JP2021167082A - モールド装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

モールド装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金型を交換することなく互いに異なる外形形状を有する半導体装置を製造することができるモールド装置を提供する。【解決手段】モールド装置1は、複数の可動式ブロック21及び複数の駆動モータ22を備える。複数の可動式ブロックは、モールド樹脂の流動体が流入するキャビティを囲む。複数の駆動モータは、複数の可動式ブロックをそれぞれ駆動して複数の可動式ブロックの位置を変化させる。【選択図】図2

Description

本開示は、モールド装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
電力半導体装置は、多くの場合は、リードフレーム、電力半導体素子、接合材、金属ワイヤ等を備える被モールド物をモールド樹脂の硬化物によりモールドした構造を有する。
当該構造を有する電力半導体装置は、多くの場合は、金型に形成されたキャビティに被モールド物を配置し、被モールド物が配置されたキャビティにモールド樹脂の流動体を流入させ、流入させたモールド樹脂の流動体を硬化させることにより製造される。
特許文献1に記載された技術においては、モールド金型が着脱自在のチェイスブロックを備える(第159頁 第4行目−第5行目)。特許文献1に記載された技術によれば、チェイスブロックの取り換えによって任意のモールド金型を得ることができるので、金型製作のコスト及び納期を短縮することができる(第162頁 第17行目−第163頁 第1行目)。
実開昭59−129512号公報
上述した電力半導体装置の製造方法においては、電力半導体装置の外形形状に適合する空間形状を有するキャビティが形成された金型が必要である。すなわち、ひとつの金型を使用して製造することができる電力半導体装置は、特定のひとつの外形形状を有する電力半導体装置のみである。したがって、従来の外形形状と異なる外形形状を有する電力半導体装置の新製品が開発される際には、当該新製品の試作に新たな金型が必要になる。このため、金型を作製するための工期、コスト等が問題になる。
この問題は、電力半導体装置以外の半導体装置がおいても生じる。
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示は、金型を交換することなく互いに異なる外形形状又は外形サイズを有する半導体装置を製造することができるモールド装置を提供することである。
本開示は、モールド装置及び当該モールド装置を用いる半導体装置の製造方法に関する。
モールド装置は、複数の可動式ブロック及び複数の駆動モータを備える。
複数の可動式ブロックは、モールド樹脂の流動体が流入するキャビティを囲む。
複数の駆動モータは、複数の可動式ブロックをそれぞれ駆動して複数の可動式ブロックの位置を変化させる。
本開示によれば、複数の可動式ブロックの位置を変化させることによりモールド樹脂の流動体が流入するキャビティの空間形状又は空間サイズを変化させることができる。このため、金型を交換することなく互いに異なる外形形状又は外形サイズを有する半導体装置を製造することができる。
本開示の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1−3のモールド装置を用いて製造される半導体装置を模式的に図示する断面図である。 実施の形態1のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填する前の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態1のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態1のモールド装置に備えられる金型の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する上面透視図である。 実施の形態1の変形例のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態2のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態2のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填した後の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態3のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填した後の状態を模式的に図示する断面図である。 実施の形態4のモールド装置に備えられる金型の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する上面透視図である。 実施の形態4のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。
1 実施の形態1
1.1 半導体装置
図1は、実施の形態1のモールド装置を用いて製造される半導体装置を模式的に図示する断面図である。
図1に図示される半導体装置100は、モールド封止型の半導体装置である。実施の形態1においては、半導体装置100は、電力半導体装置である。
半導体装置100は、図1に図示されるように、被モールド物111及びモールド樹脂の硬化物112を備える。
モールド樹脂の硬化物112は、被モールド物111をモールドし封止する。モールド樹脂の硬化物112は、必要な放熱性、絶縁性及び外形形状を半導体装置100に付与する。
被モールド物111は、図1に図示されるように、リードフレーム121、半導体素子122、集積回路(IC)チップ123、接合材124、金属ワイヤ125及び絶縁シート126を備える。実施の形態1においては、半導体素子122は、電力半導体素子である。
リードフレーム121は、リード部131及びダイパッド部132を備える。
半導体素子122、接合材124及びダイパッド部132は、絶縁シート126の上に配置される。半導体素子122は、接合材124によりダイパッド部132に接合される。ICチップ123は、接合材124によりリード部131に接合される。金属ワイヤ125は、半導体素子122とリード部131とを互いに電気的に接続し、半導体素子122とICチップ123とを互いに電気的に接続し、半導体素子122同士を互いに電気的に接続する。半導体素子122は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオード等である。
リード部131の先端は、モールド樹脂の硬化物112の側面から突出する。
図1に図示される構造を有する被モールド物111が、他の構造を有する被モールド物に置きかえられてもよい。
1.2 モールド装置
図2は、実施の形態1のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填する前の状態を模式的に図示する断面図である。
図2に図示されるモールド装置1は、電力半導体装置用モールド装置である。
モールド装置1は、ポット部11、プランジャ12、駆動機構13、ゲート部14、金型15及びコントローラ16を備える。
ポット部11には、ポット11aが形成される。
プランジャ12は、ポット11aに配置される。
駆動機構13は、プランジャ12を駆動してプランジャ12をポット11aにおいて往復運動させる。実施の形態1においては、駆動機構13は、プランジャ12を鉛直方向に往復直線運動させる。
ゲート部14には、ゲート14aが形成される。ゲート14aは、ポット11aとキャビティ15aとを互いに接続する。
金型15は、キャビティ15aを囲む。
コントローラ16は、駆動機構13及び下述する複数の駆動モータ22を制御する。
1.3 金型
金型15は、第1の金型15u及び第2の金型15dを備える。実施の形態1においては、第1の金型15uは、特定の方向Zの一方の側に配置される。第2の金型15dは、特定の方向Zの他方の側に配置される。
金型15は、複数の可動式ブロック21及び複数の駆動モータ22を備える。
複数の可動式ブロック21は、キャビティ15aを囲む。
複数の駆動モータ22は、複数の可動式ブロック21をそれぞれ駆動して複数の可動式ブロック21の位置をそれぞれ変化させる。実施の形態1においては、複数の駆動モータ22は、複数の可動式ブロック21をそれぞれ特定の方向Zに駆動して複数の可動式ブロック21の特定の方向Zの位置をそれぞれ変化させる。
複数の可動式ブロック21は、第1の複数の可動式ブロック21u及び第2の複数の可動式ブロック21dを含む。
第1の複数の可動式ブロック21uは、第1の金型15uに備えられる。第2の複数の可動式ブロック21dは、第2の金型15dに備えられる。このため、第1の複数の可動式ブロック21uは、特定の方向Zの一方の側に配置される。第2の複数の可動式ブロック21dは、特定の方向Zの他方の側に配置される。
第1の複数の可動式ブロック21u及び第2の複数の可動式ブロック21dは、キャビティ15aを囲む。
第1の複数の可動式ブロック21uの数、断面積等は、制限されず、半導体装置100のサイズ、数、配置等に応じて変更される。第2の複数の可動式ブロック21dの数、断面積等も、制限されず、半導体装置100のサイズ、数、配置等に応じて変更される。実施の形態1においては、第1の複数の可動式ブロック21uは、12列を構成する。第2の複数の可動式ブロック21dの数は、12列を構成する。
複数の可動式ブロック21は、望ましくはステンレス鋼又は超硬合金からなる。これにより、複数の可動式ブロック21の摺動に対する耐久性及び耐摩耗性を向上することができる。
複数の駆動モータ22は、第1の複数の駆動モータ22u及び第2の複数の駆動モータ22dを含む。
第1の複数の駆動モータ22uは、第1の金型15uに備えられる。第2の複数の駆動モータ22dは、第2の金型15dに備えられる。第1の複数の駆動モータ22uは、第1の複数の可動式ブロック21uをそれぞれ駆動して第1の複数の可動式ブロック21uの位置をそれぞれ変化させる。実施の形態1においては、第1の複数の駆動モータ22uは、第1の複数の可動式ブロック21uをそれぞれ特定の方向Zに駆動して第1の複数の可動式ブロック21uの特定の方向Zの位置をそれぞれ変化させる。また、第2の複数の駆動モータ22dは、第2の複数の可動式ブロック21dをそれぞれ駆動して第2の複数の可動式ブロック21dの位置をそれぞれ変化させる。実施の形態1においては、第2の複数の駆動モータ22dは、第2の複数の可動式ブロック21dをそれぞれ特定の方向Zに駆動して第2の複数の可動式ブロック21dの特定の方向Zの位置をそれぞれ変化させる。
複数の駆動モータ22は、複数の可動式ブロック21を独立して駆動することができ、複数の可動式ブロック21の位置を独立して変化させることができる。また、複数の駆動モータ22は、複数の可動式ブロック21の位置を任意に設定することができる。このため、第1の複数の駆動モータ22uは、第1の複数の可動式ブロック21uを独立して駆動することができ、第1の複数の可動式ブロック21uの位置を独立して変化させることができる。また、第1の複数の駆動モータ22uは、第1の複数の可動式ブロック21uの位置を任意に設定することができる。第2の複数の駆動モータ22dは、第2の複数の可動式ブロック21dを独立して駆動することができ、第2の複数の可動式ブロック21dの位置を独立して変化させることができる。また、第2の複数の駆動モータ22dは、第2の複数の可動式ブロック21dの位置を任意に設定することができる。
複数の駆動モータ22が複数の可動式ブロック21を駆動する方式は、制限されない。
第1の金型15uは、第1のベースプレート23uを備える。第2の金型15dは、第2のベースプレート23dを備える。
第1のベースプレート23uには、第1の複数の駆動モータ22uが固定される。第2のベースプレート23dには、第2の複数の駆動モータ22dが固定される。
実施の形態1においては、特定の方向Zは、鉛直方向である。また、特定の方向Zの一方の側は、鉛直方向の上側である。また、特定の方向Zの他方の側は、鉛直方向の下側である。したがって、第1の金型15uは、上金型である。また、第2の金型15dは、下金型である。また、第1の複数の可動式ブロック21uは、可動式上型ブロックである。また、第2の複数の可動式ブロック21dは、可動式下型ブロックである。また、第1の複数の駆動モータ22uは、上型ブロック位置制御モータである。また、第2の複数の駆動モータ22dは、下型ブロック位置制御モータである。また、第1のベースプレート23uは、上型ベースプレートである。また、第2のベースプレート23dは、下型ベースプレートである。また、特定の方向Zの位置は、高さである。特定の方向Zが鉛直方向以外の方向であってもよい。
1.4 半導体装置の製造
図3は、実施の形態1のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。図4は、実施の形態1のモールド装置に備えられる金型の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する上面透視図である。
半導体装置100が製造される際には、モールド装置1が準備され、キャビティ15aに被モールド物111が配置される。キャビティ15aにふたつ以上の被モールド物111が配置されてもよい。モールド装置1が準備される際には、半導体装置100の外形形状に適合する空間形状を有するキャビティ15aが形成されるように、複数の可動式ブロック21の位置が複数の駆動モータ22により設定される。
続いて、ポット11aにモールド樹脂の流動体113が配置される。モールド樹脂の流動体113は、ポット部11を備える金型の熱により溶融させられている。モールド樹脂の流動体113は、プランジャ12の上に配置される。また、プランジャ12が鉛直方向上方に移動させられる。これより、ポット11aに配置されたモールド樹脂の流動体113がポット11aから押し出される。また、図3及び図4に図示されるように、ポット11aから押し出されたモールド樹脂の流動体113がゲート14aを経由してキャビティ15aに流入させられる。キャビティ15aに流入させられたモールド樹脂の流動体113は、流動方向Rに流動させられる。
続いて、キャビティ15aに流入させられたモールド樹脂の流動体113が硬化させられる。これにより、モールド樹脂の流動体113がモールド樹脂の硬化物112に変化して、モールド樹脂の硬化物112が成形される。また、モールド樹脂の硬化物112が被モールド物111をモールドした構造を有する半導体装置100が得られる。
続いて、樹脂バリ対策が行われる。樹脂バリ対策が行われる際には、各可動式ブロック21が、隣接する可動式ブロック21に対して摺動させられる。これにより、互いに隣接する可動式ブロック21の間にモールド樹脂の流動体113が入り込むことにより形成される樹脂バリが、互いに隣接する可動式ブロック21の間から排出される。また、排出された樹脂バリが、モールド装置1に付帯するクリーナーを用いて除去される。排出された樹脂バリが、手作業によるエアー吹き付け等により除去されてもよい。各可動式ブロック21の、隣接する可動式ブロック21に対向する面が高い粘度を有する潤滑油によりコーティングされてもよい。これにより、互いに隣接する可動式ブロック21の間にモールド樹脂の流動体113が入り込むことを抑制することができ、樹脂バリが形成されることを抑制することができる。
1.5 実施の形態1の効果
実施の形態1によれば、複数の可動式ブロック21の位置を変化させることによりモールド樹脂の流動体113が流入するキャビティ15aの空間形状又は空間サイズを変化させることができる。このため、金型を交換することなく互いに異なる外形形状及び外形サイズを有する半導体装置100を製造することができる。互いに異なる外形形状及び外形サイズを有する半導体装置100を製造する際に金型を交換しなくてもよいことは、新規の金型への投資を行うことなく半導体装置の新製品を開発することができることを意味する。
また、実施の形態1によれば、複数の可動式ブロック21の位置を独立して変化させることができる。このため、キャビティ15aの空間形状又は空間サイズを細かく変化させることができる。これにより、半導体装置100の外形形状及び外形サイズを細かく変化させることができる。
1.6 変形例
図5は、実施の形態1の変形例のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。
図5に図示される実施の形態1の変形例のモールド装置1mは、第2の複数の可動式ブロック21dに含まれる可動式ブロック21dmが鉛直方向Zの上側に移動させられている点で、図2、図3及び図4に図示される実施の形態1のモールド装置1と異なる。鉛直方向Zの上側に移動させられる可動式ブロック21dmは、第2の複数の可動式ブロック21dの両端の付近に配置される可動式ブロックである。モールド装置1mは、可動式ブロック21dmを鉛直方向Zの上側に移動させることにより、図1に図示される半導体装置100の下側の外形形状と異なる下側の外形形状を有する半導体装置を製造することができる。
このように、第2の複数の可動式ブロック21dを個別に移動させることにより、モールド樹脂の流動体113を用いて半導体装置100の外形形状に応じた成形を行うことができる。
2 実施の形態2
図1は、実施の形態2のモールド装置を用いて製造される半導体装置を模式的に図示する断面図でもある。
図6は、実施の形態2のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。図7は、実施の形態2のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填した後の状態を模式的に図示する断面図である。
図6及び図7に図示される実施の形態2のモールド装置2は、下述する点で実施の形態1のモールド装置1と異なる。下述されない点については、実施の形態1のモールド装置1において採用される構成と同様の構成が実施の形態2のモールド装置2においても採用される。
モールド装置2においては、コントローラ16は、モールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させる前、モールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させている間、及びモールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させた後のいずれにおいても、複数の可動式ブロック21を駆動させる制御を複数の駆動モータ22に対して行うことができる。これにより、モールド樹脂の流動体113の流動経路を変化させることができる。
モールド装置2においては、コントローラ16は、モールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させる前に複数の可動式ブロック21に含まれる可動式ブロック21ubを駆動させる制御を駆動機構13及び駆動モータ22ubに対して行う。駆動される可動式ブロック21ubは、図6に図示されるように、第1の複数の可動式ブロック21uに備えられる可動式ブロックである。当該制御においては、可動式ブロック21ubは、鉛直方向Zの下側に移動させられる。これにより、モールド樹脂の流動体113の流動経路をキャビティ15aの上側において遮ることができる。2個以上の可動式ブロック21ubが時間差を設けて順次に鉛直方向Zの下側に移動させられてもよい。
続いて、コントローラ16は、モールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させる制御を駆動機構13に対して行う。これにより、モールド樹脂の流動体113の流動経路がキャビティ15aの上側において遮られている状態において、モールド樹脂の流動体113がキャビティ15aに流入させられる。これにより、キャビティ15aの上側を流動するモールド樹脂の流動体113がキャビティ15aの上側に配置される金属ワイヤ125に直接的に大きな衝撃を与えて金属ワイヤ125を変形させることを抑制することができる。これにより、半導体装置100の内部における短絡等を抑制することができる。また、半導体装置100の検査の工数を削減することができる。この利点は、耐熱性を向上し内部応力を小さくするためにモールド樹脂が黒色の不透明樹脂からなり金属ワイヤ125を確認することが困難である場合に特に顕著に現れる。
また、コントローラ16は、モールド樹脂の流動体113をキャビティ15aに流入させている間に可動式ブロック21ubを駆動させる制御を駆動機構13及び駆動モータ22ubに対して行う。当該制御においては、可動式ブロック21ubは、図7に図示されるように、鉛直方向Zの上側に移動させられる。可動式ブロック21ubは、キャビティ15aがモールド樹脂の流動体113によりいったん充填された後に、鉛直方向Zの上側に移動させられる。これにより、半導体装置100の外形形状に適合する空間形状を有するキャビティ15aが形成される。これにより、半導体装置100の外形形状に適合する空間形状を有するキャビティ15aにモールド樹脂の流動体113が充填される。その結果として、目的とする外形形状を有する半導体装置100を製造することができる。2個以上の可動式ブロック21ubが時間差を設けて順次に鉛直方向Zの上側に移動させられてもよい。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複数の可動式ブロック21の位置を変化させることによりモールド樹脂の流動体113が流入するキャビティ15aの空間形状又は空間サイズを変化させることができる。このため、金型を交換することなく互いに異なる外形形状又は外形サイズを有する半導体装置100を製造することができる。
また、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複数の可動式ブロック21の位置を独立して変化させることができる。このため、キャビティ15aの空間形状又は空間サイズを細かく変化させることができる。これにより、半導体装置100の外形形状又は外形サイズを細かく変化させることができる。
3 実施の形態3
図1は、実施の形態3のモールド装置を用いて製造される半導体装置を模式的に図示する断面図でもある。
図8は、実施の形態3のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填した後の状態を模式的に図示する断面図である。
図8に図示される実施の形態3のモールド装置3は、下述する点で実施の形態1のモールド装置1と異なる。下述されない点については、実施の形態1のモールド装置1において採用される構成と同様の構成が実施の形態3のモールド装置3においても採用される。
モールド装置3は、複数の圧力センサー24を備える。
複数の圧力センサー24は、複数の可動式ブロック21にそれぞれ内蔵される。複数の圧力センサー24の各々は、キャビティ15aに充填されたモールド樹脂の流動体113から受ける被加圧力を検出する。また、複数の圧力センサー24の各々は、検出した被加圧力の検出値を出力する。
コントローラ16は、複数の圧力センサー24によりそれぞれ出力された複数の被加圧力の検出値を取得する。また、コントローラ16は、取得した複数の被加圧力の検出値に基づいて駆動機構13の制御を行う。当該制御においては、複数の被加圧力の検出値が、プランジャ12を駆動することによるモールド樹脂の流動体113の注入速度、加圧力等にフィードバックされる。例えば、設定された検出値以下の検出値が複数の被加圧力の検出値に含まれる場合に、モールド樹脂の流動体113の加圧力が高くされる。設定された検出値以下の検出値が複数の被加圧力の検出値に含まれることは、モールド樹脂の流動体113にボイド又は未充填箇所113cが存在することを示す。このため、設定された検出値以下の検出値が複数の被加圧力の検出値に含まれる場合にモールド樹脂の流動体113の加圧力が高くされることにより、ボイド又は未充填箇所113cを消失させることができる。これにより、モールド樹脂の硬化物112の放熱性、絶縁性等が低下して半導体装置100の信頼性が低下することを抑制することができる。これにより、モールド樹脂の硬化物112の品質を担保することができる。また、半導体装置100の検査の工数を削減することができる。この利点は、耐熱性を向上し内部応力を小さくするためにモールド樹脂が黒色の不透明樹脂からなりボイド又は未充填箇所113cを確認することが困難である場合に特に顕著に現れる。
実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、複数の可動式ブロック21の位置を変化させることによりモールド樹脂の流動体113が流入するキャビティ15aの空間形状又は空間サイズを変化させることができる。このため、金型を交換することなく互いに異なる外形形状又は外形形状を有する半導体装置100を製造することができる。
また、実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、複数の可動式ブロック21の位置を独立して変化させることができる。このため、キャビティ15aの空間形状又は空間サイズを細かく変化させることができる。これにより、半導体装置100の外形形状又は外形形状を細かく変化させることができる。
4 実施の形態4
図9は、実施の形態4のモールド装置に備えられる金型の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する上面透視図である。図10は、実施の形態4のモールド装置の、モールド樹脂の流動体をキャビティに充填している間の状態を模式的に図示する断面図である。
図10に図示される実施の形態4のモールド装置4は、下述する点で実施の形態1のモールド装置1と異なる。下述されない点については、実施の形態1のモールド装置1において採用される構成と同様の構成が実施の形態4のモールド装置4においても採用される。
モールド装置4においては、第1の複数の可動式ブロック21uが、可動式ブロック21uxを含む。
可動式ブロック21uxは、特定の方向Zと垂直をなす方向Xに可動である。
また、モールド装置4においては、第1の複数の駆動モータ22uが、駆動モータ22uxを含む。
駆動モータ22uxは、可動式ブロック21uxを特定の方向Zと垂直をなす方向Xに駆動して可動式ブロック21uxの特定の方向Zと垂直をなす方向Xの位置を変化させる。
また、モールド装置4は、第3のベースプレート23sを備える。
第3のベースプレート23sには、駆動モータ22uxが固定される。
実施の形態4においては、特定の方向Zは、鉛直方向である。また、特定の方向Zと垂直をなす方向Xは、水平方向である。このため、駆動モータ22uxは、側方ブロック位置制御モータである。また、第3のベースプレート23sは、側方ベースプレートである。
モールド装置4においては、水平方向Xに可動である可動式ブロック21ux及び当該可動式ブロック21uxに隣接する可動式ブロックによりリード部131を水平方向から挟みこんで固定することができる。このため、リード部131は、モールド樹脂の硬化物112の上面から突出する上出し電極を構成してもよい。したがって、モールド装置4によれば、上出し電極を構成するリード部131を備える被モールド物111をモールド樹脂の硬化物112によりモールドすることができる。これにより、半導体装置100において絶縁沿面距離を確保することができる。
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が、想定され得るものと解される。
1,1m,2,3,4 モールド装置、11 ポット部、12 プランジャ、13 駆動機構、14 ゲート部、15 金型、15a キャビティ、16 コントローラ、21 可動式ブロック、22 駆動モータ、24 圧力センサー、100 半導体装置、111 被モールド物、112 モールド樹脂の硬化物、113 モールド樹脂の流動体。

Claims (7)

  1. モールド樹脂の流動体が流入するキャビティを囲む複数の可動式ブロックと、
    前記複数の可動式ブロックをそれぞれ駆動して前記複数の可動式ブロックの位置を変化させる複数の駆動モータと、
    を備えるモールド装置。
  2. 前記複数の駆動モータは、前記複数の可動式ブロックを独立して駆動することができ前記複数の可動式ブロックの位置を独立して変化させることができる
    請求項1のモールド装置。
  3. 前記流動体が配置されるポットが形成されたポット部と、
    前記ポットに配置されるプランジャと、
    前記プランジャを駆動して前記プランジャを前記ポットにおいて往復運動させる駆動機構と、
    前記ポットと前記キャビティとを接続するゲートが形成されたゲート部と、
    前記流動体を前記キャビティに流入させている間に前記複数の可動式ブロックに含まれる可動式ブロックを駆動させる制御を、前記駆動機構及び前記可動式ブロックを駆動する駆動モータに対して行うコントローラと
    を備える請求項1又は2のモールド装置。
  4. 前記複数の可動式ブロックにそれぞれ内蔵される複数の圧力センサーを備える
    請求項1から3までのいずれかのモールド装置。
  5. 前記複数の可動式ブロックは、特定の方向の一方の側に配置される第1の複数の可動式ブロックと、前記特定の方向の他方の側に配置される第2の複数の可動式ブロックと、を含み、
    前記複数の駆動モータは、前記第1の複数の可動式ブロックをそれぞれ駆動して前記第1の複数の可動式ブロックの位置をそれぞれ変化させる第1の複数の駆動モータと、前記第2の複数の駆動式ブロックをそれぞれ前記特定の方向に駆動して前記第2の複数の駆動式ブロックの前記特定の方向の位置をそれぞれ変化させる第2の複数の駆動モータと、を含む
    請求項1から4までのいずれかのモールド装置。
  6. 前記第1の複数の可動式ブロックは、前記特定の方向と垂直をなす方向に可動である可動式ブロックを含み、
    前記第1の複数の駆動モータは、前記特定の方向と垂直をなす方向に可動である可動式ブロックを前記特定の方向と垂直をなす方向に駆動駆動する駆動モータを含む
    請求項5のモールド装置。
  7. a) 請求項1から6までのいずれかのモールド装置を準備し、前記キャビティに被モールド物を配置する工程と、
    b) 工程a)の後に、前記キャビティに前記流動体を流入させる工程と、
    c) 工程b)の後に、前記流動体を硬化させる工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
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