JP2021163244A - 計画システム、計画方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】配送コストと在庫コストの両方を考慮した在庫計画および配送計画を作成することができる計画システムを提供する。【解決手段】計画システムは、工場での製品の生産に要する生産コストと、工場から倉庫への製品の配送コストと、倉庫で製品を保管するときの在庫コストと、倉庫から顧客へ製品を配送する配送コストと、前記製品の納期遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、製品の生産、在庫、配送などのサプライチェーンにおける不確定要素の値が、確率分布の期待値となる場合の評価値と、確率分布に基づく期待値よりも大きい値となる場合の評価値とを合計した値を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、サプライチェーンにおける製品の生産、在庫および配送の計画を作成する。【選択図】図1

Description

本開示は、計画システム、計画方法およびプログラムに関する。
在庫管理の分野では、需要変動に対応できるように安全在庫を確保して欠品を防ぐことが行われる。安全在庫を計算する代表的な手法として、例えば、古典在庫理論、モンテカルロシミュレーション等の手法が存在する。古典在庫理論の場合、各倉庫で安全在庫を求めるため、部分最適となり、全体としては余剰な在庫が発生する可能性がある。モンテカルロシミュレーションの場合、余裕をもって発注や配送を行うことにより、製品の入庫から出庫までの間隔が長くなる結果が得られる傾向があり、余剰な在庫が発生する可能性がある。また、何れの手法でも、配送ルートは、固定されているか、最短距離順などの予め設定したポリシーに従って決定されるため、在庫計画を考慮した最適な配送ルートが得られるとは限らない。また、何れの手法でも、生産リードタイム、配送リードタイムのばらつきを考慮することができない。
特許文献1には、在庫量が減少する製品を補充するために、需要量に基づいて当該製品の生産を開始するタイミング、当該製品の補充量を含む製品オーダを自動的に生成する生産計画等のスケジューリング方法が開示されている。特許文献1には、このスケジューリング方法が、生産計画だけではなく物流計画にも適用できることが記載されている。
特開2017−187979号公報
上記したように、従来提供されている古典在庫理論、モンテカルロシミュレーションでは、在庫コストと配送コストの両方を考慮した最適な在庫量や、最適な配送ルートおよび配送量などを計画することが難しい。また、特許文献1には、この課題を解決する技術は開示されていない。
本開示は、上記課題を解決することができる計画システム、計画方法およびプログラムを提供する。
本開示の計画システムは、製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得する取得部と、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する計算部と、を備える。
また、本開示の計画方法は、計画システムが、製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する。
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する処理、を実行させる。
上述の計画システム、計画方法およびプログラムによれば、配送コストと在庫コストの両方を考慮した在庫計画および配送計画を作成することができる。
実施形態における計画システムの一例を示すブロック図である。 実施形態における時空間ネットワークの一例である。 実施形態における枝について説明する第1の図である。 実施形態における枝について説明する第2の図である。 実施形態における枝について説明する第3の図である。 実施形態における枝について説明する第4の図である。 実施形態におけるシナリオのパターンを示す図である。 実施形態における時空間ネットワークの一例である。 実施形態における処理の一例を示すフローチャートの一例である。 実施形態における安全在庫を説明する図である。 第二実施形態における枝の生成について説明する図である。 各実施形態に係る計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、各実施形態に係る作業管理システムについて、図1〜図9を参照しながら詳しく説明する。
(構成)
図1は、本発明の第一実施形態における計画システムの一例を示すブロック図である。本実施形態において、計画システムは、例えば、1台のPCやサーバ装置などのコンピュータ装置によって構成される。コンピュータの構成例については後述する(図9)。計画システム10は、製品の生産に用いる部品、材料、工具等のサプライヤ、製品を生産する工場、製品を保管する倉庫、製品の納入先である顧客の関係を時空間ネットワークでモデル化し、サプライヤから顧客までのサプライチェーンにおける生産、在庫、配送を最適化する計画を作成する。
図1が示すように、計画システム10は、計画情報取得部11と、不確定要素変動情報取得部12と、出力部13と、記憶部14と、ロバスト性評価処理制御部15と、を備えている。
計画情報取得部11は、サプライチェーンの計画の作成に必要な情報を取得する。例えば、計画情報取得部11は、顧客に納入する製品、納期、その製品を生産する工場の候補、工場へ部品などを供給するサプライヤ、製品を保管する倉庫の候補、サプライヤと工場の間の配送ルート、工場と倉庫の間の配送ルート、倉庫と顧客の間の配送ルートなどの情報を取得する。
不確定要素変動情報取得部12は、サプライチェーンにおける不確定要素の確率分布の情報を取得する。例えば、不確定要素変動情報取得部12は、顧客に納入する製品の需要量の確率分布の情報、工場における製品の生産リードタイムの確率分布の情報、各拠点間の配送リードタイムの確率分布の情報を取得する。
出力部13は、ロバスト性評価処理制御部15によるロバスト性評価で選択された最適なサプライチェーン計画についての情報を出力する。
記憶部14は、最適なサプライチェーン計画、サプライチェーン計画の作成に必要な諸々の情報を記憶する。
ロバスト性評価処理制御部15は、不確定要素の変動に対してロバストなサプライチェーン計画を算出する。ロバストなサプライチェーン計画とは、不確定要素が変動した場合でも、その影響をあまり受けることなく、納期遅延が少なく低コストであるといった良好な性質を維持できる計画のことである。不確定要素には、例えば、需要量、配送リードタイム、生産リードタイムなどが存在する。例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、製品の需要量が期待値通りであっても、期待値よりも増加した場合であっても、納期遅延が少なく、在庫コスト等をなるべく抑えられるようなサプライチェーン計画を算出する。ロバスト性評価処理制御部15は、サプライチェーン計画情報更新部16と、評価値算出部17とを備えている。評価値算出部17は、計画情報取得部11が取得した各種情報に基づいて作成された複数のサプライチェーン計画の候補の各々について評価値を算出する。サプライチェーン計画情報更新部16は、評価値算出部17が算出した評価値に基づいて、最適なサプライチェーン計画を更新する。つまり、現在の最適なサプライチェーン計画よりも評価値の良好なサプライチェーン計画が算出された場合、最適なサプライチェーン計画を、より良好な評価値が算出されたサプライチェーン計画で更新する。ロバスト性評価処理制御部15は、最も良好な評価値が算出されたサプライチェーン計画を最適なサプライチェーン計画として選択する。
図2は、実施形態における時空間ネットワークの一例である。
ロバスト性評価処理制御部15は、サプライチェーン計画を、図2に例示する数理モデル(時空間ネットワーク)に基づいて作成し、評価値を算出する。ロバスト性評価処理制御部15は、次の手順で数理モデルを作成する。まず、時間と拠点の2軸上に点を作り、点と点を結ぶ枝を作る。これを時空間ネットワークと呼ぶ。図2の縦軸は、区間、横軸は、サプライヤ、工場、倉庫、顧客の各拠点を示している。サプライヤ、工場、倉庫、顧客は、複数存在してもよい。時空間上の点は、各区間における各拠点を表したものである。縦軸の区間は時間の経過を示しており、隣接する2つの区間の間(例えば、区間=0〜1の間)は、例えば、1週間である。2つの点を結んだ矢印は、部品や製品の時空間上の移動を示している。この矢印を枝と呼ぶ。各枝は、時間遷移による事象、その事象に要する時間を表している。斜めの枝は、製品等が拠点間を移動することを表し、縦の枝は、製品等が同一拠点に留まることを示している。例えば、枝21は、サプライヤから工場への部品の供給を示す。枝22は、製品が区間=1〜2の間工場に存在すること(例えば、サプライヤから供給された部品を使用して製品を生産中であること)を示す。枝23は、工場から倉庫への製品の配送を示す。枝24は、倉庫から顧客への製品の配送を示す。また、各枝には、その枝が示す事象に関する部品や製品の在庫量や配送量などを示す変数が設定される。1つのサプライチェーン計画は、例えば、枝21〜枝24および各枝に設定された変数によって構成される。
ここで、時空間ネットワークについてさらに説明する。例えば、サプライヤの集合をVs、工場の集合をVf、倉庫の集合をVd、顧客の集合をVcとして、それぞれを(拠点番号、区間番号、製品番号)の組で作成する。拠点番号は図2の横軸の値(サプライヤ=1、工場=2、倉庫=3、顧客=4)、区間番号(0〜4)は縦軸の値、製品番号は対象とする製品を示す。また、サプライヤから工場への配送ルートを表す枝集合Esf、工場から倉庫への配送ルートを表す枝集合Efd、倉庫から倉庫への配送ルートを表す枝集合Edd、倉庫から顧客への配送ルートを表す枝集合Edcを(配送元の点、配送先の点)の組で作成する。例えば、Vc={(Customer1,Period1,Product1)、(Customer1,Period2,Product1)、(Customer2,Period1,Product1)、・・・}、Vd={(DC1,Period1,Product1)、(DC1,Period2,Product2)、(DC2,Period1,Product1)、・・・}、Edc={((DC1,Period1,Product1)、(Customer1,Period2,Product1))、((DC1,Period1,Product2)、(Customer1,Period2,Product2))・・・}などと表す。
次に図3Aを用いて、顧客を示す点Vc1に関する枝の説明を行う。枝e1は、倉庫から顧客Vc1へ製品を納品することを示す枝である。基本的に顧客Vc1から製品を発送することはないため、枝e2が作られることはない。枝e1には、納入される製品とその個数などが設定される。
次に図3Bを用いて、サプライヤを示す点Vs1に関する枝の説明を行う。枝e1は、サプライヤVs1から工場へ部品を供給することを示す枝である。基本的にサプライヤVs1へ製品等を納入することは無いため、枝e2が作られることはない。枝e1には、工場へ供給される部品とその個数などが設定される。
次に図3Cを用いて、工場を示す点Vf1に関する枝の説明を行う。枝e1は、サプライヤ又は他の工場から工場Vf1へ部品や製品等を配送することを示す枝である。枝e2は、倉庫又は他の工場へ製品を配送することを示す枝である。枝e´3と枝e3は、工場Vf1にて、次の区間へ製品の在庫を維持することを示す枝である。枝e´3と枝e3は、例えば、製品の生産中である場合に作成される。枝e4は他の工場や他の生産ラインを示す点Vf2へ製品を移動することを示し、枝e5は他の工場Vf2から工場Vf1へ製品を移動することを示す。また、枝が斜め方向ではなく横方向(区間が同じ)であるのは、枝e4、e5に係る移動に要する時間は、無視できる範囲のものであることを示している。枝e1〜e5には、製品とその個数などが設定される。
図3Dを用いて、倉庫を示す点Vd1に関する枝の説明を行う。枝e1は、工場又は他の倉庫から倉庫Vd1へ製品を配送することを示す枝である。枝e2は、倉庫から顧客又は他の倉庫へ製品を配送することを示す枝である。枝e´3と枝e3は、倉庫Vd1にて、次の区間へ製品の在庫を維持することを示す枝である。枝e1〜e3´には、製品とその個数などが設定される。図3A〜図3Dで例示する斜め方向の各枝の長さは、配送リードタイムが長くなるほど長くなる。
図2の時空間ネットワークについて、各種コストを最小にしつつ、顧客へ製品を納期までに納品するサプライチェーン計画を算出する問題は、例えば、目的関数を、サプライヤから工場への部品の供給コストと、工場で製品を生産する生産コストと、工場から倉庫への製品の配送コストと、倉庫で製品を保管する在庫コストと、倉庫から顧客へ製品を配送する配送コストと、製品の納期遅延量に応じたペナルティ等の合計の最小化と定め、各拠点の流量が流量保存則を満たすこと、つまり、ある点に入る枝に関連付けられた製品等の数と、その点から出ていく枝に関連付けられた製品等の数が一致すること、倉庫における在庫量は所定の上下限値の範囲内であること、各拠点間の配送量は所定の上下限値の範囲内であること等などの制約条件を設定することにより、混合整数計画問題として定式化することができる。混合整数計画問題は、一般に提供されているGurobi等のソルバーを使用することで解くことができる。例えば、図2の時空間ネットワークについて、上記の目的関数や制約条件に加え、時空間ネットワークを構成する各拠点の情報、サプライヤの供給能力、工場の生産能力、各拠点間の配送リードタイム、倉庫の初期在庫、納入する製品とその数、納期などの入力パラメータと、上記の目的関数と、制約条件とをソルバーに与え、混合整数計画問題を解くように指示すると、ソルバーは、納期である区間=4までに所定数の製品を最も低コストで遅延なく納入できるような枝の組合せを探索し、その結果を出力する。出力された枝の組合せと各枝に設定された変数は、サプライチェーン計画を表す。出力されたサプライチェーン計画を参照することで、ユーザは、遅延の無い製品の納入に必要な生産量、在庫量、配送ルートなどを把握することができる。ユーザは、例えば、配送計画を考慮した倉庫の在庫量についても把握することができる。
この方法は、顧客に対して納入する製品の数が分かっているときには最適なサプライチェーン計画を算出してくれるので有用である。しかし、注文を受けて毎回、最適なサプライチェーン計画を算出する必要がある。この手間を省くために、代表的な需要量(例えば、平均値)を想定したときの最適なサプライチェーン計画を作成しておき、このサプライチェーン計画に従って、生産や在庫を計画すると、注文が増えた場合に、納期の遅延やコストの増大が生じる可能性がある。また、需要が増えた場合を想定したときの最適なサプライチェーン計画を作成すると、過剰に在庫を持つような計画が算出され、コストの増大を招く。そこで、次に説明する第一実施形態では、需要量が平均的な状況にも、増大した状況にも適したロバストなサプライチェーン計画を算出する。具体的には、需要量の期待値とばらつきを設定し、需要量が期待値どおりの状況(期待値シナリオA)での各種コストと、需要量が増大した状況(需要量ばらつきシナリオB)での各種コストの合計を計算する目的関数を設定し、この目的関数の値が最小になるような枝の集合を探索する。次にシナリオについて説明する。
図4は、実施形態におけるシナリオのパターンを示す図である。期待値シナリオA(以下、シナリオAと記載する。)は、需要量、生産リードタイム、配送リードタイムが全て期待値の場合のシナリオである。需要量ばらつきシナリオB(以下、シナリオBと記載する。)は、需要量が期待値よりも多く、生産リードタイムと配送リードタイムが期待値の場合のシナリオである。生産配送LTばらつきシナリオC(以下、シナリオCと記載する。)は、需要量が期待値どおりで、生産リードタイムと配送リードタイムが期待値よりも長くなる場合のシナリオである。全不確定要素ばらつきシナリオD(以下、シナリオDと記載する。)は、需要量と生産リードタイムと配送リードタイムの全てが期待値よりも大きくなる場合のシナリオである。
<第一実施形態>
第一実施形態ではシナリオAとシナリオBの2つのシナリオを用いて、需要量の変動に対してロバストな解(サプライチェーン計画)を算出する。まず、サプライチェーン計画の算出に必要なパラメータ、制約条件について説明する。
(入力パラメータ)
計画情報取得部11は、例えば、以下の情報を取得する。(1)サプライヤが供給する部品の種類。(2)サプライヤごとの供給能力。例えば、サプライヤは1週間に何個の部品を供給できるかなど。(3)製品の情報。例えば、製品の識別情報、名称、値段など。(4)工場ごとの供給能力。例えば、工場は1週間に何個の製品を生産できるかなど。(5)サプライヤ、工場、倉庫、顧客のそれぞれについて、識別情報、名称、場所。(6)倉庫ごとの在庫コスト。在庫コストは、例えば、製品1個ごとに、その占有面積などに応じて設定される。(7)配送ルートの候補。例えば、サプライヤが1つ、工場が2つの場合、サプライヤからそれぞれの工場への配送ルートが1以上設定され(例えば、配送に1区間を要する配送ルートと2区間を要する配送ルートが存在する。)、それぞれの配送ルートには、出発拠点、到着拠点、配送距離、配送コスト、利用可能な配送手段などが設定されている。配送ルートの候補は、サプライヤと工場の間だけではなく、工場と工場の間、工場と倉庫の間、倉庫と顧客の間についても設定されている。(8)区間の情報。例えば、単位区間の長さ(例えば、1週間など)。(9)各倉庫について商品ごとの初期在庫量。(10)車、船、飛行機などの配送手段の情報。配送手段には例えば、移動速度が設定されている。(11)顧客から注文を受けた製品の識別情報、納期。
(不確定要素の変動情報)
第一実施形態では、不確定要素は、製品ごとの需要量である。例えば、製品ごとの需要量の確率分布が、過去の実績などに基づき予め算出され、確率分布が正規分布であるとする。不確定要素変動情報取得部12は、需要量の正規分布の情報と想定するばらつきの情報(例えば、+1σ)を取得する。ロバスト性評価処理制御部15は、期待値と、需要量が増加する方向に想定されたばらつき分(例えば、+1σ)だけばらついたときの値と、をそれぞれシナリオAで用いる需要量、シナリオBで用いる需要量として設定する。
(制約条件)
以下に制約条件の一例を示す。(1)顧客別に期間内の需要量の上限値と下限値。(2)納期の遅延の上限値。(3)製品ごとの生産拠点の工場の候補。(4)各製品の生産量に関する構成部品の消費量が決まっている(流量保存則)。(5)期間ごとの各製品の生産量を定める。(6)期間ごとの生産量の上限値と下限値。(7)期間内ごとの配送量の上限値と下限値。(8)配送ルートごとに配送手段が定められている。(9)配送リードタイム(配送時間)の上限値と下限値、(10)配送距離の上限値と下限値、(11)配送コストの上限値と下限値、(12)各拠点で入庫する数と出庫する数が等しい。(13)在庫量の上限値と下限値。(14)安全在庫(下回るとペナルティが与えられる)。(15)在庫コストの上限値。(16)シナリオAとシナリオBの枝の集合(配送ルート、生産ルートなど)が等しくなるように枝を生成する。但し、シナリオBにおいて需要量の増加分を補うために枝を追加することは許される。
(計画の探索)
ロバスト性評価処理制御部15は、入力パラメータ等に基づいて、例えば図5に示す時空間ネットワークを作成し、需要量、納期を満足し、各種コストの合計が最小となるような枝の組合せを探索する。例えば、納期が区間=5で、シナリオAでは製品αの需要量が5個、シナリオBでは製品αの需要量が8個だとする。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオA、Bを実現するための制約条件を満たす枝の集合を複数パターン作成し、その枝の集合に関して評価値を算出する。
例えば、サプライヤから工場への枝401、工場での区間=1から区間=2への枝402、工場から倉庫1への枝415、倉庫2から倉庫1への枝421、倉庫1から顧客への枝416から構成される枝の集合について、ロバスト性評価処理制御部15は、サプライヤから工場へ部品を10個供給し(枝401)、工場では、この10個の部品を用いて製品αを1個生産し(枝402)、製品αを1個、工場から倉庫1まで配送し(枝415)、製品αを0個、倉庫2から倉庫1まで配送し(枝421)、倉庫1の在庫4個に生産された1個を加えた製品α5個を倉庫1から顧客へ配送する(枝416)というシナリオAのサプライチェーン計画を作成し、この計画に対するシナリオ別の評価値を算出する。
また、ロバスト性評価処理制御部15は、同じ枝の集合(枝401、枝402、枝415、枝421、枝416)について、サプライヤから工場へ部品を10個供給し(枝401)、工場では、この部品を用いて製品αを1個生産し(枝402)、製品αを1個、工場から倉庫Aまで配送し(枝415)、倉庫2の在庫の中から製品αを3個、倉庫1へ配送し(枝421)、倉庫1から顧客へ製品αを8個配送する(枝416)というシナリオBのサプライチェーン計画について、シナリオ別の評価値を算出する。そして、ロバスト性評価処理制御部15は、算出したシナリオAについてのシナリオ別の評価値とシナリオBについてのシナリオ別の評価値を合計して最終的な評価値を算出する。最終的な評価値は、以下の目的関数(1)で算出することができる。
(目的関数)
評価値 = Σk(s)(−シナリオsの売り上げの合計
+シナリオsにおけるサプライヤから工場への部品の供給コストの合計
+シナリオsにおけるサプライヤから工場への部品の配送コストの合計
+シナリオsにおける工場での製品αの生産コストの合計
+シナリオsにおける工場から倉庫1または倉庫2への製品αの配送コストの合計
+シナリオsにおける倉庫1と倉庫2で製品αを保管する在庫コストの合計
+シナリオsにおける倉庫1または倉庫2から顧客へ製品αを配送する配送コストの合計
+シナリオsにおける各種ペナルティの合計)・・・・(1)
ここで、sはシナリオの識別情報である。例えば、シナリオAの場合s=A、シナリオBの場合s=Bとする。目的関数(1)のΣはsについて合計することを意味する。k(s)はシナリオごとに与える重み係数である。例えば、シナリオAに対するk(A)が1.0、シナリオBに対するk(B)を0.7と設定する。また、目的関数(1)のカッコ内の式は、シナリオ別の評価値を算出する式である。
シナリオsの売り上げの合計は、例えば、顧客に納入する製品の値段×個数で算出する。例えば、シナリオAの場合は、製品αの値段×5、シナリオBの場合は製品αの値段×8で算出する。シナリオsにおけるサプライヤから工場への部品の供給コストの合計は、例えば、部品1個あたりの値段×個数で算出する。シナリオsにおけるサプライヤから工場への部品の配送コストの合計は、例えば、部品1個あたりの配送コスト×個数で算出する。部品1個あたりの配送コストは、部品と、出発拠点と、到着拠点と、出発拠点から到着拠点までの移動に要する区間(配送リードタイム)ごとに設定されている。
シナリオsにおける工場での製品の生産コストの合計は、製品1個あたりの生産コスト×個数で算出する。製品1個あたりの生産コストは、工場と製品と生産に要した区間(生産リードタイム)ごとに設定されている。シナリオsにおける工場から倉庫1または倉庫2への製品の配送コストは、製品1個あたりの配送コスト×個数で算出する。製品1個あたりの配送コストは、製品と、出発拠点と、到着拠点と、出発拠点から到着拠点までの配送リードタイムごとに設定されている。
シナリオsにおける倉庫1と倉庫2で製品を保管する在庫コストの合計は、1個あたりの在庫コスト×在庫量で算出される。製品1個あたりの在庫コストは、倉庫と製品と在庫を保持した区間ごとに設定されている。シナリオsにおける倉庫1または倉庫2から顧客へ製品を配送する配送コストの合計は、例えば、製品1個あたりの配送コスト×個数で算出する。製品1個あたりの配送コストは、製品と、出発拠点と、到着拠点と、出発拠点から到着拠点までの配送リードタイムごとに設定されている。
各種ペナルティの合計は、生産量、配送距離、配送量の上下限値からの逸脱量、在庫コストの上限からの超過量、納期からの遅延量などに応じて定められる。例えば、納期からの遅延が大きい程、ペナルティは大きな値となる。
上記の目的関数(1)は一例である。例えば、目的関数(1)から”シナリオsにおけるサプライヤから工場への部品の供給コストの合計”、”シナリオsにおける工場での製品αの生産コストの合計”の両方、又は何れかを削除した式としてもよい。
ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオA、Bを共に実現し得るサプライチェーン計画の候補として,例えば、枝401、枝402、枝413、枝412、枝414から構成される枝の集合、枝401、枝402、枝403、枝417、枝418から構成される枝の集合、図示しない他の枝の集合など、多数のパターンを探索し、それぞれの枝の集合について目的関数(1)によって評価値を算出する。また、ロバスト性評価処理制御部15は、納期を満足しない枝の集合、例えば、枝401、枝402、枝403、枝404、枝419、枝420を作成してもよい。このサプライチェーン計画の場合、納期の条件を満たさないため、目的関数(1)による評価値には、納期遅れに対するペナルティが加算される。ロバスト性評価処理制御部15は、評価値を最小にするサプライチェーン計画を選択する。
(動作)
次にサプライチェーン計画の作成処理について説明する。
図6は、実施形態における処理の一例を示すフローチャートの一例である。
まず、計画情報取得部11が初期設定情報を取得する(ステップS11)。例えば、計画情報取得部11は、入力パラメータの説明で挙げた(1)〜(11)の情報、制約条件の説明で挙げた(1)〜(16)の情報を取得し、これらの値を記憶部14に記録する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、記憶部14から入力パラメータと制約条件を読み込む。ロバスト性評価処理制御部15は、入力パラメータに基づいて、制約条件を満たすサプライチェーン計画の候補(枝の集合)を複数パターン作成する(ステップS12)。ロバスト性評価処理制御部15は、作成したサプライチェーン計画の候補に対して、識別番号を付し、記憶部14へ記録する。この処理には、一般的なソルバーを利用することができる。
次に不確定要素変動情報取得部12が、不確定要素変更情報を取得する(ステップS13)。第一実施形態の場合、不確定要素変動情報取得部12が、顧客へ納入する製品の需要量の正規分布の情報と想定するばらつきの情報(ばらつき幅)を取得する。不確定要素変動情報取得部12は、正規分布の情報とばらつきの情報をロバスト性評価処理制御部15へ出力する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、評価対象とするサプライチェーン計画の候補を選択する(ステップS14)。例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、識別番号順にサプライチェーン計画を選択する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、シナリオを選択する(ステップS15)。本実施形態の場合、例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオAと、シナリオBのうち何れかを選択する。例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、まず、シナリオAを選択する。ロバスト性評価処理制御部15は、不確定要素変動情報取得部12から取得した需要量の正規分布の情報に基づいて、納品すべき製品αの個数に需要量の期待値を設定する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、ステップS14で選択したサプライチェーン計画の各枝について、ステップS15で選択したシナリオを実現できるように各枝の変数を設定する。各枝の変数とは、例えば、工場における製品αの生産量や、その生産における部品の消費量、各拠点間の配送について製品αの識別情報とその配送量、倉庫1および倉庫2における製品αの在庫量などである。この処理には、一般的なソルバーを利用することができる。各枝の変数が設定されると、評価値算出部17は、目的関数(1)を用いて、シナリオ別の評価値を算出する(ステップS16)。ロバスト性評価処理制御部15は、サプライチェーン計画(枝の集合および各枝について設定した変数)と、シナリオAについてのシナリオ別の評価値とを記憶部14に記録する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、全てのシナリオの評価値を算出したかどうかを判定する(ステップS17)。シナリオAの評価値しか算出していなければこの判定はNoとなり、シナリオAとシナリオBの両方の評価値を算出していれば、この判定はYesとなる。全てのシナリオの評価値を算出していない場合(ステップS17;No)、ロバスト性評価処理制御部15が、不確定要素変動情報に基づいてシナリオを変更する(ステップS18)。例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、不確定要素変動情報取得部12から取得した正規分布の情報とばらつきの情報とに基づいて、納品すべき製品αの個数に、期待値から増加方向にばらついたときの需要量を設定する。シナリオを変更すると、ステップS15からの処理を繰り返す。つまり、ロバスト性評価処理制御部15は、変更されたシナリオBを選択し(ステップS15)、ステップS14で選択したサプライチェーン計画の候補について、シナリオBを実現できるような各枝についての変数を算出する。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオBについてのサプライチェーン計画と、シナリオ別の評価値とを対応付けて記憶部14に記録する。
全てのシナリオの評価値を算出した場合(ステップS17;Yes)、ロバスト性評価処理制御部15は、各シナリオについて算出したシナリオ別の評価値と目的関数(1)によって、評価対象のサプライチェーン計画に対する評価値を算出する。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオAおよびシナリオBに基づく評価値と、評価対象のサプライチェーン計画と、を対応付けて記憶部14へ記録する。次にロバスト性評価処理制御部15は、ステップS12で作成した全てのサプライチェーン計画の候補について評価値を算出したかどうかを判定する(ステップS19)。全てのサプライチェーン計画について評価値を算出していない場合、ロバスト性評価処理制御部15は、評価対象とするサプライチェーン計画を変更し(ステップS20)、次のサプライチェーン計画を選択する。このとき、サプライチェーン計画情報更新部16は、今回評価したサプライチェーン計画の評価値が、これまでに評価したサプライチェーン計画の評価値よりも小さい場合、最適なサプライチェーン計画の候補を、今回評価したサプライチェーン計画で更新する。そして、ロバスト性評価処理制御部15は、ステップS15からの処理を繰り返す。
全てのサプライチェーン計画について評価値を算出したと判定した場合(ステップS19;Yes)、ロバスト性評価処理制御部15は、ロバスト性が最大のサプライチェーン計画を選択し、出力部13が、選択されたサプライチェーン計画を出力する(ステップS21)。具体的には、ロバスト性評価処理制御部15は、サプライチェーン計画情報更新部16によって更新された計画を、最適なサプライチェーン計画として選択する。出力部13は、選択された最適なサプライチェーン計画について、シナリオごとに、枝の始点と終点、各枝の変数の情報を記憶部14から読み出して、製品の流れ、在庫計画、生産計画、生産の流れ、納品、評価値(目的関数の値)を算出して、これらを出力する。例えば、図5の枝401、枝402、枝415、枝416から構成されるサプライチェーン計画が選択された場合、これらの枝の始点と終点、各枝の変数の情報から、シナリオごとに、以下の情報を得ることができる。(1)製品の流れについて、製品又は部品の配送元と配送先の拠点および区間、配送された製品又は部品とその配送量、配送距離、配送手段、配送コスト。(2)在庫計画について、倉庫ごと、区間ごとに、製品ごとの入庫量、出庫量、初期在庫量(前の区間から引きついだ在庫量)、維持在庫量(次の区間へ引き継ぐ在庫量)、在庫コスト、在庫ペナルティ(例えば、在庫コストが閾値を超過した場合に発生)、(3)生産計画について、工場ごと、区間ごと、製品ごとの生産量、生産コスト、生産ペナルティ(生産量が所定の閾値を超過した場合に発生)、(4)生産の流れについて、工場ごと、区間ごとの部品の消費量、(5)納品について、顧客ごとの製品、納品量、納期遅延量、売り上げ、納品関連ペナルティ(納期遅れに応じて設定される)、(6)評価値について、売り上げ、供給コスト、配送コスト、在庫コスト、生産コスト、ペナルティ。出力部13は、これらの情報を電子ファイルに格納して出力したり、ディスプレイへ表示したりする。
本実施形態によれば、評価値が最小となるときの配送ルートおよび配送量と倉庫ごとの在庫量を把握することができる。シナリオBで設定した需要量(8個)は、需要量が期待値より大きい場合に、それを吸収するために余分に保有する在庫であるから、これを安全在庫として在庫管理を行うことができる。つまり、最適なサプライチェーン計画におけるシナリオBについての出力情報を参照することで、安全在庫に基づく在庫管理ができる。また、例えば、シナリオBで、倉庫1、倉庫2で製品αの在庫が余るようであれば、これらは不要な在庫である可能性がある。従って、倉庫1の初期在庫(例えば、図5の4個)と倉庫2の初期在庫(例えば、図5の3個)から余剰の在庫を差し引いた値を目標値として在庫管理を行うことができる。また、出力部13による出力情報からは、倉庫ごとの在庫量とともに工場からの最適な配送ルートがわかるので、例えば、在庫量が安全在庫に対して不足する場合には、いつどこに発注すれば不足分を補充できるかを把握することができる。
次に本実施形態の安全在庫の考え方について説明する。
図7は、実施形態における安全在庫の算出を説明する図である。
本実施形態では、区間tの在庫量を、tよりも前に配送されていて、t以降(tを含む)に対象とする倉庫へ到着する合計量と定義し、シナリオBの需要量を満たす在庫量を、安全在庫とする。図7の例の場合、区間=tにおける倉庫1の在庫量と倉庫2の在庫量の合計に加え、t以前に配送され、枝61、62、63によって倉庫1へ到着する製品は全て区間=tにおける在庫とみなす。また、枝64に示すような同区間内に倉庫1へ到着する製品についても区間=tにおける在庫とみなす。
従来の手法では、安全在庫は、例えば、倉庫1について3個、倉庫2について5個のように設定する。これに対し、本実施形態では、区間ごとに倉庫全体で安全在庫を設定する。また、上述のように対象とする区間tよりも前に発送された製品の数や、同区間内で融通できる製品の数も在庫量に含める。これは、サプライチェーン計画に基づいて、製品の入手方法(工場や他の倉庫からの配送ルート、配送量)を計画できることに依る。この考えによれば、例えば、安全在庫が8個の場合に、常に倉庫1と倉庫2で合わせて8個の製品を保管しておく必要が無い。例えば、枝61、62、63、64等が示す方法により、確実に他から2個を調達できることが分かっている場合、倉庫1と倉庫2とで常時保管しておく製品αの個数は6個でよい。このようにサプライチェーン全体の最適化を図ることで、全倉庫の在庫量の削減を図ることができる。
上記説明したように、第一実施形態によれば、需要量が、例えば正規分布で与えられた場合に、期待値を入力して得られる時空間ネットワークをシナリオA、(期待値+ばらつき)を入力して得られる時空間ネットワークをシナリオBとし、2つのシナリオの評価値を最小にする解を算出する。これにより、在庫コストや配送コストを抑えつつ、欠品や納期遅延の発生を防ぎ、需要量の変動に対してロバストなサプライチェーン計画を得ることができる。特に工場から倉庫への配送ルートや、倉庫から顧客への配送ルートは、倉庫でストックしなければならない在庫量に多大な影響を及ぼすところ、本実施形態では、配送ルートと倉庫ごとの在庫量の関係を考慮に入れた探索によって最適化されたサプライチェーン計画を算出する。これにより、最適化された倉庫ごとの在庫量と拠点間の配送ルートおよび配送量を得ることができる。また、倉庫全体で安全在庫を考えることで、倉庫全体の合計在庫量を削減することができる。また、その安全在庫を維持できるようなサプライチェーン計画を得ることができる。
なお、最適化されたサプライチェーン計画において、シナリオAとシナリオBとでは、在庫を持つ場所や配送ルートが異なり得る。例えば、図4を用いて説明した枝401、枝402、枝415、枝421、枝416によって構成されるサプライチェーン計画の場合、シナリオAでは、枝421に係る配送を実質的には行わない。シナリオAでは、倉庫2から倉庫1への配送を行わず、需要量が多くなった場合のシナリオBでは、追加的に倉庫2から倉庫1への配送を行って需要量の増加に対処する計画となっている。このように、本実施形態によれば、基本的な配送ルートは共通しつつも、調整可能な範囲の変更によって需要量の変動に対応することができるサプライチェーン計画を得ることができる。
また、上記の説明では、シナリオAと、1つのシナリオBに基づいて、需要量の変動に対してロバストなサプライチェーン計画を算出することとしたが、シナリオBは複数存在してもよい。例えば、シナリオB1は、需要量が期待値の1.2倍の場合のシナリオであり、シナリオB2は、需要量が期待値の1.8倍の場合のシナリオである。この場合、目的関数(1)を用いて、シナリオA、シナリオB1、シナリオB2それぞれについてのシナリオ別の評価値を算出する。そして、シナリオA,B1,B2それぞれのシナリオ別の評価値に所定の係数を乗じて合計した評価値が最小となる場合のサプライチェーン計画を算出する。これにより、需要量が期待値どおりの場合、1.2倍の場合、1.8倍の場合を考慮したロバストなサプライチェーン計画を算出することができる。需要量を変動させたシナリオBの種類は3個以上であってもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態では、需要量のばらつきを考慮してサプライチェーン計画を作成した。第二実施形態では、需要量に加え、生産リードタイム、配送リードタイムのばらつきを考慮して、安全在庫を求めるサプライチェーン計画を作成する。具体的には、ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオA〜Dに基づくシナリオ別の評価値を算出して、その合計が最小となるようなサプライチェーン計画を算出する。
第二実施形態では、不確定要素変動情報取得部12は、需要量の正規分布に加え、配送リードタイム、生産リードタイムの正規分布とばらつきの情報を取得する。需要量、配送リードタイム、生産リードタイムのそれぞれについて取得するばらつきの大きさは、例えば、需要量のばらつきは1σ、配送リードタイムのばらつきは2σ、生産リードタイムのばらつきは3σのようにそれぞれ異なっていてよい。不確定要素変動情報取得部12は、需要量、配送リードタイム、生産リードタイムの正規分布の情報と、それぞれについて設定されたばらつきの情報を、ロバスト性評価処理制御部15へ出力する。
ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオAの需要量、配送リードタイム、生産リードタイムについて、それぞれ、需要量の期待値、配送リードタイムの期待値、生産リードタイムの期待値を設定する。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオBの需要量、配送リードタイム、生産リードタイムについて、それぞれ、需要量がばらついて増加したときの値、配送リードタイムの期待値、生産リードタイムの期待値を設定する。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオCの需要量、配送リードタイム、生産リードタイムについて、それぞれ、需要量の期待値、配送リードタイムが増加したときの値、生産リードタイムが増加したときの値を設定する。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオDの需要量、配送リードタイム、生産リードタイムに対して、それぞれの期待値から指定されたばらつき分だけ増加したときの値を設定する。
また、ロバスト性評価処理制御部15は、第一実施形態で挙げた(1)〜(16)の制約条件に加え、次の(17)を考慮してサプライチェーン計画を作成する。
制約条件(17)シナリオ間の統一性。シナリオAとシナリオCの配送ルート(始点の拠点と終点の拠点、配送手段)と対応する配送ルートにおける配送量は等しい。同様にシナリオBとシナリオDの配送ルートと対応する配送ルートにおける配送量は等しい。この制約を入れることにより、生産リードタイム、配送リードタイムのばらつきの影響が少ない配送ルートを得ることができる。
次に図8を用いて、シナリオC、シナリオDの場合の枝の生成について説明する。
図8は、第二実施形態における枝の生成について説明する図である。
図8は、図2で例示した時空間ネットワークに対して、配送リードタイム、生産リードタイムをばらつかせる場合の枝を書き加えた図である。配送リードタイムをばらつかせた場合、ロバスト性評価処理制御部15は、拠点間の移動を表した枝を配送リードタイムの増加分だけ長く生成する。例えば、工場2から倉庫3への製品の配送を示す枝23(1区間で到達)について配送リードタイムが増加する場合、ロバスト性評価処理制御部15は、配送リードタイムを増加させた枝23´(2区間で到達)を生成する。同様に生産リードタイムをばらつかせる場合、ロバスト性評価処理制御部15は、生産を示す枝を生産リードタイムの増加分だけ長く生成する。例えば、工場2での生産を示す枝22(1区間で生産)について生産リードタイムが増加する場合、ロバスト性評価処理制御部15は、生産リードタイムを増加させた枝22´(2区間で生産)を生成する。なお、生産リードタイムの場合も、配送リードタイムの場合も長さの増加量は、生産リードタイム、配送リードタイムの増加量に基づいて決定される。拠点間の移動を示す枝の長さが長くなる(配送リードタイムが長くなる)と、その拠点間の配送に要する配送コストが増大する。生産を示す枝の長さが長くなる(生産リードタイムが長くなる)と、生産コストが増大する。なお、配送ルートについて、サプライヤから工場までの配送ルート、工場から倉庫までの配送ルート、倉庫から顧客までの配送ルートの何れの枝を長く生成するか(何れの配送ルートに対して配送リードタイムのばらつきを適用するか)については、ユーザが設定できるようにしてもよいし、ロバスト性評価処理制御部15が任意に設定するようにしてもよい。
(動作)
第二実施形態の動作について、図6を参照して説明する。第一実施形態と同様の処理については簡単に説明する。
まず、計画情報取得部11が初期設定情報を取得する(ステップS11)。計画情報取得部11は、入力パラメータの説明で挙げた(1)〜(11)の情報、制約条件の説明で挙げた(1)〜(17)の情報を取得する。次にロバスト性評価処理制御部15が、制約条件を満たす枝の集合を複数パターン作成する(ステップS12)。次に不確定要素変動情報取得部12が、不確定要素変更情報を取得する(ステップS13)。不確定要素変動情報取得部12は、需要量の正規分布とばらつきの情報、配送リードタイムの正規分布とばらつきの情報、生産リードタイムの正規分布とばらつきの情報を取得する。不確定要素変動情報取得部12は、これらの情報をロバスト性評価処理制御部15へ出力する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、評価対象とするサプライチェーン計画を選択する(ステップS14)。次にロバスト性評価処理制御部15が、シナリオを選択する(ステップS15)。ロバスト性評価処理制御部15は、シナリオA〜シナリオDのうち未評価のものの中から何れかを選択する。例えば、シナリオA、シナリオB、シナリオC、シナリオDの順に評価する場合、ロバスト性評価処理制御部15は、まず、シナリオAを選択する。次にロバスト性評価処理制御部15は、選択したシナリオについてのシナリオ別の評価値を算出する。
次にロバスト性評価処理制御部15が、全てのシナリオの評価値を算出したかどうかを判定する(ステップS17)。全てのシナリオの評価値を算出していない場合(ステップS17;No)、ロバスト性評価処理制御部15が、不確定要素変動情報に基づいてシナリオを変更する(ステップS18)。例えば、次に選択するシナリオがシナリオBの場合、ロバスト性評価処理制御部15は納品すべき製品αの需要量に、期待値にばらつきによる増加分を加算した値を設定する。次に選択するシナリオがシナリオCの場合、ロバスト性評価処理制御部15は例えば、ステップS12で作成した拠点間の移動を示す枝の何れかについて、配送リードタイムを増加させた値を設定する。また、ロバスト性評価処理制御部15は、例えば、ステップS12で作成した生産を示す枝の何れかについて、生産リードタイムを増加させた値を設定する。次に選択するシナリオがシナリオDの場合は、シナリオBで実行する需要量のばらつきの設定とシナリオCで実行する配送リードタイム、生産リードタイムのばらつきの設定の両方を行う。シナリオを変更すると、ステップS15からの処理を繰り返す。
全てのシナリオ(シナリオA〜D)の評価値を算出した場合(ステップS17;Yes)、ロバスト性評価処理制御部15は、各シナリオについて算出したシナリオ別の評価値と目的関数(1)によって、評価対象のサプライチェーン計画に対する評価値を算出する。次にロバスト性評価処理制御部15は、ステップS12で作成した全てのサプライチェーン計画の候補について評価値を算出したかどうかを判定する(ステップS19)。全てのサプライチェーン計画について評価値を算出していない場合、ロバスト性評価処理制御部15は、サプライチェーン計画を変更し(ステップS20)、ステップS15からの処理を繰り返す。全てのサプライチェーン計画について評価値を算出したと判定した場合(ステップS19;Yes)、ロバスト性評価処理制御部15は、ロバスト性が最大のサプライチェーン計画(目標関数(1)の値が最小となるサプライチェーン計画)を選択し、出力部13が、選択されたサプライチェーン計画の情報を出力する(ステップS21)。
本実施形態によれば、第一実施形態に加え、需要量の変動だけではなく、生産リードタイムや配送リードタイムの変動に対してもロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。需要量だけではなく、生産リードタイムや配送リードタイムが大きくなった場合であっても、納期遅延を起こさないようなサプライチェーン計画を作成することができる。上記の説明では、シナリオC、シナリオDにおいて、生産リードタイムと配送リードタイムの両方をばらつかせることとしたが、何れか一方のみをばらつかせてもよい。
第二実施形態では、目的関数(1)の値を最小化する最適なサプライチェーン計画のシナリオDの枝の集合において、区間tの在庫量を、tよりも前に配送されていて、t以降(tを含む)に対象とする倉庫へ到着する合計量と定義し、シナリオDの需要量を満たす在庫量を、安全在庫とする。
また、上記の説明では、シナリオAと、1つのシナリオBと、1つのシナリオCと、1つのシナリオDとに基づいて、需要量、生産リードタイム、配送リードタイムの変動に対してロバストなサプライチェーン計画を算出することとしたが、第一実施形態のシナリオBと同様、シナリオB、C、Dは複数存在してもよい。例えば、シナリオCにおいて、生産リードタイムと配送リードタイムの何れか又は両方を複数通りにばらつかせて複数のシナリオCを用意してもよい。また、シナリオDにおいて、需要量、生産リードタイム、配送リードタイムの少なくとも一つを複数通りにばらつかせた複数のシナリオを用意してもよい。例えば、シナリオAの他にシナリオB1、B2、C1、C2、D1、D2、D3を想定した場合、シナリオA,B1,B2,C1,C2,D1,D2,D3のそれぞれについてシナリオ別の評価値を算出し、これらのシナリオ別の評価値を目的関数(1)に基づいて合計した値が最小となるようなサプライチェーン計画を算出する。なお、この例の場合、上記の制約条件(17)により、シナリオAと、シナリオC1と、シナリオC2の配送ルートおよび対応する配送ルートにおける配送量は等しく、シナリオB1と、シナリオB2と、シナリオD1と、シナリオD2と、シナリオD3の配送ルートおよび対応する配送ルートにおける配送量は等しいとの制約条件が課せられる。
図9は、実施形態に係る計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の計画システム10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、計画システム10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、実施形態では、サプライヤ、工場、倉庫、顧客のサプライチェーンをモデル化したが、サプライヤを除いて、工場、倉庫、顧客のサプライチェーンを同様に時空間ネットワークでモデル化し、工場の生産コスト、倉庫の在庫コスト、各拠点間の配送コスト、配送遅延に対するコスト(ペナルティ)等の合計を最小化するサプライチェーン計画を作成するようにしてもよい。
<付記>
各実施形態に記載の計画システム10、計画方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る計画システム10は、製品の生産に用いる物(部品、材料、工具など)を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得する取得部と、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量(出力部13が出力するサプライチェーン計画に基づく「(1)製品の流れについて」の部品の配送量)と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する計算部(ロバスト性評価処理制御部15)と、を備える。
サプライヤ、工場、倉庫、顧客を含むサプライチェーンにおいて、余剰在庫、欠品、納期遅れが生じず、サプライチェーンにおける不確定要素(需要量、配送リードタイム、生産リードタイム)の変動に対してロバストな供給、生産、在庫、配送に係る計画を作成することができる。また、この計画には、拠点間の最適な配送ルート、倉庫の最適な在庫量の情報が含まれる。
(2)第2の態様に係る計画システム10は、(1)の計画システム10であって、前記計算部は、全ての前記不確定要素の値が、前記期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記期待値よりも大きい値となる複数の場合それぞれについての前記評価値と、の合計を最小化する前記計画を算出する。
これにより、例えば、シナリオC、シナリオD、又は、シナリオBにおいて複数通りに需要量を変動させた場合であるシナリオB1、B2など、不確定要素を変動させた複数の異なるシナリオを考慮したサプライチェーン計画を算出することができる。
(3)第3の態様に係る計画システム10は、(2)の計画システム10であって、前記複数の場合には、一組みの前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きくなる場合が複数含まれる。
これにより、1組の不確定要素が様々に変動した場合を想定して、この想定においてロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。なお、1組の不確定要素とは、例えば、需要量のみ、需要量と生産リードタイム、需要量と配送リードタイム、生産リードタイムと配送リードタイム、需要量と生産リードタイムと配送リードタイム、生産リードタイムのみ、配送リードタイムのみ等である。例えば、1組の不確定要素が需要量であって、“複数の場合”が需要量が1.1倍、1.3倍、1.8倍となる場合であるとすると、計算部(ロバスト性評価処理制御部15)は、需要量が期待値通りの場合(シナリオA)と、需要量が1.1倍に変動した場合(シナリオB1)と、需要量が1.3倍に変動した場合(シナリオB2)と、需要量が1.8倍に変動した場合(シナリオB3)についてロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。
(4)第4の態様に係る計画システム10は、(1)〜(3)の計画システム10であって、前記不確定要素は、前記製品の需要量である。
第4の態様の計画システム10によれば、需要量の変動に対してロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。
(5)第5の態様に係る計画システム10は、(1)〜(4)の計画システム10であって、前記不確定要素は、前記工場から前記倉庫への配送リードタイムおよび前記倉庫から前記顧客への配送リードタイムの何れか又は両方である。
第5の態様の計画システム10によれば、配送リードタイムの変動に対してロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。
(6)第6の態様に係る計画システム10は、(1)〜(5)の計画システム10であって、前記不確定要素は、前記製品の生産リードタイムである。
第6の態様の計画システム10によれば、生産リードタイムの変動に対してロバストなサプライチェーン計画を作成することができる。
(7)第7の態様に係る計画システム10は、(1)の計画システム10であって、第1の前記不確定要素が前記製品の需要であり、第2の前記不確定要素が前記工場から前記倉庫への配送リードタイムおよび前記倉庫から前記顧客への配送リードタイムの何れか又は両方であり、第3の前記不確定要素が前記製品の生産リードタイムである場合に、全ての前記不確定要素の値が前記期待値となるシナリオAについての前記評価値と、第1の前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオBについての前記評価値と、第2の前記不確定要素の値および第3の前記不確定要素の値の何れか又は両方がそれぞれの前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオCについて前記評価値と、第1の前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きい値となり、第2の前記不確定要素の値および第3の前記不確定要素の値の何れか又は両方がそれぞれの前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオDについての前記評価値と、の合計が最小となるときの前記計画の算出にあたり、前記計算部(ロバスト性評価処理制御部15)は、前記シナリオAの配送ルートと前記シナリオCの配送ルートとが等しくなること、前記シナリオBの配送ルートと前記シナリオDの配送ルートとが等しくなること、の両方を条件として前記計画を作成する。
第7の態様の計画システム10によれば、生産リードタイム、配送リードタイムの変動の影響が少ない配送ルートを含んだサプライチェーン計画を作成することができる。
(8)第8の態様に係る計画システム10は、(1)〜(7)の計画システム10であって、前記計算部(ロバスト性評価処理制御部15)は、前記サプライヤ、前記工場、前記倉庫、前記顧客を配した拠点を示す座標軸と、所定の時刻からの経過時間を示す座標軸と、で形成される座標空間における前記サプライヤ、前記工場、前記倉庫、前記顧客のそれぞれと、各々の前記経過時間とを組にした前記拠点ごと前記経過時間ごとの点情報と、前記サプライヤに係る第1の前記点情報から前記工場に係る前記点情報のうち第1の前記点情報より長い前記経過時間に対応する第2の前記点情報へ向かう第1の枝情報、前記工場に係る第2の前記点情報から前記工場に係る前記点情報のうちの第2の前記点情報より長い前記経過時間に対応する第3の前記点情報へ向かう第2の枝情報、第3の前記点情報から前記倉庫に係る前記点情報のうちの第3の前記点情報以上の前記経過時間に対応する第4の前記点情報へ向かう第3の枝情報、第4の前記点情報から前記顧客に係る前記点情報のうちの第4の前記点情報以上の前記経過時間に対応する第5の前記点情報へ向かう第4の枝情報と、で構成される時空間ネットワークモデルに基づく前記混合整数計画問題を解いて、前記計画を作成する。
(9)第9の態様に係る計画システム10は、製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得する取得部と、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する計算部(ロバスト性評価処理制御部15)と、を備える。
工場、倉庫、顧客を含むサプライチェーンにおいて、余剰在庫、欠品、納期遅れが生じず、サプライチェーンにおける不確定要素(需要量、配送リードタイム、生産リードタイム)の変動に対してロバストな生産、在庫、配送に係る計画を作成することができる。また、この計画には、拠点間の最適な配送ルート、倉庫の最適な在庫量の情報が含まれる。
(10)第10の態様に係る計画方法は、計画システムが、製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する。
(11)第11の態様に係るプログラムは、コンピュータに、製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する処理、を実行させる。
10・・・計画システム
11・・・計画情報取得部
12・・・不確定要素変動情報取得部
13・・・出力部
14・・・記憶部
15・・・ロバスト性評価処理制御部
16・・・サプライチェーン計画情報更新部
17・・・評価値算出部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース

Claims (11)

  1. 製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得する取得部と、
    前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する計算部と、
    を備える計画システム。
  2. 前記計算部は、全ての前記不確定要素の値が、前記期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記期待値よりも大きい値となる複数の場合それぞれについての前記評価値と、の合計を最小化する前記計画を算出する、
    請求項1に記載の計画システム。
  3. 前記複数の場合には、一組みの前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きくなる場合が複数含まれる、
    請求項2に記載の計画システム。
  4. 前記不確定要素は、前記製品の需要量である、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の計画システム。
  5. 前記不確定要素は、前記工場から前記倉庫への配送リードタイムおよび前記倉庫から前記顧客への配送リードタイムの何れか又は両方である、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の計画システム。
  6. 前記不確定要素は、前記製品の生産リードタイムである、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の計画システム。
  7. 第1の前記不確定要素が前記製品の需要であり、第2の前記不確定要素が前記工場から前記倉庫への配送リードタイムおよび前記倉庫から前記顧客への配送リードタイムの何れか又は両方であり、第3の前記不確定要素が前記製品の生産リードタイムである場合に、
    全ての前記不確定要素の値が前記期待値となるシナリオAについての前記評価値と、第1の前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオBについての前記評価値と、第2の前記不確定要素の値および第3の前記不確定要素の値の何れか又は両方がそれぞれの前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオCについて前記評価値と、第1の前記不確定要素の値が前記期待値よりも大きい値となり、第2の前記不確定要素の値および第3の前記不確定要素の値の何れか又は両方がそれぞれの前記期待値よりも大きい値となる1または複数のシナリオDについての前記評価値と、の合計が最小となるときの前記計画の算出にあたり、
    前記計算部は、前記シナリオAの配送ルートと前記シナリオCの配送ルートとが等しくなること、前記シナリオBの配送ルートと前記シナリオDの配送ルートとが等しくなること、の両方を条件として前記計画を作成する、請求項1に記載の計画システム。
  8. 前記計算部は、前記サプライヤ、前記工場、前記倉庫、前記顧客を配した拠点を示す座標軸と、所定の時刻からの経過時間を示す座標軸と、で形成される座標空間における前記サプライヤ、前記工場、前記倉庫、前記顧客のそれぞれと、各々の前記経過時間とを組にした前記拠点ごと前記経過時間ごとの点情報と、前記サプライヤに係る第1の前記点情報から前記工場に係る前記点情報のうち第1の前記点情報より長い前記経過時間に対応する第2の前記点情報へ向かう第1の枝情報、前記工場に係る第2の前記点情報から前記工場に係る前記点情報のうちの第2の前記点情報より長い前記経過時間に対応する第3の前記点情報へ向かう第2の枝情報、第3の前記点情報から前記倉庫に係る前記点情報のうちの第3の前記点情報以上の前記経過時間に対応する第4の前記点情報へ向かう第3の枝情報、第4の前記点情報から前記顧客に係る前記点情報のうちの第4の前記点情報以上の前記経過時間に対応する第5の前記点情報へ向かう第4の枝情報と、で構成される時空間ネットワークモデルに基づく前記混合整数計画問題を解いて、前記計画を作成する、
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の計画システム。
  9. 製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得する取得部と、
    前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する計算部と、
    を備える計画システム。
  10. 計画システムが、
    製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、
    前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する、計画方法。
  11. コンピュータに、
    製品の生産に用いる物を供給するサプライヤと、前記物を用いて前記製品を生産する工場と、生産された前記製品を保管する倉庫と、前記倉庫から製品が納入される顧客と、を含むサプライチェーンにおける前記製品の生産、在庫および配送に関する一つ又は複数の不確定要素の各々について確率分布の情報を取得し、
    前記顧客から注文された数量の前記製品を前記顧客へ納入するときの、前記サプライヤから前記工場への前記物の配送に要するコストを示す第1の配送コストと、前記工場での前記製品の生産に要するコストを示す生産コストと、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送に要するコストを示す第2の配送コストと、前記倉庫での前記製品の保管に要する在庫コストと、前記倉庫から前記顧客への配送に要するコストを示す第3の配送コストと、前記製品が前記顧客へ納入された時間の納期からの遅延量に基づくコストと、を合計した評価値について、全ての前記不確定要素の値が、前記確率分布の期待値となる場合の前記評価値と、一つ又は複数の前記不確定要素の値が、前記確率分布に基づく、前記期待値よりも大きい値となる場合の前記評価値と、の合計を、所定の制約条件を満たしつつ最小化することを目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、前記サプライチェーンにおける前記物の供給、前記製品の生産、在庫および配送の計画であって、前記物の供給量と、前記製品の生産量と、前記倉庫における前記製品の在庫量と、前記工場から前記倉庫への前記製品の配送ルートおよび配送量と、前記倉庫から前記顧客への前記製品の配送ルートおよび配送量と、を含む前記計画を算出する処理、
    を実行させるプログラム。
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