JP2021038923A - 基板 - Google Patents

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Masateru Taniguchi
正輝 谷口
敬人 大城
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敬人 大城
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Masakazu Sanada
雅和 真田
聡 宮城
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聡 宮城
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Abstract

【課題】微細な先端部を有し、かつ、電極間距離を調整しやすい電極を有する基板、および、当該電極の材料となる金属線を有する基板を提供することを目的とする。【解決手段】この基板1は、絶縁性の基板層20と、基板層20の上に配置され、第1方向に延びる金属線33と、を有する。基板層20は、金属線33の下方において、上面から凹み、かつ、第1方向と直交する第2方向に延びる溝53を有する。これにより、基板1を溝53付近において上方へ突出する方向へ曲げた際に、溝を有していない場合と比べて、金属線33の基端部41同士の第1方向の間隔を大きくできる。したがって、基板1の変形量を抑制しつつ、金属線33の基端部41同士の距離を大きくできる。よって、金属線33が破断部を有する電極である場合、その電極間距離を調整しやすい。また、金属線33が繋がっている場合、基端部41同士の距離を大きくして破断することで電極を得やすい。【選択図】図3

Description

本発明は、生体高分子の識別に用いられる金属線を有する基板に関する。
従来、原子や分子を測定、観察または識別するために、微細な先端部を有するプローブ(探針)や電極が用いられている。例えば、従来の原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)などの走査型プローブ顕微鏡(SPM)には、先端の曲率半径が20nm以下の先鋭な探針が用いられる。
また、従来の微細な先端部を有する電極は、例えば、特定の分子や原子を測定または識別するために用いられる。微細な電極を用いて特定の分子を識別する方法については、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の単分子識別方法では、電極間距離の短いナノギャップ電極を用いて、電極間を通過する生体高分子を構成する単分子を、トンネル電流を測定することにより識別する。
特開2015−64248号公報
特許文献1に記載のように、生体高分子の識別を目的として電極間のトンネル電流を測定する電極は、その先端部が微細に形成されており、かつ、電極間の距離を精度良く調整可能であることが好ましい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、微細な先端部を有し、かつ、電極間距離を調整しやすい電極を有する基板、および、当該電極の材料となる金属線を有する基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、生体高分子の識別に用いられる基板であって、絶縁性の基板層と、前記基板層の上に配置され、第1方向に延びる金属線と、を有し、前記基板層は、前記金属線の下方において、上面から凹み、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に延びる溝を有する、基板である。
本願の第2発明は、第1発明の基板であって、前記金属線は、前記溝と上下に重なる位置に、幅狭部を有する。
本願の第3発明は、第1発明の基板であって、前記金属線は、前記溝と上下に重なる位置に、破断部を有する。
本願の第4発明は、第1発明ないし第3発明のいずれかの基板であって、前記溝は、上方に向かうにつれて幅が大きくなる、基板。
本願の第1発明から第4発明によれば、基板を溝付近において上方へ突出する方向へ曲げた際に、溝を有していない場合と比べて、金属線の基端部同士の第1方向の間隔を大きくできる。したがって、基板の変形量を抑制しつつ、金属線の基端部同士の距離を大きしたり調整したりできる。
特に、本願の第2発明によれば、基板を押し曲げて金属線を破断する場合に、幅狭部において破断しやすい。したがって、破断位置を特定できる。
特に、本願の第3発明によれば、金属線の破断部により形成される電極対の間隔を調整しやすい。
特に、本願の第4発明によれば、基板が押し曲げられると、溝を構成する基板の側面が開きやすくなる。これにより、基板の変形量を抑制しつつ、金属線の基端部同士の距離をさらに大きくできる。
第1実施形態に係る電極基板の上面図である。 第1実施形態に係る電極基板の部分上面図である。 第1実施形態に係る電極基板の部分上面図である。 第1実施形態に係る電極基板の部分上面図である。 第1実施形態に係る電極基板の部分断面図である。 第1実施形態に係る電極基板の金属線の基端部間の距離の調整を行う際の様子を示した図である。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の基端部間の距離の調整を行う際の様子を示した図である。 第1実施形態に係る電極基板の押し曲げ時の様子を示した部分断面図である。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の押し曲げ処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の監視処理および終了処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の監視処理および終了処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の破断処理における電極基板の押し上げ高さおよび電流値の時系列変化の一例を示した図である。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の破断時の様子を示した概略図である。 第1実施形態に係る電極基板の計測電極部の破断時の様子を示した概略図である。 第2実施形態に係る電極基板の押し曲げ処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態に係る電極基板の計測電極部の破断処理における電極基板の押し上げ高さの時系列変化の一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、電極基板の厚み方向を上下方向とし、基板層に対して金属層側を上側、金属層に対して基板層側を下側として説明を行っている。しかしながら、電極基板の使用時の向きは必ずしも金属層側を鉛直上向きとしなくてもよい。
<1.第1実施形態>
<1−1.電極基板の構成>
本発明の第1実施形態に係る電極基板1について、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1は、電極基板1の上面図である。図2〜図4は、電極基板1の部分上面図である。図5は、電極基板1の部分断面図である。図1〜図5には、金属線である計測電極部33を破断する前の電極基板1の様子が示されている。
図1に示すように、電極基板1は、略長方形の板状の基板である。この電極基板1は、生体高分子であるタンパク質を構成するアミノ酸、核酸(DNA,RNA)を構成するヌクレオチド、糖鎖を構成する単糖、その他の生体高分子を構成する単分子の配列や、各単分子を解析するために用いられる。具体的には、後述するナノ電極48,49間に電圧を負荷した状態でナノ電極48,49間に生体高分子を通過させる。そして、ナノ電極48,49と生体高分子との間に流れるトンネル電流を検知し、解析することにより、生体高分子を構成する単分子の解析を行う。
図1〜図5に示すように、電極基板1は、基板層20と、金属層30とを有する。以下では、電極基板1の長手方向を第1方向と称し、電極基板1の短手方向を第2方向と称する。第2方向は、第1方向と直交する。なお、「直交する」とは、「略直交する」を含むものとする。
本実施形態の基板層20は、絶縁材料により形成される。本実施形態の基板層20は、図5に示すように、シリコン(Si)により形成された第1基板層21の上にポリイミドにより形成された第2基板層22が重なった2層構造である。なお、本実施形態の基板層20は2層構造であるが、本発明はこれに限られない。基板層20は1種類の材料により形成される1層のみから構成されてもよいし、3つ以上の層から構成されてもよい。また、基板層20は、絶縁性の材料により形成されていれば、ポリエチレンテレフタラート樹脂、セラミック、シリコーンゴムまたはアルミナ等の、シリコンおよびポリイミド以外の材料により形成されてもよい。
金属層30は、図1〜図4に示すように、2つの接続用電極部31と、2つの接続用電極部31の間において第1方向に延びる配線部32と、配線部32の中央に配置された計測電極部33とを有する。金属層30は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)等の金属により形成される。
本実施形態では、図5に示すように、金属層30は、クロム(Cr)、白金(Pt)等により形成された第1金属層301と、上述した金、白金、銀、銅、タングステン等の金属からなる第2金属層302とにより構成される。接続用電極部31および配線部32は、第1金属層301と第2金属層302の両方により構成される。一方、計測電極部33は第2金属層302のみから構成される。なお、実施例では、例えば、第1金属層301の厚みは約1〜10nm、第2金属層302の厚みは約50〜300nmである。
基板層20および金属層30の最上面は、絶縁膜(図示せず)により覆われている。金属層30の表面を絶縁膜で覆うことにより、計測電極部33を液中で用いる場合に、金属層30のうち計測電極部33以外の箇所において、金属層30を構成する金属と液体との間における電子のやりとりが生じるのを抑制できる。なお、本実施形態では、絶縁膜はTEOS酸化膜であるが、絶縁性の材料であれば、他の材料により形成されてもよい。なお、接続用電極部31の上面の少なくとも一部には、絶縁膜が形成されない。このため、接続用電極部31の上面の少なくとも一部は露出している。
配線部32は、接続用電極部31から計測電極部33へ向かうにつれて次第にその幅が小さくなる。図2に示すように、計測電極部33の近傍において、配線部32の幅は略一定である。本実施形態では、配線部32の当該部位の幅は、約8μmである。
両側の配線部32の間には、配線部32よりも幅が小さい計測電極部33が配置される。計測電極部33は、第1方向に延びる金属線である。図3および図4に示すように、計測電極部33は、第1方向の両端の基端部41と、第1方向の略中央に配置された幅狭部42とを有する。
基端部41はそれぞれ、配線部32と接続される。なお、配線部32と計測電極部33の基端部41との接続箇所は、第2方向の幅が次第に変化する第1テーパー部43となっている。
また、計測電極部33は、第1方向の略中央に、他の部分よりも幅が狭い幅狭部42を有する。計測電極部33は、幅狭部42へ向かって第2方向の幅が次第に小さくなる第2テーパー部44を有する。
このように、計測電極部33は、第1方向に延びる金属線である。これを第1方向に離間するように引っ張ることにより、幅狭部42が破断し、後述する2つのナノ電極48,49(図13,14参照)を構成する。計測電極部33の破断方法の詳細については、後述する。
本実施形態では、計測電極部33の幅は約400nmである。また、幅狭部42の幅は約80nmである。このように、幅狭部42の幅が、計測電極部33の他の部分の幅の1/2以下であることが好ましい。これにより、計測電極部33を引っ張った際に、幅狭部42以外の位置で計測電極部33が破断することが抑制される。
基板層20は、上面から下方へ凹む流路50を有する。流路50は、第1流路51、第2流路52および計測流路53を有する。第1流路51および第2流路52は、計測電極部33を挟んで第2方向に対向して配置される。計測流路53は、第2方向に延びる溝である。計測流路53は、第1流路51と第2流路52を第2方向に繋ぐ。
第1流路51および第2流路52は、格子状に繋がる複数の溝により構成される。このような形状により、第1流路51および第2流路52に生体高分子を含む液体が充填されると、各生体高分子が溝の延びる方向に沿って配置されやすくなる。したがって、第1流路51および第2流路52と計測流路53との境界部で生体高分子が詰まって液体の流動性が低下するのが抑制されるとともに、計測流路53内において各生体高分子が計測流路53の延びる方向に沿って配置される。第1流路51および第2流路52の各溝は、幅が約1μmであり、深さが約2μmである。
計測流路53は、第2方向に沿って延びる。計測電極部33の幅狭部42は、計測流路53と上下に重なる位置に配置される。これにより、計測電極部33が破断されて一対のナノ電極48,49となった場合に、計測流路53内を第2方向に移動する生体分子が、ナノ電極48,49の間を通過しやすい。
計測流路53の深さは、第1流路51および第2流路52と同様、約2μmである。計測流路53は、第1流路51および第2流路52とそれぞれ繋がる2つの導入溝531と、2つの導入溝531を繋ぐ計測溝532とを有する。
計測溝532は、それぞれの導入溝531から計測電極部33の直下に向かうにつれて幅が狭くなる。導入溝531の幅は、約800nmである。計測溝532は、計測電極部33の直下において、最も幅が狭くなる。当該部位において、計測溝532の幅は約100nmである。計測流路53が計測電極部33に向かって幅が狭くなる計測溝532を有することにより、計測電極部33の破断後の電流値計測時に、生体分子が、計測流路53の延びる第2方向に沿う向きで、2つのナノ電極48,49の間を通過しやすい。
計測溝532は、図5に示すように、少なくとも計測電極部33と重なる位置において、上方に向かうにつれて第1方向の幅が徐々に大きくなる。すなわち、計測溝532は、当該位置において、V字状の断面を有する。なお、計測溝532は、第2方向の全ての領域において、上方に向かうにつれて第1方向の幅が大きくなっていることが好ましい。また、計測溝532の形状はV字状に限られない。計測溝532の形状は、U字状などの他の形状であってもよい。
ここで、押し曲げ装置9を用いた電極基板1の押し曲げについて説明する。図6および図7は、計測電極部33の基端部41間の距離の調整を行う際の様子を示した図である。図6は、押し曲げ装置9にセットされた電極基板1の初期状態における様子を示した側面図である。図7は、押し曲げ装置9にセットされた電極基板1の押し曲げ時における様子を示した側面図である。図8は、押し曲げ時の様子を示した電極基板1の部分断面図である。
図6に概念的に示すように、押し曲げ装置9は、載置台91と、固定具92と、押し上げ具93と、電源94と、電流計95と、制御部90とを有する。
載置台91は、電極基板1を載置する平らな上面を有する。本実施形態の固定具92は、第1方向に略垂直に配置される4つの板状部材である。固定具92は、計測電極部33を挟んだ第1方向の2箇所において、電極基板1を上下から押えて固定する。押し上げ具93は、半球状の上面を有する円柱状の部材である。押し上げ具93は、モータおよびピエゾ素子等を有する昇降機構(図示省略)に接続されている。電極基板1は、押し上げ具93の最も上方に突出した部分の真上に計測電極部33が位置するように、配置される。なお、昇降機構は、押し上げた高さを制御できる機構であれば、その他の動力を用いた機構であってもよい。
電極基板1の押し曲げ時には、電源94は、一対の接続用電極部31に対して電圧を印加する。そして、電流計95は、電源94により印加された電圧によって、計測電極部33に流れる電流の電流値を測定する。
制御部90は、押し上げ具93、電源94および電流計95とそれぞれ電気的に接続し、各部を制御する。制御部90には、例えば、コンピュータが用いられる。
電極基板1を押し曲げ装置9にセットする際には、まず、載置台91上に電極基板1を載置する。その後、電極基板1に負荷のかからない状態で電極基板1を上下から4つの固定具92で固定する。
押し曲げ時には、図7に示すように、昇降機構により、押し上げ具93が上方へと移動する。これにより、電極基板1の計測電極部33付近が下面側から押し上げられる。
このように電極基板1が押し曲げられて変形すると、計測溝532を構成する基板層20の側壁が、図8中に実線矢印で示すように、互いに離れる方向へと移動する。これにより、計測電極部33の2つの基端部41は、互いに離れる方向へと移動する。その結果、計測電極部33が繋がっている場合、計測電極部33が引き伸ばされ、幅狭部42が破断しやすい状態となる。また、計測電極部33が破断されている場合、2つのナノ電極48,49間の距離が拡がる。
押し曲げ時には、固定具92の間において、計測電極部33付近を中心として電極基板1の上面が第1方向にも第2方向にも伸びる力が加わる。この電極基板1では、計測電極部33の直下に第2方向に延びる溝である計測流路53を配置することにより、図8中に実線矢印で示すように、計測流路53の底面を中心として、計測流路53を構成する基板層20の2つの側壁が、第1方向へ大きく開く。このため、計測電極部33の下方に計測流路53が配置されることにより、計測電極部33の2つの基端部41がより引き離される。
すなわち、電極基板1を計測流路53付近において上方へ突出する方向へ曲げた際に、計測流路53のような溝を有していない場合と比べて、計測電極部33の基端部41同士の第1方向の間隔を大きくできる。したがって、電極基板1の変形量を抑制しつつ、計測電極部33の基端部41同士の距離を大きくできる。よって、計測電極部33が幅狭部42で繋がっている場合、電極基板1が割れるのを抑制しつつ、基端部41同士の距離を大きくして破断しやすい。また、計測電極部33が破断部を有する一対のナノ電極48,49である場合、電極基板1が割れるのを抑制しつつ、ナノ電極48,49間の距離を大きくしたり調整したりしやすい。
このような電極基板1の押し曲げを、電源94により接続用電極部31間に電圧を負荷した状態で行う。このようにすると、計測電極部33が繋がっている場合、電流計95の計測した電流値の変化から、計測電極部33が破断したか否かを判断できる。なお、制御部90は、電流計95で計測された電流を、電流増幅器を用いて増幅してから取得してもよい。
<1−2.計測電極部の破断処理>
次に、幅狭部42を有する計測電極部33を破断してナノ電極48,49を形成する破断処理について、図9〜図12を参照しつつ説明する。図9は、計測電極部33の破断処理における電極基板1の押し曲げ処理の流れを示したフローチャートである。図10および図11は、計測電極部33の破断処理における押し曲げ処理の監視処理および終了処理の流れを示したフローチャートである。図12は、計測電極部33の破断処理における電極基板1の押し上げ高さおよび電流値の時系列変化の一例を示した図である。なお、図12中、上側が、電極基板1の押し上げ高さを示した図であり、下側が、計測電極部33を流れる電流の電流値を示した図である。
この押し曲げ装置9を用いた計測電極部33の破断処理では、図9に示すように、押し上げ具93を押し上げる工程と引き戻す工程とを繰り返す、押し曲げ処理を行う。一方、図10に示すように、押し曲げ処理を行いつつ電流計95の検出する電流値を監視し、計測電極部33が破断したら、押し曲げ処理の終了処理を行う。
まず、図9に示す押し曲げ処理の流れについて説明する。押し曲げ処理では、押し上げ具93を所定の高さまで押し上げる工程と戻す工程とを、押し上げ速度を徐々に大きくしながら繰り返す。これらの工程を所定の回数行った後、計測電極部33が破断されていない場合、押し上げ高さを大きくする。そして、押し上げ具93を所定の高さまで押し上げる工程と戻す工程とを、押し上げ速度を徐々に大きくしながら繰り返す。このような押し曲げ工程を、計測電極部33が破断するまで繰り返し行う。
計測電極部33の破断処理を行うために、初めに、電極基板1を押し曲げ装置9にセットする(ステップS101)。押し曲げ前の各部の位置をそれぞれ初期位置と称する。制御部90は、初期動作として、カウント数nをn=1に設定するとともに、押し上げ速度VuをVu=A1に設定する(ステップS102)。
次に、電極基板1の押し曲げを開始する。まず、制御部90は、電源94によって、接続用電極部31間に電圧を負荷し始める。同時に、制御部90は図10に示す監視処理を開始する。
そして、押し上げ具93を、設定された押し上げ速度Vu=A1で、所定の第1高さH1まで押し上げる(ステップS103)。これにより、押し曲げ装置9は、金属線である計測電極部33の両端の基端部41が所定の第1距離離間した第1位置まで計測電極部33を引っ張る。したがって、計測電極部33が伸びて、破断しやすい状態となる。なお、本実施形態では、第1高さH1は図12に示すように0.8mmである。
その後すぐに、制御部90は、押し上げ具93を、戻し速度Vd=Bで、初期位置まで引き下げる(ステップS104)。これにより、電極基板1の各部が初期位置に戻る。その結果、計測電極部33の各基端部41同士の間隔が初期状態における間隔に戻る。そして、制御部90は、押し上げ具93を、初期位置において所定の時間(本実施形態では50msec)待機させる(ステップS105)。
ステップS103〜S105の一連の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程が行われると、制御部90は、カウント数nが予め設定された繰り返し回数Nに達したか否かを判断する(ステップS106)。図12の例では、繰り返し回数N=4回である。
ステップS106において、カウント数nがn=Nに達していないと判断すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントした後、押し上げ速度VuをVu=Anに設定する(ステップS107)。1回目のステップS107では、カウント数nはn=1からn=2へと更新されるとともに、押し上げ速度Vuは、Vu=A1からVu=A2へと更新される。なお、A2は、A1よりも大きい押し上げ速度である。
そして、制御部90は、ステップS103に戻り、押し上げ具93を、設定された押し上げ速度Vu=A2で、所定の第1高さH1まで押し上げる。この2回目のステップS103における押し上げ速度Vu=A2は、以前行った1回目のステップS103における押し上げ速度Vu=A1よりも大きい。すなわち、2回目のステップS103における基端部41同士の離間速度は、以前行った1回目のステップS103における基端部41同士の離間速度よりも大きい。これにより、1回目のステップS103と比べて、より計測電極部33が破断しやすい状態となる。
その後、引き戻し工程(ステップS104)および待機工程(ステップS105)を行った後、再度ステップS106において、カウント数nがn=Nに達したか否かを判断する。
このように、制御部90は、カウント数nがn=Nに達するまで、押し上げ工程(ステップS103)の度にその押し上げ速度Vuを大きくする。押し上げ速度Vuが初めから大きい場合、計測電極部33に突然大きな引張力がかかり、幅狭部42において計測電極部33が細く引き伸ばされずに破断し、破断面が大きくなる。図13は、大きな押し上げ速度Vuにより1回目の押し上げ工程において計測電極部33が破断して形成されたナノ電極48,49の破断時の様子を示した概略図である。図13に示すように、この場合、微細な先端部を有するナノ電極48,49を得ることができない。
また、押し上げ速度Vuを十分小さくした場合であっても、計測電極部33を押し戻すことなく単に引き伸ばした場合、幅狭部42付近が細く引き伸ばされた後に破断したとしても、ナノ電極48,49の微細な先端部の金属原子の状態が安定せず、先端部が基端部側へと引き戻される方向へと変形する虞がある。
そこで、上述の様に、押し上げ速度Vuを初めはゆっくりとし、押し上げ速度Vuを次第に大きくしつつ、電極基板1の押し上げと引き戻しを繰り返すことにより、計測電極部33には、引き伸ばしと押し戻しとが繰り返される。これにより、幅狭部42付近が徐々に引き伸ばされて細くなっていくとともに、押し戻しによって引き伸ばされた部分の金属原子の状態が安定する。そして、その後に、引き伸ばされて細くなった幅狭部42が破断される。図14は、押し上げ工程と引き戻し工程とを繰り返した後に計測電極部33が破断して形成されたナノ電極48,49の破断時の様子を示した概略図である。図14に示すように、この場合、破断面を小さく、かつ、安定した微細な先端部を有するナノ電極48,49を得ることができる。
特に、計測電極部33を引き伸ばした後、初期位置まで押し戻すことにより、引き伸ばされた部分の金属原子の状態がより安定する。また、初期位置に戻した後に、ステップS105の待機時間を設けることにより、引き伸ばされた部分の金属原子の状態がさらに安定する。これにより、安定した微細な先端部を有するナノ電極48,49を得ることができる。
なお、押し上げ速度Vuおよび戻し速度Vdは、例えば、1回目の押し上げ速度VuはA1=10μm/sec、2回目の押し上げ速度VuはA2=40μm/sec、3回目の押し上げ速度VuはA3=100μm/sec、4回目の押し上げ速度VuはA4=200μm/sec、戻し速度VdはB=400μm/secとすればよい。このように、2回目以降の押し上げ速度Vuを、直前の押し上げ速度Vuの2倍〜4倍とすることが好ましい。これにより、急激に押し上げ速度Vuを大きくすることで計測電極部33の破断面が大きくなったりナノ電極48,49の先端部の状態が不安定となることを抑制しつつ、計測電極部33の破断処理にかかる時間をなるべく短くできる。
さて、ステップS103〜S105の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程をN回行った後、ステップS106において、制御部90は、カウント数nがn=Nに達したと判断する。すると、制御部90は、カウント数nをn=1にリセットする。また、同時に、押し上げ速度Vuを再びVu=A1に設定する(ステップS108)。
続いて、制御部90は、押し上げ具93を、設定された押し上げ速度Vu=A1で、所定の第2高さH2まで押し上げる(ステップS109)。これにより、押し曲げ装置9は、計測電極部33の両端の基端部41が所定の第2距離離間した第2位置まで計測電極部33を引っ張る。第2高さH2は、第1高さH1よりも高い。したがって、第2距離は、第1距離よりも大きい。押し上げ高さを高くすることにより、ステップS103と比べて計測電極部33が伸びて、より破断しやすい状態となる。なお、本実施形態では、第2高さH2は、図12に示すように1.0mmである。
その後、制御部90は、ステップS104およびステップS105と同様に、引き戻し工程(ステップS110)および待機工程(ステップS111)を行う。その後、制御部90は、カウント数nが予め設定された繰り返し回数Nに達したか否かを判断する(ステップS112)。図12の例では、繰り返し回数N=4回である。
ステップS112において、カウント数nがn=Nに達していないと判断すると、ステップS107と同様、制御部90は、カウント数nをインクリメントした後、押し上げ速度VuをVu=Anに設定する(ステップS113)。すなわち、1回目のステップS113では、カウント数nはn=1からn=2へと更新されるとともに、押し上げ速度Vuは、Vu=A1からVu=A2へと更新される。なお、A2は、A1よりも大きい押し上げ速度である。
そして、制御部90は、ステップS109に戻り、押し上げ具93を、設定された押し上げ速度Vu=A2で、所定の第2高さH2まで押し上げる。続いて、再び引き戻し工程(ステップS110)および待機工程(ステップS111)を行う。
このようにステップS109〜S111の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程をN回行った後、ステップS112において、制御部90は、カウント数nがn=Nに達したと判断する。すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントせず、カウント数nをn=Nのままとする。同時に、押し上げ速度VuをVu=ANの設定のままとする(ステップS114)。そして、その後は、押し上げ速度VuをVu=ANとしたまま、ステップS109〜S111の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程を繰り返す。
本実施形態では、第1高さにおける押し上げ工程をN回、第2高さにおける押し上げ工程をN回、それぞれ押し上げ速度を大きくしながら行った。そして、その後、第2高さにおける押し上げ工程を同じ押し上げ速度で繰り返した。しかしながら、本発明はこれに限られない。
本実施形態では、2段階の押し上げ高さにおいて押し上げ工程を行ったが、押し上げ高さを変更しなくてもよいし、3段階以上に押し上げ高さを変更してもよい。また、押し上げ速度を大きくしながら行う押し上げ工程の回数は、押し上げ高さ毎に異なってもよい。
続いて、図10および図11に示す監視処理および終了処理の流れについて説明する。監視処理は、押し曲げ処理の開始と同時に開始される。図10に示すように、監視処理では、まず、制御部90は、電流計95の検出した電流値が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS201)。そして、電流値が閾値以下でない場合、ステップS201を繰り返す。
図12に示すように、押し曲げ処理を行っている間、計測電極部33が繋がっている間は、電流計95が検出する電流値は略一定である。押し上げ具93の押し上げを繰り返すことによって、計測電極部33が破断してナノ電極48,49が形成されると、当該電流値は急に小さくなる。なお、図12の例では、時刻T1において、電流値が閾値以下となっている。
そして、ステップS201において電流値が閾値以下となったと判断すると、制御部90は、図9に示す押し曲げ処理を中断するとともに、監視処理を終了する。そして、引き続き、以下の終了処理を行う。具体的には、ステップS202において、押し上げ具93による押し上げを中断し(ステップS202)、初期位置まで引き戻す(ステップS203)。
その後、ステップS104およびステップS111と同様、待機を行う(ステップS204)。初期位置へと配置されると、形成されたナノ電極48,49は、互いの先端部が接触する。これにより、再び電流計95の検出する電流値が、計測電極部33の破断前の電流値と近似した値となる。
制御部90は、この時点でのカウント数nがNであるか否かを判断する(ステップS205)。カウント数nでない場合、制御部90は、カウント数nをインクリメントする(ステップS206)。一方、カウント数nがNであると判断すると、カウント数n=Nのまま、ステップS207へと進む。そして、制御部90は、カウント数nとは異なる第2カウント数mをm=1に設定するとともに、押し上げ速度VuをVu=Anに設定する(ステップS207)。ここで、第2カウント数mは、破断後の押し上げ回数を示すパラメータである。すなわち、ステップS205〜ステップS207において、押し上げ速度Vuが最大の押し上げ速度A4に達していない場合、押し上げ速度Vuを一段階大きくする。
続いて、図11に示すように、制御部90は、押し上げ速度Vuで、押し上げ具93の押し上げを開始する(ステップS208)。同時に、制御部90は、電流計95の検出した電流値が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS209)。ステップS209における閾値は、ステップS201における閾値と同じである。そして、電流値が閾値以下でない場合、ステップS209を繰り返す。
押し上げ具93による電極基板1の押し上げによって、計測電極部33の基端部41間の距離が拡がり、形成されたナノ電極48,49間に間隙が生じる。これにより、再び電流値が閾値以下となる。すると、ステップS209において電流値が閾値以下となったと判断し、制御部90は、押し上げ具93による押し上げを中断し(ステップS210)、初期位置まで引き戻し(ステップS211)、その後待機を行う(ステップS212)。
そして、制御部90は、第2カウント数mが予め設定された第2繰り返し回数Mに達したか否かを判断する(ステップS213)。図12の例では、第2繰り返し回数Mは、M=2である。
ステップS213において第2カウント数mが第2繰り返し回数Mに達していない場合、ステップS214へと進み、制御部90は、カウント数nがNに達したか否かを判断する(ステップS214)。カウント数nがNに達していないと判断すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントし(ステップS215)、ステップS216へと進む。一方、カウント数nがNに達していると判断すると、制御部90は、そのままステップS216へと進む。
ステップS216では、制御部90は、第2カウント数mをインクリメントするとともに、押し上げ速度VuをVu=Anに設定する。すなわち、ステップS214〜ステップS216において、押し上げ速度Vuが最大の押し上げ速度A4に達していない場合、押し上げ速度Vuを一段階大きくする。そして、再びステップS208へと戻る。
ステップS213において第2カウント数mが第2繰り返し回数Mに達していると判断すると、制御部90は、終了処理を終了する。
このように、この押し曲げ装置9では、計測電極部33の基端部41同士を離間する工程と、初期位置に戻す工程とを繰り返すことにより、計測電極部33を破断してナノ電極48,49を形成する。ここで、図13および図14は計測電極部33の破断時の様子を示した概略図である。図13および図14中、押し曲げ処理前の初期位置における計測電極部33が破線で示されている。
計測電極部33の基端部41同士を突然大きな距離で離間させたり、突然大きな速度で離間させたりした場合、幅狭部42付近が細く引き伸ばされずに計測電極部33が破断する。すると、図13に示すように、破断部であるナノ電極48,49の先端部が太く、かつ、凹凸のある破断面となる。さらに、急激に破断した場合、ナノ電極48,49の先端部の金属原子の再構成がうまく行われず、先端部が基端部41側へと引き込まれてナノ電極48,49の先端部が丸くなる虞がある。
図9に示す押し曲げ処理のように、計測電極部33の基端部41同士を離間する工程と、初期位置に戻す工程とを繰り返しつつ、離間速度を次第に大きくする。このようにすると、幅狭部42付近が次第に細く引き伸ばされるとともに、引き戻しによって幅狭部42付近の金属原子の再構成が行われる。特に、初期位置まで引き戻しを行うことにより、破断時に、ナノ電極48,49の先端部が基端部41側へと引き込まれるのが抑制される。これにより、図14に示すように、破断部であるナノ電極48,49の先端部が細く、かつ、安定的に破断できる。したがって、先端が細く、かつ安定的なナノ電極48,49を得ることができる。
本実施形態では、さらに、初期位置へ引き戻した後、初期位置において待機時間を設けている。これにより、引き伸ばされた後に、幅狭部42付近の金属原子の再構成がより時間をかけて行われる。これにより、先端部がより安定的なナノ電極48,49を得ることができる。
また、本実施形態では、第1押し上げ高さで複数回押し上げ工程および引き戻し工程を繰り返した後、第1押し上げ高さよりも大きい第2押し上げ高さで押し上げ工程および引き戻し工程を繰り返す。このように、段階的に押し上げ高さを大きくすることにより、計測電極部33が急激に破断するのを抑制できる。したがって、先端が細く、かつ安定的なナノ電極48,49を得ることができる。
また、本実施形態では、計測電極部33の破断後にも、計測電極部33の基端部41同士を離間する工程と、初期位置に戻す工程とを行っている。これにより、破断直後のナノ電極48,49の先端部の金属原子がより安定する。したがって、破断後のナノ電極48,49の先端部が基端部41側へと引き込まれて丸くなることを、より抑制できる。
<2.第2実施形態>
以下では、第2実施形態に係る電極基板1の切断処理のうち、押し曲げ処理について、図15および図16を参照しつつ説明する。図15は、第2実施形態に係る電極基板1の押し曲げ処理の流れを示したフローチャートである。図16は、計測電極部33の破断処理における電極基板1の押し上げ高さの時系列変化の一例を示した図である。なお、本実施形態の押し曲げ処理において、使用する電極基板1および押し曲げ装置9は第1実施形態と同様である。また、監視処理および終了処理についても、第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係る押し曲げ処理では、まず、電極基板1を押し曲げ装置9にセットする(ステップS301)。そして、制御部90は、初期動作として、カウント数nをn=1に設定するとともに、第1押し上げ速度Vu1をVu1=A1に設定する(ステップS302)。ここで、第1押し上げ速度Vu1とは、押し上げ具93を初期位置から所定の第1高さH1まで押し上げる速度である。
次に、制御部90は、第1実施形態のステップS103〜S105押し上げ具93を、第1高さH1まで押し上げる押し上げ工程(ステップS303)と、押し上げ具93を初期位置まで引き戻す引き戻し工程(ステップS304)と、押し上げ具93を初期位置において所定時間待機させる待機工程(ステップS305)とを行う。なお、ステップS303は、設定された第1押し上げ速度Vu1=A1で行われ、ステップS304は戻し速度Vd=Bで行われる。
ステップS303〜S305の一連の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程が行われると、制御部90は、カウント数nが所定の繰り返し回数Nに達したか否かを判断する(ステップS306)。図16の例では、繰り返し回数N=4回である。
ステップS306において、カウント数nがn=Nに達していないと判断すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントした後、第1押し上げ速度Vu1をVu1=Anに設定する(ステップS307)。すなわち、制御部90は、第1押し上げ速度Vu1を、以前に行った押し上げ工程(ステップS303)における第1押し上げ速度Vu1よりも大きい押し上げ速度に設定する。そして、制御部90は、ステップS303へと戻る。
ステップS306において、カウント数nがn=Nに達したと判断すると、制御部90は、カウント数nをn=1にリセットする。また、同時に、第1押し上げ速度Vu1をVu1=ANのままとし、第2押し上げ速度Vu2をVu2=A1に設定する(ステップS308)。ここで、第2押し上げ速度Vu2とは、押し上げ具93を第1高さH1から所定の第2高さまで押し上げる速度である。
続いて、制御部90は、押し上げ具93を、設定された第1押し上げ速度Vu1=ANで初期位置から第1高さH1まで押し上げ、引き続き、設定された第2押し上げ速度Vu2=A1で第1高さH1から第2高さH2まで押し上げる(ステップS309)。このように、最大の押し上げ速度ANで押し上げを行ったことのある第1高さH1までは、最大の押し上げ速度ANで押し上げを行う。これにより、計測電極部33に無理な負荷がかかって急激に破断するのを抑制しつつ、ステップS309の押し上げ工程にかかる時間を短縮できる。
その後、制御部90は、引き戻し工程(ステップS310)および待機工程(ステップS311)を行う。その後、制御部90は、カウント数nが所定の繰り返し回数Nに達したか否かを判断する(ステップS312)。図16の例では、繰り返し回数N=4回である。
ステップS312において、カウント数nがn=Nに達していないと判断すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントした後、第2押し上げ速度Vu2をVu2=Anに設定する(ステップS313)。すなわち、第2押し上げ速度Vu2を以前の第2押し上げ速度Vu2よりも大きい速度に設定する そして、制御部90は、ステップ309に戻る。
一方、ステップS312において、カウント数nがn=Nに達したと判断すると、制御部90は、カウント数nをインクリメントせず、カウント数nをn=Nのままとする。同時に、第1押し上げ速度Vu1および第2押し上げ速度Vu2をVu1=Vu2=ANの設定のままとする(ステップS314)。そして、その後は、第1押し上げ速度Vu1および第2押し上げ速度Vu2をVu1=Vu2=AN、ステップS309〜S311の押し上げ工程、引き戻し工程および待機工程を繰り返す。
本実施形態のように、押し上げ高さごとに段階的に押し上げ速度を設定してもよい。このようにすれば、計測電極部33が先細構造以外で急激に破断するのを抑制しつつ、破断処理にかかる時間を短縮できる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、電極基板の有する金属層が外部から電力が入力される接続用電極間を一対のみ有したが、本発明はこれに限られない。1つの電極基板が、外部から電力が入力される電極を複数対有していてもよい。例えば、第1流路と第2流路との間に電気泳動用の電圧を印加してもよい。
上記の実施形態では、同じ押し上げ高さにおける繰り返し回数がそれぞれ4回ずつであったが、本発明はこれに限られない。繰り返し回数は、2回、3回、あるいは5回以上であってもよい。また、押し上げ高さごとに、繰り返し回数が異なってもよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 電極基板
9 押し曲げ装置
10 制御部
20 基板層
23 計測流路
30 金属層
31 接続用電極部
32 配線部
33 計測電極部
41 基端部
42 幅狭部
48,49 ナノ電極
53 計測流路
90 制御部
93 押し上げ具
H1 第1高さ
H2 第2高さ
Vd 戻し速度
Vu 押し上げ速度

Claims (4)

  1. 生体高分子の識別に用いられる基板であって、
    絶縁性の基板層と、
    前記基板層の上に配置され、第1方向に延びる金属線と、
    を有し、
    前記基板層は、
    前記金属線の下方において、上面から凹み、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に延びる溝
    を有する、基板。
  2. 請求項1に記載の基板であって、
    前記金属線は、前記溝と上下に重なる位置に、幅狭部を有する、基板。
  3. 請求項1に記載の基板であって、
    前記金属線は、前記溝と上下に重なる位置に、破断部を有する、基板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板であって、
    前記溝は、上方に向かうにつれて幅が大きくなる、基板。
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