JP4062919B2 - 検査プローブ及びこれを用いた検査治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体パッケージ等の検査に用いられる導通検査治具に係わり、特に複数の任意の測定点をアクティブ、あるいはノンアクティブ状態にできる検査プローブ及びこれを用いた検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体パッケージの検査においては、ソケット方式のコンタクト装置が広く用いられている。図7は、ソケット方式の検査治具に用られる半導体パッケージ80、検査治具70及び保持移動機構90の一例を示す。
上記半導体パッケージの検査は、検査治具70と半導体パッケージ80を保持、移動する保持移動機構90とからなり、検査治具70は支持基板71にばね状接触電極72とガイド機構73を固定したもので、保持移動機構90に保持された半導体パッケージ80は半導体パッケージ80のモールド樹脂82の外形加工されたテーパー部82aを利用して、検査治具70のガイド機構73に沿って移動して位置決めされ、半導体パッケージ80のリード端子81が検査治具70のばね状接触電極72に接触した状態で停止し、導通検査が行われる。
【0003】
図8に、半導体パッケージ80のリード端子81が検査治具70のばね状接触電極72に接触した状態で検査が行われている状態を示す。
リード端子81が検査治具70のばね状接触電極72に接触、加圧された状態で、ばね状接触電極72はたわみにより沈み、適度の加圧状態で確実に接触され、半導体パッケージ80の特性試験が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の検査方法では、リード端子81の多ピン化に伴ってリードピッチが小さくなるとばね状接触電極72の加工及び取り付け限界を超えてしまい、従来の加工技術では実現できなくなってしまうという問題を有する。
また、マトリクスアレイ状にリード端子が配置されている半導体パッケージの検査のような場合、狭ピッチ化、多ピン化が進み数百から数千ピンになった場合上記の検査治具構成では構造、加工、組み立ての面で複雑かつ困難になるという問題を有する。
【0005】
そこで、確実な電気的接触が図れ、しかも狭ピッチ化に対応できる検査プローブ及びこれを用いた検査治具が望まれていた。
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、半導体パッケージ等のリード端子の狭ピッチ、多ピン化に対応した検査精度に優れた検査プローブ及びこれを用いた検査治具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記問題を解決するため、請求項1においては、支持基材11aと絶縁膜12aとばね状リード13aとばね状リード13aの先端に形成された電極14とからなる検査電極10と、かぎ型21と支点22とラッチアーム23とからなるラッチ機構20と、支持基材11a上に形成された支持枠31と支持枠31の側面に形成された対向電極32とラッチアーム21の側面に形成された可動電極33とからなる検査電極制御機構30とから構成されていることを特徴とする検査プローブとしたものである。
【0007】
また、請求項2においては、前記検査電極制御機構30は、前記可動電極33と前記対向電極32に電圧を印加することにより前記ラッチ機構20の支点22を介して前記ばね状リード13aの先端に形成された前記電極14をアクティブ、あるいはノンアクティブ状態にできることを特徴とする請求項1記載の検査プローブとしたものである。
【0008】
さらにまた、請求項3においては、請求項1または請求項2記載の検査プローブ50をマトリックス状に配置して検査治具100を形成し、前記検査電極制御機構30により複数の任意の前記検査プローブ50をアクティブ、あるいはノンアクティブ状態の選択接触にできることを特徴とする検査治具としたものである。
【0009】
本発明の検査プローブ及びこれを用いた検査治具は、マトリックス状に配置された検査プローブを任意の位置で、任意の数だけアクティブ、あるいはノンアクティブ状態の選択接触ができ、且つ狭ピッチ、多ピン化に対応した半導体パッケージの導通検査だけでなく伝送特性などの電気特性検査が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、検査プローブ50をマトリックス状に配置した検査治具100の一実施例を示す模式平面図を、図2に、図1の検査プローブ50をA−A’面で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
請求項1に係わる本発明の検査プローブ50は、図2に示すように、検査電極10とラッチ機構20と検査電極制御機構30とから構成されている。
検査電極10は支持基材11aの片面に絶縁膜12aを介して片持ち梁からなるバネ状リード13aと、バネ状リード13aの先端に電極14が設けられ、バネ状リード13aは電極14から電気信号を引き出す信号配線の役目と検査電極10を被検査体に所定の圧力で押しつける役目を有する。
【0011】
バネ状リード13aは、板状のもの、棒状のものなど各種のものが考えられるが、ラッチをかけるため板状が好ましい。また、その材質については、導電性があることと、ある程度の剛性があることが条件となる。適当な弾性を有する構造材で導電性があれば各種の材料が使用可能であるが、微細構造物の加工に適していること、信号配線の形成及び制御のし易さを考慮した材料が好ましい。
支持基材11aは微細加工性に優れた材質が好ましく、例えば、シリコン基板を加工したものが利用できる。
絶縁膜13aは支持基材11aとバネ状リード13aの電気的絶縁を行うもので、絶縁性の高い樹脂フィルムの積層体もしくは酸化膜、チッ化膜等が利用できる。
電極14は、被検査体に接触して電気的導通を行うもので、電気的導通性に優れ、電解めっき適性があり、ある程度の強度、硬度を有する銅、ニッケル等が適している。銅の場合は導電性に優れ、電解めっき性に優れた材料であるが強度、耐久性の点で劣るので、表面をニッケル皮膜を形成した構造にすると良い。
先端形状は耐久性の面だけなら鈍な形状が好ましいが、これは用途により適宜選択すればよい。
【0012】
ラッチ機構20は、かぎ型21、支点22及びラッチアーム23を有し、ラッチアーム23の側面にラッチアーム23と電気的に絶縁され、且つ表面に絶縁性の膜を有する可動電極33が形成されており、検査電極制御機構30と連動して検査電極10のアクティブ、あるいはノンアクティブ状態を制御している。
ここで、アクティブ状態とは検査電極10が検査できる状態になっていることを言い、ノンアクティブ状態とは検査電極10が検査できる状態になっていないことを言う。
【0013】
検査電極制御機構30は支持基材11a上に形成された支持枠31と支持枠31の側面に支持枠31と電気的に絶縁され、且つ表面に絶縁性の膜を有する対向電極32とラッチアーム21の側面に形成された可動電極33とからなり、対向電極32と可動電極33とに直流電圧を印加してかぎ型21の位置を制御している。対向電極32にプラス、可動電極33にマイナスを印加すると対向電極32と可動電極33は引き合ってかぎ型21のラッチが持ち上げられる。対向電極32にプラス、可動電極33にプラスの直流電圧を印加すると対向電極32と可動電極33は反発しあって初期の状態に戻り、対向電極32と可動電極33の電圧を印加しなくても、自重でラッチをかける側に傾いた状態を維持する。これは、支点22で支えられているかぎ型21の部分だけ重心に偏りを生じるためである。
【0014】
検査治具100の選択接触の動作機構を図2〜図5を用いて説明する。
まず、図2に示すようなラッチ機構20及び検査電極制御機構30が非動作状態の検査プローブ50をアクティブ状態の初期状態とする。
次に、検査治具100の所定箇所の検査プローブ50をノンアクティブ状態にするために、電極14とばね状リードの先端を押し込んでラッチ機構20のかぎ型21の部分にばね状リード13の先端を引っかけて、検査電極14をノンアクティブ状態にする(図3参照)。
ここで、検査プローブ50をノンアクティブ状態にする必要がなければこの動作は必要なくなる。
【0015】
次に、検査治具100の検査プローブ50を被検査体に押しあて、アクティブ状態の検査プローブ50の導通及び電気特性検査を行う。
次に、ノンアクティブ状態の検査プローブ50をノンアクティブ状態にするため、検査電極制御機構30の対向電極32にプラス、可動電極33にプラス(それぞれマイナスでも良い)の直流電圧を印加し、バネ状リード13の先端をラッチ機構20のかぎ型21からラッチを解除する(図4参照)。
次に、検査電極制御機構30の対向電極32及び可動電極33の電圧を解除して、検査プローブ50をアクティブ状態の初期状態にする(図5参照)。
【0016】
以下、検査プローブ及び検査治具の作製方法について述べる。
図6(a)〜(c)に、検査プローブ及び検査治具の作製方法の一例を示す。
まず、所定サイズの500μm厚のシリコン板11にSiO2からなる絶縁膜12及び20μm厚のシリコン板13を設けたシリコン貼り合わせ基板を用意する(図6(a)参照)。
【0017】
次に、フォトエッチングプロセスにより開口部15を有する支持基材11a、支持基材11b、絶縁膜12a、幅100μm、ピッチ150μmのバネ状リード13a及び支持枠31を形成し、バネ状リード13aの先端部に電解めっきプロセスににて円錐状の銅電極を形成し、表面にニッケル皮膜を形成した電極14を有する検査電極10を作製する。さらに、支持枠31の側面にSiO2をスパッタして絶縁膜を形成し、さらに、絶縁膜上に金を蒸着して金の導体層を形成し、パターニング処理し、さらにSiO2をスパッタして絶縁膜を形成して対向電極32を形成する(図6(b)参照)。
【0018】
次に、開口部15側の支持基材11b上に、電解めっき、ウィスカー等の膜形成技術と反応性イオンエッチング、マイクロマシニング等の微細加工を併用した加工あるいは一体成型、LIGA(Lithographie Galbanoformung Abformung)プロセスによる型押し法などの方法でかぎ型21、支点22及びラッチアーム23を有するラッチ機構20を作製し、ラッチアーム23の側面にSiO2をスパッタして絶縁膜を形成し、さらに、絶縁膜上に金を蒸着して金の導体層を形成し、パターニング処理し、さらにSiO2をスパッタして絶縁膜を形成して可動電極33を形成し、検査電極10、ラッチ機構20及び検査電極制御機構30からなる検査プローブ50が作製され(図6(c)参照)、多面付けプロセスで行っているので検査治具100を得ることができる。
【0019】
上記検査治具100を用いて、検査プローブ50のアクティブ、ノンアクティブ状態をセットした選択接触により半導体パッケージの電気特性検査を行った結果目的位置の検査対象上の端子電極について電気検査を行うことができた。
【0020】
【発明の効果】
上記したように本発明の検査治具を用いることにより、100μ以下の端子電極を有する狭ピッチ多ピン化対応の半導体パッケージ等マトリックスアレイ状に配置されたリード端子の選択接触による電気特性検査を容易に、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査プローブをマトリックス状に配置した本発明の検査治具の一実施例を示す模式平面図である。
【図2】図1の検査プローブをA−A’線で切断した本発明の検査プローブの一実施例を示す模式構成断面図である。
【図3】本発明の検査治具の選択接触の動作機構を示す説明図である。
【図4】本発明の検査治具の選択接触の動作機構を示す説明図である。
【図5】本発明の検査治具の選択接触の動作機構を示す説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、検査プローブの作製方法の一例を示す模式構成断面図である。
【図7】従来の検査治具を用いて半導体パッケージを検査している状態を示す説明図である。
【図8】従来の検査治具を用いて半導体パッケージを検査している状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10……検査電極
11、13……シリコン基板
11a、11b……支持基材
12、12a……絶縁膜
13a……ばね状リード
14……電極
15……開口部
20……ラッチ機構
21……かぎ型
22……支点
23……ラッチアーム
30……検査電極制御機構
31……支持枠
32……対向電極
33……可動電極
50……検査プローブ
70、100……検査治具
71……支持基板
72……ばね状接触電極
73……ガイド機構
80……半導体パッケージ
81……リード端子
82……モールド樹脂
82a……テーパー部
90……保持移動機構
Claims (3)
- 支持基材(11a)と絶縁膜(12a)とばね状リード(13a)とばね状リード(13a)の先端に形成された電極(14)とからなる検査電極(10)と、かぎ型(21)と支点(22)とラッチアーム(23)とからなるラッチ機構(20)と、支持基材(11a)上に形成された支持枠(31)と支持枠(31)の側面に形成された対向電極(32)とラッチアーム(23)の側面に形成された可動電極(33)とからなる検査電極制御機構(30)とから構成されていることを特徴とする検査プローブ。
- 前記検査電極制御機構(30)は、前記可動電極(33)と前記対向電極(32)に電圧を印加することにより前記ラッチ機構(20)の支点(22)を介して前記ばね状リード(13a)の先端に形成された前記電極(14)をアクティブ、あるいはノンアクティブ状態にできることを特徴とする請求項1記載の検査プローブ。
- 請求項1または請求項2記載の検査プローブ(50)をマトリックス状に配置して検査治具(100)を形成し、前記検査電極制御機構(30)により複数の任意の前記検査プローブ(50)をアクティブ、あるいはノンアクティブ状態の選択接触にできることを特徴とする検査治具。
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CN102707221A (zh) * | 2011-04-22 | 2012-10-03 | 苏州市科林源电子有限公司 | 一种充分利用探针使用寿命的pcb板测试治具 |
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