして全体を観察してもよい。
断面画像を4分割にする際、例えば、図5のA〜Cに示すように、同心円状に4分割してもよく、縦方向又は横方向に4分割してもよく、中心を通る円周方向に4分割しても構わない。主剤の偏析状態を顕著に示す分割方法を取ることが好ましい。例えば、同心円状に4分割する場合(図5A)は、マイクロスフェアーの断面の最大直径の中心点から半径を4等分して同心円状に分割が必須である。縦方向又は横方向に分割する場合(図5B)は、等間隔に4分割が必須である。上記の最大直径と平行に又は垂直、いずれかの方向に4分割が必須である。中心を通る円周方向に4分割する場合(図5C)は、上記の最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割が必須である。主剤の構成元素にもよるが、マイクロスフェアーの断面をEDS(エネルギー分散型X線分光器)を用いて元素分析を行うことができ、空孔かそうでないかも確認できる。空孔の場合は主剤の面積に積算してはならない。EDS検出元素が入っていない場合、断面観察試料を四酸化ルテニウムや四酸化オスミウム、リンタングステン酸、酢酸ウラニル、酢酸サマリウム、ヨウ素などを用いて染色することもできる。また、主剤が入っていないマイクロスフェアーとの比較により、主剤を特定することもできる。電子顕微鏡断面観察画像にコントラストが得にくい場合、染色法が有効である。上述は一例であり試料を樹脂で包埋したり、マイクロスフェアーの断面作成にミクロトームを用いたりしても構わない。
また、断面積の算出は、特に方法は問わないが、市販の画像処理解析ソフトを用いることが好ましい。市販の画像処理解析ソフトとしては、Image−Pro Plus(Media Cybernetics社製)やiTEM(TEMカメラ制御、画像解析ソフトウェア、EMSIS社製)等、多種類のものを用いることができる。
<高分子>
本発明のマイクロスフェアーに用いられる高分子は、ポリラクチド類(Polylactide,Polylactic acid,PLA)、ポリ(D−ラクチド)類、ポリ(L−ラクチド)類、ポリ(DL−ラクチド)類、ポリグリコリド類(Polyglycolic acid,PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)類(Polylactic−co−glycolic acid、PLGA)、ポリ(D−ラクチド−コ−グリコリド)類、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)類、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)類、ポリカプロラクトン類(Poly−Caprolactone、PCL)、ポリカーボネート類、ポリエステルアミド類、ポリアンヒドリド類、ポリオルトエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリ(ジオキサノン)類、ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル又はこれらのコポリマー;酢酸セルロース(Cellulose acetate、CA)、エチルセルロース(Etylcellulose、EC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等のセルロース類又はセルロース誘導体;アミロース、アミロペクチン、ペクチン、でんぷん、キトサン、マンナン、シクロデキストリン、ガラギナン等の多糖類又はその誘導体;ポリアセタール類、ポリアミノ酸、ポリシアノアクリレート類、ポリアルキレンアルキレート類、生分解性ポリウレタン混合物、又はこれらのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、メタクリル酸コポリマー類、コラーゲン、ゼラチンなどの高分子を利用することができる。本明細書に記載したものは一例として記載したものであり、記載されたものに制限されるものではない。また、高分子種は、薬物種や放出速度などにより適宜選択することができ、1種単独で使用してもよいし、複数種を併用して使用しても良い。
主剤の徐放効果を生体内で長期間持続させることが必要なときは、非生分解性ポリマーを用いてもよく、短時間で薬物を放出させることが必要なときは生分解性ポリマーを用いれば良い。また、例えばポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)は、この順序で生分解速度は速くなるので、マイクロスフェアーを形成する高分子の選択によって薬物の徐放速度を制御することもできる。
高分子の構成についてモル比等に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが出来る。例えば、PLGAは乳酸に由来する構成単位(L)とグリコール酸に由来する構成単位(G)とのモル比(L:G)は特に制限はなく、目的に応じて選択できる。1:99〜99:1が好ましく、25:75〜99:1がより好ましく、30:70〜90:10が更に好ましく、50:50〜85:15が特に好ましい。また、PLAやPGA単独でも使用できる。その他の共重合体についても同様に構成物質のモル比を調整することができ、分子量の選択についても、主剤の均一な分散状態の実現ならびに徐放性の制御には重要となる。
本発明のマイクロスフェアーは、高分子マトリクス中に主剤が含まれるが、必要に応じて、分散剤やその他の成分を含有させても良い。また、高分子マトリクスの状態は特に規定されるものではないが、アモルファスの状態であることが好ましい。
[主剤]
本発明のマイクロスフェアーに含まれる主剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬化合物、機能性食品化合物、機能性化粧品化合物、動物投与化合物、農薬等が挙げられる。医薬化合物を含むマイクロスフェアーは、例えば、徐放性医薬製剤として好適に用いることができる。主剤には、親油性物質及び親水性物質のいずれもが含まれる。好ましい主剤として親油性物質が挙げられる。親油性物質は、例えば、水/オクタノール分配係数のlogP値が3以上である物質を意味し、親油性物質に含まれない主剤は、親水性物質に分類される。水/オクタノール分配係数は、JISZ7260−107(2000)フラスコ振とう法に準拠して測定することができる。主剤は、徐放性製剤が望まれるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。主剤には、塩、水和物等のいずれの形態も包含される。
本発明のマイクロスフェアー中に主剤が均一に分散している。その構成を取ることで、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を一定期間、継続して放出することができる。マイクロスフェアー中に主剤が均一に分散していることは、マイクロスフェアー全量に対する主剤の含有量で制御することができる。主剤の好ましい含有量としては、主剤によっても変化するが、マイクロスフェアー全量に対して、例えば、0.1〜50質量%が挙げられ、好ましくは0.3〜30質量%が挙げられ、より好ましくは0.35〜15質量%が挙げられ、更により好ましくは0.5〜10質量%が挙げられる。
分散された主剤の微粒子の平均体積基準粒子径は、5nm〜500nmが好ましく、より好ましくは10nm〜400nmが挙げられ、更に好ましくは20nm〜200nmが挙げられる。
[分散剤]
主剤を分散させるために、分散剤を用いることができる。分散剤としては、低分子量の分散剤であってもよく、高分子量の分散剤ポリマーであってもよい。低分子量の分散剤とは、重量平均分子量が15,000未満の化合物を意味し、高分子量の分散剤ポリマーとは、1つ以上のモノマーの間に繰り返しの共有結合を含み、重量平均分子量が15,000以上の化合物を意味する。
低分子量の分散剤としては、医薬化合物、機能性食品化合物、機能性化粧品化合物、動物投与化合物、農薬等に許容されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、脂質類、糖類、アミノ酸類、有機酸類、その他の成分等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂質類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中鎖又は長鎖のモノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリド、リン脂質、植物油(例えば、大豆油、アボカド油、スクアレン油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、ナタネ油、サフラワー油、ヒマワリ油等)、魚油、調味油、水不溶性ビタミン、脂肪酸、及びこれらの混合物を含み、これらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコース、マンノース、イドース、ガラクトース、フコース、リボース、キシロース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラフィノース、マルトトリオース、アカルボース、水溶性セルロース、合成セルロース、糖アルコール、グリセリン、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、若しくはポリオール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、医薬、食品、化粧品等に使用できるものが好ましい。
<平均体積基準粒子径>
本発明のマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は、1μm以上150μm以下であり、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上75μm以下がより好ましい。平均体積基準粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。本発明においては、平均体積基準粒子径が、150μmを超えると、マイクロスフェアー粒子内の主剤の分散不均一性によって初期バーストの問題が発生し、凝集や沈降し易くなり、後工程の処理も難しくなる。1μmより小さくなると著しく初期バーストの問題が発生する。
本発明のマイクロスフェアーによって、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができる。
2.徐放性製剤
本発明のマイクロスフェアーを用いて、マイクロスフェアーを含有する徐放性製剤を調製することができる。本発明の徐放性製剤によって、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を一定期間、継続して放出し、有効に薬理学的効果を示すことができる。
本発明の徐放性製剤は、そのまま筋肉内、皮下、血管、臓器、関節腔、腫瘍などの病巣等に容易に注射剤及び埋め込み剤として、又は経皮剤として投与することができる。その他、経口剤、塗布剤、点鼻製剤等の種々な製剤形態で投与することもできる。例えば、本発明の徐放性製剤を注射剤とするには、分散剤(Tween80、HCO−60、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等)、保存剤(メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)などと共に水性懸濁剤とするか、大豆油、ゴマ油、コーン油などの植物油と共に分散して油性懸濁剤として、徐放性注射剤とするなどの形態で投与することができる。
3.マイクロスフェアーの製造方法
<マイクロスフェアーの製造工程>
本発明のマイクロスフェアーの製造方法は、粒子形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、ろ過滅菌工程、良溶媒除去工程、その他の工程等を含んでもよい。
また、溶媒を用いてのエマルション液中乾燥法に関して詳細に記載するが、溶媒フリー製造法、混合液直接噴霧乾燥法などを用いてもかまわない。
[粒子形成工程]
粒子形成工程は特に限定されるものではないが、特開2009−132871号公報又は特開2011−189348号公報に記載の接近離反可能な対向して配設された、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用面の間で粒子化処理がなされる粒子化処理装置を用いることが好ましい。粒子形成工程は、例えば、前記の粒子化処理装置を用いて、高分子の良溶媒に高分子及び主剤を溶解又は分散させて得られる主剤を含む高分子溶液と、高分子の貧溶媒を含む溶液とを連続投入して、乳化粒子を作製し、作製された粒子から良溶媒を除去することによって、本発明のマイクロスフェアーを析出させることで実施される。ここで、「分散」とは、主剤を固体のまま、高分子の良溶媒に分散させること、主剤を高分子の良溶媒に乳化させること、親水性主剤の水性溶液と高分子の良溶媒を含むw/oエマルションを形成させること等を含む。
基本的には粒子形成工程で主剤を含む高分子溶液を乳化し、脱溶媒などの工程を行うが、特に限定されるものではない。スプレードライなどを用い、粒子形成工程と溶媒除去を同時に行っても良い。
主剤を含む高分子溶液としては、高分子の良溶媒に高分子及び主剤が溶解又は分散している溶液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。良溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)などが挙げられる。水溶性の高分子を用いる場合は水を使用してもよい。これらの中でも、溶解性の面から脂肪族ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類又はこれらの混合溶媒が好ましく、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル又はこれらの混合溶媒がより好ましい。これらは、1種類単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒種や混合量を変化させることにより粒子径の制御や薬物含有量を制御することができる。
良溶媒とは、高分子の溶解度が大きい溶媒を意味し、貧溶媒とは、高分子の溶解度が小さい又は溶解しない溶媒を意味する。良溶媒及び貧溶媒は、それぞれマイクロスフェアー中の主剤が偏析したり、粗大粒子や凝集体を発生させないものを選択する。また、良溶媒及び貧溶媒は、例えば、25℃における溶媒100gに溶解し得る高分子の質量で規定することができる。本発明において、良溶媒は、高分子を0.1g以上溶解する溶媒であることが好ましく、より好ましくは0.2g以上が挙げられ、更に好ましくは0.5g以上が挙げられる。貧溶媒は、高分子を0.05g以下しか溶解しない溶媒であることが好ましく、より好ましくは0.02g以下が挙げられ、更に好ましくは0.01g以下が挙げられる。貧溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水が好ましい。
高分子及び主剤の溶液中の高分子の含有量は、良溶媒に応じて、目的とするマイクロスフェアーの粒子径に応じて、またマイクロスフェアー中に主剤が均一に分散するように、変化させることができる。高分子の含有量は、例えば、1〜30質量%が挙げられ、好ましくは3〜20質量%が挙げられ、より好ましくは5〜15質量%が挙げられる。高分子溶液中の主剤の含有量は、目的、薬理効果等に応じて、またマイクロスフェアー中の主剤が均一に分散されているように、適宜変化させることができる。
作製したマイクロスフェアーの安定性を更に確保するため、貧溶媒に安定剤を加えてもよい。安定剤としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、レシチン、ポリソルベート80等が挙げられ、ポリビニルアルコール(PVA)が好ましい。また、添加する安定剤の濃度は好ましくは0.01〜20質量%が挙げられ、5質量%以下であることがより好ましい。好ましい貧溶媒としては、例えば、PVA水溶液などが挙げられる。
高分子及び主剤の溶液並びに貧溶媒を含む溶液は、棒状、板状、プロペラ状等の種々の形状の撹拌子を槽内で回転させるものや、撹拌子に対して相対的に回転するスクリーンを備えたものなど、流体にせん断力を加えるなどして、均質な混合を実現する回転式分散機などの調製装置を用いて調製されることが望ましい。回転式分散機の好ましい例としては、特許第5147091号に開示されている撹拌機を適用することができる。マイクロスフェアー中の主剤が均一に分散するためには、高分子溶液と貧溶媒を完全混合する必要がある。完全混合のために、少なくとも分子レベルでの均一化を目指す必要があり、混合が不十分であることが不均一な分散状態の原因になる。
回転式分散機はバッチ式で行うものであっても、連続式で行うものであってもよい。連続式で行う場合には、撹拌槽に対する流体の供給と排出とを連続的に行うものであってもよく、撹拌槽を用いずに連続式のミキサーを用いて行うものであってもよく、公知の撹拌機や撹拌手段を用い、適宜撹拌エネルギーを制御することができる。なお、撹拌エネルギーに関しては、本出願人による特開平04−114725号公報に詳述されている。本発明における撹拌の方法は特に限定されないが、各種せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波式などの撹拌機や溶解機、乳化機、分散機、ホジナイザーなどを用いて実施することができる。一例としては、ウルトラタラックス(IKA製)、ポリトロン(キネマティカ製)、TKホモミキサー(プライミクス製)、エバラマイルダー(荏原製作所製)、TKホモミックラインフロー(プライミクス製)、コロイドミル(神鋼環境ソリューション製)、スラッシャー(日本コークス工業製)、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック製)、ファインフローミル(太平洋機工製)などの連続式乳化機、クレアミックス(エム・テクニック製)、クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)などのバッチ式又は連続両用乳化機が挙げられる。また、撹拌処理は、高速回転する撹拌翼を備えたものであって、撹拌翼の外側にスクリーンを備え、スクリーンの開口から流体がジェット流となって吐出する撹拌機、特に上記のクレアミックス(エム・テクニック製)やクレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いることが望ましい。
前記の粒子化処理装置において、回転する処理用面の停止時の接面圧を調整することにより、高分子マトリクスの粒子径及び粒子径分布の制御が可能である。本発明者による実験の結果、接面圧は、好ましくは20g/cm〜250g/cmである。接面圧が20g/cmより低い場合には薄膜が安定せず、粒子径分布が広くなる。接面圧が250g/cmより高いと目的としている粒子径の調整が難しくなることが判明した。より好ましくは50g/cm〜200g/cmが挙げられ、さらに好ましくは80g/cm〜150g/cmが挙げられる。
高分子及び主剤の溶液と貧溶媒を含む溶液とが接することで形成されるマイクロスフェアーのそれぞれが合着することを防ぐことが好ましい。その合着を防ぐ方法としては、溶液吐出液回収タンクに予め貧溶媒を含む溶液を入れておき、緩やかに撹拌しておくことが好ましい。撹拌を行うことにより、マイクロスフェアーの合着がより抑制できる。撹拌については、回転式分散機が好ましく、クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)が望ましい。全体を緩やかに流動させることができるものであれば特に限定するものではない。撹拌が強いと、高分子の乳化粒子が壊れ、分布幅が広くなり、高分子マトリクス中の主剤の分散状態が崩れる可能性がある。
主剤が親油性物質である場合、上記の説明に従って、粒子形成工程を好適に実施することができ、マイクロスフェアーを製造することができる。主剤が親水性物質である場合、親水性物質を例えば分散剤を用いて、高分子を良溶媒に分散させることで、同様に粒子形成工程を実施して、マイクロスフェアーを製造することができる。
また、主剤が親水性物質である場合、親水性物質を、必要に応じて安定剤と共に水等の水性溶媒に溶解させて、高分子の良溶媒に溶解させた高分子溶液と共に混合することで調製されるw/oエマルションを、高分子及び主剤の溶液として用い、前記の粒子化処理装置を用いて、前記の粒子形成工程を実施することもできる。w/oエマルションの調製には、断続振とう法、プロペラ型撹拌機、タービン型撹拌機を用いるミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法を用いることができる。前記の粒子化処理装置を用いて、このw/oエマルションである主剤を含む高分子溶液と、高分子の貧溶媒を含む溶液とを連続投入して、w/o/wエマルションとして乳化粒子を作製し、作製された粒子から良溶媒を除去することによって、本発明のマイクロスフェアーを析出させることで実施される。このマイクロスフェアーをそのまま用いることもできるが、さらに賦形剤(マンニトール、ソルビトール、ラクトース、ブドウ糖等)を加えて、再分散した後、凍結乾燥又は噴霧乾燥して固形化することもできる。この固形化したマイクロスフェアーは、使用時に、注射用蒸留水又は適当な分散媒を加えることで、より安定した徐放性注射剤が得ることができる。
[ろ過滅菌工程]
必要に応じて、粒子形成工程の前に、調製された高分子及び主剤の溶液並びに貧溶媒を含む溶液の無菌ろ過を行うことも好ましい。ろ過に用いるフィルターの孔径は0.1μm〜0.45μmが好ましく、0.2μmがより好ましい。
前記のろ過滅菌フィルターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリエーテルサルフォン等の親水性フィルターやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの疎水性フィルター等が挙げられる。ここに記載している材質に限定されるものではなく、使用する溶媒種や高分子種、主剤、添加剤の吸着により適宜選定を行う必要がある。
[良溶媒除去工程]
良溶媒除去工程において、高分子及び主剤を含む前記乳化粒子から良溶媒を除去する。良溶媒除去工程は、マイクロスフェアー中の主剤が均一に分散した状態で、前記乳化粒子を含有する液から前記良溶媒を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、撹拌しながら前記液を加熱すること、前記液の液面に窒素などのガスをフローすること、及び前記液を減圧させることの少なくともいずれかにより、前記良溶媒を蒸発させて前記液から除去する方法などが挙げられ、好ましくは前記液の液面に窒素などのガスをフローすることが挙げられる。マイクロスフェアー中の主剤が均一に分散した状態を維持するようにするためには、良溶媒を早く除去することが好ましいことが多いが、ゆっくりと除去した方が良い場合もある。良溶媒を除去する時間としては、例えば、30分間〜12時間が挙げられ、好ましくは1〜10時間が挙げられ、より好ましくは1〜5時間が挙げられる。
また、良溶媒除去時の温度は、良溶媒の種類による。良溶媒の沸点付近の高温から低温まで、マイクロスフェアーの断面観察をし、適正な温度で実施する必要がある。また、マイクロスフェアー中の良溶媒を除去する目的で貧溶媒で希釈しても良い。貧溶媒で希釈することによりマイクロスフェアーの表面が固化し、粒子径の変化を抑制することが出来る。
[その他の工程]
その他の工程としては、例えば、溶媒組成調製、分級工程、粒子洗浄工程などが挙げられる。通常、分級工程において粗粉カットや微粉カットが行われるが、本発明において製造した粒子は、実質的に分級工程を行う必要はなくなる。但し、念のため分級工程を含んでおいても構わない。
上記の製造方法によって、マイクロスフェアーの粒子径が1μm〜150μm以下となり、マイクロスフェアー中の主剤が均一な分散状態であるマイクロスフェアーを製造することができる。すなわち、マイクロスフェアーの粒子を切断した断面観察試料を作成し、マイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、断面画像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)として、4分割した領域内における主剤の占める面積比率の変動係数が0.35以下であるマイクロスフェアーを製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(参考例1)
参考例1で、主剤を含まないマイクロスフェアー(PLGA微粒子)を作製した。参考例1のマイクロスフェアーを指標に用いて、実施例及び比較例のマイクロスフェアーの断面をSEM画像で観察することで、実施例及び比較例のマイクロスフェアー中の主剤の分散状態を、以下で確認した。
<PLGA溶液とPVA水溶液の調製>
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)が13質量%なるようにジクロロメタン(関東化学製)を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA溶液を得た。その後、0.2μmのベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。ポリビニルアルコール(PVA,EG−40P,日本合成化学工業製)が1.5質量%となるようにイオン交換水を加え、高速回転式分散機クレアミックス(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PVA水溶液を得た。その後、親水性PVDFメンブレンフィルター(φ47mm,メルク製)でろ過を行った。PLGA乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
<マイクロスフェアー(PLGA微粒子)の調製>
粒子形成工程として、調製したPLGA溶液とPVA水溶液とを特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置を用いて混合した。ここで特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置とは、同公報の図25に記載の装置であって、第2導入口d20がリング状ディスクである処理用面2の中央の開口を取り巻く同心円状の円環形状であるものであり、ディスク直径は75mmである。具体的には、調製されたPVA水溶液を第1導入部d1から処理用面1、2間に、0.02MPaG、65mL/分、30℃で導入し、処理用部10を2000rpmで回転させながら、調製されたPLGA溶液を第2導入部d2から処理用面1、2間に、0.65MPaG、20mL/分、30℃で導入して、PVA水溶液とPLGA溶液とを強制薄膜中で混合し、処理用面1、2間においてジクロロメタンを含むPLGA乳化粒子を作製した。処理用面1、2間におけるPLGA乳化粒子を含む流体(以下、PLGA乳化粒子分散液)を粒子化処理装置の処理用面1、2間から吐出させた。吐出させたPLGA乳化粒子分散液を、回収タンクに回収した。
次に脱溶媒工程として、前記吐出液をクレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて周速度4.7m/秒で撹拌しながら、アルゴンガスを液面に吹き付けるようフローして3.5時間かけてジクロロメタンを除去し、PLGA微粒子を含む懸濁液(PLGA微粒子懸濁液)を得た。得られたPLGA微粒子の平均体積基準粒子径は34.0μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図4)を観察した。
図4の通り、上記のFIB断面に粒子状の塊及び空孔がないことが確認された。また、参考例1のマイクロスフェアーの断面が、実施例及び比較例のマイクロスフェアーの断面の観察における指標として用いることができることが解った。
(実施例1)
<PLGA及び主剤の溶液とPVA水溶液の調製>
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG752H,エボニック製)が10質量%に、主剤としてクルクミン(富士フイルム和光純薬製,和光特級)が0.5質量%になるようにジクロロメタン(関東化学製)64.5質量%とアセトン(関東化学製)25質量%を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PLGA及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
<マイクロスフェアーの調製>
粒子形成工程として、参考例1と同様にして、調製されたPLGA及び主剤の溶液とPVA水溶液とを、特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置を用いて混合した。具体的には、調製されたPVA水溶液を第1導入部d1から処理用面1、2間に、0.01MPaG、50mL/分、25℃で導入し、処理用部10を5000rpmで回転させながら、調製されたPLGA及び主剤の溶液を第2導入部d2から処理用面1、2間に、0.3MPaG、16mL/分、25℃で導入して、PVA水溶液とPLGA及び主剤の溶液とを強制薄膜中で混合し、処理用面1、2間においてジクロロメタンを含むPLGA及び主剤の乳化粒子を作製した。処理用面1、2間におけるPLGA及び主剤の乳化粒子を含む流体(以下、PLGA及び主剤の乳化粒子分散液)を粒子化処理装置の処理用面1、2間から吐出させた。吐出させたPLGA及び主剤の乳化粒子分散液を、0.03MPaGで圧力保持した回収タンクに回収した。
次に脱溶媒工程として、前記吐出液をクレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて周速度4.7m/秒で撹拌しながら、アルゴンガスを液面に吹き付けるようフローして3.5時間かけてジクロロメタンとアセトンを除去し、マイクロスフェアーを含む懸濁液(マイクロスフェアー懸濁液)を得た。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は7.5μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図6−1)を観察した。得られたSEM画像の粒子断面をiTEM(TEMカメラ制御、画像解析ソフトウェア、EMSIS社製)を用いてピクセル範囲3×3で平均化処理後に、エッジ部分を強調する処理を行い、コントラストの最適化を行った。その後、2値化処理を行い、画像処理でノイズ除去及びコントラストの低い粒子の強調処理を行った後に、再度ピクセル範囲3×3で平均化処理後にエッジ部分を強調する処理を行った。画像上で粒子断面を最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割(領域1〜領域4)した画像を図6−2に示す。
図6−2のクルクミン粒子のFIB断面における分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.162であった。
(実施例2)
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)の代わりにポリ乳酸(Resomer R202H)を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は7.3μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像を実施例1と同じ方法で画像解析を行ったところ、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.215であった。
(実施例3)
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)が13質量%に、主剤としてプロゲステロン(シグマアルドリッチ製)が1.0質量%になるようにジクロロメタン(関東化学製)を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PLGA及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
<マイクロスフェアーの調製>
粒子形成工程として、参考例1と同様にして、調製されたPLGA及び主剤の溶液とPVA水溶液とを、特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置を用いて混合した。具体的には、調製されたPVA水溶液を第1導入部d1から処理用面1、2間に、0.01MPaG、50mL/分、30℃で導入し、処理用部10を1700rpmで回転させながら、調製されたPLGA及び主剤の溶液を第2導入部d2から処理用面1、2間に、0.35MPaG、16mL/分、30℃で導入して、PVA水溶液とPLGA及び主剤の溶液とを強制薄膜中で混合し、処理用面1、2間においてジクロロメタンを含むPLGA及び主剤の乳化粒子を作製した。処理用面1、2間におけるPLGA及び主剤の乳化粒子を含む流体(以下、PLGA及び主剤の乳化粒子分散液)を粒子化処理装置の処理用面1、2間から吐出させた。吐出させたPLGA及び主剤の乳化粒子分散液を、0.02MPaGで圧力保持した回収タンクに回収した。
実施例1及び2と同じ方法で脱溶媒工程を行い、得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は34.8μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図7−1)を観察した。
観察したSEM画像を実施例1及び2と同じ方法で画像解析を行った。拡大して2値化処理後のSEM断面を図7−2に示す。最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.054であった。
(実施例4)
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)が13質量%に、主剤としてプロブコール(富士フイルム和光純薬製、生化学用)が1.0質量%になるようにジクロロメタン(関東化学製)を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PLGA及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
実施例1〜3と同じ方法で脱溶媒工程を行い、得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は32.5μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図8−1)を観察した。
観察したSEM画像を実施例1〜3と同じ方法で画像解析を行った。2値化処理後のSEM断面を図8−2に示す。最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.244であった。
(実施例5)
<PCL及び主剤の溶液とPVA水溶液の調製>
ポリカプロラクトン(PCL,Resomer C209,エボニック製)が3.6質量%に、主剤としてイベルメクチン(シグマアルドリッチ製)が0.4質量%になるように酢酸エチル(関東化学製)96.0質量%を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PCL及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PCL及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
<マイクロスフェアーの調製>
粒子形成工程として、参考例1と同様にして、調製されたPCL及び主剤の溶液とPVA水溶液とを、特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置を用いて混合した。具体的には、調製されたPVA水溶液を第1導入部d1から処理用面1、2間に、0.05MPaG、50mL/分、25℃で導入し、処理用部10を3000rpmで回転させながら、調製されたPCL及び主剤の溶液を第2導入部d2から処理用面1、2間に、0.1MPaG、16mL/分、25℃で導入して、PVA水溶液とPCL及び主剤の溶液とを強制薄膜中で混合し、処理用面1、2間において酢酸エチルを含むPCL及び主剤の乳化粒子を作製した。処理用面1、2間におけるPCL及び主剤の乳化粒子を含む流体(以下、PCL及び主剤の乳化粒子分散液)を粒子化処理装置の処理用面1、2間から吐出させた。吐出させたPCL及び主剤の乳化粒子分散液を、0.03MPaGで圧力保持した回収タンクに回収した。
実施例1〜4と同じ方法で5時間、脱溶媒工程を行い、得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は12.9μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像を実施例1と同じ方法で画像解析を行ったところ、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.067であった。
(実施例6)
イベルメクチンの代わりにオルビフロキサシン(富士フイルム和光純薬製)、酢酸エチルの代わりにジクロロメタン(関東化学製)を用いた以外は、実施例5と同様にして、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は13.5μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像を実施例1と同じ方法で画像解析を行ったところ、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.070であった。
(実施例7)
<エチルセルロース及び主剤の溶液とPVA水溶液の調製>
エチルセルロース(富士フイルム和光純薬製)が1質量%に、主剤としてラズベリーケトン(富士フイルム和光純薬製)が0.33質量%になるように酢酸メチル(関東化学製)98.67質量%を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、エチルセルロース及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。ポリビニルアルコール(PVA,EG−40P,日本合成化学工業製)が1.5質量%にとなるようにイオン交換水を加え、高速回転式分散機クレアミックス(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PVA水溶液を得た。酢酸メチルが23.5質量%となるようにPVA水溶液を加え、高速回転式分散機クレアミックス(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PVA水−酢酸メチル混合溶液を得た。その後、親水性PVDFメンブレンフィルター(φ47mm,メルク製)でろ過を行った。
<マイクロスフェアーの調製>
粒子形成工程として、参考例1と同様にして、調製されたエチルセルロース及び主剤の溶液とPVA水溶液とを、特開2011−189348号公報に記載の粒子化処理装置を用いて混合した。具体的には、調製されたPVA水溶液を第1導入部d1から処理用面1、2間に0.1MPaG以下で、50mL/分、25℃で導入し、処理用部10を500rpmで回転させながら、調製されたエチルセルロース及び主剤の溶液を第2導入部d2から処理用面1、2間に、0.1MPaG、16mL/分、25℃で導入して、PVA水溶液とエチルセルロース及び主剤の溶液とを強制薄膜中で混合し、処理用面1、2間において酢酸メチルを含むエチルセルロース及び主剤の乳化粒子を作製した。処理用面1、2間におけるエチルセルロース及び主剤の乳化粒子を含む流体(以下、エチルセルロース及び主剤の乳化粒子分散液)を粒子化処理装置の処理用面1、2間から吐出させた。吐出させたエチルセルロース及び主剤の乳化粒子分散液を、回収タンクに回収した。
次に脱溶媒工程として、前記吐出液をクレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて周速度4.7m/秒で撹拌しながら、イオン交換水を1mL/minの速度で吐出液の1.5倍量を投入し、粒子の表面を固化させた後、ロータリーエバポレーターを用いて、−0.08MPaGの減圧下で酢酸メチルを留去し、マイクロスフェアーを含む懸濁液(マイクロスフェアー懸濁液)を得た。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は10.7μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。SEM断面の拡大写真を図9に示す。
観察したSEM画像を実施例1〜6と同じ方法で画像解析を行った。最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.245であった。
(実施例8)
エチルセルロースの代わりに酢酸セルロース(関東化学製)を用いた以外は、実施例7と同様にして、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は11.2μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像を実施例1と同じ方法で画像解析を行った。2値化処理後のSEM断面を図10に示す。最大直径の中心点を中心にして90度ごとに4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.317であった。
(比較例1)
実施例4と同様にして、粒子形成工程として、PLGA及び主剤の乳化粒子分散液を調製した。次に脱溶媒工程として、回収した吐出液をクレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて、周速度4.7m/秒で撹拌しながら、大気中で42時間かけてジクロロメタンを除去し、マイクロスフェアーを含む懸濁液(マイクロスフェアー懸濁液)を得た。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は31.8μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像(図11)を実施例1〜3と同じ方法で画像解析を行った。2値化処理後のSEM断面を最大直径の中心点から半径を4等分して同心円状に4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.482であった。
(比較例2)
実施例4と同じ処方で、PLGAと薬物の溶解をプロペラ式の撹拌機(スリーワンモーター製)で10分撹拌することに変更して、実施例4と同じ条件で粒子形成工程と脱溶媒工程を行って、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は29.8μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図12)を観察した。
観察したSEM画像を実施例1〜4と同じ方法で画像解析を行い、縦方向に4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.452であった。
(比較例3)
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)が5.0質量%に、主剤としてクルクミン(富士フイルム和光純薬製,和光特級)が0.25質量%になるようにジクロロメタン(関東化学製)69.75質量%とアセトン(関東化学製)25質量%を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PLGA及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
実施例1と同じ条件で粒子形成工程と脱溶媒工程を行って、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は6.8μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図13)を観察した。
観察したSEM画像を実施例1〜4と同じ方法で画像解析を行い、縦方向に4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)は、における変動係数は0.422であった。
(比較例4)
乳酸・グリコール酸共重合体(Resomer RG504,エボニック製)が5.0質量%に、主剤としてプロゲステロン(シグマアルドリッチ製)が0.3質量%になるようにジクロロメタン(関東化学製)69.5質量%とアセトン(関東化学製)25質量%を加え、高速回転式分散機クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)を用いて溶解させ、PLGA及び主剤の溶液を得た。その後、0.2μmのエアベントフィルター(φ62mm,メルク製)でろ過を行った。PVA水溶液は、参考例1と同様にして調製した。PLGA及び主剤の乳化粒子を回収するタンクに予めPVA水溶液を入れ、液面が動く程度に撹拌を行った。
実施例3と同じ条件で粒子形成工程と脱溶媒工程を行って、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は21.6μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像(図14)を観察した。
観察したSEM画像を実施例1〜4と同じ方法で画像解析を行い、縦方向に4分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)は、における変動係数は1.049であった。
(比較例5)
PCL及び主剤の溶液としてイベルメクチンの添加量を0.4質量%から、4質量%に変更した以外は、実施例5と同様にして、マイクロスフェアーを含む懸濁液を調製した。得られたマイクロスフェアーの平均体積基準粒子径は11.8μmであり、代表的な粒子を液体窒素により凍結後、FIB断面を作成し、SEM画像を観察した。
観察したSEM画像を実施例1と同じ方法で画像解析を行ったところ、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)における変動係数は0.361であった。
表1及び表2に実施例1〜8、比較例1〜5及び参考例1(PLGAのみ)の条件の一部を示す。
Figure 2021176833
Figure 2021176833
表3に実施例1〜8及び比較例1〜5とリュープリン(登録商標)注射用1.88mgの代表的な粒子径のマイクロスフェアー各領域における面積比率%、標準偏差、平均値及び変動係数(CV値)を示す。
Figure 2021176833
表1〜表3から分かる通り、いずれの高分子を用いても粒子内の各領域の主剤の占める面積比率の変動係数は0.35以下となり、粒子内の主剤の分布は均一であった。比較例3では、粒子形成工程と脱溶媒工程は実施例1と同条件にも関わらず、PLGA濃度を低下させると粒子内の均一性が低下し、各領域の主剤の占める面積比率の変動係数が0.422と大きくなった。
実施例4と比較例1では、乾燥条件及び乾燥時間の違いにより、主剤の微粒子の粒子径が変化し、乾燥時間が長いものではマイクロスフェアーの粒子内に分布する主剤の均一性が低下し、各領域の主剤の占める面積比率の変動係数が0.482と大きくなった。実施例に比較してPLGAと薬物の濃度を下げた比較例3と4では、乾燥時の収縮率が大きくなり、粒子内の主剤に偏りが生じ、各領域の主剤の占める面積比率の変動係数が0.35を上回った。比較例5では実施例5よりも主剤の濃度を上昇させるとマイクロスフェアー内の主剤の均一性が低下し、各領域の主剤の占める面積比率の変動係数が0.361と大きくなった。
本発明によって、主剤の初期放出量とその後の放出期間中の放出速度が適切に制御され、主剤を生体内で一定期間、継続して放出することができるマイクロスフェアーを提供することができる。

Claims (6)

  1. 高分子マトリクス中に主剤が均一に分散されたマイクロスフェアーであって、
    前記マイクロスフェアーの平均体積粒子径が1μm以上150μm以下であり、
    前記マイクロスフェアーを切断した断面観察試料を作成し、前記断面観察試料をマイクロスフェアー中の主剤を確認できる倍率以上で電子顕微鏡観察し、前記電子顕微鏡断面観察した像を4分割し、分割した各々の領域の領域面積(A)とその領域に含まれる前記主剤の断面積の総和(s)との比率(s/A)×100(%)を算出して、4つの領域における算出された前記比率の変動係数が0.35以下であることを特徴とするマイクロスフェアー。
  2. 前記主剤が親油性物質である、請求項1に記載のマイクロスフェアー。
  3. 分散された前記主剤の平均体積基準粒子径が5nm〜500nmである、請求項1又は2に記載のマイクロスフェアー。
  4. 前記マイクロスフェアー中の前記主剤の含有量が前記マイクロスフェアー全量に対して0.10〜50質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロスフェアー。
  5. 前記高分子が生分解性ポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロスフェアー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロスフェアーを含有する徐放性製剤。
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