JP2021160355A - 転写シート、化粧材、化粧材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光輝性顔料層どうしの層間で剥離しにくい転写シート、化粧材、化粧材の製造方法を提供する。
【解決手段】転写シートは、支持体と、支持体から剥離が可能な転写層とを有し、転写層は、剥離層と、装飾層と、熱融着性接着剤層と、がこの順で積層され、装飾層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第1光輝性顔料層と、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第2光輝性顔料層とを有し、第1光輝性顔料層と第2光輝性顔料層とに挟まれた位置に設けられ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含む中間層を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、転写シート、化粧材、化粧材の製造方法に関する。
建築物、家具、建具、造作部材などには、化粧材が用いられている。化粧板の製造方法として、転写シートを用いた方法がある(例えば、特許文献1)。
特開平8−90707号公報
化粧材の意匠として、光輝性の意匠が求められる場合がある。光輝性を向上させるためには、光輝性顔料を含む光輝性顔料層の層数を増やすことが考えられる。しかし、光輝性顔料層は他の層との密着性が悪い傾向がある。転写シートで光輝性顔料層の層数を増やすと、転写時に光輝性顔料層どうしの層間で剥離を引き起こしやすいという課題があった。
本開示の課題は、光輝性顔料層どうしの層間で剥離しにくい、転写シート、化粧材、化粧材の製造方法を提供することである。
本開示の転写シートの一つは、転写シートであって、前記転写シートは、支持体と、前記支持体から剥離が可能な転写層とを有し、前記転写層は、剥離層と、装飾層と、熱融着性接着剤層と、がこの順で積層され、前記装飾層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第1光輝性顔料層と、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第2光輝性顔料層とを有し、前記装飾層は、前記第1光輝性顔料層と前記第2光輝性顔料層に挟まれた位置に設けられ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含む中間層を備える。
本開示の化粧材の製造方法の一つは、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の転写シートの熱融着性接着剤層を無機材料製の被転写体を接着させた後、前記支持体を前記剥離層から剥離させる。
本開示の化粧材の一つは、第1光輝性顔料層と、中間層と、第2光輝性顔料層と、無機材料製の基材とをこの順番で有し、前記第1光輝性顔料層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含み、前記中間層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含み、前記第2光輝性顔料層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む。
本開示によれば、光輝性顔料層どうしの層間で剥離しにくい、転写シート、化粧材、化粧材の製造方法を提供することができる。
本実施形態における転写シート1の断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 比較試験の条件と結果をまとめた図である。
以下、本開示を実施するための形態について図面などを参照して説明する。理解を容易にするために、図面に対応する符号を付して説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料などを示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値は、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
第1の実施形態は、転写シート(1)であって、前記転写シートは、支持体(10)と、前記支持体から剥離が可能な転写層(2)とを有し、前記転写層は、剥離層(20)と、装飾層(30)と、熱融着性接着剤層(40)と、がこの順で積層され、前記装飾層(30)は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第1光輝性顔料層(32)と、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第2光輝性顔料層(34)とを有し、前記第1光輝性顔料層(32)と前記第2光輝性顔料層(34)に挟まれた位置に設けられ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含む中間層(33)を備える。
第2の実施形態は、第1の実施形態の転写シート(1)で、さらに、前記熱融着性接着剤層(40)は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含む転写シート(1)である。
第3の実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態の転写シート(1)で、さらに、前記剥離層(20)は、ウレタン樹脂を含む転写シート(1)である。
第4の実施形態は、第1の実施形態から第3の実施形態までのいずれかの転写シート(1)の熱融着性接着剤層(40)を無機材料製の被転写体(60)に接着させた後、前記支持体(10)を前記剥離層(20)から剥離させる、化粧材(100)の製造方法である。
第5の実施形態は、第1光輝性顔料層(32)と、中間層(33)と、第2光輝性顔料層(34)と、無機材料製の基材(60)とをこの順番で有し、前記第1光輝性顔料層(32)は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含み、前記中間層(33)は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含み、前記第2光輝性顔料層(34)は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む、化粧材(100)である。
図1は、本実施形態における転写シート1の断面図である。図1に示すように、本実施形態の転写シート1は、支持体10と、剥離層20と、装飾層30と、熱融着性接着剤層40とを備える。本実施形態の転写シート1において、剥離層20と、装飾層30と、熱融着性接着剤層40とは、転写層2を構成する。転写層2は、支持体10から剥離が可能である。なお、本発明において、転写層2の構成は、本実施形態の組み合わせに限らず、他の機能層が含まれていてもよい。また、転写層2は、本実施形態の組み合わせから一部の機能層が含まれない構成としてもよい。
本実施形態の転写シート1は、支持体10に、転写層2を構成する、剥離層20と、装飾層30と、熱融着性接着剤層40とが、この順に積層されている。なお、本発明における「積層」とは、直接的な積層だけでなく、間接的な積層も含む意味であり、例えば、支持体10と剥離層20との間に、他の層があってもよい。
支持体10は、転写層2を支持するシートである。支持体10は、転写層2に対して離型性(剥離性)を有する。支持体10は、転写シート1が被転写体60に接着された後、転写層2との界面から剥離される。支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂製のシートが挙げられる。また、支持体10として、紙と、転写層2に対して離型性を有する樹脂層とが積層されたものが挙げられる。紙としては、上質紙、リンター紙、グラシン紙、パーチメント紙、クラフト紙などが使用できる。転写層2に対して離型性を有する樹脂層として、前記各種熱可塑性樹脂の他、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂などが挙げられる。支持体10は、強度及び柔軟性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートが好ましい。なお、支持体10における剥離層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。支持体10の平均厚は、10〜100μm程度にでき、20〜60μmが好ましい。
剥離層20は、転写層2から支持体10の剥離を容易にするために積層される層である。剥離層20は、転写シート1上の転写層2が被転写体60上に接着され、支持体10が剥離された後、転写層2の最も外側の層として残存する。剥離層20を化粧材100の最表面の保護層として利用することもできるが、通常は、転写シート1が被転写体60に転写された後、剥離層20の表面には、さらにトップコート層70が形成される。トップコート層70を設けることにより、化粧材100の表面の耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性などの耐久性をより強化することができる。
化粧材は、転写された転写層の表面保護などのためにトップコート層が設けられる場合がある。トップコート層は、無機材料製の基材などに転写シートから転写層を転写した後、転写シートの支持体を剥離し、その上にコーティング剤が塗工されて形成される。転写層の最表面である剥離層と、トップコート層との密着性が要求される。トップコート層は、紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂を用い、光照射することにより硬化して形成する方法が一般的である。これらの樹脂と剥離層を密着性させる方法として、光照射前に剥離層上にプライマー処理を行う方法があるが、この場合にはさらに一工程増えるという問題や転写層へのダメージも懸念される。そのため、剥離層20は、イソシアネート化合物と、アクリルポリオール樹脂との反応化合物であるウレタン樹脂を含有していることが好ましい。イソシアネート化合物としては、イソシアネート基とアクリロイル基を有するアクリレートが好ましい。この場合、剥離層20中のアクリルポリオール樹脂の水酸基とイソシアネート基が反応してウレタン結合を形成し、アクリロイル基は、UV照射時にトップコート層70のUV硬化樹脂と密結合し、結果として、剥離層20とトップコート層70間の密着性を向上させることができる。アクリルポリオール樹脂とは、水酸基を有するアクリル系樹脂である。アクリルポリオール樹脂の水酸基価は40以上180以下mg/KOHであることが好ましい。アクリルポリオール樹脂とイソシアネート化合物との質量比率は、水酸基とイソシアネート基の量に応じて適宜設定できる。また、剥離層20には、紫外線吸収剤(UVA)や、光安定剤(HALS)などの耐候剤を含んでもよい。剥離層20の平均層厚は、例えば、1〜2μm程度にできる。
装飾層30は、転写シート1の絵柄(意匠)が形成される層であり、印刷などにより形成される。本実施形態の装飾層30は、剥離層20側から、第1絵柄層31と、第1光輝性顔料層32と、中間層33と、第2光輝性顔料層34と、第2絵柄層35とが、この順で積層されている。なお、この装飾層30の具体的な層構成は、一例であって、適宜変更できる。例えば、第1絵柄層31及び第2絵柄層35の少なくとも一方を省略してもよいし、より多くの絵柄層や光輝性顔料層を追加してもよい。
第1絵柄層31及び第2絵柄層35は、光輝性顔料以外の公知の各種の着色顔料、着色染料などが添加された樹脂層(インキの硬化層)とすることができる。第1絵柄層31及び第2絵柄層35を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂を含有させることができる。本発明におけるアクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル樹脂、及び(メタ)アクリルモノマーを構成単位に含む共重合体を意味する(以下同様)。他に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂との混合物であってもよい。第1絵柄層31及び第2絵柄層35の平均層厚は、例えば、それぞれ、1〜2μm程度にできる。
第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34は、光輝性を有する光輝性顔料を含んでいる。光輝性顔料としては、例えば、金属フレークやパールを用いることができる。金属フレークとしては、例えば、アルミニウムやブロンズを用いることができる。パールとしては、例えば、二酸化チタン被覆雲母を用いることができる。アルミニウムの金属フレークを用いる場合、一例として、平均粒径は、約10μmにでき、平均厚みは、0.15〜0.20μm程度にできる。第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34の平均層厚は、例えば、それぞれ、1〜2μm程度にできる。
第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34は、光輝性の意匠を十分に表現するために、光輝性顔料の占める割合が大きくなる傾向がある。具体的には、例えば、P/V比が1/10以上10/1以下となる傾向である。なお、P/V比とは、インク組成物中の顔料以外の固形分量(V)に対する、顔料含有量(P)の重量比である。そのため、バインダー樹脂の含有量が減り、光輝性顔料層と他の層との密着性を十分に確保しにくくなる。特に、単一の光輝性顔料層のみでは十分な光輝性の意匠を得ることができず、本実施形態のように複数層の光輝性顔料層を積層する場合には、光輝性顔料層どうしの層間で剥離が生じるおそれがあった。本実施形態では、後述の中間層33を挟んで第1光輝性顔料層32と第2光輝性顔料層34とを配置し、これらの材料を適切なものとすることによって、光輝性の意匠を実現しながら、層間剥離を抑える構成を実現した。第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34のバインダーとなる樹脂は、アクリル系樹脂とした。中間層33には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂と、アクリル系樹脂と、を含有させた。中間層33の材料を上記とし、これを第1光輝性顔料層32と第2光輝性顔料層34とを貼り合わせる接着剤として機能させることにより、第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34において層間剥離を生じさせにくくし、十分な意匠性を付与できる。中間層33の平均層厚は、例えば、1〜2μm程度にできる。
熱融着性接着剤層40は、転写シート1を被転写体60に転写する際に、転写シート1と被転写体60とを接着する層である。熱融着性接着剤層40は、転写層2において、支持体10と反対側に設けられる。化粧材の用途として、キッチンバックをはじめとした内装材への適用がある。キッチンバック用途では、耐熱性が要求される。転写シートの熱融着性接着剤層として、熱可塑性樹脂が使用されることがある。このような熱融着性接着剤層を使用した転写箔で加飾した無機材料の耐熱性試験(例えば、JIS K 6902)を行うと、転写箔が軟化し、無機材料中の熱膨張した空気を抑えられず変形し、膨れとして外観異常が生じる場合があった。そこで、熱融着性接着剤層40は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂と、アクリル系樹脂と、を含有することが好ましい。これにより、中間層33及び熱融着性接着剤層40は、同じ材料を用いるので、転写シート1製造工程における材料管理を容易にすることができ、効率よく製造を行うことが可能となる。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、被転写体60の表面に形成されるシーラー層62に対して易接着な材料である。後述する転写シート1を被転写体60へ熱転写する工程では、熱融着性接着剤層40に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体により、転写シート1の被転写体60への転写性、密着性を得ることができる。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、転写シート1が転写された化粧材100に耐熱性を付与するための材料である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、2類浸せき剥離試験後の外観意匠性を維持するために、70℃以上とすることが望ましい。アクリル系樹脂は、転写シート1が転写された化粧材100に耐熱性を付与するための材料である。アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上とすることが望ましい。熱融着性接着剤層40の平均層厚は、1以上10μm以下にでき、1以上2μm以下が好ましい。
転写シート1を用いて作製される化粧材100は、建築物の壁材(外装材、内装材)、間仕切り、扉、窓枠などの建具乃至造作部材、机、食卓、食器棚、カウンターテーブル、流し台、箪笥などの家具、室内装飾品などの他、自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの乗り物の室内用又は室外(外装)用カバー材、各種標識、屋外広告などのパネル材などにも適用できる。
転写シートを用いて化粧材100を製造する方法は、例えば、まず、各種の絵柄が印刷された転写層を有する転写シートを準備して、次に、転写層を転写シートから石材、木材、コンクリート、金属などの無機材料製の被転写体(化粧材の基材)に転写する。図2から図6は、化粧材100の製造方法を示す断面図である。
まず、図2に示すように、転写シート1を、被転写体60に積層する。図2に示すように、本実施形態の被転写体60は、被転写体本体61と、シーラー層62と、を備える。被転写体本体61は、転写シート1が転写される被転写体そのものである。被転写体本体61は、無機材料で構成できる。被転写体本体61を構成する無機材料は、例えば、ケイ酸カルシウム、多孔質の石材などの多孔質材料とすることができる。シーラー層62は、被転写体本体61の表面を目止め又は充填して、被転写体本体61と転写シート1との密着性を高めるための下塗り層である。シーラー層62を構成する材料としては、例えば、ウレタン樹脂が挙げられる。
転写シート1を、被転写体60に積層した積層体を所定時間に亘って加熱及び加圧する(以下、「熱転写」ともいう)。熱転写は、積層体に熱風を吹き付けながら圧力を掛けてもよいし、積層体を所定温度に設定された加熱炉内に設置してもよい。また、内部に熱源を備えたローラを、積層体の表面に押し付けながら所定時間に亘って移動させてもよい。積層体を加熱する手法及び圧力を掛ける手法は、適宜に選択可能である。
次に、図3に示すように、被転写体60上に接着された転写シート1から支持体10を剥離する。転写シート1から支持体10を剥離することにより転写工程が完了し、剥離層20の装飾層30とは反対側の面が露出する。図3において、転写シート1の熱融着性接着剤層40と被転写体60とは、強い粘着力で接合されるため、転写シート1から支持体10を剥離した際に、転写シート1が被転写体60から剥離することはない。
次に、図4に示すように、剥離層20の露出した面の上に、トップコート層70を形成する。以下、トップコート層70を含む転写層2と被転写体(基材)60との積層体を「化粧材100」ともいう。トップコート層70は、仕上げ剤として、化粧材100の表面に色彩や、光沢などを付与すると共に、装飾層30を保護するための層である。また、トップコート層70を形成することにより、化粧材100に耐候性、耐汚染性、耐摩耗性などの耐久性を付与することもできる。トップコート層70としては、例えば、紫外線(UV樹脂)、電子線(EB)などの電離放射線、又は熱で硬化するアクリル系樹脂、珪素系樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。トップコート層70の平均厚さについては、特に限定されないが、5μm以上1000μm以下にでき、10μm以上300μm以下が好ましい。
次に、図5に示すように、トップコート層70が電離放射線硬化性樹脂の場合は、紫外線などの電離放射線を照射して硬化させる。図5では、化粧材100に対する電離放射線の照射を、矢印により模式的に表している。以上の工程を経ることにより、被転写体60に転写シート1が転写された化粧材100を得ることができる。
本実施形態の転写シートを実施例及び比較例を用いてより詳しく説明する。なお、本開示および本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1の転写シートおよび化粧板を下記の手順で作製した。
支持体10として、25μm厚の2軸延伸PETシートを用意した。支持体10の一方の面に、アクリルポリオール樹脂と、アクリルポリオール樹脂の水酸基1モルあたりイソシアネート基が1モルとなるヘキサメチレンジイソシアネートを含む樹脂組成物を、グラビアコートを用いて塗布し、剥離層20を形成した。アクリルポリオール樹脂の水酸基とイソシアネートのイソシアネート基が反応してウレタン樹脂が生成した。剥離層20に、装飾層30を形成した。装飾層30は、第1光輝性顔料層32、中間層33、第2光輝性顔料層34の順番で形成した。第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34は、アクリル系樹脂とシルバー色の光輝性顔料とがPV比=1/1となるように形成した。中間層33は、アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物(質量比50:50)を用いて、形成した。装飾層30に、アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物(質量比50:50)を用いて、層厚が1μmの熱融着性接着剤層40を形成した。これらのステップによって、転写シート1を得た。
被転写体60として、ケイ酸カルシウム板(被転写体本体61及びシーラー層62)を用意し、100℃で予備加熱した。ケイ酸カルシウム板の表面に転写シート1を160〜180℃で接着させた。転写したケイ酸カルシウム板から支持体10を剥離した。露出した剥離層20に無溶剤のアクリル系樹脂系の紫外線硬化性樹脂塗料を塗布し、水銀燈からの紫外線照射により硬化させて、トップコート層70を形成した。これらのステップによって、化粧材100を得た。
実施例2〜4、及び比較例1、2の転写シートおよび化粧板は、図7に示すように転写シートの各層の材料を適宜変更した以外は実施例1と同様にして、作製した。
実施例および比較例の化粧材について、密着性試験を行い、この密着性試験で合格した化粧材について、耐熱性試験を実施した。
密着性は、JIS K5600−5−6に準拠したクロスカット法により試験した。被転写体60からの転写シートの剥離(一部が残存する場合を含む)が観察された場合を「×」とし、剥離が観察されない場合を「○」とした。
耐熱性は、JIS K6902に準拠した耐熱試験法により試験した。この耐熱試験法は、油を入れて180℃まで加熱した鍋を化粧材の表面に20分間放置して、化粧材の表面の変化を観察するというものである。化粧材の表面に膨れが観察された場合を「×」とし、観察されない場合を「○」とした。
図7は、実施例と比較例の転写シートの内容とそれらの試験結果をまとめた表である。
実施例1では、密着性試験と耐熱性試験の両方とも良好な結果が得られた。
実施例2では、光輝性顔料層どうしの層間での剥離は生じなかった。ただし、実施例2では、トップコート層70と剥離層20との間で剥離が観察された。この結果と実施例1の結果から、剥離層20にイソシアネートが含まれることによって、トップコート層70と剥離層20との間の密着性を高められることがわかる。実施例2では、今回試験に用いたトップコート層70との密着性に問題があるものの、光輝性の意匠は十分なものである。よって、トップコートを必要としない用途であれば、十分に利用可能である。また、トップコート層70の材料として適切なものを選択することにより、利用可能な範囲を広げることができる。
実施例3では、密着性試験で良好な結果が得られた。ただし、耐熱性試験において、化粧材の表面に膨れが観察され、耐熱性が不良であった。この結果から、熱融着性接着剤層40にアクリル系樹脂を含めることによって、耐熱性を維持できることが確認できた。この実施例3では、耐熱性が不良であるものの、光輝性の意匠は十分なものである。よって、耐熱性を必要としない用途であれば、十分に利用可能である。
実施例4は、光輝性顔料層どうしの層間での剥離は生じなかった。ただし、実施例4では、熱融着性接着剤層40と被転写体60との間で剥離が観察された。この結果と実施例1の結果から、熱融着性接着剤層40に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂が含まれることによって、熱融着性接着剤層40と被転写体60との間の密着性を高められることがわかる。実施例4では、今回試験に用いた被転写体60との密着性に問題があるものの、光輝性の意匠は十分なものである。よって、異なる被転写体60であれば、利用可能な場合がある。また、シーラー層62の材料として適切なものを選択することにより、利用可能な範囲を広げることができる。
比較例1では、第1光輝性顔料層32と第2光輝性顔料層34との間で剥離が観察された。中間層33を設けることで、第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34における密着性が向上することが確認できた。
比較例2では、比較例1と同様に、第1光輝性顔料層32と第2光輝性顔料層34との間剥離が観察された。中間層33に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を含めることによって、第1光輝性顔料層32及び第2光輝性顔料層34における密着性が向上することが確認できた。
1 転写シート
2 転写層
10 支持体
20 剥離層
30 装飾層
31 第1絵柄層
32 第1光輝性顔料層
33 中間層
34 第2光輝性顔料層
35 第2絵柄層
40 熱融着性接着剤層
60 被転写体(化粧材の基材)
61 被転写体本体
62 シーラー層
70 トップコート層
100 化粧材

Claims (5)

  1. 転写シートであって、
    前記転写シートは、支持体と、前記支持体から剥離が可能な転写層とを有し、
    前記転写層は、剥離層と、装飾層と、熱融着性接着剤層と、がこの順で積層され、
    前記装飾層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第1光輝性顔料層と、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む第2光輝性顔料層とを有し、
    前記装飾層は、前記第1光輝性顔料層と前記第2光輝性顔料層に挟まれた位置に設けられ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含む中間層を備える、
    転写シート。
  2. 請求項1に記載の転写シートにおいて、
    前記熱融着性接着剤層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂と、アクリル系樹脂とを含むこと、
    を特徴とする転写シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の転写シートにおいて、
    前記剥離層は、ウレタン樹脂を含むこと、
    を特徴とする転写シート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の転写シートの熱融着性接着剤層を無機材料製の被転写体を接着させた後、前記支持体を前記剥離層から剥離させる、
    化粧材の製造方法。
  5. 第1光輝性顔料層と、中間層と、第2光輝性顔料層と、無機材料製の基材とをこの順番で有し、
    前記第1光輝性顔料層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含み、
    前記中間層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂とを含み、
    前記第2光輝性顔料層は、アクリル系樹脂と光輝性顔料とを含む、
    化粧材。

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