JP2021171989A - コンクリート成形用型枠およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性の少ない型枠本体に下塗りを行うことなく、超撥水剤の塗布を行うことができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供する。【解決手段】型面16の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層14を備えるコンクリート成形用型枠10であって、撥水層14が、粗面化処理された型枠本体12の表面16に設けられる。撥水層14が、疎水性酸化物微粒子を含む撥水剤により形成されてもよい。型枠本体12が、樹脂、塗装合板、鋼、ゴム、または、セラミックによって構成されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、主に建築、土木分野などで使用されるコンクリート成形用型枠およびその製造方法に関し、特に、優れた離型性を有するとともに、繰り返し使用が可能なコンクリート成形用型枠およびその製造方法に関するものである。
従来、コンクリートを成形するための型枠が知られている(例えば、特許文献1〜4を参照)。特許文献1に記載の型枠は、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が150°以上の撥水層を備えている。特許文献1のように、コンクリートと接する材料に超撥水処理(水に対する接触角が150°以上)を施し、水(水泡)の移動抵抗力を低減させた型枠を用いることで、コンクリートの表面気泡を低減させることが可能である。これにより、成形後のコンクリート表面が滑らかになるとともに、空気あばた等の窪みの発生が大幅に低減して、コンクリート表面の意匠性が向上する。
特開2016−8405号公報 特開2015−193245号公報 特開平11−100992号公報 特開平6−330623号公報
ところで、上記の特許文献1の型枠を製造する場合は、型枠本体に超撥水剤を塗布することによって撥水層を形成する。超撥水剤の塗布にあたっては、下塗り(例えばTSコート)および上塗り(例えばYSコート)を行う必要がある。下塗りは、刷毛などを使用することが多いが、樹脂製の型枠本体に塗布すると、図3に示すように塗り斑ができやすくなる。この痕はコンクリート表面に転写されてしまうおそれがある。また、樹脂製の型枠本体のような吸水性の少ないものに対して、下塗りを均一に行うことは困難である。このため、吸水性の少ない型枠本体に下塗りを行うことなく、超撥水剤の塗布を行うことができる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、吸水性の少ない型枠本体に下塗りを行うことなく、超撥水剤の塗布を行うことができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリート成形用型枠は、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるコンクリート成形用型枠であって、撥水層が、粗面化処理された型枠本体の表面に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、撥水層が、疎水性酸化物微粒子を含む撥水剤により形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、型枠本体が、樹脂、塗装合板、鋼、ゴム、または、セラミックで構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、粗面化処理された型枠本体の表面の粗さを示す算術平均粗さRaが0.3〜10μmであることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、撥水層は、水に対する接触角が150°以上のものであることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート成形用型枠の製造方法は、上述したコンクリート成形用型枠を製造する方法であって、型枠本体の表面の少なくとも一部を粗面化処理した後、粗面化処理した表面の少なくとも一部に、下塗りをすることなく撥水層を設けることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート成形用型枠によれば、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるコンクリート成形用型枠であって、撥水層が、粗面化処理された型枠本体の表面に設けられるので、型枠本体に下塗りすることなく撥水層を設けることができる。したがって、従来に比べて比較的容易に撥水性の型枠を得ることができるという効果を奏する。
図1(1)は、本発明に係るコンクリート成形用型枠およびその製造方法の実施の形態を示す概略断面図であり、(2)は変形例である。 図2は、本発明の効果の検証結果を示す写真図であり、右が本発明の実施例、左が比較例である。 図3は、下塗りの塗り斑の一例を示す写真図である。 図4は、測定結果の一例を示すテーブル図である。
以下に、本発明に係るコンクリート成形用型枠およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1(1)に示すように、本実施の形態に係るコンクリート成形用型枠10は、型枠本体12と、粗面化処理された型枠本体12の表面16(型面)に設けられる撥水層14とを備える。
[型枠本体]
型枠本体12は、吸水性の少ない材質で構成される。こうした材質として、例えば合成樹脂、天然樹脂、塗装合板、鋼、ゴム、セラミック、それらの複合材等を挙げることができる。型枠本体12の形状や大きさ等については、目的とするコンクリート成形体に応じて適宜設計することができ、成形体に溝を施したい場合は、目地棒を介在させることもできる。目地棒を介在させる場合には、目地棒は型枠本体12の一部を構成する。したがって、この場合の型枠本体12は目地棒も含む。目地棒を介在させる場合には、目地棒の粗面化処理した表面に撥水層を設けてもよい。
型枠本体12の表面16には、粗面化処理を施すことが必須である。下塗りの代わりに粗面化処理を施すことで、後述のとおり、表面16に対する下塗りと同等以上の効果が得られるので、撥水層14を塗工する際の下塗りが不要になる。粗面化処理が施された表面16に撥水層14を設けることにより、表面16と撥水層14の密着性向上を図ることができる。粗面化処理は、例えばサンドペパーなどで表面16を削ることにより行うことができる。サンドペパーは、目の粗さが例えば400番〜1000番のものを使用する。粗面化処理後の表面16の粗さについては、算術平均粗さ(Ra)を0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μmにするのがよい。凹凸の平均長さ(RSm)を100〜500μmとするとなおよい。表面16の粗さは、市販の表面粗さ測定機(例えば、サーフテストSJ−210:ミツトヨ社製)などを用いて容易に確認することができる。
図2は、本発明の効果を比較検証したものであり、右が本発明の実施例、左が比較例である。実施例は、樹脂製の型枠本体の表面に対し、粗面化処理を施して下塗りをせずに撥水層を塗布したもの、比較例は、粗面化処理をせずに下塗りをし撥水層を塗布したものである。この図より、粗面化処理を施した実施例は、下塗りをした比較例と同等以上の効果が得られることがわかる。
図4は、粗面化処理された型枠本体の表面の粗さの測定結果の一例である。型枠本体の材質には、アクリル、高級合板、塗装合板を使用した。アクリルと高級合板について、やすり(サンドペパー)で型枠本体に粗面化処理を施し、その表面に撥水層を設けた。塗装合板については粗面化処理をせずに使用した。粗さは、表面粗さ測定機(サーフテストSJ−210)を用いて測定した。使用したやすりの番手、測定されたRa平均値、RSm平均値、接触角、滑落角、これらから判断した撥水性、耐久性は図に示すとおりである。
[撥水層]
撥水層14は、水に対する接触角αが130°以上の撥水性の表面を有する層であり、より望ましくは150°以上の超撥水性の表面を有する層である。撥水性とは、水による濡れにくさを表す性質をいい、固体表面(本発明では撥水層14の表面)上に置かれた水滴の接触角が撥水性の指標になっている。一般には接触角が90°以上の場合には撥水性、110°から150°の場合には高撥水性、150°以上の場合には超撥水性とされる。材料の表面自由エネルギーを下げても接触角は120°が限界といわれており、それ以上を実現するには後述するように表面形状を特殊なものに加工する必要がある。
撥水層14によって表面張力が著しく高くなることで、打ち込み時に連行されたコンクリート中の気泡が撥水層14の外表面に接した際に、この外表面に沿って広がりやすくなり、コンクリート表面の気泡は従来よりも表面に沿って薄く、平べったいものとなる。しかも、この気泡は、型枠本体12の外部から加えられる小さな振動で上昇してコンクリート表面から容易に抜けやすい。したがって、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができる。
撥水層14は、粗面化処理された型枠本体12の表面16に対して、撥水剤(超撥水剤)を直接塗布することによって形成される。この際、表面16に対する下塗りは行わない。撥水剤は、疎水性酸化物微粒子からなる。疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものであってもよい。例えば、親水性酸化物微粒子をシランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば特に限定されない。例えばシリカ(二酸化珪素)、アルミナ、チタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知または市販のものを採用することができる。
例えば、シリカとしては、製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RX300」、「AEROSIL NX90G」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(以上、エボニック デグサ社製)、「サイロホービック−100」、「サイロホービック−200」、「サイロホービック−603」(以上、富士シリシア化学株式会社製)等が挙げられる。なお、AEROSIL、サイロホービックは登録商標である。
チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。なお、AEROXIDEは登録商標である。
この中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。とりわけ、より優れた撥水性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば上記「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RX300」、「AEROSIL NX90G」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、「AEROSIL R8200」(以上、エボニック デグサ社製)等が挙げられる。
疎水性酸化物微粒子の粒度は限定的ではないが、一次粒子平均径が3nm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、最も好ましくは5〜50nmである。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、その凝集体中にある空隙に空気等の気体を保持することができる結果、優れた離型性を発揮することができる。この凝集状態は、表面16の少なくとも一部(コンクリートと接する側の最表面)に付着した後も維持されるので、優れた離型性を発揮することができる。特に、一次粒子平均径が3〜100nmの疎水性酸化物微粒子を用いることにより、三次元網目状構造の表面を有するコンクリート成形用型枠10を得ることできる。
疎水性酸化物微粒子の撥水層14は、三次元網目状構造を有する多孔質状であるのが好ましく、その厚みは0.1〜500μm程度が好ましく、0.5〜20μm程度がさらに好ましい。このようなポーラスな状態で形成することにより、当該層に空気を多く含むことができ、より優れた離型性を発揮することができる。
なお、本発明において、一次粒子平均径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には透過型電子顕微鏡等の他の電子顕微鏡を併用して実施してもよい。具体的には、粒子形状が球状の場合はその直径、非球状の場合はその最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡等による観察により任意に選んだ50個分の粒子の直径の平均を一次粒子平均径とする。
疎水性酸化物微粒子の比表面積(BET法)は特に制限されないが、通常50〜300m/gが好ましく、100〜300m/gがさらに好ましい。
表面16への撥水剤の塗布に際しては、撥水剤(疎水性酸化物微粒子)をそのまま付与してもよいし(乾式方法)、あるいは撥水剤(疎水性酸化物微粒子)を溶媒に分散してなる分散液を塗工することにより付与してもよい(湿式方法)。本発明では、工業的に均一な塗膜(疎水性酸化物微粒子層)が得られやすく、しかも三次元網目状構造が得られやすいという見地より、後者の湿式方法が好ましい。
上記の分散液を用いる場合、分散液に用いる溶媒は、例えばアルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、IPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤を適宜選択することができる。この際、微量の分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤等を併用することもできる。溶媒に対する疎水性酸化物微粒子の分散量は通常10〜300g/L(リットル)程度、好ましくは30〜100g/L程度とすればよい。
また、分散液を塗工する方法も制限されず、例えばスプレー、刷毛、ローラー、浸漬等による塗布方法のほか、印刷方法(インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷)、滴下法等も採用することができる。塗布後は、室温〜150℃程度で適宜乾燥させればよい。
撥水剤(疎水性酸化物微粒子)を表面16に付与する場合の付与量は、通常は所望の離型性等に応じて適宜設定することができるが、固形分基準で例えば0.1〜100g/m程度、好ましくは0.5〜20.0g/m程度とすればよい。上記範囲内に設定することによって、より優れた離型性を長期にわたって得ることができる上、撥水剤(疎水性酸化物微粒子)の脱落抑制、コスト等の点でも一層有利となる。
上記のように構成したコンクリート成形用型枠10を製造する場合には、型枠本体12の表面16を粗面化処理し、その後、粗面化処理した表面16に対して、下塗りをすることなく撥水層14を設ける。このようにすれば、下塗りが不要となるので、撥水性の型枠を容易に得ることができる。
本実施の形態によれば、型枠本体12の表面16に下塗りすることなく撥水層14を設けることができ、従来に比べて比較的容易に撥水性の型枠を得ることができる。特に、樹脂製型枠、塗装合板製型枠、鋼製型枠、ゴム製型枠、セラミック製型枠のような吸水性の少ない型枠本体に下塗りを行うことなく、撥水剤(超撥水剤)の塗布を行うことができる。また、優れた離型性能を長期間にわたって持続的に発揮でき、従来の型枠のように使用のたびに離型液を型面に塗布する必要がなく、コンクリート成形後の繰り返し使用(いわゆる転用)が可能となる。コンクリート成形用型枠10を用いることにより、成形後のコンクリート表面が滑らかになるとともに、空気あばた等の窪みの発生が大幅に低減し、コンクリート表面の意匠性を向上することができる。また、型枠を転用する場合、サンドペパーなどで型枠の表面を粗面化処理し、撥水層を設けて上塗りをするだけで、超撥水性の型枠を容易に得ることができる。また、PC(プレキャストコンクリート)工場やトンネルのセントル等で多用される鋼製型枠のような吸水性がない型枠であっても、その表面に撥水層を容易に設けることができる。
(変形例)
上記の実施の形態においては、型枠本体12の表面16に直接、撥水層14を設ける場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図1(2)の変形例に示すように、粗面化処理が施された表面16に、後述の充填粒子含有層18を介して撥水層14を設けることにより、表面16と充填粒子含有層18、撥水層14の密着性向上を図ってもよい。このようにしても、上記と同様の作用効果を奏することができる。本発明は、型枠本体12のコンクリートと接する側の最表面に撥水層14を備えることが必須であり、充填粒子含有層18は必要に応じて介在させればよく、本発明の効果を損なわない範囲で、充填粒子含有層18以外の任意の層を介在させてもよい。
[充填粒子含有層]
充填粒子含有層18は、充填粒子がマトリックス中に分散した層である。この充填粒子含有層18を介在させることにより、コンクリート成形用型枠10の離型性をさらに長期間維持することができる。充填粒子としては、有機成分および無機成分の少なくとも1種を含む充填粒子を採用することができる。充填粒子含有層18を介在させる場合の付与量は、固形分基準で例えば0.1〜100g/m程度、好ましくは1.0〜20.0g/m程度とすればよい。上記範囲内に設定することによって、疎水性酸化物微粒子(撥水剤)のより優れた密着性を長期にわたって得ることができる上、充填粒子含有層18上に塗布された疎水性酸化物微粒子の脱落抑制、耐久性等の点でも有利となる。なお、充填粒子含有層18を付与する方法は、特に制限されるものではないが、例えばスプレー、刷毛、ローラー、浸漬等による塗布方法のほか、印刷方法、滴下法等も採用することができる。付与(塗工)の際は、下記マトリックスを適当な溶剤で希釈することもでき、付与後は、室温〜150℃程度で適宜乾燥させればよい。
無機成分としては、例えば1)アルミニウム、銅、鉄、チタン、銀、カルシウム等の金属またはこれらを含む合金または金属間化合物、2)酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄等の酸化物、3)リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等の無機酸塩または有機酸塩、4)ガラス、5)窒化アルミニウム、窒化硼素、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック等を好適に用いることができる。
有機成分としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等の有機高分子成分(または樹脂成分)を好適に用いることができる。
充填粒子含有層18の充填粒子は、無機成分からなる粒子あるいは有機成分からなる粒子のほか、無機成分および有機成分の両者を含む粒子を用いることができる。この中でも特に、アクリル系樹脂粒子、ポリエチレン系樹脂粒子、親水性シリカ粒子、リン酸カルシウム粒子、炭粉、焼成カルシウム粒子、未焼成カルシウム粒子、ステアリン酸カルシウム粒子等の少なくとも1種を用いることがより好ましい。
充填粒子の平均粒子径(レーザー回折式粒度分布計による)は0.3〜100μm程度が好ましく、1〜50μmがさらに好ましく、5〜30μmがよりさらに好ましく、20〜30μmが最も好ましい。0.3μm未満では取扱い性、凹凸形成等の点で不向きである。他方、100μmを超える場合は、充填粒子の脱落、分散性等の点で不向きである。充填粒子の形状は限定的でなく、例えば球状、回転楕円体状、不定形状、涙滴状、扁平状、中空状、多孔質状等のいずれであってもよい。
充填粒子含有層18を構成し、充填粒子を繋ぎとめるマトリックスとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、エラストマー、ワックスなどを採用できる。マトリックス中における充填粒子の含有量は、マトリックスの材質または充填粒子の種類、所望の物性等に応じて適宜変更できるが、一般的には固形分重量基準で1〜80重量%が好ましく、3〜50重量%がさらに好ましい。
充填粒子を含有させる方法(充填粒子をマトリックス中に分散させる方法)は、特に限定されないが、一般的にはマトリックスを形成するための原料(例えば、熱可塑性樹脂を含む組成物)に充填粒子を配合する方法等が挙げられる。混合する方法は、乾式混合または湿式混合のいずれであってもよい。
マトリックスが熱可塑性樹脂の場合、一般的に熱可塑性樹脂層の主成分は1)熱可塑性樹脂またはそれを構成するモノマーもしくはオリゴマー、2)溶剤、3)必要に応じて架橋剤等からなるため、それらの混合物中に充填粒子を添加混合すればよい。熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を採用することができる。例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂等のほか、これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組み合わせを含む共重合体、変性樹脂等を用いることができる。
マトリックスが熱硬化性樹脂の場合、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂等を採用することができる。マトリックスがエラストマーの場合、例えば、PVC−NBRブレンドエラストマー、ウレタン系エラストマー等を採用することができる。
以上説明したように、本発明に係るコンクリート成形用型枠によれば、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるコンクリート成形用型枠であって、撥水層が、粗面化処理された型枠本体の表面に設けられるので、型枠本体に下塗りすることなく撥水層を設けることができる。したがって、従来に比べて比較的容易に撥水性の型枠を得ることができる。
以上のように、本発明に係るコンクリート成形用型枠およびその製造方法は、建築、土木分野などで使用されるコンクリート成形用の型枠に有用であり、特に、離型性を維持して繰り返し使用を可能にするとともに、成形後のコンクリート表面の意匠性を向上するのに適している。
10 コンクリート成形用型枠
12 型枠本体
14 撥水層
16 表面(型面)
18 充填粒子含有層

Claims (6)

  1. 型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるコンクリート成形用型枠であって、
    撥水層が、粗面化処理された型枠本体の表面に設けられることを特徴とするコンクリート成形用型枠。
  2. 撥水層が、疎水性酸化物微粒子を含む撥水剤により形成されることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート成形用型枠。
  3. 型枠本体が、樹脂、塗装合板、鋼、ゴム、または、セラミックで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート成形用型枠。
  4. 粗面化処理された型枠本体の表面の粗さを示す算術平均粗さRaが0.3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンクリート成形用型枠。
  5. 撥水層は、水に対する接触角が150°以上のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンクリート成形用型枠。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンクリート成形用型枠を製造する方法であって、
    型枠本体の表面の少なくとも一部を粗面化処理した後、粗面化処理した表面の少なくとも一部に、下塗りをすることなく撥水層を設けることを特徴とするコンクリート成形用型枠の製造方法。
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