JP2021160460A - 伐倒作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる伐倒作業車両を提供する。【解決手段】本発明の伐倒作業車両は、車体2と、車体の左右に配置されるクローラユニット6と、を備え、クローラユニットは、クローラユニット本体20と、クローラユニット本体の外側に取付けられるクローラベルト22と、クローラユニット本体に設けられると共にクローラユニット本体を地形に合わせて揺動できるような揺動軸部材24と、車体と、クローラユニット本体における揺動軸部材より上方の上方側部分とを連結する連結装置26であって、連結装置は揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側にかかる荷重を調整するようになっている連結装置26と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、伐倒作業車両に係り、特に、山林の立木を伐倒する伐倒作業車両に関する。
従来、車体の左右にクローラユニットを備えた作業車両が知られている。
しかしながら、このような作業車両のクローラユニットは、不整地等の走行の際に、前部側及び後部側の荷重が偏り、地面に接地する部分が減って作業車両の走行性能が低下するという問題があった。
これに対し、本発明の発明者は、クローラユニット本体を揺動軸部材を中心に揺動させることにより地形に合わせてクローラユニット本体を走行させることを検討した。
しかしながら、依然として、上り傾斜の地形や下り傾斜の地形においてクローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重が偏る場合、クローラユニットの前部又は後部が浮き上がる等して、クローラユニットによる走行性能が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、伐倒作業車両が山林の傾斜地や切株や倒木が存在する土地等の不整地を走行する場合に、揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる伐倒作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、山林の立木を伐倒する伐倒作業車両であって、車体と、上記車体の左右に配置されるクローラユニットと、を備え、上記クローラユニットは、クローラユニット本体と、上記クローラユニット本体の外側に取付けられるクローラベルトと、上記クローラユニット本体に設けられると共に上記クローラユニット本体を地形に合わせて揺動できるような揺動軸部材と、上記車体と、上記クローラユニット本体における上記揺動軸部材より上方の上方側部分とを連結する連結装置であって、上記連結装置は上記揺動軸部材を中心に揺動する上記クローラユニット本体の前部側及び後部側にかかる荷重を調整するようになっている連結装置と、を備えている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、山林の木を伐倒する伐倒作業車両が、クローラユニット本体に設けられると共に上記クローラユニット本体を地形に合わせて回動できるような揺動軸部材と、車体と、クローラユニット本体における上記揺動軸部材より上方の上方側部分とを連結すると共に揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側にかかる荷重を調整するようになっている連結装置とを備えている。これにより、伐倒作業車両が山林の傾斜地や切株や倒木が存在する土地等の不整地を走行し、揺動軸部材が不整地の地形に合わせてクローラユニット本体を揺動する場合に、揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記連結装置は、前後方向に直線状に延び且つ伸縮可能な油圧シリンダ装置により構成される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、直線状に延び且つ伸縮可能な油圧シリンダ装置により、クローラユニット本体の荷重を前部側及び後部側に能動的に調整でき、クローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記クローラユニット本体は、上記クローラユニット本体の前方側に設けられる第1輪と、上記クローラユニット本体の後方側に設けられる第2輪と、上記クローラユニット本体において上記第1輪及び上記第2輪よりも上方側に設けられる第3輪と、上記第3輪の支持体よりもさらに上方まで延びる頂部支持体とを備え、上記連結装置は、上記クローラベルトより上方において上記頂部支持体と連結される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、クローラユニット本体は、第3輪の支持体よりもさらに上方まで延びる頂部支持体を備え、連結装置は、クローラベルトより上方において頂部支持体と連結されている。これにより連結装置はクローラユニット本体の頂部支持体を介してクローラユニット本体の第1輪側及び第2輪側にかかる荷重を調整でき、揺動軸部材を中心に揺動する上記クローラユニット本体の第1輪側及び第2輪側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、さらに、上記車体の前後方向において上記クローラユニットと反対側に設けられる車輪装置を備え、上記車輪装置は、上記車体の左右に配置される車輪と、右側の上記車輪と左側の上記車輪とを上記車体の側方向きまで方向変更できるステアリングユニットとを備え、右側の上記クローラユニット本体と、左側の上記クローラユニット本体とは上記クローラベルトの回転方向を互いに逆回転にできるように構成される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、ステアリングユニットが右側の上記車輪と左側の上記車輪とを車体の側方向きまで方向変更できると共に、右側の上記クローラユニット本体と、左側の上記クローラユニット本体とはクローラベルトの回転方向を互いに逆回転にできるように構成される。これにより、左右のクローラユニット本体の間の位置を中心として車体を旋回させるように移動できる。従って、伐倒作業車両が伐倒しようとする立木が左右のクローラユニット本体の間に位置する状態で、車体を立木を中心として旋回させるように移動でき、車体を大きく後退させずに立木に対する車体の位置を調整できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記クローラユニットは、上記車体から上記揺動軸部材まで延びると共に上記揺動軸部材を揺動可能に支持するアームと、上記アームの支持する上記揺動軸部材を上下に昇降させるようにアームの上下の角度を規定するアーム用油圧シリンダ装置と、を備えている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、アーム用油圧シリンダ装置がアームの上下の角度を規定し、クローラユニット本体に設けられる揺動軸部材がアームにより昇降できる。これにより、アーム用油圧シリンダ装置の操作によって、クローラユニット本体が車体に対して比較的簡易に昇降できる。よって、地形に合わせて車体の姿勢や車体の高さを比較的容易に調整でき、伐倒作業車両の不整地の走行性能を高めることができる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記クローラユニットの上記アームと上記アーム用油圧シリンダ装置は、上記車体の前方側の右側と左側とにそれぞれ一組ずつ配置され、右側の上記クローラユニット本体の高さと、左側の上記クローラユニット本体の高さとを独立して調整できるように構成される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、クローラユニットのアームとアーム用油圧シリンダ装置は、車体の前方側の右側と左側とにそれぞれ一組ずつ配置され、右側のクローラユニット本体の高さと、左側のクローラユニット本体の高さとを独立して調整できるように構成される。よって、車体の左右方向に傾斜している傾斜地上において、左右のクローラユニットが異なる高さにでき、車体が安定した状態で伐倒作業を行うことができると共に、車体の左右の重心の偏りを抑制し、安定した走行が可能になる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記車体の右側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての右側の上記クローラユニット本体の高さが調節されると共に、上記車体の左側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての左側の上記クローラユニット本体の高さが調節されることにより、上記車体の左右方向の傾斜が上記車体直下の上記地面の傾斜と異なる傾斜に調整される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、上記車体の右側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての右側の上記クローラユニット本体の高さが調節されると共に、上記車体の左側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての左側の上記クローラユニット本体の高さが調節されることにより、上記車体の左右方向の傾斜が上記車体直下の上記地面の傾斜と異なる傾斜に調整される。よって、車体の左右方向に傾斜している傾斜地上において車体が左右方向に比較的緩やかな傾斜となるように調整され、車体が安定した状態で伐倒作業を行うことができると共に、車体の左右の重心の偏りを抑制し、安定した走行や安定した作業、例えば搬送作業が可能になる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、さらに、上記車体の前方側に取付けられた伐倒装置を備え、上記伐倒装置は、右側の上記クローラユニットと左側の上記クローラユニットとの間に配置され、上記伐倒装置の地面からの高さが右側及び左側の上記クローラユニット本体の高さの調整により変更される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、伐倒装置の地面からの高さが右側及び左側のクローラユニット本体の高さの調整により変更される。よって、伐倒装置8が、立木を切断する高さ位置をクローラユニット本体の高さの調整により調整できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記伐倒装置は、立木を横から抱きかかえて保持するグラップル装置と、上記グラップル装置が立木を横から抱きかかえている状態で立木を横から切断する切断装置と、上記グラップル装置のグラップルが立木を横から抱きかかえている場合に、上記切断装置のカッターを上記グラップルの向きよりも下方に向けて調整できる姿勢調整機構とを備えている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、伐倒装置は、グラップル装置のグラップルが立木を横から抱きかかえている場合に、切断装置のカッターをグラップルの向きよりも下方に向けて調整できる姿勢調整機構を備えている。これにより、車体2が傾斜のある地面上に位置すると共に立木の上方から下方側の立木にアプローチしながら木を伐倒するとき、第2伐倒姿勢により地面とほぼ平行な切断面を形成するように立木を切断できる。よって、斜面の上側から見て比較的小さな高さを有するのに対し斜面の下側から見て比較的大きな高さを有する切り株が生じることを抑制し、再度このような切り株の根元を切断する等の手間が生じることを抑制できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記ステアリングユニットは、右側の上記車輪の中心と左側の上記車輪の中心とを結ぶ仮想軸線が地面の傾斜に沿うような傾きに右側及び左側の上記車輪を支持する。
このように構成された本発明の一実施形態においては、ステアリングユニットは、右側の上記車輪の中心と左側の上記車輪の中心とを結ぶ仮想軸線が地面の傾斜に沿うような傾きに右側及び左側の上記車輪を支持する。これにより、車体の左右方向に傾斜する傾斜面の地面上に伐倒作業車両があるとき、右側の車輪及び左側の車輪が地面の傾斜に沿って配置され、車輪と地面との設置部分を増やして伐倒作業車両の操舵性や走行安定性を向上させることができる。
本発明の伐倒作業車両によれば、伐倒作業車両が山林の傾斜地や切株や倒木が存在する土地等の不整地を走行する場合に、揺動軸部材を中心に揺動するクローラユニット本体の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両の走行性能を向上できる。
本発明の一実施形態による伐倒作業車両の側面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の上面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の正面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の側面図のうち伐倒装置を省略すると共にクローラユニット本体やクローラベルトの外形のみを示す概略図である。 図1のクローラユニット本体部分の概略部分拡大側面図である。 図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。 図1のクローラユニット本体部分を、第1アイドラ、第2アイドラ、スプロケット、油圧モータ及びトラックローラ等を省略した状態で車両の内側から見た図である。 図7のX−X線に沿った断面図である。 図7の第2アイドラと第4フレーム体とを前方から見た状態を示す概略部分拡大図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両が上り勾配の斜面上にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両が下り勾配の斜面上にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のクローラユニットが切り株等の障害物を乗り越える様子を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のクローラユニットが切り株等の障害物を乗り越える様子を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の油圧システムを説明する図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のグラップル装置を第1伐倒姿勢において下方から見た状態を示す底面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の切断装置の内部を第1伐倒姿勢において下方から見た状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の切断装置の内部を第1伐倒姿勢において正面から見た状態を示す概略正面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の姿勢調整機構を第1伐倒姿勢において側面から見た状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両を姿勢調整機構が搬送姿勢をとっている状態において上方から見た上面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両を姿勢調整機構が搬送姿勢をとっている状態において正面から見た正面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の姿勢調整機構を搬送姿勢において側面から見た状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の姿勢調整機構を第1伐倒姿勢において側面から見た状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両の姿勢調整機構を第2伐倒姿勢において側面から見た状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のスタビライズ装置が作用し、傾斜地上において、右側のクローラユニット本体の車体に対する高さと、左側のクローラユニット本体の車体に対する高さとを調整する様子を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のスタビライズ装置により車体に対する伐倒装置の高さが調整される様子を示す図である。 本発明の一実施形態による伐倒作業車両のスタビライズ装置により車体に対する伐倒装置の高さが調整される様子を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による伐倒作業車両について説明する。
図1は本発明の一実施形態による伐倒作業車両の側面図であり、図2は本発明の一実施形態による伐倒作業車両の上面図であり、図3は図1のIII−III線に沿った断面図であり、図4は図3のIV−IV線に沿った断面図であり、図5は本発明の一実施形態による伐倒作業車両の正面図であり、図6は本発明の一実施形態による伐倒作業車両の側面図のうち伐倒装置を省略すると共にクローラユニット本体やクローラベルトの外形のみを示すとともにより内側の構造を示す概略図である。
図1乃至図6に示すように、本発明の一実施形態による伐倒作業車両1は、山林の立木を伐倒する機能を有し、伐倒された木を引きずりながら搬送する機能を有する。伐倒作業車両1は不整地を走行できる自走式の走行装置である。
伐倒作業車両1は、車両の本体を形成する車体2と、車体2に設けられる車輪装置4と、車体2の左右に1つづつ配置されるクローラユニット6と、車体2の一方側である前方側に設けられた伐倒装置8と、を備えている。
以下、本発明の一実施形態における説明において、説明の便宜上、伐倒作業車両1が伐倒作業のため伐倒装置を立木に向けて進行する方向を前方側とし、伐倒作業車両1が搬出作業のため倒木した木を引きずって倒木した位置から離れる方向を後方側(前方側と反対方向側)としている。
次に、図3及び図4を参照して、車輪装置4について説明する。図3においては説明のため左側の車輪の接続構造を図示している。
車輪装置4は、車体2の右側と左側とに配置される車輪10と、右側及び左側の各車輪10を操舵する方向変更ユニットであるステアリングユニット12と、各車輪10を駆動する車輪用油圧モータ14とを備えている。
車輪10は不整地もある程度走行可能な走行用タイヤである。ステアリングユニット12は、方向変更ユニットであり、右側の車輪10と左側の車輪10とを車体2の側方向きまで方向変更できる。ステアリングユニット12は、右側の車輪10と左側の車輪10とをそれぞれ回動可能に支持すると共に左右の車輪10の内側から上方に延びる支持軸部16と、支持軸部16の方向を転換できるステアリング装置18とを備えている。支持軸部16は、支持軸部16の上部に支持軸スプロケット17を備えている。ステアリング装置18は、車体2の左右方向に延びると共に輪を形成しているチェーン19と、チェーン19の途中に設けられるチェーン用油圧シリンダ装置21と、を備えている。チェーン19は、左右の支持軸部16の上部の支持軸スプロケット17の外側に係合すると共にこれらの支持軸スプロケット17の間に張るように取付けられる。よって、チェーンが左右方向に移動することにより、支持軸部16が回動され、車輪10の舵角が変更される。チェーン用油圧シリンダ装置21は、後述する油圧システム44に接続されている。チェーン用油圧シリンダ装置21は、チェーン用油圧シリンダピストンロッド21aがチェーン用油圧シリンダチューブ21bに対し移動されるようになっており、チェーン用油圧シリンダピストンロッド21aがチェーン19の途中に設けられている。
作動油が油圧システム44からチェーン用油圧シリンダチューブ21bに流入する場合にチェーン用油圧シリンダピストンロッド21aがチェーン用油圧シリンダチューブ21bに対して一方向に移動しチェーンが一方向に回転され、支持軸部16が一方向向きに回動され、車輪10の舵角が一方向向きに変更される。
作動油がチェーン用油圧シリンダチューブ21bから油圧システムに流出する場合にチェーン用油圧シリンダピストンロッド21aがチェーン用油圧シリンダチューブ21bに対し他方向に移動され、チェーンが他方向に回転され、支持軸部16が他方向向きに回動され、車輪10の舵角が他方向向きに変更される。
ステアリング装置18は、さらに、左右の支持軸部16の上部の間を接続する横方向フレーム体23を備えている。横方向フレーム体23は中央において下方に延びる垂下部23aを備え、この垂下部の先端部には、枢軸23bが設けられている。横方向フレーム体23は枢軸23bにおいて左右方向に枢動可能に車体2に連結されている。よって、ステアリングユニット12は、後述する図26に示すように右側の車輪10の中心と左側の車輪10の中心とを結ぶ仮想軸線Aが地面Bの傾斜に沿うような傾きに右側の車輪10及び左側の車輪10を支持することができる。傾斜面の地面B上に伐倒作業車両1があるとき、車体2が後述するスタビライズ装置27によって水平に維持されるのに対し、右側の車輪10及び左側の車輪10が地面Bの傾斜に沿って配置され、車輪と地面との設置部分を増やして伐倒作業車両の操舵性や走行安定性を向上させることができる。
車輪用油圧モータ14は、右側の車輪10及び左側の車輪10のそれぞれに一つずつ取付けられている。車輪用油圧モータ14は、支持軸部16に支持される。車輪用油圧モータ14は、油圧で作動するモータであり、後述する油圧システム44に接続されている。
次に、図1、図7乃至図11を参照して、クローラユニットをより詳細に説明する。
クローラユニット6は、クローラユニット本体20と、クローラユニット本体20の外側に取付けられるクローラベルト22と、クローラユニット本体20に設けられると共にクローラユニット本体20を地形に合わせて揺動できるような揺動軸部材24と、車体2と、クローラユニット本体20における揺動軸部材24より上方の上方側部分とを連結する連結装置であるクローラ用油圧シリンダ装置26と、車体2を安定化させるスタビライズ装置27とを備えている。クローラユニット6は、車体2の前方側の右側と左側とに配置され、右側のクローラユニット本体20の車体2に対する高さと、左側のクローラユニット本体20の車体2に対する高さとを独立して能動的に制御できるように構成される。
クローラユニット本体20は、クローラユニット本体20の前方側に設けられる第1輪である第1アイドラ28と、クローラユニット本体20の後方側に設けられる第2輪である第2アイドラ30と、クローラユニット本体20において第1アイドラ28及び第2アイドラ30よりも上方側に設けられる第3輪であるスプロケット32と、スプロケット32を駆動する油圧モータ33と、クローラユニット本体20の下方側に設けられるトラックローラ35と、クローラベルト22より上方からスプロケット32の周囲まで延びる第1フレーム体34と、第1フレーム体34と連結されると共にクローラユニット本体20の外側の表側まで延び、さらに下方まで垂下する第2フレーム体36と、第1フレーム体34と連結されると共にクローラユニット本体20の内側の裏側において下方まで垂下する第3フレーム体38と、第2アイドラ30を間に支持する第4フレーム体40と、第2フレーム体36と第3フレーム体38との間に設けられると共にこれらのフレーム体と第2アイドラ30との間に延びるテンション用油圧シリンダ装置42と、を備えている。
第1アイドラ28は、従動輪であり、クローラユニット本体20の前端部に配置される。第1アイドラ28は、後述するように側面視で概ね三角形状の外形を形成するクローラベルト22の前部の形状を形成する。第1アイドラ28は、第2フレーム体36の前端部と、第3フレーム体38の前端部との間に配置され、回転可能に支持されている。第1アイドラ28は、後述するようにクローラ用油圧シリンダ装置26が延伸しクローラユニット本体20の前部側に下方向きの荷重をかけるとき、第2フレーム体36及び第3フレーム体38から伝わる下方向きの荷重を第1アイドラ28から前方側のクローラベルト22にかける荷重伝達部の機能を有する。
第2アイドラ30は、従動輪であり、クローラユニット本体20の後端部に配置される。第2アイドラ30は、後述するように側面視で概ね三角形状の外形を形成するクローラベルト22の後部の形状を形成する。第2アイドラ30は、第4フレーム体40の後端部の間に配置され、回転可能に支持されている。第2アイドラ30は、後述するようにクローラ用油圧シリンダ装置26が縮みクローラユニット本体20の後部側に下方向きの荷重をかけるとき、第2フレーム体36及び第3フレーム体38から第4フレーム体40及びテンション用油圧シリンダ装置42を介して伝わる下方向きの荷重を第2アイドラ30から後方側のクローラベルト22にかける荷重伝達部の機能を有する。
スプロケット32は、全周にわたり歯車状に外歯32aが形成されている。スプロケット32は、駆動輪を形成する。スプロケット32は、クローラベルト22と係合し、スプロケット32の回転に合わせてクローラベルト22を駆動させる。スプロケット32は、油圧モータ33に固定され、油圧モータ33により回転駆動される。スプロケット32は、第1アイドラ28と、第2アイドラ30と三角配置に配置され、スプロケット32は、三角形の上側の頂点を形成する。
油圧モータ33は、第1フレーム体34の下部の取付部34aに取付けられている。油圧モータ33の駆動軸33aにスプロケット32が取付けられ、スプロケット32が回転駆動される。油圧モータ33には、油圧システム44から延びる油圧回路48が接続されている。油圧モータ33は、油圧回路48から供給される油圧により作動され、原動機として駆動軸33aを回転駆動させる。油圧モータ33は、方向切換弁54により油圧回路48から供給される油圧の流れの向きを変えることにより、駆動軸33aの正回転と逆回転を切り替えられるように形成されている。油圧モータ33が各スプロケット32に対して設けられているので、右側のクローラユニット本体20のスプロケット32の回転方向と、左側のクローラユニット本体20のスプロケット32の回転方向とを逆回転となるように設定できる。すなわち、右側のクローラユニット本体6と、左側のクローラユニット本体6とはクローラベルト22の回転方向を互いに逆回転にできるように構成されている。
トラックローラ35は、従動輪であり、第2フレーム体36の下端部と、第3フレーム体38の下端部との間に配置され、回転可能に支持されている。トラックローラ35は、4つのトラックローラが均等な間隔で同じ高さに配置されている。トラックローラ35は、上面視で、スプロケット32と第1アイドラ28との間に2つ配置され、スプロケット32と第2アイドラ30との間に2つ配置されている。トラックローラ35は、三角形のクローラベルト22の底辺に位置する。
図8に示すように、第1フレーム体34は、クローラベルト22の内側に形成されると共にクローラベルト22の上方まで突出する頂部支持体である頂部フレーム34bと、頂部フレーム34bの下端部から車体2の外側に向けて水平に延びた後、スプロケット32の近傍において下方に垂下する取付部34aとを備えている。第1フレーム体34は、例えば鉄などの金属製である。第1フレーム体34は、スプロケット32の支持体を構成している。
頂部フレーム34bは、平板状に形成され、鉛直方向に延びている。頂部フレーム34bは、その頂部の連結部34cにおいてクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aと枢動可能に連結されている。連結部34cは、クローラベルト22の上方に位置し、さらに、車体2の半分以上のフレームよりも高い高さに位置し、枢軸106や枢軸91よりも高い高さに位置する。なお、連結部34cは、クローラベルト22より下方側に位置してもよい。
取付部34aは、円形の開口34dを形成し、この開口に油圧モータ33の内側が挿入された状態で油圧モータ33が固定される。取付部34aは、第2フレーム体36及び第3フレーム体38とも接続される。よって、第1フレーム体34、第2フレーム体36及び第3フレーム体38は、一体のフレーム構造を形成している。
第2フレーム体36は、その上部において取付部34aと接続され、スプロケット32の内側から外側(第1アイドラ28やトラックローラ35よりも外側)まで水平に延びた後、垂下するように形成される。第2フレーム体36は、第1アイドラ28の外側の側方から第2アイドラ30の手前側までの外側を覆うような平板状の外面パネルを形成している。第2フレーム体36は、スプロケット32の真下の位置に開口部36aを形成し、この開口部36aに揺動軸部材24が取付けられている。第2フレーム体36は、揺動軸部材24に対し、自由に揺動できるようになっている。
第3フレーム体38は、その上部において取付部34aと接続され、スプロケット32の内側(第1アイドラ28やトラックローラ35よりも内側)を垂下するように形成される。第3フレーム体38は、第1アイドラ28の内側の側方から第2アイドラ30の前方側までの内側を覆うような平板状の内面パネルを形成している。第3フレーム体38は、スプロケット32の真下の位置に開口部38aを形成し、この開口部38aに揺動軸部材24が取付けられている。第3フレーム体38は、揺動軸部材24に対し、自由に揺動できるようになっている。第1フレーム体34、第2フレーム体36及び第3フレーム体38は、側面視で一体のT字状構造体を形成する。このようなT字状構造体が全体として揺動軸部材24を中心に揺動する。
第4フレーム体40は、上面視で、自身の2枚のプレートの間に第2アイドラ30を回動可能に支持するように形成されている。第4フレーム体40は、第2フレーム体36及び第3フレーム体38の後方側に配置される。第4フレーム体40は、第2アイドラ30を第1アイドラ28よりわずかに高い位置に配置するように形成されている。よって、急傾斜の上り坂において第1アイドラ28側が持ち上がってしまった場合にもクローラベルト22の後部側傾斜領域22aにおいて車両の前進しようとするトラクション(推進力)をかせぎやすくできる。第4フレーム体40は、クローラユニット本体20の外側の第2フレーム体36と、クローラユニット本体20の内側の第3フレーム体38とにピン41を介して連結されている。よって、第4フレーム体40は、第2フレーム体36及び第3フレーム体38に対し、回動可能に連結されている。さらに、第4フレーム体40は、テンション用油圧シリンダ装置42のテンション用油圧シリンダピストンロッド42aの先端と連結されている。よって、第4フレーム体40及び第2アイドラ30と、第2フレーム体36及び第3フレーム体38との間の距離がテンション用油圧シリンダピストンロッド42aにより自在に調整される。
テンション用油圧シリンダ装置42は、油圧シリンダ装置を形成している。テンション用油圧シリンダ装置42は、第2フレーム体36及び第3フレーム体38に接続されるテンション用油圧シリンダチューブ42bと、第4フレーム体40に接続されるテンション用油圧シリンダピストンロッド42aとを備えている。よって、テンション用油圧シリンダ装置42は、伸縮可能に形成されている。
作動油が油圧システムからテンション用油圧シリンダチューブ42bに流入する場合にテンション用油圧シリンダピストンロッド42aがテンション用油圧シリンダチューブ42bから押し出され、テンション用油圧シリンダチューブ42bとテンション用油圧シリンダピストンロッド42aとの合計の全長が長くなる。テンション用油圧シリンダ装置42の全長が長くなるとき、第1アイドラ28と第2アイドラ30との間の距離が延び、クローラベルト22の張り具合をきつくするように調整する。
作動油がテンション用油圧シリンダチューブ42bから油圧システムに流出する場合にテンション用油圧シリンダピストンロッド42aがテンション用油圧シリンダチューブ42bに引き戻され、テンション用油圧シリンダチューブ42bとテンション用油圧シリンダピストンロッド42aとの合計の全長が短くなる。テンション用油圧シリンダ装置42の全長が短くなるとき、第1アイドラ28と第2アイドラ30との間の距離が短くなり、クローラベルト22の張り具合を緩くするように調整する。
クローラベルト22は、クローラユニット本体20の周囲に取付けられた状態で側面視で概ね三角形状の外形を形成するようにクローラユニット本体20の周囲に巻かれている。クローラベルト22は、弾性を有する履帯を形成している。クローラベルト22は、下部がトラックローラ35により、三角形状の底部がわずかに下方に台状に突出するように巻かれている。クローラベルト22は、ゴムクローラであるが、鉄製のクローラでもよい。クローラベルト22のクローラーシューは三角形状に形成されているが、他の形状のクローラーシューに変更可能である。クローラベルト22は、車両の前進時には時計回りで回動するが、車両の後進時には反時計回りで回動可能である。
クローラ用油圧シリンダ装置26は、揺動軸部材24を中心に回動するクローラユニット本体20の前部側及び後部側にかかる荷重を制御するように車体2と、クローラユニット本体20とを連結している。クローラ用油圧シリンダ装置26は、車体2とクローラユニット本体20とを連結する棒状の支持構造体を形成する。クローラ用油圧シリンダ装置26は、車体2からクローラユニット本体20の中心の揺動軸部材24の上部まで直線的に延びる。クローラ用油圧シリンダ装置26は、クローラユニット本体20の荷重制御機能を有している。クローラ用油圧シリンダ装置26は、車体2側に接続されるクローラ用油圧シリンダチューブ26bと、クローラユニット6側に接続されるクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとを備えている。よって、クローラ用油圧シリンダ装置26は、伸縮可能に形成されている。クローラ用油圧シリンダ装置26のクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aは、後述するように第1フレーム体34に連結されているが、揺動軸部材24より上方の上方側部分を形成する第2フレーム体36又は第3フレーム体38等に連結されてもよい。すなわち、クローラ用油圧シリンダピストンロッド26aは、クローラベルト22より下方においてクローラユニット本体20のフレーム構造体、例えば第2フレーム体36又は第3フレーム体38に連結されてもよい。再び、本実施形態によればクローラ用油圧シリンダ装置26は、車体2の前方側の右側と左側とに配置され、右側のクローラユニット本体20の姿勢と、左側のクローラユニット本体20の姿勢とを独立して能動的に制御できるように構成される。クローラ用油圧シリンダ装置26は、車体側連結部2bと連結部34cとを連結すると共に荷重を調整できるようなばね式の連結装置に変更されてもよい。
クローラ用油圧シリンダチューブ26bは、車体2のうち縦方向に立ち上がる上部フレーム体2aに車体側連結部2bにおいて枢動可能に連結される。上部フレーム体2aは正面視で四角形の枠形状に形成されている。上部フレーム体2aはクローラユニット本体20よりも上方まで立ち上がっている。上部フレーム体2aは車体のフレームの最後部まで到達する頂部を形成している。上部フレーム体2aの上部において、上部フレーム体2aから前方側に向けて横方向に突出する横フレーム体2cが形成されている。車体側連結部2bは、横フレーム体2cの下面に下向きに取付けられている。
車体側連結部2bは、クローラ用油圧シリンダピストンロッド26aの連結部34cよりも上方に配置される。車体側連結部2bは、当該車両が水平な地面上にあるときにクローラユニット本体20よりも上方に位置する。車体側連結部2bは、車体2の半分以上のフレームよりも高い高さに位置し、枢軸106や枢軸91よりも高い高さに位置する。
クローラ用油圧シリンダ装置26は、当該車両が水平な地面上にあるときに、車体側連結部2bから連結部34cに向けて下り傾斜を形成する。クローラ用油圧シリンダ装置26は、上面視でクローラユニット本体20と平行に延びると共にクローラユニット本体20の内側部分の上方に配置されている。クローラ用油圧シリンダ装置26は、車両が水平な地面上にあるときに、車体側連結部2bから連結部34cまでの全長L0がクローラユニット本体20の前端から後端までの全長の半分よりも長くなるように形成されている。
作動油が油圧システムからクローラ用油圧シリンダチューブ26bに流入する場合にクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aがクローラ用油圧シリンダチューブ26bから押し出され、クローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が長くなり、クローラユニット本体20の前方側に荷重がかけられる。作動油がクローラ用油圧シリンダチューブ26bから油圧システムに流出する場合にクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aがクローラ用油圧シリンダチューブ26bに引き戻され、クローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が短くなり、クローラユニット本体20の後方側に荷重がかけられる。
例えば、図1においては、伐倒作業車両1が平坦な地面B上にある状態が示される。このとき、クローラ用油圧シリンダ装置26は、クローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が通常状態の全長L0とされている。これに対し、図12及び図13に示すように、伐倒作業車両1が傾斜のある地面B上にあるとき又は地面B上の切り株等の障害物を乗り越えるとき、クローラユニット本体20が揺動軸部材24を中心に揺動され、地形に追従して自身の傾きを前傾又は後傾に変化させる。
次に、伐倒作業車両1が傾斜のある地面B上にある状態を説明する。
図12に示すように、伐倒作業車両1が上り傾斜の地面B上にある状態(例えば伐倒作業車両1がこの上り傾斜の地面B上を前進する状態)においては、クローラユニット本体20の後部側に下方向きの荷重がかかりやすい。また、クローラベルト22の回転駆動時にクローラユニット本体20の前部側が地面Bに対して浮き上がりやすくなる。上り傾斜の勾配が大きくなるにつれて、このように前部側が浮き上がりやすくなり後部側に荷重がかかる偏りが大きくなる。このときクローラ用油圧シリンダ装置26のクローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が通常状態の全長L0よりも長い全長とされることにより、クローラユニット本体20の前部側に下方向きの荷重がかけられる。よって、クローラユニット本体20の前部側から地面Bに向かう荷重と、その後部側から地面Bに向かう荷重と、を均一に近づけることができ、クローラベルト22と地面Bとの接地部分を増大させ、クローラユニット6の駆動力を地面Bに有効に伝え、走行性能を向上できる。また、伐倒作業車両1の転倒も抑制できる。例えば、伐倒作業車両1が上り傾斜の地面Bを上る際に、予めクローラ用油圧シリンダ装置26の全長を長めに設定し、クローラユニット6の走行性能を向上できる。
図13に示すように、伐倒作業車両1が下り傾斜の地面B上にある状態(例えば伐倒作業車両1がこの下り傾斜の地面B上を前進する状態)においては、クローラユニット本体20の前部側に下方向きの荷重がかかりやすい。また、クローラベルト22の回転駆動時にクローラユニット本体20の後部側が地面Bに対して浮き上がりやすくなる。下り傾斜の勾配が大きくなるにつれて、このように後部側が浮き上がりやすくなり前部側に荷重がかかる偏りが大きくなる。このときクローラ用油圧シリンダ装置26のクローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が通常状態の全長L0よりも短い全長とされることにより、クローラユニット本体20の後部側に下方向きの荷重がかけられる。よって、クローラユニット本体20の前部側から地面Bに向かう荷重と、その後部側から地面Bに向かう荷重と、を均一に近づけることができ、クローラベルト22と地面Bとの接地部分を増大させ、クローラユニット6の駆動力を地面Bに有効に伝え、走行性能を向上できる。例えば、伐倒作業車両1が下り傾斜の地面Bを下る際に、予めクローラ用油圧シリンダ装置26の全長を短めに設定し、クローラユニット6の走行性能を向上できる。
次に、伐倒作業車両1が地面B上にある切り株等の障害物を乗り越える状態を説明する。
図14及び図15に示すように、伐倒作業車両1が地面B上の切り株H等の障害物を乗り越えるとき、クローラユニット本体20が揺動軸部材24を中心に揺動され、地形に追従して自身の傾きを前傾又は後傾に変化させる。
図14に示すように、クローラユニット6が切り株Hに上る(乗り上げる)とき、クローラユニット本体20の揺動により、クローラ用油圧シリンダ装置26の全長が通常状態の全長L0よりも短い全長L1となっている。このとき、クローラユニット本体20の前部側が切り株Hに対して浮き上がりやすくなる。この状態から、クローラ用油圧シリンダ装置26のクローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が全長L1よりも長い全長とされることにより、クローラユニット本体20の前部側に下方向きの荷重をかけることができる。よって、クローラユニット本体20の前部側から地面Bに向かう荷重を増やし、クローラユニット6の駆動力を地面B又は切り株Hに有効に伝え、走行性能を向上できる。例えば、伐倒作業車両1が切り株H等の障害物を上る際や急な上り傾斜の地面を上る際に、その場においてクローラ用油圧シリンダ装置26の全長を長く調節し、クローラユニット6の走行性能を向上できる。
また、図15に示すように、クローラユニット6が切り株Hから降りる(乗った状態から降りる)とき、クローラユニット本体20の揺動により、クローラ用油圧シリンダ装置26の全長が通常状態の全長L0よりも短い全長L2となっている。このとき、クローラユニット本体20の後部側が切り株Hに対して浮き上がりやすくなる。この状態から、クローラ用油圧シリンダ装置26のクローラ用油圧シリンダチューブ26bとクローラ用油圧シリンダピストンロッド26aとの合計の全長が全長L2よりも短い全長とされることにより、クローラユニット本体20の後部側に下方向きの荷重をかけることができる。よって、クローラユニット本体20の後部側から地面Bに向かう荷重を増やし、クローラユニット6の駆動力を地面B又は切り株Hに有効に伝え、走行性能を向上できる。例えば、伐倒作業車両1が切り株H等の障害物から降りる際や急な下り傾斜の地面を下る際に、その場においてクローラ用油圧シリンダ装置26の全長を短く調節し、クローラユニット6の走行性能を向上できる。
次に、図16を参照して、クローラユニット本体20の油圧モータ33等を駆動する油圧システム、制御装置、無線通信装置、操作部等について説明する。
伐倒作業車両1は、クローラユニット本体20の油圧モータ33等を駆動する油圧システム44を備えている。油圧システム44は、作動油を溜めるオイルタンク46と、オイルタンク46から延びる油圧回路48と、オイルタンク46から吸い上げた作動油を圧送する油圧ポンプ50と、圧力を測定する圧力計51と、圧力の調整をする圧力制御弁52と、油圧ポンプ50を作動する原動機であるエンジン53と、作動油の流れる方向を切り替える方向切換弁54と、を備えている。
油圧システム44のエンジン53と及び方向切換弁54は、制御装置55と電気的に接続されている。油圧システム44の油圧回路48には、油圧モータ33が設けられスプロケット32を駆動するようになっている。油圧モータ33以外の作動油の油圧で作動する機器も油圧システム44と同様の油圧システムと接続されている。説明が重複するため、各機器に油圧システム44が接続されるとの説明のみを記載し、詳細は省略する。なお、複数の油圧システム44を統合し、オイルタンク46、油圧ポンプ50等を共通化して油圧ポンプ50から供給される作動油を分岐部によって分岐させてもよい。
伐倒作業車両1は、さらに、各油圧機械を制御する制御装置55と、無線通信を行う無線通信装置56と、使用者が操作する操作部59とを備えている。
制御装置55は、CPU及びメモリ等を内蔵し、メモリ等に記録された所定の制御プログラムに基づいてエンジン53及び方向切換弁54等を介して油圧システム44を制御する。制御装置55は、無線通信装置56と電気的に接続されている。
無線通信装置56は、車体2側に設けられる車体側通信装置57と、操作部側に設けられる操作部側通信装置58とを備えている。使用者が手元の操作部59を操作することにより操作部59への入力が操作部側通信装置58から車体側通信装置57に信号として送信され、車体側通信装置57は受信した信号を制御装置に伝達する。
操作部59は、伐倒作業車両1における各種装置を全て操作できるようになっている。より具体的には、操作部59は、各シリンダ装置や油圧モータ等に作動油を供給する油圧システム44を制御する。よって、使用者は、操作部59により自走式の伐倒作業車両1を無線により離れた位置から操作できる。従って、使用者が伐倒作業車両1に乗車せずにより安全に伐倒作業を行うことができる。このように、伐倒作業車両1は、無線通信装置56及び操作部59を備えることにより無線式の伐倒作業車両として構成されている。なお、伐倒作業車両は、操作部を車体2上に備え、使用者が乗車した状態で操作されてもよい。このとき、無線通信装置が省略され、操作部59が制御装置55に接続されてもよい。
次に、図1、図2、図17乃至図19を参照して、伐倒装置8について説明する。
図17は、図1の伐倒装置を下方から見た概略図である。
図2に示すように、伐倒装置8は、車体2の一方側である前方側の正面に設けられている。伐倒装置8は、上面視で、左右のクローラユニット6の間の空間に配置されている。
伐倒装置8は、立木を横から抱きかかえて保持するグラップル装置60と、グラップル装置60が立木を横から抱きかかえている状態で立木を横から切断する切断装置62と、グラップル装置60及び切断装置62の姿勢を調整できる姿勢調整機構64とを備えている。
グラップル装置60は、グラブルブラケット66と、ベルクランクの形をなし、グラブルブラケット66の左右一対の枢軸70にそれぞれ回転可能に取り付けられた一対のグラップル68と、各グラップル68の基部68aに枢着されたグラップル用油圧シリンダ72と、グラブルブラケット66を支持するグラップル装置支持機構73と、を備える。よって、2つのグラップル用油圧シリンダ72の伸縮により一対のグラップル68を閉じたり開いたりし、木を抱き抱えたり開放したりできる。グラップル68は、閉じた状態で立木を横から抱きかかえて保持することができる。グラップル装置支持機構73は、第2構造体88に連結され、第2構造体88に沿って移動可能であると共に、第2構造体88に所定の位置で固定される。
次に図18及び図19を参照して、切断装置62について説明する。
切断装置62は、第1構造体74上において一対の枢軸76を中心に回転可能に設けられた取付けアーム78と、各取付けアーム78に1枚ずつ取付けられた二枚刃のカッター80(図18においては、そのうちの1つは、刃の取付けをはっきりさせるために省略されて破線で示す)と、第1構造体74に設けられた一対の枢軸82と、取付けアーム78の基端部78aとを接続するカッター用油圧シリンダ84と、を備える。
よって、二枚刃のカッター80は、カッター用油圧シリンダ84のプランジャーロッドの伸縮により枢軸76のまわりを回転して、木の切断操作のため開閉される。従って、二枚刃のカッター80は、立木を横から切断できる。切断装置62の二枚刃のカッター80は、木を切断できるような一枚刃のカッターに変更されてもよい。
次に図20乃至図23を参照して、姿勢調整機構64について説明する。
姿勢調整機構64は、グラップル装置60が立木を横から抱きかかえている場合に、切断装置62のカッター80で立木をグラップル68より下方で切断するため、グラップル装置60のグラップル68と切断装置62のカッター80とを縦方向に並んで配置する第1伐倒姿勢と、グラップル装置60のグラップル68が下向きで木を抱きかかえている状態で、車体2の走行に合わせて木をひきずって搬送するため、グラップル装置60のグラップル68と切断装置62のカッター80とを横方向に並んで配置する搬送姿勢(図19〜図21を参照)と、をとることができる。なお、図21及び図23において、伐倒作業車両1において、グラップル装置60のグラップル68と切断装置62のカッター80とが横方向に並ぶ搬送姿勢がとられている状態が示されている。
姿勢調整機構64は、切断装置62と連結された第1構造体86と、グラップル装置60と連結された第2構造体88と、車体2から延びる第1姿勢調整用油圧シリンダ90(左右対称に1対設けられている)と、第1姿勢調整用油圧シリンダ90と連結された第1リンク92と、第1リンク92と接続されると共に車体2側の枢軸93と枢動可能に連結される第2リンク94と、第1リンク92の中間部分と車体2側の枢軸95(図6参照)とを枢動可能に連結する第3リンク96と、第1構造体86の後部86bと第2構造体88の後部88bとを接続する第2姿勢調整用油圧シリンダ98と、を備えている。
第1構造体86は、カッター80の方向に開放された箱形状に形成され、内側にカッターボックス空間を形成している。図19に示すように、第1構造体86は、切断装置62の支持体を形成し、天井板86bと底板86cとの間に枢軸82を固定している。
第2構造体88は、柱状に形成され、第2構造体88の下端部88aが第1構造体86の下端部86aと枢軸89を介して枢動可能に接続されている。
第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、油圧シリンダ装置を形成し、油圧システムに接続されている。第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、枢軸91において車体2に枢動可能に連結される。第1姿勢調整用油圧シリンダ90は左右対称に1対設けられている。
第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、作動油が油圧システムから第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bに流入する場合に、第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aが第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bから押し出され、第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bと第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aとの合計の全長が長くなる。また、第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、作動油が第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bから油圧システムに流出する場合に、第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aが第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bに引き戻され、第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bと第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aとの合計の全長が短くなる。
図20においては、第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bと第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aとの合計の全長がロッドの引き込み状態の全長L3とされている。枢軸93と枢軸95とが車体2と固定されており、第1姿勢調整用油圧シリンダ90が縮んだ状態となるので、第1構造体86は、カッター80が水平向きになるように引き上げられている。さらに、第2構造体88がほぼ垂直に延び、グラップル装置60のグラップル68がほぼ水平に延びるように配置されている。
図23においては、第1姿勢調整用油圧シリンダ90は、第1姿勢調整用油圧シリンダチューブ90bと第1姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド90aとの合計の全長が全長L3よりも長い全長L4とされる場合には、第1姿勢調整用油圧シリンダ90が延びた状態となるので、第1構造体86は、カッター80がほぼ垂直な向きになるように押し上げられている。さらに、第2構造体88がほぼ水平に延び、グラップル装置60のグラップル68がほぼ垂直に延びるように配置されている。
図20に示すように、第2姿勢調整用油圧シリンダ98は、油圧シリンダ装置を形成し、油圧システム44に接続されている。第2姿勢調整用油圧シリンダ98は、作動油が油圧システムから第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bに流入する場合に、第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aが第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bから押し出され、第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bと第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aとの合計の全長が長くなる。また、油圧シリンダ98は、作動油が第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bから油圧システムに流出する場合に、第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aが第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bに引き戻され、第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bと第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aとの合計の全長が短くなる。
次に、図24及び図25を参照して、平地での伐倒作業と傾斜地での伐倒作業を比較して示す。
図24においては、第2姿勢調整用油圧シリンダ98は、第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bと第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aとの合計の全長がロッドの延びた状態の全長L5とされている。この状態においては、第2構造体88がカッター80とほぼ直角な方向に延びるように第2構造体88と第1構造体86との関係が規定される。グラップル装置60のグラップル68が立木Cを横から水平に抱きかかえて、カッター80が立木Cを切断しようとするとき、車体2が平たんな地面上に位置すれば、第1伐倒姿勢により地面とほぼ平行な切断面D1を形成するように立木Cを切断できる。
図25に示すように、姿勢調整機構64は、グラップル装置60が立木を横から抱きかかえている場合に、切断装置62のカッター80をグラップル68の向きと異なる向き、例えば斜め下方に向ける第2伐倒姿勢もとることができる。第2姿勢調整用油圧シリンダ98は、第2姿勢調整用油圧シリンダチューブ98bと第2姿勢調整用油圧シリンダピストンロッド98aとの合計の全長がロッドの縮んだ状態の全長L6とされている。この状態においては、第2構造体88がカッター80とほぼ直角な方向よりもさらに後方に後傾された角度方向に延びるように第2構造体88と第1構造体86との関係が規定される。これにより、カッター80が傾斜面の傾斜と平行に配置され、第2構造体88が重力の方向(鉛直の方向)に配置されることが可能となる。第2姿勢調整用油圧シリンダ98は、第2構造体88がカッター80とほぼ直角な方向からさらに後方に約40度後傾された角度方向まで第2構造体88と第1構造体86との関係を調整できる。
図25に示すように、車体2が傾斜のある地面上に位置すると共に立木の上方から下方側に向けてアプローチしながら木を伐倒するとき、グラップル装置60のグラップル68が立木Cを横から水平に抱きかかえて、第2伐倒姿勢により地面とほぼ平行な切断面D2を形成するように立木Cを切断できる。これによれば、地面の傾斜の上部側における切り株の地面からの高さE1と、地面の傾斜の下部側における切り株の地面からの高さE2と、をほぼ同様の高さに揃えることができる。
仮に、姿勢調整機構64が第2伐倒姿勢を取れず、グラップル68が立木Cを横から水平に抱きかかえる状態においては、カッター80も水平に延びることとなり、地面とほぼ平行な切断面F(仮想線により示す)を形成する。このとき、地面の傾斜の上部側における切り株の地面からの高さG1と、地面の傾斜の下部側における切り株の地面からの高さG2とが、異なる高さとなり、特にG2が斜面の下側から見て比較的大きな高さを有する。このような切り株を生じさせないために、カッター80により再度切り株の根元を二度切りするなどの手間が生じる。本実施形態によれば、姿勢調整機構64が第2伐倒姿勢を取れるので、このような切り株を生じさせることを抑制し、二度切りする手間を抑制できる。
次に、図6及び図26を参照して、スタビライズ装置27について説明する。
スタビライズ装置27は、車体2に対し枢動可能に固定されているアーム100と、車体2とアーム100とを接続するアーム用油圧シリンダ装置104とを備えている。スタビライズ装置27は、車体2の前方側の右側と左側とに配置され、右側のクローラユニット本体20の車体2に対する高さと、左側のクローラユニット本体20の車体2に対する高さとを独立して能動的に制御できるように構成される。スタビライズ装置27は、車体2の右側のアーム100により調節される車体2に対してのクローラユニット本体20の高さと、車体2の左側のアーム100により調節される車体2に対してのクローラユニット本体20の高さとを、車体2の左右方向の傾斜を地面Bの左右方向の傾斜と異なる傾斜に調整できるように構成される。
アーム100は、車体2に設けられた枢軸102と、揺動軸部材24との間に延びている。アーム100は、車体2から揺動軸部材24まで延びると共に揺動軸部材24を揺動可能に支持する。アーム100は、左右一対設けられている。アーム100は、枢軸102から前方側に延びるように形成されている。アーム100は、クローラユニット本体20を支持できるように形成されている。枢軸102、揺動軸部材24、連結部34c及び車体側連結部2bは、これらを結ぶ線が概ね平行四辺形を形成するような位置関係に配置されている。よって、アーム100の上下の動きとクローラ用油圧シリンダ装置26の上下の動きが連動され、クローラユニット本体20を揺動軸部材24を中心に揺動できるようにしつつもクローラユニット本体20を安定して上下に昇降させることができる。
アーム用油圧シリンダ装置104は、油圧シリンダ装置を形成し、油圧システムに接続されている。アーム用油圧シリンダ装置104は、車体2に設けられた枢軸106と、アーム100に設けられた枢軸108との間に延びている。アーム用油圧シリンダ装置104は、枢軸102の上方側においてアーム100と車体2との距離を調節し、アーム100の支持する揺動軸部材24及びクローラユニット本体20を上下に昇降させるようにアーム100の上下の角度を規定する。
図6に示すように、アーム用油圧シリンダ装置104は、作動油が油圧システムからアーム用油圧シリンダチューブ104bに流入する場合に、アーム用油圧シリンダピストンロッド104aがアーム用油圧シリンダチューブ104bから押し出され、アーム用油圧シリンダチューブ104bとアーム用油圧シリンダピストンロッド104aとの合計の全長が長くなる。また、アーム用油圧シリンダ装置104は、作動油がアーム用油圧シリンダチューブ104bから油圧システムに流出する場合に、アーム用油圧シリンダピストンロッド104aがアーム用油圧シリンダチューブ104bに引き戻され、アーム用油圧シリンダチューブ104bとアーム用油圧シリンダピストンロッド104aとの合計の全長が短くなる。アーム用油圧シリンダ装置104が、縮んだ状態となると、アーム100が上方向に引き上げられ、揺動軸部材24が上方向に引き上げられ、クローラユニット本体20が上方向に上昇される。さらに、アーム用油圧シリンダ装置104が、延びた状態となると、アーム100が下方向に引き下げられ、揺動軸部材24が下方向に引き下げられ、クローラユニット本体20が下方向に下降される。
図26に示すように、傾斜地上において(例えば車体2の右側が山側にあり、車体2の左側が谷側にあるような傾斜地上において)、車体2の右側のアーム用油圧シリンダ装置104は、縮んだ状態となるように操作され、アーム100が上方向に引き上げられ、クローラユニット本体20(クローラユニット6)が上方向に上昇され、車体2に対してのクローラユニット本体20の高さが比較的高く(車体が地面Bに対して比較的近く)される。
また、車体2の左側のアーム用油圧シリンダ装置104は、延びた状態となるように操作され、アーム100が下方向に引き下げられ、クローラユニット本体20(クローラユニット6)が車体2に対して下方向に下降される。車体2に対してのクローラユニット本体20の高さが比較的低く(車体が地面Bに対して比較的遠く)される。
このように、地面の傾斜に合わせて、車体2に対して左右のクローラユニット本体20(クローラユニット6)の高さを、現場で比較的簡単に調整可能である。そして、車体2及び伐倒装置8を、地面の傾斜とは異なる姿勢、例えば左右方向に水平の姿勢にできる。従って、車体2及び伐倒装置8が左右方向に安定した状態で伐倒作業を行うことができると共に、車体の左右の重心の偏りを抑制し、安定した走行や安定した作業、例えば搬送作業が可能になる。
また、図27及び図28に示すように、スタビライズ装置27は、車体2に対する伐倒装置8の高さを調整できる。伐倒装置8の地面からの高さがスタビライズ装置27による右側及び左側のクローラユニット本体20の高さの調整により変更される。これにより、伐倒装置8が立木を切断する高さ位置を、クローラユニット本体20の高さの調整により調整できる。
具体的には、図27に示すように、例えば左右両側のスタビライズ装置27のアーム用油圧シリンダ装置104が縮んだ状態となるように操作され、クローラユニット本体20(クローラユニット6)が上方向に上昇されることにより、車体2に対して伐倒装置8の高さをより低く設定できる。よって、伐倒装置8の切断装置62は、立木をより低い位置で切断できる。
また、図28に示すように、例えば左右両側のスタビライズ装置27のアーム用油圧シリンダ装置104が延びた状態となるように操作され、クローラユニット本体20(クローラユニット6)が下方向に下降されることにより、車体2に対して伐倒装置8の高さをより高く設定できる。よって、伐倒装置8の切断装置62は、立木をより高い位置で切断できる。
次に、本実施形態の構成による効果を説明する。
このように構成された本発明の一実施形態においては、山林の木を伐倒する伐倒作業車両1が、クローラユニット本体20に設けられると共にクローラユニット本体20を地形に合わせて回動できるような揺動軸部材24と、車体2と、クローラユニット本体20における上記揺動軸部材24より上方の上方側部分とを連結すると共に揺動軸部材24を中心に揺動するクローラユニット本体20の前部側及び後部側にかかる荷重を調整するようになっている連結装置とを備えている。これにより、伐倒作業車両1が山林の傾斜地や切株や倒木が存在する土地等の不整地を走行し、揺動軸部材24が不整地の地形に合わせてクローラユニット本体20を揺動する場合に、揺動軸部材24を中心に揺動するクローラユニット本体20の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両1の走行性能を向上できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、直線状に延び且つ伸縮可能なクローラ用油圧シリンダ装置26により、クローラユニット本体20の荷重を前部側及び後部側に能動的に調整でき、クローラユニット本体20の前部側及び後部側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両1の走行性能を向上できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、クローラユニット本体20は、スプロケット32の支持体よりもさらに上方まで延びる頂部フレーム34bを備え、クローラ用油圧シリンダ装置26は、クローラベルトより上方において頂部フレーム34bと連結されている。これによりクローラ用油圧シリンダ装置26はクローラユニット本体20の頂部フレーム34bを介してクローラユニット本体20の第1アイドラ28側及び第2アイドラ30側にかかる荷重を調整でき、揺動軸部材24を中心に揺動するクローラユニット本体20の第1アイドラ28側及び第2アイドラ30側への荷重の偏りを抑制し、伐倒作業車両1の走行性能を向上できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、ステアリングユニット12が右側の車輪10と左側の車輪10とを車体2の側方向きまで方向変更できると共に、右側のクローラユニット本体20と、左側のクローラユニット本体20とはクローラベルト22の回転方向を互いに逆回転にできるように構成される。これにより、左右のクローラユニット本体20の間の位置を中心として車体2を旋回させるように移動できる。従って、伐倒作業車両1が伐倒しようとする立木が左右のクローラユニット本体20の間に位置する状態で、車体2を立木を中心として旋回させるように移動でき、車体2を大きく後退させずに立木に対する車体2の位置を調整できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、アーム用油圧シリンダ装置104がアーム100の上下の角度を規定し、クローラユニット本体20に設けられる揺動軸部材24がアーム100により昇降できる。これにより、アーム用油圧シリンダ装置104の操作によって、クローラユニット本体20が車体2に対して比較的簡易に昇降できる。よって、地形に合わせて車体2の姿勢や車体2の高さを比較的容易に調整でき、伐倒作業車両1の不整地の走行性能を高めることができる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、クローラユニット6のアーム100とアーム用油圧シリンダ装置104は、車体2の前方側の右側と左側とにそれぞれ一組ずつ配置され、右側のクローラユニット本体20の高さと、左側のクローラユニット本体20の高さとを独立して調整できるように構成される。よって、車体2の左右方向に傾斜している傾斜地上において、左右のクローラユニット6が異なる高さにでき、車体2が安定した状態で伐倒作業を行うことができると共に、車体2の左右の重心の偏りを抑制し、安定した走行が可能になる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、車体2の右側のクローラユニット6のアーム100により車体2に対しての右側のクローラユニット本体20の高さが調節されると共に、車体2の左側のクローラユニット6のアーム100により車体2に対しての左側のクローラユニット本体20の高さが調節されることにより、車体2の左右方向の傾斜が車体2直下の地面の傾斜と異なる傾斜に調整される。よって、車体2の左右方向に傾斜している傾斜地上において車体2が左右方向に比較的緩やかな傾斜となるように調整され、車体2が安定した状態で伐倒作業を行うことができると共に、車体2の左右の重心の偏りを抑制し、安定した走行や安定した作業、例えば搬送作業が可能になる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、伐倒装置8の地面からの高さが右側及び左側のクローラユニット本体20の高さの調整により変更される。よって、伐倒装置8が、立木を切断する高さ位置をクローラユニット本体20の高さの調整により調整できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、伐倒装置8は、グラップル装置60のグラップル68が立木を横から抱きかかえている場合に、切断装置62のカッター80をグラップル68の向きよりも下方に向けて調整できる姿勢調整機構64を備えている。これにより、車体22が傾斜のある地面上に位置すると共に立木の上方から下方側の立木にアプローチしながら木を伐倒するとき、第2伐倒姿勢により地面とほぼ平行な切断面を形成するように立木を切断できる。よって、斜面の上側から見て比較的小さな高さを有するのに対し斜面の下側から見て比較的大きな高さを有する切り株が生じることを抑制し、再度このような切り株の根元を切断する等の手間が生じることを抑制できる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、ステアリングユニット12は、右側の車輪10の中心と左側の車輪10の中心とを結ぶ仮想軸線が地面の傾斜に沿うような傾きに右側及び左側の車輪10を支持する。これにより、車体2の左右方向に傾斜する傾斜面の地面上に伐倒作業車両1があるとき、右側の車輪10及び左側の車輪10が地面の傾斜に沿って配置され、車輪10と地面との設置部分を増やして伐倒作業車両1の操舵性や走行安定性を向上させることができる。
1 伐倒作業車両
2 車体
2a 上部フレーム体
2b 車体側連結部
4 車輪装置
6 クローラユニット
8 伐倒装置
10 車輪
12 ステアリングユニット
20 クローラユニット本体
22 クローラベルト
24 揺動軸部材
26 クローラ用油圧シリンダ装置
27 スタビライズ装置
28 第1アイドラ
30 第2アイドラ
32 スプロケット
33 油圧モータ
34 第1フレーム体
34b 頂部フレーム
34c 連結部
36 第2フレーム体
38 第3フレーム体
40 第4フレーム体
55 制御装置
56 無線通信装置
57 車体側通信装置
58 操作部側通信装置
59 操作部
60 グラップル装置
62 切断装置
64 姿勢調整機構
68 グラップル
80 カッター
90 第1姿勢調整用油圧シリンダ
98 第2姿勢調整用油圧シリンダ
100 アーム
104 アーム用油圧シリンダ装置

Claims (10)

  1. 山林の立木を伐倒する伐倒作業車両であって、
    車体と、
    上記車体の左右に配置されるクローラユニットと、を備え、
    上記クローラユニットは、
    クローラユニット本体と、
    上記クローラユニット本体の外側に取付けられるクローラベルトと、
    上記クローラユニット本体に設けられると共に上記クローラユニット本体を地形に合わせて揺動できるような揺動軸部材と、
    上記車体と、上記クローラユニット本体における上記揺動軸部材より上方の上方側部分とを連結する連結装置であって、上記連結装置は上記揺動軸部材を中心に揺動する上記クローラユニット本体の前部側及び後部側にかかる荷重を調整するようになっている上記連結装置と、を備えている、伐倒作業車両。
  2. 上記連結装置は、前後方向に直線状に延び且つ伸縮可能な油圧シリンダ装置により構成される、請求項1に記載の伐倒作業車両。
  3. 上記クローラユニット本体は、
    上記クローラユニット本体の前方側に設けられる第1輪と、
    上記クローラユニット本体の後方側に設けられる第2輪と、
    上記クローラユニット本体において上記第1輪及び上記第2輪よりも上方側に設けられる第3輪と、
    上記第3輪の支持体よりもさらに上方まで延びる頂部支持体とを備え、
    上記連結装置は、上記クローラベルトより上方において上記頂部支持体と連結される、請求項1又は2に記載の伐倒作業車両。
  4. さらに、上記車体の前後方向において上記クローラユニットと反対側に設けられる車輪装置を備え、
    上記車輪装置は、
    上記車体の左右に配置される車輪と、
    右側の上記車輪と左側の上記車輪とを上記車体の側方向きまで方向変更できるステアリングユニットとを備え、
    右側の上記クローラユニット本体と、左側の上記クローラユニット本体とは上記クローラベルトの回転方向を互いに逆回転にできるように構成される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の伐倒作業車両。
  5. 上記クローラユニットは、上記車体から上記揺動軸部材まで延びると共に上記揺動軸部材を揺動可能に支持するアームと、
    上記アームの支持する上記揺動軸部材を上下に昇降させるように上記アームの上下の角度を規定するアーム用油圧シリンダ装置と、を備えている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の伐倒作業車両。
  6. 上記クローラユニットの上記アームと上記アーム用油圧シリンダ装置は、上記車体の前方側の右側と左側とにそれぞれ一組ずつ配置され、右側の上記クローラユニット本体の高さと、左側の上記クローラユニット本体の高さとを独立して調整できるように構成される、請求項5に記載の伐倒作業車両。
  7. 上記車体の右側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての右側の上記クローラユニット本体の高さが調節されると共に、上記車体の左側の上記クローラユニットの上記アームにより上記車体に対しての左側の上記クローラユニット本体の高さが調節されることにより、上記車体の左右方向の傾斜が上記車体直下の地面の傾斜と異なる傾斜に調整される、請求項5又は6に記載の伐倒作業車両。
  8. さらに、上記車体の前方側に取付けられた伐倒装置を備え、上記伐倒装置は、右側の上記クローラユニットと左側の上記クローラユニットとの間に配置され、上記伐倒装置の地面からの高さが右側及び左側の上記クローラユニット本体の高さの調整により変更される、請求項5乃至7の何れか1項に記載の伐倒作業車両。
  9. 上記伐倒装置は、立木を横から抱きかかえて保持するグラップル装置と、
    上記グラップル装置が立木を横から抱きかかえている状態で立木を横から切断する切断装置と、
    上記グラップル装置のグラップルが立木を横から抱きかかえている場合に、上記切断装置のカッターを上記グラップルの向きよりも下方に向けて調整できる姿勢調整機構とを備えている、請求項8に記載の伐倒作業車両。
  10. 上記ステアリングユニットは、右側の上記車輪の中心と左側の上記車輪の中心とを結ぶ仮想軸線が地面の傾斜に沿うような傾きに右側及び左側の上記車輪を支持する、請求項4に記載の伐倒作業車両。
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