以下、本発明に係る一の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aより成る」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。
<本発明に係る一実施の形態である生産計画立案装置の構成例>
図1は、本発明に係る一実施の形態である生産計画立案装置の構成例を示している。
この生産計画立案装置10は、入出力部100、記憶部200、及び演算部300を有する。入出力部100は、生産計画を立案する上で必要な入力情報210を受け付けて記憶部200に記憶させる。また、入出力部100は、記憶部200に記憶されている出力情報220に基づく出力画面600等をディスプレイ(不図示)に表示する。
記憶部200は、入出力部100から入力される入力情報210を記憶する。また、記憶部200は、演算部300にて生成される出力情報220を記憶する。さらに、記憶部200は、入力情報210及び出力情報220を適宜、演算部300に供給する。
入力情報210には、受注情報211、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216が含まれる。なお、入力情報210のうち、受注情報211以外の製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216は、予め記憶部200に記憶されている。製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216は、その内容をユーザが適宜編集できるようにしてもよい。
以下、受注情報211、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216について説明する。
図2は、受注情報211の一例を示している。受注情報211は、顧客から注文された製品の種類、台数、納期を管理するための情報であり、受注番号フィールド2111、製作番号フィールド2112、製品コードフィールド2113、製作台数フィールド2114、及び納期フィールド2115を有する。
受注番号フィールド2111には受注番号が格納されている。製作番号フィールド2112には製作番号が格納されている。製品コードフィールド2113には、製品の識別子である製品コードが格納されている。製作台数フィールド2114には製作台数が格納されている。納期フィールド2115には納期が格納されている。
図2では、例えば、受注番号「100」の注文は、製品コードP10の製品を1台製作し、納期が9/11であることを示している。また、例えば受注番号が「200」の注文は、製品コードP20,P21の製品をそれぞれ2台ずつ製作し、納期が9/13であることを示している。なお、製作番号は、同一受注番号の製品における同一型式製品を管理するためのコードであり、例えば受注番号が「200」の注文は、異なる型式の製品が製作されるので、それぞれに異なる製作番号S200,S201が付与されている。
次に、図3は、製品サイズ情報212の一例を示している。製品サイズ情報212は、工場等の作業エリアで生産する製品のサイズ等の仕様を管理するための情報であり、本発明の対象物サイズ情報に相当する。製品サイズ情報212は、製品コードフィールド2121、製品名フィールド2122、Xフィールド2123、及びYフィールド2124を有する。
製品コードフィールド2121には製品コードが格納されている。製品名フィールド2122には製品名が格納されている。Xフィールド2123には製品コードが表す製品を作業エリアに配置したときのX方向の長さがm(メートル)単位で格納されている。Yフィールド2123には製品コードが表す製品を作業エリアに配置したときのY方向の長さがm単位で格納されている。
なお、本明細書においては、X方向(本発明の第1の方向に相当する)を横方向、Y方向(本発明の第2の方向に方向に相当する)を縦方向と定義する。ただし、X方向を縦方向、Y方向を横方向と定義してもよい。
図3では、例えば製品コードP10の製品(以下、製品P10とも称する。他の製品も同様とする)は、製品名が製品Aであり、作業エリアに配置したときのX方向の長さが2m、Y方向の長さが2mであることを示している。また例えば製品P21は、製品名が製品B2であり、作業エリアに配置したときのX方向の長さが2m、Y方向の長さが1mであることを示している。
次に、図4は、設備サイズ情報213の一例を示している。設備サイズ情報213も、本発明の対象物サイズ情報に相当する。設備サイズ情報213は、製品の製造工程や試験工程において必要となる設備のサイズ等の仕様を管理するための情報であり、設備コードフィールド2131、設備名フィールド2132、Xフィールド2133、及びYフィールド2134を有する。
設備コードフィールド2131には設備コードが格納されている。設備名フィールド2132には設備名が格納されている。Xフィールド2133には設備コードが表す設備を作業エリアに配置したときのX方向の長さがメートル単位で格納されている。Yフィールド2134には設備コードが表す設備を作業エリアに配置したときのY方向の長さがメートル単位で格納されている。
図4では、例えば設備コードM10の設備(以下、設備M10とも称する。他の設備についても同様とする)は、設備名が設備aであり、作業エリアに配置したときのX方向の長さが1m、Y方向の長さが2mであることを示している。また例えば設備M20は、設備名が設備bであり、作業エリアに配置したときのX方向の長さが2m、Y方向の長さが4mであることを示している。
次に、図5は、工程情報214の一例を示している。工程情報214は、各製品の生産に関わる工程とその順序を管理するための情報である。工程情報214は、製品コードフィールド2141、工程順序フィールド2142、工程名フィールド2143、リードタイムフィールド2144、設備コードフィールド2145、作業エリアコードフィールド2146、及び作業グループフィールド2147を有する。
製品コードフィールド2141には製品コードが格納されている。工程順序フィールド2142には、製品コードが表す製品を製作する際の複数工程の順序が格納されている。工程名フィールド2143には、各工程の工程名が格納されている。リードタイムフィールド2144には、各工程に要する日数が格納されている。設備コードフィールド2145には、各工程で用いる設備を表す設備コードが格納されている。作業エリアコードフィールド2146には、各工程を実施する作業エリアが限られる場合にその作業エリアを表す作業エリアコードが格納されている。作業グループフィールド2147には、各工程の作業グループが格納されている。ここで、作業グループとは、各工程を製作番号が共通なグループでまとめて行うか、受注番号が共通なグループでまとめて行うかを表すための情報である。
図5では、例えば製品P10の製作では、設計工程、製造工程、及び試験工程が順に行われ、それぞれの工程のリードタイムは、設計工程が3日間、製造工程が2日間、試験工程が3日間であることを示している。また、試験工程には、設備M10が必要であり、作業エリアコードE01が示す作業エリア(以下、作業エリアE01とも称する。他の作業エリアについても同様とする)にて実施されることを示している。さらに、製品P10の試験工程は、製作番号が共通なグループでまとめて行われることを示している。
また、例えば製品P20の製作では、設計工程、製造工程、及び試験工程が順に行われ、それぞれの工程のリードタイムは、設計工程が4日間、製造工程が3日間、試験工程が5日間であることを示している。また、試験工程には、設備M20が必要であり、作業エリアE01にて実施されることを示している。さらに、製品P20の試験工程は、受注番号が共通なグループでまとめて行われることを示している。すなわち、製品P20の試験工程は、受注番号が共通な製品P21(図2参照)の試験工程とまとめて行われることを示している。
次に、図6は、作業エリア情報215の一例を示している。作業エリア情報215は、工場等に存在する作業エリアの広さに関わる情報を管理するための情報である。作業エリア情報215は、作業エリアコードフィールド2151、作業エリア名フィールド2152、Xフィールド2153、及びYフィールド2154を有する。
作業エリアコードフィールド2151には作業エリアコードが格納されている。作業エリア名フィールド2152には作業エリア名が格納されている。Xフィールド2153には、作業エリアコードが表す作業エリアのX方向の長さがm(メートル)単位で格納されている。Yフィールド215には、作業エリアコードが表す作業エリアのY方向の長さがm単位で格納されている。
図6では、例えば作業エリアE01の作業エリア名は試験場1であり、その広さはX方向が15m、Y方向が10mであることを示している。また例えば作業エリアE02の作業エリア名は試験場2であり、その広さはX方向が10m、Y方向が10mであることを示している。
次に、図7は、スペース制約情報216の一例を示している。スペース制約情報216は、各工程で作業に必要となる作業スペースの情報を管理するための情報である。スペース制約情報216は、製品設備コードフィールド2161、スペース方向フィールド2162、幅フィールド2163、重複可否情報フィールド2164、連結単位フィールド2165、連結方向フィールド2166、及び変更可否情報フィールド2167を有する。
製品設備コードフィールド2161には、製品コード又は設備コードが格納されている。スペース方向フィールド2162及び幅フィールド2163には、製品設備コードフィールド2161に格納されている製品コード又は設備コードが表す製品又は設備に対して必要となる作業スペースの方向とその幅が格納されている。
重複可否情報フィールド2164には、該製品又は設備の、スペース方向フィールド2162及び幅フィールド2163に格納されている情報が表す作業スペースが、他の製品又は設備の作業スペースと重複可能であるか否かを表す重複可否情報が格納されている。
連結単位フィールド2165には、該製品又は設備を、他の製品又は設備との間に作業スペースを設けずに連結できる場合の単位として、製作番号又は受注番号が格納されている。なお、該製品又は設備を他の製品又は設備に連結できない場合には、「−」が格納されている。
連結方向フィールド2166には、該製品又は設備を、他の製品又は設備との間に作業スペースを設けて配置したり、作業スペースを設けずに連結したりする場合の連結方向(配置方向とも称し得る)が格納されている。
変更可否情報フィールド2167には、作業エリアの面積不足や作業エリアを空間的に効率よく利用するため、該製品又は設備を、他の製品又は設備に対して、連結方向フィールド2166が表す配置方向に配置せずに、該製品又は設備を、他の製品又は設備に対して、連結方向フィールド2166が表す配置方向と直交する方向に配置してもよいか否かを表す変更可否情報が格納されている。
図7では、例えば、製品P10については、作業エリアに配置する際に、その四方(−X方向、+X方向、−Y方向、及び+Y方向)にそれぞれ1m幅の作業スペースを確保する必要があることを示している。また、該製品の−Y方向と+Y方向の作業スペースは重複可否情報が「可」となっているので、該製品を、他の製品や設備のY方向に配置する際に作業スペースを重複できることを示している。一方、該製品の−X方向と+X方向の作業スペースは重複可否情報が「否」となっているので、該製品を、他の製品や設備のX方向に配置する際に作業スペースが重複できないことを示している。
また、該製品の連結単位が製作番号であって連結方向がYとなっているので、該製品は製作番号が共通する他の製品のY方向に配置できることを示している。さらに、変更可否情報が「否」となっているので、該製品を製作番号が共通する他の製品のY方向に配置できない場合等に、連結方向を変更することができないこと、すなわち、該製品を製作番号が共通する他の製品のX方向に配置できないことを示している。
また例えば、設備M10については、作業エリアに配置する際に、その−X方向に1m幅の作業スペースを確保する必要があることを示している。また、重複可否情報が「可」となっているので、該設備を、他の製品や設備の+X方向に配置する際に該作業スペースが重複可能であることを示している。
また、該設備の連結単位は「−」であって連結方向がXとなっているので、該設備は他の製品や設備と連結できず、該設備は他の製品や設備のX方向に配置できることを示している。さらに、変更可否情報が「可」となっているので、該設備を他の製品や設備のX方向に配置できない場合等に、連結方向を変更することができること、すなわち、該製品を他の製品や設備のY方向に配置できることを示している。
図1に戻る。演算部300で生成されて記憶部200に記憶される出力情報220には、生産計画情報221、配置情報222、及び占有エリア推移情報223が含まれる。
以下、生産計画情報221、配置情報222、及び占有エリア推移情報223について説明する。
図8は、生産計画情報221の一例を示している。生産計画情報221は、顧客からの注文に対する製品の各工程の開始日と終了日を管理するための情報である。生産計画情報221は、受注番号フィールド2211、製作番号フィールド2212、製品名フィールド2213、工程名フィールド2214、開始日フィールド2215、及び終了日フィールド2216を有する。
受注番号フィールド2211には受注番号が格納される。製作番号フィールド2212には製作番号が格納される。製品名フィールド2213には製品名が格納される。工程名フィールド2214には、工程名として、設計、製造、試験、又は納品のいずれかが格納される。開始日フィールド2215及び終了日フィールド2216には工程の開始日と終了日が格納される。
図8では、例えば受注番号「100」の注文では、製作番号S100が付与された製品Aが発注され、その設計工程は9/1から9/3までの3日間、その製造工程は9/4から9/5までの2日間、その試験工程は9/6から9/10までの5日間、その納品日は9/11の1日間であることを示している。
また、例えば受注番号「200」の注文では、製作番号S200が付与された製品B1と製作番号S201が付与された製品B2とが発注され、それぞれの設計工程は9/1から9/4までの4日間、その製造工程は9/5から9/7までの3日間、その試験工程は9/8から9/12までの5日間、その納品日は9/13の1日間であることを示している。
次に、図9は、配置情報222の一例を示している。配置情報222は、各作業エリアにおける製品や設備の配置場所、期間の情報を管理するための情報である。配置情報222は、配置IDフィールド2221、受注番号フィールド2222、作業エリアコードフィールド2223、配置フラグフィールド2224、製品設備コードフィールド2225、始点Xフィールド2226、始点Yフィールド2227、終点Xフィールド2228、終点Yフィールド2229、開始日フィールド22210、及び終了日フィールド22211を有する。
配置IDフィールド2221には、製品又は設備が配置されたり、作業スペースが設けられたりすることによって占有されるエリアに対して付与される識別子である配置IDが格納される。受注番号フィールド2222には受注番号が格納される。作業エリアコードフィールド2223には、占有エリアが設けられる作業エリアを表す作業エリアコードが格納される。
配置フラグフィールド2224には、該エリアに何が設けられるのかを表す配置フラグとして1〜4のいずれかが格納される。配置フラグ「2」は該エリアに製品が配置されることを表す。配置フラグ「3」は該エリアに設備が配置されることを表す。配置フラグ「4」は該エリアに他の製品との重複が許されない作業スペースが設けられることを表す。配置フラグ「1」は該エリアが、同一の受注番号に対応する製品及び設備が配置される領域と、作業スペースが設けられるエリアを含めた全体の占有エリアであることを表す。
製品設備コードフィールド2225には、該エリアに製品又は設備が配置される場合に製品コード又は設備コードが格納される。始点Xフィールド2226及び始点Yフィールド2227には、矩形の該エリアの始点(例えば、左上の頂点)の作業エリアにおける座標が格納される。終点Xフィールド2228及び終点Yフィールド2229には、矩形の該エリアの終点(例えば、右下の頂点)の作業エリアにおける座標が格納される。開始日フィールド22210及び終了日フィールド22211には、該占有エリアが利用される期間が格納される。具体的には、製品設備コードフィールド2225に格納された製品コード又は設備コードが表す製品又は設備の試験工程の開始日と終了日が格納される。
図9では、例えば、配置ID「L1001」が示す占有エリアは、受注番号「100」の製品に関する作業のため、作業エリアE10に、左上座標(0,0)、右下座標(5,4)によって表される矩形領域として、9/6から9/10まで設けられることを示している。
また、例えば、配置ID「L2001」が示す占有エリアは、受注番号「200」の製品に関する作業のため、作業エリアE10に、左上座標(5,0)、右下座標(11,9)によって表される矩形領域として、9/8から9/12まで設けられることを示している。
次に、図10は、占有エリア推移情報223の一例を示している。占有エリア推移情報223は、各作業エリアに設けられる占有エリアの面積推移を日単位で管理するための情報である。占有エリア推移情報223は、作業エリアコードフィールド2231、日付フィールド2232、及び占有エリア面積フィールド2233を有する。
作業エリアコードフィールド2231には、作業エリアを表す作業エリアコードが格納される。日付フィールド2232には、日付が格納される。占有エリア面積フィールド2233には、該作業エリアの該日付における占有エリアが占める面積がm2(平方メートル)単位で格納される。
図10では、例えば、作業エリアE10の9/6における占有エリアが占める面積が20m2であることを示している。また例えば、作業エリアE10の9/8における占有エリアが占める面積が74m2であることを示している。
図1に戻る。演算部300は、受注情報211に応じ、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216を参照して生産計画立案処理を実行することにより、出力情報220としての生産計画情報221、配置情報222、及び占有エリア推移情報223を生成するものである。
演算部300は、メモリ部310及び演算処理部320を有する。メモリ部310は、演算処理部320における演算処理のワークエリアとして利用される。例えば、メモリ部310は、記憶部200から読み出した入力情報210を一時的に保持したり、生産計画立案処理の過程で生成、更新される占有エリア情報410、生産計画情報221、配置情報222、及び占有エリア推移情報223を保持したりする。
演算処理部320は、データ取得部321、工程日程割付部322、占有エリア算出部323、重複エリア判定部324、配置割付部325、及び表示制御部326を有する。
データ取得部321は、記憶部200に記憶されている受注情報211のうち、ユーザが選択した受注案件の生産計画立案に必要となる情報を取得してメモリ部310に格納する。
工程日程割付部322は、受注情報211における各案件の製品型式や納期、工程情報214における当該製品の各工程のリードタイムに基づいて、各工程の開始日、終了日を設定して、生産計画情報221を生成して記憶部200に記憶させる。
占有エリア算出部323は、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、及びスペース制約情報216に基づいて、該受注案件の製品とそれに対応する設備の占有エリアを算出して、占有エリア情報410を生成する。
重複エリア判定部324は、スペース制約情報216に基づき、製品や設備の占有エリアを作業エリアに配置する際に重複可能となる作業スペースを判定し、判定結果に応じて占有エリアを統合して占有エリア情報410を更新する。
配置割付部325は、生産計画情報221、作業エリア情報215、及び占有エリア情報410に基づき、作業エリアに対し、受注案件に対応する占有エリアを割り付けて、配置情報222を生成して記憶部200に記憶させる。また、配置割付部325は、生成した配置情報222に基づき、占有エリア推移情報223を生成して記憶部200に記憶させる。
表示制御部326は、本発明の出力部に相当する。表示制御部326は、記憶部200に記憶された受注情報211に基づき、入力画面500(図11)を生成して入出力部100のディスプレイに表示させる。また、表示制御部326は、記憶部200に記憶された生産計画情報221、配置情報222、及び占有エリア推移情報223に基づき、ユーザに対して提示する出力画面600(図27)、配置図画面700(図28)を生成して入出力部100のディスプレイに表示させる。
<生産計画立案装置による生産計画立案処理>
次に、生産計画立案装置10による生産計画立案処理の一例について説明する。
図11は、生産計画立案処理の開始を指示することができる入力画面500の一例を示している。この入力画面500は、ユーザからの所定の操作に応じて入出力部100のディスプレイに表示される。
入力画面500には、受注案件の検索条件を入力するための検索条件入力欄510と、検索された受注案件が表示される検索結果表示欄520とが設けられている。
検索条件入力欄510は、納期入力欄511、製品名入力欄512、及び検索ボタン513を有する。
納期入力欄511には、受注案件の検索条件として納期を入力できる。製品名入力欄512には、受注案件の検索条件として製品名を入力できる。検索ボタン513は、納期入力欄511と製品名入力欄512の少なくとも一方に入力された検索条件に合致する受注案件の検索を開始させることができる。検索結果表示欄520には検索結果が表示される。
検索結果表示欄520に表示される検索結果の各受注案件には、選択欄521が設けられている。選択欄521にチェックを入力することにより、生産計画立案処理の対象とする受注案件を選択することができる。また、検索結果表示欄520には実行ボタン522が設けられている。ユーザは、選択欄521を用いて少なくとも一つの受注案件を選択し、実行ボタン522を押下することにより、選択した受注案件を対象とした生産計画立案処理を開始させることができる。
図12は、生産計画立案装置10による生産計画立案処理の一例を説明するフローチャートである。
この生産計画立案処理は、例えば、顧客より新たな製品を受注した場合や、立案済みの生産計画の見直しが必要となった場合において、ユーザが入力画面500にて実行ボタン522を押下したときに開始される。
以下、図11に示されたように、入力画面500の検索結果表示欄520にて、受注番号「100」,「200」,「300」の受注案件が生産計画立案処理の対象に選択された場合を例にして説明する。
はじめに、データ取得部321が、記憶部200の入力情報210から、生産計画立案処理の対象とされた受注案件に関連する情報、すなわち、受注情報211、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、作業エリア情報215、及びスペース制約情報216を取得してメモリ部310に格納する(ステップS1)。
次に、工程日程割付部322が、受注情報211(図2)における各受注案件の製作番号、製品コード、製作台数、及び納期、並びに、工程情報214(図5)における当該製品の各工程のリードタイムに基づいて、各工程の開始日、終了日を設定する(ステップS2)。
なお、ステップS2の処理では、生産計画立案処理の対象とされた受注案件が複数ある場合、納期が遠い案件(納期により余裕がある案件)から順に、設計工程、製造工程、及び試験工程を後詰めで工程日程を設定する。
いまの場合、受注情報211を確認し、受注番号「100」、受注番号「200」、及び受注番号「300」のうち、受注番号「300」の納期が9/14であって最も遠いことを確認する。そして、受注番号「300」の工程日程を設定するため、受注番号「300」に応じて製作する3台の製品P30に関する工程の情報を工程情報214(図5)から取得する。
具体的には、工程情報214から、製品P30については、3日間の設計工程、3日間の製造工程、5日間の試験工程の順で実施することが取得される。そして、納品工程を除く最終工程である5日間の試験工程を、納品日9/14の前日の9/13から確保する。すなわち、9/9から9/13の5日間を試験工程に割り付ける。このように、各工程の日程を割り付けた後、工程日程割付部322が、割り付けた試験工程の日程に基づいて、生産計画情報221を生成する。
次に、占有エリア算出部323が、上述したよう工程日程が割り付けられた受注案件(いまの場合、受注番号「300」の案件)に対し、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、及びスペース制約情報216に基づいて、当該受注番号の製品の工程に占有エリアを見積もり、その見積結果である占有エリア情報410を生成する占有エリア見積処理を実行する(ステップS3)。
ステップS3の占有エリア見積処理について、図13のフローチャートを参照して詳述する。
まず、占有エリア算出部323が、工程情報214(図4)を参照し、ステップS2で工程日程が割り付けられた受注案件の製品の製作に対し、必要となる設備や作業エリアを特定する(ステップS11)。
いまの場合、工程情報214から、受注番号「300」の3台の製品P30の試験工程では、作業エリアE01にて、設備M30が必要であることが特定される。
次に、占有エリア算出部323が、該受注番号に対応する全ての製品と設備のうちの1台に着目し、製品サイズ情報212又は設備サイズ情報213に基づいて、そのサイズを特定する。また、占有エリア算出部323が、スペース制約情報216に基づいて、着目した製品又は設備に対して確保すべき作業スペースを特定する(ステップS12)。
いまの場合、受注番号に対応する3台の製品P30と1台の設備M30のうち、1台目の製品P30に着目し、製品サイズ情報212(図3)から、製品P30のサイズ(2×2)が特定される。また、スペース制約情報216(図7)から、製品P30の作業スペースとして、その四方に1m幅を設ける必要があり、−X方向(図面の左横方向)の作業スペースだけが重複不可であることが特定される。
次に、占有エリア算出部323が、ステップS12で着目した製品又は設備に対して、製品又は設備のサイズと作業スペースとを包含する最小の矩形を占有エリアとして算出し、占有エリア情報410を生成する(ステップS13)。
ステップS13における占有エリアの算出方法について、図14を参照して具体的に説明する。
同図の(A)は、製品P30(図面には、その製作番号S300と、製品名の製品cを記している)のサイズを示している。同図の(B)は、製品P30に対して確保すべき作業スペースの方向、幅、重複の可否を示している。
同図の(C)は、製品P30に対して算出される占有エリアを示している。すなわち、製品P30に対しては、その占有エリアとして、製品P30のサイズ(2×2)と、その四方の1m幅の作業スペースとを包含する最小の矩形(いまの場合、4×4)が算出される。そして、同図の(C)に示された占有エリアに対応する占有エリア情報410が生成される。
図15は、図14の(C)に示された、製品P30に対して算出された占有エリアに対応する占有エリア情報410を示している。
占有エリア情報410は、製品又は設備の占有エリアを最終的に決定するまで随時更新される情報であり、配置IDフィールド4101、配置フラグフィールド4102、製品設備コードフィールド4103、始点Xフィールド4104、始点Yフィールド4105、終点Xフィールド4106、及び終点Yフィールド4107を有する。
配置IDフィールド4101には、占有エリアにおいて製品又は設備が占めるエリア、作業スペースが設けられるエリア、または、占有エリアの全体に対して付与される配置IDが格納される。配置フラグフィールド4102には、該エリアに何が設けられるのかを表す配置フラグとして1〜4のいずれかが格納される。配置フラグ「2」は該エリアを製品が占めることを表す。配置フラグ「3」は該エリアを設備が占めることを表す。配置フラグ「4」は該エリアに他の製品との重複が許されない作業スペースが設けられることを表す。配置フラグ「1」は該エリアが、占有エリアの全体であることを表す。
製品設備コードフィールド4103には、該エリアに製品又は設備が配置される場合に製品コード又は設備コードが格納される。ただし、連結された製品が配置される場合には、対応する製作番号が格納される。始点Xフィールド4104及び始点Yフィールド4105には、矩形の該占有エリアの始点(例えば、左上の頂点)の相対座標が格納される。終点Xフィールド4106及び終点Yフィールド4107には、矩形の該占有エリアの終点(例えば、右下の頂点)の相対座標が格納される。
図15の占有エリア情報410では、製品P30の占有エリア全体に対して配置ID「L3001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(4,4)が格納される。また、製品P30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4103には、製品コードP30が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,3)が格納される。さらに、重複不可の作業スペースに対して配置ID「L3004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,3)が格納される。
図13に戻る。上述したように製品又は設備の占有エリアが算出された後、次に、重複エリア判定部324が、ステップS13で算出された製品又は設備の占有エリアにおける作業エリアと、他の製品や設備に対して既に算出されている占有エリアにおける作業エリアとが重複可能であるか否かを判定し、その判定結果に応じて占有エリアを統合して占有エリア情報410を更新する(ステップS14)。
いまの場合、1台目の製品P30の占有エリアが算出された状態であり、他の製品や設備に対して占有エリアは算出されていないので、ステップS14はスキップされる。
次に、占有エリア算出部323が、該受注番号に対応する全ての製品と設備それぞれに対する占有エリアの算出を完了したか否かを判定する(ステップS15)。ここで、該受注番号に対応する全ての製品と設備それぞれに対する占有エリアの算出を完了していないと判定した場合(ステップS15でNO)、処理をステップS12に戻し、該受注番号に対応する全ての製品と設備のうち、まだ着目していないものに着目して、それ以降の処理を継続する。
いまの場合、該受注番号に対応する3台の製品P30と1台の設備M30のうち、2台の製品P30と1台の設備M30にはまだ着目していないので、2台目の製品P30に着目し、1台目の製品P30に対する占有エリアの算出と同様に、2台目の製品P30に対して占有エリアを算出する。
2台目の製品P30に対して占有エリアが算出された後、再び、重複エリア判定部324が、2台目の製品P30の占有エリアにおける作業エリアと、1台目の製品P30の占有エリアにおける作業エリアとの連結方向、連結可否、重複可否かを判定し、それらの判定結果に応じて1台目と2台目の製品P30の占有エリアを統合して、占有エリア情報410を更新する(2回目のステップS14)。
2回目のステップS14の処理について、図16を参照して具体的に説明する。
まず、重複エリア判定部324が、スペース制約情報216(図7)から、製品P30についての重複が可能な作業スペースの方向(+X方向、−Y方向、+Y方向)と、連結単位「製作番号」と、連結方向「Y方向」とを取得する。そして、図16の(A)に示されるように、1台目の製品P30の占有エリアと2台目の製品P30の占有エリアとを連結方向「Y方向」に並べて配置する。次に、製品P30の−Y方向と+Y方向の作業スペースが重複可能であることから、1台目の製品P30と2台目の製品P30の間の2m幅の作業スペースを1m幅に短縮して、1台目の製品P30と2台目の製品P30に作業スペースを共有させる(不図示)。
さらに、1台目の製品P30と2台目の製品P30が共通の製造番号S300であることから、図16の(B)に示されるように、1台目の製品P30と2台目の製品P30との間の共有の作業スペースを削除して1台目の製品P30と2台目の製品P30とを連結し、2台の製品P30それぞれの占有エリアを統合する。そして、これに対応して占有エリア情報410も更新する。
図17は、図16の(B)に示された、2台の製品P30に対する占有エリアに対応するように更新された占有エリア情報410を示している。なお、図17にて、更新された値を、太字の斜体で記している。
図17の占有エリア情報410では、連結された2台の製品P30の占有エリア全体に対して配置ID「L3001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(4,6)が格納される。また、連結された2台の製品P30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された2台の製品P30に共通する製作番号S300が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,5)が格納される。さらに、重複不可の作業スペースに対して配置ID「L3004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,5)が格納される。
図13に戻る。この後、処理は再びステップS15からステップS12に戻されて、3台目の製品P30が着目され、3台目の製品P30に対して占有エリアが算出され、3台目の製品P30の占有エリアと、2台(1台目と2台目)の製品P30の占有エリアとが統合されて、占有エリア情報410が更新される。なお、3台目の製品P30についての処理は、上述した2台目の製品P30についての処理と同様なので、その説明を省略する。
この後、処理は再びステップS15からステップS12に戻されて、1台の設備M30が着目され、設備M30に対する占有エリアが算出される。具体的には、設備サイズ情報213(図4)から、設備M30のサイズ(1×3)が特定される。また、スペース制約情報216(図7)から、設備M30の作業スペースとして、その−X方向に1m幅を設ける必要があり、その作業スペースが重複可能であることが特定される。この場合、設備M30の占有エリアは、、設備M30のサイズ(1×3)と作業スペースとを包含する最小の矩形(2×3)が占有エリアとして算出される。
そして、設備M30の占有エリアが算出された後、重複エリア判定部324が、設備M30の占有エリアにおける作業エリアと、3台の製品P30の占有エリアにおける作業エリアとの連結方向、連結可否、重複可否を判定し、それらの判定結果に応じ、設備M30の占有エリアと2台の製品P30の占有エリアとを統合して、占有エリア情報410を更新する(4回目のステップS14)。
4回目のステップS14の処理について、図18を参照して具体的に説明する。
まず、重複エリア判定部324が、スペース制約情報216(図7)から、設備M30についての重複が可能な作業スペースの方向(−X方向)と、連結単位「−」と、連結方向「X方向」とを取得する。そして、連結された3台の製品P30の占有エリアと設備M30の占有エリアとを連結方向「X方向」に並べて配置する(不図示)。次に、製品P30の+X方向の作業スペースと設備M30の−X方向の作業スペースが重複可能であることから、図18に示されるように、製品P30と設備M30の間の2m幅の作業スペースを1m幅に短縮する。なお、設備M30の連結単位が「−」であることから、設備M30と製品P30との連結は行われない。また、図18の例では、連結された3台の製品P30が配置される始点のY座標と、設備M30が配置される始点のY座標とを揃えているが、両者の中央を揃えたり、終点のY座標を揃えたりするようにしてもよい。また、Y座標を揃えなくてもよい。
そして、重複エリア判定部324が、図18に示された状態に対応して占有エリア情報410を更新する。
図19は、図18に示された、連結された3台の製品P30に対する占有エリアと設備M30に対する占有エリアとに対応するように更新された占有エリア情報410を示している。
図19の占有エリア情報410では、連結された3台の製品P30の占有エリアに対して配置ID「L3001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(4,8)が格納される。また、設備M30の占有エリアを表す矩形のエリアに対して配置ID「L30011」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(3,1)と(5,4)が格納される。また、連結された3台の製品P30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された3台の製品P30に共通する製作番号S300が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,7)が格納される。また、設備M30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3003」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「3」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、設備コードM30が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(4,1)と(5,4)が格納される。さらに、重複不可の作業スペースに対して配置ID「L3004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,7)が格納される。
上述したように、該受注番号に対応する全ての製品と設備に対して占有エリアが算出されると、ステップS15にて、該受注番号に対応する全ての製品と設備それぞれに対する占有エリアの算出を完了したと判定されて(ステップS15でYES)、処理は図13のステップS16に進められる。
ステップS16では、重複エリア判定部324が、現段階の占有エリア情報410から配置フラグが「1」のエリアを含む最小の矩形を受注番号に対応する占有エリアとし、該エリアのうちの利用不可エリアを特定して改めて占有エリア情報410を更新する。ここで、利用不可エリアとは、統合された占有エリアを実際に作業エリアに配置した場合、他の製品や設備を配置できないエリアを指す。
例えば、図18の場合、3台の製品P30の占有エリア(相対座標(0,0)を頂点とする4×8のエリア)と、設備M30の占有エリア(相対座標(4,1)を頂点とする1×3のエリア)とを包含する最小の矩形(相対座標(0,0)を頂点とする5×8のエリア)が受注番号に対応する占有エリアとされる。また、設備M30の−Y方向のエリア(相対座標(4,0)を頂点とする1×1のエリア)と+Y方向のエリア(相対座標(4,4)を頂点とする1×4のエリア)が利用不可エリアに特定されて、メモリ部410に記憶される。
図20は、ステップS16で更新された、受注番号「300」に対応する占有エリアに対応する占有エリア情報410を示している。
図20の占有エリア情報410では、受注番号「300」に対応する占有エリア全体に対して配置ID「L3001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(5,8)が格納される。また、連結された3台の製品P30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された3台の製品P30に共通する製作番号S300が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,7)が格納される。また、設備M30が占める矩形のエリアに対して配置ID「L3003」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「3」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、設備コードM30が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(4,1)と(5,4)が格納される。さらに、重複不可の作業スペースに対して配置ID「L3004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,7)が格納される。なお、図19の占有エリア情報410に存在していた配置ID「L30011」のレコードは消去される。
以上のようにして、占有エリア見積処理が行われた後、処理は生産計画立案処理(図12)のステップS4に進められる。
図12に戻る。次に、配置割付部325が、ステップS3で見積もった受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置する配置処理を行う(ステップS4)。
ステップS4の配置処理について、図21を参照して詳述する。図21は、ステップS4の配置処理を詳述するフローチャートである。
まず、配置割付部325が、工程情報214を参照して、該受注番号の占有エリアを配置する作業エリアを特定する。また、該作業エリアの割り付けの状況を取得するため、作業エリア情報215と、作成済みの配置情報222を取得する(ステップS21)。
具体的には、工程情報214(図5)から、受注番号「300」の製品P30の試験工程が作業エリアE01であることが特定される。また、作業エリア情報215(図6)から作業エリアE01のサイズが15×10であることが特定される。配置情報222については、いまの場合、まだ作成されていないので取得できない。配置情報222が取得できないことにより、作業エリアE01が空いていることが特定される。
次に、配置割付部325が、占有エリア情報410を参照し、特定した作業エリアの所定のエリアに対して該受注番号の占有エリアの配置を行い(ステップS22)、その可否を判定する(ステップS23)。ここで、特定した作業エリアに対して該受注番号の占有エリアの配置が可能と判定された場合(ステップS23でYES)、配置情報222が生成される(ステップS24)。この後、処理は生産計画立案処理のステップS5に進められる。
いまの場合、占有エリア情報410から、受注番号「300」の占有エリアのサイズが5×8であることが分かり、該占有エリアのサイズが作業エリアE01のサイズよりも小さいので、受注番号「300」の占有エリアを割り付けることができる。例えば、作業エリアE01の座標(0,0)と座標(5,8)を頂点とするエリアに占有エリアを割り付けて、図22に示される配置情報222が生成される。
この配置情報222の生成には、該受注番号の占有エリア見積処理で生成された占有エリア情報410が流用される。
例えば、図22の配置情報222は、図20に示された占有エリア情報410が流用され、該占有エリア情報410に対し、受注番号フィールド2222と、作業エリアコードフィールド2223と、開始日フィールド22210、及び終了日フィールド22211が追加される。そして、受注番号フィールド2222に受注番号「300」が格納され、作業エリアコードフィールド2223に作業エリアコードE10が格納され、開始日フィールド22210に9/9が格納され、終了日フィールド22211に9/13が格納される。
なお、ステップS23において、特定した作業エリアに対して該受注番号の占有エリアの配置が不可能であると判定された場合(ステップS23でNO)、配置割付部325が、配置先候補(該作業エリアのうち、占有エリアが割り付けられていないエリア)があるか否かを判定する(ステップS25)。ここで、配置先候補があると判定された場合(ステップS25でYES)、処理はステップS22に戻されて、それ以降が繰り返される。
反対に、配置先候補がないと判定された場合(ステップS25でNO)、該配置処理は終了されて、処理は生産計画立案処理のステップS5に進められる。
図12に戻る。次に、配置割付部325が、上述した配置処理により、受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置できたか否かを判定する(ステップS5)。ここで、受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置できなかったと判定された場合(ステップS5でNO)、処理はステップS2に戻されて、工程日程の割り付けが前倒す方向に改めて実行され、それ以降の処理が繰り返される。そして、工程日程を変更することによって、受注番号に対応する占有エリアを、特定の作業エリアに配置できたと判定された場合(ステップS5でYES)、処理はステップS6に進められる。
なお、上述した説明では、配置先候補がないと判定された場合に、工程日程の割り付けを変更するようにしたが、製品の種類によっては、特定された作業エリア以外の作業エリアで各工程を実施しても良い場合もある。そのような場合、工程日程の割り付けを変更せずに、作業エリアを変更して、変更した作業エリアにて配置先候補を検出して、該受注番号の占有エリアの配置の可否を判定するようにしてもよい。これにより、全ての作業エリアを有効活用した生産計画の立案が可能となり、更なるリードタイムの短縮を図ることが可能となる。
次に、ステップS6では、工程日程割付部322が、生産計画立案処理の対象とされた全受注案件の全工程の日程割り付けを完了したか否かを判定する。ここで、完了していないと判定された場合(ステップS6でNO)、処理はステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。反対に、完了したと判定された場合(ステップS6でYES)、処理はステップS7に進められる。
いまの場合、生産計画立案処理の対象とされた全受注案件のうち、受注案件「300」の試験工程の日程割り付けだけしか完了していないので、処理はステップS2に戻り、工程日程割付部322が、受注案件「300」の製造工程の日程を割り付ける。具体的には、工程情報214から、受注案件「300」の製品P30については、3日間の製造工程を要することが分かるので、9/6〜9/8の3日間を製造工程に割り付ける。
また、工程情報214から、製品P30の製造工程では設備と作業エリアを使用しないことが分かるので、製品P30の製造工程を対象としたステップS3乃至S5の処理は省略される。
この後、処理は再びステップS2に戻り、工程日程割付部322が、受注案件「300」の設計工程の日程を割り付ける。具体的には、工程情報214から、受注案件「300」の製品P30については、3日間の設計工程を要することが分かるので、9/3〜9/5の3日間を設計工程に割り付ける。また、工程情報214から、製造工程と同様、製品P30の設計工程では設備と作業エリアを使用しないことが分かるので、製品P30の設計工程を対象としたステップS3乃至S5の処理は省略される。
そして、工程日程割付部322が、各工程に対して割り付けた日程を格納した生産計画情報221を生成する。
図23は、受注案件「300」に対応する生産計画情報221を示している。
図23の生産計画情報221では、受注番号フィールド2211には受注番号「300」が格納され、製作番号フィールド2212には製作番号「S300」が格納され、製品名フィールド2213には製品名「製品C」が格納される。さらに、工程名フィールド2214、開始日フィールド2215、及び終了日フィールド2216には各工程の工程名と割り付けられた日程(開始日と終了日)が格納される。
この後、再び処理はステップS2に戻り、次に納期が遠い受注番号「200」の案件を対象として、それ以降の処理が行われる。
具体的には、受注番号「200」の工程を設定するため、受注番号「200」に応じて製作する2台の製品P20と、2台の製品P21に関する工程の情報を工程情報214(図5)から取得する。
いまの場合、工程情報214から、製品P20,P21については、4日間の設計工程、3日間の製造工程、5日間の試験工程の順で実施することが取得される。そして、最終工程である5日間の試験工程を、納品日9/13の前日の9/12から確保する。すなわち、9/8〜9/12の5日間を試験工程に割り付ける。このように、各工程の日程を割り付けた後、工程日程割付部322が、割り付けた試験工程の日程に基づいて、生産計画情報221を生成する。
次に、占有エリア算出部323が、上述したよう工程日程が割り付けられた受注案件(いまの場合、受注番号「200」の案件)に対し、製品サイズ情報212、設備サイズ情報213、工程情報214、及びスペース制約情報216に基づいて、当該受注番号の製品の工程に占有エリアを見積もり、その見積結果である占有エリア情報410を生成してメモリ部310に格納する占有エリア見積処理を実行する(ステップS3)。
具体的には、まず、占有エリア算出部323が、ステップS2で工程日程が割り付けられた受注案件「200」の製品P20,P21の製作に対し、工程情報214(図4)を参照し、必要となる設備や作業エリアを特定する(ステップS11)。
いまの場合、受注番号「200」の製品P20に対し、工程情報214から、その試験工程では、作業エリアE01にて、設備M20が必要であることが特定される。また、受注番号「200」の製品P21に対し、工程情報214から、その試験工程に作業エリアE01が必要であることが特定される。
次に、占有エリア算出部323が、該受注番号に対応する全ての製品と設備のうちの1台に着目し、製品サイズ情報212又は設備サイズ情報213に基づいて、そのサイズを特定する。また、占有エリア算出部323が、スペース制約情報216に基づいて、着目した製品又は設備に対して確保すべき作業スペースを特定する(ステップS12)。
いまの場合、受注番号「200」に対応する2台の製品P20と1台の設備M20と2台の製品P21とのうち、1台目の製品P20に着目し、製品サイズ情報212(図3)から、製品P20のサイズ(2×2)が特定される。また、スペース制約情報216(図7)から、製品P20の作業スペースとして、その四方に1m幅を設ける必要があり、−X方向(図面の左横方向)の作業スペースだけが重複不可であることが特定される。
次に、占有エリア算出部323が、1台目の製品P20に対し、製品P20とその作業スペースとを包含する最小の矩形(4×4)を占有エリアとして算出する。
同様に、残りの1台の製品P20と1台の設備M20と2台の製品P21に対しても、占有エリア算出部323がそれぞれの占有エリアを算出し、重複エリア判定部324が順次算出された占有エリアを統合して、受注番号「200」に対応する占有エリアを算出する。
図24は、受注番号「200」に対して算出された占有エリアを示している。同図に示されるように、該占有エリアにおいて、2台の製品P20(製品B1)はY方向に連結されている。同様に、2台の製品P21(製品B2)はY方向に連結される。また、製品P20(製品B1)と、2台の製品P21(製品B2)とは、製作番号が異なるので、連結されないが、両者の間の作業スペースは重複可能であるので、その幅が短縮されて1mとされている。設備20は、製品P20のX方向に配置されている。設備20の−Y方向に隣接する2×1のエリアと、+Y方向に隣接する2×4のエリアとは、利用不可エリアとされている。
図25は、図24に対応する占有エリア情報410を示している。
図25の占有エリア情報410では、受注番号「200」に対応する占有エリア全体に対して配置ID「L2001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(6,9)が格納される。また、Y方向に連結された2台の製品P20が占める矩形のエリアに対して配置ID「L2002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された2台の製品P20に共通する製作番号S200が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,5)が格納される。また、Y方向に連結された2台の製品P21が占める矩形のエリアに対して配置ID「L2003」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された2台の製品P21に共通する製作番号S201が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,6)と(3,8)が格納される。また、設備M20が占める矩形のエリアに対して配置ID「L2004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「3」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、設備コードM20が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(4,1)と(6,5)が格納される。さらに、重複不可の2箇所の作業スペースそれぞれに対して配置ID「L2005」、「L2006」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,5)又は(0,6)と(1,8)が格納される。
このようにして、受注番号「200」に対応する占有エリアが算出された後、配置割付部325が、受注番号「200」に対応する占有エリアを作業エリアに配置する配置処理を行う(ステップS4)。
まず、配置割付部325が、工程情報214(図5)から、受注番号「200」の製品P20の試験工程が作業エリアE01であることを特定する。また、配置割付部325が、作業エリア情報215(図6)から作業エリアE01のサイズが15×10であることを特定する。
さらに、配置割付部325が、既存の配置情報222(図22)から、作業エリアE01の、受注番号「200」の製品P20の試験工程に割り当てた日程(9/8〜9/12)における割り付けの状況を特定する。いまの場合、配置情報222から、受注番号「200」の製品P20の試験工程に割り当てた日程(9/8〜9/12)が、受注番号「300」の製品P30の試験工程に割り当てた日程(9/9〜9/13)と重なっており、その占有エリアの頂点座標が(0,0)と(5,8)であることが分かるので、作業エリアE01において受注番号「300」に割り付けられていないエリアに、受注番号「200」に対応する占有エリアを割り付ける。例えば、作業エリアE01の頂点座標が(5,0)と(11,9)のエリアに、受注番号「200」に対応する占有エリアを割り付ける。
そして、配置割付部325は、作業エリアE01に対して割り付けた受注番号「200」の占有エリアを反映して、図22に示された配置情報222を、図26に示す配置情報222に更新する。具体的には、図26の配置ID「L2001」〜「L2006」についての情報を格納する。
この後、処理は生産計画立案処理のステップS5に進められる。
図12に戻る。次に、配置割付部325が、上述した配置処理により、受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置できたか否かを判定する(ステップS5)。ここで、受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置できなかったと判定された場合、処理はステップS2に戻されて、工程日程の割り付けが改めて実行され、それ以降の処理が繰り返される。反対に、受注番号に対応する占有エリアを作業エリアに配置できたと判定された場合、処理はステップS6に進められる。
次に、工程日程割付部322が、生産計画立案処理の対象とされた全受注案件の全工程の日程割り付けを完了したか否かを判定する(ステップS6)。
いまの場合、生産計画立案処理の対象とされた全受注案件のうち、受注案件「300」の全工程と、受注案件「200」の試験工程の日程割り付けだけしか完了していないので、処理はステップS2に戻り、工程日程割付部322が、受注案件「200」の製造工程の日程を割り付ける。具体的には、工程情報214から、受注案件「200」の製品P20,P21については、3日間の製造工程を要することが分かるので、9/5〜9/7の3日間を製造工程に割り付ける。
また、工程情報214から、製品P20,P21の製造工程では設備と作業エリアを使用しないことが分かるので、製品P20,P21の製造工程を対象としたステップS3乃至S5の処理は省略される。
この後、処理は再びステップS6からステップS2に戻り、工程日程割付部322が、受注案件「200」の設計工程の日程を割り付ける。具体的には、工程情報214から、受注案件「200」の製品P20,P21については、4日間の設計工程を要することが分かるので、9/1〜9/4の4日間を設計工程に割り付ける。また、工程情報214から、製品P20,P21の設計工程では設備と作業エリアを使用しないことが分かるので、製品P20,P21の設計工程を対象としたステップS3乃至S5の処理は省略される。
そして、工程日程割付部322が、受注案件「200」の各工程に対して割り付けた日程を反映して生産計画情報221を更新する。
この後、再び処理はステップS6からステップS2に戻り、残っている受注番号「100」の案件を対象として、それ以降の処理が行われる。なお、受注番号「100」の案件を対象とする処理については、上述した受注番号「300」又は「200」の案件を対象とした処理と同様なので、その説明は省略する。
この後、生産計画立案処理の対象とされた全受注案件の全工程の日程割り付けを完了したと判定されて(ステップS6でYES)、処理はステップS7に進められる。
次に、演算処理部320が、以上に説明した処理によって生成された、受注番号「100」〜「300」に対応する生産計画情報221(図8)と配置情報222(図9)を、記憶部200に供給して記憶させる。また、配置割付部325が、該配置情報222に基づき、占有エリア推移情報223(図19)を生成して記憶部200に記憶させる。
この後、表示制御部326が、記憶部200に記憶されている生産計画情報221と配置情報222とに基づき、出力画面600を生成して入出力部100のディスプレイに表示する。なお、表示制御部326は、出力画面600(図27)に対して、ユーザから所定の操作が行われた場合、出力画面600の表示内容を更新したり、配置図画面700(図28)を表示したりする(ステップS7)。以上で、生産計画立案処理は終了される。
以上に説明した生産計画立案処理によれば、型式の異なる複数の製品が含まれたり、設備を必要としたりする受注案件に応じて、実際の各工程を時間的且つ空間的に効率よく利用できる精度の高い生産計画を立案することが可能となる。また、作業エリア不足を懸念した必要以上の生産計画の前倒しを抑制し、生産に要するリードタイムの短縮することができる。
次に、図27は、出力画面600の一例を示している。出力画面600には、工程表表示欄610、占有エリア面積推移表示欄620、及び検索条件入力欄630が設けられている。
工程表表示欄610は、入力画面500の検索結果表示欄520にて選択した注文番号の各工程に対して割り付けられた工程表を表示する。該工程表は、表示制御部326により記憶部200の生産計画情報221に基づいて生成される。
同図の場合、受注番号「100」〜「300」それぞれの設計工程、製造工程、及び試験工程の日程が製作番号毎(製品毎)に表示されている。
占有エリア面積推移表示欄620には、作業エリアにおける占有エリアが占める面積の時系列の推移を表示するものであり、作業エリアを選択するための作業エリア選択欄6621、作業エリアの選択を確定する占有エリア表示ボタン622、及び、選択された作業エリアにおける占有エリアが占める面積の時系列の推移を表すグラフ6231が表示欄623から成る。
表示欄623に表示される該グラフ6231は、表示制御部326により、記憶部200の占有エリア推移情報223に基づいて生成される。
ユーザは、作業エリア選択欄621にて作業エリアを選択し、占有エリア表示ボタン622を押下することにより、選択した作業エリアにおける占有エリアが占める面積の推移を表すグラフ6231を表示欄623に表示させることができる。該グラフ6231には、選択された作業エリアの面積、すなわち、配置可能な占有エリアの上限値(いまの場合、150m2)を表す上限線6232が記されている。
検索条件入力欄630は、作業エリアにおける占有エリアの配置状況を表示させる際の条件を入力するものであり、作業エリアを選択するための作業エリア選択欄631、日付を入力するための日付入力欄632、及び、選択された作業エリアと、入力された日付を確定するための配置情報表示ボタン633が設けられている。ユーザは、作業エリア選択欄631にて作業エリアを選択し、日付入力欄632に日付けを入力し、、配置情報表示ボタン633を押下することにより、入出力部100のディスプレイに配置図画面700を表示させることができる。
図28は、配置図画面700の一例を示している。配置図画面700には、作業エリアコードと作業エリア名が表示される作業エリア表示欄701、日付が表示される日付表示欄702、及び、配置図が表示される配置図表示欄703が設けられている。
該配置図は、表示制御部326により記憶部200の配置情報222に基づいて生成される。
配置図表示欄523に表示される配置図においては、各受注番号に対応する占有エリアが太線によって区分けられている。各占有エリアにおいては、製品の配置が製作番号と製品名を記して示されている。また、設備の配置が設備コードと設備名を記して示されている。また、重複可能な作業スペースと、重複不可能な作業スペースと、利用不可のエリアとは、例えば色分けするなど区別できるように表示されている。
<生産計画立案処理の変形例>
上述した生産計画立案処理では、図18に示されたように、受注番号「300」における設備M30の占有エリアを、スペース制約情報216の連結方向フィールド2166に格納されている連結方向に従い、3台の製品P30の占有エリアのX方向に配置したが、状況により、3台の製品P30のX方向に配置できないことがある。そのような場合、重複エリア判定部324が、スペース制約情報216の変更可否情報フィールド2167に格納されている変更可否情報が可であれば、設備M30の占有エリアを、3台の製品P30の占有エリアのY方向に配置するようにしてもよい。これにより、作業エリアのX方向又はY方向の制約が厳しいような場合でも、作業エリアを有効に利用することが可能となる。
図29は、設備M30の占有エリアを、3台の製品P30の占有エリアのY方向に配置した場合における、受注番号「300」に対応する占有エリアを表している。
図30は、図29に示された受注番号「300」に対応する占有エリアに対応する占有エリア情報410を占めしている。
図30の占有エリア情報410では、受注番号「300」に対応する占有エリアを表す矩形のエリアに対して配置ID「L3001」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「1」が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(0,0)と(4,11)が格納される。また、連結された3台の製品P30が配置される矩形のエリアに対して配置ID「L3002」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「2」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、連結された3台の製品P30に共通する製作番号S300が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,1)と(3,7)が格納される。また、設備M30が配置される矩形のエリアに対して配置ID「L3003」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「3」が格納され、製品設備コードフィールド4101には、設備コードM30が格納され、矩形のエリアの頂点の相対座標として(1,8)と(2,11)が格納される。さらに、重複不可の作業スペースに対して配置ID「L3004」が付与され、その配置フラグフィールド4102に「4」が格納され、該作業スペースの頂点の相対座標として(0,1)と(1,7)が格納される。
以上に説明したように、本実施の形態である生産計画立案装置10によれば、占有エリア算出部323を備えるので、製品、設備毎の占有エリアを正確に算出することができる。また、重複エリア判定部324を備えるので、各製品や設備に対して算出された占有エリアを効率的に統合することができる。さらに、配置割付部325を備えるので、作業エリアに対して空間的に効率よく、受注番号に対応する占有エリアの割り付けることができる。またさらに、工程日程割付部322を備えるので、作業エリアに対して時間的に効率よく、受注番号に対応する占有エリアの割り付けることができる。
ところで、上述した本発明の実施の形態である生産計画立案装置10は、ハードウェアにより構成することもできるし、ソフトウェアにより実現することもできる。生産計画立案装置10をソフトウェアにより実現する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
図31は、生産計画立案装置10をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
このコンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001,ROM(Read Only Memory)1002,RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。
バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、およびドライブ1010が接続されている。
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォン等より成る。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカ等より成る。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリ等より成る。通信部1009は、ネットワークインターフェース等より成る。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース1005およびバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、生産計画立案装置10の演算処理部320が実現される。
また、生産計画立案装置10の入出力部100は、入力部1006及び出力部1007により実現される。生産計画立案装置10の記憶部200やメモリ部310は、記憶部1008、RAM1003、又はリムーバブルメディア2011により実現される。
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータ1000が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、作業計画立案装置、及び作業計画立案方法だけでなく、コンピュータが読み取り可能なプログラム等の様々な態様で提供することができる。