JP2021161209A - 変性天然ゴムおよびその製造方法、並びに制振ゴム組成物、制振ゴム部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等の実現に寄与することができる変性天然ゴムおよびその製造方法、並びに上記変性天然ゴムを主成分とする制振ゴム組成物および制振ゴム部材を提供する。【解決手段】天然ゴムの分子内にポリアミン化合物に由来する特定構造を導入した変性天然ゴム。【選択図】なし
Description
本発明は、新規の変性天然ゴムおよびその製造方法、並びに、上記変性天然ゴムを用いた制振ゴム組成物、制振ゴム部材に関するものである。
制振ゴム、防振ゴム等の技術分野においては、高耐久性、損失係数tanδ(ロスファクター)の制御、低動倍率化(動倍率〔動的ばね定数(Kd)/静的ばね定数(Ks)〕の値を小さくすること)が要求される。これらの要求を実現する制御因子として、一般に、制振ゴムや防振ゴムの組成物中に配合されるフィラーの、含有量、粒子径、分散性等が、大きく寄与すると言われており、各種検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、上記のような要求に応えるには、フィラーに関する要件だけでなく、ポリマー分子鎖の運動性も大いに関与することが知られている。特に、ポリマーの分子末端や、架橋等で拘束されていないポリマー分子鎖は、運動性の高い部分であるため、この部分の運動性を制御することが、制振ゴム、防振ゴム等において有効と考えられる。
制振ゴム、防振ゴムのポリマーとしては、一般に、天然ゴムが用いられている。天然ゴムの分子構造は、イソプレンの繰り返し構造であり、その末端基は、エステル基、水酸基等の反応性に乏しい官能基である。このような分子構造であることから、天然ゴムの分子鎖を拘束し、運動性を制御することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等の実現に寄与することができる変性天然ゴムおよびその製造方法、並びに制振ゴム組成物、制振ゴム部材の提供を、その目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、天然ゴムの分子内にポリアミン化合物に由来する特定構造を導入した、全く新規な変性天然ゴムを合成したところ、一般の天然ゴムに比べ分子運動性に乏しくなり、さらに、上記合成により天然ゴムに導入されたアミノ基がフィラーの分散性向上に寄与することを突き止めた。しかも、上記変性天然ゴムを使用したときに、カーボンブラック、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム等の幅広いフィラーに対して分散性向上効果が認められた。これらの結果より、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等が図られるようになることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を、その要旨とする。
[1] 天然ゴムの分子内に下記の化学式(α)に示す構造を有することを特徴とする変性天然ゴム。
[2] 上記化学式(α)に示す構造の割合が0.09〜9.1重量%である、[1]に記載の変性天然ゴム。
[3] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムの製造方法であって、天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程後の天然ゴムに下記の化学式(α)に示す構造を有するポリアミン化合物を添加して混練りを行う混練り工程とを備えることを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
[4] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムの製造方法であって、天然ゴムラテックスに下記の化学式(α)に示す構造を有するポリアミン化合物を添加して混合を行う添加工程と、上記添加工程後の混合物を乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程後の混合物の混練りを行う混練り工程とを備えることを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
[5] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムの製造方法であって、天然ゴムラテックスにラジカル発生剤を添加して天然ゴム分子鎖の切断を行う分子鎖切断工程と、上記分子鎖切断工程後の天然ゴムラテックスに下記の化学式(α)に示す構造を有するポリアミン化合物を添加して混合を行う変性工程と、上記変性工程後の天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程とを備えることを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
[6] 上記ポリアミン化合物の混合割合が、上記天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対し0.1〜10重量部である、[3]〜[5]のいずれかに記載の変性天然ゴムの製造方法。
[7] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムを主成分とすることを特徴とする制振ゴム組成物。
[8] [7]に記載の制振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする制振ゴム部材。
[1] 天然ゴムの分子内に下記の化学式(α)に示す構造を有することを特徴とする変性天然ゴム。
[3] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムの製造方法であって、天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程後の天然ゴムに下記の化学式(α)に示す構造を有するポリアミン化合物を添加して混練りを行う混練り工程とを備えることを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
[7] [1]または[2]に記載の変性天然ゴムを主成分とすることを特徴とする制振ゴム組成物。
[8] [7]に記載の制振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする制振ゴム部材。
本発明の変性天然ゴムは、その分子内にポリアミン化合物に由来する特定構造を導入した、全く新規な変性天然ゴムであることから、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等に寄与することができる。また、低動倍率化に対する従来技法であるフィラー粒径の増加、架橋密度の増加では、耐久性の大幅低減および熱老化特性の悪化がみられるが、本発明の変性天然ゴムにより、耐久性および熱老化特性を保持したまま低動倍率化を可能とすることができる。更に、上記変性天然ゴムの反応率を変えることによって容易にロスファクターを制御することが可能である。
そして、本発明の変性天然ゴムは、特に、制振ゴム組成物、制振ゴム部材の材料として、優れた性能を発揮することができる。また、本発明の変性天然ゴムは、その他、防振ゴム、タイヤ、建築物用制振材、建築物用免震材、卓球ラバー等の材料としても、優れた性能を発揮することができる。
そして、本発明の変性天然ゴムは、特に、制振ゴム組成物、制振ゴム部材の材料として、優れた性能を発揮することができる。また、本発明の変性天然ゴムは、その他、防振ゴム、タイヤ、建築物用制振材、建築物用免震材、卓球ラバー等の材料としても、優れた性能を発揮することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の変性天然ゴムは、従来にない全く新規なものであり、天然ゴムの分子内に下記の化学式(α)に示す構造を有することを特徴とする。なお、下記の化学式(α)に示す構造は、ポリアミン化合物由来の構造であり、ポリアミン化合物の分子鎖に複数の天然ゴム鎖が共重合的に結合したり、天然ゴム鎖がポリアミン化合物により変性されたりして、天然ゴムの分子内に導入されたものである。
上記化学式(α)において、R1、R2、R3は、同じであっても異なっていてもよい。また、R1、R2、R3は、炭素数2〜5のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2のアルキレン基(エチレン基)であることがより好ましい。
また、上記化学式(α)において、m、n、lは、0以上の整数であり、同じであっても異なっていてもよい。そして、m,n,lの合計は、好ましくは4〜300、より好ましくは4〜10である。
このように規定することにより、より本発明の課題を解決するのに優れるようになる。
また、上記化学式(α)において、m、n、lは、0以上の整数であり、同じであっても異なっていてもよい。そして、m,n,lの合計は、好ましくは4〜300、より好ましくは4〜10である。
このように規定することにより、より本発明の課題を解決するのに優れるようになる。
また、上記変性天然ゴムにおいて、上記化学式(α)に示す構造の割合(変性率)は、0.09〜9.1重量%であることが好ましい。上記変性率は、より好ましくは0.1〜7重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。このように規定することにより、より本発明の課題を解決するのに優れるようになる。
なお、上記変性率は、天然ゴム分子にアミン化合物が何重量%結合しているのかを示しており、下記の式により求めることができる。
変性天然ゴムの変性率=(ポリアミン化合物の添加量×反応率)/(ゴム固形分量+ポリアミン化合物の添加量)
なお、上記変性率は、天然ゴム分子にアミン化合物が何重量%結合しているのかを示しており、下記の式により求めることができる。
変性天然ゴムの変性率=(ポリアミン化合物の添加量×反応率)/(ゴム固形分量+ポリアミン化合物の添加量)
上記ポリアミン化合物の添加量は、後記のようにして変性天然ゴムを製造する際のポリアミン化合物の添加量である。また、上記反応率は、添加したアミン化合物(仕込み重量)の内の何重量%が反応したのか(天然ゴムの変性に使用されたのか)を測定したものであり、上記変性天然ゴムをメタノールに3日間浸漬した際のアミン化合物の抽出量から、添加したアミン化合物(仕込み重量)の内の何重量%のアミン化合物が抽出されるかを測定することにより求めることができる。
上記変性天然ゴムの反応率は、90〜100重量%であることが好ましい。そして、上記変性天然ゴムの反応率を変えることによって容易にロスファクターを制御することが可能である。低動倍率化とロスファクターの低減を両立するためには反応率を95〜100重量%にすればよく、より好ましくは97〜100重量%にすればよい。また、低動倍率化と高いロスファクターを求める際には、反応率を90〜94重量%にすればよく、より好ましくは90〜93重量%にすればよい。
上記のような変性天然ゴムは、例えば、下記の(1)〜(3)のいずれかの製造方法により調製することができる。
(1)天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程後の天然ゴムに特定のポリアミン化合物を添加して混練りを行う混練り工程とを備える、変性天然ゴムの製造方法。
(2)天然ゴムラテックスに特定のポリアミン化合物を添加して混合を行う添加工程と、上記添加工程後の混合物を乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程後の混合物の混練りを行う混練り工程とを備える、変性天然ゴムの製造方法。
(3)天然ゴムラテックスにラジカル発生剤を添加して天然ゴム分子鎖の切断を行う分子鎖切断工程と、上記分子鎖切断工程後の天然ゴムラテックスに特定のポリアミン化合物を添加して混合を行う変性工程と、上記変性工程後の天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程とを備える、変性天然ゴムの製造方法。
上記(1)〜(3)の製造方法に使用される特定のポリアミン化合物としては、下記の化学式(α)に示す構造を有するポリアミン化合物が用いられる。
上記化学式(α)において、R1、R2、R3は、同じであっても異なっていてもよい。また、R1、R2、R3は、炭素数2〜5のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2のアルキレン基(エチレン基)であることがより好ましい。
また、上記化学式(α)において、m,n,lの合計は、好ましくは4〜300、より好ましくは4〜10である。
このように規定することにより、より本発明の課題を解決するのに優れるようになる。
また、上記化学式(α)において、m,n,lの合計は、好ましくは4〜300、より好ましくは4〜10である。
このように規定することにより、より本発明の課題を解決するのに優れるようになる。
上記ポリアミン化合物は、1級アミンを2つ以上持つ上記化学式(α)に示す構造を有する化合物であり、例えば、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、テトラブチレンペンタミン、ブチレンジアミン、ジブチレントリアミン、ペンタブチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ジプロピレントリアミン、デカメチレンジアミン等のポリエチレンポリアミン、ポリブチレンポリアミンといった、ポリアルキレンポリアミンを用いることができる。また、異なるアルキレン基を有していても良く、スペルミン、スペルミジン、プトレスシン、ピペラジン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、ポリエチレンポリアミンを用いることが、本発明の課題を解決するのに優れた変性天然ゴムを製造する観点から好ましく、より好ましくは、数平均分子量(Mn)が200〜400のポリエチレンポリアミンである。
なお、上記ポリアミン化合物は、直鎖構造のものだけでなく、分岐構造を持っていてもよい。また、上記ポリアミン化合物の数平均分子量(Mn)は50〜100000であることが好ましく、より好ましくは、数平均分子量(Mn)が200〜400の範囲である。
なお、上記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、測定した値である。
なお、上記ポリアミン化合物は、直鎖構造のものだけでなく、分岐構造を持っていてもよい。また、上記ポリアミン化合物の数平均分子量(Mn)は50〜100000であることが好ましく、より好ましくは、数平均分子量(Mn)が200〜400の範囲である。
なお、上記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、測定した値である。
そして、前記(1)〜(3)の製造方法において、上記ポリアミン化合物の混合割合は、天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対し0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部、さらに好ましくは2〜4重量部の範囲である。すなわち、上記ポリアミン化合物の混合割合が少なすぎると、変性の効果が得られず、逆に多すぎると、ポリアミンが異物となり耐久性等に悪影響をおよぼすからである。
なお、前記(1)〜(3)の製造方法で使用されているような天然ゴムラテックスを使用せず、固形の天然ゴムを使用する場合は、固形の天然ゴム100重量部に対し、上記範囲でポリアミン化合物が混合される。
なお、前記(1)〜(3)の製造方法で使用されているような天然ゴムラテックスを使用せず、固形の天然ゴムを使用する場合は、固形の天然ゴム100重量部に対し、上記範囲でポリアミン化合物が混合される。
前記(1)の製造方法における、天然ゴムラテックスを乾燥させる乾燥工程は、例えば、酸凝固、風乾、オーブン乾燥、スプレードライヤー等の一般的な乾燥方法であれば限定しない。本製造方法においては、最も一般的な酸凝固法によるアミンとの反応による塩の生成が考えられるため、高温による瞬間乾燥で乾燥を実施することが好ましい。具体的には、140℃〜160℃の鉄板にラテックスを噴霧し約1分間乾燥すればよい。また、上記乾燥工程後の天然ゴムに特定のポリアミン化合物を添加して混練りを行う混練り工程は、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の練り機により、100〜130℃で、4〜5分間行われる。
また、前記(2)の製造方法における、天然ゴムラテックスに前記ポリアミン化合物を添加して混合を行う添加工程は、一般的な撹拌機により行えばよい。温度はラテックスの水分が凍らず、また沸騰しない温度であればよいが、必要なエネルギー等を加えなくてよいことから、室温(1〜30℃、好ましくは15〜25℃)での撹拌が望ましい。さらに、上記添加工程後の混合物を乾燥させる乾燥工程は、例えば、酸凝固、風乾、オーブン乾燥、スプレードライヤー等の一般的な乾燥方法を用いてよい。本製造方法においては、最も一般的な酸凝固法によるアミンとの反応による塩の生成が考えられるため、高温による瞬間乾燥で乾燥を実施することが好ましい。具体的には140℃〜160℃の鉄板にラテックスを噴霧し約1分間乾燥すればよい。そして、上記乾燥工程後の混合物の混練りを行う混練り工程は、例えばバンバリーミキサー、ニーダー等の練り機により、100〜130℃で、4〜5分間行われる。
また、前記(3)の製造方法における、天然ゴムラテックスにラジカル発生剤を添加して天然ゴム分子鎖の切断を行う分子鎖切断工程は、一般的な撹拌機により行えばよい。温度はラテックスの水分が凍らず、また沸騰しない温度であればよく、ラジカル発生剤の分解が進行する温度で行えばよい。さらに、上記分子鎖切断工程後の天然ゴムラテックスに前記ポリアミン化合物を添加して混合を行う変性工程は、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の練り機により、100〜130℃で、4〜5分間行われる。
ここで、上記分子鎖切断工程におけるラジカル発生剤の添加量は、天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1重量部の範囲である。
また、上記ラジカル発生剤としては、例えば、過酸化物系ラジカル発生剤、レドックス系ラジカル発生剤、アゾ系ラジカル発生剤から選ばれる一種以上を用いればよい。過酸化物系ラジカル発生剤としては、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等があげられる。レドックス系ラジカル発生剤として、過酸化物と組み合わされる還元剤には、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等があげられる。好適な組み合わせ例としては、TBHPOとTEPA、過酸化水素とFe2+塩(還元性金属イオン)、KPSと酸性亜硫酸ナトリウム等があげられる。アゾ系ラジカル発生剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸等があげられる。なかでも、少量でも効果が大きいことに加えて、反応温度による影響が小さく安定的に分子鎖切断が可能であるという理由から、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル(BPO)の少なくとも一つを用いることが望ましい。
なお、上記のようにラジカル発生剤を使用することにより、天然ゴムの分子鎖を切断し、アミノ基と反応するケトン基等の官能基を生成することで効率的にアミノ基の効果が期待でき、運動の高い末端基がより拘束されることから、低動倍率化の効果をより引き出すことができる。
ここで、上記分子鎖切断工程におけるラジカル発生剤の添加量は、天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1重量部の範囲である。
また、上記ラジカル発生剤としては、例えば、過酸化物系ラジカル発生剤、レドックス系ラジカル発生剤、アゾ系ラジカル発生剤から選ばれる一種以上を用いればよい。過酸化物系ラジカル発生剤としては、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等があげられる。レドックス系ラジカル発生剤として、過酸化物と組み合わされる還元剤には、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等があげられる。好適な組み合わせ例としては、TBHPOとTEPA、過酸化水素とFe2+塩(還元性金属イオン)、KPSと酸性亜硫酸ナトリウム等があげられる。アゾ系ラジカル発生剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸等があげられる。なかでも、少量でも効果が大きいことに加えて、反応温度による影響が小さく安定的に分子鎖切断が可能であるという理由から、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル(BPO)の少なくとも一つを用いることが望ましい。
なお、上記のようにラジカル発生剤を使用することにより、天然ゴムの分子鎖を切断し、アミノ基と反応するケトン基等の官能基を生成することで効率的にアミノ基の効果が期待でき、運動の高い末端基がより拘束されることから、低動倍率化の効果をより引き出すことができる。
そして、前記(1)〜(3)の製造方法のなかでも、前記(3)の製造方法が、本発明の課題を解決するのに優れた変性天然ゴムを容易に製造することができる観点から、より好ましい。
このようにして得られた本発明の変性天然ゴムは、各種ゴム製品の材料として使用することが可能であるが、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等に優れていることから、制振ゴム、防振ゴム、タイヤ、建築物用制振材、建築物用免震材、卓球ラバー等のポリマー材料として優れた性能を発揮することができる。
とりわけ、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等の要求が高く、さらに、フィラーとの相互作用による本発明の作用効果が有効に発揮されることから、本発明の変性天然ゴムは、制振ゴム組成物の主成分とすることが好ましい。なお、上記主成分とは、通常、上記制振ゴム組成物の50重量%以上のことを示す。
とりわけ、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等の要求が高く、さらに、フィラーとの相互作用による本発明の作用効果が有効に発揮されることから、本発明の変性天然ゴムは、制振ゴム組成物の主成分とすることが好ましい。なお、上記主成分とは、通常、上記制振ゴム組成物の50重量%以上のことを示す。
上記制振ゴム組成物は、例えば、本発明の変性天然ゴム100重量部に対し、カーボンブラック、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム等のフィラーを、5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部配合し、さらに、加硫剤(硫黄等)、加硫促進剤、加硫助剤(酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化マグネシウム等)、老化防止剤、プロセスオイル等を、必要に応じて適宜に含有させて混練りすることにより、調製することができる。上記混練に際しては、ニーダー,バンバリーミキサー,オープンロール,二軸スクリュー式撹拌機等の混練機が用いられる。
このようにして得られた本発明の制振ゴム組成物は、140〜170℃で5〜30分間加硫することにより制振ゴム部材(加硫体)となる。そして、本発明の制振ゴム組成物の加硫体からなる制振ゴム部材は、ガソリン自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の制振・防振材料として好ましく用いられるが、それ以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築物用制振材および建築物用免震材等の用途にも用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。また、以下の記述で「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴムラテックス(NRラテックス)〕
Latex Supply社製、ハイアンモニア天然ゴムラテックス
Latex Supply社製、ハイアンモニア天然ゴムラテックス
〔ラジカル発生剤〕
加硫酸カリウム(ADEKA社製)
加硫酸カリウム(ADEKA社製)
〔ポリアミン化合物(i)〕
日本触媒社製、SP−003
日本触媒社製、SP−003
〔ポリアミン化合物(ii)〕
テトラエチレンペンタミン(関東化学社製)
テトラエチレンペンタミン(関東化学社製)
〔酸化亜鉛〕
堺化学工業社製、酸化亜鉛二種
堺化学工業社製、酸化亜鉛二種
〔ステアリン酸〕
日油社製、ビーズステアリン酸さくら
日油社製、ビーズステアリン酸さくら
〔老化防止剤〕
住友化学社製、アンチゲン6C
住友化学社製、アンチゲン6C
〔カーボンブラック〕
東海カーボン社製、シーストSO
東海カーボン社製、シーストSO
〔プロセスオイル〕
日本サン石油社製、サンセン410
日本サン石油社製、サンセン410
〔加硫促進剤〕
三新化学社製、サンセラーCZ−G
三新化学社製、サンセラーCZ−G
〔硫黄(加硫剤)〕
軽井沢製錬所社製
軽井沢製錬所社製
[実施例1〜8、比較例1]
上記各材料を、後記の表1に示す割合で配合して混練りすることにより、ゴム組成物を調製した。
但し、天然ゴムラテックスを使用しているものに関しては、その天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対する各成分の割合を、後記の表1に示した。
また、上記ゴム組成物の調製方法は、下記の(I)〜(III)のいずれかであり、選択した調製方法を、後記の表1に併せて示した。なお、下記の調製方法に記載の材料が使用されていないために、下記の(I)〜(III)のいずれにも該当しないものに関しては、そのことを除いて同様の調製方法である下記の(I)〜(III)のいずれかを、後記の表1に示した。
上記各材料を、後記の表1に示す割合で配合して混練りすることにより、ゴム組成物を調製した。
但し、天然ゴムラテックスを使用しているものに関しては、その天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対する各成分の割合を、後記の表1に示した。
また、上記ゴム組成物の調製方法は、下記の(I)〜(III)のいずれかであり、選択した調製方法を、後記の表1に併せて示した。なお、下記の調製方法に記載の材料が使用されていないために、下記の(I)〜(III)のいずれにも該当しないものに関しては、そのことを除いて同様の調製方法である下記の(I)〜(III)のいずれかを、後記の表1に示した。
<調製方法(I)>
天然ゴムラテックスを、150℃に熱した鉄板に噴霧し、1分間乾燥させた後、ポリアミン化合物を含む加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間の混練りを行う。
さらに、上記のようにして得られた混練物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
天然ゴムラテックスを、150℃に熱した鉄板に噴霧し、1分間乾燥させた後、ポリアミン化合物を含む加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間の混練りを行う。
さらに、上記のようにして得られた混練物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
<調製方法(II)>
天然ゴムラテックスにポリアミン化合物を添加し、モーター式の小型撹拌機により、200rpm、室温(23℃)で2時間混合する。その後、150℃に熱した鉄板に、上記のようにして得られた混合物を噴霧し、1分間乾燥させる。
その後、上記のようにして得られた乾燥物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間の混練りを行い、さらに、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
天然ゴムラテックスにポリアミン化合物を添加し、モーター式の小型撹拌機により、200rpm、室温(23℃)で2時間混合する。その後、150℃に熱した鉄板に、上記のようにして得られた混合物を噴霧し、1分間乾燥させる。
その後、上記のようにして得られた乾燥物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間の混練りを行い、さらに、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
<調製方法(III)>
天然ゴムラテックスにラジカル発生剤およびポリアミン化合物を添加し、モーター式の小型撹拌機により、200rpm、室温(23℃)で2時間混合する。そして、上記のようにして得られた混合物を、150℃に熱した鉄板に噴霧し、1分間乾燥させる。
その後、上記のようにして得られた乾燥物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間混練りを行い、さらに、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
天然ゴムラテックスにラジカル発生剤およびポリアミン化合物を添加し、モーター式の小型撹拌機により、200rpm、室温(23℃)で2時間混合する。そして、上記のようにして得られた混合物を、150℃に熱した鉄板に噴霧し、1分間乾燥させる。
その後、上記のようにして得られた乾燥物に、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)以外の材料を全て加え、バンバリーミキサーにより、120℃で4分間混練りを行い、さらに、加硫促進剤および硫黄(加硫剤)を加えて、オープンロールにより60℃で5分間混練りを行うことにより、ゴム組成物を調製する。
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1に併せて示した。
なお、実施例のゴム組成物中の天然ゴム(NR)は、いずれも、前記化学式(α)に示す構造を有するものであり、後記の表1に示す「反応率」は、ゴム組成物をメタノールに3日間浸漬した際のアミン化合物の抽出量から、添加したアミン化合物(仕込み重量)の内の何%が天然ゴム(NR)の変性に使用されたのかを測定したものである。また、後記の表1に示す「NR変性率」は、下記の式により求めた値である。
NR変性率=(ポリアミン化合物の添加量×反応率)/(ゴム固形分量+ポリアミン化合物の添加量)
また、下記の基準に従って各特性の評価を行った後記の表1には、比較例1における各測定値を100としたときの、実施例における各測定値を指数換算したものを表記した。
後記の表1に示す、100%モジュラス、TB、EB、静ばね定数は、上記のように指数換算した値が90以上であればよく、高いほど望ましい。
なお、実施例のゴム組成物中の天然ゴム(NR)は、いずれも、前記化学式(α)に示す構造を有するものであり、後記の表1に示す「反応率」は、ゴム組成物をメタノールに3日間浸漬した際のアミン化合物の抽出量から、添加したアミン化合物(仕込み重量)の内の何%が天然ゴム(NR)の変性に使用されたのかを測定したものである。また、後記の表1に示す「NR変性率」は、下記の式により求めた値である。
NR変性率=(ポリアミン化合物の添加量×反応率)/(ゴム固形分量+ポリアミン化合物の添加量)
また、下記の基準に従って各特性の評価を行った後記の表1には、比較例1における各測定値を100としたときの、実施例における各測定値を指数換算したものを表記した。
後記の表1に示す、100%モジュラス、TB、EB、静ばね定数は、上記のように指数換算した値が90以上であればよく、高いほど望ましい。
≪100%モジュラス≫
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6250、JIS K 6251に準拠し、引張試験を実施した。
そして、23℃における100%伸び時の応力(100%モジュラス(MPa))を測定した。
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6250、JIS K 6251に準拠し、引張試験を実施した。
そして、23℃における100%伸び時の応力(100%モジュラス(MPa))を測定した。
≪常態時物性(TB、EB)≫
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから切り出したサンプルに対して、JIS K 6251:2010に準拠し、引張り強さ〔TB:破断点強度(MPa)〕、伸び〔EB:破断点伸び(%)〕をそれぞれ測定した。
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから切り出したサンプルに対して、JIS K 6251:2010に準拠し、引張り強さ〔TB:破断点強度(MPa)〕、伸び〔EB:破断点伸び(%)〕をそれぞれ測定した。
≪静ばね定数、動倍率≫
上記ゴム組成物を、150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。このテストピースの動ばね定数(Kd100)および静ばね定数(Ks)を、それぞれJIS K 6394に準じて測定した。その値をもとに、動倍率(Kd100/Ks)を算出した。
そして、動倍率の評価においては、比較例1の動倍率の値を下回るものを「○」と評価し、比較例1の動倍率の値以上であるものを「×」と評価した。
上記ゴム組成物を、150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。このテストピースの動ばね定数(Kd100)および静ばね定数(Ks)を、それぞれJIS K 6394に準じて測定した。その値をもとに、動倍率(Kd100/Ks)を算出した。
そして、動倍率の評価においては、比較例1の動倍率の値を下回るものを「○」と評価し、比較例1の動倍率の値以上であるものを「×」と評価した。
≪耐久性≫
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6260に準じてダンベル疲労試験(伸張試験)を行い、その破断時の伸張回数(破断時回数)を測定した。
そして、その破断時回数の値が、比較例1の破断時回数の値を上回るものを「○」と評価し、比較例1の破断時回数の値以下であるものを「×」と評価した。
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6260に準じてダンベル疲労試験(伸張試験)を行い、その破断時の伸張回数(破断時回数)を測定した。
そして、その破断時回数の値が、比較例1の破断時回数の値を上回るものを「○」と評価し、比較例1の破断時回数の値以下であるものを「×」と評価した。
≪耐熱老化性≫
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから切り出したサンプルを85℃×500時間熱老化させた後に、JIS K 6251:2010に準拠し、引張り強さ〔TB:破断点強度(MPa)〕を測定し、熱老化前の結果からの、下記の式に従い、測定値の変化率を求めた。
測定値の変化率=(熱老化後の引張り強さ/熱老化前の引張り強さ)×100
そして、その変化率の値が、90を上回るものを「○」と評価し、90以下であるものを「×」と評価した。
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して得られたシートから切り出したサンプルを85℃×500時間熱老化させた後に、JIS K 6251:2010に準拠し、引張り強さ〔TB:破断点強度(MPa)〕を測定し、熱老化前の結果からの、下記の式に従い、測定値の変化率を求めた。
測定値の変化率=(熱老化後の引張り強さ/熱老化前の引張り強さ)×100
そして、その変化率の値が、90を上回るものを「○」と評価し、90以下であるものを「×」と評価した。
≪減衰性≫
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K 6385に準じて、周波数15Hzでの損失係数(tanδ)を求めた。
上記ゴム組成物を150℃×20分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K 6385に準じて、周波数15Hzでの損失係数(tanδ)を求めた。
上記表1の結果から、実施例のゴム組成物の加硫体は、比較例1の制振ゴム組成物の加硫体に比べ、耐久性が高く、動倍率(Kd100/Ks)が低いことがわかる。また、実施例のゴム組成物の加硫体は、ポリアミン化合物の添加量と反応率を適宜設定することにより、容易に所望の減衰特性を設定することができた。すなわち、実施例1〜6は、減衰性評価において、tanδの値が比較例1の値を下回っており、低減衰を狙うことができており、実施例7〜8は、減衰性評価において、tanδの値が比較例1の値を上回っており、高減衰を狙うことができる結果となった。
そのため、実施例のゴム組成物は、制振ゴム組成物等として優れた性能を発揮することができると考えられる。
そのため、実施例のゴム組成物は、制振ゴム組成物等として優れた性能を発揮することができると考えられる。
本発明の変性天然ゴムは、各種ゴム製品の材料として使用することが可能であるが、高耐久性、ロスファクターの制御、低動倍率化等に優れていることから、制振ゴム、防振ゴム、タイヤ、建築物用制振材、建築物用免震材、卓球ラバー等のポリマー材料として優れた性能を発揮することができる。
Claims (8)
- 上記化学式(α)に示す構造の割合が0.09〜9.1重量%である、請求項1記載の変性天然ゴム。
- 上記ポリアミン化合物の混合割合が、上記天然ゴムラテックスに含まれる天然ゴム(固形分)100重量部に対し0.1〜10重量部である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の変性天然ゴムの製造方法。
- 請求項1または2記載の変性天然ゴムを主成分とすることを特徴とする制振ゴム組成物。
- 請求項7記載の制振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする制振ゴム部材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020063387A JP2021161209A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 変性天然ゴムおよびその製造方法、並びに制振ゴム組成物、制振ゴム部材 |
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