JP2021162684A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着液の噴霧異常に起因する悪影響を抑制する。【解決手段】制御部10は、噴霧ユニット60のノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極80に印加される電圧が下限電圧値以上となるように、高電圧生成回路13を制御する。制御部10は、出力制御の実行中にノズル側検出回路15及び対向側検出回路16から受ける検出信号に基づく検出値が、異常であるか否かを判断し、検出値が異常であると判断した場合、エラー処理を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、定着液を噴霧する技術に関する。
特許文献1には、トナー像が形成されたシートに対して定着液を噴霧する画像形成装置が記載されている。
特開2017−68098号公報
画像形成装置において、ノズルから噴霧された定着液により意図しない経路に電流が流れ、定着液の噴霧異常が生じる場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、定着液の噴霧異常に起因する悪影響を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラム上のトナーをシートに転写する転写部材と、シートに転写されたトナーをシートに定着させるための定着液を噴霧する噴霧ユニットであって、定着液を収容可能な筐体と、筐体内の定着液をトナーが転写されたシートに噴霧するノズルと、筐体内の前記定着液を帯電させるノズル電極と、ノズル電極と間隔を隔てて位置する対向電極と、を有する噴霧ユニットと、ノズル電極及び対向電極に接続される電圧生成回路と、ノズル電極に流れる電流又はノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側検出回路と、対向電極に流れる電流又は対向電極に印加される電圧を検出する対向側検出回路と、制御部と、を備える。制御部は、ノズル電極に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極に印加される電圧が下限電圧値以上となるように、電圧生成回路を制御する出力制御を行い、出力制御の実行中にノズル側検出回路及び対向側検出回路から受ける検出信号に基づく検出値が、異常であるか否かを判断し、検出値が異常であると判断した場合、エラー処理を行う。
ノズルから定着液が噴霧された後、一部の定着液が対向電極に向かわずに別の方向に飛散して、画像形成装置の本体筐体の意図しない箇所に付着することにより、定着液を介してノズル電極から対向電極へ至る電流経路とは別の、意図しない電流経路が生じ、漏れ電流となる。このような漏れ電流が大きくなると、電圧生成回路による出力に影響を及ぼし、定着液の噴霧異常となる虞がある。定着液の噴霧異常となったにもかかわらず、例えば、シートに転写されたトナーへの定着液の噴霧を継続していると、シートへのトナーの定着不良が発生する可能性が大きくなる。上記構成では、制御部は、ノズル電極に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極に印加される電圧が下限電圧値以上となるように、電圧生成回路を制御する出力制御を行う。制御部は、出力制御の実行中に検出されるノズル側検出回路及び対向側検出回路から受ける検出信号に基づく検出値が、異常であるか否かを判断する。そして、制御部は、検出値が異常であると判断することに応じて、エラー処理を行う。これにより、漏れ電流が大きくなることに起因して電圧生成回路による出力に影響が及んだ場合に、エラー処理が実行されるため、定着液の噴霧異常に起因する悪影響を抑制することができる。
ノズル側検出回路は、ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、対向側検出回路は、対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、制御部は、出力制御において、ノズル側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、ノズル電極に流れる電流が下限電流値よりも大きい目標電流値となるように、電圧生成回路を目標電流値に制御する定電流制御と、対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御と、を行ってもよい。上記構成では、ノズルから噴霧される定着液の量を定める電流量を安定的に制御することができる。
ノズル側検出回路は、ノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側電圧検出回路を有し、対向側検出回路は、対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、制御部は、出力制御において、ノズル側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御と、対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御と、を行ってもよい。上記構成では、ノズルから定着液を噴霧させるための電界を安定的に形成することができる。
ノズル側検出回路は、ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を出力する対向側電流検出回路を有し、制御部は、ノズル側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、ノズル電極に流れる電流が下限電流値よりも大きい目標電流値となるように、電圧生成回路を制御する定電流制御と、対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に流れる電流が目標電流値となるように、電圧生成回路を制御する定電流制御と、を行ってもよい。上記構成では、ノズルから噴霧される定着液の量を定める電流量を安定的に制御することができる。
ノズル側検出回路は、ノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側電圧検出回路を有し、対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、制御部は、ノズル側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御と、対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に流れる電流が目標電流値となるように、電圧生成回路を制御する定電流制御と、を行ってもよい。上記構成では、ノズルから定着液を安定的に噴霧することができる。
対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路と、対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路と、を有し、制御部は、対向側電流検出回路から受ける検出信号と、対向側電圧検出回路から受ける検出信号とに基づいて、対向電極のインピーダンスを算出し、検出値が異常であるか否かを判断することは、算出された対向電極のインピーダンスが第1閾値以上になったか否かを判断することを含んでいてもよい。漏れ電流が大きくなるほど、対向電極のインピーダンスが大きくなる。上記構成では、算出されたインピーダンスを検出信号として用いることにより、検出値が異常であるか否かを定量的に判断することができるため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
制御部は、算出された対向電極のインピーダンスが第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、ノズル電極に流れる電流が目標電流値となるように、電圧生成回路を制御する定電流制御を行い、算出された対向電極のインピーダンスが第2閾値以上であり、かつ第1閾値未満であると判断した場合、ノズル電極に流れる電流が目標電流値よりも大きい第2目標電流値となるように、電圧生成回路を制御する定電流制御を行ってもよい。これにより、漏れ電流の発生を抑制しつつ、噴霧ユニットからの噴霧量が不足することを抑制しながらシートにトナーを転写することができる。
対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路と、対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路と、を有し、制御部は、対向側電流検出回路から受ける検出信号と、対向側電圧検出回路から受ける検出信号とに基づいて、対向電極のインピーダンスを算出し、検出値が異常であるか否かを判断することは、算出された対向電極のインピーダンスが第1閾値以上になったか否かを判断することを含んでいてもよい。これにより定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
制御部は、算出された対向電極のインピーダンスが閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御を行い、算出された対向電極のインピーダンスが第2閾値以上であり、かつ第1閾値未満であると判断した場合、ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値よりも大きい第2目標電圧値となるように、電圧生成回路を制御する定電圧制御を行ってもよい。これにより、漏れ電流の発生を抑制しつつ、噴霧ユニットからの噴霧量が不足することを抑制しながらシートにトナーを転写することができる。
対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、検出値が異常であるか否かを判断することは、対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に流れる電流が閾値未満になったか否かを判断することを含んでいてもよい。対向電圧生成回路の出力電圧を定電圧制御する場合、電流経路での漏れ電流が大きくなるほど、対向電極に流れる電流が少なくなる。上記構成では、対向電極に流れる電流を検出信号として用いることで、検出値が異常であるか否かを定量的に判断することができるため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
対向側検出回路は、対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、検出値が異常であるか否かを判断することは、対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、対向電極に印加される電圧が閾値以上になったか否かを判断することを含んでいてもよい。対向電圧生成回路の出力電流を定電流制御する場合、電流経路での漏れ電流が大きくなるほど、出力電流を目標電流値に制御するために、出力電圧が大きくなり、ひいては対向電極の電圧が大きくなる。上記構成では、対向電極の電圧を検出信号として用いることで、検出値が異常であるか否かを定量的に判断することができるため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
ノズル側検出回路は、ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、対向側検出回路は、対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、検出値が異常であるか否かを判断することは、ノズル側電流検出回路から受ける検出信号と、対向側電流検出回路から受ける検出信号とに基づいて、ノズル電極に流れる電流から対向電極に流れる電流を引いた電流の差が電流差閾値以上になったか否かを判断することを含む。漏れ電流が大きくなるほど、噴霧電極に流れる電流と、対向電極に流れる電流との間の電流の差が大きくなる。上記構成では、電極間に流れる電流の差を検出信号として用いることで、検出値が異常であるか否かを定量的に判断することができるため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
制御部は、電流の差が電流差閾値よりも小さい閾値未満である場合、第1デューティ比の指令信号を電圧生成回路に出力して、電圧生成回路にノズル電極に印加する電圧を生成させ、電流の差が電流差閾値よりも小さい閾値以上であり、かつ電流差閾値未満であると判断した場合、第1デューティ比よりも大きい第2デューティ比の指令信号を電圧生成回路に出力して、電圧生成回路にノズル電極に印加する電圧を生成させてもよい。
制御部は、シートが噴霧ユニットを通過していない期間に、検出値が異常であるか否かを判断してもよい。シートが噴霧ユニットを通過する期間では、シートが噴霧ユニットを通過していない期間と比べて、各電極に流れる電流の変化が大きくなる。上記構成では、各電極に流れる電流の変化が大きくならない期間に、検出値が異常であるか否かを判断するため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
本体筐体と、本体筐体に配置されるディスプレイであって、本体筐体の外に向けてメッセージを表示するディスプレイと、を備え、制御部が行うエラー処理は、前記検出値が異常であることに起因するメッセージをディスプレイに表示させることを含む。上記構成では利用者に、漏れ電流に起因する噴霧異常を報知することができる。
制御部が行うエラー処理は、電圧生成回路の駆動を停止させることを含んでいてもよい。これにより、漏れ電流が大きくなることに起因して電圧生成回路による出力に影響が及んだ場合に、エラー処理により、電圧生成回路での電圧の生成が停止されるため、ノズルから不安定な状態で定着液が噴霧されるのを抑制することができる。
プリンタの内部斜視図。 定着部の構成を説明する図。 プリンタの電気的構成を説明する図。 印刷処理の手順を説明する図。 インピーダンスと漏れ電流との関係を説明する図。 第2実施形態に係る印刷処理の手順を説明する図。 第3実施形態に係る印刷処理の手順を説明する図。 第4実施形態に係る印刷処理の手順を説明する図。 第5実施形態に係る印刷処理の手順を説明する図。
(第1実施形態)
本実施形態に係る画像形成装置を、プリンタを例に説明する。プリンタは、記録用紙やOHPシート等のシートにトナー像を形成するレーザプリンタである。なお、本実施形態では、プリンタは、単色のトナー像をシートに形成するレーザプリンタである。以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の左側を「前」とし、右側を「後」とし、上側を「上」とし、下側を「下」とする。
図1〜図3に示すように、プリンタ1は、本体筐体2と、シート供給部3と、プロセス部4と、定着部5と、排出ローラ7と、排出トレイ8と、制御部10と、高電圧生成回路13と、低電圧生成回路14とを備えている。本体筐体2は、上記各部3,4,5,7,10,13,14を収容する。本体筐体2は、後述する供給タンク51が着脱される際に開閉される図示しない筐体カバーを有している。本体筐体2の上面には、画像が形成されたシートSを支持する排出トレイ8が設けられている。
シート供給部3は、シートSを収容するシートトレイ30と、シートトレイ30上のシートを給紙する給紙ローラ31と、分離ローラ32と、搬送ローラ33と、レジストレーションローラ34と、シート押圧板35とを備えている。シート供給部3では、シートトレイ30内のシートSが、シート押圧板35によって給紙ローラ31に寄せられ、給紙ローラ31によって分離ローラ32に送られる。シートSは、分離ローラ32によって1枚に分離された後、搬送ローラ33によって搬送される。レジストレーションローラ34は、シートSの先端の位置を揃えた後、プロセス部4に向けてシートSを搬送する。
プロセス部4は、シートSにトナー像を形成する。プロセス部4は、感光ドラム41と、帯電器42と、転写ローラ43と、現像ローラ44と、供給ローラ45と、トナーを収容するトナー収容部46と、露光部47と、を備えている。本実施形態では、転写ローラ43が転写部材の一例である。
帯電器42は、感光ドラム41の表面を帯電させる。帯電器42には、高電圧生成回路13により正極の電圧が印加される(図3参照)。露光部47は、レーザ光源48、ポリゴンミラー49、及び符号を省略する反射鏡、及びレンズを備えている。
露光部47は、画像データに基づくレーザ光Lをレーザ光源48から出射し、帯電した感光ドラム41の表面を露光する。露光部47は、ポリゴンミラー49の回転に応じて感光ドラム41の表面をレーザ光Lで走査することにより、感光ドラム41に静電潜像を形成する。
供給ローラ45は、回転可能であり、トナー収容部46内のトナーを現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、回転可能であり、高電圧生成回路13により正極の電圧を印加される(図3参照)。現像ローラ44は、供給ローラ45から供給されたトナーを静電潜像が形成された感光ドラム41に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム41上に正極のトナー像が形成される。
転写ローラ43は、回転可能であり、高電圧生成回路13により負極の電圧を印加される(図3参照)。正極のトナー像が形成された感光ドラム41と、負極の電圧が印加された転写ローラ43は、シート供給部3から供給されたシートSを挟持しながら回転する。これにより、転写ローラ43は、感光ドラム41上に形成された正極のトナー像をシートS上に転写する。すなわち、転写ローラ43は、感光ドラム41上のトナーをシートS上に転写する。
トナー像が転写されたシートSは、感光ドラム41及び転写ローラ43によって、定着部5に搬送される。定着部5は、シートSに転写されたトナーをシートSに定着させるための定着液を噴霧して、シートSに形成されたトナー像を定着させる。図2に示すように、定着部5は、供給ユニット50と、噴霧ユニット60とを備えている。
供給ユニット50は、定着液を噴霧ユニット60の後述する筐体62に向けて供給する。供給ユニット50は、供給タンク51と、供給管52とを備えている。供給タンク51は、内部に定着液を収容している。供給タンク51は、本体筐体2に対して着脱可能に設けられている。供給管52は、供給タンク51が本体筐体2に装着された状態において、供給タンク51と接続され、供給タンク51に収容された定着液の通過を許容する。供給管52は、噴霧ユニット60の筐体62と接続されている。これにより、供給タンク51内の定着液は、供給管52を介して筐体62に供給される。
噴霧ユニット60は、シートに転写されたトナーをシートSに定着させるための定着液を噴霧する。噴霧ユニット60は、噴霧ヘッド61と、加圧部71と、ノズル電極80と、対向電極81とを備えている。噴霧ヘッド61は、シートSの搬送方向において、感光ドラム41よりも下流側に配置されている。なお、以下において、感光ドラム41から定着部5に至るシートSの経路を、単に搬送経路と称す。
噴霧ヘッド61は、シートSの搬送経路上方に配置され、トナーが転写されたシートSに向けて定着液を噴霧する。噴霧ヘッド61は、定着液を収容可能な筐体62と、ノズル63とを有している。筐体62は、下壁65と、前壁66と、後壁67とを有している。各壁65,66,67は、定着液が収容される収容空間64を形成している。筐体62は、供給管52を介して供給タンク51から供給される定着液を収容する。ノズル63は、筐体62内の定着液をトナーが転写されたシートSに噴霧する。ノズル63は、筐体62の下側に複数設けられている。具体的には、各ノズル63は、噴口を下に向けた状態で、下壁65に設けられている。下壁65には、複数の開口が形成されている。下壁65の各開口は、ノズル63内において定着液が流れるノズル流路と連通している。これにより、噴霧ヘッド61内には、収容空間64から下壁65の開口を介して各ノズル63のノズル流路に至る、定着液の流路が形成されている。
定着液として、噴霧ユニット60によって良好に噴霧され、かつ良好にトナーをシートSに定着できるように、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたものを使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系、脂肪族ジカルボン酸エステル系、脂肪族トリカルボン酸エステル系、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系、炭酸エステル系の各溶質を使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えてもよく、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。
加圧部71は、噴霧ヘッド61に接続されている。加圧部71は、筐体62に収容された定着液に圧力を加える装置である。具体的には、加圧部71は、筐体62内の空気を加圧する加圧ポンプ73と、筐体62内の圧力を減圧する減圧弁74とを有している。
ノズル電極80は、筐体62の収容空間64内に配置されている。本実施形態では、ノズル電極80には、高電圧生成回路13によりシートSに転写されたトナーと同極性となる電圧V1が印加される。本実施形態では、ノズル電極80には正極の電圧V1が印加される。これにより、ノズル電極80は、筐体62の収容空間64内の定着液を正極に帯電させることができる。
対向電極81は、噴霧ヘッド61よりも下側に、ノズル63の噴口に対して所定距離だけ離間した位置に配置されている。言い換えると、対向電極81は、ノズル電極80と間隔を隔てて位置する。本実施形態では、対向電極81は、シートSの搬送経路を挟んでノズル電極80の直下に配置されている。対向電極81には、ノズル電極80と対向電極81との間に電位差が形成されるように、高電圧生成回路13により電圧V2が印加される。本実施形態では、対向電極81には、高電圧生成回路13により電圧V1と異極性となる負極の電圧V2が印加される。
本実施形態では、搬送経路のうち、シートSに対して噴霧ユニット60により定着液が噴霧される領域を噴霧領域Aと称す。噴霧領域Aは、シートSに対して定着液が噴霧される領域であり、本実施形態では、噴霧ヘッド61の筐体62の前壁66の直下から後壁67の直下までの領域である。
上記構成の噴霧ユニット60では、ノズル電極80と対向電極81との間に電位差に伴う電界が形成される。また、加圧部71により加えられた圧力Pfによりノズル63の噴口から定着液が押し出される。ノズル63の噴口から押し出された定着液は、電界によりノズル63の噴口から対向電極81の向きに噴霧される。そのため、シートSが噴霧領域Aを通過することにより、シートSのトナー像が形成された面に定着液が噴霧される。
排出ローラ7は、シートSを排出トレイ8に排出するローラであり、シートSの搬送経路において定着部5よりも下流側に配置されている。定着部5の噴霧領域Aを通過し、噴霧ユニット60から噴霧された定着液によってトナー像が定着されたシートSは、排出ローラ7によって排出トレイ8に排出される。
次に、プリンタ1の電気的構成を、図3を用いて説明する。
プリンタ1は、制御部10と、高電圧生成回路13と、低電圧生成回路14と、を備えている。制御部10と、高電圧生成回路13と、低電圧生成回路14とは不図示の基板上に実装されている。
高電圧生成回路13は、低電圧生成回路14から供給された直流電圧を昇圧して、プリンタ1の各部に供給するための電圧を生成する。図3では、一例として、高電圧生成回路13は、帯電器42と、転写ローラ43と、現像ローラ44と、ノズル電極80と、対向電極81に接続されている。低電圧生成回路14は、例えば24Vの直流電圧を高電圧生成回路13等に供給する。
高電圧生成回路13は、電圧V1を生成するノズル電圧生成回路131と、電圧V2を生成する対向電圧生成回路132と、ノズル側検出回路15と、対向側検出回路16と、を備えている。
ノズル電圧生成回路131及び対向電圧生成回路132は、昇圧型の変換回路である。ノズル電圧生成回路131及び対向電圧生成回路132はそれぞれ、図示しないが、スイッチング素子、トランス、及び出力端子などを備えている。ノズル電圧生成回路131は、低電圧生成回路14に接続されており、ノズル電圧生成回路131の出力端子は、ノズル電極80に接続されている。ノズル電圧生成回路131は、制御部10から出力される第1指令信号により定められるデューティ比に応じて、スイッチング素子をオンオフ制御されることにより、低電圧生成回路14から供給された直流電圧をトランスで昇圧して電圧V1を生成する。ノズル電圧生成回路131により生成された電圧V1は、ノズル電極80に印加される。対向電圧生成回路132は、低電圧生成回路14に接続されており、対向電圧生成回路132の出力端子は、対向電極81に接続されている。対向電圧生成回路132は、制御部10から出力される第2指令信号により定められるデューティ比に応じて、スイッチング素子をオンオフ制御されることにより、低電圧生成回路14から供給された直流電圧をトランスで昇圧して電圧V2を生成する。対向電圧生成回路132により生成された電圧V2は対向電極81に印加される。本実施形態では、高電圧生成回路13が電圧生成回路の一例である。
ノズル側検出回路15は、ノズル側電流検出回路20とノズル側電圧検出回路21とを有しており、ノズル電極80に流れる電流及びノズル電極80に印加される電圧を検出する。ノズル側電流検出回路20は、ノズル電極80とノズル電圧生成回路131とを接続する配線に接続されており、ノズル電極80に流れる電流を電流検出信号Id1として検出する。ノズル側電圧検出回路21は、ノズル電極80に接続されており、ノズル電極80の電圧を電圧検出信号Vd1として検出する。
対向側検出回路16は、対向側電流検出回路22と、対向側電圧検出回路23とを有しており、対向電極81に流れる電流及び対向電極81に印加される電圧を検出する。対向側電流検出回路22は、対向電極81と対向電圧生成回路132とを接続する配線に接続されており、対向電極81に流れる電流を電流検出信号Id2として検出する。対向側電圧検出回路23は、対向電極81に接続されており、対向電極81の電圧を電圧検出信号Vd2として検出する。
制御部10は、不図示のCPUや、メモリを有している。CPUは、メモリに記憶されたプログラムに従って、プリンタ1を構成する各部を制御する。メモリは、前述のプログラムの他、電圧や時間に関する各種の設定値などを記憶している。
制御部10は、高電圧生成回路13、低電圧生成回路14、加圧部71、モータ90及びディスプレイ91を制御する。制御部10は、高電圧生成回路13からプロセス部4の各部42,43,44に出力される電圧を制御することにより、シートSにトナー像を形成させる。また、制御部10は、シートSに定着液を噴霧させる際に、高電圧生成回路13により生成された電圧V1,V2を各電極80,81に印加させる。このとき、制御部10は、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極80に印加される電圧V1が下限電圧値以上となるように、ノズル電圧生成回路131と対向電圧生成回路132との出力を制御する。この、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極80に印加される電圧V1が下限電圧値以上となるように、ノズル電圧生成回路131と対向電圧生成回路132との出力を制御することを、「出力制御」と呼ぶことがある。
具体的には、制御部10は、ノズル電圧生成回路131に対して、ノズル側電流検出回路20から受ける電流検出信号Id1に基づいて、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上の目標電流値となるように定電流制御を行う。詳細には、制御部10は、定電流制御において、ノズル側電流検出回路20により検出された電流検出信号Id1が目標電流値I1*に近づくように、ノズル電圧生成回路131に出力する第1指令信号のデューティ比を変更する。このとき、目標電流値I1*は、下限電流値を15[μA]とし、15[μA]〜100[μA]の範囲であることが好ましい。制御部10は、例えば、目標電流値を50[μA]となるように定電流制御を行うとよい。
制御部10は、対向電圧生成回路132に対して、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2に基づいて、対向電極81に印加される電圧が目標電圧値V2*となるように、対向電圧生成回路132に出力する第2指令信号のデューティ比を変更し、定電圧制御を行う。このとき、目標電圧値は、−4kV〜−1kVであることが好ましい。
制御部10は、ノズル側電圧検出回路21から受ける電圧検出信号Vd1に基づいて、ノズル電極80に印加される電圧が下限電圧値以上となるように、上記定電流制御及び定電圧制御を行う。このとき、下限電圧値を5[kV]とする。本実施形態では、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上となり、ノズル電極80の電圧が下限電圧値以上となるように、第1指令信号の目標電流値I1*と、第2指令信号の目標電圧値V2*との関係が定められている。具体的には、制御部10は、目標電流値I1*と目標電圧値V2*との関係を定めるテーブルをメモリに記憶しておき、制御部10はテーブルを参照することにより、各目標値I1*,V2*を判断すればよい。
モータ90は、プロセス部4の感光ドラム41や各種ローラを回転させたり、ポリゴンミラー49を回転させたりするための駆動源となる。なお、プリンタ1は、モータ90以外にも、感光ドラム41や各種ローラを回転させる複数のモータを備えていてもよい。
上記構成のプリンタ1において、噴霧ユニット60のノズル63から定着液が噴霧された後、一部の定着液が対向電極81に向かわずに別の方向に飛散して、本体筐体2の意図しない箇所に付着する場合がある。この場合、付着した定着液により意図しない電流経路が生じ、この電流経路に漏れ電流が流れることにより、噴霧ヘッド61の噴霧異常が生じることが懸念される。漏れ電流が大きくなると、制御部10によるノズル電圧生成回路131や対向電圧生成回路132の制御に影響を与え、ノズル電圧生成回路131や対向電圧生成回路132によって発生する電圧や電流が意図しない値となり、ノズル63からの定着液の噴霧量が不足したり、ノズル電極80と対向電極81との間で安定した電界を形成できずに不均一な噴霧となったりするためである。本実施形態では、漏れ電流に起因する噴霧ヘッド61の噴霧異常によって、ノズル電圧生成回路131や対向電圧生成回路132によって発生する電圧や電流が意図しない値となることに着目し、出力制御の実行中にノズル側検出回路15及び対向側検出回路16から受ける検出信号に基づく検出値が異常であるか否かを判断することにより、噴霧異常を検出し、検出値が異常であると判断した場合にエラー処理を行う。
次に、プリンタ1により実行される印刷処理の手順を、図4を用いて説明する。図4に示す処理は、制御部10が、シートSへのトナーの転写を開始させる印刷指令を受けたことを契機に実行される処理であり、主体の制御部10の記載を省略する。また、図4を用いた印刷処理の説明では、プロセス部4における感光ドラム41上のトナーをシートSに転写するための動作に関わる処理は省略し、主に定着部5における定着液を噴霧する動作に関わる処理について説明する。
ステップS11では、モータ90を回転させる。ステップS12では、ノズル電極80に印加する電圧V1を、ノズル電圧生成回路131に生成させる。具体的には、電流検出信号Id1が目標電流値に近づくように、第1指令信号により定められるデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第1指令信号をノズル電圧生成回路131に出力する。すなわち、ノズル電圧生成回路131を定電流制御する。これにより、ノズル電極80に流れる電流が目標電流値I1*に制御される。
ステップS13では、電圧V1の生成を開始してから所定の待機時間だけ待機する。本実施形態では、電圧V1がノズル電極80に印加されてから、ノズル電極80に流れる電流の値が目標電流値I1*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間である。ステップS14では、対向電極81に印加する電圧V2を、対向電圧生成回路132に生成させる。具体的には、電圧検出信号Vd2が目標電圧値V2*に近づくように、第2指令信号により定めるデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第2指令信号を対向電圧生成回路132に出力する。すなわち、対向電圧生成回路132を定電圧制御する。これにより、対向電極81の電圧が目標電圧値V2*に制御される。
ステップS15では、電圧V2の生成を開始してから所定の待機時間だけ待機する。本実施形態では、電圧V2が対向電極81に印加されてから、その電圧の値が目標電圧値V2*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間である。ノズル電極80と対向電極81との間の電位差に伴い生じる電界により、ノズル63の噴口から押し出された定着液は、シートSに転写されたトナーが噴霧領域Aに到達する前にノズル63から噴霧され始める。
ステップS16〜S19では、後述するステップS21での印刷処理に先だって、定着液を介してノズル電極80から対向電極81へ至る電流経路から漏れる漏れ電流の大きさを示す検出値を算出し、算出した検出値が異常であるか否かを判断する。これは、シートSが噴霧ユニット60(噴霧領域A)を通過する期間では、シートSが噴霧ユニット60を通過していない期間と比べて、各電極80,81に流れる電流の変化が大きくなる。そのため、各電極80,81に流れる電流の変化が小さい期間に漏れ電流の大きさの判断を行うことにより、漏れ電流の大きさの判定に与える影響を低減するためである。
ステップS16では、対向側電流検出回路22により検出された電流検出信号Id2、及び対向側電圧検出回路23により検出された電圧検出信号Vd2を取得する。ステップS17では、ステップS16で取得した電流検出信号Id2及び電圧検出信号Vd2を用いて対向電極81のインピーダンスZ(=Vd2/Id2)を検出値として算出する。
ステップS18では、ステップS17で算出したインピーダンスZが異常であるか、言い換えると、定着液を介してノズル電極80から対向電極81へ至る電流経路から漏れる漏れ電流が大きくなったか否かを判断する。図5は、横軸をインピーダンスZとし、縦軸を漏れ電流とした場合の両者の相関関係を示している。ノズル電極80から対向電極81に向けた電流経路から漏れる漏れ電流が大きくなるほど、対向電極81に流れる電流が少なくなる。すなわち、漏れ電流が大きくなるほど、対向電極81のインピーダンスZが大きくなる相関がある。そのため、本実施形態では、インピーダンスZが第1閾値TH1以上となる場合に、電流経路から漏れる漏れ電流が大きいと判断する。第1閾値TH1は、噴霧ユニット60に噴霧異常を生じさせる漏れ電流の下限値(LC)に対応するインピーダンスZである。
ステップS18を肯定判定する場合、ステップS22に進む。ステップS18を肯定判定する場合、インピーダンスZが異常であると判断できるため、ステップS22では、エラー処理として、噴霧ユニット60による定着液の噴霧を停止させる。具体的には、ノズル電圧生成回路131に電圧V1の生成を停止させ、対向電圧生成回路132に電圧V2の生成を停止させる。ステップS23では、エラー処理として、ディスプレイ91により、噴霧ユニット60の噴霧異常に伴うエラーメッセージを報知させる。ディスプレイ91により報知されるエラーメッセージは、例えば、噴霧ユニット60の噴霧異常を示す噴霧エラーメッセージや、噴霧ユニット60の清掃を利用者に促す清掃メッセージである。
一方、ステップS18を否定判定すると、ステップS19に進む。ステップS19では、対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1よりも小さい第2閾値TH2未満であるか否かを判断する。本実施形態では、インピーダンスZが第2閾値TH2未満である場合、そのまま、ステップS21に進む。すなわち、ノズル電極80に流れる電流が既に設定されている目標電流値I1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御する。第2閾値TH2は、例えば、第1閾値TH1よりも小さなインピーダンスZのうち、噴霧ユニット60に定着液の噴霧量が少ないことによる噴霧異常を生じさせるインピーダンスZの下限値である。
一方、ステップS19を否定判定した場合、すなわち、インピーダンスZが第2閾値TH2以上であり、かつ第1閾値TH1未満であると判定した場合、ステップS20に進む。ステップS20では、ノズル電極80に流れる電流が目標電流値I1*よりも大きい目標電流値となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御する。例えば、目標電流値I1*を、電流補正量AIだけ高い値に変更する。これにより、第1指令信号のデューティ比が増加し、ノズル電極80に流れる電流が増加される。
ステップS20を終了した場合、又はステップS19を肯定判定した場合、ステップS21に進む。ステップS21では、印刷処理を開始する。具体的には、給紙ローラ31により搬送されたシートSに対して、感光ドラム41に形成されたトナー像を転写させる。そして、トナー像が転写されたシートSが、噴霧領域Aを通過することにより、シートSに定着液が噴霧される。なお、印刷終了条件が成立した場合、噴霧ユニット60による定着液の噴霧が停止される。
ステップS21の処理又はステップS23の処理を終了すると、図4の印刷処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態では以下の効果を奏することができる。
制御部10は、噴霧ユニット60のノズル電極80に流れる電流が下限電流値以上となり、かつノズル電極80に印加される電圧V1が下限電圧値以上となるように、高電圧生成回路13を制御する。制御部10は、出力制御の実行中に、対向電極81のインピーダンスZが異常であるか否かを判断し、インピーダンスZが異常であると判断した場合、エラー処理を行う。これにより、定着液を介して意図しない電流経路に電流が流れることに起因して定着液の噴霧異常が生じた場合に、エラー処理が実行され、噴霧異常に起因する悪影響を抑制することができる。
・制御部は、ノズル側電流検出回路20から受ける電流検出信号Id1に基づいて、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値よりも大きい目標電流値I1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2に基づいて、対向電極81の電圧V2が目標電圧値V2*となるように、対向電圧生成回路132を制御する定電圧制御と、を行う。これにより、ノズル63から噴霧される定着液の量を定める電流量を安定的に制御することができる。
・制御部10は、ノズル側電流検出回路20から受ける電流検出信号Id1と、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2とに基づいて、対向電極81のインピーダンスZを算出する。算出された対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1以上になったか否かにより、インピーダンスZが異常であるか否かを判断する。これにより、検出値であるインピーダンスZの値を定量的に判断することができるため、定着液の噴霧異常の判定精度を高めることができる。
・制御部10は、対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1よりも小さい第2閾値TH2未満である場合、ノズル電極80に流れる電流が目標電流値I1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電極81のインピーダンスZが第2閾値TH2以上であり、かつ第1閾値TH1未満であると判断した場合、ノズル電極80に流れる電流が目標電流値I1*よりも大きい目標電流値となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御する。これにより、漏れ電流の発生を抑制しつつ、噴霧ユニットからの噴霧量が不足することを抑制しながらシートSにトナーを転写することができる。
・制御部10は、シートSが噴霧ユニット60を通過していない期間に、インピーダンスZが異常であるか否かを判断する。これによりインピーダンスZが異常であるか否かの判定精度を高めることができる。
・制御部10は、エラー処理として、漏れ電流が生じていることに起因するメッセージをディスプレイ91に表示させる。これにより、利用者に、漏れ電流に起因する噴霧異常を報知することができる。
制御部10は、エラー処理として、高電圧生成回路13の駆動を停止させる。これにより、漏れ電流が大きくなることに起因して高電圧生成回路による出力に影響が及んだ場合に、エラー処理により、高電圧生成回路13での電圧V1,V2の生成が停止されるため、ノズル63から不安定な状態で定着液が噴霧されるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第2実施形態において第1実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
第1実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電圧生成回路132を定電圧制御した。これに代えて、本実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御し、対向電圧生成回路132を定電圧制御する。本実施形態においても、制御部10は出力制御を行う。
本実施形態に係るプリンタ1により実行される印刷処理の手順を、図6を用いて説明する。図6を用いた印刷処理の説明においても、プロセス部4における感光ドラム41上のトナーをシートSに転写するための動作に関わる処理は省略し、主に定着部5における定着液を噴霧する動作に関わる処理について説明する。
ステップS11においてモータ90を回転させた後、ステップS30では、電圧検出信号Vd1が目標電圧値V1*に近づくように、第1指令信号により定めるデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第1指令信号をノズル電圧生成回路131に出力する。すなわち、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御する。これにより、ノズル電極80の電圧が目標電圧値V1*に制御される。
ステップS13において、電圧V1がノズル電極80に印加されてから、ノズル電極80の電圧の値が目標電圧値V1*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間、待機した後、ステップS31に進む。ステップS31では、電圧検出信号Vd2が目標電圧値V2*に近づくように、第2指令信号のデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第2指令信号を対向電圧生成回路132に出力する。すなわち、対向電圧生成回路132を定電圧制御する。これにより、対向電極81の電圧が、目標電圧値V2*に制御される。
ステップS15〜S17を経由した後、ステップS18において、対向電極81のインピーダンスZが、第1閾値TH1よりも小さいと判断すると、ステップS19に進む。ステップS19では、対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1よりも小さい第2閾値TH2未満であるか否かを判断する。ステップS19を肯定判定すると、ステップS21に進む。
一方、ステップS19を否定判定すると、ステップS32に進み、ノズル電極80の電圧が目標電圧値V1*よりも大きい目標電圧値となるように、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御する。例えば、目標電圧値V1*を所定電圧だけ高い値に変更する。本実施形態では、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御しているため、目標電圧値V1*を増加側に変更することにより、ノズル電極80に流れる電流を増加させて、インピーダンスZが大きいことに起因する噴霧ユニット60からの噴霧量の低下を抑制する。ステップS21では、印刷処理を開始する。
・以上説明した本実施形態では、制御部10は、ノズル側電圧検出回路21から受ける電圧検出信号Vd1に基づいて、ノズル電極80に印加される電圧V1が目標電圧値V1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御し、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2に基づいて、対向電極81に印加される電圧V2が目標電圧値V2*となるように、対向電圧生成回路132を定電圧制御する。これにより、ノズル63から定着液を噴霧させるための電界を安定的に形成することができる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態では、制御部10は、対向電極81のインピーダンスZが異常であるか否かを判断した。これに代えて、本実施形態では、制御部10は、検出値として対向電極81に流れる電流が異常であるか否かを判断する。これは、制御部10により対向電圧生成回路132が定電圧制御される場合、ノズル電極80から対向電極81に至る電流経路から漏れる漏れ電流が大きくなるほど、対向電極81に流れる電流が少なくなるためである。
本実施形態では、制御部10は、図6のステップS16において、電圧検出信Vd2及び電流検出信号Id2の取得に代えて、電流検出信号Id2を取得する。図6のステップS18において、インピーダンスZが第1閾値TH1以上であるのかの判断に代えて、電流検出信号Id2が所定の閾値未満になったか否かを判断する。ステップS18を肯定判定した場合に、ステップS22に進み、エラー処理を行う。一方、電流検出信号Id2が閾値以上であると判断した場合に、ステップS19又はステップS32に進む。この場合、ステップS17を抹消すればよい。
以上説明した本実施形態では、対向電極81に流れる電流を用いて検出値が異常であるか否かを定量的に判断することができるため、噴霧異常の判定精度を高めることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第3実施形態において第1実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
第1実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電圧生成回路132を定電圧制御した。これに代えて、本実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電圧生成回路132を定電流制御する。
本実施形態では、対向電極82に流れる電流の目標電流値I2*は、10[μA]〜80[μA]であることが好ましい。制御部10は、例えば、対向電極81に流れる電流が30[μA]となるように対向電圧生成回路132を定電流制御するとよい。本実施形態においても、制御部10は出力制御を行う。
本実施形態に係るプリンタ1により実行される印刷処理の手順を、図7を用いて説明する。図7を用いた印刷処理の説明においても、プロセス部4における感光ドラム41上のトナーをシートSに転写するための動作に関わる処理は省略し、主に定着部5における定着液を噴霧する動作に関わる処理について説明する。
ステップS11においてモータ90を回転させた後、ステップS12では、ノズル電圧生成回路131を定電流制御する。これにより、ノズル電極80に流れる電流I1が目標電流値I1*に制御される。
ステップS13を経由した後、ステップS41では、電流検出信号Id2を目標電流値I2*に近づけるように、第2指令信号により定めるデューティ比を調整し、デューティ比を調整後の第2指令信号を対向電圧生成回路132に出力する。すなわち、対向電圧生成回路132を定電流制御する。これにより、対向電極81に流れる電流が目標電流値I2*に制御される。
ステップS15において、電圧V2が対向電極81に印加されてから、対向電極81に流れる電流の値が目標電流値I2*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間、待機した後、ステップS16,S17を経由し、ステップS18に進む。ステップS18において、対向電極81のインピーダンスZが、第1閾値TH1以上となっているか否かを判断する。ここで、ノズル電極80から対向電極81に向けた電流経路から漏れる漏れ電流が大きくなるほど、対向電極81に電流が流れにくくなる。制御部10は、対向電極81に流れる電流の値が目標電流値I2*付近に安定させようと対向電圧生成回路132を定電流制御しているため、対向電圧生成回路132に出力する第2指令信号のデューティ比を大きくしていく。そのため、漏れ電流が大きくなるほど、対向電圧生成回路132の電圧が大きくなる。すなわち、漏れ電流が大きくなるほど、対向電極81のインピーダンスZが大きくなる相関がある。漏れ電流が大きく、ステップS18を肯定判定する場合、ステップS22に進む。一方、対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1よりも小さいと判断すると、ステップS19に進み、対向電極81のインピーダンスZが第2閾値TH2未満であるか否かを判断する。ステップS19を否定判定すると、ステップS20に進む。ステップS21では、印刷処理を開始する。
・以上説明した本実施形態では、制御部10は、ノズル側電流検出回路20から受ける電流検出信号Id1に基づいて、ノズル電極80に流れる電流が下限電流値よりも大きい目標電流値I1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向側電流検出回路22から受ける電流検出信号Id2に基づいて、対向電極81に流れる電流が目標電流値V2*となるように、対向電圧生成回路132を定電流制御する。これにより、噴霧ユニット60のノズル63から噴霧される定着液の量を定める電流量を安定的に制御することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第4実施形態において第1実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
第1実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電圧生成回路132を定電圧制御した。これに代えて、本実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御し、対向電圧生成回路132を定電流制御する。本実施形態においても、制御部10は出力制御を行う。
本実施形態に係るプリンタ1により実行される印刷処理の手順を、図8を用いて説明する。図8を用いた印刷処理の説明においても、プロセス部4における感光ドラム41上のトナーをシートSに転写するための動作に関わる処理は省略し、主に定着部5における定着液を噴霧する動作に関わる処理について説明する。
ステップS11においてモータ90を回転させた後、ステップS50では、電圧検出信号Vd1を目標電圧値V1*に近づけるように、第1指令信号により定めるデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第1指令信号をノズル電圧生成回路131に出力する。すなわち、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御する。
ステップS13において、電圧V1がノズル電極80に印加されてから、ノズル電極80の電圧の値が目標電圧値V1*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間、待機した後、ステップS51に進む。ステップS51では、電流検出信号Id2を目標電流値I2*に近づけるように、第2指令信号で定めるデューティ比を調整し、デューティ比を調整した第2指令信号を対向電圧生成回路132に出力する。すなわち、対向電圧生成回路132を定電流制御する。
ステップS15において、電圧V2が対向電極81に印加されてから、対向電極81に流れる電流の値が目標電流値I2*付近に安定するまでの時間として実験的に定められた時間、待機した後、ステップS16,S17を経由し、ステップS18に進む。ステップS18において、ステップS17で算出したインピーダンスZが第1閾値TH1以上となっているか否かを判断する。漏れ電流が大きく、ステップS18を肯定判定する場合、ステップS22に進む。一方、対向電極81のインピーダンスZが第1閾値TH1よりも小さいと判断すると、ステップS19に進み、インピーダンスZが第2閾値TH2未満であるか否かを判断する。ステップS19を否定判定すると、ステップS52に進み、ノズル電極80の電圧を示す電圧検出信号Vd1が目標電圧値V1*よりも大きい目標電圧値となるように、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御する。例えば、目標電圧値V1*を所定値だけ高い値に変更する。本実施形態では、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御しているため、目標電圧値V1*を増加側に変更することにより、ノズル電極80に流れる電流を増加させる。ステップS21では、印刷処理を開始する。
・以上説明した本実施形態では、制御部10は、ノズル側電圧検出回路21から受ける電圧検出信号Vd1に基づいて、ノズル電極80に印加される電圧V1が目標電圧値V1*となるように、ノズル電圧生成回路131を定電圧制御し、対向側電流検出回路22から受ける電流検出信号Id2に基づいて、対向電極81に流れる電流が目標電流値I1*となるように、対向電圧生成回路132を定電流制御する。これにより、噴霧ユニット60のノズル63から定着液を安定的に噴霧させることができる。
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態では、対向電極81のインピーダンスZが異常であるか否かを判断した。これに代えて、制御部10は、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2が異常であるか否かを判断してもよい。これは、制御部10が、対向電圧生成回路132の出力電流を定電流制御する場合、ノズル電極80から対向電極81に至る電流経路において、漏れ電流が大きくなるほど、出力電流を目標電流値に制御するために、出力電圧が大きくなる。このため、漏れ電流が大きくなるほど、対向電圧生成回路132において、対向電極81の電圧を示す電圧検出信号Vd2が大きくなるためである。
この場合において、図8のステップS16で、制御部10は、電圧検出信号Vd2及び電流検出信号Id2の取得に代えて、対向側電圧検出回路23から受ける電圧検出信号Vd2を取得する。ステップS18において、電圧検出信号Vd2が所定の閾値以上になったか否か判断し、肯定判定した場合に、ステップS22に進み、エラー処理を行えばよい。ステップS18において、電圧検出信号Vd2が閾値未満であると判断した場合、ステップS19又はステップS21に進めばよい。この場合、ステップS17を抹消すればよい。
以上説明した本実施形態では、対向電極81の電圧を示す電圧検出信号Vd2を用いて検出値を定量的に判断することができるため、噴霧異常の判定精度を高めることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第5実施形態において第1実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
第1実施形態では、制御部10は、ノズル電圧生成回路131を定電流制御し、対向電圧生成回路132を定電圧制御した。これに代えて、本実施形態では、制御部10は固定デューティ比の第1指令信号をノズル電圧生成回路131に出力し、固定デューティ比の第2指令信号を対向電圧生成回路132に出力する。即ち、本実施形態では、目標値に応じて、指令信号のデューティ比を変更しない。本実施形態においても、制御部10は出力制御を行う。
本実施形態に係るプリンタ1により実行される印刷処理の手順を、図9を用いて説明する。図9を用いた印刷処理の説明においても、プロセス部4における感光ドラム41上のトナーをシートSに転写するための動作に関わる処理は省略し、主に定着部5における定着液を噴霧する動作に関わる処理について説明する。
ステップS60では、ノズル電圧生成回路131に固定デューティ比(第1デューティ比)の第1指令信号を出力することにより、ノズル電圧生成回路131にノズル電極80に印加する電圧V1を生成させる。ステップS13を経由した後のステップS61では、対向電圧生成回路132に固定デューティ比の第2指令信号を出力することにより、対向電圧生成回路132に対向電極81に印加する電圧V2を生成させる。
ステップS15を経由した後、ステップS62では、ノズル側電流検出回路20により検出された電流検出信号Id1と、対向側電流検出回路22により検出された電流検出信号Id2とを取得する。ステップS63では、ステップS62で取得した各電流検出信号Id1,Id2の差である電流偏差DI(=Id1−Id2)を算出する。
ステップS64では、電流偏差DIが、電流差閾値TH3以上であるか否かを判断する。電流差閾値TH3は、噴霧ユニット60に噴霧異常を生じさせる漏れ電流の下限値であり、例えば、80[μA]以上であることが好ましい。電流偏差DIが電流差閾値TH3以上であると判断すると、ステップS22に進む。ステップS22では、エラー処理として噴霧ユニット60による定着液の噴霧を停止させる。
電流偏差DIが、電流差閾値TH3よりも小さいと判断すると、ステップS65に進み、電流偏差DIが、電流差閾値TH3よりも小さい閾値TH4未満であるか否かを判断する。閾値TH4は、例えば、電流差閾値TH3よりも小さな電流偏差DIのうち、噴霧ユニット60による定着液の噴霧量が少ないことによる噴霧異常を生じさせる場合の電流偏差DIの下限値である。
ステップS65を肯定判定すると、ステップS21に進む。すなわち、ノズル電圧生成回路131を第1デューティ比の第1指令信号で駆動させて電圧V1を生成させ、印刷処理を開始する。一方、ステップS65を否定判定すると、ステップS66に進み、第1指令信号により定める第1デューティ比を所定値だけ高い値である第2デューティ比に変更することにより、ノズル電極80に流れる電流を増加させる。第1指令信号のデューティ比を第2デューティ比に変更した後、ステップS21では、ノズル電圧生成回路131を第2デューティ比の第1指令信号で駆動させて電圧V1を生成させ、印刷処理を開始する。
以上説明した本実施形態では、制御部10は、ノズル側電流検出回路20から受ける電流検出信号Id1と、対向側電流検出回路22から受ける電流検出信号Id2とに基づいて、ノズル電極80に流れる電流から対向電極81に流れる電流を引いた値である電流偏差DIが電流差閾値TH3以上になったか否かを判断する。これにより、噴霧異常の判定精度を高めることができる。
制御部10は、電流偏差DIが閾値TH4未満である場合、第1デューティ比の指令信号をノズル電圧生成回路131に出力して、ノズル電圧生成回路131に電圧V1を生成させ、電流偏差DIが閾値TH4以上であり、かつ電流差閾値TH3未満であると判断した場合、第1デューティ比よりも大きい第2デューティ比の指令信号をノズル電圧生成回路131に出力して、ノズル電圧生成回路131に電圧V1を生成させる。これにより、漏れ電流の発生を抑制しつつ、噴霧ユニット60からの噴霧量が不足することを抑制しながらシートSにトナーを転写することができる。
(その他の実施形態)
本実施形態は、その要旨を変更しない範囲において様々な変形例が存在する。
・電圧生成回路は、ノズル電極80及び対向電極81に印加する電圧を生成する回路であればよく、低電圧生成回路14と、ノズル電極80と、対向電極81とに接続され、低電圧生成回路14が生成する電圧を昇圧し、ノズル電極80に印加する電圧V1及び対向電極81に印加する電圧V2を生成する高電圧生成回路13に限定されない。例えば、電圧生成回路は、交流電源200と、ノズル電極80と、対向電極81とに接続され、交流電源200からの交流電圧を直流電圧に変換し、電圧V1及び電圧V2を生成する回路であってもよい。
・ノズル電極80は、筐体62内の定着液を帯電させることができるものであればよく、収容空間64内に設けられていなくともよい。
・画像形成装置は、プリンタに限らず、プリンタとしての機能と、スキャナ又はファクシミリの機能とを備える複合機であってもよい。プリンタは、複数の色のトナー像をシートに形成するプリンタであってもよい。
・転写部材として転写ローラ43を例示したが、これに限定されず、例えば、転写部材は、帯電器42と同様の構成を有する転写チャージャなどであってもよい。
・制御部は、1つのCPUを有する単一のハードにより構成される以外にも、複数のCPUや、ASICといった複数のハードが組み合わさることにより、制御部としての機能を実現するものであってもよい。
1…プリンタ、4…プロセス部、5…定着部、10…制御部、13…高電圧生成回路、15…ノズル側検出回路、16…対向側検出回路、60…噴霧ユニット、62…筐体、63…ノズル、80…ノズル電極、81…対向電極

Claims (16)

  1. 感光ドラムと、
    前記感光ドラム上のトナーをシートに転写する転写部材と、
    シートに転写されたトナーをシートに定着させるための定着液を噴霧する噴霧ユニットであって、
    前記定着液を収容可能な筐体と、
    前記筐体内の前記定着液をトナーが転写されたシートに噴霧するノズルと、
    前記筐体内の前記定着液を帯電させるノズル電極と、
    前記ノズル電極と間隔を隔てて位置する対向電極と、
    を有する噴霧ユニットと、
    前記ノズル電極及び前記対向電極に接続される電圧生成回路と、
    前記ノズル電極に流れる電流又は前記ノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側検出回路と、
    前記対向電極に流れる電流又は前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側検出回路と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ノズル電極に流れる電流が下限電流値以上となり、かつ前記ノズル電極に印加される電圧が下限電圧値以上となるように、前記電圧生成回路を制御する出力制御を行い、
    前記出力制御の実行中に前記ノズル側検出回路及び前記対向側検出回路から受ける検出信号に基づく検出値が、異常であるか否かを判断し、
    前記検出値が異常であると判断した場合、エラー処理を行う画像形成装置。
  2. 前記ノズル側検出回路は、前記ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、
    前記対向側検出回路は、前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、
    前記制御部は、前記出力制御において、
    前記ノズル側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記ノズル電極に流れる電流が前記下限電流値よりも大きい目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御と、
    前記対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御と、を行う請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ノズル側検出回路は、前記ノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側電圧検出回路を有し、
    前記対向側検出回路は、前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、
    前記制御部は、前記出力制御において、
    前記ノズル側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御と、
    前記対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御と、を行う請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記ノズル側検出回路は、前記ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、
    前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を出力する対向側電流検出回路を有し、
    前記制御部は、
    前記ノズル側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記ノズル電極に流れる電流が前記下限電流値よりも大きい目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御と、
    前記対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に流れる電流が目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御と、を行う請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記ノズル側検出回路は、前記ノズル電極に印加される電圧を検出するノズル側電圧検出回路を有し、
    前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、
    前記制御部は、
    前記ノズル側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記ノズル電極に印加される電圧が目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御と、
    前記対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に流れる電流が目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御と、を行う請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路と、前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路と、を有し、
    前記制御部は、
    前記対向側電流検出回路から受ける検出信号と、前記対向側電圧検出回路から受ける検出信号とに基づいて、前記対向電極のインピーダンスを算出し、
    前記検出値が異常であるか否かを判断することは、算出された前記対向電極のインピーダンスが第1閾値以上になったか否かを判断することを含む請求項2又は4に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、
    算出された前記対向電極のインピーダンスが前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、前記ノズル電極に流れる電流が前記目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御を行い、
    算出された前記対向電極のインピーダンスが前記第2閾値以上であり、かつ前記第1閾値未満であると判断した場合、前記ノズル電極に流れる電流が前記目標電流値よりも大きい目標電流値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電流制御を行う請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路と、前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路と、を有し、
    前記制御部は、
    前記対向側電流検出回路から受ける検出信号と、前記対向側電圧検出回路から受ける検出信号とに基づいて、前記対向電極のインピーダンスを算出し、
    前記検出値が異常であるか否かを判断することは、算出された前記対向電極のインピーダンスが第1閾値以上になったか否かを判断することを含む請求項3又は5に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、
    算出された前記対向電極のインピーダンスが前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、前記ノズル電極に印加される電圧が前記目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御を行い、
    算出された前記対向電極のインピーダンスが前記第2閾値以上であり、かつ前記第1閾値未満であると判断した場合、前記ノズル電極に印加される電圧が前記目標電圧値よりも大きい目標電圧値となるように、前記電圧生成回路を制御する定電圧制御を行う請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、
    前記検出値が異常であるか否かを判断することは、前記対向側電流検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に流れる電流が所定の閾値未満になったか否かを判断することを含む請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  11. 前記対向側検出回路は、前記対向電極に印加される電圧を検出する対向側電圧検出回路を有し、
    前記検出値が異常であるか否かを判断することは、前記対向側電圧検出回路から受ける検出信号に基づいて、前記対向電極に印加される電圧が所定の閾値以上になったか否かを判断することを含む請求項4又は5に記載の画像形成装置。
  12. 前記ノズル側検出回路は、前記ノズル電極に流れる電流を検出するノズル側電流検出回路を有し、
    前記対向側検出回路は、前記対向電極に流れる電流を検出する対向側電流検出回路を有し、
    前記検出値が異常であるか否かを判断することは、前記ノズル側電流検出回路から受ける検出信号と、前記対向側電流検出回路から受ける検出信号とに基づいて、前記ノズル電極に流れる電流から前記対向電極に流れる電流を引いた電流の差が電流差閾値以上になったか否かを判断することを含む請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御部は、
    前記電流の差が前記電流差閾値よりも小さい閾値未満である場合、第1デューティ比の指令信号を前記電圧生成回路に出力して、前記電圧生成回路に前記ノズル電極に印加する電圧を生成させ、
    前記電流の差が前記電流差閾値よりも小さい閾値以上であり、かつ前記電流差閾値未満であると判断した場合、前記第1デューティ比よりも大きい第2デューティ比の指令信号を前記電圧生成回路に出力して、前記電圧生成回路に前記ノズル電極に印加する電圧を生成させる請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御部は、シートが前記噴霧ユニットを通過していない期間に、前記検出値が異常であるか否かを判断する請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 本体筐体と、
    前記本体筐体に配置されるディスプレイであって、前記本体筐体の外に向けてメッセージを表示するディスプレイと、を備え、
    前記制御部により行われる前記エラー処理は、前記検出値が異常であることに起因するメッセージを前記ディスプレイに表示させることを含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  16. 前記制御部により行われる前記エラー処理は、前記電圧生成回路の駆動を停止させることを含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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