JP2021162819A - 画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示装置の薄型化を実現するとともに画像表示装置用基板同士の境界部分が違和感なく画面全体と調和し、画像表示装置から良好な画質を得ることが可能な、画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置を提供する。【解決手段】画像表示装置用メッシュ部材10は、複数の開口枠14、15と、開口枠14、15によって形成される開口部13とを有するメッシュ状の本体部11と、本体部11の周囲に位置する張り出し部12と、を備えている。張り出し部12の幅w3、w4は、開口枠14、15の幅w1、w2の0.4倍以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置に関する。
従来、LEDランプやチップLEDをマトリックス状に多数個配置した発光ダイオード表示器が知られている。このような発光ダイオード表示器は、前面にLEDを配列した表示基板を、その周壁を互いに突き合わせて同一平面内に配列するようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−75812号公報
複数の表示基板を同一平面内に配列する場合、表示基板同士の境界部分に隙間が存在すると違和感が生じる。このため、特許文献1においては、画面全体と画素間に切開部を設け、光の届かない暗部をタイル間の隙間に見立てることで、表示基板同士の境界を違和感なくしている。しかしながら、光が届かない程度の高アスペクト比の溝を表示基板上に形成するには、表示基板の厚み自体を大きくする必要があり、画像表示装置の薄型化のニーズに合致しない。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、画像表示装置の薄型化を実現するとともに画像表示装置用基板同士の境界部分が違和感なく画面全体と調和し、画像表示装置から良好な画質を得ることが可能な、画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材は、画像表示装置用メッシュ部材において、複数の開口枠と、前記開口枠によって形成される開口部とを有するメッシュ状の本体部と、前記本体部の周囲に位置する張り出し部と、を備え、前記張り出し部の幅は、前記開口枠の幅の0.4倍以上である。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、少なくとも1つの開口枠に、前記開口枠の長さ方向に沿って延びる凸部が形成されていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記凸部は複数形成され、前記複数の凸部は等間隔に配置されていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記凸部の高さは、前記張り出し部の厚みの0.5倍以上であっても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記凸部は、樹脂材料によって形成されていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、少なくとも1つの開口枠に、前記開口枠の長さ方向に沿って延びる凹部が形成されていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記凹部は複数形成され、前記複数の凹部は等間隔に配置されていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記本体部及び前記張り出し部は、黒色であっても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、前記張り出し部のうち、前記画像表示装置用メッシュ部材の角部に対応する位置に切り落とし部が設けられていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材において、張り出し部には、段部が設けられていても良い。
本実施の形態による画像表示装置用基板は、配線基板と、前記配線基板上に配置された、本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材とを備えている。
本実施の形態による画像表示装置は、本実施の形態による画像表示装置用基板を複数配列して構成した画像表示装置であって、互いに隣接する前記画像表示装置用基板の前記画像表示装置用メッシュ部材の前記張り出し部同士が重なり合っている。
本実施の形態による画像表示装置において、互いに異なる大きさからなる複数種類の前記画像表示装置用基板を含んでいても良い。
本実施の形態によれば、画像表示装置の薄型化を実現するとともに画像表示装置用基板同士の境界部分が違和感なく画面全体と調和し、画像表示装置から良好な画質を得ることができる。
図1は、第1の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す平面図。 図2は、第1の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す部分断面図(図1のII−II線断面図)。 図3は、第1の実施の形態による画像表示装置用基板を示す平面図。 図4は、第1の実施の形態による画像表示装置用基板を示す部分断面図(図3のVI−VI線断面図)。 図5は、第1の実施の形態による画像表示装置を示す平面図。 図6は、第1の実施の形態による画像表示装置を示す部分断面図(図3のIV−IV線断面図)。 図7は、複数枚タイリングされた画像表示装置用基板を有する画像表示装置を示す概略平面図。 図8(a)−(c)は、タイリングされた画像表示装置用基板の角部近傍を示す拡大平面図。 図9(a)−(g)は、第1の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置の製造方法を示す断面図。 図10は、切断前の画像表示装置用メッシュ部材を示す平面図。 図11(a)(b)は、第1の実施の形態の変形例による画像表示装置用基板を示す断面図。 図12(a)(b)は、第1の実施の形態の変形例による画像表示装置用基板を重ねた状態を示す断面図。 図13(a)(b)は、第1の実施の形態の変形例による画像表示装置用メッシュ部材を示す平面図及び画像表示装置用基板を重ねた状態を示す平面図。 図14は、第2の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す平面図。 図15は、第2の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す部分断面図(図14のXV−XV線断面図)。 図16は、第2の実施の形態による画像表示装置用基板を示す部分断面図。 図17(a)−(e)は、第2の実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置の製造方法を示す断面図。 図18は、比較例としての重ねられた画像表示装置用基板を示す断面図。
本明細書中、X方向、Y方向とは、画像表示装置用メッシュ部材の外周の各辺に平行な二方向であり、X方向とY方向とは互いに直交している。また、Z方向は、X方向及びY方向の両方に対して垂直な方向である。またX方向、Y方向のことをそれぞれ第1方向、第2方向ともいう。
また、本明細書中、「表面」とは、画像表示装置の観察者側を向く面(Z方向プラス側の面)をいい、「裏面」とは、「表面」の反対側の面であって画像表示装置の基板側を向く面(Z方向マイナス側の面)をいう。また、「側面」とは、「表面」及び「裏面」の法線方向に垂直な方向を向く面をいう。また、「内」、「内側」とは、画像表示装置用メッシュ部材の中心方向を向く側をいい、「外」、「外側」とは、画像表示装置用メッシュ部材の中心から離れる側をいう。
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、図1乃至図13を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(画像表示装置用メッシュ部材の構成)
まず、図1及び図2により、本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材の概略について説明する。図1は、本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す平面図であり、図2は、本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材を示す部分断面図である。
図1及び図2に示すように、画像表示装置用メッシュ部材10は、複数の開口枠14、15と、開口枠14、15によって形成される複数の開口部13とを有するメッシュ状(格子状)の本体部11と、本体部11の周囲に位置する張り出し部12と、を備えている。張り出し部12の幅w、wは、開口枠14、15の幅w、wの0.4倍以上である。
画像表示装置用メッシュ部材10は、全体として平面視矩形状であり、その外周の各辺は、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ延びている。画像表示装置用メッシュ部材10の外周の辺の長さL(X方向又はY方向の長さ)は、例えば100mm以上300mm以下としても良い。また、画像表示装置用メッシュ部材10の厚みt(Z方向の長さ)は、例えば5μm以上35μm以下としても良い。画像表示装置用メッシュ部材10の全体の厚みtを5μm以上とすることにより、画像表示装置用メッシュ部材10による光の反射率を低下させることができ、後述する発光素子53からの光と黒色の画像表示装置用メッシュ部材10とのコントラストを良好にすることができる。画像表示装置用メッシュ部材10の全体の厚みtを35μm以下とすることにより、画像表示装置用メッシュ部材10を重ねることで生じる段差によりもたらされる視覚的違和感が過度なものとなることがないようにすることができる。
本体部11は、画像表示装置用メッシュ部材10の中央に位置している。本体部11は、平面視矩形状であり、その外周の各辺は、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ延びている。また本体部11は、張り出し部12によって取り囲まれている。本体部11の外周は、画像表示装置用メッシュ部材10の最も外側に位置する複数の開口部13の外周を繋いだ領域(図1の二点鎖線で示す領域)に対応する。
本体部11の内側には、多数の開口部13が規則的に配列されている。各開口部13は、それぞれ後述する画像表示装置用基板50の発光素子53(図3及び図4参照)の位置に対応している。この場合、開口部13は、X方向及びY方向のそれぞれに対して等間隔に形成されている。また各開口部13は、それぞれ平面視で正方形形状となっており、その辺の長さ(X方向又はY方向の長さ)Lは、例えば0.05mm以上0.85mm以下としても良い。開口部13のX方向又はY方向の長さLが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。なお、開口部13は、本体部11を厚み方向(Z方向)に貫通している。なお、この開口部13は正方形状に限ったものではなく、例えば略長方形状や略三角形状等の多角形状、円形状、楕円形状等としても良い。
各開口部13の周縁には、それぞれ本体部11のメッシュを構成する第1開口枠14と第2開口枠15とが形成されている。複数の第1開口枠14は、それぞれ平面視で細長い棒形状を有し、X方向に沿って延びている。複数の第2開口枠15は、それぞれ平面視で細長い棒形状を有し、Y方向に沿って延びている。また複数の第1開口枠14及び複数の第2開口枠15は、それぞれ等間隔に配置されている。第1開口枠14と第2開口枠15とは、交差部16で直角に交わっている。この場合、複数の第1開口枠14の幅wは互いに同一であり、複数の第2開口枠15の幅wは互いに同一である。また、第1開口枠14の幅wと第2開口枠15の幅wとは、互いに同一である(w=w)。第1開口枠14の幅w及び第2開口枠15の幅wは、例えば0.05mm以上0.85mm以下としても良い。
第1開口枠14の幅wとは、第1開口枠14をその長手方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に測定した長さをいう。同様に、第2開口枠15の幅wとは、第2開口枠15をその長手方向(Y方向)に垂直な方向(X方向)に測定した長さをいう。なお、第1開口枠14の幅w及び第2開口枠15の幅wが場所によって変化する場合は、後述する発光素子53のピッチP、Pから各開口部13の辺の長さLを減じた長さをいう。
張り出し部12は、本体部11よりも外周に位置しており、平面視で四角い環形状に形成されている。張り出し部12は、本体部11と同一の材料から一体に構成されている。張り出し部12は、X方向に延びる第1張り出し部分12aと、Y方向に延びる第2張り出し部分12bとを含む。第1張り出し部分12aと第2張り出し部分12bとは、それぞれ平面視長方形状である。張り出し部12は、複数の開口部13よりも外側に位置しており、画像表示装置用メッシュ部材10の最外周に枠状に形成されている。張り出し部12の内周12cは本体部11の外周に対応し、張り出し部12の外周12dは画像表示装置用メッシュ部材10の外周に対応する。張り出し部12の厚みt(Z方向の長さ)は、画像表示装置用メッシュ部材10の厚みtと同一となっている(t=t)。
この場合、第1張り出し部分12aの幅wと第2張り出し部分12bの幅wとは、互いに同一となっている(w=w)。また、第1張り出し部分12aの幅w及び第2張り出し部分12bの幅w(張り出し部12の幅w、w)は、第1開口枠14の幅w及び第2開口枠15の幅w(開口枠14、15の幅w、w)の0.4倍以上となっている(1/2×w(w)≦w(w))。また、張り出し部12の幅w、wは、開口枠14、15の幅w、wの0.5倍以上1倍以下にすることがより望ましい。具体的には、第1張り出し部分12aの幅w及び第2張り出し部分12bの幅wは、例えば0.025mm以上1.5mm以下としても良い。
張り出し部12の幅w、wを、開口枠14、15の幅w、wの0.4倍以上とすることにより、後述するように、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合い、これらの境界部分の隙間を画像表示装置の観察者側から見えないようにすることができる。張り出し部12の幅w、wを、開口枠14、15の幅w、wの1倍以下とすることにより、後述するように、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士を重ね合わせた際、張り出し部12が隣接する画像表示装置用基板50の開口部13を覆わないようにすることができる。
第1張り出し部分12aの幅wとは、第1張り出し部分12aをその長手方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に測定した長さをいう。同様に、第2張り出し部分12bの幅wとは、第2張り出し部分12bをその長手方向(Y方向)に垂直な方向(X方向)に測定した長さをいう。第1張り出し部分12aの幅w及び第2張り出し部分12bの幅wが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。
なお、第1開口枠14の幅w及び第2開口枠15の幅wは、必ずしも互いに同一でなくても良い。また、第1張り出し部分12aの幅w及び第2張り出し部分12bの幅wは、必ずしも互いに同一でなくても良い。この場合、第1張り出し部分12aの幅wが第1開口枠14の幅wの0.4倍以上であり(1/2×w≦w)、かつ、第2張り出し部分12bの幅wが第2開口枠15の幅wの0.4倍以上となっていることが好ましい(1/2×w≦w)。
図1に示すように、一部の開口枠14、15(第1開口枠14及び第2開口枠15)に、それぞれその長さ方向(X方向、Y方向)に沿って延びる凸部17が形成されている。複数の凸部17は、それぞれ平面視で細長い棒形状を有し、開口枠14、15の表面から外方(Z方向プラス側)に突出している。第1開口枠14に形成された凸部17と第2開口枠15に形成された凸部17とは、交差部16上で直角に交わっている。また各凸部17の両端は、それぞれ開口枠14、15の長手方向の各端部まで延びており、さらに張り出し部12を横切るように延びていても良い。このように開口枠14、15に凸部17を形成したことにより、後述するように、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、凸部17がこの重なり部によって生じる段差に近似するので、段差による違和感を低減することができる。これにより、画像表示装置用基板50同士の境界部分が違和感なく画像表示装置60の画面全体と調和し、画像表示装置60の画質を良好にすることができる。
また少なくとも本体部11上に位置する複数の凸部17は、平面視で等間隔かつ互いに平行に配置されている。この場合、複数の凸部17は、全ての開口枠14、15に形成されているのではなく、1つおきの開口枠14、15に形成されていても良い。このように複数の凸部17を等間隔に配置したことにより、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、複数の凸部17が画像表示装置60の全体に違和感なく均一に配置されるので、複数の凸部17が画像表示装置60の画面全体と調和し、良好な画質を得ることができる。なお、凸部17は、少なくとも1つの開口枠14、15に形成されていれば良い。例えば凸部17はn本(n≧2)おきの開口枠14、15に形成されていても良く、全ての開口枠14、15に形成されていても良い。
また、図示していないが、張り出し部12にも、その長手方向に沿って凸部17を形成しても良い。この場合、張り出し部12上の凸部17と開口枠14、15上の凸部17とは、その幅、高さ及び位置が異なっていても良い。具体的には、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、重なった張り出し部12周辺の見え方が開口枠14、15上の凸部17の見え方と一致するように、張り出し部12上の凸部17の幅、高さ及び位置を調整しても良い。
複数の凸部17の幅wは互いに同一であり、開口枠14、15の幅w、wよりも狭くなっている(w<w(w))。具体的には、各凸部17の幅wは、0.05mm以上0.2mm以下としても良い。各凸部17の幅wとは、各凸部17をその長手方向(X方向、Y方向)に垂直な方向(Y方向、X方向)に測定した長さをいう。なお、各凸部17の幅wが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。
また複数の凸部17の高さH(Z方向の長さ)は互いに同一である。各凸部17の高さHは、張り出し部12の厚みt(Z方向の長さ)の0.5倍以上とすることが好ましく、0.6倍以上3倍以下とすることがより好ましい。各凸部17の高さHを張り出し部12の厚みtの0.5倍以上3倍以下とすることにより、各凸部17の高さが適度なものとなり、過度に高くなることがない。このため、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、凸部17がこの重なり部によって生じる段差に近似するので、段差による違和感を低減することができる。具体的には、各凸部17の高さHは、0.003mm以上0.1mm以下としても良い。各凸部17の高さHとは、開口枠14、15のうち凸部17が存在しない面を基準とし、各凸部17を高さ方向(Z方向)に測定した長さをいう。なお、各凸部17の高さHが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。
凸部17は、本体部11及び張り出し部12とは別体に構成されている。凸部17は、本体部11及び張り出し部12を構成する材料とは異なる材料から構成されていても良い。例えば、凸部17のうち後述する黒色層22を除く部分は、ソルダーレジスト等の樹脂材料によって形成されていてもよい。このようなソルダーレジストとしては、例えばエポキシ系、アクリル系、イミド系のものを挙げることができる。
なお、上述した凸部17は必ずしも設けられていなくても良い。
次に、画像表示装置用メッシュ部材10の断面形状について説明する。図2に示すように、画像表示装置用メッシュ部材10は、中央部21と、中央部21を取り囲むように設けられた黒色層22とを有している。張り出し部12、第1開口枠14及び第2開口枠15は、それぞれ中央部21と黒色層22とを含んでいる。
中央部21は、断面視で張り出し部12、第1開口枠14及び第2開口枠15の中央に位置している。中央部21は、鉄ニッケル系合金、ステンレス、銅、銅合金、洋白材等の金属、又は樹脂等からなることが好ましい。中央部21の厚みt(Z方向の長さ)は、2μm以上30μm以下としても良い。
また中央部21上に黒色層22が形成されている。黒色層22は、中央部21を黒化する層であり、画像表示装置用メッシュ部材10による光の反射をより低減するための層である。黒色層22は、画像表示装置用メッシュ部材10の最表面側に位置しており、外方から直接視認可能となっている。
断面視において、黒色層22は中央部21の全周にわたって形成されている。すなわち、黒色層22は、中央部21の表面と、中央部21の裏面と、中央部21の両側面とに形成されている。また、黒色層22は、凸部17を構成する樹脂材料上にも形成されており、断面視において、凸部17の裏面(Z方向マイナス側の面)側を除き、樹脂材料の全面を覆っている。しかしながら、これに限らず、黒色層22は中央部21の裏面を覆わなくても良い。また黒色層22は凸部17を構成する樹脂材料を覆わなくても良い。
黒色層22は、塗装法、スパッタ法、蒸着法、電解めっき法等により形成されたものであっても良い。黒色層22は、例えばシリカ及びカーボンブラックを含有するエポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂からなる樹脂材料を用いても良く、あるいは例えば黒色ニッケル等の金属材料を用いても良い。黒色層22の厚みt(Z方向の長さ)は、0.1μm以上1.0μm以下とすることが好ましい。黒色層22の厚みtを上記範囲とすることにより、画像表示装置用メッシュ部材10による光の反射率を低下させることができ、発光素子53からの光と黒色の画像表示装置用メッシュ部材10とのコントラストを良好にすることができる。
画像表示装置用メッシュ部材10の光の反射率は、10%以下となっていても良く、好ましくは1%以下となっている。このように画像表示装置用メッシュ部材10における光の反射率が低く抑えられていることにより、画像表示装置60からの光のコントラスト性を良好に制御することができる。なお、本実施の形態において、画像表示装置用メッシュ部材10の光の反射率は、分光測色計(コニカミノルタ製 分光測色計CM−2500d)によって主に550nmの波長を測定することによって行われる。但し、分光測色計によって可視光全域を測定することがより好ましい。
画像表示装置用メッシュ部材10の色度(色相と彩度)は、L*a*b*表色系のa*及びb*の値によって表すことができる。具体的には、画像表示装置用メッシュ部材10のa*の値は、0.0以上5.0以下とすることが好ましく、b*の値は、−5.0以上0.0以下とすることが好ましい。画像表示装置用メッシュ部材10のa*及びb*の値を上記範囲とすることにより、画像表示装置用メッシュ部材10が特定の色味(例えば赤、青、紫等)を帯びることを抑えることができる。なお、L*a*b*表色系のL*、a*、及びb*は、1976年に国際照明委員会(CIE)により勧告され、JIS Z8729に規定されたL*a*b*表色系にて決定され、例えば上述した分光測色計を用いて測定することができる。
分光測色計(コニカミノルタ製 分光測色計CM−2500d)を用いて画像表示装置用メッシュ部材10を測定する方法の一例を以下に説明する。この分光測色計による測定条件は、SCI(正反射含む)、視野10度、D65光源である。まず、分光測色計のゼロ点校正を実施し、続いて、分光測色計の白色校正を実施する。そして、画像表示装置用メッシュ部材10を形成した黒色化した5cm角の試験片を分光測色計の測定スポット(径Φ8mm)の下に敷き、1回の測定に関して3回の測定平均値を取り、それを3回繰り返し、平均化する。この平均化した値を測定値とする。画像表示装置用メッシュ部材10の光の反射率は、波長360nmから740nmまでの値を10nm単位で測定する。画像表示装置用メッシュ部材10の光の反射率を測定するのと同時に、画像表示装置用メッシュ部材10の色度(a*、b*)をあわせて測定する。
加えて、画像表示装置用メッシュ部材10の光の反射率は、微小面分光色差計(日本電色工業製 微小面分光色差計 VSS−400)によって主に540nmの波長を測定することでも可能である。但し、可視光全域を測定するのがより好ましい。微細なエリアで測定する場合には本手法がより好ましい。具体的な手順としては、まず、微小面分光色差計のゼロ点校正を実施する。続いて、微小面分光色差計の白色校正を実施する。そして、サンプルを微小面分光色差計の測定スポット(径Φ0.05mm)の下に敷き、測定を行う。反射率として、400nm〜700nmの値を20nm単位で測定する。また、反射率と同時に明度、色度(L*、a*、b*)を測定する。
(画像表示装置用基板)
次に、本実施の形態による画像表示装置用基板の構成について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施の形態による画像表示装置用基板を示す平面図であり、図4は、本実施の形態による画像表示装置用基板を示す部分断面図である。
図3及び図4に示すように、本実施の形態による画像表示装置用基板50は、配線基板51と、配線基板51上に配置された画像表示装置用メッシュ部材10とを備えている。画像表示装置用メッシュ部材10の各開口部13内には、それぞれ発光素子53が配置されている。このうち画像表示装置用メッシュ部材10は、上述した図1及び図2に示す画像表示装置用メッシュ部材10と同様である。画像表示装置用メッシュ部材10は、配線基板51上に取り付けられている。
配線基板51は、平面視矩形形状を有している。配線基板51の外周縁51aは、画像表示装置用メッシュ部材10の外周縁(張り出し部12の外周12d)よりも内側に位置し、かつ張り出し部12の内周12cよりも外側に位置する。すなわち張り出し部12の一部は、配線基板51の外周縁51aよりも外側に張り出している。
配線基板51は、厚み方向(Z方向)に互いに積層された、図示しない絶縁層及び金属層を有していても良い。このうち絶縁層としては、例えば、ガラス基板又は樹脂基板等の電気絶縁性をもつ材料を用いることができる。また金属層は、図示しない外部の電源から発光素子53に対して電気を供給するものである。金属層としては、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケルクロム合金等を用いることができる。使用時には、配線基板51の金属層は、図示しない外部の電源に電気的に接続される。
発光素子53は、画像表示装置用メッシュ部材10の各開口部13内に1個又は複数個ずつ配置される。発光素子53としては、LED(発光ダイオード)素子や有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子等を用いても良い。また発光素子53を駆動する電力は、外部の電源から配線基板51の金属層を介して発光素子53へ供給される。これにより、使用時には、各開口部13に位置する発光素子53が発光する。またX方向に沿う発光素子53のピッチP(隣接する発光素子53間の距離)は、Y方向に沿う発光素子53のピッチPと同一であり(P=P)、具体的には、0.08mm以上0.9mm以下としても良い。なお、X方向に沿う発光素子53のピッチPとY方向に沿う発光素子53のピッチPとが互いに異なっていても良い。
(画像表示装置)
次に、本実施の形態による画像表示装置の構成について、図5乃至図7を用いて説明する。図5は、本実施の形態による画像表示装置を示す平面図であり、図6は、本実施の形態による画像表示装置を示す断面図である。また、図7は、複数枚タイリングされた画像表示装置用基板を有する画像表示装置を示す概略平面図である。
図5に示すように、画像表示装置60は、図3及び図4に示す画像表示装置用基板50を複数配列して構成したものである。画像表示装置用基板50は、X方向及びY方向にそれぞれ複数枚ずつタイリングされている。このとき、互いに隣接する画像表示装置用基板50の最外周に位置する発光素子53同士のピッチP(P)と、各画像表示装置用基板50における発光素子53のピッチP(P)との差異が±20%以内であることが好ましく、これらが同一であることがより好ましい。
この場合、互いに隣接する画像表示装置用基板50の画像表示装置用メッシュ部材10の張り出し部12同士が重なり合っている。すなわち、互いに隣接する2つの画像表示装置用基板50のうち、一方の画像表示装置用基板50の張り出し部12が、他方の画像表示装置用基板50の張り出し部12よりも上方(Z方向プラス側)又は下方(Z方向マイナス側)に位置する。
図6に示すように、互いに隣接する画像表示装置用基板50の配線基板51同士の間には、隙間Sが形成されている。この隙間Sの幅wは、例えば20μm以上850μm以下であっても良い。また、図6において、互いに隣接する画像表示装置用基板50のうち、少なくとも一方(図6では左側)の画像表示装置用基板50の張り出し部12は、幅w(w)を有している。この張り出し部12の幅w(w)は、第2開口枠15の幅w(第1開口枠14の幅w)の0.4倍以上となっている。また、張り出し部12の幅w(w)は、第2開口枠15の幅w(第1開口枠14の幅w)の0.5倍以上1倍以下にするのがより望ましい。
張り出し部12の幅w(w)を、第2開口枠15の幅w(第1開口枠14の幅w)の0.4倍以上とすることにより、発光素子53のピッチの違いによる画像表示の違和感を低減しつつ、当該張り出し部12を、隣接する画像表示装置用基板50の張り出し部12に対して確実に重ねることができる。この結果、画像表示装置用基板50の境界部分に存在する隙間Sを画像表示装置60の観察者側から見えないようにすることができる。また張り出し部12の幅w(w)を、第2開口枠15の幅w(第1開口枠14の幅w)の1倍以下とすることにより、当該張り出し部12が、隣接する画像表示装置用基板50の開口部13まで到達せず、この開口部13が張り出し部12によって覆われないようにすることができる。
本実施の形態において、画像表示装置60は、互いに異なる大きさからなる複数種類の画像表示装置用基板50を含んでいても良い。例えば図7に示すように、画像表示装置60は、2種類の画像表示装置用基板50(50A、50B)を含んでいても良い。すなわち画像表示装置60は、相対的に外周の大きさが大きい第1画像表示装置用基板50Aと、相対的に外周の大きさが小さい第2画像表示装置用基板50Bとを含んでいても良い。第1画像表示装置用基板50Aと第2画像表示装置用基板50Bとは、張り出し部12の幅が互いに異なっており、その他の構成は互いに略同一である。具体的には、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12の幅w(w)は、第1開口枠14の幅w(第2開口枠15の幅w)の0.4倍以上となっている(図6参照)。一方、第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12の幅は、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12の幅w(w)よりも小さい。なお、第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12の幅w(w)についても、第1開口枠14の幅w(第2開口枠15の幅w)の0.4倍以上となっていても良い。
図7に示すように、第1画像表示装置用基板50Aと第2画像表示装置用基板50Bとは、市松模様状に配置されている。すなわち第1画像表示装置用基板50Aと第2画像表示装置用基板50Bとは、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている。この場合、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12は、第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12に対して上方(観察者側)に重なっている。すなわち第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12は、四方(X方向プラス側、X方向マイナス側、Y方向プラス側、Y方向マイナス側)のいずれの方向においても、隣接する第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12に対して上方に重なっている。これにより、X方向及びY方向のいずれの方向においても、画像表示装置用基板50の境界部分に存在する隙間S(図6参照)を画像表示装置60の観察者側から見えないようにすることができる。なお、これに限らず、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12は、四方のいずれの方向においても、隣接する第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12に対して下方(観察者の反対側)に重なっていても良い。
例えば修理や交換等により、画像表示装置用基板50A、50Bを取り外す必要が生じた場合でも、当該画像表示装置用基板50A、50Bの張り出し部12に対して上方に重なる画像表示装置用基板50A、50Bを取り除くだけで良い。このため、画像表示装置用基板50A、50Bの取り外し枚数を少なく抑えることができ、画像表示装置60のメンテナンス性を向上することができる。
なお、上記に限らず、画像表示装置60に含まれる複数の画像表示装置用基板50は、互いに同一の大きさからなっていても良い。また、画像表示装置60は、互いに異なる大きさからなる3種類以上の画像表示装置用基板50を含んでいても良い。
次に、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍の構成について、図8(a)−(c)を参照して説明する。図8(a)−(c)は、それぞれ図7のVIII部に対応する拡大平面図である。
図8(a)に示すように、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍において、2枚の第1画像表示装置用基板50Aと2枚の第2画像表示装置用基板50Bとが接近又は重なり合っていても良い。図8(a)において、2枚の第1画像表示装置用基板50A同士が互いに重なり合っている。また、各第2画像表示装置用基板50Bの角部50b1は、2枚の第1画像表示装置用基板50A同士が重なった領域に配置されている。2枚の第2画像表示装置用基板50Bの角部50b1同士は互いに離間して配置されている。この場合、図8(a)の網掛けの領域は、画像表示装置用基板50A、50Bが3重に重なっているが、その面積は小さいため、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍に過度に違和感が生じることがない。
図8(b)に示すように、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12のうち、画像表示装置用メッシュ部材10の角部50a1に対応する位置に切り落とし部54が設けられていても良い。図8(b)において、2枚の第1画像表示装置用基板50A同士は互いに重なり合わない。また、各第2画像表示装置用基板50Bの角部50b1は、2枚の第1画像表示装置用基板50A同士の間に配置されている。また2枚の第2画像表示装置用基板50Bの角部50b1同士は互いに離間して配置されている。この場合、画像表示装置用基板50A、50Bが3重に重なる部分が存在せず、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍が盛り上がって違和感が生じることが抑えられる。なお、切り落とし部54は直線状に切り落とされているが、これに限らず曲線状に切り落とされても良い。また、2枚の第2画像表示装置用基板50Bの角部50b1に対応する位置にもそれぞれ切り落とし部54を設けても良い。
図8(c)に示すように、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍において、2枚の第1画像表示装置用基板50Aと1枚の第2画像表示装置用基板50Bとが接近又は重なり合っていても良い。すなわちタイリングの方式によっては、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍で、3枚の画像表示装置用基板50(50A、50B)が重なり合っていても良い。この場合、画像表示装置用基板50A、50Bが3重に重なる部分が存在せず、各画像表示装置用基板50(50A、50B)の角部近傍が盛り上がって違和感が生じることが抑えられる。
(画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置の製造方法)
次に、図1及び図2に示す画像表示装置用メッシュ部材10、図3及び図4に示す画像表示装置用基板50、及び図5乃至図7に示す画像表示装置60の製造方法について、図9(a)−(g)を用いて説明する。図9(a)−(g)は、本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材10、画像表示装置用基板50及び画像表示装置60の製造方法を示す断面図である。
まず図9(a)に示すように、平板状の金属基板41を準備する。この金属基板41は、上述した中央部21(図2参照)に対応するものである。金属基板41としては、鉄ニッケル系合金、ステンレス、銅、銅合金、洋白材等の金属、又は樹脂等からなる基板を使用することができる。
次に、図9(b)に示すように、金属基板41に、例えばエッチングにより複数の開口部13を形成することにより中央部21を作製する。中央部21は、張り出し部12、第1開口枠14及び第2開口枠15に対応する平面形状を有する。この場合、金属基板41に開口部13に対応する図示しないパターン状のエッチング用レジスト層を形成し、このエッチング用レジスト層を耐腐蝕膜として、金属基板41に対して腐蝕液でエッチングを施しても良い。これにより、金属基板41に厚み方向に貫通する複数の開口部13が形成される。なお、開口部13は、打ち抜き加工又は切削加工により形成されても良い。
続いて、図9(c)に示すように、中央部21の表面側に樹脂フィルム42を貼合する。樹脂フィルム42は、上述した凸部17の樹脂材料に対応するものである。樹脂フィルム42としては、ソルダーレジスト等の感光性樹脂を用いても良い。ソルダーレジストとしては、エポキシ系、アクリル系、イミド系の樹脂を用いても良い。あるいは、樹脂フィルム42に代えて液体レジストを用いても良い。
次いで、図9(d)に示すように、中央部21上の樹脂フィルム42に対してフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、樹脂フィルム42の一部が凸部17の樹脂材料を構成し、それ以外の樹脂フィルム42が除去される。なお、凸部17は、樹脂材料をディスペンサによって塗布することにより形成されても良く、あるいは印刷によって形成されても良い。
次に、図9(e)に示すように、中央部21の周囲に黒色層22を形成する。黒色層22は、中央部21の全周にわたって形成されても良く、中央部21の裏面を覆わないように形成されても良い。黒色層22は、塗装法、スパッタ法、蒸着法、電解めっき法等により形成されても良い。黒色層22は、例えばシリカ及びカーボンブラックを含有するエポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂からなる樹脂材料を用いても良く、あるいは例えば黒色ニッケル等の金属材料を用いても良い。なお、電解めっき法を用いる場合、黒色層22は、凸部17を除く領域に形成されても良い。
その後、金属基板41は例えばレーザーカットにより所望の大きさに個片化されても良い。例えば、図10に示すように、金属基板41は、外枠43と、吊り部44を介して外枠43に連結された画像表示装置用メッシュ部材10とを有していても良い。外枠43は、画像表示装置用メッシュ部材10の周囲を取り囲むように配置されている。この外枠43は、黒色層22を電解めっき法によって形成する場合にめっき給電用電極として用いられても良い。この場合、レーザーカットにより画像表示装置用メッシュ部材10と吊り部44との間を切断することにより、画像表示装置用メッシュ部材10が外枠43及び吊り部44から切り離される。
このようにして、図1及び図2に示す画像表示装置用メッシュ部材10が得られる。画像表示装置用メッシュ部材10は、複数の開口枠14、15と、開口枠14、15によって形成される複数の開口部13とを有するメッシュ状の本体部11と、本体部11の周囲に位置する張り出し部12と、を備えている。
次に、図9(f)に示すように、画像表示装置用メッシュ部材10は、配線基板51に接着される。このとき、画像表示装置用メッシュ部材10の各開口部13内に、それぞれ発光素子53が配置される。画像表示装置用メッシュ部材10の接着方法としては、透明粘着シート(OCA)、透明粘着剤(OCR)又ははんだを用いた接着法を挙げることができる。
このようにして、図3及び図4に示す画像表示装置用基板50が得られる。画像表示装置用基板50は、配線基板51と、配線基板51上に取り付けられた画像表示装置用メッシュ部材10と、画像表示装置用メッシュ部材10の各開口部13内に配置された発光素子53とを有している。
続いて、図9(g)に示すように、画像表示装置用基板50を複数配列することにより画像表示装置60を作製する。このとき、画像表示装置用基板50は、X方向及びY方向にそれぞれ複数枚ずつタイリングされる。この場合、互いに隣接する2つの画像表示装置用基板50のうち、一方の画像表示装置用基板50の張り出し部12が、他方の画像表示装置用基板50の張り出し部12よりも上方(Z方向プラス側)又は下方(Z方向マイナス側)に重なるようにする。これにより、X方向及びY方向のいずれの方向においても、画像表示装置用基板50の境界部分に存在する隙間を画像表示装置60の観察者側から見えないようにすることができる。
このように本実施の形態においては、画像表示装置60を作製する際、画像表示装置用メッシュ部材10の張り出し部12が、他の画像表示装置用メッシュ部材10の張り出し部12に重なるように配置される。これにより、画像表示装置用基板50の境界部分に存在する隙間を画像表示装置60の観察者側から見えないようにすることができる。また、張り出し部12の幅w、wは、開口枠14、15の幅w、wの0.4倍以上である。これにより、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合い、これらの境界部分の隙間を画像表示装置60の観察者側から見えないようにすることができる。さらに、張り出し部12の幅w、wは、開口枠14、15の幅w、wの1倍以下である。これにより、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、張り出し部12が隣接する画像表示装置用基板50の開口部13を覆わないようにすることができる。この結果、画像表示装置60の画質を良好にすることができる。
また張り出し部12は、本体部11と一体に形成され、本体部11と同一の厚みを有している。このため張り出し部12が必要以上に厚くなることがなく、画像表示装置用メッシュ部材10を薄型化することができる。また画像表示装置用基板50同士が重なり合った際にも、重なり合った部分の厚みは張り出し部12の厚みの2倍程度に抑えられるため、結果として画像表示装置60を薄型化することができる。
また本実施の形態によれば、少なくとも1つの開口枠14、15に、その長さ方向に沿って延びる凸部17が形成されている。この凸部17は、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、張り出し部12同士が重なることによって生じる段差に近似する。これにより、段差によって張り出し部12周辺に違和感が生じることを低減し、画像表示装置60の画質を良好にすることができる。
また本実施の形態によれば、複数の凸部17が等間隔に配置されているので、複数の凸部17が画像表示装置60の全体に違和感なく均一に配置される。これにより、上記段差に加えて、複数の凸部17が画像表示装置60の画面全体と調和し、画像表示装置60の画質を良好にすることができる。
また本実施の形態によれば、本体部11及び張り出し部12は、黒色となっている。これにより、画像表示装置用メッシュ部材10による光の反射が抑えられ、発光素子53からの光と黒色の画像表示装置用メッシュ部材10とのコントラストを良好にし、画像表示装置用基板50から鮮やかな画像を提供することができる。
さらに本実施の形態によれば、画像表示装置60は、互いに異なる大きさからなる複数種類の画像表示装置用基板50A、50Bを含んでおり、第1画像表示装置用基板50Aの張り出し部12は、第2画像表示装置用基板50Bの張り出し部12に対して上方に重なっている。この場合、第1画像表示装置用基板50Aと第2画像表示装置用基板50Bとは、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている。これにより、修理や交換等により、画像表示装置用基板50A、50Bを取り外す必要が生じた場合、画像表示装置用基板50を取り外す枚数を抑えられる。これにより、画像表示装置60のメンテナンス性を向上することができる。なお、比較例として図18に示すように、画像表示装置用基板50Zを所定の方向に連続的に重ねた場合、1つの画像表示装置用基板50Zを取り外そうとしたとき、当該画像表示装置用基板50Zに対して一方の側(図18では右側)に位置する画像表示装置用基板50Zを全て取り外す必要が生じてしまう。
(変形例)
次に、図11乃至図13を参照して、本実施の形態の各種変形例について説明する。
図11(a)(b)に示すように、張り出し部12には、段部19が設けられていても良い。段部19は、本体部11及び張り出し部12の他の部分よりも薄肉化された部分である。この段部19は、張り出し部12の表面側に設けられていても良く(図11(a))、張り出し部12の裏面側に設けられていても良い(図11(b))。段部19における張り出し部12の厚みt(Z方向の長さ)は、画像表示装置用メッシュ部材10の厚みtの40%以上80%以下としても良く、具体的には、例えば7μm以上28μm以下としても良い。段部19の幅wは、張り出し部12の幅w、wよりも狭く、具体的には、例えば20μm以上700μmとしても良く、40μm以上100μm以下とすることが好ましい。なお、段部19は、エッチング法により複数の開口部13とともに形成しても良く(図9(b)参照)、あるいは切削法により形成しても良い。
図12(a)(b)は、図11(a)(b)に示す画像表示装置用基板50を重ねた状態を示している。図12(a)に示すように、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、一方(図中左側)の画像表示装置用基板50の張り出し部12の裏面側に設けた段部19と、他方(図中右側)の画像表示装置用基板50の張り出し部12の表面側に設けた段部19とが互いに係合しても良い。これにより、張り出し部12同士が重なることによって生じる段差の影響を低減することができる。また、図12(b)に示すように、隣接する画像表示装置用基板50の張り出し部12がそれぞれ裏面側に段部19を有し、この張り出し部12同士が重なり合っても良い。この場合においても、張り出し部12同士が重なることによって生じる段差の影響を低減することができる。
図13(a)に示すように、画像表示装置用メッシュ部材10の張り出し部12の端部(外周12d側)に、複数の切欠部13aが形成されても良い。各切欠部13aの形状は、それぞれ開口部13の一部に対応する形状となっている。複数の切欠部13aは、張り出し部12の長手方向に沿って、発光素子53のピッチPと同一のピッチで配置されている。また張り出し部12の内周12cと切欠部13aの内側縁部との距離wは、第2開口枠15の幅wと同一にすることが好ましい(w=w)。
図13(b)は、図13(a)に示す画像表示装置用メッシュ部材10を有する画像表示装置用基板50を重ねた状態を示している。図13(b)に示すように、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、一方(図中左側)の画像表示装置用基板50の切欠部13aが、他方(図中右側)の画像表示装置用基板50の切欠部13aに重なる。この場合、張り出し部12同士が重なることによって生じる段差が、発光素子53の位置と同列となるので、段差の目立ち具合を低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図14乃至図17を参照して第2の実施の形態について説明する。図14乃至図17は第2の実施の形態を示す図である。図14乃至図17に示す第2の実施の形態は、主として、凸部17に代えて凹部18を形成した点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図14乃至図17において、図1乃至図13に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(画像表示装置用メッシュ部材の構成)
図14及び図15はそれぞれ本実施の形態による画像表示装置用メッシュ部材10を示す平面図及び断面図であり、図16は本実施の形態による画像表示装置用基板50を示す断面図である。
図14及び図15に示す画像表示装置用メッシュ部材10及び図16に示す画像表示装置用基板50において、一部の開口枠14、15(第1開口枠14及び第2開口枠15)に、その長さ方向(X方向、Y方向)に沿って延びる凹部18が形成されている。各凹部18は、それぞれ平面視で細長い棒形状を有し、開口枠14、15の表面から裏面側(Z方向マイナス側)に凹んでいる。第1開口枠14に形成された凹部18と第2開口枠15に形成された凹部18とは、交差部16上で直角に交わっている。また各凹部18の両端は、それぞれ開口枠14、15の長手方向の各端部まで延びており、さらに張り出し部12を横切るように延びていても良い。このように開口枠14、15に凹部18を形成している。これにより、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、観察者側から見た凹部18の見え方は、光の反射により隣接する画像表示装置用基板50同士の重なり部によって生じる段差の見え方に近似するので、段差による違和感を低減することができる。これにより、画像表示装置用基板50同士の境界部分が違和感なく画像表示装置60の画面全体と調和し、良好な画質を得ることができる。
また少なくとも本体部11上に位置する複数の凹部18は、平面視で等間隔かつ互いに平行に配置されている。この場合、複数の凹部18は、全ての開口枠14、15に形成されているのではなく、1つおきの開口枠14、15に形成されている。このように複数の凹部18を等間隔に配置したことにより、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、複数の凹部18が画像表示装置60の全体に違和感なく均一に配置されるので、複数の凹部18が画像表示装置60の画面全体と調和し、良好な画質を得ることができる。なお、凹部18は、少なくとも1つの開口枠14、15に形成されていれば良い。例えば凹部18は、n本(n≧2)おきの開口枠14、15に形成されていても良く、全ての開口枠14、15に形成されていても良い。
また、図示していないが、張り出し部12にも、その長手方向に沿って凹部18を形成しても良い。この場合、張り出し部12上の凹部18と他の凹部18とは、その幅や高さが異なっていても良い。具体的には、複数の画像表示装置用基板50をタイリングし、隣接する画像表示装置用基板50同士が重なり合った際、重なった張り出し部12周辺の見え方が他の凹部18の見え方と一致するように、張り出し部12上の凹部18の幅及び高さを調整しても良い。
複数の凹部18の幅wは互いに同一であり、開口枠14、15の幅w、wよりも狭くなっている(w<w(w))。具体的には、各凹部18の幅wは、0.01mm以上0.2mm以下としても良い。各凹部18の幅wとは、各凹部18をその長手方向(X方向、Y方向)に垂直な方向(Y方向、X方向)に測定した長さをいう。なお、各凹部18の幅wが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。
また複数の凹部18の深さD(Z方向の長さ)は互いに同一である。各凹部18の深さDは、画像表示装置用メッシュ部材10の厚みt(Z方向の長さ)の20%以上70%以下とすることが好ましく、50%以上70%以下とすることがより好ましい。具体的には、各凹部18の深さDは、0.001mm以上0.025mm以下としても良い。凹部18の深さDとは、開口枠14、15のうち凹部18が存在しない面を基準とし、凹部18を深さ方向(Z方向)に測定した長さをいう。なお、凹部18の深さDが場所によって変化する場合は、その最大値をいう。
(画像表示装置用メッシュ部材、画像表示装置用基板及び画像表示装置の製造方法)
次に、図14及び図15に示す画像表示装置用メッシュ部材10の製造方法、図16に示す画像表示装置用基板50の製造方法、及び画像表示装置60の製造方法について、図17(a)−(e)を用いて説明する。図17(a)−(e)において、図9(a)−(g)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、上述した図9(a)に示す工程と略同様にして、金属基板41を準備する(図17(a))。
次に、上述した図9(b)に示す工程と略同様にして、金属基板41に、例えばエッチングにより複数の開口部13を形成することにより中央部21を作製する。また、このときハーフエッチングにより、金属基板41の表面側から厚み方向の途中まで薄肉化することにより、開口枠14、15に対応する位置に凹部18を形成する(図17(b))。
続いて、上述した図9(e)に示す工程と略同様にして、中央部21の周囲に黒色層22を形成する(図17(c))。このとき黒色層22は、凹部18内にも形成されても良い。その後、中央部21は例えばレーザーカットにより所望の大きさに個片化されても良い。
このようにして、図14及び図15に示す画像表示装置用メッシュ部材10が得られる。
次に、上述した図9(f)に示す工程と略同様にして、画像表示装置用メッシュ部材10は、配線基板51に接着される。これにより、図16に示す画像表示装置用基板50が得られる。(図17(d))。
その後、上述した図9(g)に示す工程と略同様にして、画像表示装置用基板50を複数配列することにより画像表示装置60を作製する。
本実施の形態によれば、少なくとも1つの開口枠14、15に、その長さ方向に沿って延びる凹部18が形成されている。この凹部18は、複数の画像表示装置用基板50をタイリングした際、観察者側から見て、張り出し部12同士が重なることによって生じる段差に近似した見え方となる。これにより、段差によって張り出し部12周辺に違和感が生じることを低減し、画像表示装置60の画質を良好にすることができる。
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 画像表示装置用メッシュ部材
11 本体部
12 張り出し部
12a 第1張り出し部分
12b 第2張り出し部分
13 開口部
14 第1開口枠
15 第2開口枠
16 交差部
17 凸部
18 凹部
21 中央部
22 黒色層
50 画像表示装置用基板
51 配線基板
53 発光素子
60 画像表示装置

Claims (13)

  1. 画像表示装置用メッシュ部材において、
    複数の開口枠と、前記開口枠によって形成される開口部とを有するメッシュ状の本体部と、
    前記本体部の周囲に位置する張り出し部と、を備え、
    前記張り出し部の幅は、前記開口枠の幅の0.4倍以上である、画像表示装置用メッシュ部材。
  2. 少なくとも1つの開口枠に、前記開口枠の長さ方向に沿って延びる凸部が形成されている、請求項1記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  3. 前記凸部は複数形成され、少なくとも前記本体部上に位置する前記複数の凸部は等間隔に配置されている、請求項2記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  4. 前記凸部の高さは、前記張り出し部の厚みの0.5倍以上である、請求項2又は3記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  5. 前記凸部は、樹脂材料によって形成されている、請求項2乃至4のいずれか一項記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  6. 少なくとも1つの開口枠に、前記開口枠の長さ方向に沿って延びる凹部が形成されている、請求項1記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  7. 前記凹部は複数形成され、少なくとも前記本体部上に位置する前記複数の凹部は等間隔に配置されている、請求項6記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  8. 前記本体部及び前記張り出し部は、黒色である、請求項1乃至7のいずれか一項記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  9. 前記張り出し部のうち、前記画像表示装置用メッシュ部材の角部に対応する位置に切り落とし部が設けられている、請求項1乃至8のいずれか一項記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  10. 前記張り出し部には、段部が設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項記載の画像表示装置用メッシュ部材。
  11. 配線基板と、
    前記配線基板上に配置された、請求項1乃至10のいずれか一項記載の画像表示装置用メッシュ部材とを備えた、画像表示装置用基板。
  12. 請求項11記載の画像表示装置用基板を複数配列して構成した画像表示装置であって、
    互いに隣接する前記画像表示装置用基板の前記画像表示装置用メッシュ部材の前記張り出し部同士が重なり合っている、画像表示装置。
  13. 互いに異なる大きさからなる複数種類の前記画像表示装置用基板を含む、請求項12記載の画像表示装置。
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