JP2021163953A - トランス - Google Patents

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勉 佐藤
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Abstract

【課題】従来よりも小型、高出力、低雑音で且つ簡易な製造工程により製造することが可能なトランスを提供する。【解決手段】コイルが巻回される柱状の中央脚6及び中央脚15と、中央脚6及び中央脚15の中心軸から見て対称の位置に配置されている三以上の外側脚2等であって、それぞれが柱状の外側脚2等と、中央脚6及び中央脚15の端部と、当該端部に対応した各外側脚2等の端部と、の間に配置され、コイルの電流により発生する磁束を通す上面部1及び下面部10と、を備え、各外側脚2等の横断面の面積の合計が、中央脚6及び中央脚15の横断面の面積以上とされている。また、コイルが巻回されるボビンの一端に、コアCと接続端子との間の沿面距離を確保するガード部を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば電力変換に用いられるトランスの技術分野に属する。
電子部品としてのトランスは、様々な装置に広く用いられている。このようなトランスに要求される特徴としては、例えば、小型化及び低雑音化等である。このような特徴を備えるトランスとして、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。下記特許文献1に開示されているトランスは、一次巻線及び二次巻線を含むコイル部と、当該コイル部を挟み込む状態で配置されるコアと、を備え、各巻線については、平角線を環状に重ねて巻くことで形成される環状部を有する構成とされている。
一方各種電子機器製品では、発振周波数を高周波化して、当該トランスの小型化・多出力化(多出力電圧対応)することが要請されている。
特開2003−324017号公報
しかしながら、上記特許文献1には、上記小型化・多出力化を実現しつつ、それに記載されているトランスを基板に実装するための具体的な構成については、開示も示唆も見当たらない。よって、当該実装可能な構成を備えたトランスが求められる。
そこで本発明は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、従来よりも、小型、高出力、低雑音で且つ簡易な製造工程で製造可能であると共に、基板に対する実装を可能としつつ多出力対応が可能なトランスを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コアと、一のボビンと、一次側コイル及び二次側コイルを含むコイルと、を備えるトランスにおいて、当該ボビンには、一次側回路に接続される複数の前記一次側コイル及び二次側回路に接続される複数の前記二次側コイルがそれぞれ巻回されており、当該ボビンは、当該一次側コイルを当該一次側回路に接続するための複数の一次側外部接続端子と、当該二次側コイルを当該二次側回路に接続するための複数の二次側外部接続端子と、が、当該ボビンの中心軸方向の一の端部に備えられた筒状のボビンであり、前記コアは、前記ボビンの内部に通された柱状の中央脚と、前記コイルの外側の位置であって当該中央脚の中心軸から見て対称の位置に配置されている三以上の外側脚であって、それぞれが柱状の外側脚と、前記中央脚の端部と、当該端部に対応した各前記外側脚それぞれの端部と、の間に配置され、各前記コイルに流される電流により発生する磁束を通す磁束通過部と、からなり、各前記外側脚の中心軸に垂直な断面の面積の合計が、前記中央脚の中心軸に垂直な断面の面積以上であり、前記ボビンにおいて、複数の前記一次側外部接続端子及び複数の前記二次側外部接続端子がそれぞれ直線状に並んで形成されており、当該各一次側外部接続端子及び当該各二次側外部接続端子を介して基板に実装されるように構成される。
請求項1に記載の発明によれば、中央脚と、三以上の外側脚と、を備え、各外側脚の中心軸に垂直な断面の面積の合計が、中央脚の中心軸に垂直な断面の面積以上とされている。よって、外側脚が二以下の場合に比して、トランスとしての機能を担保しつつ、中央脚と各外側脚との間のコイルが巻回される空間を広げることができるため、コイルの巻回量を増大させることによる小型化・高出力化が可能となる。また、中央脚の中心軸から見て対称の位置に各外側脚が配置されるため、外部磁束が閉ループを形成することで、外部への雑音漏洩を防止することができる。更に中央脚及び各外側脚がそれぞれ柱状であるため、製造工程を簡略化できる。更にまた、一次側コイル及び二次側コイルが巻回されるボビンが、複数の一次側外部接続端子及び複数の二次側外部接続端子を、その中心軸方向の一の端部に備えた筒状のボビンであるので、小型、高出力、多出力対応で且つ設置面積を縮小化したトランスを、基板に対する実装を可能としつつ実現することができる。また、複数の一次側外部接続端子及び複数の二次側外部接続端子がそれぞれ直線状に並んで形成されており、各一次側外部接続端子及び各二次側外部接続端子を介してトランスが基板に実装されるので、基板設計等において従来のトランスと同等の使い勝手を提供することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトランスにおいて、前記ボビンは、当該ボビンの前記一の端部側に、前記コアと、各前記一次側外部接続端子及び各前記二次側外部接続端子と、の間の当該一の端部側おける沿面距離を、安全上の観点から予め設定された沿面距離以上とするための沿面距離確保部を更に備える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、ボビンが、その一の端部側に、コアと、各一次側外部接続端子及び各二次側外部接続端子と、の間の沿面距離を、安全上の観点から既定された沿面距離以上とするための沿面距離確保部を更に備えるので、設置面積を縮小化しつつ、安全上の観点から要求される沿面距離を確保することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のトランスにおいて、前記沿面距離確保部は、各前記外側脚の前記一の端部側の形状に対応した形状を有するように構成される。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、沿面距離確保部が、ボビンの一の端部側の各外側脚の形状に対応した形状を有するので、設置面積を効率的に縮小化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスにおいて、前記コアが三以上奇数個の前記外側脚を備え、前記中央脚の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸とした線対称の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、三以上奇数個の外側脚を備え、中央脚の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸とした線対称の位置に外側脚がそれぞれ一ずつ配置されているので、外部への雑音漏洩をより効果的に防止することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスにおいて、前記コアが四以上偶数個の前記外側脚を備え、前記中央脚の中心軸を中心とした点対称の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、四以上偶数個の外側脚を備え、中央脚の中心軸を中心とした点対称の位置に外側脚がそれぞれ一ずつ配置されているので、外部への雑音漏洩をより効果的に防止することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のトランスにおいて、前記コアが四の前記外側脚を備え、前記中央脚の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されており、前記磁束通過部は、各前記外側脚及び前記中央脚それぞれの位置に対応した平面視十字形状を有するように構成される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、コアが四の外側脚を備え、中央脚の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に外側脚がそれぞれ一ずつ配置されており、更に磁束通過部が、各外側脚及び中央脚それぞれの位置に対応した平面視十字形状を有するので、外部への雑音漏洩を更に効果的に防止することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のトランスにおいて、各前記外側脚の中心軸に垂直な前記断面の面積が全て同一であるように構成される。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、各外側脚の中心軸に垂直な断面の面積が全て同一であるので、不要な発熱を抑制することが可能となる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のトランスにおいて、複数の前記二次側コイルのそれぞれが相互に異なる出力電圧に対応しているように構成される。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、複数の二次側コイルのそれぞれが相互に異なる出力電圧に対応しているので、高出力、異なる出力電圧による多出力対応で且つ設置面積を縮小化したトランスを実現することができる。
本発明によれば、中央脚と、三以上の外側脚と、を備え、各外側脚の中心軸に垂直な断面の面積の合計が、中央脚の中心軸に垂直な断面の面積以上とされている。よって、外側脚が二以下の場合に比して、トランスとしての機能を担保しつつ、中央脚と各外側脚との間のコイルが巻回される空間を広げることができるため、コイルの巻回量を増大させることによる小型化・高出力化が可能となる。
また、中央脚の中心軸から見て対称の位置に各外側脚が配置されるため、外部磁束が閉ループを形成することで、外部への雑音漏洩を防止することができる。更に中央脚及び各外側脚がそれぞれ柱状であるため、製造工程を簡略化できる。
更にまた、一次側コイル及び二次側コイルが巻回されるボビンが、複数の一次側外部接続端子及び複数の二次側外部接続端子を、その中心軸方向の一の端部に備えた筒状のボビンであるので、高出力、多出力対応で且つ設置面積を縮小化したトランスを、基板に対する実装を可能としつつ実現することができる。
また、複数の一次側外部接続端子及び複数の二次側外部接続端子がそれぞれ直線状に並んで形成されており、各一次側外部接続端子及び各二次側外部接続端子を介してトランスが基板に実装されるので、基板設計等において従来のトランスと同等の使い勝手を提供することができる。
実施形態のコアの構造を示す図であり、(a)は当該コアの平面図であり、(b)は当該コアの正面図であり、(c)は当該コアの右側面図であり、(d)は(b)図におけるB−B’部断面図であり、(e)は(a)図におけるA−A’部断面図であり、(f)は当該コアを構成する下部部材の外観斜視図であり、(g)は当該コアを構成する上部部材の外観斜視図である。 実施形態のボビンの構造を示す図であり、(a)は当該ボビンの平面図であり、(b)は当該ボビンの下面図であり、(c)は当該ボビンの正面図であり、(d)は当該ボビンの右側面図であり、(e)は(a)図におけるC−C’部断面図であり、(f)は当該ボビンの外観斜視図である。 実施形態のコアを構成する上部部材及び下部部材への実施形態のボビンの挿入状態を示す外観斜視図である。 実施形態のコアに実施形態のボビンを挿入した状態を示す図であり、(a)は当該状態の平面図であり、(b)は当該状態の下面図であり、(c)は当該状態の正面図であり、(d)は当該状態の右側面図であり、(e)は当該状態の外観斜視図であり、(f)は(a)図におけるD−D’部断面図である。 実施形態のトランスの構造を示す図であり、(a)は当該トランスの平面図であり、(b)は当該トランスの正面図であり、(c)は当該トランスの右側面図であり、(d)は(a)図におけるE−E’部断面図である。 実施形態のトランスにおける磁束の状態を示す図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図である。 実施形態のコアを含むトランスの効果を具体的に例示する図であり、(a)は従来のEE型コアを含むトランスの横断面の第一例を示す図であり、(b)は実施形態のコアを含むトランスの効果を示す横断面図であり、(c)は従来のEE型コアを含むトランスの横断面の第二例を示す図である。 変形形態のコアの構造を例示する図であり、(a)は当該構造の第一例を示す平面図であり、(b)は当該構造の第二例を示す平面図であり、(c)は当該構造の第三例を示す平面図である。
次に、本発明の実施形態及び変形形態について、図1乃至図7を用いて説明する。なお以下に説明する実施形態及び変形形態は、電力変換用のトランスに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
(I)実施形態
初めに、本発明の実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。なお、図1は実施形態のコアの構造を示す図であり、図2は実施形態のボビンの構造を示す図であり、図3は実施形態のコアを構成する上部部材及び下部部材への実施形態のボビンの挿入状態を示す外観斜視図であり、図4は実施形態のコアに実施形態のボビンを挿入した状態を示す図である。また、図5は実施形態のトランスの構造を示す図であり、図6は当該トランスにおける磁束の状態を示す図であり、図7は実施形態のコアを含むトランスの効果を具体的に例示する図である。なお図1において、実施形態のコアの背面図は図1(b)に示す正面図と略同一となるので、記載を省略する。また当該コアの左側面図は図1(c)に示す右側面図と略同一となるので、記載を省略する。
図1に示すように、実施形態のコアCは、図1(f)に示す下部部材C1と、図1(g)に示す上部部材C2と、が上下に組み合わされて構成される。このとき上部部材C2及び下部部材C1を形成する材料は、コアCが用いられる実施形態のトランスの発振周波数(換言すれば、必要とされるコアCの透磁率)に基づいて決定され、より具体的に例えば、フェライト粉末、鉄ダスト、パーマロイモリブデン粉末、ケイ素鋼板等が用いられる。このとき、フェライト粉末は当該トランスを例えば50キロヘルツ程度の発振周波数で用いる場合に、コアCの材料として好適である。また鉄ダスト及びパーマロイモリブデン粉末はそれぞれ、当該トランスを例えば20キロヘルツ以上の発振周波数で用いる場合に、コアCの材料として好適である。このとき、鉄ダストとパーマロイモリブデン粉末との使い分けは、例えば実施形態のコアCを備えるトランスの設計上求められる、いわゆるコアロスによる。更にケイ素鋼板は、当該トランスを例えば20キロヘルツ以下の発信周波数で用いる場合(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT))と共に用いる場合等)に、コアCの材料として好適である。
そして図1(f)に示すように、実施形態のコアCの下部部材C1は、平板状の下面部10と、柱状の中央脚15と、それぞれが柱状の外側脚11乃至外側脚14と、が一体成形されて形成されている。一方図1(g)に示すように、当該コアCの上部部材C2は、平板状の上面部1と、柱状の中央脚6と、それぞれが柱状の外側脚2乃至外側脚5と、が一体成形されて形成されている。このとき上面部1及び下面部10が本発明の「磁束通過部」の一例に相当する。そして図1(a)乃至図1(e)に示すように、上記下部部材C1と上記上部部材C2とが組み合わせられることにより、実施形態のコアCが構成される。このとき下部部材C1及び上部部材C2は、それぞれの中心軸が一致するように中央脚6と中央脚15とが対向し、且つ、外側脚2乃至外側脚5並びに外側脚11乃至外側脚14が、中央脚6及び中央脚15の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に位置する(即ち、図1(a)又は図1(d)に示すように平面視十字型に位置する)ように形成されている。なお以下の説明において、外側脚2乃至外側脚5及び外側脚11乃至外側脚14について共通の事項を説明する場合、単に「外側脚2等」と称する。
上記の構成を備えるコアCにおいては、外側脚2等それぞれの中心軸に垂直な断面(中心軸に垂直な断面を、単に「横断面」と称する。図1(d)参照。)の面積の合計が、中央脚6又は中央脚15の横断面(図1(d)参照)の面積以上とされている。より具体的には、外側脚2等それぞれの横断面の面積が相互に等しく、且つ、当該各横断面の面積の合計が、中央脚6又は中央脚15の横断面の面積に等しい。換言すれば、中央脚6又は中央脚15の横断面の面積と、外側脚2等それぞれの横断面の面積との比が、4:1:1:1:1となっている。これは、コアCを備える実施形態のトランスを機能させる場合の発熱を抑えるためである。なお、上記比の値は一例であり、中央脚6又は中央脚15の横断面の面積と、外側脚2等それぞれの横断面の面積との比は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更し得る。
これに加えて実施形態のコアCでは、外側脚2等が合計四つあることから、外側脚が二つのコアを備える従来のトランスに比して外側脚2等一つ一つの横断面の面積を小さくすることができる。即ち、外側脚を二つ備える従来のコアにおいて上記発熱を抑制しつつトランスとして機能させる場合、各外側脚の横断面の面積はそれぞれ、中央脚の横断面の面積の半分以上である必要がある。これに対して実施形態のコアCでは、外側脚2等が四つあるため、外側脚2等それぞれの横断面の面積は、中央脚6及び中央脚15それぞれの横断面の面積の四分の一以上(より好ましくは四分の一)でよい。このため実施形態のコアCでは、外側脚2等の横断面の面積を従来に比して小さくできることから、図1(d)に示すように、中央脚6及び中央脚15と、外側脚2等と、の間の空間を大きくすることができる。そして後述するように、当該空間には実施形態のトランスとしてのボビン及びコイルが組み込まれることから、当該空間が大きいことは結果的に、トランスとしてのコイルの巻き数を多くすることができることになる。これにより実施形態のコアCを備えるトランスでは、従来のトランス(例えば外側脚が二つのコアを備えるトランス)に比して、同一の占有面積又は占有体積でも高出力を得ることができる。このとき、外側脚2等の中央脚6及び中央脚15に対向する側面の形状を図1(d)に示すようにコイルの外周の形状に沿った円弧形状とすることで、トランスとしてのコイルの巻き数を効率的により大きくすることができる。
なお一般に、それに含まれるコアの中央脚の横断面の面積が大きいほどトランスとしての出力は大きくなる。よって実施形態のコアCを備えるトランスでは上述のように、中央脚6及び中央脚15と、外側脚2等と、の間の空間を従来のトランスに対して大きく取れることから、コイルの巻き数を同じとするならば、中央脚6及び中央脚15の横断面の面積を大きくすることにより、トランスとしての高出力化が可能となる。
ここで、下部部材C1の外側脚11乃至外側脚14の上面と、上部部材C2の外側脚2乃至外側脚5の下面との間はなるべく空隙(ギャップ)がないように形成されることが好ましい。これに対し、中央脚6と中央脚15との対向する面間の空隙は、トランスとして機能させる場合のインダクタンス及び電力の少なくともいずれか一方の調整に適した距離の空隙とすることができる(図1(e)参照)。
更に実施形態のコアCでは上述したように、外側脚2等が、中央脚6及び中央脚15の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に位置している。これにより結果として、外側脚2(外側脚11)と外側脚5(外側脚14)との間の距離、外側脚5(外側脚14)と外側脚3(外側脚12)との間の距離、外側脚3(外側脚12)と外側脚4(外側脚13)との間の距離、及び、外側脚4(外側脚13)と外側脚2(外側脚11)との間の距離、のそれぞれが等しくなる。これにより後述するように、実施形態のコアCを備えるトランスが機能する場合に発生する磁束が、外側脚2(外側脚11)と外側脚5(外側脚14)との間、外側脚5(外側脚14)と外側脚3(外側脚12)との間、外側脚3(外側脚12)と外側脚4(外側脚13)との間、及び、外側脚4(外側脚13)と外側脚2(外側脚11)との間、のそれぞれにおいて閉ループを形成することになる。このため実施形態のコアCを備えるトランスでは、外部への漏れ磁束を最小限として外部に対する雑音の発生を抑制できる。
これらに加えて実施形態のコアCは、上述したように下部部材C1と上部部材C2との組み合わせにより構成される。そして下部部材C1及び上部部材C2はそれぞれ、主として柱状の中央脚6及び中央脚15並びに外側脚2等といった直線部分の多い部材からなる。よって、例えば従来の球状のコアに比して、コアCとしての製造工程、ひいては、当該コアCを備える実施形態のトランスの製造工程を簡略化することができる。なお、中央脚6及び中央脚15並びに外側脚2等の横断面の形状は図1等に例示する形状に限られるものではなく、実施形態のコイルの巻回数を多くする等の趣旨に沿った形状とすることができる。また、中央脚6及び中央脚15並びに外側脚2等について、それぞれの横断面の形状が異なっていてもよい。
次に、上記実施形態のコアCと共に実施形態のトランスを構成する実施形態のボビンBについて、図2を用いて説明する。なお図2において、実施形態のボビンの背面図は図2(c)に示す正面図と略同一となるので、記載を省略する。また、当該ボビンの左側面図は図2(d)に示す右側面図と略同一となるので、記載を省略する。
次に図2に示すように実施形態のボビンBは、例えば樹脂を材料とした一体成形により形成されており、円筒形状の本体20と、本体20の中心軸方向の端面それぞれに形成された円環状のフランジ25及びフランジ26と、フランジ26の四隅にそれぞれ形成された端子部21、端子部22、端子部23及び端子部24と、を備えている。なお以下の説明において、端子部21、端子部22、端子部23及び端子部24について共通の事項を説明する場合、単に「端子部21等」と称する。
ここで、実施形態のボビンBの本体20には、後述するようにコイルが巻回される。このとき、実施形態のコイルとしては、外部の一次側回路に接続される一又は複数の一次側コイルと、外部の二次側回路に接続される一又は複数の二次側コイルと、が、一のボビンに巻回される。そして、各コイルを構成する導線の末端が、端子部21等を介して、上記一次側回路又は上記二次側回路に接続される。このとき、例えば端子部21及び端子部23が上記一次コイルと上記一次側回路との接続に用いられる。実施形態の端子部21及び端子部23では、三つの一次側コイルを一次側回路に接続することが可能である。一方、例えば端子部22及び端子部24が上記二次側コイルと上記二次側回路との接続に用いられる。実施形態の端子部22及び端子部24では、配線方法によって、例えば、一出力から五出力までに対応する二次側コイルを二次側回路に接続することが可能である。
より具体的に、図2にそれぞれ示すように、端子部21は、三つの溝部V21と、直線状に並んで形成された三つの接続端子T21と、ガード部G21と、により構成されている。このうち、溝部V21と、ガード部G21とは、端子部21として一体的に形成されていてもよい。また、端子部22は、三つの溝部V22と、直線状に並んで形成された三つの接続端子T22と、ガード部G22と、により構成されている。このうち、溝部V22と、ガード部G22とは、端子部22として一体的に形成されていてもよい。また、端子部23は、三つの溝部V23と、直線状に並んで形成された三つの接続端子T23と、ガード部G23と、により構成されている。このうち、溝部V23と、ガード部G23とは、端子部23として一体的に形成されていてもよい。最後に、端子部24は、三つの溝部V24と、直線状に並んで形成された三つの接続端子T24と、ガード部G24と、により構成されている。このうち、溝部V24と、ガード部G24とは、端子部24として一体的に形成されていてもよい。なお、ガード部G21、ガード部G22、ガード部G23及びガード部G24のそれぞれが、本発明の「沿面距離確保部」の一例に相当する。
次に、端子部21等の構造について、図2を用いて詳説する。なお、端子部21乃至端子部24は、相互に同一の構造を備えている。よって以下の説明では、これらを代表して、端子部22についてその構造を詳説する。
図2にそれぞれ示すように、端子部22の側面に形成された三つの溝部V22は、本体20に巻回された各コイルを構成する導線の末端を、それが接続されるべき接続端子T22のいずれかに導くために形成されている溝部である。当該導線は、対応する溝部V22に沿う形で、それが接続されるべき接続端子T22に導かれる。そして、各溝部V22のそれぞれに対応する三つの接続端子T22が、対応する溝部V22の中心軸に平行な方向に、端子部22から突出するように直線状に並んで形成されている(図2(b)、図2(d)及び図2(f)並びに図3参照)。各接続端子T22は、例えば導電性金属端子の一端が直線状に並んで端子部22に固定されることで形成されている。
一方、端子部22のガード部G22は、平面視L字形に形成されている(図2(b)参照)。この形状は、コアCを構成することとなる下部部材C1の外側脚11及び外側脚14を避け、且つ当該外側脚11及び外側脚14それぞれの外面に沿ってガード部G22を形成するための形状である(図3及び図4(b)参照)。また、ガード部G22の厚さ及びボビンBの中心軸に平行な方向の高さは、コアC(下部部材C1)と各接続端子T22との間の沿面距離が、当該コアCと各接続端子T22との間において例えば電気的な安全上の観点から確保すべきと既定されている沿面距離以上の距離となる厚さ及び高さとされている。ここで、ガード部G22の場合の「沿面距離」とは、下部部材C1とボビンBとを後述するように組み合わせたときの、いずれか一の接続端子T22とそれに最も近い下部部材C21の部分との間における、ガード部G22の外形(表面)に沿った最短の距離である。このとき、当該沿面距離と、当該接続端子T22と当該下部部材C21の部分との間の空間的な最短距離である「空間距離」とは異なる点に注意を要する。
このような形状を有する端子部21等を備えた実施形態のボビンBを実施形態のコアCに挿入した状態について、図3及び図4を用いて説明する。なお図4において、当該状態の背面図は図4(c)に示す正面図と略同一となるので、記載を省略する。また、当該状態の左側面図は図4(d)に示す右側面図と略同一となるので、記載を省略する。
図2を用いて説明した実施形態のボビンBを、図3に示すように中央脚6、ボビンBの本体20及び中央脚15それぞれの中心軸が一致するようにして図1を用いて説明したコアC内に挿入した場合、図4にそれぞれ示すように、ボビンBが中央脚6及び中央脚15と外側脚2等との間の空間内に嵌め込まれる。このとき、特に図4にそれぞれ示すように、コアCの外側脚2等の間の空隙から上記端子部21等が平面視四方に突出するようになる。
次に、実施形態のコアC及びボビンBを備える実施形態のトランスについて、図5を用いて説明する。なお図5において、当該トランスの背面図は図5(c)に示す正面図と略同一となるので、記載を省略する。また、当該トランスの左側面図は図5(d)に示す右側面と略同一となるので、記載を省略する。
図5に示すように、実施形態のトランスTは、必要な長さの一又は複数のコイル30が巻回された実施形態のボビンBが、図3及び図4を用いて説明した状態で、図1を用いて説明した実施形態のコアC内に挿入されることにより構成される。このとき、各コイル30を構成する導線の端部は、対応する端子部21等の接続端子T21、接続端子T22、接続端子T23及び接続端子T24を介して外部の図示しない基板等に接続される。これにより、実施形態のトランスTが上記基板等に実装されることになる。
次に、このようなトランスTのコイル30に電流を流した場合に発生する磁束について、図6を用いて説明する。なお図6(b)においては、実施形態のトランスTにおけるボビンB及びコイル30の記載を省略している。
コイル30に電流を流した場合、図6(a)に一点鎖線で例示するようにコアC内の磁束L1は、中央脚6及び中央脚15と、外側脚2等と、の間に発生する。一方、トランスTの外部に発生する磁束については、仮に各外側脚2等を単独でみた場合には、図6(b)に点線で示す磁束LXがそれぞれに発生する。しかしながら実施形態のコアCの構造によれば、外側脚2等が中央脚6及び中央脚15の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置にあるため、外部に発生する磁束L2は、図6(b)に二点鎖線で例示するように隣り合う外側脚2等同士で閉ループを形成するように発生する。これにより実施形態のトランスTでは、トランスTの外側に不要な磁束が漏れ出ることがない。
以上説明したように、実施形態のコアC及びボビンを備えるトランスTの構造によれば、中央脚6及び中央脚15と、四つの外側脚2等と、を備え、各外側脚2等の横断面の面積の合計が、中央脚6及び中央脚15の横断面の面積に等しくされている。よって、外側脚2等が二以下の場合に比して、トランスTとしての機能を担保しつつ、中央脚6及び中央脚15と各外側脚2等との間のコイル30が巻回される空間を広げることができるため、コイル30の巻回量を増大させることによる、いわゆる多出力線巻対応が可能となる。また、上記コイル30が巻回される空間を広げることが可能となることは、外側脚が二以下の従来の場合に比して、トランスTとして同じ体積又は外形寸法であっても、コアCとしての横断面の面積(特に中央脚6及び中央脚15の横断面の面積)を大きくすることができるため、トランスTとしての小型化・高出力化が可能となる。更に、中央脚6及び中央脚15の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に各外側脚2等があるため、外部磁束が閉ループを形成することで、外部への雑音漏洩を防止することができる。更にまた、中央脚6及び中央脚15並びに各外側脚2等がそれぞれ柱状であるため、製造工程を簡略化できる。また、一次側コイル及び二次側コイルが巻回されるボビンBが、その中心軸方向の一の端部に端子部21等を備えた筒状のボビンBであるので、高出力、多出力対応で且つ設置面積を縮小化したトランスTを、基板に対する実装を可能としつつ実現することができる。更に、端子部21の三つの接続端子T21及び端子部23の三つの接続端子T23、並びに端子部22の三つの接続端子T22及び端子部24の三つの接続端子T24が、それぞれ直線状に並んで形成されており、当該接続端子T21、当該接続端子T23、当該接続端子T22及び当該接続端子T24を介してトランスTが基板等に実装されるので、基板設計等において従来のトランスと同等の使い勝手を提供することができる。
また、ボビンBが、その一の端部側に、コアCと、例えば接続端子T21等と、の間の沿面距離を、安全上の観点から既定された沿面距離以上とするためのガード部G21乃至ガード部G24を更に備えるので、設置面積を縮小化しつつ、安全上の観点から要求される沿面距離を確保することができる。
更に、ガード部G21乃至ガード部G24が、ボビンBの一の端部側の各外側脚2等の形状に対応したL字形の形状を有するので、設置面積を効率的に縮小化することができる。
また、偶数個の外側脚2等を備え、中央脚6及び中央脚15の中心軸を中心とした点対称の位置に外側脚2等がそれぞれ一ずつ配置されていることとなるので、外部への雑音漏洩を更に効果的に防止することができる。
更に、各外側脚2等の横断面の面積が全て同一とする場合には、不要な発熱を抑制することも可能となる。
更にまた、複数の二次側コイルのそれぞれを相互に異なる出力電圧に対応させる場合は、高出力、異なる出力電圧による多出力対応で且つ設置面積を縮小化したトランスTを実現することができる。
ここで、実施形態のコアCを含むトランスTの上述した効果について、より具体的に図7を用いて説明する。なお図7においては、説明の簡略化のため、上記ボビンの記載、及びコイルを構成する導線の記載を省略している。また図7においては、各外側脚の横断面の形状を略四角形として簡略化している。
先ず図7において、領域ARは実施形態のトランスTがその設置時に基板等上において占有する領域(具体的には、例えば一辺が22ミリメートルの正方形の領域)を示している。そして図7(a)に示すように、コイル85が巻回された中央脚82と、二つの外側脚80及び外側脚81と、を備える従来のトランスTT1を、実施形態のトランスTが占有する領域ARを最大限に活用して構成する場合を考える。このとき、外側脚80及び外側脚81それぞれの横断面の形状は同一となるが、その形状における長辺の長さ(図7(a)符号a参照)は例えば8ミリメートルとなり、同様に短辺の長さ(図7(a)符号b参照)は例えば3.14ミリメートルとなり、従って、中央脚82の直径も例えば8ミリメートルとなり、外側脚80及び外側脚81それぞれの横断面の面積は25.12平方ミリメートルとなる。また中央脚82の横断面の面積は(25.12×2=)50.24平方ミリメートルとなる。そしてこの場合に、コイル85の部分の横断面の面積(即ちコイル85の有効断面積)を最大化することを考えると、図7(a)に例示するように、その外径を16ミリメートル(半径8ミリメートル)とし、その内径を8ミリメートル(内径の半径4ミリメートル)とすることができる。よって図7(a)に例示するトランスTT1では、コイル85の部分の横断面の面積は(8×3.14−4×3.14≒)150.72平方ミリメートルとなる。
このような従来のトランスTT1に対し、図7(b)に例示する実施形態のトランスTでは、その占有する領域ARの形状(即ち面積)を同じとすると、外側脚2等それぞれの横断面の形状は同一となり、その形状における長辺の長さ(図7(b)符号c参照)は例えば10ミリメートルとなり、同様に短辺の長さ(図7(b)符号d参照)は例えば1.9625ミリメートルとなり、従って、中央脚6(中央脚15)の直径も例えば10ミリメートルとなり、外側脚2等それぞれの横断面の面積は19.625平方ミリメートルとなる。また中央脚6(中央脚15)の横断面の面積は(19.625×4=)78.5平方ミリメートルとなる。そしてこの場合に、コイル30の部分の横断面の面積(即ちコイル30の有効断面積)を最大化することを考えると、図7(b)に例示するように、その外径を18ミリメートル(半径9ミリメートル)とし、その内径を10ミリメートル(内径の半径5ミリメートル)とすることができる。よって図7(b)に例示する実施形態のトランスTでは、コイル30の部分の横断面の面積は(9×3.14−5×3.14≒)175.84平方ミリメートルとなる。
従って、図7(a)に例示する構造の従来のトランスTT1と、図7(b)に例示する構造の実施形態のトランスTと、を比較すると、同じ占有面積(領域ARの面積)で中央脚6(中央脚15)の横断面の面積が従来よりも1.5625倍(78.5÷50.24)となり、よって実施形態のトランスTでは、同じ占有面積で出力を1.5625倍とすることができることになる。
また上述の通り、従来のトランスTT1に比して、実施形態のトランスTの方がコイル30の部分の横断面の面積が広くなっている。ここで一般に、トランスの機能としてはコイルとしての導線の巻き数も問題となる。この点につき、図7(a)に例示するコイル85の部分の横断面の幅と図7(b)に例示するコイル30の部分の横断面の幅とは共に4ミリメートルとなるが、実施形態のトランスTでは上述のように、中央脚6(中央脚15)が従来よりも太く、トランスTとしての出力も1.5625倍となっているため、結果的に実施形態のトランスTでは、コイル30としての導線の巻き数が同じ場合でも、その出力のみを1.5625倍とすることができることになる。
このとき従来のトランスにおいて、図7(c)にトランスTT2として例示するように、その中央脚92の直径を実施形態のトランスTと同じ10ミリメートルとする場合、その外側脚90及び外側脚91の長辺の長さ(図7(c)符号e参照)も10ミリメートルとなり、その短辺の長さ(図7(c)符号f参照)は3.925ミリメートル(1.9625ミリメートル(図7(b)符号d参照)×2)となる。これにより、外側脚90及び外側脚91それぞれの横断面の面積は39.25平方ミリメートルとなり、また中央脚92の横断面の面積は(39.25×2=)78.5平方ミリメートルとなる。しかしながらこの場合、コイル95の部分の横断面の面積(即ちコイル95の有効断面積)は、図7(c)に例示するようにその外径が16ミリメートル(半径8ミリメートル)となり、その内径が10ミリメートル(内径の半径5ミリメートル)となるため、従来のトランスTT2では、コイル95の部分の横断面の面積は(8×3.14−5×3.14≒)122.46平方ミリメートルとなってしまう。よって図7(c)に例示する従来のトランスTT2では、コイル95の部分の横断面の面積が実施形態のトランスTに対して約23パーセントも少なくなることになり、結果として、実施形態のトランスTにおいて可能な「巻き線数の増大」や「多出力線巻対応」が不可能となることになる。
以上具体的に説明したように、実施形態のトランスT及びそれに含まれるコアC及びボビンBの構造によれば、上述した小型化、高出力化、低雑音化、多出力線巻対応及び製造工程の簡略化並びに実装の可能化等が、極めて効率的に実現できるのである。
(II)変形形態
次に、本発明の変形形態について、図8を用いて説明する。なお図8においては、各変形形態のトランスのうち、コアの構造についてのみ、平面図を用いて例示している。また、図8にそれぞれ例示する外側脚の横断面は実施形態の外側脚2等と同様の形状とされる。
本発明のコアにおける外側脚の配置については、実施形態として説明した外側脚2等の配置を含め、各外側脚の横断面の面積の合計が、中央脚の横断面の面積以上であればよい。
即ち例えば、三以上奇数個の外側脚を備え、中央脚の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸とした線対称の位置に各外側脚がそれぞれ一ずつ配置されていればよい。より具体的に変形形態のコアとしては、例えば図8(a)に示すように、中央脚40の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸CLとした線対称の三つの位置(即ち、平面視正三角形の各頂点の位置)に外側脚41、外側脚42及び外側脚43がそれぞれ一ずつ配置されてなるコアCC1が考えられる。また同様の構成として図8(b)に示すように、中央脚50の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸CLとした線対称の五つの位置(即ち、平面視正五角形の各頂点の位置)に外側脚51、外側脚52、外側脚53、外側脚54及び外側脚55がそれぞれ一ずつ配置されてなるコアCC2が考えられる。なお、外側脚が多くなるほど、平面視として円形に近付くため、外部への雑音漏洩(即ち、外部への漏れ磁束)がより少なくなる。
一方変形形態のコアとしては、四以上偶数個の外側脚を備え、中央脚の中心軸を中心とした点対称の位置に外側脚がそれぞれ一ずつ配置されているコアも考えられる。より具体的に他の変形形態のコアとしては、例えば図8(c)に示すように、中央脚60の中心軸を中心とした点対称の四つの位置に外側脚61、外側脚62、外側脚63及び外側脚64がそれぞれ一ずつ配置されてなるコアCC3が考えられる。なおこの場合、外側脚61と外側脚62との距離(又は外側脚64と外側脚63との距離)は、外側脚61と外側脚64との距離(又は外側脚62と外側脚63との距離)よりも長くなるが、外部への雑音漏洩を防ぐ効果は期待できる。
以上説明した各変形形態のコアを備えるトランスであっても、実施形態のトランスTと同様の作用効果を奏することができる。
以上それぞれ説明したように、本発明はトランス等の電力変換装置の分野に利用することが可能であり、特に高出力及び低雑音を目的とする電力変換装置の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
1 上面部
2、3、4、5、11、12、13、14、41、42、43、51、52、53、54、55、61、62、63、64、80、81、90、91 外側脚
6、15、40、50、60、82、92 中央脚
10 下面部
20 本体
21、22、23、24 端子部
25、26 フランジ
30、85、95 コイル
B ボビン
V21、V22、V23、V24 溝部
T21、T22、T23、T24 接続端子
G21、G22、G23、G24 ガード部
C、CC1、CC2、CC3 コア
H 穴
T、TT1、TT2 トランス
C1 下部部材
C2 上部部材
L1、L2、LX 磁束
CL 対称軸
AR 領域

Claims (8)

  1. コアと、一のボビンと、一次側コイル及び二次側コイルを含むコイルと、を備えるトランスにおいて、
    当該ボビンには、一次側回路に接続される複数の前記一次側コイル及び二次側回路に接続される複数の前記二次側コイルがそれぞれ巻回されており、当該ボビンは、当該一次側コイルを当該一次側回路に接続するための複数の一次側外部接続端子と、当該二次側コイル巻線を当該二次側回路に接続するための複数の二次側外部接続端子と、が、当該ボビンの中心軸方向の一の端部に備えられた筒状のボビンであり、
    前記コアは、
    前記ボビンの内部に通された柱状の中央脚と、
    前記コイルの外側の位置であって当該中央脚の中心軸から見て対称の位置に配置されている三以上の外側脚であって、それぞれが柱状の外側脚と、
    前記中央脚の端部と、当該端部に対応した各前記外側脚それぞれの端部と、の間に配置され、各前記コイルに流される電流により発生する磁束を通す磁束通過部と、
    からなり、
    各前記外側脚の中心軸に垂直な断面の面積の合計が、前記中央脚の中心軸に垂直な断面の面積以上であり、
    前記コイルにおいて、複数の前記一次側外部接続端子及び複数の前記二次側外部接続端子がそれぞれ直線状に並んで形成されており、
    当該各一次側外部接続端子及び当該各二次側外部接続端子を介して基板に実装されることを特徴とするトランス。
  2. 請求項1に記載のトランスにおいて、
    前記ボビンは、当該ボビンの前記一の端部側に、前記コアと、各前記一次側外部接続端子及び各前記二次側外部接続端子と、の間の当該一の端部側おける沿面距離を、安全上の観点から予め設定された沿面距離以上とするための沿面距離確保部を更に備えることを特徴とするトランス。
  3. 請求項2に記載のトランスにおいて、
    前記沿面距離確保部は、各前記外側脚の前記一の端部側の形状に対応した形状を有することを特徴とするトランス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスにおいて、
    前記コアが三以上奇数個の前記外側脚を備え、
    前記中央脚の中心軸に垂直に交わる直線を対称軸とした線対称の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されていることを特徴とするトランス。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスにおいて、
    前記コアが四以上偶数個の前記外側脚を備え、
    前記中央脚の中心軸を中心とした点対称の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されていることを特徴とするトランス。
  6. 請求項5に記載のトランスにおいて、
    前記コアが四の前記外側脚を備え、
    前記中央脚の中心軸を中心とし且つ当該中心軸に垂直な正方形の各頂点の位置に前記外側脚がそれぞれ一ずつ配置されており、
    前記磁束通過部は、各前記外側脚及び前記中央脚それぞれの位置に対応した平面視十字形状を有することを特徴とするトランス。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のトランスにおいて、
    各前記外側脚の中心軸に垂直な前記断面の面積が全て同一であることを特徴とするトランス。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のトランスにおいて、
    複数の前記二次側コイルのそれぞれが相互に異なる出力電圧に対応していることを特徴とするトランス。
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