JP2018163436A - 計画評価システム、計画評価方法、計画更新方法及びプログラム - Google Patents

計画評価システム、計画評価方法、計画更新方法及びプログラム Download PDF

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裕樹 太田
陽子 井出
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陽子 井出
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和久 牧野
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Abstract

【課題】配送計画等のロバスト性を評価する評価システムを提供する。【解決手段】評価システムは、目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、複数の過程のそれぞれについて、各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、始点と終点を結んでできる当該過程を示す枝と、を含む目標への計画情報について、評価対象となる第1の計画情報に含まれる少なくとも1つの点の移動を実行し、第2の計画情報を作成し、第2の計画情報の評価値を算出し、複数の第2の計画情報に対する評価値に基づいて、第1の計画情報のロバスト性を評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、計画評価システム、計画評価方法、計画更新方法及びプログラムに関する発明である。
製品の配送を行う場合、製品や配送手段の数量、配送先への経路等、様々な制約や条件を設定して、最も効率よく製品を配送するための配送計画を立てる技術が存在する。また、製品を製造する際にも、必要な数量や納期、材料や部品の在庫数量、工作機械の稼働状況や性能などの条件を設定し、最も効率よく製品の製造を行うことができる生産スケジュールを立てる技術が存在する。
これらの配送計画や生産スケジュールは、最初に与えられた初期条件を満たすように算出される。この場合、最初に立てた配送計画や生産スケジュールが、製品の配送、生産を行う中で、様々な外的、あるいは、内的作用による乱れが生じたときにも、変わらずに効率の良い計画であるとは限らない。これに対し、ある配送計画が外的あるいは内的な作用に強い配送計画であるかどうか、つまり、ロバストな配送計画かどうかを評価する方法が提供されている。例えば、ある配送計画について、その経路となる道路に様々なパターンの遅延を生じさせるシミュレーションを行う。そして、それらのシミュレーションの中で配送に要する時間やコストを評価値とする評価値計算を行う。その結果、様々な遅延パターンに対しても評価値が常に小さければ、その配送計画は、ロバストな配送計画であると評価することができる。
関連する技術として、特許文献1には、航空機のフライトスケジュールのロバスト性を評価する方法について記載がある。特許文献1には、実際のフライトで生じたフライトスケジュールに対する外乱を特定し、その外乱をテストスケジュールに対して生じさせるシミュレーションを行い、ロバスト性を評価することが記載されている。
特開2016−121869号公報
ところで、配送計画のロバスト性評価は、道路状況を様々に変化させ、その影響を受けて更新された配送計画の評価値の変化を確認することによって行われる。従来、この確認作業は、人手で表計算ソフトウェア等を用いて行うことも多く、膨大な工数がかかっている。そこで、配送計画や生産スケジュールについて、効率よくロバスト性評価を行う方法が求められている。なお、特許文献1には、具体的なロバスト性評価の方法についての記載が無い。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる計画評価システム、計画評価方法、計画更新方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、計画評価システムは、所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する計画評価システムであって、前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する計画情報更新部と、前記第2の計画情報の評価値を算出する評価値算出部と、前記計画情報更新部が作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価する評価部と、を備える。
このような構成とすることで、計画情報に含まれる過程の所要時間の変動に対し、その変動が反映された新たな計画情報を作成し、新たな計画情報の評価値を算出することで、前記変動に対するロバスト性の評価を行うことができる。
本発明の第2の態様における前記計画情報更新部は、前記第1の計画情報に含まれる全ての前記点について、その点に係る枝の向きに矛盾しない順に順番を設定し、前記第1の計画情報に含まれる少なくとも1つの枝について、その枝が示す前記過程の所要時間の変更を示す時間変更情報を取得し、前記枝の終点に設定された順番より大きい順番が設定された全ての点の時刻情報について、前記順番に沿って、前記時間変更情報に基づく更新を行うことにより、前記点の移動を実行してもよい。
本発明の第3の態様における前記計画情報更新部は、前記移動の対象となる点の各々について、その点に設定された順番よりも1つ前の順番が設定された前記点が示す更新後の時刻情報に、当該1つ前の順番が設定された点から前記移動の対象となる点への所要時間を加算して、前記移動の対象となる点の時刻情報を更新してもよい。
第2〜第3の態様に示すような構成とすることで、複雑な処理を行うことなく、比較的軽い処理負荷で、過程の所要時間の変動に応じた新たな計画情報の作成を行うことができる。これにより、計画情報の作成、ロバスト性評価などの処理を軽量化、高速化することができ、数多くの変動パターンに基づくロバスト性評価を行うことができる。
本発明の第4の態様における前記計画情報更新部は、前記第1の計画情報に含まれる第1の前記点に複数の枝が流入するか、滞在を示す枝が流入する場合、当該第1の点の移動について、当該第1の点へ流入する枝の種類と前記時間変更情報とに基づいて、前記第1の点へ流入する枝の中から選択した枝の終点の時刻情報と、前記第1の点の時刻情報とを比較して、前記第1の点の移動が発生するかどうかを判定してもよい。
本発明の第5の態様における前記計画情報更新部は、前記第1の点に1つ又は複数の滞在を示す枝が流入する場合、各滞在を示す枝の一つ前の枝の終点の時刻情報のうち最も大きい時刻情報を、前記第1の点の時刻情報との比較対象として選択してもよい。
本発明の第6の態様における前記計画情報更新部は、前記第1の点に複数の枝が流入する場合、流入する前記複数の枝の終点が示す時刻情報のうち最も大きい時刻情報を、前記第1の点の時刻情報との比較対象として選択してもよい。
第4〜第6の態様に示すような構成とすることで、待ち合わせなどを含む計画情報に含まれる過程に生じる所要時間の変動に対しても、自動的に誤りなく、所用時間の変動に対応した新たな計画情報の作成を行うことができる。
本発明の第7の態様における前記評価値算出部は、前記評価値として、前記第2の計画情報の実行に要する総時間または総コストを算出してもよい。
このような構成とすることで、計画情報のロバスト性評価に用いる指標となる評価値を算出することができる。
本発明の第8の態様における前記評価部は、複数の前記第2の計画情報の評価値の標準偏差および平均値のうち少なくとも1つに基づいて、前記第2の計画情報の元となる第1の計画情報のロバスト性を評価してもよい。
本発明の第9の態様における前記評価部は、複数の前記第1の計画情報が存在する場合、前記複数の第1の計画情報のうち基準となる第1の計画情報について作成された前記第2の計画情報の評価値と、他の前記第1の計画情報について作成された前記第2の計画情報の評価値とを比較し、前記基準となる第1の計画情報における評価値よりも良好である確率が高い他の前記第1の計画情報のロバスト性をより高く評価してもよい。
第8〜第9の態様に示すような構成とすることで、計画情報のロバスト性評価を行うことができる。
本発明の第10の態様は、所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する計画評価システムが、前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成するステップと、前記第2の計画情報の評価値を算出するステップと、前記作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価するステップと、を有する計画評価方法である。
本発明の第11の態様は、所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を作成する計画情報更新システムが、前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する計画情報更新ステップ、を有し、前記計画情報更新ステップでは、前記第1の計画情報に含まれる全ての前記点について、その点に係る枝の向きに矛盾しない順に順番を設定ステップと、前記第1の計画情報に含まれる少なくとも1つの枝について、その枝が示す前記過程の所要時間の変更を示す時間変更情報を取得するステップと、前記枝の終点に設定された順番より大きい順番が設定された全ての点の時刻情報について、前記順番に沿って、前記時間変更情報に基づく更新を行うことにより、前記点の移動を実行するステップと、を行う計画更新方法である。
このような構成とすることで、複雑な処理を行うことなく、比較的軽い処理負荷で、過程の所要時間の変動に応じた新たな計画情報の作成を行うことができる。
本発明の第12の態様は、所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する評価システムが備えるコンピュータを、前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する手段、前記第2の計画情報の評価値を算出する手段、前記作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価する手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、配送計画や生産計画などの計画情報のロバスト性評価を自動的に行うことができる。
本発明の第一実施形態における計画評価装置の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第一実施形態における配送計画の一例を説明する図である。 図2の配送計画に係る時空間ネットワークモデルを示す図である。 本発明の第一実施形態における計画情報の更新処理を説明する図である。 本発明の第一実施形態における計画情報の評価処理を説明する図である。 本発明の第一実施形態における計画情報の評価処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態における計画評価装置の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第二実施形態における配送計画の一例を説明する図である。 図8の配送計画に係る時空間ネットワークモデルを示す図である。 本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第1の図である。 本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第2の図である。 本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第3の図である。 本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第4の図である。 本発明の第二実施形態における生産スケジュールの一例を示す図である。 図14の生産スケジュールに係る時空間ネットワークモデルを示す図である。 本発明に係る第一実施形態、第二実施形態における計画評価装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の一実施形態による計画評価システムを図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態における計画評価装置の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態において、配送計画システムは、例えば、1台のPCやサーバなどのコンピュータによって構成される。コンピュータの構成例については後述する(図16)。
計画評価システムは、配送計画や生産計画など各種の計画情報に対して、その計画情報のロバスト性を評価する装置である。本実施形態では、所定の目標へ到達するための計画が複数の過程を含むときに、個々の過程の実行に要する時間、開始時刻、終了時刻や、各過程を進める順番、ある過程と次の過程の関係性(ある過程が終わってからでないと次過程を進めることができない等)などを定めたものを計画情報と呼ぶ。また、計画全体の開始と開始時刻、各過程の開始と開始時刻、各過程の終了と終了時刻、最終的な目標とその目標への到達時刻、をそれぞれ時空間ネットワークモデル上の点で表す。各過程は、その過程の開始に対応する点と終了に対応する点を結んでできる線で表す。後述するようにこの線を枝と呼ぶ。そして、計画の開始に対応する点から目標に対応する点に至るまでの各点を結んでできる枝の集合を計画情報と呼ぶ。なお、時空間ネットワークモデルについては後に説明する。
図1の計画評価装置10は、計画評価システムの一例である。計画評価装置10は、時空間ネットワークモデルを用いて表現された計画情報に対して、外乱を生じさせ、その外乱に対して更新した計画情報の評価値に基づいて計画情報のロバスト性を評価する。
図1に示すように、計画評価装置10は、計画情報取得部11と、所要時間変動情報取得部12と、出力部13と、記憶部14と、ロバスト性評価処理制御部15とを備えている。
計画情報取得部11は、ロバスト性の評価対象となる計画情報を取得する。
所要時間変動情報取得部12は、評価対象となる計画情報に対して、その計画に含まれるある過程の実行に要する時間の変更を指示する情報を取得する。所要時間変動情報取得部12は、例えば、配送計画における2つの場所の間の移動に要する時間を定めた移動時間行列を取得する。
出力部13は、計画情報の評価結果をディスプレイ等の他装置へ出力する。
記憶部14は、計画情報取得部11が取得した計画情報や計画情報の評価処理用のプログラムなど、計画情報のロバスト性評価処理に必要な種々の情報を記憶する。
ロバスト性評価処理制御部15は、計画情報のロバスト性評価処理の実行制御を行う。例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、ユーザが指定した評価対象となる計画情報の各々について、ロバスト性評価処理を行い、各計画情報に対する評価結果を出力するまでの一連の処理を制御する。また、ロバスト性評価処理制御部15は、計画情報更新部151と、評価値算出部152と、評価部153と、を備える。
計画情報更新部151は、評価対象となる計画情報に含まれる点を移動し、計画情報を更新する。例えば、計画情報を構成するある1つの過程に要する時間が当初の予定よりも長くなる場合、その過程に相当する枝の終了を示す点を、長くなる時間に応じて移動させる。また、予定より所要時間が長くなった過程以降に続く、他の過程についても、順次、それらの過程を示す枝の始点と終点を適切に移動させ、前記ある1つの過程の所要時間を延長した場合の新たな計画情報を作成する。なお、計画情報更新部151は、所要時間変動情報取得部12が取得した所要時間行列に基づいて、その影響を受ける枝の各点を移動する。
評価値算出部152は、計画情報更新部151が作成した更新後の計画情報について、評価値を算出する。評価値とは、例えば、その計画情報の実行に要する総時間、総コストなどである。
評価部153は、評価値算出部152が算出した評価値に基づいて、計画情報のロバスト性を評価する。
計画情報取得部11、所要時間変動情報取得部12、出力部13、ロバスト性評価処理制御部15、計画情報更新部151、評価値算出部152、評価部153は、例えば計画評価装置10が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部14からプログラムを読み出して実行することで実現される。
図2は、本発明の第一実施形態における配送計画の一例を説明する図である。
図2は、配送車が、「倉庫」から商品等の配送物を持ち出し、各配送物を適切な配送先へ配送して再び「倉庫」に戻る様子を示している。図2において「倉庫」とは、配送物の配送を開始する拠点である。また、「場所1」、「場所2」、・・・、「場所N」は配送物の配送先となる拠点である。まず、「場所1」〜「場所N」に配送する配送物を積んだ配送車が、「倉庫」から「場所2」へ移動する。配送車は、「場所2」で配送物を降ろし、続いて「場所1」へ移動する。その後も、配送車は所定の経路を辿って「場所N」に至り、「場所N」で配送物を降ろすと「倉庫」へと戻ってくる。図2で示した配送計画の一部を表現した時空間ネットワークモデルを図3に示す。
図3は、図2の配送計画に係る時空間ネットワークモデルを示す図である。
図3の縦軸は時間経過、横軸は各拠点の場所を示している。時空間上の点は、各時刻における各拠点を表したものである。また、2つの点を結んだ斜め方向の実線矢印は、配送物、配送車(配送手段)、配送スタッフなどの時空間上の移動を示している。また、グラフ内の各点を(時刻,場所)で表す。例えば、時刻t=0では、配送車は「倉庫」に存在しているので、この点の座標は(0、1)である。また、t=1では、配送車は「場所2」に存在しているので、t=1における配送車の座標は(1、3)である。また、点(0、1)と点(1、3)を結ぶ実線矢印31は、t=0〜1で配送車の「倉庫」から「場所2」への移動を表している。同様に実線矢印32は、t=1〜2における配送車の移動を示し、点(2、2)は、時刻t=2に配送車が「場所1」に存在することを示している。
ここで、配送計画とは、「倉庫」を始点とし、「場所1」〜「場所N」を巡回して「倉庫」に戻ってくるまでの配送経路の全体および各場所の出発時刻、到着時刻、移動に要する時間を含む。また、一本の実線矢印を枝と呼び目標に到達するための各過程に対応する。また、枝の集合を計画情報と呼ぶ。計画情報は、配送計画に対応する。
また、図3の例の場合、配送計画の開始での配送車の時空間上の点(0、1)を出発点、「倉庫」、「場所1」〜「場所N」間の枝に対応する拠点間の経路とその移動を過程、
各過程(実線矢印31、実線矢印32)の開始を示す点(1、3)を始点、各過程の終了を示す点(2、2)を終点、最終的にt=Tにて「倉庫」に戻ってくる点(T、1)を目標点(計画の目標を示す)と記載する場合がある。またこれら出発点、始点、終点、目標点を総称して点と記載する。
図3で例示した時空間ネットワークモデルにおいて、枝の集合で表される配送計画は、例えば、どの配送物をどの拠点に配送するか、配送に使用できる配送手段(配送車)の数量や積載量、拠点間の移動に要する時間などの配送条件、最短時間で配送し終えることやコストが最小となる配送計画といった制約を初期条件として与えた上で、それらの初期条件を満たす解を数学的手法(モンテカルロ法など)によって探すことによって算出されたものである。
しかし、実際には、渋滞などの交通状況により、各拠点間の移動時間には変動があるため、一定の初期条件下で最適である算出された配送計画が、実際の場面でも最適な配送計画になるとは限らない。これに対し、本実施形態では、計画評価装置10が、図3で例示した時空間ネットワークモデルで表された配送計画の計画情報を用いて、各拠点間の移動に要する時間が変化したときの影響を反映した計画情報を効率的かつ自動的に作成する。また、計画評価装置10は、作成後の計画情報について、全配送計画の遂行に要する時間やコストなどを評価値として、元の配送計画が、交通状況の変化に対してどの程度、強い配送計画なのかどうかを評価する。
次に、本実施形態の計画情報の更新処理について説明する。
図4は、本発明の第一実施形態における計画情報の更新処理を説明する図である。
図4において、予め定められた配送計画に対応する計画情報を実線矢印、変更後の計画情報を太線矢印で記載する。また、拠点間の移動時間の変動は、予め定められていて、計画評価装置10へ入力されるとする。移動時間の変動情報は、例えば、移動時間を各要素の値に持つ行列(移動時間行列)として与えられる。移動時間行列の例を以下に示す。
Figure 2018163436
この例は、通常、倉庫から場所2への移動時間、場所2から場所1への移動時間が共に「1」であるところ、渋滞などが原因で何れの移動時間も「2」となる場合を示している。この例を用いて、計画情報更新部151による配送計画の作成について説明する。
(手順1)
まず、計画情報更新部151は、元の配送計画における出発点、複数の始点と終点、目標点を、各点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べ、各点に順番を付す。ここで、点に係る枝の向きに矛盾しない順とは、任意の枝について、始点が終点よりも小さい番号になるように付番することをいう。また、任意の枝について始点が終点よりも小さい番号になるように付番した場合に、複数通りの方法で付番が可能となる場合を考慮して、例えば、始点が終点よりも小さい番号になり、かつ、各点に含まれる時刻情報が早いものにより小さい番号が設定されるように付番してもよい。例えば、特に同じ時刻の点がない場合は、各点に含まれる時刻の早い順に並べればよい。具体的には、図3の次空間ネットワークモデルでは、各点は時刻の早いものから順に並んでいるので、グラフの上位に存在する点から順に、点(0、1)に順番「1」を、点(1、3)に順番「2」を、点(2、2)に順番「3」を設定する。
(手順2)
次に計画情報更新部151は、手順1で設定した順番に沿って(順番の数値の小さいものから順)、点の更新を行う。具体的には、計画情報更新部151は、以下の式によって対象となる点の時刻情報を更新する。
i番目の点の時刻情報 = (i−1)番目の点の時刻情報(更新後) +
(i−1)番目からi番目の点への所要時間(変更後) ・・・(1)
上記の移動時間行列が与えられた場合(倉庫から場所2への移動、場所2から場所1への移動が共に「1」→「2」となる場合)の手順2の処理について、具体的に説明する。
計画情報更新部151は、1番目の点(0、1)に対して、式(1)による時刻情報の更新を行う。出発点についての変化は無い為、式(1)により、1番目の時刻情報は、0のままである。次に計画情報更新部151は、手順1で設定した順番に沿って、2番目の点(1、3)に対して、式(1)による時刻情報の更新を行う。2番目の点の場合、「1番目の点の時刻情報(更新後)」に変更が無く「0」のままで、「1番目から2番目の点への所要時間(変更後)」が「1」から「2」へと変化するので、2番目の点の時刻情報は、0+2=2となる。計画情報更新部151は、2番目の点の時刻情報を「1」から「2」へ更新する。更新後の2番目の点の座標は、(2、3)となる。出発点(0、1)と更新後の点(2、3)を結ぶ太線矢印31´は、配送車の倉庫から場所2への移動を表している。
次に計画情報更新部151は、手順1で設定した順番に沿って、3番目の点(2、2)に対して、式(1)による時刻情報の更新を行う。3番目の点の場合、「2番目の点の時刻情報(更新後)」は「2」である。また、「2番目から3番目の点への所要時間(変更後)」が「1」から「2」へと変化するので、3番目の点の時刻情報は、2+2=4となる。計画情報更新部151は、3番目の点の時刻情報を「2」から「4」へ更新する。更新後の2番目の点の座標は、(4、2)となる。点(2、3)と更新後の点(4、2)を結ぶ太線矢印32´は、配送車の場所2から場所1への移動を表している。
このように、本実施形態では、予め定められた計画情報に対して、枝に対応付けられた所要時間が変化した場合、各点に係る枝の向きに矛盾しない順に1方向に処理していくことによって、再帰などの複雑な処理を必要とせず、高速かつ確実に更新後の計画情報を作成することができる。これにより、道路状況の様々な変化を想定した移動時間行列を予め多数用意しておくことで、様々な道路状況の変化に対応する計画情報を作成することができる。次に、計画情報更新部151が作成した計画情報に対する評価処理について説明する。
上記の移動時間行列の例では、「倉庫」から「場所2」、「場所2」から「場所1」への移動時間が共に「1」→「2」となる場合を想定していた。このように、ある1つの移動時間行列について、その変動分を反映して計画情報を作成すること、またはそのようにして作成された計画情報をテストケースと呼ぶ。計画評価装置10は、テストケースごとに計画情報を作成し、その計画情報の評価値を算出する。評価値とは、例えば、その計画情報を実行した場合の実行に要する総時間、実行に要する総コスト(燃料費、人件費など)などである。評価値算出部152は、計画情報を構成する各枝の所要時間を合計して、計画情報更新部151が作成した新たな計画情報の実行に必要な総時間を算出する。また、評価値算出部152は、例えば、算出した総時間に単位時間あたりのコストを乗じて、計画情報の実行に必要な総コストを算出する。また、評価部153は、評価値算出部152が算出した評価値を評価する。評価値が配送に要する総時間の場合も総コストの場合も、一般的には評価値の値が小さい方がより好ましい計画情報である。
また、評価部153は、複数のテストケースについて算出された評価値の平均、分散などを算出し、これらの値に基づいて、ロバスト性の評価を行う。例えば、図2等で例示したある配送計画について、複数種類のテストケース(移動時間行列)が与えられたとする。計画情報更新部151は、各テストケースについての新たな計画情報を作成する。評価値算出部152は、それぞれの計画情報について、評価値を算出する。ここで、テストケースA〜Cについて、評価値の値(移動時間の合計)が、110分、90分、100分であったとする。すると、評価部153は、例えばこれらの3つの評価値の平均100分を算出する。この場合、例えば、評価部153は、100分と図2で例示した配送計画について予め定められた閾値(例えば105分)とを比較して、複数のテストケースに対する評価値の平均が閾値以下であることに基づいて、図2で例示した配送計画がロバストであると評価してもよい。
また、評価部153は、同じ配送条件に対して複数の異なる手法を用いて算出された複数の配送計画について、どの配送計画が最もロバストであるかを評価することができる。図5に複数の配送計画に対するロバスト性評価の一例を示す。
図5は、本発明の第一実施形態における計画情報の評価処理を説明する図である。
図5に示す表において、配送計画0〜2は、例えば、各拠点間の移動時間を最も楽観的に見積もったときに、各手法によって算出された、最小コストとなる計画情報である。また、モデルとは、計画情報の算出手法に対応し、例えば、配送計画0、配送計画1、配送計画2は、同一の配送に関する条件の下で別々の数学的手法によって算出された配送経路の異なる配送計画であることを示す。また、配送計画0について、確定モデルとの別名を付したのは、配送計画0を基準として考えることを示している。配送計画0は、例えば、各拠点間の移動時間の変動を考えない(移動時間を固定した)数理モデルによって算出した計画情報である。また、配送計画1、2は、移動時間の変動を想定したうえで、例えば、モンテカルロ法や確率計画法などを用いて導出された、配送完了時間や配送コストが所定の値以下となる確率が最も高い計画情報である。
これら3つの配送計画に対して、複数のテストケースを与える。テストケースとは、上記のとおり、各拠点間の所要時間のうち少なくとも1つについて、その拠点間の最も楽観的な移動時間に比べて、より多くの時間が掛かる条件を与えて計画情報を作成することを示す。図5の例の場合、テストケース1〜3の3つのテストケースを与えている。計画情報更新部151は、配送計画0〜2に対して、テストケース1〜3を与えた場合の計画情報を作成する。評価値算出部152は、計画情報更新部151が作成した9通りの計画情報について評価値を算出する。図5には、評価値算出部152が各テストケースについて算出した評価値が記載されている。例えば、配送計画0に対してテストケース1の移動時間行列を与えたときの評価値は「25」、テストケース2の移動時間行列を与えたときの評価値は「30」、テストケース3の移動時間行列を与えたときの評価値は「20」である。配送計画2、3についても同様である。また、評価部153は、1つの配送計画に係る複数のテストケースの各々について算出された評価値の「平均値μ」、「標準偏差σ」、「評価値が確定モデル以上に良好となる確率Z」を算出する。例えば、配送計画0についての「平均値μ」、「標準偏差σ」はそれぞれ「25」、「4.12」である。また、例えば、配送計画1についての「平均値μ」、「標準偏差σ」、「確率Z」はそれぞれ「20」、「0」、「100」で、配送計画2についてはそれぞれ「16」、「5.39」、「67」である。なお、「確率Z」について、配送計画1のテストケース1〜3の評価値は、配送計画0のテストケース1〜3の評価値以下となっているので「確率Z」は100%となり、配送計画2については、テストケース1、2の評価値は配送計画0以下、テストケース3の評価値は配送計画0を上回っていることから67%となっている。
また、評価値の「平均値μ」、「標準偏差σ」、「評価値が確率モデルより良好となる確率Z」などに基づいて、評価部153は、配送計画0〜2のうちどれがロバストな配送計画であるかを評価する。図5の例の場合、評価部153は、平均値に重きを置いて評価するのであれば、平均値の最も小さい配送計画2を最もロバストな配送計画であると評価してもよい。又は、「標準偏差σ」や「確率Z」を重視して、配送計画1を最もロバストな計画情報であると評価してもよい。なお、図5には、評価対象の配送計画、テストケースが共に3の個の場合が示されているが、これに限定されない。例えば、配送計画が10種類、テストケースは1000ケース存在していてもよい。予め多くのテストパターンを用意しておくことで、様々な遅れの発生パターンを通じて最もロバストな計画情報を選択することができる。
なお、計画評価装置10による計画情報の評価は、配送計画の他、巡回セールスマン問題の巡回計画の評価やミルクランによる集荷計画の評価に適している。ミルクランとは、例えば、メーカが、自社の製品に使用する原材料や部品を、複数のサプライヤから仕入れる場合、メーカ自身が、各サプライヤを巡回して、その原材料や部品を集荷する調達方法のことである。
次に本実施形態の計画評価処理の流れの例について図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第一実施形態における計画情報の評価処理の一例を示すフローチャートである。
前提として、複数の計画情報(例えば配送計画0〜2)と移動時間行列(例えばテストケース1〜3)が予め用意されているとする。
まず、計画情報取得部11が、評価対象となる計画情報を取得する(ステップS11)。例えば、ユーザが、予め複数の数学的手法で算出された1つ又は複数の計画情報を計画評価装置10に入力する。すると、計画情報取得部11が、その計画情報を取得し、記憶部14に記録する。次に所要時間変動情報取得部12が、所要時間変更情報を取得する(ステップS12)。例えば、ユーザが、複数の移動時間行列を計画評価装置10に入力する。入力した各移動時間行列は1つのテストケースに該当している。所要時間変動情報取得部12は、移動時間行列を取得し、記憶部14に記録する。次に例えばユーザが、計画評価処理の開始を指示する情報を計画評価装置10に入力する。すると、ロバスト性評価処理制御部15が、評価処理を開始する。
まず、ロバスト性評価処理制御部15が、評価対象となる計画を選択する(ステップS13)。配送計画0〜2が入力された場合、例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、最初の評価対象として配送計画0を選択する。次に、ロバスト性評価処理制御部15は、テストケースを選択する(ステップS14)。テストケース(移動時間行列)1〜3が入力された場合、例えば、ロバスト性評価処理制御部15は、最初の処理対象としてテストケース1を選択する。配送計画とテストケース(移動時間行列)を選択すると、ロバスト性評価処理制御部15は、計画情報更新部151に、テストケースに応じた配送計画の作成を指示する。計画情報更新部151は、この指示に基づいて、ステップS13で選択された配送計画の計画情報を変更する(ステップS15)。具体的な手順は図4を用いて説明したとおりである。(手順1)まず、計画情報更新部151は、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べて、その順に順番を設定する。(手順2)次に、計画情報更新部151は、ステップS14で選択されたテストケースに対応する移動時間行列に従って、各枝の所要時間を変更する。つまり、所要時間に変更があった枝とそれ以降の枝については、必要に応じて各点の時刻情報を更新する。このとき、計画情報更新部151は、手順1で設定した順番に従って、各点の時刻情報の更新を行う。これにより、計画情報更新部151は、テストケースに応じた新たな計画情報を作成する。
次に評価値算出部152は、評価値を算出する(ステップS16)。具体的には、評価値算出部152は、テストケースに応じた計画情報の各枝に対応する所要時間を合計して、配送計画の実行に要する時間を算出する。あるいは、評価値算出部152は、配送計画の実行に要する時間に、燃料費や人件費を考慮して予め設定された単位時間あたりのコストを乗じて、配送計画の実行に要するコストを算出する。なお、単位時間あたりのコストは、記憶部14に記録されている。評価値算出部152は、評価値を算出すると、その値を、計画情報の識別情報およびテストケースの識別情報と対応付けて記憶部14に記録する。
次にロバスト性評価処理制御部15は、全てのテストケースの評価値を算出したかどうかを判定する(ステップS17)。例えば、ステップS12でテストケース1〜3を入力した場合、ロバスト性評価処理制御部15は、テストケース1〜3について評価値を算出していれば、全てのテストケースの評価値を算出したと判定する。全テストケースに対する評価値の算出が完了していない場合(ステップS17;No)、ステップS14からの処理を繰り返す。完了している場合(ステップS17;Yes)、ロバスト性評価処理制御部15は、全ての計画情報について処理が完了しているかどうかを判定する(ステップS18)。例えば、ステップS11で配送計画0〜2を入力した場合、ロバスト性評価処理制御部15は、配送計画0〜2の全てについて、テストケース1〜3の場合の評価値を算出していれば、全ての計画情報について処理が完了したと判定する。全計画情報について処理が完了していない場合(ステップS18;No)、ステップS13からの処理を繰り返す。
完了している場合(ステップS18;Yes)、最後に評価部153が、ロバスト性の評価を行う(ステップS19)。例えば、評価部153は、記憶部14に記録された全評価値の情報を読み込んで、計画情報ごとに全テストケースの平均値μ、分散σを算出する。また、評価部153は、計画情報ごとの各テストケースの評価値を、所定の確定モデルでの同じテストケースについての評価値と比較し、評価値が確率モデルより良好となる確率Zを算出する。そして、評価部153は、算出した平均値μ、分散σ、確率Zの一部またはすべてを用いて、ステップS11で取得した計画情報のロバスト性評価を行う。例えば、評価部153は、平均値μが一番小さいものを最もロバスト性が高い計画情報であると評価してもよい。あるいは、評価部153は、計画情報を平均値μが小さいものから順に並べて、その順番(降順)にロバスト性がより高い計画情報であると評価してもよい。また、例えば、K1×平均値μ+K2×分散σ+K3×(1/確率Z)のように各評価値に任意に設定した係数(K1〜K3)による重み付けをした計算式によって、その値が小さいものから順にロバスト性がより高い計画情報であると評価してもよい。ロバスト性の評価が完了すると、評価部153は、評価結果とともに各評価値の値などを出力部13に出力する。なお、評価部153は、ロバスト性評価の指標となる平均値μなどの算出だけを行って、どの配送計画が好ましいかについては、ユーザが選択するようにしてもよい。この場合、例えば、出力部13は、図5で例示した表をディスプレイに表示する。ユーザは、ディスプレイの表示内容を見て、どの計画情報を選択するかを決定する。
本実施形態によれば、時空間ネットワークモデルで表された配送計画(計画情報)において、各点の間の移動時間に変動があった場合でも、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べ、並べた順に移動時間の変動に応じた変更を加えることで、移動時間の変動を反映させた計画情報(枝情報の集合)を速やか且つ自動的に構築することができる。これにより、予め想定した数多くの移動時間の変動パターンについての計画情報を得ることができ、現実に起こり得る遅延等による当初の配送計画への影響を確認することができる。また、平均値μや分散σなどによって、変更後の計画情報を評価することによって、どの計画情報が外乱に強いかを評価することができる。
計画評価装置10の適用例として、例えば、実際に配送やミルクランによる調達などを行う場面で、複数の計画情報が得られた場合、計画評価装置10によれば、どの計画情報がよりロバストなのかを判定し、最も保守的(低コストの可能性が高い、遅延の可能性が低い)計画情報を選択することができる。また、計画評価装置10は、計画情報を算出する手法の中から最も保守的な計画情報を算出する可能性が高い手法を選択する場面でも用いることができる。例えば、候補とする手法1〜3があるとする。まず、手法1〜3のそれぞれによって、ある配送計画問題の解(計画情報1〜3)を求める。次に計画評価装置10を用いて、それぞれの解に対して複数のテストケースを与え、新たな計画情報および評価値の算出を行い、さらに計画情報1〜3のロバスト性評価を行う。最もロバスト性が高い計画情報を算出した手法を、最もロバスト性の高い計画情報を算出することができる手法として選択する。
なお、計画評価装置10によるロバスト性評価処理の処理時間の一例として、図5で例示したように3種類の配送計画のロバスト性評価処理において、約1000個のテストケースを与えた場合でも1分程度で全評価処理を実行することができた。
<第二実施形態>
以下、本発明の一実施形態による配送計画システムを図7〜図15を参照して説明する。
第一実施形態では、待ち合わせを考慮しない場合の計画情報の更新およびロバスト性の評価を行った。第二実施形態では、待ち合わせを含む計画情報について、計画情報の更新およびロバスト性の評価を行う。
図7は、本発明の第二実施形態における計画評価装置の一例を示す機能ブロック図である。
本発明の第二実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る計画評価装置10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。第二実施形態に係る計画評価装置10Aは、第一実施形態の構成における計画情報更新部151に代えて、計画情報更新部151Aを備えている。他の機能部については第一実施形態と同様である。
計画情報更新部151Aは、計画情報の中に待ち合わせや滞在(待機)を含む場合に、移動時間の変動の待ち合わせや滞在への影響を考慮して計画情報の更新を行う。
計画情報更新部151Aは、計画評価装置10Aが備えるCPUが、記憶部14からプログラムを読み出して実行することで実現される。
図8は、本発明の第二実施形態における配送計画の一例を説明する図である。
図8に待ち合わせや滞在を含むカーシェアリングにおける車両の配送計画の例を示す。カーシェアリングでは、ユーザの要求に応じて、車両を希望する時間までにユーザが指定する駐車場に移動しなければならない。図8は、カーシェアリングにおける車両配送の1つの場面を示している。
スタッフ8aは、時刻t=0にユーザが利用する車両8bに搭乗して、「拠点1」から「駐車場1」へ向かう。「駐車場1」は、ユーザが車両8bの利用を開始する駐車場である。スタッフ8aは、時刻t=1に「駐車場1」に到着すると、車両8bから下車して、時刻t=2まで「駐車場1」で滞在した後に、次の「駐車場2」まで徒歩で移動する計画となっている(時刻t=4に到着)。一方、「拠点2」からは、時刻t=1にスタッフ8cが配送車8dに搭乗して「駐車場2」へ向かい、「駐車場2」へは時刻t=4に到着する計画である。そして、時刻t=4に「駐車場2」でスタッフ8aを配送車8dに搭乗させて、「駐車場3」へ向かう計画になっている。「駐車場3」には、ユーザが利用し終えた車両8eが駐車しており、スタッフ8aは「駐車場3」で車両8eに搭乗して、別の駐車場に向かう計画となっている。
図9は、図8の配送計画に係る時空間ネットワークモデルを示す図である。
図9に示すグラフにおいても、図3にて説明したとおり、斜め方向の実線矢印は配送車やスタッフの移動を示している。また、枝91、92のような縦の実線矢印は配送車やスタッフがその場に滞在することを示している。計画情報の中に滞在(待機)を含むとは、縦の枝が含まれていることをいう。また、点(4、2)のように時刻の早い方から生じた複数の枝が後の時刻に係る1つの点に流入する場合、流入する点が示す場所と時刻にて待ち合わせを行っていることを示している。次に、計画情報の中に含まれる待ち合わせや滞在に関する点の更新処理について説明する。
図10は、本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第1の図である。
図10に示す配送計画は、点(2、2)から点(3、2)への滞在と点(3、2)での待ち合わせを含む。この配送計画において、「場所1」から「場所2」への移動、「場所3」から「場所2」への移動について遅延が生じた場合を考える。各経路における遅延は、例えば、移動時間行列で与えられ、第一実施形態と同様に、計画情報更新部151Aは、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順(この場合は各点の時刻情報順)に並べ、その順に沿って遅延の影響を受ける点の移動を行い、新たな計画情報を作成する。ここで、点P1の更新について考える。点P1へは、縦の枝も斜めの枝も流入しない。この場合、計画情報更新部151Aは、点P1の座標情報を変更しない。つまり、i番目の点について、i番目へ流入する枝が無い場合、i番目の時刻情報は変更しない(右図、P1´)。
図11は、本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第2の図である。
図11に示す配送計画は、点(2、2)での待ち合わせを含む。この配送計画において、「場所1」から「場所2」への移動時間が「1」から「3」へ増加し、「場所3」から「場所2」への移動時間が「2」から「3」へ増加する場合を考える。この場合も、計画情報更新部151Aは、まず、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べ、その順に沿って遅延の影響を受ける点の移動を行い、新たな計画情報を作成する。この例の場合、点P2に対する時刻情報の更新は次のように行う。
まず、計画情報更新部151Aは、点P2に流入する枝11aと枝12bのそれぞれについて、式(1)によって、終点の座標情報を更新する。枝11aの終点の座標は(4、2)である。一方、枝11bの終点の座標は(3、2)である。次に計画情報更新部151Aは、枝11aの終点(4、2)と、枝11bの終点(3、2)とのうち、時刻情報が大きい点(最も到着時刻が遅くなる枝の終点)を選択する。そして、計画情報更新部151Aは、選択した点の時刻情報に合わせて点P2の時刻情報を更新する(右図、P2´(4、2))。また、計画情報更新部151Aは、枝11bの終点(3、2)とP2´を結ぶ滞在を示す縦の枝を新たに作成する。
図11の例のように、複数の異なる場所からの移動を示す枝がi番目の点に流入する場合、計画情報更新部151Aは、i番目の点の時刻情報を、各枝についてのh番目(h<i)の点の時刻情報(更新後)とh番目の点からi番目の点への所要時間(変化後)の和、のうちの最大値で更新する。なお、h番目の点は、i番目の点へ流入する1つ又は複数の枝の終点を示す。
図12は、本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第3の図である。
図12に示す配送計画は、点(1、2)から点(3、2)への滞在を含む。この配送計画において、「場所1」から「場所2」への移動時間が「1」から「2」へ増加する場合と、「1」から「4」へ増加する場合を考える。計画情報更新部151Aは、第一実施形態と同様に、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べ、その順に沿って点の移動を行う。この例の場合、点P3に対する時刻情報の更新は次のように行う。
(移動時間が1から2へ増加する場合)
まず、計画情報更新部151Aは、枝121aの終点を更新する。更新後の枝について右上図に示す。更新後の枝121bの終点の座標は(2、2)である。次に計画情報更新部151Aは、更新後の枝121bの終点の時刻情報(「2」)と点P3の時刻情報(「3」)とを比較する。この例では、点P3の時刻情報がより遅い時刻を示しているので、計画情報更新部151Aは、点P3の時刻情報の更新を行わない。枝121bの終点が更新され移動したことに伴い、枝122bの始点も移動する。その為、計画情報更新部151Aは、枝122bの長さを短くする。
(移動時間が1から4へ増加する場合)
計画情報更新部151Aは、枝121aの終点を更新する。更新後の枝について右下図に示す。更新後の枝121cの終点の座標は(4、2)である。次に計画情報更新部151Aは、更新後の枝121cの終点の時刻情報(「4」)と点P3の時刻情報(「3」)とを比較する。この例では、更新後の枝121cの終点の時刻情報がより遅い時刻を示しているので、計画情報更新部151Aは、点P3の時刻情報を、更新後の枝121cの終点の時刻情報に合わせて更新する。また、枝121cの終点が更新されたことに伴い、計画情報更新部151Aは、枝122aを削除する。換言すると、計画情報更新部151Aは、枝122aに対応する更新後の枝(図示せず)の終点を始点P3´に戻す。
図12の例のように、i番目の点に待機を示す縦の枝のみが流入する場合、計画情報更新部151Aは、滞在前のg番目の点(g<i)の時刻情報(更新後)とi番目の点の時刻情報とを比較する。そして、g番目の点(g<i)の時刻情報(更新後)の方が大きい場合、計画情報更新部151Aは、i番目の点の時刻情報を、g番目の点の時刻情報で更新する。また、i番目の点の時刻情報の方が大きい場合、計画情報更新部151Aは、i番目の点の時刻情報を変更しない。なお、g番目の点は、i番目の点へ流入する1つ又は複数の滞在を示す枝の始点(滞在を示す枝の1つ前の枝の終点)を示す。
図13は、本発明の第二実施形態における計画情報の更新処理を説明する第4の図である。
図13に示す配送計画は、点(1、2)から点(2、2)への滞在と点(2、2)での待ち合わせを含む。この配送計画において、「場所1」から「場所2」への移動時間が「1」から「3」へ増加する例を考える。計画情報更新部151Aは、各点をそれぞれの点に係る枝の向きに矛盾しない順に並べ、その順に沿って遅延の影響を受ける点の移動を行う。この例の場合、点P4に対する時刻情報の更新は次のように行う。
まず、計画情報更新部151Aは、枝131aについて、式(1)によって終点の時刻情報を更新する。枝131bの終点の座標は(3、2)である。次に計画情報更新部151Aは、枝131bの終点(3、2)と、枝133a(133b)の終点(2、2)とのうち、時刻情報が大きい点を選択する。つまり、計画情報更新部151Aは、最も到着時刻が遅くなる枝の終点を選択する。なお、待機状態を示す枝132aについては、その始点を到着時刻として扱う。図13の例では、枝132aの始点は、枝131aの終点であるから、更新後の枝132aに対応する枝(図示せず)の終点は枝131bの終点と同じとみなす。つまり、枝131bの終点と枝133bの終点とで時刻情報を比較する。そして、計画情報更新部151Aは、選択した点の時刻情報に合わせて点P4の時刻情報を更新する(右図、P4´)。また、計画情報更新部151Aは、枝133bの終点(2,2)と点P4´を結ぶ滞在を示す縦の枝134bを新たに作成する。これは、「場所3」を出発して先に「場所2」に到着した配送車が、「場所2」に滞在し、「場所1」からの配送車や配送スタッフの到着を待つことを示している。
図13の例のように、別の場所からの移動を示す枝と、滞在を示す枝がi番目の点に流入する場合、計画情報更新部151Aは、i番目の点の時刻情報を、i番目へ移動前のh番目の点(h<i)の時刻情報(更新後)とh番目の点からi番目の点への所要時間(変化後)との和と、i番目まで滞在する前のg番目の点(g<i)の時間(更新後)とのうち、最も大きい値で更新する。
次に第二実施形態の計画情報の評価処理の流れについて説明する。本実施形態の評価処理の流れは、図6を用いて説明したものと同様である。つまり、計画情報取得部11が、評価対象となる計画情報を取得(ステップS11)し、所要時間変動情報取得部12が、所要時間変更情報を取得する(ステップS12)。次にロバスト性評価処理制御部15が、評価対象となる計画情報を選択し(ステップS13)、選択した計画情報について、1つ又は複数のテストケースを順に選択しながら(ステップS14)、計画情報の更新(ステップS15)、評価値の算出(ステップS16)を行う。本実施形態では、計画情報の更新の際に、計画情報更新部151Aが、計画情報に含まれる滞在や待ち合わせに対応する点について、その点に流入する枝のパターンに応じて場合分けをしながら、図10〜図13で説明した各処理を行って枝の更新を行う。全ての計画情報について、全パターンのテストケースを処理すると(ステップS17、S18)、評価部153が、ロバスト性の評価を行う(ステップS19)。本実施形態によれば、同じ場所への滞在や、待ち合わせを含む計画情報についても、数多くの移動時間の変動パターンに対応する計画情報の作成、評価値の算出、ロバスト性評価を自動的に行うことができる。
図14は、本発明の第二実施形態における生産スケジュールの一例を示す図である。
工程101〜工程103は、注文1で受注した製品の製造工程である。工程101〜工程103には、この順番でFS(Finish to Start)関係の制約がある。つまり、工程102は工程101が完了しないと着手できず、工程103は工程102が完了しないと着手できない。この関係を縦、あるいは、斜めの実線矢印で示す。同様に、工程201〜工程204は、注文2で受注した製品の製造工程である。工程201〜工程204についても、この順番でFS(Finish to Start)関係の制約がある。つまり、工程202は工程201が完了しないと着手できず、工程203は工程202が完了しないと着手できず、工程204は工程203が完了しないと着手できない。なお、横の実線は各工程の処理を示す。
さらに、工程103と工程203では同じリソース(例えば、工作機械)を使用するため、工程203が完了しないと、リソースを工程103に割り当てることができない。この関係を2点鎖線矢印で示す。
図15は、図14の生産スケジュールに係る時空間ネットワークモデルを示す図である。
図15の縦軸は時間経過を、横軸は工程を示す。生産スケジュールの場合、縦方向の実線矢印が各工程の進捗を示す。また、横方向の実線矢印は工程の切り替えを示す。また、斜め方向の実線矢印は、多工程の完了や他リソースが使用可能となるのを待機することを示す。例えば、初期状態で図15に示す生産スケジュールが計画されているとする。次に、各工程に要する所要時間の変化を指示する行列が与えられた場合、計画情報更新部151Aは、各工程の開始や完了を示す各点のそれぞれに係る枝の向きに矛盾しない順に順番を設定(図中の数字)し、この順番に沿って、各点の時刻情報の更新を行う。例えば、図15に示す例では、各点に係る枝の向きに矛盾せず、かつ、時刻情報が早い点により早い順番(小さい番号)が付されるように設定されている。例えば、工程101に要する時間が長くなる場合、計画情報更新部151Aは、図に示した「1」から「14」の順に時刻情報の更新を行う。工程101の所要時間が長くなる場合は、工程201〜204(2,3,4,7,8,10,11,13)には影響が無い。計画情報更新部151Aは、「5」の順番が付された点の時刻情報を工程101の開始時刻に工程101の所要時間を加算した値に更新する。同様に計画情報更新部151Aは、順次「6」、「9」、「12」、「14」の順番が付された点の時刻情報を更新する。例えば、「9」の点の時刻情報には、FS関係にある1つ前の工程101の終了時刻に工程102の処理時間を加えた値を設定する。
また、例えば、工程101の所要時間に加え、工程203の所要時間が変化した場合、計画情報更新部151Aは、工程103の開始時刻について、FS関係にある1つ前の工程102の終了時刻と、リソースが競合する工程203の終了時刻と、工程103の更新前の開始時刻のうち、最大時刻を設定する。なお、点「9」は注文1の目標点、点「10」は注文1の目標点、各実線矢印(縦方向、横方向、斜め方向)は、目標へ到達するための過程に対応する。
図14、図15で示したように生産スケジュールの更新についても、第一実施形態、第二実施形態と同様の処理で、各工程の所要時間の変動を反映した新たな生産スケジュールを作成することができる。また、各工程の所要時間の変動パターンの組み合わせを規定した所要時間行列(配送計画における移動時間行列に相当)と生産スケジュールをそれぞれ複数用意しておき、図6で説明したものと同様の処理を行うことで、各生産スケジュールのロバスト性の評価を行い、最もロバスト性の高い生産スケジュールを選択することができる。
従来から待ち合わせなどを含む配送計画や生産スケジュール等について、その途中の過程で遅延などが生じた場合の計画情報の作成については、多大な時間や労力を費やして手作業で行うことも多い。また、複雑な計画の場合は、間違いのない計画情報の作成が難しい場合もある。これに対し、本実施形態によれば、待ち合わせ等を含む複雑な計画情報についても、自動的に正しく、高速に、計画情報の更新およびロバスト性の評価を行うことができる。
(ハードウェア構成)
計画評価装置10、10Aは、例えば一般的なコンピュータ500を用いて実現することができる。図2にコンピュータ500の構成の一例を示す。
図16は、本発明に係る第一実施形態、第二実施形態における計画評価装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、RAM(Random Access Memory)502、ROM(Read Only Memory)503、ストレージ装置504、外部I/F(Interface)505、入力装置506、出力装置507、通信I/F508等を有する。これらの装置はバスBを介して相互に信号の送受信を行う。
CPU501は、ROM503やストレージ装置504等に格納されたプログラムやデータをRAM502上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500の各機能を実現する演算装置である。例えば、上記のロバスト性評価処理制御部15等は、CPU501がROM503等が記憶するプログラムを読み込んで実行することにより、コンピュータ500に備わる機能である。RAM502は、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM503は、電源を切ってもプログラムやデータを保持する不揮発性のメモリである。ストレージ装置504は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により実現され、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。外部I/F505は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体509等がある。コンピュータ500は、外部I/F505を介して、記録媒体509の読取り、書き込みを行うことができる。記録媒体509には、例えば、光学ディスク、磁気ディスク、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。
入力装置506は、例えば、マウス、及びキーボード等で構成され、操作者の指示を受けてコンピュータ500に各種操作等を入力する。出力装置507は、例えば、液晶ディスプレイにより実現され、CPU501による処理結果を表示する。通信I/F508は、有線通信又は無線通信により、コンピュータ500をインターネット等のネットワークに接続するインタフェースである。バスBは、上記各構成装置に接続され、制御装置間で各種制御信号等を送受信する。
なお、上述した計画評価装置10、10Aにおける各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムを配送計画システムのコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、計画評価装置10、10Aは、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態では、各過程が遅延する例で説明を行ったが、計画評価装置10、10Aを各過程に要する時間が短くなったときの計画情報の更新、ロバスト性の評価について適用してもよい。
また、上記の計画評価装置10、10Aから、評価値算出部152、評価部153の機能を削除し、様々な所要時間行列に対応する新たな計画情報を作成する計画情報更新システムとして利用してもよい。
10、10A・・・計画評価装置
11・・・計画情報取得部
12・・・所要時間変動情報取得部
13・・・出力部
14・・・記憶部
15・・・ロバスト性評価処理制御部
151、151A・・・計画情報更新部
152・・・評価値算出部
153・・・評価部

Claims (12)

  1. 所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する計画評価システムであって、
    前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する計画情報更新部と、
    前記第2の計画情報の評価値を算出する評価値算出部と、
    前記計画情報更新部が作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価する評価部と、
    を備える計画評価システム。
  2. 前記計画情報更新部は、
    前記第1の計画情報に含まれる全ての前記点について、その点に係る枝の向きに矛盾しない順に順番を設定し、
    前記第1の計画情報に含まれる少なくとも1つの枝について、その枝が示す前記過程の所要時間の変更を示す時間変更情報を取得し、
    前記枝の終点に設定された順番より大きい順番が設定された全ての点の時刻情報について、前記順番に沿って、前記時間変更情報に基づく更新を行うことにより、前記点の移動を実行する、
    請求項1に記載の計画評価システム。
  3. 前記計画情報更新部は、
    前記移動の対象となる点の各々について、その点に設定された順番よりも1つ前の順番が設定された前記点が示す更新後の時刻情報に、当該1つ前の順番が設定された点から前記移動の対象となる点への所要時間を加算して、前記移動の対象となる点の時刻情報を更新する、
    請求項1または請求項2に記載の計画評価システム。
  4. 前記計画情報更新部は、
    前記第1の計画情報に含まれる第1の前記点に複数の枝が流入するか、滞在を示す枝が流入する場合、当該第1の点の移動について、当該第1の点へ流入する枝の種類に応じて選択した枝の終点の時刻情報と、前記第1の点の時刻情報とを比較して、前記第1の点の移動が発生するかどうかを判定する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の計画評価システム。
  5. 前記計画情報更新部は、
    前記第1の点に1つ又は複数の滞在を示す枝が流入する場合、各滞在を示す枝の一つ前の枝の終点の時刻情報のうち最も大きい時刻情報を、前記第1の点の時刻情報との比較対象として選択する、
    請求項4に記載の計画評価システム。
  6. 前記計画情報更新部は、
    前記第1の点に複数の枝が流入する場合、流入する前記複数の枝の終点が示す時刻情報のうち最も大きい時刻情報を、前記第1の点の時刻情報との比較対象として選択する、
    請求項4または請求項5に記載の計画評価システム。
  7. 前記評価値算出部は、前記評価値として、前記第2の計画情報の実行に要する総時間または総コストを算出する、
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の計画評価システム。
  8. 前記評価部は、複数の前記第2の計画情報の評価値の標準偏差および平均値のうち少なくとも1つに基づいて、前記第2の計画情報の元となる第1の計画情報のロバスト性を評価する、
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の計画評価システム。
  9. 前記評価部は、複数の前記第1の計画情報が存在する場合、前記複数の第1の計画情報のうち基準となる第1の計画情報について作成された前記第2の計画情報の評価値と、他の前記第1の計画情報について作成された前記第2の計画情報の評価値とを比較し、前記基準となる第1の計画情報における評価値よりも良好である確率が高い他の前記第1の計画情報のロバスト性をより高く評価する、
    請求項1から請求項8の何れか1項に記載の計画評価システム。
  10. 所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する計画評価システムが、
    前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成するステップと、
    前記第2の計画情報の評価値を算出するステップと、
    前記作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価するステップと、
    を有する計画評価方法。
  11. 所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を作成する計画情報更新システムが、
    前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する計画情報更新ステップ、
    を有し、
    前記計画情報更新ステップでは、
    前記第1の計画情報に含まれる全ての前記点について、その点に係る枝の向きに矛盾しない順に順番を設定ステップと、
    前記第1の計画情報に含まれる少なくとも1つの枝について、その枝が示す前記過程の所要時間の変更を示す時間変更情報を取得するステップと、
    前記枝の終点に設定された順番より大きい順番が設定された全ての点の時刻情報について、前記順番に沿って、前記時間変更情報に基づく更新を行うことにより、前記点の移動を実行するステップと、
    を行う計画更新方法。
  12. 所定の目標へ複数の過程を経て到達するときに、前記目標へ到達するための計画情報を評価する評価システムが備えるコンピュータを、
    前記目標を示す位置とその目標への到達時刻とを座標情報に持つ目標点と、前記複数の過程のそれぞれについて設定された各過程の開始を示す位置と開始時刻を座標情報に持つ始点と、終了を示す位置と終了時刻を座標情報に持つ終点と、前記始点と前記終点を結んでできる当該始点と当該終点に係る前記過程を示す枝と、を含み、前記複数の過程を示す枝を結んでできる最初の前記過程を示す枝の始点から前記目標点へ至る前記枝の集合を前記目標への計画情報とし、前記目標点および前記始点および前記終点のそれぞれを点と呼ぶ場合に、評価対象となる所定の第1の前記計画情報に含まれる少なくとも1つの前記点について、当該1つの点に係る前記過程の所要時間の変化に応じて、当該1つの点の移動を実行し、第2の前記計画情報を作成する手段、
    前記第2の計画情報の評価値を算出する手段、
    前記作成した複数の前記第2の計画情報に対する評価値に基づいて、前記第1の計画情報のロバスト性を評価する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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