JP2021162626A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、導電性支持体上に、正孔中和層と、正孔輸送材料を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層とをこの順に積層してなる構成を備えた正帯電型電子写真感光体であり、当該正孔中和層は、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないことを特徴とする正帯電型電子写真感光体を提案する。
[1]導電性支持体上に、正孔中和層と、正孔輸送材料を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層とをこの順に積層してなる構成を備えた正帯電型電子写真感光体であり、当該正孔中和層は、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないことを特徴とする正帯電型電子写真感光体である。
[2]前記正孔中和層は、少なくともバインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料とを含有することを特徴とする[1]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[3]前記バインダー樹脂が、ビニル樹脂であることを特徴とする[2]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[4]前記顔料は、平均一次粒子径が0.1μm~1.0μmであることを特徴とする[2]又は[3]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[5]前記顔料の含有量が、前記バインダー樹脂の含有量100質量部に対して50~400質量部である[2]乃至[4]のいずれかに記載の正帯電型電子写真感光体である。
[6]前記顔料が、有機顔料である[2]乃至[5]のいずれかに記載の正帯電型電子写真感光体。
[2]前記正孔中和層は、少なくともバインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料とを含有することを特徴とする[1]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[3]前記バインダー樹脂が、ビニル樹脂であることを特徴とする[2]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[4]前記顔料は、平均一次粒子径が0.1μm~1.0μmであることを特徴とする[2]又は[3]に記載の正帯電型電子写真感光体である。
[5]前記顔料の含有量が、前記バインダー樹脂の含有量100質量部に対して50~400質量部である[2]乃至[4]のいずれかに記載の正帯電型電子写真感光体である。
[6]前記顔料が、有機顔料である[2]乃至[5]のいずれかに記載の正帯電型電子写真感光体。
本発明が提案する感光体は、正帯電型感光体であるから、負帯電型感光体に比べて、解像度が高く、且つ、NOXやオゾンなどの酸化性ガスの発生を抑えることができる。また、電荷輸送層上に電荷発生層を積層してなる構成を備えた逆層型正帯電感光体であるから、正帯電単層型感光体に比べて、光感度特性に優れている。しかも、導電性支持体と電荷輸送層との間に正孔中和層を設けることにより、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電荷発生層で発生した正孔を電気的に中和させることができ、それでいて、電荷発生層及び電荷輸送層を透過してきた露光光、波長780nmの単色光によっては電荷を発生しないから、実用化可能なレベルまで電気特性を高めることができる。
さらには、本発明者らの検討によると、正孔中和層を設けることにより、逆層型感光層の接着性も両立することができる。
さらには、本発明者らの検討によると、正孔中和層を設けることにより、逆層型感光層の接着性も両立することができる。
<正孔中和層>
正孔中和層は、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電荷発生層で発生した正孔を電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない層であることが好ましい。
正孔中和層は、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電荷発生層で発生した正孔を電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない層であることが好ましい。
正孔中和層が「電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させることができる」か否かは、例えばp型半導体特性すなわち正孔の移動度によって判断することができる。但しこの方法に限定するものではない。なお、「電荷発生層で発生した正孔」とは、正孔中和層よりも表面側で発生した正孔であれば足り、必ずしも電荷発生層で発生した正孔であることを確認する必要は無い。
正孔中和層が「電荷発生層で発生した正孔を電気的に中和させることができる」か否かは、例えば感光体表面に正孔が帯電されたときに基体から誘起される電子を受け入れるn型半導体特性すなわち電子の移動度によって判断することができる。但しこの方法に限定するものではない。
正孔中和層が「波長780nmの単色光によって電荷を発生しない」か否かは、例えば正孔中和層を形成する塗布液や塗布膜の吸収スペクトルや、負帯電積層型の電荷発生層として代用したときの光減衰特性によって判断することができる。正孔中和層を形成する塗布液の吸収スペクトルを測定する場合、波長780nmにおける吸収ピークが、最大吸収波長における吸収ピークの20%以下であることから判断できる。負帯電積層型の電荷発生層として代用したときの光減衰特性を測定する場合、波長780nmの光照射によって光減衰曲線を得られないことから判断できる。但しこの方法に限定するものではない。
正孔中和層が「電荷発生層で発生した正孔を電気的に中和させることができる」か否かは、例えば感光体表面に正孔が帯電されたときに基体から誘起される電子を受け入れるn型半導体特性すなわち電子の移動度によって判断することができる。但しこの方法に限定するものではない。
正孔中和層が「波長780nmの単色光によって電荷を発生しない」か否かは、例えば正孔中和層を形成する塗布液や塗布膜の吸収スペクトルや、負帯電積層型の電荷発生層として代用したときの光減衰特性によって判断することができる。正孔中和層を形成する塗布液の吸収スペクトルを測定する場合、波長780nmにおける吸収ピークが、最大吸収波長における吸収ピークの20%以下であることから判断できる。負帯電積層型の電荷発生層として代用したときの光減衰特性を測定する場合、波長780nmの光照射によって光減衰曲線を得られないことから判断できる。但しこの方法に限定するものではない。
(正孔中和層の組成)
前記正孔中和層は、バインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料(この顔料を「顔料X」と称する)と、必要に応じてさらに分散剤、ブロッキング防止材などを含有するのが好ましい。
前記正孔中和層は、バインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料(この顔料を「顔料X」と称する)と、必要に応じてさらに分散剤、ブロッキング防止材などを含有するのが好ましい。
(顔料X)
正孔中和層が含有する顔料Xは、上述のように、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料Xであるのが好ましい。
正孔中和層が含有する顔料Xは、上述のように、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料Xであるのが好ましい。
アゾ化合物の中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないものを選択して用いるのが好ましい。例えば、下記構造式(1)で示されるトリスアゾ化合物は、波長780nmの単色光によって電荷を発生するため、これ以外のアゾ化合物を用いるのが好ましい。
アゾ化合物の中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生せず、且つ、分子内でのπ電子の広がりの観点から、オキサジアロール化合物やアクリドン化合物などのヘテロ環化合物や、フルオレンなどの多環化合物、トリフェニルアミンやビフェニレンなどの芳香環化合物であるビスアゾ化合物が好ましい。
[ペリレン]
上記ペリレンは、公知のものを使用することができる。中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないものを選択して使用するのが好ましい。
ペリレンの中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生せず、且つ、光安定性の観点から、例えば下記構造式(2)~(4)に示されるようなテトラカルボン酸ジイミド骨格を持つペリレンが好ましい。
上記ペリレンは、公知のものを使用することができる。中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないものを選択して使用するのが好ましい。
ペリレンの中でも、波長780nmの単色光によって電荷を発生せず、且つ、光安定性の観点から、例えば下記構造式(2)~(4)に示されるようなテトラカルボン酸ジイミド骨格を持つペリレンが好ましい。
[フタロシアニン]
上記フタロシアニンとしては、後述するように電荷発生材料として使用可能なものがある。
これに対し、正孔中和層で用いるフタロシアニンは、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないものであれば、使用することができる。
上記フタロシアニンとしては、後述するように電荷発生材料として使用可能なものがある。
これに対し、正孔中和層で用いるフタロシアニンは、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないものであれば、使用することができる。
(電荷発生材料)
電荷発生材料としては、例えばセレン及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とを挙げることができる。ただし、これらに限定するものではない。中でも、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。
電荷発生材料は、波長780nmの単色光によって電荷を発生する材料であるのが好ましい。
電荷発生材料は、何れか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。
電荷発生材料としては、例えばセレン及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とを挙げることができる。ただし、これらに限定するものではない。中でも、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。
電荷発生材料は、波長780nmの単色光によって電荷を発生する材料であるのが好ましい。
電荷発生材料は、何れか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。
<光感度特性の実験>
正孔中和層が、波長780nmの単色光によって電荷を発生するか否かについて、以下の方法で確認した。
実施例及び比較例で作製した正孔中和層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート(厚さ75μm)上に、バーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。この層上に実施例1で調製した電荷輸送層形成用塗布液を乾燥後の膜厚が25μmとなるよう塗布して電荷輸送層を形成し、積層型負帯電感光体を作製した。これらの感光体を、上記同様に電気特性測定装置に装着し、-700Vに帯電させて、780nmの単色光と550nmの単色光をそれぞれ照射して、表面電位が減衰する光減衰特性を測定した。結果を表1に示した。
フタロシアニン顔料以外は、780nmの単色光に光感度を持たないことから、780nmの単色光で電荷を発生しないことが推測できる。
正孔中和層が、波長780nmの単色光によって電荷を発生するか否かについて、以下の方法で確認した。
実施例及び比較例で作製した正孔中和層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート(厚さ75μm)上に、バーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。この層上に実施例1で調製した電荷輸送層形成用塗布液を乾燥後の膜厚が25μmとなるよう塗布して電荷輸送層を形成し、積層型負帯電感光体を作製した。これらの感光体を、上記同様に電気特性測定装置に装着し、-700Vに帯電させて、780nmの単色光と550nmの単色光をそれぞれ照射して、表面電位が減衰する光減衰特性を測定した。結果を表1に示した。
フタロシアニン顔料以外は、780nmの単色光に光感度を持たないことから、780nmの単色光で電荷を発生しないことが推測できる。
(考察)
上記実施例1~5で作製した感光体はいずれも、正孔輸送材料(HTM)を含有する電荷輸送層(CTL)上に、電荷発生材料(CGM)を含有する電荷発生層(CGL)を順次積層してなる構成の感光層を備えた逆層型正帯電感光体であり、当該正孔中和層が、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない感光体であり、実用可能なレベルまで電気特性を高めることができることを確認した。
上記実施例1~5で作製した感光体はいずれも、正孔輸送材料(HTM)を含有する電荷輸送層(CTL)上に、電荷発生材料(CGM)を含有する電荷発生層(CGL)を順次積層してなる構成の感光層を備えた逆層型正帯電感光体であり、当該正孔中和層が、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない感光体であり、実用可能なレベルまで電気特性を高めることができることを確認した。
また、上記実施例1~5で作製した感光体はいずれも、バインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料とを含有する正孔中和層を形成したものであり、このように正孔中和層を形成することにより、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないようにすることができることが分かった。
同時に、上記実施例1~5で作製した感光体はいずれも、感光層の高い接着性も両立することが分かった。
同時に、上記実施例1~5で作製した感光体はいずれも、感光層の高い接着性も両立することが分かった。
Claims (8)
- 導電性支持体上に、正孔中和層と、正孔輸送材料を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層とをこの順に積層してなる構成を備えた正帯電型電子写真感光体であり、
当該正孔中和層は、電荷発生層で発生した正孔を導電性支持体に移動させるか、若しくは、電気的に中和させることができ、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しないことを特徴とする正帯電型電子写真感光体。 - 前記正孔中和層は、少なくともバインダー樹脂と、バンドギャップが2.0eV~5.0eVであり、且つ、波長780nmの単色光によって電荷を発生しない顔料とを含有することを特徴とする請求項1に記載の正帯電型電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂が、ビニル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の正帯電型電子写真感光体。
- 前記顔料は、平均一次粒子径が0.1μm~1.0μmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の正帯電型電子写真感光体。
- 前記顔料の含有量が、前記バインダー樹脂の含有量100質量部に対して50~400質量部である請求項2乃至4のいずれか一項に記載の正帯電型電子写真感光体。
- 前記顔料が、有機顔料である請求項2乃至5のいずれか一項に記載の正帯電型電子写真感光体。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の正帯電型電子写真感光体を備えた電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の正帯電型電子写真感光体を備えた画像形成装置。
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