JP2021167294A - N,n’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン及びその製造方法 - Google Patents

N,n’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン及びその製造方法 Download PDF

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吉弘 堤
Yoshihiro Tsutsumi
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Abstract

【課題】低比誘電率、低誘電正接であり、かつ耐クラック性に優れた樹脂硬化物を与え得る、新規のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを提供する。【解決手段】下記式(1)で示されるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。【化1】(前記式中、R1、R2、R3、R4は互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、R5は互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)【選択図】なし

Description

本発明は、N,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン及びその製造方法に関する。
近年、携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピュータなどの電子機器では、使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載される材料には20GHz領域といった高周波化対応が必要となり、伝送損失の低減を可能とする低比誘電率及び低誘電正接かつ高耐熱の材料が求められている。
特許文献1には、低比誘電率及び低誘電正接の材料としてビニルベンジル基含有ポリフェニレンエーテル樹脂が報告されている。特許文献2、3には、高耐熱の樹脂としてビニルベンジル基含有化合物の重合体が報告されている。しかし、これらの樹脂の硬化物はいずれも硬く、耐クラック性が悪いという欠点があった。
特開2019−044031号公報 特開2003−286315号公報 国際公開2013/031699号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、低比誘電率、低誘電正接であり、かつ耐クラック性に優れた樹脂硬化物を与え得る、新規のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、下記式(1)で示されるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを提供する。
Figure 2021167294
(前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)
本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンであれば、低比誘電率、低誘電正接であり、かつ耐クラック性に優れた樹脂硬化物を与えることができる。
この場合、前記式(1)のR、R、R、Rのうち、少なくとも2つは炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
このように、上記脂肪族炭化水素基を目的に応じて選択し、組み合わせることにより、得られる樹脂硬化物の特性を好適なものとすることができる。
また、上記前記式(1)のaが1であることが好ましい。
このようなN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンであれば、上記特性がより好ましい樹脂硬化物を与えることができる。
また、前記式(1)のRが水素原子であることが好ましい。
このようなN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンであれば、上記特性が更に好ましい樹脂硬化物を与えることができる。
さらに、前記式(1)のnが1から10の整数であることが好ましい。
このようなN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンであれば、アルキレンジアミン鎖の長さが好ましいものとなるため、より低比誘電率、低誘電正接であり、かつ耐クラック性により優れた樹脂硬化物を与えることができる。
また、本発明は、下記一般式(2)で表される脂環式骨格を有するアルキレンジアミンと下記一般式(3)で表されるハロメチルスチレンとを脱酸反応させることを特徴とする上記N,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法を提供する。
Figure 2021167294
(前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)。
Figure 2021167294
(前記式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれか1つである)
このようなN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法であれば、様々な構造のアルキレンジアミンと適切なハロメチルスチレンとを組み合わせて脱酸反応させることができるため、好適な特性(比誘電率、誘電正接、耐クラック性等)を有する樹脂硬化物を与えるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを効率よく製造することができる。
以上のように、本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンは、主鎖の大部分が炭化水素骨格で構成されるため、低比誘電率、低誘電正接であり、更に硬化物はアルキレン鎖によって柔軟性を有するため耐クラック性に優れる。
実施例1で合成したN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンのH−NMRスペクトルチャートである。
本発明者は上記課題を解決すべく、1分子中に2個以上のビニルベンジル基を有するアルキレンジアミン化合物に着目し、種々検討したところ、特に下記構造を有するN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンであれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)で示されるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンである。
Figure 2021167294
(前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[N,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン]
本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンは下記式(1)で表される。
Figure 2021167294
(前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)
、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素数1から15の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは水素原子または炭素数1から10の脂肪族炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基;イソプロピル基、イソオクチル基、イソステアリル基等の分岐状飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状飽和脂肪族炭化水素基;プロペニル基、オクテニル基、プロピニル基、オクチニル基等の不飽和炭化水素基などが例示される。これらの中でも、メチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、ヘキシル基、オクチル基が特に好ましい。
、R、R、Rのうち、好ましくは、少なくとも1つは炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは、少なくとも2つは炭素数1から20の脂肪族炭化水素基である。
このように、上記脂肪族炭化水素基を目的に応じて選択し、組み合わせることにより、得られる樹脂硬化物の特性を好適なものとすることができる。
は互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは水素原子またはメチル基、エチル基であり、更に好ましくは水素原子またはメチル基である。
aは互いに独立に1または2であり、好ましくは1である。
nは互いに独立に0から20の整数であり、好ましくは1から15の整数であり、更に好ましくは1から10の整数である。
このようなnとすることで、アルキレンジアミン鎖の長さが好ましいものとなり、より低比誘電率、低誘電正接であり、かつ耐クラック性により優れた樹脂硬化物を与えることができる。
GHz帯では分極による双極子が電場に応答し誘電が引き起こされることが知られている。このため、GHz帯における低誘電特性化には、分子中から分極を減らすことがポイントとなる。
誘電率は下記Clausius−Mossottiの式で示され、モル分極率、モル容積が因子となる。このことから、分極を小さくすること、モル容積を大きくすることが低誘電率化においてポイントとなっている。
誘電率=[1+2(ΣPm/ΣVm)]/[1−(ΣPm/ΣVm)]
(Pm:原子団のモル分極率,Vm:原子団のモル容積)
また、誘電正接(tanδ)は交流電場に対する誘電応答の遅れであり、GHz帯では双極子の配向緩和が主たる要因となる。誘電正接を小さくするためには、双極子をなくす(無極性に近い構造とする)方法が考えられる。
以上のことから、GHz帯における樹脂の低誘電特性化のアプローチとしては、低分極化がアプローチとして考えられる。
上記アプローチに対し、本発明では、分極率の小さい脂肪族炭化水素を骨格に導入して誘電率を小さくすると共に、骨格中にシクロヘキサン環を導入し、必要に応じて適切な脂肪族炭化水素基でこれを置換することによってモル容積を大きくする構造とし、シクロヘキサン環と架橋性のビニルベンジル基とを適切な直鎖アルキレンアミンで連結することで硬化物に適切な柔軟性を与えている。なお、アミノ基それ自身は極性基であるが、分子中の割合が小さいため、全体としての誘電率は小さくなっている。
このように、本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンは、主鎖の大部分が炭化水素骨格で構成されるため、低比誘電率、低誘電正接であり、更に硬化物は長鎖アルキレン鎖によって柔軟性を有するため耐クラック性に優れる。
以下、本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを例示するが、これらは代表例であり、本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンはこれらに限定されるものではない。
Figure 2021167294
Figure 2021167294
[N,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法]
本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法は特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される脂環式骨格を有するアルキレンジアミンと下記一般式(3)で表されるハロメチルスチレンとの脱酸(脱HX)反応により製造することができる。
[アルキレンジアミン]
Figure 2021167294
(前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である。)
以下、一般式(2)で表されるアルキレンジアミンを例示するが、これらは代表例であり、これらに限定されるものではない。
Figure 2021167294
[ハロメチルスチレン]
Figure 2021167294
(前記式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれか1つである)
以下、一般式(3)で表されるハロメチルスチレンを例示するが、これらは代表例であり、これらに限定されるものではない。また、これら1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
Figure 2021167294
中でも、反応性、入手の容易性などの観点からクロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレンが好ましく用いられる。
前記アルキレンジアミンとハロメチルスチレンとを脱塩酸反応等の脱酸反応によって反応させることで、本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを合成できる。この脱酸反応は、通常のアミノ基とハロアルキル基との脱酸反応で用いられる反応条件を適用することができ、特に制限はないが、反応温度は20〜80℃が好ましく、反応時間は0.5〜3時間が好ましい。また、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン環状エーテル類などの有機溶剤を反応溶媒として加えてもよく、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミンなどの第三級アミンやピリジンなどの複素環式アミン、DBUやDABCOなどの脂環式アミンなどを塩酸等の酸捕捉剤として用いてもよい。
このようなN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法であれば、様々な構造のアルキレンジアミンと適切なハロメチルスチレンとを組み合わせて脱酸反応させることができるため、好適な特性(比誘電率、誘電正接、耐クラック性等)を有する樹脂硬化物を与えるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンを効率よく製造することができる。
(産業上の利用可能性)
本発明のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンは、主鎖の大部分が炭化水素骨格で構成されるため、低比誘電率、低誘電正接であり、更に硬化物は長鎖アルキレン鎖によって柔軟性を有するため耐クラック性に優れる。該硬化物を与える硬化性樹脂組成物としては、例えば、前記N,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンと重合開始剤とを混合し、加熱によって硬化する熱硬化性樹脂組成物や、紫外線又は電子線の印加(照射)によって硬化する光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。実施例で得られた化合物について、H−NMR測定により構造解析を行った。H−NMRは、BRUKER社製の装置を用い、溶媒:重クロロホルム、内部標準:クロロホルムにより測定した。なお、以下の実施例においてPhはフェニレン基を指す。
[実施例1]
プリアミン1075(554g、クローダジャパン(株)製)とトルエン(1108g)を3L褐色フラスコに添加し、10分間撹拌した後、4−クロロメチルスチレン(305g)を添加し、60℃で3時間撹拌した。反応溶液を10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、純水の順で洗浄し、濾過し、減圧留去することで、黄色透明の液状物質を得た(収量660g)。得られた生成物は、H−NMR分析によるケミカルシフトと積分比から、下記式で表される化合物(A−1)であった。H−NMRチャートを図1に示す。
Figure 2021167294
H−NMRのケミカルシフトと積分比は以下の通りである。
δ0.6−1.9(Alkylene chain) 66H
δ2.4−2.6(CH=CH−Ph−CH−NH−C −Alkylene−C −NH−CH−Ph−CH=CH) 4H
δ2.9−3.1(CH=CH−Ph−C −NH−CH−Alkylene−CH−NH−C −Ph−CH=CH) 4H
δ5.2−5.8(C =CH−Ph−CH−NH−CH−Alkylene−CH−NH−CH−Ph−CH=C ) 4H
δ6.6−6.7(CH=C−Ph−CH−NH−CH−Alkylene−CH−NH−CH−Ph−C=CH) 2H
δ7.3−7.5(CH=CH−Ph−CH−NH−CH−Alkylene−CH−NH−CHPh−CH=CH) 8H
実施例1で合成した化合物(A−1)を100g、ジクミルパーオキサイドを1g混合し、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)に入れて3分間撹拌脱泡し、樹脂組成物を作製した。前記樹脂組成物を150mm×200mm×2mm厚のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされた凹型の金型に調製した組成物を流し込み、180℃、2時間で硬化させ、該組成物の硬化物(試験サンプル)を作製した。
JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件で前記試験サンプルの引張強さと切断時伸びを測定したところ、引張強さ12MPa、切断時伸び40%であり、強靭な耐クラック性に優れた硬化物であった。
また、縦30mm×横40mm及び厚さ100μmの金型に前記調製した組成物を流し込み、180℃、2時間で完全に硬化させ、該組成物の硬化物を作製した。ネットワークアナライザ(キーサイト社製 E5063−2D5)とストリップライン(キーコム株式会社製)を接続して比誘電率、誘電正接を測定すると、比誘電率は2.5、誘電正接は0.002であり、どちらも低い値の硬化物であった。
[実施例2]
1,3−シクロヘキサンジアミン(114g)とトルエン(228g)を2L褐色フラスコに添加し、10分間撹拌した後、4−クロロメチルスチレン(305g)を添加し、60℃で3時間撹拌した。反応溶液を10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、純水の順で洗浄し、濾過し、減圧留去することで、黄色透明の液状物質を得た(収量340g)。得られた生成物は、H−NMR分析によるケミカルシフトと積分比から、下記式で表される化合物(A−2)であった。
Figure 2021167294
H−NMRのケミカルシフトと積分比は以下の通りである。
δ0.8−1.9(CH=CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene−CH−NH−CH−Ph−CH=CH) 8H
δ2.5−2.7(CH=CH−Ph−CH−NH−C−cyclohexylene−C−NH−CH−Ph−CH=CH) 2H
δ2.9−3.1(CH=CH−Ph−C −NH−CH−cyclohexylene−CH−NH−C −Ph−CH=CH) 8H
δ5.2−5.8(C =CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene−CH−NH−CH−Ph−CH=C ) 4H
δ6.6−6.7(CH=C−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene−CH−NH−CH−Ph−C=CH) 2H
δ7.3−7.5(CH=CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene−CH−NH−CHPh−CH=CH) 8H
[実施例3]
1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン(142g)とトルエン(600g)を2L褐色フラスコに添加し、10分間撹拌した後、4−クロロメチルスチレン(611g)を添加し、100℃で4時間撹拌した。反応溶液を10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、純水の順で洗浄し、濾過し、減圧留去することで、黄色透明の液状物質を得た(収量480g)。得られた生成物は、H−NMR分析によるケミカルシフトと積分比から、下記式で表される化合物(A−3)であった。
Figure 2021167294
H−NMRのケミカルシフトと積分比は以下の通りである。
δ0.8−1.7{(CH=CH−Ph−CH−N−CHcyclohexylene−CH−N−(CH−Ph−CH=CH} 10H
δ2.3−2.6{(CH=CH−Ph−CH−N−C −cyclohexylene−C −N−(CH−Ph−CH=CH} 4H
δ2.9−3.1{(CH=CH−Ph−C −N−CH−cyclohexylene−CH−N−(C −Ph−CH=CH} 8H
δ5.2−5.8{(C =CH−Ph−CH−N−CH−cyclohexylene−CH−N−(CH−Ph−CH=C } 8H
δ6.6−6.7{(CH=C−Ph−CH−N−CH−cyclohexylene−CH−N−(CH−Ph−C=CH} 4H
δ7.3−7.5{(CH=CH−Ph−CH−N−CH−cyclohexylene−CH−N−(CHPh−CH=CH} 16H
[実施例4]
イソホロンジアミン(170g)とトルエン(340g)を2L褐色フラスコに添加し、10分間撹拌した後、4−クロロメチルスチレン(305g)を添加し、60℃で3時間撹拌した。反応溶液を10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、純水の順で洗浄し、濾過し、減圧留去することで、黄色透明の液状物質を得た(収量310g)。得られた生成物は、H−NMR分析によるケミカルシフトと積分比から、下記式で表される化合物(A−4)であった。
Figure 2021167294
H−NMRのケミカルシフトと積分比は以下の通りである。
δ0.8−1.9(CH=CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene(CH −CH−NH−CH−Ph−CH=CH) 15H
δ2.4−2.7(CH=CH−Ph−CH−NH−C−cyclohexylene(CH−C −NH−CH−Ph−CH=CH) 3H
δ2.9−3.1(CH=CH−Ph−C −NH−CH−cyclohexylene(CH−CH−NH−C −Ph−CH=CH) 4H
δ5.2−5.8(C =CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene(CH−CH−NH−CH−Ph−CH=C ) 4H
δ6.6−6.7(CH=C−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene(CH−CH−NH−CH−Ph−C=CH) 2H
δ7.3−7.5(CH=CH−Ph−CH−NH−CH−cyclohexylene(CH−CH−NH−CHPh−CH=CH) 8H
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で示されるN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。
    Figure 2021167294
    (前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)
  2. 前記式(1)のR、R、R、Rのうち、少なくとも2つは炭素数1から20の脂肪族炭化水素基である請求項1に記載のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。
  3. 前記式(1)のaが1である請求項1または請求項2に記載のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。
  4. 前記式(1)のRが水素原子である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。
  5. 前記式(1)のnが1から10の整数である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン。
  6. 下記一般式(2)で表される脂環式骨格を有するアルキレンジアミンと下記一般式(3)で表されるハロメチルスチレンとを脱酸反応させることを特徴とする請求項1に記載のN,N’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミンの製造方法。
    Figure 2021167294
    (前記式中、R、R、R、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から20の脂肪族炭化水素基であり、Rは互いに独立に、水素原子または炭素数1から6の脂肪族炭化水素基であり、aは互いに独立に1または2であり、nは互いに独立に0から20の整数である)。
    Figure 2021167294
    (前記式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれか1つである)
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Citations (4)

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