本発明は、身体の一部である対象箇所に湿布体を貼付することを補助する湿布体の貼付補助具に関する。
対象面側に貼付される粘着面と、布状の非粘着面とを有するシート状の湿布体の非粘着面側を一時的に保持する湿布保持面が設けられた板状の基板と、前記基板を使用者が保持するための基板保持部とを備え、前記湿布保持面は、前記湿布体の粘着面よりも弱い接着力で前記湿布体の非粘着面を仮貼りできるように構成され、使用者は、前記基板保持部を介して粘着面が露出した状態の前記湿布体を保持することができる特許文献1に記載の湿布体の貼付補助具が従来公知である。
上記文献では、使用者は、前記基板保持部と前記湿布保持面を介して粘着面が露出した状態の前記湿布体を保持することにより、前記湿布体を身体の一部である対象面側に貼付し易くなるとともに、前記湿布体を対象面側に貼付した後は、前記湿布体を前記湿布保持面からスムーズに剥すことができるものである。
しかし、前記湿布体の粘着面には、通常透明のフィルタが貼付されており、該湿布体を使用する直前にフィルタを粘着面から剥す必要があるところ、上記構成の湿布体の貼付補助具は、前記湿布保持面に透明のフィルタを剥した状態で前記湿布体を仮貼りすることも、前記湿布保持面に前記湿布体を仮貼りした状態で粘着面から透明のフィルタを剥すことも簡単ではなく、準備段階の作業性に問題があるという課題があった。
本発明は、対象面側への湿布体の貼付作業を補助する湿布体の貼付補助具において、前記湿布体の非粘着面を前記湿布保持面に着脱可能に接着させる仮貼り作業をよりスムーズにすることができる湿布体の貼付補助具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、第1に、対象面側に貼付される粘着面と、布状の非粘着面とを有するシート状の湿布体の非粘着面側が一時的に接着される湿布保持面を有する板状の基板と、前記基板を使用者が保持するための基板保持部とを備え、前記湿布保持面は、前記湿布体の粘着面よりも弱い接着力で前記湿布体の非粘着面を仮貼りできるように構成され、前記湿布体の非粘着面の前記湿布保持面への仮貼り作業を補助する補助具を設け、前記補助具は、前記湿布体の粘着面が一時的に接着される仮貼補助面が形成されたことを特徴としている。
第2に、前記仮貼補助面は、該仮貼補助面と前記湿布体の粘着面との間の接着力が、前記湿布保持面と前記湿布体の非粘着面との間の接着力よりも弱くなるように構成されたことを特徴としている。
第3に、前記仮貼補助面は、前記湿布体の粘着面が剥離可能に接着するための凹凸が形成されたことを特徴としている。
第4に、前記仮貼補助面は、シート状のメッシュ体と、該メッシュ体を支持する支持面とにより構成されたことを特徴としている。
第5に、前記基板保持部は、板状の前記基板の端部側同士を架渡すように設けられた帯状に形成され、前記基板の前記湿布保持面と反対側の面と、前記保持体との間に使用者の手を差込むことのできるスペースが形成されたことを特徴としている。
第6に、前記基板保持部は、方形状の前記基板の長辺同士を架渡すことにより短辺よりも幅広な帯状に形成され、前記基板保持部の一端側に、使用者の手を差込むことができる保持孔が形成されたことを特徴としている。
第7に、前記湿布保持面は、前記湿布体の非粘着面の形状に沿った枠状の突設部が形成され、枠状の前記突設部の内側に前記湿布体の非粘着面を着脱可能に仮貼りするテープ状の接着部が設けられたことを特徴としている。
第8に、前記接着部は、前記突設部の内側に格子状に配置されたことを特徴としている。
前記補助具は、前記湿布体の粘着面が一時的に接着される仮貼補助面が形成されたことにより、使用者は、前記仮貼補助面により前記湿布の粘着面を覆って隠した状態で、前記湿布の非粘着面側を前記基板の湿布保持面側に仮貼りすることができるため、前記仮貼り作業の作業性が格段に向上する。
また、前記仮貼補助面は、該仮貼補助面と前記湿布体の粘着面との間の接着力が、前記湿布保持面と前記湿布体の非粘着面との間の接着力よりも弱くなるように構成されたものによれば、前記湿布保持面に前記湿布を仮貼りした後に、前記湿布の粘着面から前記補助具をスムーズに取外すことができる。
また、前記仮貼補助面は、前記湿布体の粘着面が剥離可能に接着するための凹凸が形成されたものによれば、前記湿布保持面に前記湿布体を仮貼りした後に、前記湿布面の粘着面から前記仮貼補助面をスムーズに剥すことができる。
また、前記仮貼補助面は、シート状のメッシュ体と、該メッシュ体を支持する支持面とにより構成されたものによれば、簡易且つ安価な構成で前記仮貼補助面を形成できるとともに、該メッシュ体の目の粗さを変更することにより、前記湿布体の粘着面の前記仮貼補助面への粘着力の調整・変更を容易に行うことができる。
また、前記基板保持部は、板状の前記基板の端部側同士を架渡すように設けられた円弧状の帯状の保持体を有し、前記基板の前記湿布保持面と反対側の面と、前記保持体との間に使用者の手を差込むことのできるスペースが形成されたものによれば、簡易且つ低コストな構成で前記基板が保持できるとともに、使用者は、前記湿布体を手の平に固定する感覚で保持できるため、前記湿布体の対象面側への貼付作業の作業性が向上する。
また、前記保持体は、長方形状の前記基板の長辺同士を架渡すことにより短辺よりも幅広な帯状に形成され、前記保持体の一端側に、使用者の手を差込むことができる保持孔が形成されたものによれば、使用者の手を円弧状の前記保持体と前記基板との間にスペースに差込むことにより、使用者の手の指の方向に前記湿布体の長手方向を沿わせた向きで前記湿布体を保持できる一方で、使用者の手を前記保持孔に差込むことにより、使用者の手の指の方向に前記湿布体の長手方向を直交させた向きで前記湿布体を保持できるため、前記湿布体を貼付する作業性・汎用性が向上する。
また、前記湿布保持面は、前記湿布体の非粘着面の形状に沿った枠状の突設部が形成され、枠状の前記突設部の内側に前記湿布体の非粘着面を着脱可能に仮貼りするテープ状の接着部が設けられたものによれば、前記湿布体を対象面側に貼付した後に、前記湿布保持面に仮貼りされた前記湿布体の非粘着面をスムーズ且つきれいに剥し易くなる。
なお、前記接着部は、前記突設部の内側に格子状に配置されたものによれば、前記接着部を設ける密度を調整することによって前記湿布保持面によって前記湿布体を仮貼りする接着力を容易に調整できるため、例えば非接着面の素材が異なる湿布体を使用する場合であっても、前記湿布保持面による仮貼りに適した接着力となるように容易に変更・調整できるため、汎用性が向上する。
本体部を示した全体斜視図である。
(A)及び(B)は、本体部を示したA−A断面図である。
本体部を示した底面図である。
仮貼補助具を示した図である。
(A)は、別実施例1の仮貼補助面の示した要部斜視図であり、(B)及び(C)は、別実施例2の仮貼補助面を示した要部平面図及びB−B断面図である。
(A)乃至(D)は、湿布保持面への湿布の仮貼り作業を示した図である。
(A)乃至(C)は、本体部を用いた対象面への湿布の貼付作業を示した図である。
図1乃至4に基づき、本発明の湿布体の貼付補助具の実施例について説明する。図1は、本体部を示した全体斜視図であり、図2は、本体部を示したA−A断面図であり、図3は、本体部を示した底面図であり、図4は、仮貼補助具を示した図である。図1乃至4に示されるように、本発明の湿布体の貼付補助具は、薬剤等を含んだ粘着面1Aと、布状の非粘着面1Bとを有するシート状の湿布(湿布体)1を、身体の一部である対象面側に貼付する作業を補助する本体部2と、該本体部2に前記湿布を仮貼りする作業を補助する仮貼補助具(補助具)3とを備えている。
前記本体部2は、図1乃至3に示されるように、湿布の形状に合わせて長方形に形成された板状部材である基板6と、使用者が前記基板6を片手で保持するための基板保持部7とを備えている。
前記基板6は、一方側の面(下面)に前記湿布の非粘着面側を着脱可能に接着して一時的に保持(以下、仮貼り)することができる湿布保持面8が形成されており、該湿布保持面8には、前記湿布の外形に沿って枠状に形成された突設部9と、枠状の前記突設部9の内側に設けられて前記湿布の非粘着面側を着脱可能に接着(仮貼り)する接着部11とから構成されている(図2及び図3参照)。
上記接着部11は、通常、布状、又や不織布状の部材で形成された前記湿布の非粘着面1B側と着脱可能な両面テープや、面ファスナー等であって、前記突設部9により構成される枠の内側の面に格子状に設けられている(図3参照)。なお、前記接着部11の配列パターンは格子状には限られない。
該構成によれば、前記湿布保持面8は、前記接着部11の接着力により前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りされることによって、前記湿布1を適度な接着力にて一時的に保持することができる。また、該構成によれば、湿布の製品によって非粘着面1B側の素材が異なる場合であっても、テープ状の接着部11の幅を変更したり、格子状に配置した接着部11の密度を変更・調整したりすることによって、前記湿布保持面8に前記湿布を仮貼りする際の接着力を容易に調整できる。
ちなみに、前記湿布保持面8は、該湿布保持面8に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした際の接着力が、前記湿布の粘着面1Aを人肌等の対象面側に接着させた際の接着力よりも弱くなるように構成されている。
これにより、粘着面1Aを露出させた状態の前記湿布1を前記湿布保持面8に仮貼りした状態の前記本体部2を用いて、前記湿布1を人肌等の対象面に貼付した後、使用者は、対象面に貼付された前記湿布の非粘着面1Bから、前記本体部2をスムーズに取外す(剥す)ことができる。前記本体部2の具体的な使用方法については後述する。
上記突設部9は、前記湿布保持面8の外縁側に設けられた枠状の突起であって、前記湿布1の外周側と略同程度の大きさに構成されている(図2及び図3参照)。これにより、前記湿布保持面8に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした場合に、前記湿布の周縁側だけは、前記突起部9により湿布保持面側に接着することが規制され、該湿布保持面8から浮いた状態で仮貼りされるように構成されている。
該構成によれば、前記本体部2(湿布保持面8)に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした状態で、前記湿布の粘着面1Aを人肌等の対象面側に貼付する際に、前記湿布の中心側から前記突起部9側(湿布の周縁側)に向けて空気を押出すように貼ることにより、前記湿布と前記対象面との間に入り込む空気を湿布の外に押出す際の逃げ道を最後まで残し易くなる。このため、前記湿布を対象面側との間に空気を残すことなく綺麗に貼付することができるようになる。
また、前記突起部9によれば、前記湿布の非粘着面1Bと前記本体部2(湿布保持面8)の外周縁側との仮貼り(接着)を規制することができるため、前記湿布を対象面側に貼付した後に、前記湿布を対象面側に残したまま前記本体部2のみを前記湿布の非粘着面1Bから剥す作業をよりスムーズに行うことができる。
また、上述の前記基板6は、伸縮・変形可能で且つ、変形した後も形状が元に戻って型崩れし難い形状記憶ポリマー等の素材によって構成されており、前記湿布保持面も前記対象面の形状に合わせて湾曲させることが容易に構成されている。これにより、対象面が曲面であっても該対象面に応じて前記基板を曲げることができるため、前記湿布をスムーズに貼付することができる。
前記基板保持部7は、前記基板の長手方向の端部同士の間を連結するように円弧状に屈曲形成され、前記基板6の長手方向と略同程度の幅を有する帯状部材であって、一方側の端部に使用者の手を差込むことができる程度の補助保持孔(保持孔)12と、該補助保持孔12を開閉する開閉フラップ(開閉部)13が形成されており、該基板保持部7の外周側には、前記補助保持孔12が穿設された補強カバー(以下、単にカバー体)14が取付けられている(図1及び図2参照)。
該基板保持部7は、前記基板6の前記湿布保持面8と反対側の面を架渡すように構成されることにより、前記基板6の前記湿布保持面8の反対側の面と該基板保持部7との間に、使用者の手を差込むことができる半円柱状のスペースである本体保持孔16を形成することができる。
該構成によれば、前記基板6側に手の平を向けた(前記基板保持部7側に手の甲を向けた)状態で、使用者の手を前記保持孔16に差込むことにより、前記基板6(湿布保持面8に仮貼りした前記湿布)を使用者の手の平に載せるような(添わせるような)感覚で前記本体部2を保持することができる。
上記補助保持孔12は、前記基板保持部7の一端側である前記基端近傍に設けられており、使用者の手を差込むことができるように前記基板6の長手方向に沿った長孔状に形成されている(図1参照)。
該補助保持孔12は、図示する例では、前記基板保持部7の一端側に設けられた前記カバー体14に穿設されており、前記基板保持部7側に形成した前記開閉フラップ13によって開閉可能に構成されている(図1及び図2参照)。
上記開閉フラップ13は、帯状部材である前記基板保持部7の一端側にコ字状の切込みを入れることにより形成されており、前記基板6と同様に外力によって変形が容易で、外力を解くことにより元の形状に戻る素材を用いて構成されている。
これにより、前記開閉フラップ13は、通常は前記補助保持孔12を閉じた閉姿勢で保持されているが(図2(A)参照)、使用者が前記補助保持孔12を介して前記開閉フラップ13を押込むように手を差込むことにより該開閉フラップ13がスムーズに開状態に切換えられるように構成されている。また、使用者が前記補助保持孔12から手を抜くことにより、前記開閉フラップ13が自動的に閉姿勢に戻るように構成されている。
上記カバー体14は、前記開閉フラップ13よりも一回り大きく形成されており、該上記カバー体14に形成された前記補助保持孔12は、使用者の手の平のすべてか、少なくとも、親指を除く指4本を差込むことができるよう大きさに形成されている。
上述の構成によれば、使用者は、前記本体保持部7によって形成される前記本体保持孔16に手を差込むことにより、前記本体部2に仮貼りされた前記湿布を、長手方向を使用者の指の方向に沿わせた向きで保持することができる一方で、前記カバー体13側の前記補助保持孔12に手を差込むことにより、前記本体部2に仮貼りされた前記湿布を、長手方向を使用者の指の方向に直交させた向きで保持することができる。
すなわち、前記本体保持部7によれば、前記本体部2を介して仮貼りされた前記湿布1を保持する際に、使用者の手の指の方向に対する前記湿布1の向きを用途に合わせて変更することができるため、汎用性がより向上する。
また、前記補助保持孔12は、使用されない状態、言い換えると、使用者が前記本体保持孔16側に手を差込む場合には、該補助保持孔12が前記開閉フラップ13によって閉じられているため、前記補助保持孔12の存在によって、前記本体部2の使用感が損なわれることを防止することができる。
次に、図4に基づき、前記仮貼補助具の構成について説明する。図示されるように、前記仮貼補助具3は、前記湿布の粘着面1A側が着脱可能に接着される仮貼補助面21が形成されており、該仮貼補助面21は、前記湿布1(の粘着面)より一回り大きく形成されたシート状のメッシュ部材22を、シート状の支持体23に貼付するようにして取付固定することにより形成されている。
このとき、前記支持体23の前記メッシュ部材22が配置される側の表面は、凹凸がなく前記湿布の粘着面が接着し難い素材を用いることが好ましい。
該構成により、前記仮貼補助面21は、シート状の前記メッシュ部材22と、前記支持体23とによって、その表面に細かい凹凸が形成されることにより、前記湿布の粘着面1Aが接着された際に、前記仮貼補助面21と前記湿布の粘着面1Aとの接触面積が非常に小さくなる。このため、前記湿布の粘着面1A側は、容易に再離脱可能な接着力で前記仮貼補助面21側に貼り付けることができる。
このとき、前記仮貼補助面21(メッシュ部材22)は、前記湿布よりも若干(図示する例では5〜10mm程度)大きく形成されることにより、前記湿布の粘着面1Aの前記仮貼補助面21への接着作業をスムーズに行うことができる。
ちなみに、前記仮貼補助面21は、該仮貼補助面21に前記湿布の粘着面1Aを接着した際の接着力が、前記湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8に仮貼りした際の接着力よりも弱くなるように構成されている。
これにより、前記仮貼補助面21に前記湿布の粘着面1Aを接着させることにより、該粘着面1Aを露出させない状態で、前記湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8側に仮貼りする仮貼り作業を行うことができるため、仮貼り作業の作業性が向上する。さらに、前記仮貼り作業が完了した後に、前記湿布の粘着面1A側から前記仮貼補助具3をスムーズに取外す(剥す)ことができる。
すなわち、前記仮貼補助具3を用いることにより、通常の製品において前記湿布の粘着面側に接着されている透明の剥離シート(図示しない)を予め剥し、粘着面を露出させた状態の前記湿布の非粘着面1B側を、前記本体部2の湿布保持面8側に接着させる仮貼り作業をスムーズ且つ容易に行うことができる。
より具体的に説明すると、前記仮貼補助具3を用いることにより、前記湿布の非粘着面1Bを前記本体部2(湿布保持面8)側に仮貼りした後に、通常の製品の前記湿布の粘着面側に接着されている透明の剥離シートを剥そうとすると、粘着面1Aと剥離シートとの間の接着力が強いため、該剥離シートを剥した拍子に前記湿布の非粘着面1Bが前記湿布保持部8から外れ易いという課題や、前記剥離シートを剥した状態で前記湿布の非粘着面を前記湿布保持面に仮貼りしようとすると、露出した粘着面が手に接着する等して仮貼り作業が困難となるという課題を解決することができる。前記仮貼補助具3の具体的な使用方法については後述する。
次に、図5に基づき、前記仮貼補助面の別実施例について説明する。図5(A)は、別実施例1の仮貼補助面の示した要部斜視図であり、図5(B)及び(C)は、別実施例2の仮貼補助面を示した要部平面図及びB−B断面図である。
前記仮貼補助具3は、前記仮貼補助面21と前記湿布の粘着面1Aとの間の接触面積が小さくなるように構成されたものであれば良く、上述のようにメッシュ部材22を設けたことにより仮貼補助面21に凹凸面を形成したものには限られない。例えば、前記仮貼補助面21の表面にドット体(図示する例では円柱状の突起)26を並べて配置した構成(図5(A)参照)であっても、表面に沿って設けた三角柱状の突起体27を格子状に配置した構成(図5(B)及び(C)参照)であっても良い。なお、前記仮貼補助面21は、前記湿布の粘着面1Aと再接着可能なように弱い接着力で接着される形状であれば上述のものにも限られない。
また、該仮貼補助面21は、シート状部材の表面に凹凸を形成する部材を印刷することによって形成しても良い。さらに、該仮貼補助面21は、粘着力のない凹部と、前記粘着面1Aと接着される凸部による凹凸に限られず、凸部側に粘着力がなく、凹部側が粘着面1Aと接着することにより、湿布の粘着面1A側に接着されるように構成しても良い。
次に、図6及び図7に基づき、上述の湿布の貼付補助具の使い方について説明する。図6(A)乃至(D)は、湿布保持面への湿布の仮貼り作業を示した図である。
上述の仮貼り作業は、まず、剥離シート(図示しない)が剥されて粘着面1Aが露出した状態の湿布1を用意し、該粘着面1Aに前記仮貼補助具3の仮貼補助面21を一時的に接着させ、前記湿布の粘着面1Aを覆う(図6(A)参照)。
続いて、前記仮貼補助具3が取付けられた状態の前記湿布の非粘着面1B側を、前記本体部2の前記湿布保持面8側に着脱可能に接着させる仮貼り作業を実行する(図6(B)参照)。これにより、使用者は、湿布の粘着面1Aの粘着力を気にすることなく、湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8側へ貼り付けることができるため、仮貼り作業を容易且つスムーズに行うことができる。
続いて、前記本体部2側に前記湿布が仮張りされた湿布の粘着面1A側から、前記仮貼補助具3(仮貼補助面21)を剥す(図6(C)参照)。このとき、上述の前記仮貼補助面21と湿布の粘着面1Aとの間の接着力が、前記湿布保持面8と湿布の非粘着面1Bとの間の接着力より弱いため、前記仮貼補助具3を前記湿布の粘着面1A側からスムーズに取外すことができる。そのため、ここからは、使用者は、前記本体保持孔16又は、補助保持孔12に手を差込んだ状態で作業を行うことができる。
以上により、前記仮貼補助具3を用いることにより、湿布の粘着面1Aを露出させた状態で、前記本体部2(湿布保持面8)に前記湿布の非粘着面1Bを着脱可能な状態で接着する仮貼り作業をスムーズに行うことができる(図6(D)参照)。
図7(A)乃至(C)は、本体部を用いた対象面への湿布の貼付作業を示した図である。上述の例により、使用者は、前記本体保持孔16又は補助保持孔12に手を差込んだ状態で、湿布が仮貼りされた前記本体部2を保持することにより、前記湿布保持面8を介して、手の平に粘着面1Aを露出した状態の前記湿布を保持することができるため、対象面(自身の身体に湿布を貼る患部)Xに手の平を載せる感覚で、前記湿布を対象面Xに貼付する(図7(A)参照)。
続いて、使用者は、前記保持体2を保持した状態で、手を対象面Xから離すことにより、自然と前記湿布の非粘着面1Bから前記湿布保持面8が離脱する(図7(B)参照)。以上により、対象面Xに湿布を貼ることができる(図7(C)参照)。
上述の構成によれば、使用者は、前記湿布が仮貼りされた前記本体部2を用いることにより、首筋、肩、背中、腰、太腿、脹脛など手の届く範囲内であれば、前記湿布を簡単且つキレイに貼ることができる。なお、前記本体部2によれば、通常のサイズ(湿布保持面8と同程度のサイズ)の湿布の他、約半分の大きさに形成された湿布であっても同様に使用することができる。
1 湿布(湿布体)
1A 粘着面
1B 非粘着面
3 仮貼補助具(補助具)
6 基板
7 基板保持部
8 湿布保持面
9 突設部
11 接着部
12 補助保持孔(保持孔)
22 メッシュ部材(メッシュ体)
23 支持体
本発明は、身体の一部である対象箇所に湿布体を貼付することを補助する湿布体の貼付補助具に関する。
対象面側に貼付される粘着面と、布状の非粘着面とを有するシート状の湿布体の非粘着面側を一時的に保持する湿布保持面が設けられた板状の基板と、前記基板を使用者が保持するための基板保持部とを備え、前記湿布保持面は、前記湿布体の粘着面よりも弱い接着力で前記湿布体の非粘着面を仮貼りできるように構成され、使用者は、前記基板保持部を介して粘着面が露出した状態の前記湿布体を保持することができる特許文献1に記載の湿布体の貼付補助具が従来公知である。
上記文献では、使用者は、前記基板保持部と前記湿布保持面を介して粘着面が露出した状態の前記湿布体を保持することにより、前記湿布体を身体の一部である対象面側に貼付し易くなるとともに、前記湿布体を対象面側に貼付した後は、前記湿布体を前記湿布保持面からスムーズに剥すことができるものである。
しかし、前記湿布体の粘着面には、通常透明のフィルタが貼付されており、該湿布体を使用する直前にフィルタを粘着面から剥す必要があるところ、上記構成の湿布体の貼付補助具は、前記湿布保持面に透明のフィルタを剥した状態で前記湿布体を仮貼りすることも、前記湿布保持面に前記湿布体を仮貼りした状態で粘着面から透明のフィルタを剥すことも簡単ではなく、準備段階の作業性に問題があるという課題があった。
本発明は、対象面側への湿布体の貼付作業を補助する湿布体の貼付補助具において、前記湿布体の非粘着面を前記湿布保持面に着脱可能に接着させる仮貼り作業をよりスムーズにすることができる湿布体の貼付補助具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、第1に、対象面側に貼付される粘着面と、布状の非粘着面とを有するシート状の湿布体の非粘着面側が一時的に接着される湿布保持面を有する板状の基板と、前記基板を使用者が保持するための基板保持部とを備え、前記湿布保持面は、前記湿布体の粘着面よりも弱い接着力で前記湿布体の非粘着面を仮貼りできるように構成され、前記湿布体の非粘着面の前記湿布保持面への仮貼り作業を補助する補助具を設け、前記補助具は、前記湿布体の粘着面が一時的に接着される仮貼補助面が形成され、前記補助具は、前記基板と別体で構成し、前記湿布体の非粘着面を前記湿布保持面へ接着させた後に前記湿布体の粘着面から剥すことにより、前記粘着面を露出させた状態で前記湿布体の非粘着面を前記湿布保持面に仮貼りすることができるように構成されたことを特徴としている。
第2に、対象面側に貼付される粘着面と、非粘着面とを有するシート状の湿布体の非粘着面側を一時的に保持する湿布保持面が設けられた板状の基板と、前記基板を使用者が保持するための基板保持部とを備え、前記湿布保持面は、前記湿布体の粘着面よりも弱い接着力で前記湿布体の非粘着面を接着する仮貼りができるように構成され、前記湿布体の非粘着面の前記湿布保持面への仮貼り作業を補助する補助具を設け、前記補助具は、前記湿布体の粘着面が一時的に接着される仮貼補助面が形成され、前記基板保持部は、板状の前記基板の端部側同士を架渡すように設けられた帯状に形成され、前記基板の前記湿布保持面と反対側の面との間に使用者の手を差込むことのできるスペースが形成され、前記基板保持部は、方形状の前記基板の長辺同士を架渡すことにより短辺よりも幅広な帯状に形成され、前記基板保持部の一端側に、使用者の手を差込むことができる保持孔が形成されたことを特徴としている。
第3に、前記仮貼補助面は、該仮貼補助面と前記湿布体の粘着面との間の接着力が、前記湿布保持面と前記湿布体の非粘着面との間の接着力よりも弱くなるように構成されたことを特徴としている。
第4に、前記仮貼補助面は、前記湿布体の粘着面が剥離可能に接着するための凹凸が形成されたことを特徴としている。
第5に、前記仮貼補助面は、シート状のメッシュ体と、該メッシュ体を支持する支持面とにより構成されたことを特徴としている。
第6に、前記湿布保持面は、前記湿布体の非粘着面の形状に沿った枠状の突設部が形成され、枠状の前記突設部の内側に前記湿布体の非粘着面を着脱可能に仮貼りするテープ状の接着部が設けられたことを特徴としている。
第7に、前記接着部は、前記突設部の内側に格子状に配置されたことを特徴としている。
前記補助具は、前記湿布体の粘着面が一時的に接着される仮貼補助面が形成されたことにより、使用者は、前記仮貼補助面により前記湿布の粘着面を覆って隠した状態で、前記湿布の非粘着面側を前記基板の湿布保持面側に仮貼りすることができるため、前記仮貼り作業の作業性が格段に向上する。
また、前記仮貼補助面は、該仮貼補助面と前記湿布体の粘着面との間の接着力が、前記湿布保持面と前記湿布体の非粘着面との間の接着力よりも弱くなるように構成されたものによれば、前記湿布保持面に前記湿布を仮貼りした後に、前記湿布の粘着面から前記補助具をスムーズに取外すことができる。
また、前記仮貼補助面は、前記湿布体の粘着面が剥離可能に接着するための凹凸が形成されたものによれば、前記湿布保持面に前記湿布体を仮貼りした後に、前記湿布面の粘着面から前記仮貼補助面をスムーズに剥すことができる。
また、前記仮貼補助面は、シート状のメッシュ体と、該メッシュ体を支持する支持面とにより構成されたものによれば、簡易且つ安価な構成で前記仮貼補助面を形成できるとともに、該メッシュ体の目の粗さを変更することにより、前記湿布体の粘着面の前記仮貼補助面への粘着力の調整・変更を容易に行うことができる。
また、前記基板保持部は、板状の前記基板の端部側同士を架渡すように設けられた円弧状の帯状の保持体を有し、前記基板の前記湿布保持面と反対側の面と、前記保持体との間に使用者の手を差込むことのできるスペースが形成されたものによれば、簡易且つ低コストな構成で前記基板が保持できるとともに、使用者は、前記湿布体を手の平に固定する感覚で保持できるため、前記湿布体の対象面側への貼付作業の作業性が向上する。
また、前記保持体は、長方形状の前記基板の長辺同士を架渡すことにより短辺よりも幅広な帯状に形成され、前記保持体の一端側に、使用者の手を差込むことができる保持孔が形成されたものによれば、使用者の手を円弧状の前記保持体と前記基板との間にスペースに差込むことにより、使用者の手の指の方向に前記湿布体の長手方向を沿わせた向きで前記湿布体を保持できる一方で、使用者の手を前記保持孔に差込むことにより、使用者の手の指の方向に前記湿布体の長手方向を直交させた向きで前記湿布体を保持できるため、前記湿布体を貼付する作業性・汎用性が向上する。
また、前記湿布保持面は、前記湿布体の非粘着面の形状に沿った枠状の突設部が形成され、枠状の前記突設部の内側に前記湿布体の非粘着面を着脱可能に仮貼りするテープ状の接着部が設けられたものによれば、前記湿布体を対象面側に貼付した後に、前記湿布保持面に仮貼りされた前記湿布体の非粘着面をスムーズ且つきれいに剥し易くなる。
なお、前記接着部は、前記突設部の内側に格子状に配置されたものによれば、前記接着部を設ける密度を調整することによって前記湿布保持面によって前記湿布体を仮貼りする接着力を容易に調整できるため、例えば非接着面の素材が異なる湿布体を使用する場合であっても、前記湿布保持面による仮貼りに適した接着力となるように容易に変更・調整できるため、汎用性が向上する。
本体部を示した全体斜視図である。
(A)及び(B)は、本体部を示したA−A断面図である。
本体部を示した底面図である。
仮貼補助具を示した図である。
(A)は、別実施例1の仮貼補助面の示した要部斜視図であり、(B)及び(C)は、別実施例2の仮貼補助面を示した要部平面図及びB−B断面図である。
(A)乃至(D)は、湿布保持面への湿布の仮貼り作業を示した図である。
(A)乃至(C)は、本体部を用いた対象面への湿布の貼付作業を示した図である。
図1乃至4に基づき、本発明の湿布体の貼付補助具の実施例について説明する。図1は、本体部を示した全体斜視図であり、図2は、本体部を示したA−A断面図であり、図3は、本体部を示した底面図であり、図4は、仮貼補助具を示した図である。図1乃至4に示されるように、本発明の湿布体の貼付補助具は、薬剤等を含んだ粘着面1Aと、布状の非粘着面1Bとを有するシート状の湿布(湿布体)1を、身体の一部である対象面側に貼付する作業を補助する本体部2と、該本体部2に前記湿布を仮貼りする作業を補助する仮貼補助具(補助具)3とを備えている。
前記本体部2は、図1乃至3に示されるように、湿布の形状に合わせて長方形に形成された板状部材である基板6と、使用者が前記基板6を片手で保持するための基板保持部7とを備えている。
前記基板6は、一方側の面(下面)に前記湿布の非粘着面側を着脱可能に接着して一時的に保持(以下、仮貼り)することができる湿布保持面8が形成されており、該湿布保持面8には、前記湿布の外形に沿って枠状に形成された突設部9と、枠状の前記突設部9の内側に設けられて前記湿布の非粘着面側を着脱可能に接着(仮貼り)する接着部11とから構成されている(図2及び図3参照)。
上記接着部11は、通常、布状、又や不織布状の部材で形成された前記湿布の非粘着面1B側と着脱可能な両面テープや、面ファスナー等であって、前記突設部9により構成される枠の内側の面に格子状に設けられている(図3参照)。なお、前記接着部11の配列パターンは格子状には限られない。
該構成によれば、前記湿布保持面8は、前記接着部11の接着力により前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りされることによって、前記湿布1を適度な接着力にて一時的に保持することができる。また、該構成によれば、湿布の製品によって非粘着面1B側の素材が異なる場合であっても、テープ状の接着部11の幅を変更したり、格子状に配置した接着部11の密度を変更・調整したりすることによって、前記湿布保持面8に前記湿布を仮貼りする際の接着力を容易に調整できる。
ちなみに、前記湿布保持面8は、該湿布保持面8に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした際の接着力が、前記湿布の粘着面1Aを人肌等の対象面側に接着させた際の接着力よりも弱くなるように構成されている。
これにより、粘着面1Aを露出させた状態の前記湿布1を前記湿布保持面8に仮貼りした状態の前記本体部2を用いて、前記湿布1を人肌等の対象面に貼付した後、使用者は、対象面に貼付された前記湿布の非粘着面1Bから、前記本体部2をスムーズに取外す(剥す)ことができる。前記本体部2の具体的な使用方法については後述する。
上記突設部9は、前記湿布保持面8の外縁側に設けられた枠状の突起であって、前記湿布1の外周側と略同程度の大きさに構成されている(図2及び図3参照)。これにより、前記湿布保持面8に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした場合に、前記湿布の周縁側だけは、前記突起部9により湿布保持面側に接着することが規制され、該湿布保持面8から浮いた状態で仮貼りされるように構成されている。
該構成によれば、前記本体部2(湿布保持面8)に前記湿布の非粘着面1Bを仮貼りした状態で、前記湿布の粘着面1Aを人肌等の対象面側に貼付する際に、前記湿布の中心側から前記突起部9側(湿布の周縁側)に向けて空気を押出すように貼ることにより、前記湿布と前記対象面との間に入り込む空気を湿布の外に押出す際の逃げ道を最後まで残し易くなる。このため、前記湿布を対象面側との間に空気を残すことなく綺麗に貼付することができるようになる。
また、前記突起部9によれば、前記湿布の非粘着面1Bと前記本体部2(湿布保持面8)の外周縁側との仮貼り(接着)を規制することができるため、前記湿布を対象面側に貼付した後に、前記湿布を対象面側に残したまま前記本体部2のみを前記湿布の非粘着面1Bから剥す作業をよりスムーズに行うことができる。
また、上述の前記基板6は、伸縮・変形可能で且つ、変形した後も形状が元に戻って型崩れし難い形状記憶ポリマー等の素材によって構成されており、前記湿布保持面も前記対象面の形状に合わせて湾曲させることが容易に構成されている。これにより、対象面が曲面であっても該対象面に応じて前記基板を曲げることができるため、前記湿布をスムーズに貼付することができる。
前記基板保持部7は、前記基板の長手方向の端部同士の間を連結するように円弧状に屈曲形成され、前記基板6の長手方向と略同程度の幅を有する帯状部材であって、一方側の端部に使用者の手を差込むことができる程度の補助保持孔(保持孔)12と、該補助保持孔12を開閉する開閉フラップ(開閉部)13が形成されており、該基板保持部7の外周側には、前記補助保持孔12が穿設された補強カバー(以下、単にカバー体)14が取付けられている(図1及び図2参照)。
該基板保持部7は、前記基板6の前記湿布保持面8と反対側の面を架渡すように構成されることにより、前記基板6の前記湿布保持面8の反対側の面と該基板保持部7との間に、使用者の手を差込むことができる半円柱状のスペースである本体保持孔16を形成することができる。
該構成によれば、前記基板6側に手の平を向けた(前記基板保持部7側に手の甲を向けた)状態で、使用者の手を前記保持孔16に差込むことにより、前記基板6(湿布保持面8に仮貼りした前記湿布)を使用者の手の平に載せるような(添わせるような)感覚で前記本体部2を保持することができる。
上記補助保持孔12は、前記基板保持部7の一端側である前記基端近傍に設けられており、使用者の手を差込むことができるように前記基板6の長手方向に沿った長孔状に形成されている(図1参照)。
該補助保持孔12は、図示する例では、前記基板保持部7の一端側に設けられた前記カバー体14に穿設されており、前記基板保持部7側に形成した前記開閉フラップ13によって開閉可能に構成されている(図1及び図2参照)。
上記開閉フラップ13は、帯状部材である前記基板保持部7の一端側にコ字状の切込みを入れることにより形成されており、前記基板6と同様に外力によって変形が容易で、外力を解くことにより元の形状に戻る素材を用いて構成されている。
これにより、前記開閉フラップ13は、通常は前記補助保持孔12を閉じた閉姿勢で保持されているが(図2(A)参照)、使用者が前記補助保持孔12を介して前記開閉フラップ13を押込むように手を差込むことにより該開閉フラップ13がスムーズに開状態に切換えられるように構成されている。また、使用者が前記補助保持孔12から手を抜くことにより、前記開閉フラップ13が自動的に閉姿勢に戻るように構成されている。
上記カバー体14は、前記開閉フラップ13よりも一回り大きく形成されており、該上記カバー体14に形成された前記補助保持孔12は、使用者の手の平のすべてか、少なくとも、親指を除く指4本を差込むことができるよう大きさに形成されている。
上述の構成によれば、使用者は、前記本体保持部7によって形成される前記本体保持孔16に手を差込むことにより、前記本体部2に仮貼りされた前記湿布を、長手方向を使用者の指の方向に沿わせた向きで保持することができる一方で、前記カバー体13側の前記補助保持孔12に手を差込むことにより、前記本体部2に仮貼りされた前記湿布を、長手方向を使用者の指の方向に直交させた向きで保持することができる。
すなわち、前記本体保持部7によれば、前記本体部2を介して仮貼りされた前記湿布1を保持する際に、使用者の手の指の方向に対する前記湿布1の向きを用途に合わせて変更することができるため、汎用性がより向上する。
また、前記補助保持孔12は、使用されない状態、言い換えると、使用者が前記本体保持孔16側に手を差込む場合には、該補助保持孔12が前記開閉フラップ13によって閉じられているため、前記補助保持孔12の存在によって、前記本体部2の使用感が損なわれることを防止することができる。
次に、図4に基づき、前記仮貼補助具の構成について説明する。図示されるように、前記仮貼補助具3は、前記湿布の粘着面1A側が着脱可能に接着される仮貼補助面21が形成されており、該仮貼補助面21は、前記湿布1(の粘着面)より一回り大きく形成されたシート状のメッシュ部材22を、シート状の支持体23に貼付するようにして取付固定することにより形成されている。
このとき、前記支持体23の前記メッシュ部材22が配置される側の表面は、凹凸がなく前記湿布の粘着面が接着し難い素材を用いることが好ましい。
該構成により、前記仮貼補助面21は、シート状の前記メッシュ部材22と、前記支持体23とによって、その表面に細かい凹凸が形成されることにより、前記湿布の粘着面1Aが接着された際に、前記仮貼補助面21と前記湿布の粘着面1Aとの接触面積が非常に小さくなる。このため、前記湿布の粘着面1A側は、容易に再離脱可能な接着力で前記仮貼補助面21側に貼り付けることができる。
このとき、前記仮貼補助面21(メッシュ部材22)は、前記湿布よりも若干(図示する例では5〜10mm程度)大きく形成されることにより、前記湿布の粘着面1Aの前記仮貼補助面21への接着作業をスムーズに行うことができる。
ちなみに、前記仮貼補助面21は、該仮貼補助面21に前記湿布の粘着面1Aを接着した際の接着力が、前記湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8に仮貼りした際の接着力よりも弱くなるように構成されている。
これにより、前記仮貼補助面21に前記湿布の粘着面1Aを接着させることにより、該粘着面1Aを露出させない状態で、前記湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8側に仮貼りする仮貼り作業を行うことができるため、仮貼り作業の作業性が向上する。さらに、前記仮貼り作業が完了した後に、前記湿布の粘着面1A側から前記仮貼補助具3をスムーズに取外す(剥す)ことができる。
すなわち、前記仮貼補助具3を用いることにより、通常の製品において前記湿布の粘着面側に接着されている透明の剥離シート(図示しない)を予め剥し、粘着面を露出させた状態の前記湿布の非粘着面1B側を、前記本体部2の湿布保持面8側に接着させる仮貼り作業をスムーズ且つ容易に行うことができる。
より具体的に説明すると、前記仮貼補助具3を用いることにより、前記湿布の非粘着面1Bを前記本体部2(湿布保持面8)側に仮貼りした後に、通常の製品の前記湿布の粘着面側に接着されている透明の剥離シートを剥そうとすると、粘着面1Aと剥離シートとの間の接着力が強いため、該剥離シートを剥した拍子に前記湿布の非粘着面1Bが前記湿布保持部8から外れ易いという課題や、前記剥離シートを剥した状態で前記湿布の非粘着面を前記湿布保持面に仮貼りしようとすると、露出した粘着面が手に接着する等して仮貼り作業が困難となるという課題を解決することができる。前記仮貼補助具3の具体的な使用方法については後述する。
次に、図5に基づき、前記仮貼補助面の別実施例について説明する。図5(A)は、別実施例1の仮貼補助面の示した要部斜視図であり、図5(B)及び(C)は、別実施例2の仮貼補助面を示した要部平面図及びB−B断面図である。
前記仮貼補助具3は、前記仮貼補助面21と前記湿布の粘着面1Aとの間の接触面積が小さくなるように構成されたものであれば良く、上述のようにメッシュ部材22を設けたことにより仮貼補助面21に凹凸面を形成したものには限られない。例えば、前記仮貼補助面21の表面にドット体(図示する例では円柱状の突起)26を並べて配置した構成(図5(A)参照)であっても、表面に沿って設けた三角柱状の突起体27を格子状に配置した構成(図5(B)及び(C)参照)であっても良い。なお、前記仮貼補助面21は、前記湿布の粘着面1Aと再接着可能なように弱い接着力で接着される形状であれば上述のものにも限られない。
また、該仮貼補助面21は、シート状部材の表面に凹凸を形成する部材を印刷することによって形成しても良い。さらに、該仮貼補助面21は、粘着力のない凹部と、前記粘着面1Aと接着される凸部による凹凸に限られず、凸部側に粘着力がなく、凹部側が粘着面1Aと接着することにより、湿布の粘着面1A側に接着されるように構成しても良い。
次に、図6及び図7に基づき、上述の湿布の貼付補助具の使い方について説明する。図6(A)乃至(D)は、湿布保持面への湿布の仮貼り作業を示した図である。
上述の仮貼り作業は、まず、剥離シート(図示しない)が剥されて粘着面1Aが露出した状態の湿布1を用意し、該粘着面1Aに前記仮貼補助具3の仮貼補助面21を一時的に接着させ、前記湿布の粘着面1Aを覆う(図6(A)参照)。
続いて、前記仮貼補助具3が取付けられた状態の前記湿布の非粘着面1B側を、前記本体部2の前記湿布保持面8側に着脱可能に接着させる仮貼り作業を実行する(図6(B)参照)。これにより、使用者は、湿布の粘着面1Aの粘着力を気にすることなく、湿布の非粘着面1Bを前記湿布保持面8側へ貼り付けることができるため、仮貼り作業を容易且つスムーズに行うことができる。
続いて、前記本体部2側に前記湿布が仮張りされた湿布の粘着面1A側から、前記仮貼補助具3(仮貼補助面21)を剥す(図6(C)参照)。このとき、上述の前記仮貼補助面21と湿布の粘着面1Aとの間の接着力が、前記湿布保持面8と湿布の非粘着面1Bとの間の接着力より弱いため、前記仮貼補助具3を前記湿布の粘着面1A側からスムーズに取外すことができる。そのため、ここからは、使用者は、前記本体保持孔16又は、補助保持孔12に手を差込んだ状態で作業を行うことができる。
以上により、前記仮貼補助具3を用いることにより、湿布の粘着面1Aを露出させた状態で、前記本体部2(湿布保持面8)に前記湿布の非粘着面1Bを着脱可能な状態で接着する仮貼り作業をスムーズに行うことができる(図6(D)参照)。
図7(A)乃至(C)は、本体部を用いた対象面への湿布の貼付作業を示した図である。上述の例により、使用者は、前記本体保持孔16又は補助保持孔12に手を差込んだ状態で、湿布が仮貼りされた前記本体部2を保持することにより、前記湿布保持面8を介して、手の平に粘着面1Aを露出した状態の前記湿布を保持することができるため、対象面(自身の身体に湿布を貼る患部)Xに手の平を載せる感覚で、前記湿布を対象面Xに貼付する(図7(A)参照)。
続いて、使用者は、前記保持体2を保持した状態で、手を対象面Xから離すことにより、自然と前記湿布の非粘着面1Bから前記湿布保持面8が離脱する(図7(B)参照)。以上により、対象面Xに湿布を貼ることができる(図7(C)参照)。
上述の構成によれば、使用者は、前記湿布が仮貼りされた前記本体部2を用いることにより、首筋、肩、背中、腰、太腿、脹脛など手の届く範囲内であれば、前記湿布を簡単且つキレイに貼ることができる。なお、前記本体部2によれば、通常のサイズ(湿布保持面8と同程度のサイズ)の湿布の他、約半分の大きさに形成された湿布であっても同様に使用することができる。
1 湿布(湿布体)
1A 粘着面
1B 非粘着面
3 仮貼補助具(補助具)
6 基板
7 基板保持部
8 湿布保持面
9 突設部
11 接着部
12 補助保持孔(保持孔)
22 メッシュ部材(メッシュ体)
23 支持体