JP2021174934A - チップの製造方法及びエッジトリミング装置 - Google Patents

チップの製造方法及びエッジトリミング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイスへのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制して、貼り合わせたウエーハのエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決できること。【解決手段】チップの製造方法は、第一のウエーハの表面に第二のウエーハの表面を貼り合わせるウエーハ貼り合わせステップ1001と、第一のウエーハに環状改質領域を形成する第一の環状改質領域形成ステップ1002と、第一のウエーハの裏面側から研削する第一の裏面研削ステップ1003と、分割予定ラインに沿って仕上げ厚みに至る深さの加工を施すダイシングステップ1004と、第一のウエーハの裏面側に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップ1005と、第二のウエーハに環状改質領域を形成する第二の環状改質領域形成ステップ1006と、第二のウエーハの裏面側を研削し仕上げ厚みへと薄化する第二の裏面研削ステップ1007とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、チップの製造方法及びエッジトリミング装置などの加工装置に関する。
半導体ウエーハ等の被加工物に対して研削を行う場合、研削によってウエーハの外周部が鋭角に形成されるため、研削中の負荷によって外周から亀裂が入りウエーハに割れが生じる場合がある。この割れを防止するために、ウエーハを研削する前に切削ブレードで外周部の一部を除去する処理(エッジトリミング)を行うことで、外周部の割れを低減する技術が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
ところで、半導体デバイスの製造工程では、TSV(Through-Silicon Via)のような3次元積層チップのプロセスや、画素の集積回路が形成されている2枚のウエーハを貼りあわせるBSI(Back Side Illumination : 裏面照射)方式のCMOS(Complementary MOS)イメージセンサのプロセスなど、2枚のウエーハを貼り合わせる加工が行われている。
このような貼り合わされたウエーハにエッジトリミングを行うタイミングとしては、ウエーハを貼り合わせる前にトリミングを行う場合(以下、前トリムと記す)と、ウエーハを貼り合わせた後にトリミングを行う場合(以下、後トリムと記す)がある。
貼り合わされたウエーハは、上述の前トリム及び後トリムのいずれかの方法でエッジトリミングされ、研削により薄化された後、後工程のプロセスへ進み、チップ化される。
特開2004−207459号公報 特開2016−127232号公報
しかしながら、前トリムを行うと、切削ブレードによるトリミングで発生したコンタミが基板の表面に付着してしまい、ウエーハを洗浄しても除去しきれない場合があった。
また、後トリムの場合には、コンタミの表面付着は回避できるものの、下側の基板まで切り込みが入るため、切削ブレードで切削すべき体積が大きくなって加工速度が低下し、生産効率が低下する。
さらに、後トリムの場合には、後工程で研削を行う際に、下側の基板の切り込みが入った箇所をテープで支持しきれず浮いている状態となってしまうため、研削負荷がかかりすぎて破損させてしまうという異なる課題もあった。
本願発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、デバイスへのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制して、貼り合わせたウエーハのエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるチップの製造方法およびエッジトリミング装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のチップの製造方法は、チップの製造方法であって、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲む外周余剰領域とを表面に備えた第一のウエーハの表面に第二のウエーハの表面側を対面させてウエーハ同士を貼り合わせるウエーハ貼り合わせステップと、該ウエーハ貼り合わせステップの後、該第一のウエーハの裏面側から、ウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第一のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第一のウエーハに対して環状改質領域を形成する第一の環状改質領域形成ステップと、該第一の環状改質領域形成ステップの後、貼り合わせウエーハを該第一のウエーハの裏面側から研削し薄化する第一の裏面研削ステップと、を含み、該第一の裏面研削ステップの後、該分割予定ラインに沿って該貼り合わせウエーハの仕上げ厚みに至る深さの加工を施すダイシングステップと、該第一のウエーハの裏面側に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、該第二のウエーハの裏面側から、該第二のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第二のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第二のウエーハに環状改質領域を形成する第二の環状改質領域形成ステップと、該ダイシングステップ、該保護部材貼着ステップおよび該第二の環状改質領域形成ステップの後、該第二のウエーハの裏面側を研削し該仕上げ厚みへと薄化する第二の裏面研削ステップと、を更に有し、該第一の裏面研削ステップおよび該第二の裏面研削ステップでは、該環状改質領域を起点にウエーハの外周部がウエーハから除去されつつ研削が進行し、該第二の裏面研削ステップでは、該ダイシングステップでダイシングした該分割予定ラインに沿ってウエーハがチップ化される、ことを特徴とする。
また、本発明のチップの製造方法は、チップの製造方法であって、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲む外周余剰領域とを表面に備えた第一のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第一のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、環状改質領域を形成する第一の環状改質領域形成ステップと、該第一の環状改質領域形成ステップの後、該第一のウエーハに対して外力を付与し、該環状改質領域に沿って該第一のウエーハから外周部を分離し除去する外周除去ステップと、該外周除去ステップの後、該第一のウエーハの表面側を第二のウエーハの表面側と対面させてウエーハ同士を貼り合わせるウエーハ貼り合わせステップと、該ウエーハ貼り合わせステップの後、貼り合わせウエーハを該第一のウエーハの裏面側から研削し薄化する第一の裏面研削ステップと、を含み、該第一の裏面研削ステップの後、該分割予定ラインに沿って該貼り合わせウエーハの仕上げ厚みに至る深さの加工を施すダイシングステップと、該第一のウエーハの裏面側に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、該第二のウエーハの裏面側から、該第二のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第二のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第二のウエーハに環状改質領域を形成する第二の環状改質領域形成ステップと、該ダイシングステップ、該保護部材貼着ステップおよび該第二の環状改質領域形成ステップの後、該第二のウエーハの裏面側を研削し該仕上げ厚みへと薄化する第二の裏面研削ステップと、を更に有し、該第二の裏面研削ステップでは、該環状改質領域を起点に該第二のウエーハの外周部がウエーハから除去されつつ研削が進行するとともに、該ダイシングステップでダイシングした該分割予定ラインに沿ってウエーハがチップ化される、ことを特徴とする。
前記チップの製造方法において、該ダイシングステップは、該第一のウエーハの裏面側から切削ブレードを切り込むことによって該ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの切削溝を形成する切削ステップであって、該切削ステップの後、該第一のウエーハの裏面側に該保護部材を貼着する保護部材貼着ステップを行い、該切削ステップの前、該切削ステップの後、および該保護部材貼着ステップの後のいずれかのタイミングで、該第二の環状改質領域形成ステップを実施しても良い。
前記チップの製造方法において、該ダイシングステップは、該第一のウエーハの裏面側および該第二のウエーハの裏面側の少なくとも一方から該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して該分割予定ラインに沿って改質領域を形成するレーザーダイシングステップであって、該レーザーダイシングステップの前または後に、該第一のウエーハの裏面側に該保護部材を貼着する保護部材貼着ステップを行い、該レーザーダイシングステップの前、該レーザーダイシングステップの後、および該保護部材貼着ステップの後のいずれかのタイミングで、該第二の環状改質領域形成ステップを実施しても良い。
前記チップの製造方法において、該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域をウエーハの該外周部に放射状に複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含んでも良い。
前記チップの製造方法において、該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域をウエーハの該環状改質領域に接する接線に沿って複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含んでも良い。
前記チップの製造方法において、該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に同心円状に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域を複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含んでも良い。
本発明のエッジトリミング装置は、ウエーハをエッジトリミングするエッジトリミング装置であって、該ウエーハを保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルを該保持面に垂直な回転軸を中心として回転させるチャックチャックテーブル回転ユニットと、該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを発振する発振器を含むレーザービーム照射ユニットと、該レーザービームによって改質領域が形成されたウエーハに対して外力を付与し、該改質領域に沿ってウエーハを分割する分割ユニットと、種々の構成要素を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該チャックチャックテーブル回転ユニットを回転させながら該発振器からレーザービームを発振させ、該ウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿ってレーザービームを照射することを特徴とする。
前記エッジトリミング装置において、該ウエーハに伸縮性を有するテープを貼着するテープ貼着ユニットを更に有し、該分割ユニットは、該テープ貼着ユニットによって該ウエーハに貼り付けられたテープを拡張することによって該ウエーハを分割しても良い。
本願発明のチップの製造方法及びエッジトリミング装置は、デバイスへのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制して、貼り合わせたウエーハのエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るチップの製造方法により製造されるチップの斜視図である。 図2は、実施形態1に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図3は、図2に示されたチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップを示す斜視図である。 図4は、図2に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップを一部断面で示す側面図である。 図5は、図2に示されたチップの製造方法の第一の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。 図6は、図2に示されたチップの製造方法のダイシングステップを一部断面で示す側面図である。 図7は、図2に示されたチップの製造方法の保護部材貼着ステップを示す断面図である。 図8は、図2に示されたチップの製造方法の第二の環状改質領域形成ステップを一部断面で示す側面図である。 図9は、図2に示されたチップの製造方法の第二の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。 図10は、実施形態2に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図11は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ及び外周除去ステップを実施するエッジトリミング装置の構成の一部を示す斜視図である。 図12は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ及び外周除去ステップを実施するエッジトリミング装置の構成の他の一部を模式的に示す側面図である。 図13は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップを示す斜視図である。 図14は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハの一例の平面図である。 図15は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハの他の例の平面図である。 図16は、図10に示されたチップの製造方法の外周除去ステップにおいて分割ユニットでウエーハを保持した状態を一部断面で示す側面図である。 図17は、図10に示されたチップの製造方法の外周除去ステップにおいて分割ユニットで第一のウエーハの外周部を除去した状態を一部断面で示す側面図である。 図18は、図10に示されたチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップを示す斜視図である。 図19は、図10に示されたチップの製造方法の第一の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。 図20は、実施形態1及び実施形態2の変形例1に係るチップの製造方法のダイシングステップの一例を一部断面で示す側面図である。 図21は、実施形態1及び実施形態2の変形例1に係るチップの製造方法のダイシングステップの他の例を一部断面で示す側面図である。 図22は、実施形態1及び実施形態2の変形例2に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図23は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの一例の平面図である。 図24は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの他の例の平面図である。 図25は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの更に他の例の平面図である。 図26は、実施形態1及び実施形態2の変形例3に係るチップの製造方法の一例の流れを示すフローチャートである。 図27は、実施形態1及び実施形態2の変形例3に係るチップの製造方法の他の例の流れを示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るチップの製造方法により製造されるチップの斜視図である。図2は、実施形態1に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係るチップの製造方法は、図1に示すチップ1を製造する製造方法である。実施形態1に係るチップの製造方法により製造されるチップ1は、図1に示すように、基板2−1と、基板2−1上に形成されたデバイス3−1と、基板2−2と、基板2−2上に形成されかつデバイス3−1に貼り合わされたデバイス3−2とを備える。実施形態1では、デバイス3−1,3−2は、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路であるが、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサでも良い。
実施形態1では、チップ1は、TSV(Through-Silicon Via)のような3次元積層チップであるが、TSVのような3次元積層チップに限定されずに、例えば、BSI(Back Side Illumination : 裏面照射)方式のCMOS(Complementary MOS)イメージセンサでも良い。実施形態1において、チップ1は、厚さが所定の仕上げ厚み9に形成されている。
実施形態1に係るチップの製造方法は、図2に示すように、ウエーハ貼り合わせステップ1001と、第一の環状改質領域形成ステップ1002と、第一の裏面研削ステップ1003とを含み、ダイシングステップ1004と、保護部材貼着ステップ1005と、第二の環状改質領域形成ステップ1006と、第二の裏面研削ステップ1007とを更に有している。なお、ウエーハ貼り合わせステップ1001と、第一の環状改質領域形成ステップ1002と、第一の裏面研削ステップ1003とは、半導体チップの製造工程の所謂前工程であり、ダイシングステップ1004と、保護部材貼着ステップ1005と、第二の環状改質領域形成ステップ1006と、第二の裏面研削ステップ1007とは半導体チップの製造工程の所謂後工程である。
(ウエーハ貼り合わせステップ)
図3は、図2に示されたチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップを示す斜視図である。ウエーハ貼り合わせステップ1001は、図3に示す第一のウエーハ10−1の表面4−1に第二のウエーハ10−2の表面4−2側を対面させて、ウエーハ10−1,10−2同士を貼り合わせるステップである。
第一のウエーハ10−1は、シリコン、サファイア、又はガリウムヒ素などを基板2−1とする円板状の半導体ウエーハなどのウエーハであるが光デバイスウエーハでも良い。第一のウエーハ10−1は、図3に示すように、デバイス領域5−1と、外周余剰領域6−1とを基板2−1の表面4−1に備える。デバイス領域5−1は、複数のデバイス3−1が格子状の複数の分割予定ライン7−1で区画されている。外周余剰領域6−1は、デバイス領域5−1を全周に亘って囲み、デバイス3−1が形成されていない。
また、第一のウエーハ10−1は、基板2−1の表面4−1に回路層が形成されている。回路層は、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(以下、Low−k膜と呼ぶ)と、導電性の金属により構成された導電体膜とを備えている。Low−k膜は、導電体膜と積層されて、デバイス3−1を形成する。導電体膜は、デバイス3−1の回路を構成する。デバイス3−1は、互いに積層されたLow−k膜と、Low−k膜間に積層された導電体膜とにより構成される。なお、分割予定ライン7−1上では、回路は、Low−k膜により構成され、TEG(Test Element Group)を除いて導電体膜を備えていない。
なお、実施形態1では、第一のウエーハ10−1と第二のウエーハ10−2とは、構成が同等であるので、以下、第二のウエーハ10−2の各構成要素を、第一のウエーハ10−1の同一の構成要素の符号の末尾を「−2」に変更した符号で記載する。なお、第一のウエーハ10−1と第二のウエーハ10−2のチップ1と同一部分には、同一符号を付して示す。このために、第二のウエーハ10−2は、デバイス3−2を備える。
ウエーハ貼り合わせステップ1001では、図3に示すように、第一のウエーハ10−1の表面4−1と第二のウエーハ10−2の表面4−2とを対面させて、ウエーハ10−1,10−2同士を貼り合わせる。実施形態1では、第一のウエーハ10−1と第二のウエーハ10−2とは、回路層同士が接合されている。実施形態1では、第一のウエーハ10−1と第二のウエーハ10−2とは、デバイス3−1,3−2の表面に露出した図示しない電極同士が導電性の金属により構成されたマイクロバンプにより接合されている。
(第一の環状改質領域形成ステップ)
図4は、図2に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップを一部断面で示す側面図である。第一の環状改質領域形成ステップ1002は、ウエーハ貼り合わせステップ1001の後、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側から、ウエーハ10−1,10−2の外周縁から所定距離内側の位置で外周縁に沿って第一のウエーハ10−1に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を照射して、第一のウエーハ10−1に対して環状改質領域11−1を形成するステップである。
なお、環状改質領域11−1とは、平面形状が環状の改質領域であり、改質領域とは、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった領域のことを意味し、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、及びこれらの領域が混在した領域等を例示できる。改質領域は、第一のウエーハ10−1の基板2−1の他の箇所よりも機械的な強度が低い。
第一の環状改質領域形成ステップ1002では、エッジトリミング装置20の制御部22がエッジトリミング装置20の種々の構成要素を制御して第二のウエーハ10−2の裏面8−2側をチャックテーブル21の保持面211に吸引保持する。第一の環状改質領域形成ステップ1002では、図4に示すように、制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御してレーザービーム照射ユニット23を外周余剰領域6−1,6−2内でかつウエーハ10−1,10−2の外周縁から所定距離内側の位置と鉛直方向に対面させる。
第一の環状改質領域形成ステップ1002では、図4に示すように、制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御してレーザービーム照射ユニット23の集光点241を第一のウエーハ10−1の基板2−1の内部に設定し、チャックテーブル回転ユニット25でチャックテーブル21を鉛直方向と平行な回転軸213を中心に回転させながらレーザービーム照射ユニット23から第一のウエーハ10−1の基板2−1に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を第一のウエーハ10−1の外周縁に沿って照射する。
実施形態1において、第一の環状改質領域形成ステップ1002では、エッジトリミング装置20が、第一のウエーハ10−1の基板2−1に対して透過性を有する波長を有するレーザービーム24を照射するために、図4に示すように、第一のウエーハ10−1の基板2−1の内部に外周縁に沿って環状改質領域11−1を形成する。第一の環状改質領域形成ステップ1002では、エッジトリミング装置20が、改質層を形成し改質層から伸展したクラックをレーザービーム24が入射された面とは反対側の面に到達させてその後の研削で改質層を除去してしまう所謂SDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセスの改質層と同様に、環状改質領域11−1を形成する。また、実施形態1において、第一の環状改質領域形成ステップ1002では、エッジトリミング装置20が、チャックテーブル回転ユニット25でチャックテーブル21を回転軸213を中心に1回転させた後、集光点241の位置を厚さ方向に変更して、チャックテーブル21を回転軸213を中心に回転させながらレーザービーム照射ユニット23からレーザービーム24を第一のウエーハ10−1の外周縁に沿って照射することを複数回繰り返して、第一のウエーハ10−1の外周余剰領域6−1内に厚さ方向に複数層の環状改質領域11−1を形成する。また、本発明では、第一の環状改質領域形成ステップ1002において、厚さ方向の全域にわたって環状改質領域11−1が形成されていなくてもよく、少なくとも研削してウエーハ10−1,10−2の厚みがチップ1の仕上げ厚み9に形成された時に外周部12−1,12−2が除去できる深さに環状改質領域11−1が形成されていればよい。
なお、エッジトリミング装置20の制御部22は、エッジトリミング装置20の上述した各ユニットをそれぞれ制御して、ウエーハ10−1,10−2に対する加工動作をエッジトリミング装置20に実施させるものである。なお、制御部22は、CPU(Central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御部22の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理装置が演算処理を実施して、エッジトリミング装置20を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介してエッジトリミング装置20の上述した構成要素に出力する。
また、制御部22は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
(第一の裏面研削ステップ)
図5は、図2に示されたチップの製造方法の第一の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。第一の裏面研削ステップ1003は、第一の環状改質領域形成ステップ1002の後、貼り合わせウエーハ10−1,10−2を第一のウエーハ10−1の裏面8−1側から研削し薄化するステップである。
実施形態1において、第一の裏面研削ステップ1003では、研削装置30が、チャックテーブル31の保持面311に第二のウエーハ10−2の基板2−2の裏面8−2側を吸引保持する。第一の裏面研削ステップ1003では、図5に示すように、スピンドル33により研削ホイール34を鉛直方向と平行な軸心回りに回転しかつチャックテーブル31を軸心回りに回転させ、研削ホイール34の研削用砥石341を第一のウエーハ10−1の基板2−1の裏面8−1に当接させてチャックテーブル31に所定の送り速度で近づけて、研削用砥石341で第一のウエーハ10−1の裏面8−1を研削して、第一のウエーハ10−1を薄化する。
なお、第一の裏面研削ステップ1003では、第一のウエーハ10−1の基板2−1に研削用砥石341から負荷がかかり、この負荷により環状改質領域11−1を起点に第一のウエーハ10−1が破断し、第一のウエーハ10−1の外周部12−1が図5に示すように、第一のウエーハ10−1から除去される。また、第一の裏面研削ステップ1003では、外周部12−1が第一のウエーハ10−1から除去されるとともに、研削が進行して、第一のウエーハ10−1が薄化される。
(ダイシングステップ)
図6は、図2に示されたチップの製造方法のダイシングステップを一部断面で示す側面図である。ダイシングステップ1004は、分割予定ライン7−1,7−2に沿って貼り合わせウエーハ10−1,10−2の仕上げ厚み9に至る深さの加工を施すステップである。なお、実施形態11では、ダイシングステップ1004は、ウエーハ10−1,10−2の仕上げ厚み9に至る深さの切削溝13を形成する切削加工を施すステップである。
実施形態1において、ダイシングステップ1004では、切削装置40が第二のウエーハ10−2の裏面8−2側をチャックテーブル41の保持面411に吸引保持する。ダイシングステップ1004では、切削装置40が図示しない赤外線カメラなどで第一のウエーハ10−1を裏面8−1側から撮像し、分割予定ライン7−1を検出し、分割予定ライン7−1と切削ユニット42の切削ブレード43の切り刃431との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
ダイシングステップ1004では、図6に示すように、切削装置40が回転中の切削ブレード43とウエーハ10−1,10−2とを分割予定ライン7−1,7−2に沿って相対的に移動させながら、裏面8−1側からウエーハ10−1,10−2に切削ブレード43の切り刃431を仕上げ厚み9以上の深さまで切り込ませて、ウエーハ10−1,10−2に切削溝13を形成する。こうして、実施形態1では、ダイシングステップ1004は、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側から切削ブレード43を切り込むことによってウエーハ10−1,10−2即ちチップ1の仕上げ厚み9に至る深さの切削溝13を形成する切削ステップである。ダイシングステップ1004では、切削装置40が全ての分割予定ライン7−1,7−2に沿ってウエーハ10−1,10−2に切削溝13を形成する。
(保護部材貼着ステップ)
図7は、図2に示されたチップの製造方法の保護部材貼着ステップを示す断面図である。保護部材貼着ステップ1005は、ダイシングステップ1004即ち切削ステップの後、行われるステップであって、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側に保護部材14を貼着するステップである。
保護部材貼着ステップ1005では、図7に示すように、周知のマウンタが加工前のウエーハ10−1,10−2と同径の保護部材14を第一のウエーハ10−1の裏面8−1に貼着する。なお、実施形態1では、保護部材14は、非粘着性の合成樹脂で構成された基材層と、基材層に積層されかつ粘着性の合成樹脂で構成されて第一のウエーハ10−1の裏面8−1に貼着する粘着層とを備えた、可撓性を有するテープである。
(第二の環状改質領域形成ステップ)
図8は、図2に示されたチップの製造方法の第二の環状改質領域形成ステップを一部断面で示す側面図である。第二の環状改質領域形成ステップ1006は、第二のウエーハ10−2の裏面8−2側から、第二のウエーハ10−2の外周縁から所定距離内側の位置で外周縁に沿って第二のウエーハ10−2に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を照射して、第二のウエーハ10−2に対して環状改質領域11−1と同様な環状改質領域11−2を形成するステップである。
第二の環状改質領域形成ステップ1006では、エッジトリミング装置20の制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御して保護部材14を介して第一のウエーハ10−1の裏面8−1側をチャックテーブル21の保持面211に吸引保持する。第二の環状改質領域形成ステップ1006では、図8に示すように、制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御してレーザービーム照射ユニット23を外周余剰領域6−2内でかつ第二のウエーハ10−2の外周縁から所定距離内側の位置と鉛直方向に対面させる。なお、図8に示された例では、保護部材14の外周部141は、チャックテーブル21の保持面211から浮いている。
第二の環状改質領域形成ステップ1006では、図8に示すように、制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御してレーザービーム照射ユニット23の集光点241を第二のウエーハ10−2の基板2−2の内部に設定し、チャックテーブル回転ユニット25でチャックテーブル21を回転軸213を中心に回転させながらレーザービーム照射ユニット23から第二のウエーハ10−2の基板2−2に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を第二のウエーハ10−2の外周縁に沿って照射する。
実施形態1において、第二の環状改質領域形成ステップ1006では、エッジトリミング装置20が、第二のウエーハ10−2の基板2−2に対して透過性を有する波長を有するレーザービーム24を照射するために、図8に示すように、第二のウエーハ10−2の基板2−2の内部に外周縁に沿って環状改質領域11−2を形成する。第二の環状改質領域形成ステップ1006では、エッジトリミング装置20が、改質層を形成し改質層から伸展したクラックをレーザービーム24が入射された面とは反対側の面に到達させてその後の研削で改質層を除去してしまう所謂SDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセスの改質層と同様に、環状改質領域11−2を形成する。また、実施形態1において、第二の環状改質領域形成ステップ1006では、エッジトリミング装置20が、チャックテーブル回転ユニット25でチャックテーブル21を回転軸213を中心に1回転させた後、集光点241の位置を厚さ方向に変更して、チャックテーブル21を回転軸213を中心に回転させながらレーザービーム照射ユニット23からレーザービーム24を第二のウエーハ10−2の外周縁に沿って照射することを複数回繰り返して、第二のウエーハ10−2の外周余剰領域6−2内に厚さ方向に複数層の環状改質領域11−2を形成する。また、本発明では、第二の環状改質領域形成ステップ1006において、厚さ方向の全域にわたって環状改質領域11−2が形成されていなくてもよく、少なくとも研削してウエーハ10−1,10−2の厚みがチップ1の仕上げ厚み9に形成された時に外周部12−1,12−2が除去できる深さに環状改質領域11−2が形成されていればよい。
(第二の裏面研削ステップ)
図9は、図2に示されたチップの製造方法の第二の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。第二の裏面研削ステップ1007は、ダイシングステップ1004、保護部材貼着ステップ1005および第二の環状改質領域形成ステップ1006の後、第二のウエーハ10−2の裏面8−2側から研削し仕上げ厚み9へと薄化するステップである。
実施形態1において、第二の裏面研削ステップ1007では、研削装置30が、チャックテーブル31の保持面311に保護部材14を介して第一のウエーハ10−1の基板2−1の裏面8−1側を吸引保持する。このとき、保護部材14の外周部141は、チャックテーブル31の保持面311から浮き、かつ第二のウエーハ10−2の外周部12−2が、保護部材14に埋め込まれている。第二の裏面研削ステップ1007では、図9に示すように、スピンドル33により研削ホイール34を鉛直方向と平行な軸心回りに回転しかつチャックテーブル31を軸心回りに回転させ、研削ホイール34の研削用砥石341を第二のウエーハ10−2の基板2−2の裏面8−2に当接させてチャックテーブル31に所定の送り速度で近づけて、研削用砥石341で第二のウエーハ10−2の裏面8−2を研削して、貼り合わされたウエーハ10−1,10−2を仕上げ厚み9まで薄化する。
なお、第二の裏面研削ステップ1007では、第二のウエーハ10−2の基板2−2に研削用砥石341から負荷がかかり、この負荷により環状改質領域11−2を起点に第二のウエーハ10−2が破断する。また、保護部材14に埋め込まれている外周部12−2は、第二のウエーハ10−2が薄くなるにつれてチャックテーブル31のバキューム圧によってチャックテーブル31の保持面311側に保護部材14の外周部141が引っ張られるため、研削の進行にともなって、保護部材14の外周部141が保持面311に密着し、外周部141が保持面311に密着すると第二のウエーハ10−2から分割される。また、第二の裏面研削ステップ1007では、外周部12−2が第二のウエーハ10−2から除去されるとともに、研削が進行して、貼り合わされたウエーハ10−1,10−2が薄化される。
また、第二の裏面研削ステップ1007では、ダイシングステップ1004において仕上げ厚み9に至る深さの切削溝13が形成されているために、第二のウエーハ10−2の裏面8−2側に切削溝13が露出して、ダイシングステップ1004でダイシングした分割予定ライン7−1,7−2に沿って貼り合わされたウエーハ10−1,10−2が個々のチップ1に分割されて、チップ化される。貼り合わされたウエーハ10−1,10−2から分割された個々のチップ1は、保護部材14からピックアップされる。こうして、実施形態1に係るチップの製造方法は、貼り合わせたウエーハ10−1,10−2の外周部12−1,12−2を除去する方法、即ちエッジトリミング方法でもある。
以上説明したように、実施形態1にかかるチップの製造方法は、ウエーハ貼り合わせステップ1001後の裏面研削ステップ1003,1007においてウエーハ10−1,10−2の外周部12−1,12−2を除去する。即ち、実施形態1にかかるチップの製造方法は、所謂前トリムを行わないために、コンタミが基板2−1,2−2の表面4−1,4−2に付着して除去しきれなくなることを抑制でき、ウエーハ10−1,10−2を貼り合わせる際にコンタミを挟み込む可能性を低減することが可能となる。
また、切削ブレードで加工すると、本願でいう第一の環状改質領域形成ステップ1002に相当する前工程のトリミング時に上側のウエーハを切断し及び下側のウエーハに少し切り込んでしまうので、本願でいう第二の裏面研削ステップ1007に相当する後工程の研削時に割れてしまうという問題が発生する。しかしながら、実施形態1にかかるチップの製造方法は、第一の環状改質領域形成ステップ1002において第一のウエーハ10−1の基板2−1の外周余剰領域6−1内に環状改質領域11−1を形成して切り込みを形成することがないので、特に第二の裏面研削ステップ1007においてウエーハ10−1,10−2が割れて破損することを抑制することができる。
また、実施形態1にかかるチップの製造方法は、レーザービーム24の照射と研削加工により外周部12−1,12−1を除去することができるため、切削ブレードを使う必要がなくなるので、生産効率が低下することを抑制でき、切削ブレードの切り刃の偏摩耗を考慮する必要もなくなる。
その結果、実施形態1にかかるチップの製造方法は、デバイス3−1,3−2へのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制することができ、貼り合わせたウエーハ10−1,10−2のエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるという効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図10は、実施形態2に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。なお、実施形態2の説明では、各図において、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るチップの製造方法は、図10に示すように、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2と、外周除去ステップ1010と、ウエーハ貼り合わせステップ1001−2と、第一の裏面研削ステップ1003−2とを含み、ダイシングステップ1004と、保護部材貼着ステップ1005と、第二の環状改質領域形成ステップ1006と、第二の裏面研削ステップ1007とを更に有している。なお、実施形態2に係るチップの製造方法は、所謂前工程が実施形態1と異なり、所謂後工程が実施形態1と同じである。
次に、実施形態2に係るチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ1002−2及び外周除去ステップ1010を実施するエッジトリミング装置20を説明する。図11は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ及び外周除去ステップを実施するエッジトリミング装置の構成の一部を示す斜視図である。図12は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ及び外周除去ステップを実施するエッジトリミング装置の構成の他の一部を模式的に示す側面図である。
エッジトリミング装置20は、第一のウエーハ10−1の外周部12−1を除去する、即ち第一のウエーハ10−1をエッジトリミングする装置である。エッジトリミング装置20は、図11に示すように、第一のウエーハ10−1を保持する保持面211を有するチャックテーブル21と、チャックテーブル21を保持面211に垂直な回転軸213を中心に回転させるチャックテーブル回転ユニット25と、第一のウエーハ10−1に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を発振する図示しない発振器を含むレーザービーム照射ユニット23と、制御部22とを備える。また、エッジトリミング装置20は、図11に示すように、移動ユニット26と、カセットエレベータ27と、分割ユニット28と、図示しない搬送ユニットとを備える。また、エッジトリミング装置20は、図12に示すテープ貼着ユニット50を備えていてもよい。
移動ユニット26は、チャックテーブル10及びチャックテーブル回転ユニット25を水平方向と平行なX軸方向に移動させる加工送り手段であるX軸移動ユニット261と、チャックテーブル10及びチャックテーブル回転ユニット25を水平方向と平行でかつX軸方向に対して直交するY軸方向に移動させる割り出し送り手段であるY軸移動ユニット262とを備える。
実施形態2では、Y軸移動ユニット262は、エッジトリミング装置20の装置本体201上に設置されている。Y軸移動ユニット262は、X軸移動ユニット261を支持した移動プレート263をY軸方向に移動自在に支持している。X軸移動ユニット261は、移動プレート263上に設置されている。X軸移動ユニット261は、チャックテーブル10を回転軸213を中心に回転させるチャックテーブル回転ユニット25を支持した第二移動プレート264をX軸方向に移動自在に支持している。
図12に示すテープ貼着ユニット50は、第一のウエーハ10−1に伸縮性を有するテープ16を貼着するユニットである。テープ16は、可撓性及び伸縮性を有する樹脂から構成され、加熱されると収縮する熱収縮性を有する。テープ16は、非粘着性の合成樹脂で構成された基材層と、基材層に積層されかつ粘着性の合成樹脂で構成された粘着層とを備え、粘着層に剥離紙が貼着されている。実施形態2では、テープ16は、支持ローラ52の外周に巻き付けられた長尺状に形成されている。
テープ貼着ユニット50は、図12に示すように、チャックテーブル51と、支持ローラ52と、剥離紙巻き取りローラ53と、貼着ローラ54と、テープカット部55と、テープ巻き取りローラ56と、複数の搬送ローラ57とを備える。
チャックテーブル51は、上面が水平方向と平行に平坦に形成され、上面の中央に第一のウエーハ10−1の基板2−1の裏面8−1が載置され、外縁部に内径が第一のウエーハ10−1よりも大径な環状フレーム15が載置される。
支持ローラ52は、外周にロール状にテープ16を巻回し、ロール状に巻回したテープ16を端部から順にチャックテーブル51の上面の上方に送り出すものである。支持ローラ52は、円柱状に形成され、軸心回りに回転自在に設けられている。支持ローラ52は、外周面上にロール状に巻回されたテープ16が巻き付けられる状態で、テープ16がセットされる。実施形態1では、剥離紙17が外周側に位置する状態で、テープ16がセットされる。
剥離紙巻き取りローラ53は、支持ローラ52から送り出されたテープ16から剥がされた剥離紙17を巻き取るものである。剥離紙巻き取りローラ53は、実施形態2では、支持ローラ52の下方に配置されている。剥離紙巻き取りローラ53は、支持ローラ52と平行な円柱状に形成され、図示しないモータなどの駆動装置により軸心回りに回転されることで、外周面上にテープ16から剥がされた剥離紙17を巻き取る。
貼着ローラ54は、支持ローラ52からチャックテーブル51の上面の上方に供給されたテープ16をチャックテーブル51の上面511に載置された第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15に貼着するものである。貼着ローラ54は、チャックテーブル51の上方に配置されている。貼着ローラ54は、支持ローラ52及び剥離紙巻き取りローラ53と平行な円柱状に形成され、軸心回りに回転自在に支持されるとともに昇降自在でかつチャックテーブル51の上面511に沿って水平方向に移動自在に図示しない移動機構により支持されている。貼着ローラ54は、移動機構により下降した状態で例えば図5に点線で示す位置と実線で示す位置とに亘ってチャックテーブル51の上面511に沿って水平方向に移動することで、テープ16をチャックテーブル51に保持された第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15に押し付けて貼着する。
テープカット部55は、テープ16を第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15に貼着した後に、テープ16の環状フレーム15の内縁と外縁との間を切断するものである。テープカット部55は、チャックテーブル51の上方に配置されている。
実施形態2において、テープカット部55は、回転ユニット551により鉛直方向と平行な軸心回りに回転される回転テーブル552と、回転テーブル552の外縁部に設けられたカッター刃553とを備え、図示しない移動機構により昇降自在に設けられている。カッター刃553は、刃先554が、チャックテーブル51に載置された環状フレーム15の内縁と外縁との間と鉛直方向に沿って対向する。
テープ巻き取りローラ56は、テープカット部55によって第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15に貼着された部分が切断された後のテープ16の不要部分を巻き取るものである。テープ巻き取りローラ56は、チャックテーブル51よりも上方でかつ、水平方向では支持ローラ52及び剥離紙巻き取りローラ53との間にチャックテーブル51を挟む位置に配置されている。テープ巻き取りローラ56は、支持ローラ52及び剥離紙巻き取りローラ53と平行な円柱状に形成され、図示しないモータなどの駆動装置により軸心回りに回転されることで、外周面上にテープ16の不要部分を巻き取る。
複数の搬送ローラ57は、支持ローラ52からテープ巻き取りローラ56の間に配置され、テープ16を支持ローラ52からテープ巻き取りローラ56に搬送するとともに、テープ16に弛みが生じることを抑制するためにテープ16にテンションを付与するものである。複数の搬送ローラ57は、支持ローラ52、剥離紙巻き取りローラ53及びテープ巻き取りローラ56と平行な円柱状に形成され、かつ軸心回りに回転自在に設けられている。
搬送ローラ57は、支持ローラ52とチャックテーブル51との間でかつ支持ローラ52よりも下方に一対配置されている。これら一対の搬送ローラ57の一方は、外周面上に支持ローラ52から送り出された剥離紙17が貼着された状態のテープ16が通されて、テープ16から剥離紙17を剥がすとともに、テープ16から剥がした剥離紙17を剥離紙巻き取りローラ53に送り出す。他方は、外周面上に剥離紙17が剥がされたテープ16を通して、粘着層を下方に向けた状態でチャックテーブル51の一端部上に送り出す。
また、搬送ローラ57は、チャックテーブル51の他端部上とテープ巻き取りローラ56との間に一つ配置されている。この一つの搬送ローラ57は、外周面上にテープ16の不要部分が通されて、テープ16の不要部分をテープ巻き取りローラ56に向けて送り出す。
前述した構成のテープ貼着ユニット50は、チャックテーブル51の上面に第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15が載置され、支持ローラ52から送り出されたテープ16から剥離紙17を剥がして、剥離紙17を剥離紙巻き取りローラ53で巻き取る。テープ貼着ユニット50は、剥離紙17が剥がされたテープ16の先端をテープ巻き取りローラ56に巻き取る。テープ貼着ユニット50は、貼着ローラ54を下降させ水平方向に沿って移動させることで、チャックテーブル51の上方に位置するテープ16を第一のウエーハ10−1及び環状フレーム15に押し付けて貼着する。
テープ貼着ユニット50は、貼着ローラ54を上昇させ、テープカット部55を下降させて、カッター刃553の刃先554をテープ16の環状フレーム15の内縁と外縁との間に切り込ませて、回転ユニット551で回転テーブル552を軸心回りに回転して、テープ16を環状フレーム15の内縁と外縁との間で切断する。テープ貼着ユニット50は、テープ16の切断後、テープカット部55を上昇させて、テープ16の不要部分をテープ巻き取りローラ56で巻き取って、第一のウエーハ10−1よりも大径な円板状のテープ16の中央に第一のウエーハ10−1の表面4−1を貼着し、テープ16の外縁部に環状フレーム15を貼着して、テープ16により第一のウエーハ10−1を環状フレーム15の開口151内に支持する。
カセットエレベータ27は、上面にカセット271が設置され、カセット271を鉛直方向と平行なZ軸方向に昇降させるものである。なお、カセット271は、テープ貼着ユニット50によりテープ16が貼着されて環状フレーム15の開口151内に支持された第一のウエーハ10−1を複数枚収容する収容容器である。
分割ユニット28は、テープ貼着ユニット50によって第一のウエーハ10−1に貼り付けられたテープ16を拡張するユニットである。分割ユニット28は、図11に示すように、フレーム保持部281と、チャックテーブル287と、拡張ユニットである拡張ドラム282とを備える。
フレーム保持部281は、環状フレーム15を保持するものであって、フレーム載置プレート283と、フレーム押さえプレート284とを備える。フレーム載置プレート283は、平面形状が円形の開口部が設けられ、かつ上面が水平方向と平行に平坦に形成された板状に形成されている。フレーム載置プレートの開口部の内径は、環状フレーム15の内径と等しく形成されている。フレーム載置プレート283は、搬送ユニットにより開口部上に第一のウエーハ10−1が位置する状態で環状フレーム15が上面に載置される。実施形態1では、フレーム載置プレート283は、シリンダ285により昇降自在に設けられている。
フレーム押さえプレート284は、フレーム載置プレート283の上方に固定されている。フレーム押さえプレート284は、フレーム載置プレート283とほぼ同寸法の板状に形成され、中央に円形の開口部が設けられている。フレーム押さえプレート284の開口部は、フレーム載置プレート283の開口部と同軸となる位置に配置されている。
フレーム保持部281は、シリンダ285のロッドが縮小して下方に位置するフレーム載置プレート283の上面に搬送ユニットにより開口151の内側に第一のウエーハ10−1を支持した環状フレーム15が搬送されてくる。フレーム保持部281は、フレーム載置プレート283の上面に環状フレーム15が載置された後、シリンダ285によりフレーム載置プレート283が上昇する。フレーム保持部281は、フレーム押さえプレート284と上昇したフレーム載置プレート283との間に環状フレーム15を挟んで固定する。
拡張ドラム282は、フレーム保持部281で環状フレーム15が固定された第一のウエーハ10−1の外周と環状フレーム15の内周との間のテープ16を押圧して、テープ16を拡張するユニットである。即ち、拡張ドラム282は、フレーム保持部281とチャックテーブル287とをチャックテーブル287の保持面288と直交する方向に相対的に離反させ、テープ16を拡張するユニットである。拡張ドラム282は、円筒状に形成され、外径が環状フレーム15の内径よりも小さく、内径が第一のウエーハ10−1の外径よりも大きく形成されている。拡張ドラム282は、フレーム保持部281の開口部と同軸に配置されている。拡張ドラム282の上端には、コロ部材289(図16等に示す)が回転自在に取り付けられている。
拡張ドラム282は、シリンダ286に取り付けられ、シリンダ286によりZ軸方向に昇降自在に設けられている。実施形態1では、拡張ドラム282は、シリンダ286によりコロ部材289が環状フレーム15を固定したフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面よりも下側に位置する位置と、コロ部材289が環状フレーム15を固定したフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面よりも上側に位置する位置とに亘ってZ軸方向に昇降する。
チャックテーブル287は、テープ16を介して、第一のウエーハ10−1を支持する保持面288を有する。チャックテーブル287は、円板状に形成され、拡張ドラム282の内側に配置される。保持面288は、水平方向と平行に形成され、拡張ドラム282のコロ部材289の上端と同一平面上に配置される。チャックテーブル287は、シリンダ286により拡張ドラム282と一体にZ軸方向に昇降する。
分割ユニット28は、チャックテーブル287の保持面288上にテープ16を介して第一のウエーハ10−1を支持し、フレーム保持部281で環状フレーム15を固定する。分割ユニット28は、拡張ドラム282及びチャックテーブル287をコロ部材289が環状フレーム15を固定したフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面よりも下側に位置する位置から上昇させて、第一のウエーハ10−1の外周と環状フレーム15の内周との間のテープ16を押圧して、テープ16を面方向に拡張する。
搬送ユニットは、テープ貼着ユニット50により外縁部に環状フレーム15が貼着されたテープ16が表面4−1側に貼り付けられた第一のウエーハ10−1をテープ貼着ユニット50からカセットエレベータ27に搬送して、カセット271内に収容する。搬送ユニットは、カセット271内から環状改質領域11−1が形成される前の第一のウエーハ10−1を取り出して、チャックテーブル21まで搬送する。搬送ユニットは、レーザービーム照射ユニット23により環状改質領域11−1が形成された第一のウエーハ10−1を分割ユニット28のフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面に搬送する。搬送ユニットは、分割ユニット28により拡張されたテープ16に貼着された第一のウエーハ10−1を分割ユニット28のフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面からカセットエレベータ27に搬送して、カセット271内に収容する。
次に、実施形態2に係るチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップ1002−2を説明する。図13は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップを示す斜視図である。図14は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハの一例の平面図である。図15は、図10に示されたチップの製造方法の第一の環状改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハの他の例の平面図である。第一の環状改質領域形成ステップ1002−2は、第一のウエーハ10−1の外周縁から所定距離内側の位置で外周縁に沿って第一のウエーハ10−1に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を照射して、環状改質領域11−1を形成するステップである。
なお、実施形態2では、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2を開始するとエッジトリミング装置20は、テープ貼着ユニット50で第一のウエーハ10−1の表面4−1側及び環状フレーム15にテープ16を貼着して、テープ16が貼着されて環状フレーム15で支持された第一のウエーハ10−1をカセット271内に収容する。実施形態2の第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、エッジトリミング装置20の制御部22がエッジトリミング装置20の種々の構成要素を制御してカセット271から第一のウエーハ10−1を1枚取り出して、テープ16を介して表面4−1側をチャックテーブル21の保持面211に吸引保持し、チャックテーブル21の周囲に設けられたクランプ部212で環状フレーム15をクランプする。
第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、図13に示すように、制御部22が移動ユニット26でチャックテーブル21の位置を調整して、レーザービーム照射ユニット23を外周余剰領域6−1内でかつ第一のウエーハ10−1の外周縁から所定距離内側の位置と鉛直方向に対面させる。第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、図13に示すように、制御部22がエッジトリミング装置20の構成要素を制御してレーザービーム照射ユニット23の集光点241を第一のウエーハ10−1の基板2−1の内部に設定し、チャックテーブル回転ユニット25でチャックテーブル21を鉛直方向と平行な回転軸213を中心に回転させながらレーザービーム照射ユニット23の発振器から第一のウエーハ10−1の基板2−1に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を発振させて、第一のウエーハ10−1の外周余剰領域6−1内で外周縁から所定距離内側の位置で外周縁に沿ってレーザービーム24を第一のウエーハ10−1に照射する。
実施形態2において、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、エッジトリミング装置20が、実施形態1と同様に、第一のウエーハ10−1の基板2−1の内部に外周縁に沿って環状改質領域11−1を形成するとともに、第一のウエーハ10−1の外周余剰領域6−1内に厚さ方向に複数層の環状改質領域11−1を形成する。また、実施形態2において、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、エッジトリミング装置20が、第一のウエーハ10−1の外周部12−1に裏面8−1から仕上げ厚み9以上の深さの間に改質領域19−1,19−2を形成する。なお、図14は、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2において、改質領域19−1を外周部12−1,12−2に放射状に複数形成する例を示している。図15は、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2において、改質領域19−2を外周部12−1,12−2に環状改質領域11−1,11−2に接する接線に沿って複数形成する例を示している。実施形態2において、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2では、エッチトリミング装置220の制御部22がチャックテーブル21から環状改質領域11−1が形成された第一のウエーハ10−1を分割ユニット28に搬送し、第一のウエーハ10−1をテープ16を介してチャックテーブル287の保持面288に載置し、環状フレーム15をフレーム保持部281のフレーム載置プレート283の上面に載置する。
次に、実施形態2に係るチップの製造方法の外周除去ステップ1010を説明する。図16は、図10に示されたチップの製造方法の外周除去ステップにおいて分割ユニットでウエーハを保持した状態を一部断面で示す側面図である。図17は、図10に示されたチップの製造方法の外周除去ステップにおいて分割ユニットで第一のウエーハの外周部を除去した状態を一部断面で示す側面図である。
外周除去ステップ1010は、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2の後、第一のウエーハ10−1に対して外力を付与し、環状改質領域11−1に沿って第一のウエーハ10−1から外周部12−1を分離し除去するステップである。外周除去ステップ1010では、制御部22がシリンダ285でフレーム載置プレート283を上昇して、図16に示すように、環状フレーム15をフレーム押さえプレート284とフレーム載置プレート283との間で挟んで保持するとともに、拡張ドラム282及びチャックテーブル287を上昇して、拡張ドラム282のコロ部材289及び保持面288をテープ16に当接させる。
外周除去ステップ1010では、制御部22が拡張ドラム282及びチャックテーブル287を更に上昇させる。すると、図17に示すように、テープ16の第一のウエーハ10−1の外周と環状フレーム15の内周との間をコロ部材289が下方から上方に向けて押圧するとともに、第一のウエーハ10−1をチャックテーブル287が下方から上方に向けて押圧して、テープ16が面方向に拡張される。外周除去ステップ1010では、テープ16の拡張の結果、テープ16に放射状の引張力が作用する。
このように第一のウエーハ10−1の表面4−1に貼着されたテープ16に放射状の引張力が作用すると、第一のウエーハ10−1は、環状改質領域11−1が形成されかつ外周部12−1に改質領域19−1,19−2のいずれかが形成されているので、環状改質領域11−1及び改質領域19−1,19−2のいずれかを起点として破断して、第一のウエーハ10−1を環状改質領域11−1に沿って分割して、第一のウエーハ10−1から外周部12−1を分離除去する。外周除去ステップ1010では、制御部22が拡張ドラム282及びチャックテーブル287を下降し、フレーム載置プレート283を下降して、外周部12−1が分離された第一のウエーハ10−1をカセットエレベータ27まで搬送してカセット271内に収容する。こうして、分割ユニット28は、テープ貼着ユニット50によって第一のウエーハ10−1に貼り付けられたテープ16を拡張することによって、レーザービーム24によって改質領域である環状改質領域11−1が形成された第一のウエーハ10−1に対して外力を付与し、環状改質領域11−1及び改質領域19−1,19−2のいずれかに沿って第一のウエーハ10−1を分割する。
なお、外周除去ステップ1010において、環状改質領域11−1及び改質領域19−1,19−2のいずれかに沿って第一のウエーハ10−1を分割する際に、パーティクルが発生するが、発生するパーティクルが、切削加工で生じるコンタミより大きく、洗浄で落ちやすいために問題となりにくい。このために、本発明では、外周除去ステップ1010において、環状改質領域11−1に沿って分割された第一のウエーハ10−1は、ウエーハ貼り合わせステップ1001−2前に洗浄されるのが望ましい。なお、実施形態2では、エッジトリミング装置20は、カセット271内の第一のウエーハ10−1に順に環状改質領域11−1及び改質領域19−1,19−2のいずれかを形成し、テープ16を拡張して第一のウエーハ10−1を分割し、カセット271内の全ての第一のウエーハ10−1を分割すると、加工動作を終了する。
次に、実施形態2に係るチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップ1001−2を説明する。図18は、図10に示されたチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップを示す斜視図である。ウエーハ貼り合わせステップ1001−2は、外周除去ステップ1010の後、第一のウエーハ10−1の表面4−1側を第二のウエーハ10−2の表面4−2側と対面させて、ウエーハ10−1,10−2同士を貼り合わせるステップである。
ウエーハ貼り合わせステップ1001−2では、図18に示すように、外周除去ステップ1010後の第一のウエーハ10−1の表面4−1と第二のウエーハ10−2の表面4−2とを対面させて、実施形態1と同様に、ウエーハ10−1,10−2同士を貼り合わせる。なお、実施形態2に係るチップの製造方法のウエーハ貼り合わせステップ1001−2では、第一のウエーハ10−1がノッチがないため、分割予定ライン7−1,7−2で位置合わせをして貼り合わせを行う。
次に、実施形態2に係るチップの製造方法の第一の裏面研削ステップ1003−2を説明する。図19は、図10に示されたチップの製造方法の第一の裏面研削ステップを一部断面で示す側面図である。第一の裏面研削ステップ1003−2は、ウエーハ貼り合わせステップ1001−2の後、貼り合わせウエーハ10−1,10−2を第一のウエーハ10−1の裏面8−1側から研削し薄化するステップである。
実施形態2において、第一の裏面研削ステップ1003−2は、研削装置30が、チャックテーブル31の保持面311に第二のウエーハ10−2の基板2−2の裏面8−2側を吸引保持する。第一の裏面研削ステップ1003−2では、図19に示すように、スピンドル33により研削ホイール34を鉛直方向と平行な軸心回りに回転しかつチャックテーブル31を軸心回りに回転させ、研削ホイール34の研削用砥石341を第一のウエーハ10−1の基板2−1の裏面8−1に当接させてチャックテーブル31に所定の送り速度で近づけて、研削用砥石341で第一のウエーハ10−1の裏面8−1を研削して、第一のウエーハ10−1を薄化する。
実施形態2にかかるチップの製造方法は、外周除去ステップ1010で第一の環状改質領域形成ステップ1002−2で形成された環状改質領域11−1を起点に破断して外周部12−1を除去するので、所謂前トリムにおいて切削加工を実施しない。また、実施形態2にかかるチップの製造方法は、ウエーハ貼り合わせステップ1001後の第二の裏面研削ステップ1007において第二のウエーハ10−2の外周部12−2を除去する。このために、実施形態2にかかるチップの製造方法は、コンタミが基板2−1,2−2の表面4−1,4−2に付着して除去しきれなくなることを抑制できる。
また、切削ブレードで加工すると、本願でいう第一の環状改質領域形成ステップ1002−2に相当する前工程のトリミング時に上側のウエーハを切断し及び下側のウエーハに少し切り込んでしまうので、本願でいう第二の裏面研削ステップ1007に相当する後工程の研削時に割れてしまうという問題が発生する。しかしながら、実施形態2にかかるチップの製造方法は、第一の環状改質領域形成ステップ1002−2において第一のウエーハ10−1の基板2−1の外周余剰領域6−1内に環状改質領域11−1を形成して切り込みを形成することがないので、特に第二の裏面研削ステップ1007においてウエーハ10−1,10−2が割れて破損することを抑制することができる。
また、実施形態2にかかるチップの製造方法は、レーザービーム24の照射と研削加工により外周部12−1,12−1を除去することができるため、切削ブレードを使う必要がなくなるので、生産効率が低下することを抑制でき、切削ブレードの切り刃の偏摩耗を考慮する必要もなくなる。
その結果、実施形態2にかかるチップの製造方法は、実施形態1と同様に、デバイス3−1,3−2へのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制することができ、貼り合わせたウエーハ10−1,10−2のエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるという効果を奏する。
〔変形例1〕
本発明の実施形態1及び実施形態2の変形例1に係るチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図20は、実施形態1及び実施形態2の変形例1に係るチップの製造方法のダイシングステップの一例を一部断面で示す側面図である。図21は、実施形態1及び実施形態2の変形例1に係るチップの製造方法のダイシングステップの他の例を一部断面で示す側面図である。なお、変形例1の説明では、各図において、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
変形例1において、ダイシングステップ1004では、エッジトリミング装置20が図20に示すように、第二のウエーハ10−2の裏面8−2側をチャックテーブル21の保持面211に吸引保持する、又は図21に示すように、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側をチャックテーブル21の保持面211に吸引保持する。ダイシングステップ1004では、エッジトリミング装置20が図示しない赤外線カメラなどで第一のウエーハ10−1を裏面8−1側又は第二のウエーハ10−2を裏面8−2側から撮像し、分割予定ライン7−1,7−2を検出し、分割予定ライン7−1,7−2とレーザービーム照射ユニット23との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
ダイシングステップ1004では、エッジトリミング装置20がレーザービーム照射ユニット23とウエーハ10−1,10−2とを分割予定ライン7−1,7−2に沿って相対的に移動させながら集光点241を第一のウエーハ10−1又は第二のウエーハ10−2の内部に設定して、レーザービーム照射ユニット23からウエーハ10−1,10−2に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を照射して、分割予定ライン7−1,7−2に沿ってウエーハ10−1,10−2の内部に環状改質領域11−1,11−2と同様な改質領域18を形成する。
なお、図20は、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側からレーザービーム24を照射する例を示し、集光点241の厚さ方向の高さを変更して、複数回、分割予定ライン7−1,7−2に沿ってレーザービーム24を照射することを繰り返して、裏面8−1から仕上げ厚み9以上の深さの間に複数層の改質領域18を形成する例を示している。また、図21は、第二のウエーハ10−2の裏面8−2側からレーザービーム24を照射する例を示し、集光点241の厚さ方向の高さを変更して、複数回、分割予定ライン7−1,7−2に沿ってレーザービーム24を照射することを繰り返して、裏面8−2から仕上げ厚み9以上の深さの間に複数層の改質領域18を形成する例を示している。
こうして、変形例1では、ダイシングステップ1004は、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側および第二のウエーハ10−2の裏面8−2側の少なくとも一方からウエーハ10−1,10−2に対して透過性を有する波長のレーザービーム24を照射して分割予定ライン7−1,7−2に沿って改質領域18を形成するレーザーダイシングステップである。また、変形例1では、実施形態1及び実施形態2と同様に、レーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の後に、第一のウエーハ10−1の裏面8−1側に保護部材14を貼着する保護部材貼着ステップ1005を行い、レーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の後に、第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施する。
なお、変形例1では、本発明は、レーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の前に保護部材貼着ステップ1005を行っても良い。
変形例1にかかるチップの製造方法は、実施形態1及び実施形態2と同様に、デバイス3−1,3−2へのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制することができ、貼り合わせたウエーハ10−1,10−2のエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるという効果を奏する。
〔変形例2〕
本発明の実施形態1及び実施形態2の変形例2に係るチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図22は、実施形態1及び実施形態2の変形例2に係るチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。図23は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの一例の平面図である。図24は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの他の例の平面図である。図25は、図22に示されたチップの製造方法の第一の外周部改質領域形成ステップ及び第二の外周部改質領域形成ステップにおいて外周部に改質領域が形成された第一のウエーハ及び第二のウエーハの更に他の例の平面図である。なお、変形例2の説明では、各図において、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
変形例2に係るチップの製造方法は、図22に示すように、第一の環状改質領域形成ステップ1002の後および第二の環状改質領域形成ステップ1006の後に、ウエーハ10−1,10−2に対して透過性を有する波長のレーザービーム24をウエーハ10−1,10−2の環状改質領域11−1,11−2よりも外周側の外周部12−1,12−2に照射して、貼り合わされたウエーハ10−1,10−2即ちチップ1の仕上げ厚み9に至る深さの改質領域19−1,19−2,19−3をウエーハ10−1,10−2の外周部12−1,12−2に複数形成する第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012を更に含む。なお、図22は、実施形態1に係るチップの製造方法において、第一の環状改質領域形成ステップ1002の後および第二の環状改質領域形成ステップ1006の後に、第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012を実施する例を示しているが、本発明では、実施形態2に係るチップの製造方法においても第一の環状改質領域形成ステップ1002−2の後および第二の環状改質領域形成ステップ1006の後に、第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012を実施しても良い。
第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012では、エッジトリミング装置20が、集光点241の厚さ方向の高さを変更して、複数回、外周部12−1,12−2にレーザービーム24を照射することを繰り返して、裏面8−1又は裏面8−2から仕上げ厚み9以上の深さの間に複数層の改質領域19−1,19−2,19−3を形成する。
なお、図23は、第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012において、改質領域19−1を外周部12−1,12−2に放射状に複数形成する例を示している。図24は、第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012において、改質領域19−2を外周部12−1,12−2に環状改質領域11−1,11−2に接する接線に沿って複数形成する例を示している。図25は、第一の外周部改質領域形成ステップ1011及び第二の外周部改質領域形成ステップ1012において、外周部12−1,12−2にレーザービーム24を同心円状に照射して、改質領域19−3を複数形成する例を示している。
変形例2にかかるチップの製造方法は、実施形態1及び実施形態2と同様に、デバイス3−1,3−2へのコンタミの付着、生産効率の低下、及び破損を抑制することができ、貼り合わせたウエーハ10−1,10−2のエッジトリミングによって生じる種々の問題を解決することができるという効果を奏する。また、変形例2にかかるチップの製造方法は、外周部12−1,12−2に改質領域19−1,19−2,19−3を形成することで、研削時の外周部12−1,12−2の除去やテープ16拡張による外周部12−1,12−2の除去がより容易になるという効果を奏する。
〔変形例3〕
本発明の実施形態1及び実施形態2の変形例3に係るチップの製造方法を図面に基づいて説明する。図26は、実施形態1及び実施形態2の変形例3に係るチップの製造方法の一例の流れを示すフローチャートである。図27は、実施形態1及び実施形態2の変形例3に係るチップの製造方法の他の例の流れを示すフローチャートである。なお、変形例3の説明では、各図において、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
図26に示す変形例3に係るチップの製造方法は、切削ステップであるダイシングステップ1004の前に第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施すること以外、実施形態1と同じであるとともに、図27に示す変形例3に係るチップの製造方法は、切削ステップであるダイシングステップ1004の後でかつ保護部材貼着ステップ1005の前に第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施すること以外、実施形態1と同じである。なお、図26及び図27は、実施形態1に係るチップの製造方法において、第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施するタイミングが実施形態1と異なる例を示しているが、本発明では、実施形態2に係るチップの製造方法においても、レーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の前に第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施しても良く、レーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の後でかつ保護部材貼着ステップ1005の前に第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施しても良い。
要するに、本発明では、切削ステップ又はレーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の前、切削ステップ又はレーザーダイシングステップであるダイシングステップ1004の後でかつ保護部材貼着ステップ1005の前、および保護部材貼着ステップ1005の後のいずれかのタイミングで、第二の環状改質領域形成ステップ1006を実施しても良い。
なお、本発明は、上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明では、環状改質領域形成ステップ1002,1002−2,1006の前に、外周部改質領域形成ステップ1011,1012を行っても良い。
1 チップ
3−1 デバイス
4−1,4−2 表面
5−1 デバイス領域
6−1 外周余剰領域
7−1 分割予定ライン
8−1,8−2 裏面
9 仕上げ厚み
10−1 第一のウエーハ(ウエーハ)
10−2 第二のウエーハ
11−1,11−2 環状改質領域(改質領域)
12−1,12−2 外周部
13 切削溝
14 保護部材
16 テープ
18 改質領域
19−1,19−2,19−3 改質領域
20 エッジトリミング装置
21 チャックテーブル
22 制御部
23 レーザービーム照射ユニット
24 レーザービーム
25 チャックテーブル回転ユニット
50 テープ貼着ユニット
211 保持面
213 回転軸
1001,1001−2 ウエーハ貼り合わせステップ
1002,1002−2 第一の環状改質領域形成ステップ
1003,1003−2 第一の裏面研削ステップ
1004 ダイシングステップ
1005 保護部材貼着ステップ
1006 第二の環状改質領域形成ステップ
1007 第二の裏面研削ステップ
1010 外周除去ステップ
1011 第一の外周部改質領域形成ステップ(外周部改質領域形成ステップ)
1012 第二の外周部改質領域形成ステップ(外周部改質領域形成ステップ)

Claims (9)

  1. チップの製造方法であって、
    複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲む外周余剰領域とを表面に備えた第一のウエーハの表面に第二のウエーハの表面側を対面させてウエーハ同士を貼り合わせるウエーハ貼り合わせステップと、
    該ウエーハ貼り合わせステップの後、該第一のウエーハの裏面側から、ウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第一のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第一のウエーハに対して環状改質領域を形成する第一の環状改質領域形成ステップと、
    該第一の環状改質領域形成ステップの後、貼り合わせウエーハを該第一のウエーハの裏面側から研削し薄化する第一の裏面研削ステップと、を含み、
    該第一の裏面研削ステップの後、
    該分割予定ラインに沿って該貼り合わせウエーハの仕上げ厚みに至る深さの加工を施すダイシングステップと、
    該第一のウエーハの裏面側に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、
    該第二のウエーハの裏面側から、該第二のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第二のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第二のウエーハに環状改質領域を形成する第二の環状改質領域形成ステップと、
    該ダイシングステップ、該保護部材貼着ステップおよび該第二の環状改質領域形成ステップの後、該第二のウエーハの裏面側を研削し該仕上げ厚みへと薄化する第二の裏面研削ステップと、を更に有し、
    該第一の裏面研削ステップおよび該第二の裏面研削ステップでは、
    該環状改質領域を起点にウエーハの外周部がウエーハから除去されつつ研削が進行し、
    該第二の裏面研削ステップでは、
    該ダイシングステップでダイシングした該分割予定ラインに沿ってウエーハがチップ化される、チップの製造方法。
  2. チップの製造方法であって、
    複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲む外周余剰領域とを表面に備えた第一のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第一のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、環状改質領域を形成する第一の環状改質領域形成ステップと、
    該第一の環状改質領域形成ステップの後、該第一のウエーハに対して外力を付与し、該環状改質領域に沿って該第一のウエーハから外周部を分離し除去する外周除去ステップと、
    該外周除去ステップの後、該第一のウエーハの表面側を第二のウエーハの表面側と対面させてウエーハ同士を貼り合わせるウエーハ貼り合わせステップと、
    該ウエーハ貼り合わせステップの後、貼り合わせウエーハを該第一のウエーハの裏面側から研削し薄化する第一の裏面研削ステップと、を含み、
    該第一の裏面研削ステップの後、
    該分割予定ラインに沿って該貼り合わせウエーハの仕上げ厚みに至る深さの加工を施すダイシングステップと、
    該第一のウエーハの裏面側に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、
    該第二のウエーハの裏面側から、該第二のウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿って該第二のウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して、該第二のウエーハに環状改質領域を形成する第二の環状改質領域形成ステップと、
    該ダイシングステップ、該保護部材貼着ステップおよび該第二の環状改質領域形成ステップの後、該第二のウエーハの裏面側を研削し該仕上げ厚みへと薄化する第二の裏面研削ステップと、を更に有し、
    該第二の裏面研削ステップでは、
    該環状改質領域を起点に該第二のウエーハの外周部がウエーハから除去されつつ研削が進行するとともに、
    該ダイシングステップでダイシングした該分割予定ラインに沿ってウエーハがチップ化される、チップの製造方法。
  3. 該ダイシングステップは、該第一のウエーハの裏面側から切削ブレードを切り込むことによって該ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの切削溝を形成する切削ステップであって、
    該切削ステップの後、該第一のウエーハの裏面側に該保護部材を貼着する保護部材貼着ステップを行い、
    該切削ステップの前、該切削ステップの後、および該保護部材貼着ステップの後のいずれかのタイミングで、該第二の環状改質領域形成ステップを実施することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチップの製造方法。
  4. 該ダイシングステップは、該第一のウエーハの裏面側および該第二のウエーハの裏面側の少なくとも一方から該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを照射して該分割予定ラインに沿って改質領域を形成するレーザーダイシングステップであって、
    該レーザーダイシングステップの前または後に、該第一のウエーハの裏面側に該保護部材を貼着する保護部材貼着ステップを行い、
    該レーザーダイシングステップの前、該レーザーダイシングステップの後、および該保護部材貼着ステップの後のいずれかのタイミングで、該第二の環状改質領域形成ステップを実施することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチップの製造方法。
  5. 該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、
    ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域をウエーハの該外周部に放射状に複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含むことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のチップの製造方法。
  6. 該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、
    ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域をウエーハの該環状改質領域に接する接線に沿って複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含むことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のチップの製造方法。
  7. 該第一の環状改質領域形成ステップの後および該第二の環状改質領域形成ステップの後に、
    ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの外周部に同心円状に照射して、ウエーハの仕上げ厚みに至る深さの改質領域を複数形成する外周部改質領域形成ステップを更に含むことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のチップの製造方法。
  8. ウエーハをエッジトリミングするエッジトリミング装置であって、
    該ウエーハを保持する保持面を有するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルを該保持面に垂直な回転軸を中心として回転させるチャックチャックテーブル回転ユニットと、
    該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを発振する発振器を含むレーザービーム照射ユニットと、
    該レーザービームによって改質領域が形成されたウエーハに対して外力を付与し、該改質領域に沿ってウエーハを分割する分割ユニットと、
    種々の構成要素を制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、
    該チャックチャックテーブル回転ユニットを回転させながら該発振器からレーザービームを発振させ、
    該ウエーハの外周縁から所定距離内側の位置で該外周縁に沿ってレーザービームを照射することを特徴とする、エッジトリミング装置。
  9. 該ウエーハに伸縮性を有するテープを貼着するテープ貼着ユニットを更に有し、
    該分割ユニットは、該テープ貼着ユニットによって該ウエーハに貼り付けられたテープを拡張することによって該ウエーハを分割することを特徴とする、請求項8に記載のエッジトリミング装置。
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