JP2021175296A - 回転電機 - Google Patents

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Tatsuya Imai
政信 阿部
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Abstract

【課題】回転電機の温度を適切に取得する。【解決手段】回転電機100は、ハウジング110とステータ120とロータ130とを備える。ハウジング110は、ステータ120及びロータ130を収容する。ステータ120は、ロータ130の径方向外側に配置され、コイル180がスロット123a内に装着されるとともに端部から回転軸の軸方向にコイルエンド124、125が突出する。ロータ130は、回転軸を有する。また、コイルエンド124、125が冷媒により冷却される。また、スロット123aに設けられたコイル180の温度を検出するため、コイル180に設けられるサーミスタ素子211を備え、サーミスタ素子211は、スロット123a内であって鉄心に囲まれた領域内に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、ロータとステータとこれらを収容するハウジングとを備える回転電機に関する。
従来、回転電機により駆動される車両が存在する。また、車両における回転電機の温度を計測するため、回転電機の内部に温度センサを設ける技術が提案されている。例えば、ステータのコイルエンドにサーミスタを装着し、そのサーミスタによりステータコイルの温度を測定し、その計測温度を用いて回転電機の実温度を推定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−40783号公報
上述した従来技術では、ステータのコイルエンドに装着されているサーミスタにより計測された温度を用いて回転電機の実温度を推定することができる。しかし、ステータのコイルエンドは、冷媒により冷却される部分である。このため、コイルエンドが冷却された場合には、その冷却されたコイルエンドの温度が計測されることになるため、回転電機の実温度を適切に推定することが困難となるそれがある。
本発明は、回転電機の温度を適切に取得することを目的とする。
本発明の一態様は、回転軸を有するロータと、ロータの径方向外側に配置され、コイルがスロット内に装着されるとともに端部から回転軸の軸方向にコイルエンドが突出するステータと、ロータ及びステータを収容するハウジングとを備え、コイルエンドが冷媒により冷却される回転電機である。また、回転電機は、スロットに設けられたコイルの温度を検出するため、コイルに設けられる温度センサを備える。この温度センサは、スロット内であって鉄心に囲まれた領域内に配置される。
本発明によれば、回転電機の温度を適切に取得することができる。
図1Aは、回転電機の概略構成例を示す断面図である。 図1Bは、回転電機を構成するステータの一部を拡大して示す断面図である。 図2は、回転電機の概略構成例を示す上部断面図である。 図3は、温度センサを備える絶縁シートの構成例を示す図である。 図4は、スロットへの絶縁シートの配置例を示す図である。 図5Aは、絶縁シートの構成例を示す図である。 図5Bは、シート状の絶縁部材を積層して固定した後における絶縁シートの構成例を示す断面図である。 図6Aは、絶縁シートの構成例を示す図である。 図6Bは、シート状の絶縁部材を積層して固定した後における絶縁シートの構成例を示す断面図である。 図7は、スロットへの絶縁シートの配置例を示す図である。 図8Aは、2つのサーミスタ素子を用いてロータ内の磁石の温度を推定する推定例を示す図である。 図8Bは、2つのサーミスタ素子を用いてロータ内の磁石の温度を推定する推定例を示す図である。 図9は、板状のコイルが装着されたスロットへの絶縁シートの配置例を示す図である。 図10は、絶縁シートの構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
[回転電機の構成例]
図1Aは、第1実施形態における回転電機100の概略構成例を示す断面図である。また、図1Bは、回転電機100を構成するステータ120の一部を拡大して示す断面図である。具体的には、図1Bの左側には、点線の矩形1で示すステータ120の一部を、点線の矩形2内に拡大して示す。また、図1Bの右側には、図1Bの左側に示すステータ120のS1−S2断面を示す。
図2は、回転電機100の概略構成例を示す上部断面図である。なお、図1Aには、回転電機100の回転軸の軸方向から見た場合の断面図を示し、図2には、回転電機100の回転軸に直交する方向から見た場合の上側の断面図を示す。
回転電機100は、例えば、車両駆動用のモータとして用いられる。この場合には、回転電機100は、バッテリ等の電源から電力の供給を受けて回転し、車両の車輪を駆動する電動機として機能する。また、回転電機100は、外力により駆動されて発電する発電機としても機能する。すなわち、回転電機100は、電動機及び発電機として機能する、いわゆるモータジェネレータとして構成される。なお、回転電機100は、車両駆動用のモータではなく、車両以外のシステムの駆動源として用いられてもよい。
図1A、図2に示すように、回転電機100は、ハウジング110と、ステータ120と、ロータ130と、シャフト140と、軸受151、152と、冷却用油路161と、冷却用水路110a乃至jとを備える。
ハウジング110は、ステータ120及びロータ130を収容するものであり、ステータ120及びロータ130を収容可能な円筒状部材として構成されている。また、ハウジング110の内周面は、ステータ120が設置される平坦な設置面として形成されている。また、ハウジング110の内部には、冷却用油路161及び冷却用水路110a乃至jが形成されている。冷却用水路110a乃至jは、回転電機100の回転軸の軸方向に沿って形成されている。また、冷却用水路110a乃至jを流れる冷却水により回転電機100が冷却される。
ステータ120は、ハウジング110の内部においてロータ130の径方向外側に配置される。また、ステータ120は、複数枚の電磁鋼板を積層して形成された円筒状部材であるステータコア121と、ステータコア121の内側に周方向に等間隔で突設された複数のティース122とを備える。また、ステータコア121には、内径側に開口するスロット123が周方向に等間隔で複数設けられている。すなわち、隣接するティース122の間にスロット123が設けられている。なお、スロット123は、鉄心溝とも称される。また、図1では、複数のスロット123のうちの一部には所定の符号123a乃至eを付して説明する。
また、ステータコイル(コイル180(図4参照))は、ステータコア121のティース122に巻き回されている。巻回されたステータコイルの端部(コイルエンド124、125)は、ステータコア121よりも回転電機100の軸方向外側に突出している。ステータコア121の外周面は、ハウジング110の内周面に面接触した状態でハウジング110に固定されている。このように、ステータ120は、コイル180がスロット123内に装着されるとともに、端部から回転電機100の回転軸の軸方向にコイルエンド124、125が突出する。
ロータ130は、ステータ120の内部において、ステータ120に対して回転可能に配置されている。また、ロータ130には磁石が装着されている。また、ロータ130は、回転軸としてのシャフト140を有し、シャフト140を中心として回転する。シャフト140は、ハウジング110に設けられた軸受151、152により回転自在に支持されている。
図1Bの左側に示すように、ステータ120には、スロット123が周方向に並べられて配置される。また、点線の矩形2内に示すように、スロット123aにおける所定位置3(点線の丸で示す位置)に温度センサが配置される。すなわち、スロット123a内であって鉄心に囲まれた領域内に温度センサが配置される。この温度センサとして、第1実施形態では、サーミスタ素子211(図3、図4参照)を用いる例を示す。
図1Bの右側に示すように、回転電機100の回転軸の軸方向において、ステータ120におけるスロット123の長さはL1とする。また、サーミスタ素子211は、回転電機100の回転軸の軸方向において、スロット123aにおける中央付近に配置される。
図2に示すように、冷却用油路161は、オイルポンプ160に接続されている。オイルポンプ160は、冷却油を圧送させるためのポンプ装置である。オイルポンプ160から冷却用油路161に圧送された冷却油が、ハウジング110内面に開口する噴出部162、163からコイルエンド124、125の上側に向け噴出される。これにより、コイルエンド124、125が冷却される。
また、回転電機100の回転軸の軸方向において、サーミスタ素子211のリード線213(図3参照)が延びて、コイルエンド124から取り出され、ECU(Engine Control Unit)10に接続される。このように、リード線213は、回転電機100の回転軸の軸方向に延設されてスロット123a内から外部へと導出される。
ECU10は、各種機器を制御する制御装置であり、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。ECU10は、特定のプログラムを実行することにより、回転電機100を備える車両における各種機器の動作を制御する制御部として機能する。また、ECU10は、サーミスタ素子211を用いてステータ120に装着されるコイル180(図4参照)の温度を取得する。
[温度センサの構成例]
図3は、温度センサを備える絶縁シート200の構成例を示す図である。絶縁シート200は、ステータ120におけるスロット123aに装着される保護膜や保護部材である。
図3に示すように、絶縁シート200は、3つのシート状の絶縁部材210、220、230により構成される。絶縁部材210、220、230は、例えば、矩形状の絶縁紙や保護シートである。なお、絶縁部材210、220、230のサイズは、装着されるスロット123aのサイズに応じて設定される。例えば、絶縁部材210、220、230の長手方向の長さL1は、回転電機100の回転軸の軸方向におけるスロット123aの長さL1(図1B参照)と同一または略同一とすることができる。また、例えば、絶縁部材210、220、230の幅方向の長さL2は、スロット123aの開口部の幅W2(図4参照)よりも長くなるように設定される。
また、絶縁部材210における一方の面215には、サーミスタ素子211と、サーミスタ素子211に接続される銅箔回路212とが設けられる。これらは、例えば、絶縁部材210の面215に接着剤やはんだ付けにより固定される。また、回転電機100の回転軸の軸方向において、スロット123aにおける中央付近にサーミスタ素子211を配置するため、絶縁部材210の面215における中央付近にサーミスタ素子211が配置される。
サーミスタ素子211は、温度に応じて抵抗値が変化する抵抗体であり、スロット123aに設けられたコイル180(図4参照)の温度を検出する温度センサの一例である。例えば、サーミスタ素子211として、温度変化に対して電気抵抗の変化が大きい抵抗体を用いることができる。
また、銅箔回路212にはリード線213が接続され、リード線213の端部にはコネクタ214が接続されている。コネクタ214は、ECU10(図2参照)に接続される。
また、絶縁部材210の一方の面215に絶縁部材220が固定され、絶縁部材210の他方の面に絶縁部材230が固定される。なお、これらの固定には、接着剤やコイル固定用ワニスを用いることができる。このように、絶縁シート200は、ラミネート構造である。また、絶縁シート200に絶縁機能を持たせるため、積層構造を有する絶縁部材210、220の間にサーミスタ素子211が配置される。
このように積層構造に形成された絶縁シート200は、断面視でUの字に折り曲げられてスロット123aに配置される。具体的には、絶縁シート200における左右方向の2か所を折線(点線216、217、221、222、231、232で示す)として、絶縁シート200を断面視でUの字になるように折り曲げる。この場合に、絶縁シート200の幅方向の長さW1は、スロット123aの開口部の幅W2(図4参照)に応じて設定される。具体的には、スロット123a内への設置後における絶縁シート200の幅方向の長さ、すなわち、図4に示す幅W1が、スロット123aの開口部の幅W2よりも広くなるように設定される。
[温度センサの配置例]
図4は、スロット123aへの絶縁シート200の配置例を示す図である。なお、図4では、説明を容易にするため、各部を簡略化して示す。また、絶縁シート181は、1または複数のシート状の絶縁部材からなり、断面視でUの字に折り曲げられてスロット123a内に設置される。
図4に示すように、絶縁シート200は、スロット123a内に配置される。具体的には、スロット123aに絶縁シート181が挿入された後にコイル180が巻かれる。そして、コイル180を覆うように、断面視でUの字に折り曲げられた絶縁シート200がスロット123aに挿入される。このように、スロット123a内において絶縁シート181に囲まれたコイル180に蓋をするように、絶縁シート200が配置される。また、スロット123aに装着されたコイル180を、断面視で絶縁シート181及び絶縁シート200が覆うように、スロット123a内に絶縁シート181及び絶縁シート200が配置される。すなわち、絶縁部材からなる絶縁シート181及び絶縁シート200を、断面視で2つのUの字を合わせたような形態でスロット123a内にコイル180を閉じ込める。また、スロット123aの長手方向、すなわち、回転電機100の回転軸の軸方向に、銅箔回路212及びリード線213が延びるように配置される。
なお、スロット123a内に絶縁シート181を配置する場合には、回転電機100の回転軸の軸方向を挿入方向として、絶縁シート181を挿入する。同様に、スロット123a内に絶縁シート200を配置する場合には、回転電機100の回転軸の軸方向を挿入方向として、絶縁シート200を挿入する。
このように、回転電機100を組み立てる場合には、3つのシート状の絶縁部材210、220、230により形成される絶縁シート200を断面視でUの字形状に折り曲げ、その折り曲げ後の絶縁シート200をスロット123aに挿入する。これにより、回転電機100が組み立てやすくなる。
上述したように、スロット123a内への設置後における絶縁シート200の幅方向の長さ、すなわち、図4に示す幅W1が、スロット123aの開口部の幅W2よりも広くなるように、絶縁シート200が形成される。また、スロット123a内への絶縁シート200の設置後における、スロット123aの開口部に生じる空間の高さ、すなわち、図4に示す高さH1は、0よりも長くなるように、絶縁シート200が形成される。なお、高さH1は、数mm程度、例えば、1mm程度とし、スロット123aの開口部に所定サイズの空間を設けるようにすることが好ましい。
このように、絶縁シート200を配置することにより、絶縁シートのもっとも膨らんでいる部分、すなわち、サーミスタ素子211の部分であっても、ステータコア121の内径側に飛び出すことを防止することができる。また、スロット123a内に配置されたコイル180を絶縁シート200により押し付け可能となる。
上述したように、回転電機100においては、コイルエンド124、125が冷却油により冷却される。このように、ステータ120の両端部に設けられるコイルエンド124、125は冷却油により冷却されるため、ステータ120の両端部付近はその冷却の影響を受けやすい。そこで、第1実施形態では、冷却油による冷却の影響が少ない位置として、回転電機100の回転軸の軸方向における中央付近にサーミスタ素子211を配置する。これにより、冷却油による冷却の影響が少ない位置での温度を検出することができるため、検出精度を向上させることができる。
ここで、例えば、サーミスタ素子をコイルエンド124、125の表面に取り付ける場合を想定する。この場合には、組み立て時にサーミスタ素子の取り付けのばらつきが生じる可能性があり、コイルエンド124、125の表面にサーミスタ素子がしっかりと取り付けられたか否かによって温度にばらつきが生じ、計測精度が低下するおそれがある。これに対して、第1実施形態では、絶縁シート200にサーミスタ素子211を内蔵して組み立てを行うことができる。また、スロット123a内に配置されたコイル180を絶縁シート200により押し付け可能となるため、サーミスタ素子211をコイル180に近付けることができる。これらにより、取り付け作業を容易に行うことができるとともに、サーミスタ素子211の測温精度を向上させることができる。このように、サーミスタ素子211の取り付けのばらつきを低減させることができる。すなわち、サーミスタ素子211をコイル180にしっかりと取り付けることにより、サーミスタ素子211の取り付け誤差を改善することができる。
ここで、回転電機100のステータ120において磁束を発生させるためのコイル180(例えば、銅線)が鉄心の周りに巻かれている。また、銅の周りには高分子体が塗られているため、ある高温の温度帯になると、その高分子体が相転移してしまう。このため、ECU10は、鉄心の周りに巻かれているコイル180について適切に温度保護をするため、ステータ120に装着されたコイル180が耐熱温度を超えないように、回転電機100を制御する必要がある。
そこで、第1実施形態では、ステータ120の径方向内側にサーミスタ素子211を配置する。すなわち、ステータ120の最内径コイルのロータ130側にサーミスタ素子211が配置される。また、回転電機100の回転軸の軸方向において、スロット123aにおける中央付近にサーミスタ素子211が配置される。すなわち、スロット123aの最内周に配置されたコイル180における中央付近にサーミスタ素子211が配置される。これにより、サーミスタ素子211による温度の検出精度を向上させることができる。また、サーミスタ素子211の取り付け誤差を改善することできる。
なお、第1実施形態では、回転電機100の回転軸の軸方向において、スロット123aにおける中央付近にサーミスタ素子211が配置する例を示すが、スロット123aにおける他の位置にサーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。例えば、コイルエンド124、125以外の部分であって、スロット123a内の何れかの位置にサーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。すなわち、スロット123a内であって鉄心に囲まれた領域内の何れかの位置にサーミスタ素子211を配置することができる。例えば、断面視でUの字形状の絶縁シート200における何れかの位置、または、断面視でUの字形状の絶縁シート181における何れかの位置に、サーミスタ素子211を配置することができる。なお、絶縁シート181にサーミスタ素子211を配置する場合には、絶縁シート200と同様に絶縁シート181を積層構造としてサーミスタ素子211を配置する。
また、第1実施形態では、下側のスロット123aの位置3(図1B参照)にサーミスタ素子211を配置する例を示すが、他のスロット123にサーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。例えば、ステータ120の周りには、冷却用油路161と、冷却用水路110a乃至jとが設けられ、これらの流路に冷媒が流れ、回転電機100が冷却される。そこで、これらの冷媒による冷却の影響が少ない位置にサーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。例えば、冷却用油路161、冷却用水路110a乃至jからの距離が比較的離れているスロット123b乃至e(図1A参照)のうちの少なくとも1つの位置にサーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、積層構造を有する絶縁シート200にサーミスタ素子211を配置する例を示すが、コイル絶縁のためのエナメル被膜のなかに絶縁を保ちながら、サーミスタ素子211を配置するようにしてもよい。
なお、第1実施形態では、スロット123aに1つのサーミスタ素子211を設ける例を示すが、コイル180の温度を検出するための複数のサーミスタ素子をステータ120に設けるようにしてもよい。例えば、複数のスロット123のそれぞれにサーミスタ素子を設けるようにしてもよい。これにより、コイル180の温度の検出精度をさらに向上させることができる。例えば、複数のサーミスタ素子により検出された温度のうちで最も高い温度を用いて回転電機100の制御を実行することができるため、車両における確度の高いシステム制御を実行することができる。
[第1実施形態の作用効果]
第1実施形態に係る回転電機100は、シャフト140(回転軸の一例)を有するロータ130と、ロータ130の径方向外側に配置され、コイル180がスロット123a内に装着されるとともに端部から回転軸の軸方向にコイルエンド124、125が突出するステータ120と、ロータ130及びステータ120を収容するハウジング110とを備える。また、回転電機100は、コイルエンド124、125が冷却油(冷媒の一例)により冷却される。また、回転電機100は、スロット123aに設けられたコイル180の温度を検出するため、コイル180に設けられるサーミスタ素子211(温度センサの一例)を備える。サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、スロット123a内であって鉄心に囲まれた領域内に配置される。
このような回転電機100によれば、冷却油による冷却の影響が少ない位置、すなわち、スロット123a内であって鉄心に囲まれた領域内に、サーミスタ素子211が配置されるため、サーミスタ素子211による温度の検出精度を向上させることができる。これにより、車両における確度の高いシステム制御を実行することができる。
また、第1実施形態に係る回転電機では、サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、ステータ120の径方向内側に配置される。
このような回転電機100によれば、ステータ120の径方向内側の位置にサーミスタ素子211が配置されるため、サーミスタ素子211による温度の検出精度を向上させることができる。これにより、車両における確度の高いシステム制御を実行することができる。
また、第1実施形態に係る回転電機では、サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、回転電機100の回転軸の軸方向においてスロット123aにおける中央付近に配置される。
このような回転電機100によれば、回転電機100の回転軸の軸方向においてスロット123aにおける中央付近の位置にサーミスタ素子211が配置される。ここで、ステータ120においては、スロット123aにおける中央付近が一番熱くなると想定されるため、その高温位置の温度を正確に取得することができる。これにより、ECU10は、ステータ120における最高温度に基づいて車両の制御を実行することができる。例えば、一番熱い部分が許容温度を超えないように制御を実行することができる。すなわち、車両における確度の高いシステム制御を実行することができる。
また、第1実施形態に係る回転電機では、スロット123aには、コイル180と、コイル180と鉄心との間に配置される絶縁部材210、220、230が装着され、サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、コイル180と絶縁部材220との間に配置される。
このような回転電機100によれば、サーミスタ素子211がコイル180と絶縁部材220との間に配置されるため、サーミスタ素子211と絶縁部材210、220、230との製作が容易である。また、スロット123a内にサーミスタ素子211を取り付けやすい。
また、第1実施形態に係る回転電機では、サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、絶縁部材210、220、230と一体で形成される。
このような回転電機100によれば、サーミスタ素子211と絶縁部材210、220、230とが一体で形成されるため、サーミスタ素子211と絶縁部材210、220、230との製作が容易である。また、スロット123a内にサーミスタ素子211を取り付けやすい。
また、第1実施形態に係る回転電機では、サーミスタ素子211(温度センサの一例)は、サーミスタ素子211と電気的に接続するリード線213を備え、リード線213は、回転電機100の回転軸の軸方向に延設されてスロット123a内から外部へと導出される。
このような回転電機100によれば、回転電機100の回転軸の軸方向に延設されたリード線213により、サーミスタ素子211と回転電機100の外部の機器(例えば、ECU10)とを電気的に接続することができる。これにより、サーミスタ素子211を用いた検出精度の高いコイルの温度を回転電機100の外部の機器(例えば、ECU10)で取得可能となる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、3つのシート状の絶縁部材210、220、230を重ねて積層構造とする例を示した。このため、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211の部分、例えば、絶縁部材220の一部にしわが寄ってしまうおそれがある。そこで、第2実施形態では、絶縁部材におけるしわ寄りを防止するため、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211を避けるように、絶縁部材210の面215に固定される他の絶縁部材に窓、切込み、へこみ等を設ける例を示す。なお、第2実施形態は、第1実施形態の一部を変形した例であり、第1実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[温度センサの構成例]
図5Aは、絶縁シート201の構成例を示す図である。なお、絶縁シート201は、図3に示す絶縁シート200を構成する絶縁部材220の一部を変形して窓部241を設けたものであり、図3に示す絶縁シート200と共通する部分には同一の符号を付して説明の一部を省略する。
図5Aに示すように、絶縁シート201を構成する絶縁部材240は、シート状の絶縁部材であり、絶縁部材210の面215に固定される。また、絶縁部材240には、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211に相当する部分に矩形状の窓部241が設けられる。すなわち、シート状の絶縁部材240を貫通する矩形状の孔を設けることにより窓部241が形成される。このように、絶縁部材240に窓部241を形成することにより、絶縁部材240にしわが寄り難くなる。
ただし、絶縁部材240に窓部241が形成されることにより、絶縁シート201の絶縁性能が低下するおそれがある。このように絶縁性能が低下する場合には、絶縁を担保するための保護部材をサーミスタ素子211に相当する部分に設けることが好ましい。そこで、第2実施形態では、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211の部分を絶縁剤242でポッティングして覆うようにする。この例を図5Bに示す。なお、絶縁剤242は、絶縁破壊電圧が19kV以上となることが好ましい。
図5Bは、シート状の絶縁部材210、230、240を積層して固定した後における絶縁シート201の構成例を示す断面図である。なお、図5Bには、絶縁シート201の幅方向(図5Aの左右方向)から見た場合の断面図を示す。絶縁部材210におけるサーミスタ素子211の部分を絶縁剤242でポッティングして覆うことにより、絶縁部材240における窓部241の形成による絶縁性能の低下を防止することができる。
[温度センサの構成例]
図6Aは、絶縁シート202の構成例を示す図である。なお、絶縁シート202は、図3に示す絶縁シート200を構成する絶縁部材220の一部を変形して切込部251を設けたものであり、図3に示す絶縁シート200と共通する部分には同一の符号を付して説明の一部を省略する。
図6Aに示すように、絶縁シート202を構成する絶縁部材250は、シート状の絶縁部材であり、絶縁部材210の面215に固定される。また、絶縁部材250には、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211に相当する部分に矩形状の切込部251が設けられる。すなわち、シート状の絶縁部材250においてUの字形状の切込みを設けることにより切込部251が形成される。また、切込部251は、折線252により折り曲げ可能となる。このように、絶縁部材250に切込部251を設けることにより、絶縁部材250にしわが寄り難くなる。
ただし、図5Aに示す例と同様に、絶縁部材250に切込部251を設けることにより、絶縁シート202の絶縁性能が低下するおそれがある。そこで、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211の部分を絶縁剤253でポッティングして覆うようにする。この例を図6Bに示す。
図6Bは、シート状の絶縁部材210、230、250を積層して固定した後における絶縁シート202の構成例を示す断面図である。なお、図6Bには、絶縁シート202の幅方向(図6Aの左右方向)から見た場合の断面図を示す。絶縁部材210におけるサーミスタ素子211の部分を絶縁剤253でポッティングして覆うことにより、絶縁部材250における切込部251の形成による絶縁性能の低下を防止することができる。
上述したように、絶縁シート202をスロット123aに装着する場合には、回転電機100の回転軸の軸方向に沿って、絶縁シート202をスロット123aに挿入する。なお、図6Bでは、絶縁シート202の挿入方向を矢印Yで示す。絶縁シート202の挿入方向に向かって傾斜するように切込部251を形成することにより、絶縁シート202の挿入作業を容易とすることができる。
[第3実施形態]
第1、2実施形態では、絶縁シート200、201、202に1つのサーミスタ素子211を設ける例を示した。ただし、絶縁シートに複数のサーミスタ素子を設けるようにしてもよい。そこで、第3実施形態では、絶縁シートに複数のサーミスタ素子を設ける例を示す。なお、第3実施形態は、第1、2実施形態の一部を変形した例であり、第1、2実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[温度センサの配置例]
図7は、スロット123aへの絶縁シート205の配置例を示す図である。なお、図7に示す例は、図4の一部を変形したものであり、図4と共通する部分については、同一の符号を付してその説明の一部を省略する。具体的には、絶縁シート205に2つのサーミスタ素子211、261を設けた点が異なる。
図7に示すように、絶縁部材210に2つのサーミスタ素子211、261を設け、2つのサーミスタ素子211、261間には断熱部材262を配置する。サーミスタ素子211は、スロット123aに設けられたコイル180の温度を検出する温度センサの一例である。また、サーミスタ素子261は、ロータ130側の温度を検出する温度センサの一例である。また、サーミスタ素子211、261間に断熱部材262を配置することにより、ステータ120側のサーミスタ素子211はコイル180の温度を検出でき、ロータ130側のサーミスタ素子211はその温度の影響を受けずにロータ130側の温度を検出できる。また、これらの各温度を用いてロータ130内の磁石の温度を線形的に推定することが可能となる。
なお、断熱部材262として、例えば、樹脂等の熱絶縁材を用いることができる。また、断熱部材262として、例えば、コイルとステータ120とを絶縁する絶縁紙やワニス等を用いるようにしてもよい。また、断熱部材262は、サーミスタ素子211の面に接着剤やはんだ付けにより固定される。また、サーミスタ素子261は、例えば、断熱部材262の面に接着剤やはんだ付けにより固定される。
また、サーミスタ素子211、261は、ステータ120の径方向内側に設置される。また、サーミスタ素子211は、スロット123aに設けられたコイル180の温度を検出する温度センサであるため、ステータ120の径方向において、コイル180側に設けられる。また、サーミスタ素子261は、ロータ130側の温度を検出する温度センサであるため、ステータ120の径方向において、ロータ130側に設けられる。また、サーミスタ素子211、261は、断熱部材262を挟んで、ステータ120の径方向において重なるように設置される。すなわち、ステータ120の径方向においてサーミスタ素子211、261が2層に設置される。このように、絶縁シート205は、スロット123aの最内周に配置されたコイル180に取り付けられたサーミスタ素子211と、その間に断熱部材262を挟んで、スロット123aのさらに内周側に配置されたサーミスタ素子261を有する構造とすることができる。
このように、ロータ130とコイル180の間に、2つのサーミスタ素子211、261を配置するようにする。なお、ステータ120の径方向におけるサーミスタ素子211、261の設置場所、断熱部材262の厚さ等については、各サーミスタ素子により検出される2つの温度が所定の温度勾配となるように設定される。
また、絶縁部材210には、サーミスタ素子261と電気的に接続する銅箔回路やリード線が設けられる。例えば、絶縁部材210において、スロット123aの長手方向、すなわち、回転電機100の回転軸の軸方向に、サーミスタ素子261と電気的に接続する銅箔回路やリード線が延びるように配置される。このように、絶縁部材210には、2つのサーミスタ素子211、261から少なくとも4本のリード線が出るようになる。
また、スロット123a内への絶縁シート200の設置後における、スロット123aの開口部に生じる空間の高さ、すなわち、図7に示す高さH3は、0よりも長くなるように、絶縁シート205が折り曲げられる。高さH3は、数mm程度、例えば、1mm程度とし、スロット123aの開口部に所定サイズの空間を設けるようにすることが好ましい。
なお、2つのサーミスタ素子211、261間に断熱部材262を配置する代わりに、2つのサーミスタ素子211、261間に断熱材としてのポッティング材を使用してもよい。すなわち、ポッティング材を断熱材としてサーミスタ素子211を覆うように使用することができる。また、サーミスタ素子261を断熱シートに設置し、この断熱シートを絶縁部材210、220の間に配置するようにしてもよい。この断熱シートは、例えば、絶縁部材210、220、230のサイズと略同様とすることができる。
また、第2実施形態で示したように、絶縁部材におけるしわ寄りを防止するため、絶縁部材210におけるサーミスタ素子211、261を避けるように、絶縁部材210の面215に固定される他の絶縁部材に窓、切込み、へこみ等を設けるようにしてもよい。
[ロータの温度推定例]
図8A、図8Bは、サーミスタ素子211、261を用いてロータ130内の磁石の温度を推定する推定例を示す図である。この温度推定処理については、ECU10により実行される。
図8A、図8Bに示すグラフにおいて、縦軸は、温度を示し、横軸は、ステータ120の径方向における位置を示す。また、図8A、図8Bに示すグラフにおいて、P1は、ステータ120の径方向における、サーミスタ素子211が設置されている位置を示す。また、P2は、ステータ120の径方向における、サーミスタ素子261が設置されている位置を示す。また、P3は、ステータ120の径方向における、ロータ130内の磁石の位置を示す。なお、P3に対応する磁石は、例えば、ロータ130内に設置された磁石のうち、外周側に設置された磁石とすることができる。
また、図8A、図8Bに示すグラフにおいて、T1は、サーミスタ素子211により検出された温度を示す。また、T2は、サーミスタ素子261により検出された温度を示す。また、T3は、ロータ130内の磁石の推定温度を示す。
なお、図8Aに示すグラフは、サーミスタ素子211により検出された温度T1が、サーミスタ素子261により検出された温度T2よりも低い場合の例を示す。また、図8Bに示すグラフは、サーミスタ素子211により検出された温度T1が、サーミスタ素子261により検出された温度T2よりも高い場合の例を示す。
ロータ130内の磁石の温度T3を推定する場合には、次の式1、式2を用いて求めることができる。
□Q=(T2−T1)/Rth1 …式1
□T3=T2−Rth2・Q …式2
なお、Rth1は、断熱部材262の熱抵抗を示す値である。また、Rth2は、サーミスタ素子261とロータ130内の磁石との間の熱抵抗を示す値である。
ECU10は、コイル180の表面に取り付けられたサーミスタ素子211により検出された温度T1と、ステータ120の最内径に配置されたサーミスタ素子261により検出された温度T2とを取得する。そして、ECU10は、温度T1、T2の温度差に基づいて、ロータ130内の磁石の温度T3を推定する。すなわち、ECU10は、上述した式1、式2を用いて、ロータ130内の磁石の温度T3を算出する。
このように、2つのサーミスタ素子211、261の温度差を用いることで、非接触でロータ130内の磁石の温度T3を推定することができる。また、2つのサーミスタ素子211、261の温度差と既知の断熱部材262の熱抵抗とに基づいて、ロータ130内の磁石の温度T3を推定することで推定精度を向上させることができる。
ここで、ロータ130に装着された磁石は高温になると永久的に減磁してしまう性質を有する。このため、ECU10は、ロータ130に装着された磁石が耐熱温度を超えないように、回転電機100を制御する必要がある。しかし、ロータ130は回転しているため、ロータ130内にある磁石の温度を直接測定するのは困難である。そこで、第3実施形態では、2つのサーミスタ素子211、261を用いて、ロータ130内の磁石の温度T3を高い精度で推定する。
なお、2つのサーミスタ素子211、261により検出された温度が十分低ければ、ロータ130内の磁石の温度も十分低いと推定される。そこで、サーミスタ素子211、261により検出された温度が、ある温度帯(磁石温度が高温になる可能性がある温度帯)になった場合にのみ、上述した温度T3の推定処理を実行するようにしてもよい。すなわち、2つのサーミスタ素子211、261により検出された温度が閾値TH1以下である場合には、上述した温度T3の推定処理を実行しないようにしてもよい。具体的には、ECU10は、サーミスタ素子211、261により検出された温度が閾値TH1よりも高い場合には、温度T3の推定処理を実行する。一方、ECU10は、サーミスタ素子211、261により検出された温度が閾値TH1以下である場合には、ECU10による他の演算速度を優先させるため、温度T3の推定処理を実行しない。このように、サーミスタ素子211、261により検出された温度に応じて、温度T3の推定処理を実行するか否かを決定することができる。これにより、ECU10による温度T3の推定処理を低減させることができ、ECU10の演算処理を削減することができる。また、温度T3の推定精度を向上させることができる。
また、回転電機100の回転数が十分低ければ、ロータ130内の磁石の温度も十分低いと推定される。そこで、回転電機100の回転数が、ある程度の回転領域(磁石温度が高温になる可能性がある回転数)になった場合にのみ、上述した温度T3の推定処理を実行するようにしてもよい。すなわち、回転電機100の回転数が閾値TH2以下である場合には、上述した温度T3の推定処理を実行しないようにしてもよい。具体的には、ECU10は、回転電機100の回転数が閾値TH2よりも高い場合には、温度T3の推定処理を実行する。一方、ECU10は、回転電機100の回転数が閾値TH2以下である場合には、ECU10による他の演算速度を優先させるため、温度T3の推定処理を実行しない。このように、回転電機100の回転数に応じて、温度T3の推定処理を実行するか否かを決定することができる。これにより、ECU10による温度T3の推定処理を低減させることができ、ECU10の演算処理を削減することができる。また、温度T3の推定精度を向上させることができる。
[第3実施形態の作用効果]
また、第3実施形態に係る回転電機100では、ロータ130側の温度を検出するためのサーミスタ素子261(ロータ側温度センサの一例)をさらに備える。また、スロット123aにおけるステータ120の径方向内側において、サーミスタ素子211(温度センサの一例)とサーミスタ素子261(ロータ側温度センサの一例)とは、断熱部材262を挟んでその径方向に重なるように配置される。
このような回転電機100によれば、ステータ120の径方向内側において、サーミスタ素子211よりもロータ130に近い位置にサーミスタ素子261を配置することで、ロータ130に配置された磁石に最も近い位置の温度も取得することができる。
また、第3実施形態に係る回転電機100では、サーミスタ素子211(温度センサの一例)を用いて取得された温度と、サーミスタ素子261(ロータ側温度センサの一例)を用いて取得された温度とに基づいて、ロータ130に装着された磁石の温度が算出される。
このような回転電機100によれば、サーミスタ素子211を用いて取得されたコイル180の温度と、サーミスタ素子261を用いて取得されたロータ130側の温度とに基づいて、ロータ130に配置された磁石の温度を推定することができる。すなわち、2つのサーミスタ素子211、261の温度差を用いることで、ロータ130に配置された磁石の温度を非接触で推定することができる。
[変形例1]
第1乃至第3実施形態では、断面形状が円形のコイル180をスロット123aに装着する回転電機100の例を示した。ただし、他の形状のコイルをスロット123aに装着する回転電機についても第1乃至第3実施形態を適用可能である。そこで、変形例1では、板状のコイルをスロット123aに装着する回転電機の例を示す。なお、変形例1は、第1乃至第3実施形態の一部を変形した例であり、第1乃至第3実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[温度センサの配置例]
図9は、板状のコイル191乃至195が装着されたスロット123aへの絶縁シート300の配置例を示す図である。なお、図9に示す例は、図4の一部を変形したものであり、図4と共通する部分については、同一の符号を付してその説明の一部を省略する。具体的には、スロット123aに板状のコイル191乃至195が装着された点と、スロット123aに1つの絶縁シート300を設けた点とが異なる。すなわち、図4では、断面視でUの字形状の2つの絶縁シート181及び絶縁シート200をスロット123aに装着するのに対し、図9では、断面視で略矩形状の1つの絶縁シート300をスロット123aに装着する点が異なる。
図9に示すように、断面視で略矩形状の絶縁シート300は、スロット123a内に装着されたコイル191乃至195を囲むように配置される。また、絶縁シート300は、図3に示す絶縁シート200と同様に、3つのシート状の絶縁部材310、320、330により構成される。また、絶縁部材310にはサーミスタ素子311が設けられる。ただし、絶縁シート300は、図3に示す絶縁シート200の左右方向の長さを広げたものであり、その左右方向の5か所を折線として、折り曲げて形成される。また、絶縁シート300は、図3に示す絶縁シート200におけるサーミスタ素子211の位置を、左右方向の端部側に移動したものであり、図9に示すように、略矩形状の一辺に対応する位置にサーミスタ素子311が設けられる。
また、スロット123a内への設置後における絶縁シート300の幅方向の長さ、すなわち、図9に示す幅W3が、スロット123aの開口部の幅W2よりも広くなるように絶縁シート300が折り曲げられる。また、スロット123a内への絶縁シート300の設置後における、スロット123aの開口部に生じる空間の高さ、すなわち、図9に示す高さH3は、0よりも長くなるように折り曲げられる。高さH3は、数mm程度、例えば、1mm程度とし、スロット123aの開口部に所定サイズの空間を設けるようにすることが好ましい。
[変形例2]
第1乃至第3実施形態では、シート状の絶縁部材においてサーミスタ素子と接続される導体として銅箔回路を配置する例を示した。ただし、銅箔回路以外の導体を用いる回転電機についても第1乃至第3実施形態を適用可能である。そこで、変形例2では、銅箔回路の代わりにリード線を用いる例を示す。なお、変形例2は、第1乃至第3実施形態の一部を変形した例であり、第1乃至第3実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[温度センサの構成例]
図10は、絶縁シート400の構成例を示す図である。なお、絶縁シート400は、図3に示す絶縁シート200を構成する絶縁部材210における銅箔回路212の代わりにリード線412、413を設けた点以外は、図3に示す絶縁シート200と略同一である。
図10に示すように、絶縁シート400を構成する絶縁部材410は、サーミスタ素子411と、リード線412、413とを備える。リード線412、413として、例えば、ビニール線、すずめっき線、エナメル線等を用いることができる。また、リード線412、413には、外部機器と接続するためのコネクタ(図示省略)が接続される。
[変形例2の作用効果]
変形例2に係る回転電機は、サーミスタ素子411(温度センサの一例)は、サーミスタ素子411と電気的に接続するリード線412、413を備え、リード線412、413は、回転電機100の回転軸の軸方向に延設されてスロット123a内から外部へと導出される。
このような回転電機100によれば、サーミスタ素子411と回転電機100の外部の機器(例えば、ECU10)とを電気的に接続することができ、サーミスタ素子411を用いた検出精度の高いコイルの温度を回転電機100の外部の機器(例えば、ECU10)で取得可能となる。
なお、本実施形態では、絶縁シートを介してサーミスタ素子をコイル上に設置する例を示したが、コイルが絶縁されていれば、絶縁シートを使用せずにサーミスタ素子をコイル上に直接設置するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
10 ECU
100 回転電機
110 ハウジング
110a〜110j 冷却用水路
120 ステータ
121 ステータコア
122 ティース
123、123a〜e スロット
124、125 コイルエンド
130 ロータ
140 シャフト
151、152 軸受
160 オイルポンプ
161 冷却用油路
162、163 噴出部
180 コイル
181、200、201、202、205、300、400 絶縁シート
191〜195 板状のコイル
210、220、230、240、250、310、320、330 絶縁部材
211、261、311、411 サーミスタ素子
212 銅箔回路
213、412、413 リード線
214 コネクタ
241 窓部
242、253 絶縁剤
251 切込部
252 折線
262 断熱部材

Claims (8)

  1. 回転軸を有するロータと、前記ロータの径方向外側に配置され、コイルがスロット内に装着されるとともに端部から前記回転軸の軸方向にコイルエンドが突出するステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するハウジングとを備え、前記コイルエンドが冷媒により冷却される回転電機であって、
    前記スロットに設けられた前記コイルの温度を検出するため、前記コイルに設けられる温度センサを備え、
    前記温度センサは、前記スロット内であって鉄心に囲まれた領域内に配置される、
    回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    前記温度センサは、前記ステータの径方向内側に配置される、
    回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機であって、
    前記温度センサは、前記軸方向において前記スロットにおける中央付近に配置される、
    回転電機。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の回転電機であって、
    前記スロットには、前記コイルと、前記コイルと前記鉄心との間に配置される絶縁部材が装着され、
    前記温度センサは、前記コイルと前記絶縁部材との間に配置される、
    回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機であって、
    前記温度センサは、前記絶縁部材と一体で形成される、
    回転電機。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の回転電機であって、
    前記温度センサは、当該温度センサと電気的に接続するリード線を備え、
    前記リード線は、前記軸方向に延設されて前記スロット内から外部へと導出される、
    回転電機。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の回転電機であって、
    前記ロータ側の温度を検出するためのロータ側温度センサをさらに備え、
    前記ステータの径方向内側において、前記温度センサと前記ロータ側温度センサとは、断熱部材を挟んで当該径方向に重なるように配置される、
    回転電機。
  8. 請求項7に記載の回転電機であって、
    前記温度センサを用いて取得された温度と前記ロータ側温度センサを用いて取得された温度とに基づいて前記ロータに装着された磁石の温度が算出される、
    回転電機。
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