JP2003286315A - 硬化性樹脂組成物及び積層板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び積層板

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JP2003286315A
JP2003286315A JP2002041912A JP2002041912A JP2003286315A JP 2003286315 A JP2003286315 A JP 2003286315A JP 2002041912 A JP2002041912 A JP 2002041912A JP 2002041912 A JP2002041912 A JP 2002041912A JP 2003286315 A JP2003286315 A JP 2003286315A
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Japan
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vinylbenzyl
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curable resin
ether group
water absorption
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JP2002041912A
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Mikio Ito
幹雄 伊藤
Michiyasu Horie
理靖 堀江
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低吸水率で高度な耐熱性を有する、硬化性樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で示される化合物から選ば
れた1つであるビニルベンジル化合物を、必須成分とす
る。尚、式中、R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子又
は炭素数4以下のアルキル基、4−ビニルベンジルエー
テル基、又は3−ビニルベンジルエーテル基を示し、こ
れらの内、4−ビニルベンジルエーテル基及び3−ビニ
ルベンジルエーテル基は合計で2以上であり、R7,R8
は、水素原子又は炭素数4以下のアルキル基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成物
及びそれを用いた積層板に関するものである。更に詳し
くは、低吸水率で耐熱性に優れ、特にガラス転移温度の
高い硬化物が得られ、積層板、成形材料、半導体封止材
料として有用な硬化性樹脂組成物及びそれを用いた積層
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂などに代表される熱硬化性
樹脂は、その優れた特性から、電気および電子機器部品
などに広く使用されている。また、電子機器製品の小型
化、高機能化に伴い、集積回路の小型化や、実装密度の
向上、信頼性の向上が要求されている。
【0003】そこで、半導体素子のスポット封止用に
は、エポキシ樹脂の硬化剤としてプロペニル基含有ビス
フェノール誘導体(特開平11−140007号公報)
や、低粘度化によるフィラーの高充填化と耐湿性向上の
ため、アリル基やアルキル基で置換したヒドロキノン、
レゾルシンをエポキシ化した樹脂(特開平11−255
867号公報)が開示されている。しかしこれらは、耐
水性の向上は見られるものの、ガラス転移温度は200
℃以下で、ガラス転移温度を上げると、耐湿性が低下し
てしまい、より高度な耐熱を求められる分野では、十分
でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決すべく鋭意検討した結果なされたもので、
低吸水率で高度な耐熱性を有する、硬化性樹脂組成物及
びそれを用いた積層板を提供することを目的としたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、一般式
(1)で表される化合物の中から選ばれるビニルベンジ
ル化合物を、必須成分とすることを特徴とする硬化性樹
脂組成物、及び前記硬化性樹脂組成物と基材とで基本的
に構成されることを特徴とする積層板である。
【0006】
【化2】
【0007】式中、R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数4以下のアルキル基、4−ビニルベンジルエ
ーテル基、又は3−ビニルベンジルエーテル基を示し、
これらの内、4−ビニルベンジルエーテル基、及び/又
は3−ビニルベンジルエーテル基は、それぞれのベンゼ
ン環上に合計で2以上有し、それぞれは同じであっても
異なっても良く、R7,R8は、水素原子又は炭素数4以
下のアルキル基を示す。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、低吸水率で高度な耐熱
性を有する硬化性樹脂を得るため、官能基として、一分
子内に少なくとも2個のp−ビニルベンジル基、及び/
または、m−ビニルベンジル基を含有させることで、加
熱等により容易に3次元架橋し、架橋により極性基が生
成しないことで、水分子との相互作用が小さくなり、樹
脂の耐水性が向上し、低吸水率と高ガラス転移温度を両
立させることを技術骨子とするものである。
【0009】本発明における一般式(1)で表されるビ
ニルベンジル化合物は、式中のRにおいてビニルベンジ
ル基がヒドロキシル基となるヒドロキシ化合物と、p−
ビニルベンジルクロライド及び/又はm−ビニルベンジ
ルクロライドを、アルカリ存在下で反応させることによ
り得ることが出来る。
【0010】ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノ
ン、カテコール、レゾルシン、ピロガロール、ヘキサヒ
ドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−
ジヒドロキシナフタレン、4,4'−ジヒドロキシビフェ
ニル、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒ
ドロキシ3,3',5,5'−テトラメチルビフェニル、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールA
D、テトラブロモビスフェノールA、4−フェニルメチ
ル−1,2,3−ベンゼントリオール、4−[(4−ヒ
ドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼント
リオール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾール
フルオレン、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノ
ール、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−メチル
フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス
[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−シクロヘ
キシリデンビス[2−(1,1−ジメチルエチル)フェ
ノール]などが例示されるが、特にこれらに限定される
ものではない。
【0011】ヒドロキシ化合物とビニルベンジルクロラ
イドとの比率は、当モル、あるいは、ビニルベンジルク
ロライドを過剰とするのが望ましい。ヒドロキシ化合物
が過剰になると、未反応のフェノール性水酸基が残留
し、硬化した樹脂中に極性基が存在するため、耐水性が
低下して好ましくない。
【0012】反応を促進させるためのアルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等を挙げることができ、これらを単独
又は2種類以上を組み合わして使用することが出来る。
アルカリは、ビニルベンジルクロライドに対して等モル
以上であれば特に制限はないが、一般には、ビニルベン
ジルクロライド 1モルに対して、1〜5モルの範囲で
用いるのが好ましい。
【0013】また、反応溶媒としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン、メシ
チレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチル
セロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの各
種グリコールエーテル系溶媒、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジア
ルキルグリコールエーテル系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶
媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、スルホランなどの有機極性溶媒、水などが
あり、これらは何種類かを併用して用いることもでき
る。
【0014】本発明におけるビニルベンジル化合物の合
成において、その具体的な操作及び反応条件は、公知の
方法及び条件を、そのまま採用することが出来る。たと
えば、好適な反応溶媒中に、ヒドロキシ化合物とアルカ
リ金属水酸化物、ビニルベンジルクロライドを任意の順
序で添加し、撹拌下に反応温度20〜130℃、好まし
くは30〜90℃で、0.5〜12時間、好ましくは2
〜10時間反応させれば良い。また、アルカリ金属酸化
物又はアルカリ金属炭酸塩の水溶液を用いる場合には、
有機層−水層の2層系の反応となり、撹拌効率が反応速
度に影響を及ぼすため、撹拌効率の良い条件で行うこと
が好ましく、その方法としては公知の方法を用いること
が出来る。また、反応後の処理工程は特に制限されず、
反応条件の違いによって適宜決定出来る。代表的な反応
後処理方法を示せば、たとえば、抽出、脱水、濾過、洗
浄、再沈殿、再結晶及び脱色等の公知の方法を挙げるこ
とが出来る。
【0015】本発明の硬化性樹脂組成物には、上記成分
の他に、エポキシ樹脂などの樹脂を併用したり、各種添
加剤を用いることができる。例えば、天然ワックス類、
合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エ
ステル類、パラフィン類などの離型剤、カーボンブラッ
ク、ベンガラなどの着色剤、種々の硬化促進剤など、当
業者において公知の添加剤が挙げられ、各成分を混合し
て、組成物を得ることができる。
【0016】本発明の硬化性樹脂組成物は、低吸水率で
耐熱性に優れ、特にガラス転移温度の高い硬化物が得ら
れ、積層板、成形材料、半導体素子の封止を始め、電子
部品や電気部品の封止、被覆、絶縁などにも好適に使用
されるものである。
【0017】本発明の積層板は、前記硬化性樹脂組成物
と基材とで基本的に構成されるが、積層板の製造方法と
しては、まず、硬化性樹脂組成物を、紙、ガラス織布、
ガラス不織布、あるいはガラス以外を成分とする布など
の基材に含浸させるが、硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解
しワニスとして基材に塗布する方法や、硬化性樹脂組成
物の微粉末を基材に吹き付けて溶融させて含浸させる方
法などを用いることができる。このワニスを用いる場
合、基材に、ワニスを塗布し、含浸させ、乾燥炉中で8
0〜200℃ の範囲内で乾燥させることにより、プリ
プレグを調製する。これを複数枚積層して、加熱・加圧
して積層板が得られる。さらには、硬化性樹脂組成物が
含浸した基材以外に、銅箔などの金属層を積層して、プ
リント配線板用の金属張り積層板などを製造することが
できる。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもの
ではない。先ず、一般式(1)で表されるビニルベンジ
ル化合物の合成例1〜7について述べ、次に、ビニルベ
ンジル化合物を加熱して、硬化樹脂を調製する実施例1
について述べる。
【0019】(合成例1)ビスフェノールA11.4g
(0.05mol)、水酸化ナトリウム4.2g(0.1
04mol)、メタノール23.3g、アセトン15.0
gを、コンデンサー付きの100mlの三つ口フラスコ
に加え、55℃に加熱した。これに、滴下ロートを用い
て、ビニルベンジルクロライド(東京化成製、m−,p
−置換混合体)15.9g(0.104mol)を1時間
かけて滴下した。滴下後5時間反応を行い、生成した塩
を濾過で除いた。濾液を200mlのメタノールに滴下
し、生成した結晶を、濾過して真空乾燥して、12.2
gの生成物(a)を得た。1H−NMRの測定から、こ
の粉末は、ジビニルベンジルビスフェノールAであるこ
とが確認された。
【0020】(合成例2)ヒドロキノン5.5g(0.0
5mol)、水酸化ナトリウム4.2g(0.104mo
l)、イソプロピルアルコール35.7g、イオン交換
水23.8gを、コンデンサー付きの100mlの三つ
口フラスコに加え、80℃に加熱した。これに、滴下ロ
ートを用いて、ビニルベンジルクロライド(東京化成
製、m−,p−置換混合体)15.9g(0.104mo
l)を1時間かけて滴下した。滴下後5時間反応を行
い、生成した結晶を濾過で回収し、イソプロピルアルコ
ールで洗浄し、真空乾燥して、3.75gの生成物
(b)を得た。1H−NMRの測定から、この粉末は、
ジビニルベンジルヒドロキノンであることが確認され
た。
【0021】(合成例3)ビスフェノールF10.0g
(0.05mol)、水酸化ナトリウム4.2g(0.1
04mol)、メタノール21.2g、アセトン15.0
gを、コンデンサー付きの100mlの三つ口フラスコ
に加え、55℃に加熱した。これに、滴下ロートを用い
て、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製 C
MS−14、p−置換体)15.9g(0.104mo
l)を1時間かけて滴下した。滴下後5時間反応を行
い、生成した塩を濾過で除いた。濾液を150mlの1
−プロパノール/50ml水の混合溶媒に滴下し、生成
した結晶を、濾過して真空乾燥して、6.0gの生成物
(c)を得た。1H−NMRの測定から、この粉末は、
ジビニルベンジルビスフェノールFであることが確認さ
れた。
【0022】(合成例4)2,2’−ジヒドロキシビフ
ェニル9.3g(0.05mol)、水酸化ナトリウム
4.2g(0.104mol)、ジメチルスルホキシド4
4.0gを、コンデンサー付きの100mlの三つ口フ
ラスコに加え、80℃に加熱した。これに、滴下ロート
を用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル
製 CMS−14、p−置換体)15.9g(0.104
mol)を1時間かけて滴下した。滴下後5時間反応を
行い、生成した塩を濾過で除いた。濾液を静置して、生
成した結晶を、濾過して真空乾燥し、9.3gの生成物
(d)を得た。1H−NMRの測定から、この粉末は、
ジビニルベンジルビフェニルであることが確認された。
【0023】(合成例5)2,3−ジヒドロキシナフタ
レン8.0g(0.05mol)、水酸化ナトリウム4.
2g(0.104mol)、ジメチルスルホキシド4
2.0gを、コンデンサー付きの100mlの三つ口フ
ラスコに加え、80℃に加熱した。これに、滴下ロート
を用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル
製 CMS−P、m−,p−置換混合体)15.9g(0.
104mol)を1時間かけて滴下した。滴下後5時間
反応を行い、生成した塩を濾過で除いた。濾液を90m
lのメタノール/60ml水の混合溶媒に滴下し、生成
した結晶を、濾過して真空乾燥して、15.1gの生成
物(e)を得た。1H−NMRの測定から、この粉末
は、ジビニルベンジルナフタレンであることが確認され
た。
【0024】(合成例6)ビスクレゾールフルオレン5
7.6g(0.15mol)、水酸化ナトリウム12.
5g(0.312mol)、メタノール29.2g、ア
セトン146.0gを、コンデンサー付きの300ml
の三つ口フラスコに加え、55℃に加熱した。これに、
滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロライド(セイ
ミケミカル製CMS−P、m−,p−置換混合体)4
7.6g(0.312mol)を1時間かけて滴下し
た。滴下後5時間反応を行い、生成した塩を濾過で除い
た。濾液を300mlのメタノールに滴下し、生成した
沈殿を、デカンテーションによりメタノールで洗浄して
真空乾燥し、68.7gの生成物(f)を得た。1H−
NMRの測定から、この粉末は、ジビニルベンジルビス
クレジルフルオレンであることが確認された。
【0025】(合成例7)4,4’−シクロヘキシリデ
ンビスフェノール13.4g(0.05mol)、水酸
化ナトリウム4.2g(0.104mol)、メタノー
ル8.4g、アセトン41.8gを、コンデンサー付き
の100mlの三つ口フラスコに加え、55℃に加熱し
た。これに、滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロ
ライド(セイミケミカル製 CMS−P、m−,p−置
換混合体)15.9g(0.104mol)を1時間か
けて滴下した。滴下後5時間反応を行い、生成した塩を
濾過で除いた。濾液を100mlのメタノールに滴下
し、生成した沈殿を、メタノールで洗浄して真空乾燥
し、19.6gの生成物(g)を得た。1H−NMRの
測定から、この粉末は、ビス(ビニルベンジルエーテル
フェニル)シクロヘキサンであることが確認された。
【0026】(実施例1)合成例1で得られた生成物
(a)10重量部、および離型剤(天然カルナバワック
ス)0.15重量部を、80℃に加熱して熔解させ、減
圧下で脱泡を行い、直径3mmのシリコンチューブをス
ペーサーにして、2枚の板ガラスを合わせたセルに注
ぎ、180℃で2時間加熱して溶剤に不溶の注型板を作
製した。この注型板ついて、吸水率、ガラス転移温度、
弾性率を測定した。吸水率は、5cm×5cmのサンプ
ルを煮沸2時間の処理を行った時の吸水率を測定した。
また、粘弾性法によるtanδのピーク温度をガラス転
移温度とし、30℃及び300℃の弾性率を評価した。
【0027】(実施例2〜7)実施例1において、合成
例1で得られた生成物(a)に代えて、合成例2で得ら
れた生成物(b)、合成例3で得られた生成物(c)、
合成例4で得られた生成物(d)、合成例5で得られた
生成物(e)、合成例6で得られた生成物(f)、合成
例7で得られた生成物(g)を第1表に従って配合し、
80〜130℃に加熱して熔解させ対外は、実施例1と
同様にして注型板を作製し、吸水率、ガラス転移温度、
弾性率を評価した。
【0028】(比較例1)ビフェニル型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ製YX−4000H,エポキシ当
量195g/eq)6.1重量部、ザイロック樹脂(三
井化学製XL−225−3L,水酸基当量175g/e
q)3.9重量部、離型剤(天然カルナバワックス)0.
15重量部を配合し、90℃で熔解混合し、減圧脱泡し
て、トリフェニルホスフィン0.005重量部を加え、
硬化時間を8時間にした以外は、実施例1と同様にして
注型板を調製し、吸水率、ガラス転移温度、弾性率を評
価した。
【0029】実施例1〜7および比較例1の評価結果
を、それぞれ第1表にまとめて示した。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1は、半導体パッケージの中でも大
型化、薄型化に対応する高耐熱、低吸水率のエポキシ樹
脂組成物の例であるが、実施例1はこれに較べて、ガラ
ス転移温度が90℃高く、吸水率は半分になっている。
実施例2〜7についても、ガラス転移温度が200℃以
上で、吸水率は0.4%以下になっている。本発明によ
るビニルベンジル化合物は、このように吸水率が小さ
く、200℃を超えるガラス転移温度を持ち、ガラス転
移温度を超えた300℃でも弾性率の低下が小さいこと
がわかる。
【0032】(実施例8)フェノールノボラックエポキ
シ樹脂「エピクロン」N−770(大日本インキ製、エ
ポキシ当量190g/eq )を23.7重量部、ジシ
アンジアミドを1.3重量部、合成例1によって得られ
た生成物(a)を75.0重量部、2−フェニル−4−
メチルイミダゾール0.125重量部に、メチルセロソ
ルブ/メチルエチルケトン=1/1の混合溶媒を加え、
不揮発分濃度50%となるようにワニスを調整した。こ
のワニスを用いて、ガラスクロス(厚さ0.18mm、
日東紡績(株)製)100部にワニス固形分で80部含
浸させて、150℃ の乾燥機炉で4分乾燥させ、樹脂
含有量44.4重量%のプリプレグを作製した。得られ
たプリプレグ8枚を重ね、その上下に厚さ35μmの電
解銅箔を重ねて、圧力3.92MPa、温度170℃
で120分加熱加圧成形を行い、厚さ1.6mmの両面
銅張り積層板を得た。得られた積層板について、半田耐
熱性、吸水率及びガラス転移温度を評価した。半田耐熱
性と吸水率は、JIS C 6481に準じて測定し、
半田耐熱性については、125℃、100%の温湿条件
で吸湿処理を行った後、260℃ の半田槽に180秒
浮かべた後の外観の異常の有無を調べた。また、ガラス
転移温度は、粘弾性法によりtanδのピーク温度から
求めた。
【0033】(実施例9〜10)フェノールノボラック
エポキシ樹脂「エピクロン」N−770、ジシアンジア
ミド、合成例6によって得られた生成物(f)、合成例
7によって得られた生成物(g)を第3表に従って配合
した以外は、実施例8と同様にして、積層板を調製し、
半田耐熱性、吸水率及びガラス転移温度を評価した。
【0034】(比較例2)各成分を第2表に従って配合
した以外は、実施例11と同様にして積層板を調製し、
半田耐熱性、吸水率及びガラス転移温度を評価した。実
施例8〜10及び比較例2の評価結果を、それぞれ第2
表にまとめて示した。
【0035】
【表2】
【0036】エポキシ樹脂のみを適用した比較例2で
は、ガラス転移温度が低いために、半田耐熱試験ではフ
クレを発生している。これに対して、本発明によるビニ
ルベンジル化合物を適用した実施例8〜10では、半田
耐熱性、吸水率、ガラス転移温度はいずれも良い結果を
示した。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、低吸水率でかつ優れた
耐熱性を兼ね備え、積層板、成形材料、半導体封止材料
などの用途に、好適に用いられる硬化性樹脂組成物を提
供でき、これを用いて得られる積層板は耐熱性及び吸水
性に優れることから、産業上の利用価値は極めて高いも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AG00 AK01A AK21A AL05A AT00B BA02 EH31 EH312 EJ42 EJ422 GB41 JB12A JD15 JJ03 4J100 AB15P BA02P BC04P BC15P BC43P BC44P BC45P BC49P CA01 DA37 DA48 JA44 JA46 4M109 AA01 CA21 EA01 EC05 EC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表され化合物の中から選
    ばれるビニルベンジル化合物を、必須成分とすることを
    特徴とする硬化性樹脂組成物。 【化1】 式中、R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数4
    以下のアルキル基、4−ビニルベンジルエーテル基、又
    は3−ビニルベンジルエーテル基を示し、これらの内、
    4−ビニルベンジルエーテル基、及び/又は3−ビニル
    ベンジルエーテル基は、それぞれのベンゼン環上に合計
    で2以上有し、それぞれは同じであっても異なっても良
    く、R7,R8は、水素原子又は炭素数4以下のアルキル
    基を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物と基材
    とで基本的に構成されることを特徴とする積層板。
JP2002041912A 2001-08-28 2002-02-19 硬化性樹脂組成物及び積層板 Pending JP2003286315A (ja)

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JP2007015945A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Toto Kasei Co Ltd ビニルベンジルエーテル化合物及び該化合物を必須成分とする樹脂組成物
JP2021167294A (ja) * 2020-04-13 2021-10-21 信越化学工業株式会社 N,n’−(ビニルベンジル)アルキレンジアミン及びその製造方法

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