JP2021165634A - 電流値データ取得方法および電流計測装置 - Google Patents
電流値データ取得方法および電流計測装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】一対の電極間を流れるトンネル電流を測定して生体高分子を識別する装置において、生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを、安定した測定環境において取得する技術を提供する。【解決手段】生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得する電流値データ取得方法であって、a)電極間の距離を所定の目標距離に一致するようにフィードバック制御を行う工程と、b)フィードバックの安定条件を満たしているか否かを判定する工程と、c)電極間の電流値に含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件を満たしているか否かを判定する工程と、を含む。工程b)および工程c)の双方において、各条件を満たした場合に、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する。これにより、安定した条件下で電流値データの取得工程を行うことができる。【選択図】図9
Description
本発明は、一対の電極間を流れるトンネル電流を測定することにより、生体高分子を識別する電流計測装置と、当該装置において生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得するシグナル取得方法に関する。
従来、微細な先端部を有する電極を用いて、特定の分子や原子を測定または識別する方法が知られている。微細な電極を用いて特定の分子を識別する方法については、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の単分子識別方法では、電極間距離の短い電極対を用いて、電極間を通過する生体高分子を構成する単分子を、トンネル電流を測定することにより識別する。
特許文献1に記載のように、生体高分子の識別を目的として電極間のトンネル電流を測定するためには、できる限りノイズを排除した安定した測定環境において電極間電流を測定することが好ましい。そのようにすれば、より精度良く生体高分子の識別を行うことができる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、一対の電極間を流れるトンネル電流を測定することにより生体高分子を識別する装置において、生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを、安定した測定環境において取得する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、一対の電極間を流れるトンネル電流を測定することにより、生体高分子を識別する装置において、前記生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得する電流値データ取得方法であって、a)電極間距離を所定の目標距離に一致するようにフィードバック制御を行う工程と、b)前記工程a)のフィードバックの安定条件を満たしているか否かを判定する工程と、c)前記電極間の電流値に含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件を満たしているか否かを判定する工程と、を含み、前記工程b)および前記工程c)の双方において、各条件を満たした場合に、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する。
本願の第2発明は、第1発明の電流値データ取得方法であって、前記工程c)における条件が、前記シグナルの出現頻度が所定の値以下であるという条件を含む。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の電流値データ取得方法であって、前記工程c)における条件が、前記シグナルの出現頻度の変動量が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第4発明は、第1発明ないし第3発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)における条件が、前記電極間の電流値と、目標とするターゲット電流値との差分が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第5発明は、第1発明ないし第4発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)における条件が、前記電極間の電流値の変動量が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第6発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)における条件が、前記電極間の電流値の移動平均と、目標とするターゲット電流値との差分が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第7発明は、第1発明ないし第6発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)における条件が、前記電極間距離の操作量の変動量が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第8発明は、第1発明ないし第7発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)における条件が、前記電極間の電流値の変位量が所定の範囲内であるという条件を含む。
本願の第9発明は、第1発明ないし第8発明のいずれかの電流値データ取得方法であって、前記工程b)および前記工程c)の双方において各条件を満たした状態で、所定の時間が経過した後で、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する。
本願の第10発明は、一対の電極間を流れるトンネル電流を測定して生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得する電流計測装置であって、前記電極間の距離を変動させる電極間距離変更部と、前記電極間の電流値を計測する電流計と、各部を動作制御する制御部と、を有し、前記制御部は、a)電極間距離を所定の目標距離に一致するようにフィードバック制御を行う工程と、b)前記工程a)のフィードバックの安定条件を満たしているか否かを判定する工程と、c)前記電極間の電流値に含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件を満たしているか否かを判定する工程と、を実行し、前記制御部は、前記工程b)および前記工程c)の双方において、各条件を満たした場合に、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する。
本願の第1発明から第10発明によれば、生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを、安定した測定環境において取得できる。
特に、本願の第2発明および第3発明によれば、擬似シグナルの出現頻度の低い安定した条件下で電流値データの取得を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、電極基板の厚み方向を上下方向とし、基板層に対して金属層側を上側、金属層に対して基板層側を下側として説明を行っている。しかしながら、電極基板の使用時の向きは必ずしも金属層側を鉛直上向きとしなくてもよい。
<1.電極基板および電流計測装置の構成>
本発明の一実施形態に係る電極基板1と、電流計測装置9とについて、図1〜図8を参照しつつ説明する。図1は、電極基板1の上面図である。図2〜図4は、電極基板1の部分上面図である。図5および図6は、電流計測装置9を用いた電極基板1の押し曲げの様子を示した概略図である。図7および図8は、電極基板1の部分断面図である。
本発明の一実施形態に係る電極基板1と、電流計測装置9とについて、図1〜図8を参照しつつ説明する。図1は、電極基板1の上面図である。図2〜図4は、電極基板1の部分上面図である。図5および図6は、電流計測装置9を用いた電極基板1の押し曲げの様子を示した概略図である。図7および図8は、電極基板1の部分断面図である。
この電極基板1および電流計測装置9は、生体高分子であるタンパク質を構成するアミノ酸、核酸(DNA,RNA)を構成するヌクレオチド、糖鎖を構成する単糖、その他の生体高分子を構成する単量体の配列や、各単量体を解析するために用いられる。具体的には、後述するナノ電極34間に電圧を印加した状態でナノ電極34間に生体高分子を通過させる。そして、ナノ電極34と生体高分子との間に流れるトンネル電流を検知し、解析することにより、生体高分子を構成する単量体の解析を行う。
図1に示すように、電極基板1は、略長方形の板状の基板である。図1〜図4、図7および図8に示すように、電極基板1は、基板層20と、金属層30とを有する。以下では、電極基板1の長手方向を第1方向と称し、電極基板1の短手方向を第2方向と称する。第2方向は、第1方向と直交する。なお、「直交する」とは、「略直交する」を含むものとする。
本実施形態の基板層20は、絶縁材料により形成される。本実施形態の基板層20は、シリコン(Si)により形成された基板層の上にポリイミドにより形成された基板層が重なった2層構造である。なお、本実施形態の基板層20は2層構造であるが、本発明はこれに限られない。基板層20は1種類の材料により形成される1層のみから構成されてもよいし、3つ以上の層から構成されてもよい。また、基板層20は、絶縁性の材料により形成されていれば、ポリエチレンテレフタラート樹脂、セラミック、シリコーンゴムまたはアルミナなどの、シリコンおよびポリイミド以外の材料により形成されてもよい。
金属層30は、図1〜図4に示すように、2つの接続用電極部31と、2つの接続用電極部31の間において第1方向に延びる配線部32と、配線部32の中央に配置された計測電極部33とを有する。
金属層30は、例えば、導体である金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)等の金属により形成される。なお、金属層30は、複数の金属層を重ねて構成されてもよい。例えば、クロム(Cr)により形成された金属層の上に、上記の金、白金、銀、銅等の金属からなる金属層が重なる構造であってもよい。なお、その場合であっても、計測電極部33は、1層の金属層のみから構成されることが好ましい。金属層30の厚みは、例えば、50〜300nmである。
基板層20および金属層30の最上面は、絶縁膜(図示せず)により覆われている。金属層30の表面を絶縁膜で覆うことにより、計測電極部33を液中で用いる場合に、金属層30のうち計測電極部33以外の箇所において、金属層30を構成する金属と液体との間における電子のやりとりが生じるのを抑制できる。なお、本実施形態では、絶縁膜はTEOS酸化膜であるが、絶縁性の材料であれば、他の材料により形成されてもよい。なお、接続用電極部31の上面の少なくとも一部には、絶縁膜が形成されない。このため、接続用電極部31の上面の少なくとも一部は露出している。
2つの接続用電極部31は、第1方向に離れて配置されている。2つの配線部32はそれぞれ、各接続用電極部31から計測電極部33へ向かうにつれて次第にその幅が小さくなる。両側の配線部32の間には、配線部32よりもさらに第2方向の幅が小さい計測電極部33が配置される。図4に示すように、計測電極部33は、一対のナノ電極34により構成される。電極基板1に負荷(外力)がかかっていない状態では、図4に示すように、一対のナノ電極34の先端部同士は、互いに接触した状態となっている。
基板層20は、上面から下方へ凹む流路50を有する。流路50は、第1流路51、第2流路52および計測流路53を有する。第1流路51および第2流路52は、計測電極部33を挟んで第2方向に対向して配置される。計測流路53は、第1流路51と第2流路52を第2方向に繋ぐ。
第1流路51および第2流路52は、格子状に繋がる複数の溝により構成される。このような形状により、第1流路51および第2流路52に生体高分子を含む液体が充填されると、各生体高分子が溝の延びる方向に沿って配置されやすくなる。したがって、第1流路51および第2流路52と計測流路53との境界部で生体高分子が詰まって液体の流動性が低下するのが抑制されるとともに、計測流路53内において各生体高分子が計測流路53の延びる方向に沿って延びた状態で配置される。第1流路51および第2流路52の各溝は、幅が約1μmであり、深さが約2μmである。
計測流路53は、第2方向に延びる溝である。計測流路53は、ナノ電極34の先端部と上下に重なる位置に配置される。これにより、計測流路53内を第2方向に移動する生体高分子が、ナノ電極34の間を通過しやすい。計測流路53の深さは、第1流路51および第2流路52と同様、約2μmである。計測流路53はナノ電極34付近においてその幅が狭くなっている。これにより、電流値計測時に、生体高分子が、計測流路53の延びる第2方向に沿う向きで、ナノ電極34間を1つずつ通過しやすい。なお、第1流路51、第2流路52および計測流路53のそれぞれの深さは、2μm未満であってもよいし、2μmより大きくてもよい。
次に、電流計測装置9について、図5および図6を参照しつつ説明する。図5および図6は、電流計測装置9において電流計測を行う際の様子を示した図である。図5は、電極基板1がセットされた電流計測装置9の初期状態における様子を示した側面図である。図6は、電極基板1の押し曲げ時における電流計測装置9の様子を示した側面図である。なお、図6では、電極基板1の変形を誇張して示している。
図6に概念的に示すように、電流計測装置9は、載置台91と、固定具92と、押し上げ具93と、昇降機構94と、電源95と、電流計96と、制御部90とを有する。
載置台91は、電極基板1を載置する平らな上面を有する。本実施形態の固定具92は、第1方向に対して略垂直に配置される4つの板状部材である。固定具92は、計測電極部33を挟んだ第1方向の2箇所において、電極基板1を上下から押えて固定する。
押し上げ具93には、例えば、半球状の上面を有する円柱状の部材が用いられる。押し上げ具93は、昇降機構94に接続されている。昇降機構94は、モータ941とピエゾアクチュエータ942とを有する。モータ941は、押し上げ具93をミリメートル単位で大きく上下に移動させる。ピエゾアクチュエータ942は、押し上げ具93をナノメートル単位で小さく上下に移動させる。昇降機構94は、モータ941とピエゾアクチュエータ942とを組み合わせることにより、大きな動きと細かな動きとの双方を実現している。なお、昇降機構94は、押し上げ高さを制御できる機構であれば、その他の動力を用いた機構であってもよい。
電源95は、一対の接続用電極部31間に電圧を印加する。電流計96は、計測電極部33のナノ電極34間に流れる電流の電流値を測定する。
制御部90は、昇降機構94、電源95および電流計96とそれぞれ電気的に接続し、各部を制御する。本実施形態の制御部90は、CPU等の演算処理部、RAM等のメモリ、およびハードディスクドライブ等の記憶部を備えたコンピュータにより構成されている。制御部90の機能は、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて、演算処理部が動作することにより実現される。これにより、後述する電流計測装置9における電流値データ取得処理や、生体高分子の配列決定処理が進行する。
電極基板1を電流計測装置9にセットする際には、まず、載置台91上に電極基板1を載置する。その後、電極基板1の計測電極部33付近に負荷のかからない状態で電極基板1を上下から4つの固定具92で固定する。このとき、計測電極部33の真下に押し上げ具93が位置するように、電極基板1を配置する。
そして、電流計測時には、まず、電源95により、接続用電極部31間に所定の電圧を印加するとともに、電流計96による電流値の計測を開始する。そして、昇降機構94を駆動させて押し上げ具93を押し上げて、ナノ電極34の先端部同士の距離(電極間距離)を調整する。
図7は、初期位置における電極基板1の部分断面図である。図8は、押し上げ時における電極基板1の部分断面図である。図4および図7に示すように、電極基板1が押し曲げられていない状態では、ナノ電極34の先端部同士は接触している。図8に示すように、押し上げ具93を押し上げると、電極基板1の計測電極部33付近が下面側から押し上げられる。すると、計測流路53を構成する基板層20の側壁が、図8中に実線矢印で示すように、互いに離れる方向へと移動する。これにより、ナノ電極34同士が、図8中に破線矢印で示すように、互いに離れる方向へと移動する。その結果、電極間距離が拡がる。このように、押し上げ具93によって電極基板1を押し上げることにより、電極間距離の調整を行う。すなわち、押し上げ具93および昇降機構94によって、ナノ電極34間の距離を変動させる電極間距離変更部が構成される。
<2.電流値データ取得処理>
次に、電極対である1対のナノ電極34を用いて、生体高分子の電流値データを取得する電流値データ取得処理について、図9および図10を参照しつつ説明する。図9は、ナノ電極34を用いた電流値データ取得処理の流れを示したフローチャートである。図10は、電流値Iの一例を示した図である。なお、図10は、電流値Iの時系列データの特徴を誇張して表示したものであり、実験データではない。
次に、電極対である1対のナノ電極34を用いて、生体高分子の電流値データを取得する電流値データ取得処理について、図9および図10を参照しつつ説明する。図9は、ナノ電極34を用いた電流値データ取得処理の流れを示したフローチャートである。図10は、電流値Iの一例を示した図である。なお、図10は、電流値Iの時系列データの特徴を誇張して表示したものであり、実験データではない。
本実施形態では、ポリヌクレオチドであるRNAのシグナル電流を取得するために、RNAを含む液体試料の電流値データを取得する。まず、RNAを含む液体試料を電極基板1の流路50に満たし、流路50の上部をカバー(図示省略)によって覆う。これによって、液体試料の溶媒の蒸発を抑制するとともに、液体試料に粉塵等が混入するのを抑制する。そして、この電極基板1を電流計測装置9にセットする(ステップS101)。
次に、この電極基板1について校正(キャリブレーション)工程を行う(ステップS102)。ナノ電極34の校正工程では、押し上げ具93による電極基板1の押し上げと引き下げとを繰り返して、ナノ電極34の電極間距離dを変動させ、その間のナノ電極34間に流れるトンネル電流Itの値を取得する。押し上げ具93の押し上げおよび引き下げは、ピエゾアクチュエータ942への印加電圧Vpを増減させることによって行う。
ピエゾアクチュエータ942の操作量(ここでは印加電圧Vp)と、電極間距離dとの関係は予め求められている。一方で、電極間距離dと、電極間を流れるトンネル電流Itとの関係は、理論的に、
It=K*exp(−β*d)
で示される。校正工程(ステップS102)では、取得した電極間距離dとトンネル電流Itとの関係から、定数Kおよび定数βを算出する。これにより、電極間距離dとトンネル電流Itとの関係が求められる。さらに、印加電圧Vpと電極間距離dとの関係を考慮して、一対の電極(ナノ電極34)に対する操作量(印加電圧Vp)と電極間電流値(電流値I)との関係が求められる。
It=K*exp(−β*d)
で示される。校正工程(ステップS102)では、取得した電極間距離dとトンネル電流Itとの関係から、定数Kおよび定数βを算出する。これにより、電極間距離dとトンネル電流Itとの関係が求められる。さらに、印加電圧Vpと電極間距離dとの関係を考慮して、一対の電極(ナノ電極34)に対する操作量(印加電圧Vp)と電極間電流値(電流値I)との関係が求められる。
続いて、電極間距離dを所定の目標距離doに設定する(ステップS103)。具体的には、まず、ナノ電極34間にトンネル電流が流れないように電極間距離dを十分大きくした状態で、基準電流Ikの計測を行う。一方で、ステップS102で算出した推定関数から、目標距離doにおけるトンネル電流である目標トンネル電流Ipを算出する。そして、基準電流Ikと、目標トンネル電流Ipとを合算して、目標距離doにおける推定ベース電流値であるターゲット電流値Ioを算出する。そして、制御部90は、電流計96の検出した電流値Iがターゲット電流値Ioと一致するように、フィードバック制御を行う。
なお、ステップS103において、目標距離doにおける目標トンネル電流Ipが基準電流Ikのノイズに対して小さい場合、いったん目標距離doよりも小さい中間距離(すなわちトンネル電流が目標トンネル電流Ipよりも大きい距離)へ電極間距離を設定する。その後、S102で算出した推定関数に基づいて、中間距離から目標距離doまでの印加電圧Vpの差分を算出し、当該差分に基づいて電極間距離dを調整する。これにより、電極間距離dを所定の目標距離doに設定することができる。
その後、制御部90は、電流値Iがターゲット電流値Ioと一致し続けるようにフィードバック制御を開始する(ステップS104)。
そして、制御部90は、フィードバック制御工程において、所定のフィードバック安定条件を満たしているか否かを判断する(ステップS105)。すなわち、制御部90は、電極間距離dが安定して目標距離doと略同一と見なせる範囲に調整されているか否かを判断する。具体的な判断条件については、後述する。
ステップS105において、所定のフィードバック安定条件を満たしていないと判断すると、制御部90は、ステップS105へ戻り、制御部90によるフィードバック制御を引き続き行う。一方、ステップS105において、所定のフィードバック安定条件を満たしていると判断すると、制御部90は、ステップS106へと進む。
ステップS106では、制御部90は、引き続き、ナノ電極34間の電流値Iに含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件(「シグナル安定条件」と称する)を満たしているか否かを判断する。ここで、「シグナル」とは、電流値Iのうち、ナノ電極34間に試料中の液体のみが存在する場合のベース電流比べて大きな電流値を有する部分を意味する。ステップS106においては、判定対象とするシグナル部分の電流値である判定用シグナル電流値Isが、所定の条件を満たしているか否かを判断する。これにより、ポリヌクレオチドの電流値データを適切に取得できる状態となっているか否かを判断する。
ステップS106において、シグナルの出現頻度が所定の条件を満たしていないと判断すると、制御部90は、ステップS105へ戻り、制御部90によるフィードバック制御を引き続き行う。一方、ステップS106において、シグナルの出現頻度が所定の条件を満たしていると判断すると、制御部90は、ステップS107へと進む。
ステップS107では、ステップS105およびステップS106の条件を全て満たした状態で所定の期間が経過したか否かを判断する。本実施形態では、ステップS106において、ステップS105およびステップS106の条件を全て満たした状態で10sec経過したか否かを判断する。
なお、ステップS107において、ステップS105およびステップS106のうちの少なくとも一部の条件が満たされた状態で所定の期間が経過したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS107において、所定の期間が経過する前に、ステップS105およびステップS106の条件のいずれかが満たされなくなった場合、ステップS105へ戻り、制御部90によるフィードバック制御を引き続き行う。一方、ステップS107において、ステップS105およびステップS106の条件を全て満たした状態で所定の期間が経過したと判断すると、制御部90は、ステップS108へと進む。
そして、制御部90は、電流値データの取得を行う(ステップS108)。具体的には、制御部90は、電流計96に、所定の間隔で電流値Iを測定させ、当該複数の電流値Iを電流値データとして記憶する。本実施形態では、0.1msec毎に電流値Iを測定する。ただし、電流値Iの測定間隔は、0.1msecに限られない。電流値Iの測定間隔は、0.1msec未満であってもよいし、0.1msecより長くてもよい。ステップS108における電流測データの取得は、所定の期間行うようにしてもよいし、所定の終了条件を満たした場合に終了するようにしてもよい。電流値データの取得が終了するとともに、制御部90は、電極間距離dのフィードバック制御も終了する。
上記の電流値データ取得処理では、ステップS105〜S107において、それぞれ、所定の条件を満たしている場合にのみ、電流値データの取得を行う。このようにすることにより、安定した環境で電流値データを取得できる。したがって、信頼度の高い電流値データに基づいて、生体高分子の識別や配列決定を行うことができる。
本実施形態では、上記の通り、ステップS105において、フィードバック安定条件を満たしているか否かを判断する。本実施形態のステップS105の判定に用いるフィードバック安定条件は、以下の5つの条件である。
第1のフィードバック安定条件は、電流値Iと、目標とするターゲット電流値Ioとの差分が所定の範囲内であるという条件である。
第1のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、直近の小区間(例えば0.5sec)における電流値Iの平均値Iaと、ターゲット電流値Ioとの差分ΔI1=Ia−Ioの絶対値が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。
第1のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、電流値Iの特殊履歴平均Icと、目標とするターゲット電流値Ioとの差分ΔI2=Ic−Ioの絶対値が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断してもよい。この場合、特殊履歴平均Icを算出する際、初めに小区間(例えば0.5msec)毎の電流値Iの平均値Iaを算出し、当該平均値Iaの履歴を大区間(例えば50msec)分保存する。そして、新たなIaが算出される度に、当該履歴から異常データの最上位を除去した上で、当該履歴に新たなIaを加える。このような特殊履歴の平均値を特殊履歴平均Icとする。このようにして、第1のフィードバック安定条件を判断してもよい。なお、第1のフィードバック安定条件の判定に、その他の方法により算出されるパラメータを用いてもよい。
第2のフィードバック安定条件は、電流値Iの変動量が所定の範囲内であるという条件である。
第2のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、小区間(例えば0.5msec)毎の電流値Iの平均値Iaと、電流値Iの標準偏差σiとを算出する。そして、最新の標準偏差σi、最新の平均値Iaおよび最新の小区間の直前の小区間における標準偏差σi’を用いたパラメータP1=(σi−σi’)/Iaを算出する。そして、当該パラメータP1の絶対値が所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。なお、第2のフィードバック安定条件の判定に、その他の方法により算出されるパラメータを用いてもよい。
第3のフィードバック安定条件は、電流値Iの最新の最頻値とターゲット電流値Ioとの差分が所定の範囲内であるという条件である。
第3のフィードバック条件としては、例えば、最新の小区間(0.5msec)の電流値Iの最頻値であるImと、目標とするターゲット電流値Ioとの差分ΔI3=Im−Ioの絶対値が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。なお、第3のフィードバック安定条件の判定に、その他の方法により算出されるパラメータを用いてもよい。
第4のフィードバック安定条件は、電極間距離dの変動量の指標となる、印加電圧Vpの変動量が所定の範囲内であるという条件である。印加電圧Vpは、電極間距離dの操作量である。なお、本実施形態では、印加電圧Vpについては、小区間(0.5msec)毎に制御により印加電圧Vpを変更可能としている。
第4のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、最新の印加電圧Vppと、印加電圧Vpの特殊履歴平均Vpaとの差分ΔVp1=Vpp−Vpaの絶対値が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。なお、特殊履歴平均Vpaを算出する際、初めに、印加電圧Vpの履歴を大区間(例えば50msec)分保存する。そして、新たな小区間となって印加電圧Vppが更新される度に、当該履歴から異常データの最上位を除去した上で、当該履歴に新たな印加電圧Vppを加える。このような特殊履歴の平均値を特殊履歴平均Vpaとする。このようにして、第4のフィードバック安定条件を判定してもよい。
また、第4のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、印加電圧Vpの特殊履歴の標準偏差σvが所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。特殊履歴の平均値Vpmを算出する際、上記と同様に印加電圧Vpの特殊履歴を更新し、その特殊履歴に含まれる印加電圧Vpの各値からその標準偏差σvを算出する。このようにして、第4のフィードバック安定条件を判定してもよい。なお、第4のフィードバック安定条件の判定に、その他の方法により算出されるパラメータを用いてもよい。
第5のフィードバック安定条件は、電流値Iの変位量が所定の範囲内であるという条件である。なお、「電流値Iの変位量が所定の範囲内」に代えて、「電流値Iの微分値が所定の範囲内」としてもよい。
第5のフィードバック安定条件の判定においては、例えば、電流値Iの特殊履歴の移動平均Idと、最新の小区間の電流値の平均値Iaとの差分ΔI4=Id−Iaの絶対値が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断してもよい。この場合、特殊履歴の移動平均Idを算出する際、初めに小区間(例えば0.5msec)毎の電流値Iの平均値Iaを算出し、当該平均値Iaの履歴を大区間(例えば50msec)分保存する。そして、新たなIaが算出される度に、当該履歴から異常データの最上位を除去した上で、当該履歴に新たなIaを加える。このような特殊履歴の最新の中区間(例えば5msec)の平均値を特殊履歴の移動平均Idとする。このようにして、第5のフィードバック安定条件を判断してもよい。なお、第5のフィードバック安定条件の判定に、その他の方法により算出されるパラメータを用いてもよい。
本実施形態では、これら5つのフィードバック安定条件を全て満たしている場合のみ、ステップS106へと進む。しかしながら、本発明はこれに限られない。ステップS105で判断する条件は、これらのフィードバック安定条件の一部であってもよい。また、ステップS105において、その他の条件が追加されてもよい。また、上記の説明では、5つのフィードバック安定条件について、具体例を示したが、各フィードバック安定条件は上記の条件に限られず、その他の条件を用いてもよい。また、5つのフィードバック安定条件のそれぞれが、2つ以上の条件を有していてもよい。
これらのフィードバック安定条件のうち、第1および第2のフィードバック安定条件は、フィードバック制御の目的であるベース電流値Ibをターゲット電流値Ioに一致させることができているかを判断する基本的な指標となっている。このため、ステップS105において、当該2つの条件を含めることが好ましい。
また、第3のフィードバック安定条件は、ベース電流値Ibのノイズが大きすぎないかを判断する指標となっている。第4のフィードバック安定条件は、電極間距離dを細かく変動させることなくベース電流値Ibをターゲット電流値Ioと一致させることができているかを判断する指標となっている。第5のフィードバック安定条件は、ベース電流値Ibの急激な変動がないかを判断する指標となっている。これらの追加的な3つの条件のうちの少なくとも1つを、ステップS105における条件に含めることにより、より安定した条件下で電流値データを取得できる。
なお、本実施形態の第1〜第5のフィードバック安定条件に代えて、その他のフィードバック安定条件が用いられてもよい。
ステップS105に続いて、ステップS106においてシグナルの出現頻度についてのシグナル安定条件を満たしているか否かを判断する。ステップS106において、シグナル安定条件を満たしているか否かを判断する場合、電流値Iのデータからシグナルと認識される箇所を抽出する。本実施形態のステップS106の判定に用いるシグナル条件は、以下の2つの条件である。
第1のシグナル条件は、シグナルの出現頻度が所定の値以下であるという条件である。第1のシグナル条件の判定においては、例えば、直近の大区間(50msec)における単位時間当たりのシグナル数が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
第2のシグナル条件は、シグナルの出現頻度の変動量が所定の範囲内であるという条件である。第2のシグナル条件の判定においては、例えば、小区間(例えば0.5msec)毎のシグナル数Sについての大区間(例えば50msec)における特殊履歴の標準偏差σsが所定の閾値以下であるか否かを判断する。なお、シグナル数Sの標準偏差σsを算出する際、初めに、小区間毎のシグナル数Sを大区間分保存する。そして、新たな小区間のシグナル数Sが算出される度に、当該履歴から異常データの最上位を除去した上で、当該履歴に新たなシグナル数Sを加える。このような特殊履歴の標準偏差σsを算出する。
ここで、本実施形態のステップS106におけるシグナルの抽出方法について説明する。シグナルの抽出時には、まず、電流値Iの移動平均である移動平均電流値Ivを算出する。移動平均電流値Ivの算出の基礎となる区間は、例えば0.2msecとする。一方で、所定区間(例えば50msec)毎の電流値Iの標準偏差σを算出する。そして、移動平均電流値Ivをベースラインとした第1閾値T1=Iv+6σと、第2閾値T2=Iv+3σとを算出する。
図10において、説明の簡便のため、移動平均電流値Ivを一定の値として示している。図10に示すように、電流値Iが第1閾値T1を超えた時点をシグナルの開始点とし、開始点の後で初めて電流値Iが第2閾値T2を下回った時点をシグナルの終点とする。このようにしてシグナルを抽出し、当該部分の電流値Iを判定用シグナル電流値Isとし、所定の期間内のシグナルの出現回数をシグナル数Sとする。
電流値Iに含まれる判定用シグナル電流値Isには、ポリヌクレオチドがナノ電極34間を通過した際に取得されるトンネル電流である真のシグナルと、ポリヌクレオチドの通過に起因しない擬似シグナルとが含まれる。
擬似シグナルの一因として、ナノ電極34の先端の金原子の再構成が挙げられる。電流値データを取得する前に、ナノ電極34の先端同士が接触しているために、ナノ電極34同士の間隔を空けた際に、ナノ電極34の先端の金原子が再構成によって移動する。これにより、ナノ電極34間のトンネル電流が一時的に変化し、擬似シグナルとなる場合がある。なお、擬似シグナルの他の原因として、例えば、電極基板1の動きに起因してノイズが生じることや、試料中のコンタミネーション等が考えられる。
これらの擬似シグナルは安定した頻度で出現しないため、擬似シグナルが多く発生していると、判定用シグナル電流値Isの出現頻度は不安定となる。擬似シグナルは、時間の経過や、試料の流動の安定とともに減少する。判定用シグナル電流値Isに含まれる擬似シグナルが減少すると、判定用シグナル電流値Isは主に真のシグナルのみから構成されるようになる。その結果、判定用シグナル電流値Isの出現頻度が安定する。
ステップS106において、上記の2つのシグナル条件は、いずれも、判定用シグナル電流値Isの出現頻度が安定しているかを判断する指標となっている。このため、ステップS106において、これらの条件のうち少なくとも1つについて判断を行うことが好ましい。そうすれば、擬似シグナルの出現頻度の低い安定した条件下でその後の電流値データの取得を行うことができる。
さらに、本実施形態では、ステップS107においてステップS105およびステップS106の条件を全て満たした状態で所定の期間が経過したかと判断した後に、ステップS107における電流値データの取得を行う。このように、測定条件が安定した状態が所定の期間保たれていることを確認することにより、より安定した条件下で電流値データの取得を行うことができる。
なお、本実施形態では、ステップS105およびステップS106の判定は、0.5sec毎に行われる。しかしながら、これらの判定を行う間隔は、これに限られない。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、電極基板の有する金属層が外部から電力が入力される接続用電極部を一対のみ有したが、本発明はこれに限られない。1つの電極基板が、外部から電力が入力される接続用電極部を複数対有していてもよい。例えば、電極基板は、上記の実施形態の接続用電極部に加えて、第1流路と第2流路との間に電気泳動用の電圧を印加するための接続用電極部を有していてもよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 電極基板
9 電流計測装置
34 ナノ電極
43 ナノ電極
50 流路
51 第1流路
52 第2流路
53 計測流路
90 制御部
9 電流計測装置
34 ナノ電極
43 ナノ電極
50 流路
51 第1流路
52 第2流路
53 計測流路
90 制御部
Claims (10)
- 一対の電極間を流れるトンネル電流を測定することにより、生体高分子を識別する装置において、前記生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得する電流値データ取得方法であって、
a)電極間距離を所定の目標距離に一致するようにフィードバック制御を行う工程と、
b)前記工程a)のフィードバックの安定条件を満たしているか否かを判定する工程と、
c)前記電極間の電流値に含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件を満たしているか否かを判定する工程と、
を含み、
前記工程b)および前記工程c)の双方において、各条件を満たした場合に、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する、電流値データ取得方法。 - 請求項1に記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程c)における条件が、
前記シグナルの出現頻度が所定の値以下であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1または請求項2に記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程c)における条件が、
前記シグナルの出現頻度の変動量が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)における条件が、
前記電極間の電流値と、目標とするターゲット電流値との差分が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)における条件が、
前記電極間の電流値の変動量が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)における条件が、
前記電極間の電流値の移動平均と、目標とするターゲット電流値との差分が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)における条件が、
前記電極間距離の操作量の変動量が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)における条件が、
前記電極間の電流値の変位量が所定の範囲内であるという条件
を含む、電流値データ取得方法。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電流値データ取得方法であって、
前記工程b)および前記工程c)の双方において各条件を満たした状態で、所定の時間が経過した後で、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する、電流値データ取得方法。 - 一対の電極間を流れるトンネル電流を測定して生体高分子のシグナル電流を含む電流値データを取得する電流計測装置であって、
前記電極間の距離を変動させる電極間距離変更部と、
前記電極間の電流値を計測する電流計と、
各部を動作制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
a)電極間距離を所定の目標距離に一致するようにフィードバック制御を行う工程と、
b)前記工程a)のフィードバックの安定条件を満たしているか否かを判定する工程と、
c)前記電極間の電流値に含まれるシグナルの出現頻度が所定の条件を満たしているか否かを判定する工程と、
を実行し、
前記制御部は、前記工程b)および前記工程c)の双方において、各条件を満たした場合に、前記生体高分子のシグナル電流の取得を開始する、電流計測装置。
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