JP2021160280A - 積層体およびチューブ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】残存した内容物の利用を容易にすることが可能なチューブ容器用の積層体、およびこのような積層体を用いたチューブ容器を提供する。【解決手段】少なくとも第1シーラント層12、基材層13、第2シーラント層15が、順に積層されてなる積層体10であって、積層体10の引き裂き強度は、4N以上16N以下であることを特徴とする積層体10。また、基材層13は紙であってもよい。また、基材層13と第2シーラント層15の間に、さらに金属箔を有してもよい。【選択図】図4

Description

本発明は、胴部を容易に解体でき、使用後に残存した内容物の利用を容易にするチューブ容器用の積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器に用いられる積層体は、外面と内面に用いられるシーラント層の間に基材層が設けられた構成となっている。基材層としては、機械的、物理的、化学的、その他等における適性を満たすため、樹脂フィルムが用いられている(特許文献1参照)。
特開2005−178851号公報
一方、チューブ容器では、内容物が全て出し切れず、内容物が残ってしまうことがある。このような場合、チューブ容器の胴部を破断して、内容物を取り出したいという場合もある。しかしながら、上記従来のチューブ容器では、胴部を構成する積層体の強度が高いため、破断が容易ではなく、ハサミ等の道具を用いて胴部を破断することが行われている。
そこで、本発明は、胴部を容易に破断して残存した内容物の利用を容易にすることが可能なチューブ容器用の積層体、およびこのような積層体を用いたチューブ容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
少なくとも第1シーラント層、基材層、第2シーラント層が、順に積層されてなる積層体であって、
前記積層体の引き裂き強度は、4N以上16N以下であることを特徴とする積層体を提供する。
また、本発明の積層体は、
前記基材層は紙であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記基材層と前記第2シーラント層の間に、さらに金属箔を有することを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記紙基材層に用いられる紙の坪量は、50g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記第1シーラント層、前記第2シーラント層のいずれか1つ以上に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする。
また、本発明は、
前記積層体を胴部として用いたことを特徴とするチューブ容器を提供する。
本発明によれば、残存した内容物の利用を容易にすることが可能なチューブ容器用の積層体、およびこのような積層体を用いたチューブ容器を提供することができる。
キャップを装着した状態のチューブ容器の正面図(部分断面図)である。 内容物入りチューブ容器の包装製品の正面図(部分断面図)である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の筒状の胴部を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の胴部の積層体の断面図である。 引き裂き強度の試験を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
本明細書において「外面」、「内面」とは、積層体10を用いてチューブ容器30を作製した場合における「外面」および「内面」を意味する。また「上側」、「下側」とは、チューブ容器30を、口部36及びキャップ20を上向きにした際に、「上側」とは口部36側を意味し、「下側」とは口部36の反対側(図1における34B側、図2における39側)を意味する。
図1は、キャップを装着した状態の本実施形態に係るチューブ容器の部分断面図である。図2は、内容物入りのチューブ容器の包装製品の部分断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るチューブ容器30は、積層体10で構成される胴部31と、胴部31に対して圧縮成形、射出成形などの方法により合成樹脂を設けることにより作製される頭部成形体37とを備えている。頭部成形体37は、さらに肩部35、口部36を備えている。またチューブ容器30の口部36には、キャップ20が装着される。
チューブ容器30は、吐出用の開口を含む筒状体の口部36と、口部36に連設され下側に向うにつれて外周が広がる錘台筒状の肩部35とによって構成される頭部成形体37を有する。図1において、頭部成形体37は、右半分にその正面が示されており、左半分に、その径方向中心を通って正面と平行に切断した面が示されている。図1の左半分においてハッチングがなされた部分は、頭部成形体37の実体を示し、空白部分が空洞である。肩部35は、口部36から離れるほど、チューブ容器30の径方向の外側に広がる例えば円錐台筒状に構成されている。例えば、肩部35は、水平に対して30度の傾きを有している。肩部35は、下側において胴部31に連設されている。
略円筒状の口部36は、外面側にネジ山として機能する螺旋状の凸部を有する。口部36の内周面は開口を規定する。口部36の開口は、内容物を吐出するための吐出口となる。胴部31に収容される中身は、開口を通過することによってチューブ容器30から吐出される。
頭部成形体37は、上記のような構造により、内側にネジ溝を有するキャップ20と、螺合することにより着脱可能になっている。
胴部31は、フィルム状の積層体が筒状に成形されたものである。そして、筒状に延びる胴部31の一端が肩部35と接合されている。一方で、筒状の胴部31の内面が重ねられて接合された底シール部39によって胴部31の他端が封止されている(図2参照)。底シール部39は、胴部31に中身が充填された後に接合されれば良い。チューブ容器30の特に胴部31は、多少の粘度を有する中身であっても所望の量を容易に押し出すことが可能な可撓性(柔軟性、スクイズ性)を有するように構成されているとよい。胴部31の寸法は、中身の種類等によって適宜設計されれば良く、例えば、直径が50mmとされている。
上記のような構成からなるチューブ容器30は、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図3に示すように、積層体10を用いて、積層体10の一対の貼り合わせ端部(以下、両端部と呼ぶことがある。)33A、33Bを重ね合わせて、その重ね合せ部分の外面と内面とをヒートシールして貼り合わせて胴貼り部32を形成することにより、筒状の胴部31を製造する。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シールなどの従来公知の方法で行うことができる。
次に、図3に示した筒状の胴部31を金型(図示省略)内に装着し、胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、例えば、圧縮成形、射出成形などの方法によって、図1に示した頭部成形体37(肩部35、口部36)を形成する。このようにして胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、頭部成形体37(肩部35、口部36)が一体に成形されてチューブ容器30が作製される。そしてチューブ容器30の口部36側にキャップ20が装着される。
次に、図1に示したチューブ容器30の筒状の胴部31の他方の開口部(下側)34Bから、例えば、ハンドクリーム、日焼け止め、ヘアスタイリング剤、歯磨き粉、その他の内容物が適量分だけ充填される。その後、開口部(下側)34Bを溶着して、図2に示した底シール部39を形成する。この結果、内容物を充填包装したチューブ容器30を含む包装製品30Aが得られる。
頭部成形体37の詳細についてさらに説明する。頭部成形体37には、口部36、肩部35が適度の硬さとなるように成形することができ、胴部31の材料との接着性が高く、中身の品質に影響を与えず、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として頭部成形体37には熱可塑性樹脂が用いられ、より具体的には高密度ポリエチレン(HDPE)が用いられる。
更に、頭部成形体37には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)等のポリオレフィン樹脂や、オレフィンと、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、不飽和カルボン酸等の共重合性モノマーとの共重合体やこれらのブレンド組成物等のポリオレフィン系樹脂、及び上述の樹脂が、高密度ポリエチレンにブレンドされた樹脂等が用いられても良い。更に、耐熱性や、胴部31との熱接着性の観点からは頭部成形体37には、直鎖状低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンがブレンドされた樹脂が用いられると良い。更に、頭部成形体37の特に肩部35には、酸素等の気体の透過を防止するためにバリア材としての円錐台状筒体が積層されていても良い。肩部35には、植物由来性樹脂が含まれてもよい。
頭部成形体37の肩部35の形成に用いる高密度ポリエチレンは化石原料由来のものを使用してもよいが、環境負荷の低減のためカーボンニュートラル材料として知られるバイオマス由来の高密度ポリエチレンを使用してもよい。頭部やキャップはチューブ容器に占める質量割合が大きいため、頭部成形体37をバイオマス由来の高密度ポリエチレンを用いて成形することにより、チューブ容器全体として化石原料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、チューブ容器30の頭部成形体37は、従来の化石原料から得られる原料から製造された頭部と比べて、機械的特性等の物性面で遜色がないため、従来の頭部を代替することができる。
環境負荷低減の観点からは、バイオマス由来のポリエチレンのみを用いることが好ましいと言えるが、製造コスト等を考慮して、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドしたものを用いてもよい。ここで、バイオマス由来のポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー重合体である。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。原料モノマー中のバイオマス由来のエチレンの含有量は、100質量%である必要は無く、例えば、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。原料モノマーには、化石原料由来のエチレンが含まれていてもよく、ブチレン、ヘキセン、およびオクテン等のα−オレフィンのモノマーが含まれていてもよい。このような場合であっても、得られた重合体をバイオマスポリエチレンと呼ぶ。バイオマス由来のポリエチレンを使用する場合、異なるバイオマス度のポリオレフィンを2種以上含むものであってもよい。また、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドする場合、混合方法は特に限定されず、ドライブレンドやメルトブレンドでもよい。また、両者を混合する場合の化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとの混合割合は、質量比において1:9〜9:1が好ましく、より好ましくは2:8〜8:2である。
例えば、バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。すなわち、植物由来性樹脂を用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを挙げることができる。
本発明において、バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
そして、これらのような樹脂が用いられる頭部成形体37の厚さは0.5 mm以上、2.0 mm以下であることが好ましい。本実施形態では、頭部成形体37は、圧縮成形(コンプレッション成形)によって作製される。このため、コンプレッション成形物である頭部成形体37では、天面等の厚肉の部分にも、成形時の収縮によって生じるくぼみ、いわゆるヒケが生じないようにすることができる。更に、ゲート部のような材料の無駄も削減することができる。なお、頭部成形体37を射出成形(インジェクション成形)によって作製してもよい。
次に、図4により、筒状の胴部31を形成する積層体10について説明する。チューブ容器30の胴部31を形成する積層体10は、図4に示すように、外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層12と、紙基材層13と、接着層16と、バリア層14と、第2シーラント層15とを有する積層体である。第1シーラント層12、紙基材層13、接着層16、バリア層14、第2シーラント層15の各厚みは、現実にはそれぞれ異なっているが、図4においては、便宜上、同一の厚みで示している。また、ドライラミネートによる接着の際に形成される接着剤層は、他の層に比べて薄いため図示を省略している。筒状の胴部31を形成する際には、積層体10の一端において、第1シーラント層12の外面と第2シーラント層15の内面が直接接着される。基材層としては、紙以外の材料を用いることもできるが、本実施形態では、基材層として紙を材料とした紙基材層13を用いている。
紙基材層13の外面には印刷インキを用いて所望の模様を含む外面印刷部13Aが形成されている。なお、基材層として紙以外で透視可能な材料を用いた場合は、基材層の内面に印刷インキを用いて、内面印刷部を設けても良い。また、第1シーラント層12の外面に、印刷インキを用いて所望の模様を含む外面印刷部を形成するようにしてもよい。
また、第1シーラント層12と紙基材層13とは、押出しラミネートにより接合されている。また、紙基材層13とバリア層14とは押出しラミネートによる接着層16により接合されている。また、バリア層14と第2シーラント層15とは押出しラミネート(接着層16と同様の接着層:図示省略)またはドライラミネートにより接合されている。バリア層14と第2シーラント層15の層間が押出しラミネートにて積層される場合、バリア層14と第2シーラント層15を押出樹脂と相溶させることで耐内容物性を維持することができる。
ドライラミネートにより2つの層を接着する場合、積層しようとする層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成される接着剤層とすることができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で積層体を構成する層の塗布面に塗布することができる。
押出しラミネートに使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、上記したポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上記したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用して、バイオマス度をさらに向上させることができる。
押出しラミネート法により接着樹脂層である接着層16を積層する場合には、積層される側の層の表面に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成されるアンカーコート(AC)層を設けてもよい。アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
乾燥後のアンカーコート層は、0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下の厚さを有するものである。乾燥後の接着剤層は、好ましくは1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有するものである。接着樹脂層である接着層16は好ましくは5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有するものである。
次に筒状の胴部31の積層体10を構成する各部分の材料について説明する。
第1シーラント層12および第2シーラント層15は例えばポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。具体的には、第1シーラント層12および第2シーラント層15を以下の材料から作製してもよい。
第1シーラント層12および第2シーラント層15としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
また紙基材層13としては、未晒クラフト紙や晒クラフト紙、カップ原紙、パーチメント紙を用いることができ、紙基材層13に印刷を施すことによって紙基材層13に印刷インキからなる外面印刷部13Aを設けることができる。また、紙基材層13は、チューブ容器の剛性保持を担っている。
基材層として紙基材層13以外を用いる場合は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系のフィルムを用いることができる。ポリエチレン(PE)としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることができる。第1シーラント層12および第2シーラント層15として用いられるポリオレフィン系のフィルムと同一のものを用いてもよい。
また基材層としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)層を用いることができ、PET層に印刷を施すことによってPET層に印刷インキからなる内面印刷部を設けることができる。また基材層としてPET層を用いる代わりに、ナイロン層を用いてもよい。ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。
バリア層14としては、水蒸気その他のガスバリア性など、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択され、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムや蒸着フィルムや金属箔を用いることができる。バリア層14として金属箔を用いる場合、金属箔としては、例えば、銅、すず等、バリア性を有する様々な金属箔を用いることができるが、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア層14として蒸着フィルムを用いる場合、蒸着フィルムのベースとなるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。ベースとなるフィルムに蒸着する金属としては、銅、すず等、一般に金属蒸着に用いられる様々なものを用いることができる。また、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や酸化珪素などの無機酸化物の蒸着膜を設けることもできる。
バリア層14として蒸着フィルムを用いる場合、少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。また、各種蒸着膜を備えたフィルムは、基材となるフィルムよりもガスバリア性が優れる。さらに、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。これにより酸素や水蒸気などの透過を抑制するとともに、蒸着膜と隣接して設けることにより、蒸着膜のクラックの発生を効果的に防止することができる。上記のガスバリア性塗布膜は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
第1シーラント層12、第2シーラント層15に用いられる材料として上記した樹脂は、化石原料由来のものだけでなく、バイオマス由来の樹脂を用いてもよい。例えば、上記したバイオマス由来のポリエチレン樹脂の他、特開2012−116082号公報に記載されているようなバイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分として使用したバイオマスポリエステルや、ポリ乳酸樹脂、セロハン、でんぷん、セルロース等を使用することができる。バイオマス由来の樹脂としては植物由来性樹脂を用いることが好ましい。さらに、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂を含む多層シーラントを用いてもよい。
紙基材層13の外面に設けられた外面印刷部13Aは、紙基材層13にグラビア印刷やオフセット印刷されることから、美粧性に秀でた印刷をすることが可能である。また、平滑性に劣る紙基材層の場合は、紙基材層の表面をポリエチレンで被覆することで平滑性を高めることができる。その上にフレキソ印刷やデジタル印刷を行なうことで意匠性を付与することが可能である。
次に、筒状の胴部31の積層体10の製造方法について図4を用いて説明する。
まず、紙基材層13の外面に印刷を施して、紙基材層13の外面に印刷インキからなる外面印刷部13Aを設ける。
次に、紙基材層13の外面に押出しラミネートにより、第1シーラント層12を積層する。次に、紙基材層13の内面に、バリア層14を押出しラミネートにて積層する。これにより、紙基材層13とバリア層14の間には接着層16が形成される。次に、バリア層14の内面に、押出しラミネートまたはドライラミネートにより、第2シーラント層15を接合する。
上記のようにして、胴部31の積層体10が得られる。なお、所望の積層体10が得られるようであれば、上記の製造方法には限られない。
このようにして得られた胴部31の積層体10は円筒状に巻かれ、上述のようにその両端部33A、33Bが重ね合わされて、両端部33A、33Bにおいて積層体10の外面と内面がヒートシールされて、胴貼り部32が形成され、筒状の胴部31が作製される。この場合、積層体10の外面側に設けられた第1シーラント層12と、内面側に設けられた第2シーラント層15とが溶融して接合され、筒状の胴部31が得られる。
なお、上記では胴貼り部32は、重ね合わせにより形成されるが、両端部33A、33Bのそれぞれの端面を、突き合わせて接合してもよい。さらに、上記にて付き合わせて接合した接合線を、筒状の胴部31の内面または外面にフィルムを貼付して保護してもよい。また、内側となる端部33Bには、端面保護のための加工をしてもよい。例えばテープ貼りによる保護や、端部33Bを容器の外側方向に折り曲げる加工(ヘミング加工)などがある。
次に、図3に示した筒状の胴部31の開口部(上側)34Aが金型(図示省略)内に挿着され、筒状の胴部31に圧縮成形、射出成形などの方法を用いて、筒状の胴部31の開口部(上側)34Aに肩部35と口部36が形成されて、チューブ容器30が得られる(図1参照)。
次に、上記のようにして製造されたチューブ容器30の口部36に、キャップ20が装着され、キャップ20が装着されたチューブ容器30は複数まとめてダンボール箱内に収納される。その後、キャップ20が装着された複数のチューブ容器30は、ダンボール箱毎に搬送される。その後、搬送先において、ハンドクリーム、日焼け止め、ヘアスタイリング剤、歯磨き粉、その他の内容物が適量分だけ充填され、開口部(下側)34Bを溶着して底シール部39が形成される。これにより、チューブ容器30に内容物が充填包装された包装製品30Aが得られる。
<実施例1>
第1シーラント層12のベースフィルムとして厚み60μmのLLDPEフィルム、紙基材層13として厚み175μmの紙(日本製紙社製「LRD原紙(坪量150g/m2)」)、接着層16として厚み20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層(EMAA)、バリア層14として厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルム、第2シーラント層15のベースフィルムとして厚み80μmのLLDPEフィルムを用いた。
具体的には、まず、紙基材層13となる厚みが175μmの紙の外面側に外面印刷部13Aを形成した。次に、紙基材層13となる厚み175μmの紙の内面に、押出しラミネートにより、熱可塑性樹脂であるEMAAを厚み20μmの接着層16として、バリア層14となる厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルムを貼り合わせた。ここで使用した酸化ケイ素蒸着PETフィルムは、チューブ容器(ラミネートチューブ)使用時の折り曲げでもバリア性の低下を抑制できるよう酸化ケイ素の蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられており、さらにEMAAと接着性が良好な酸化アルミニウムの蒸着膜を設けている。
次に、バリア層14となる厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルムの内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるポリエチレン(LDPE)を厚み20μmの接着層として、第2シーラント層15となる厚み80μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。
次に、紙基材層13の外面に押出しラミネートにより、第1シーラント層12を積層した。具体的には、紙基材層13の外面において、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるLDPEを厚み15μmの接着層として、第1シーラント層12の中心基材となる厚み60μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。さらに、第1シーラント層12である厚み60μmのLLDPEフィルムの外面に、押出しラミネートにより、厚み15μmのLDPEを積層した。積層体の最外面となる厚み15μmのLDPEは、第1シーラント層12を構成する。
この結果、LDPE15μm/LLDPE60μm/LDPE15μm/印刷層(インキ)/紙175μm/EMAA20μm/酸化ケイ素蒸着PET12μm/AC/LDPE20μm/LLDPEフィルム80μmの構成となる積層体10が得られた。さらに、積層体10を円筒状に巻き、上述のようにその両端部33A、33Bを重ね合わせ、両端部33A、33Bにおいて積層体10の外面と内面をヒートシールして胴貼り部72を形成し、筒状の胴部31を作製した。チューブ形状を特定する筒状の胴部31の内径は、38mmとした。次に、筒状の胴部31の開口部34Aを金型内に挿着し、筒状の胴部31に圧縮成形にて、筒状の胴部31の開口部34Aに肩部35と口部36を形成した。そして、筒状の胴部31の他方の開口部34Bから、内容物としてペースト状の練り歯磨き(歯磨剤)を90g充填した。その後、開口部34Bを溶着して底シール部39を形成して、内容物を充填包装したチューブ容器30を作製した。そして、別途作製されたキャップ20の内面とチューブ容器30の口部36の外面の螺子構造を螺合させることにより、キャップ20をチューブ容器30に装着し、内容物が充填されたチューブ容器30を得た。
<実施例2>
第1シーラント層12として厚み60μmのPE樹脂、紙基材層13として厚み120μmの紙(大王製紙社製「ナゴヤ晒竜王(坪量100g/m2)」)、接着層16として厚み20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層(EMAA)、バリア層14として厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルム、第2シーラント層15のベースフィルムとして厚み60μmのLLDPEフィルムを用いた。
具体的には、まず、紙基材層13となる厚み120μmの紙の外面側に外面印刷部13Aを形成した。次に、紙基材層13となる厚み120μmの紙の内面に、押出しラミネートにより、熱可塑性樹脂であるEMAAを厚み20μmの接着層16として、バリア層14となる厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルムを貼り合わせた。次に、バリア層14となる厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルムの内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるポリエチレン(PE)を厚み20μmの接着層として、第2シーラント層15となる厚み60μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。厚み20μmのLDPEと、厚み60μmのLLDPEフィルムにより、厚み80μmの第2シーラント層が得られた。
次に紙基材層13の外面に押出しラミネートにより、第1シーラント層12を積層した。具体的には、紙基材層13の外面において、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるLDPEを厚み60μmで積層した。
この結果、LDPE60μm/印刷層(インキ)/紙120μm/EMAA20μm/酸化ケイ素蒸着PET12μm/AC/LDPE20μm/LLDPEフィルム60μmの構成となる積層体10が得られた。そして得られた積層体10を用いて実施例1と同様にして、内容物が充填されたチューブ容器30を得た。
<実施例3>
第1シーラント層12として厚み60μmのLDPE樹脂、紙基材層13として厚み70μmの紙(大王製紙社製「スノークイーン(坪量50g/m2)」)、接着層16として厚み20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層(EMAA)、バリア層14として厚み9μmのアルミニウム箔(JIS 1N30)、第2シーラント層15のベースフィルムとして厚み60μmのLLDPEフィルムを用いた。
具体的には、まず、紙基材層13となる厚み70μmの紙の内面に、押出しラミネートにより、熱可塑性樹脂であるEMAAを厚み20μmの接着層16として、バリア層14となる厚み9μmのアルミニウム箔を貼り合わせた。次に、バリア層14となる厚み9μmのアルミニウム箔の内面側に、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるEMAAを厚み20μmの接着層として、第2シーラント層15の中心基材となる厚み60μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。厚み20μmのEMAAと、厚み60μmのLLDPEフィルムにより、厚み80μmの第2シーラント層が得られた。
さらに、紙基材層13の外面に押出しラミネートにより、第1シーラント層12を積層した。具体的には、紙基材層13の外面において、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるLDPEを厚み60μmで積層した。さらに、第1シーラント層12を構成する厚み60μmのLDPE層の外面側にフレキソ印刷により印刷部を形成した。
この結果、印刷/LDPE60μm/紙70μm/EMAA20μm/アルミニウム箔9μm/EMAA20μm/LLDPE60μmの構成となる積層体10が得られた。そして得られた積層体10を用いて実施例1と同様にして、内容物が充填されたチューブ容器30を得た。
<実施例4>
第1シーラント層として厚み90μmのLLDPEフィルム、基材層として厚み12μmのPETフィルム、バリア層として厚み12μmのアルミ蒸着PETフィルム、第2シーラント層として厚み120μmのLLDPEフィルムを用いた。実施例1〜3と比較すると、紙基材層13に代えてPETフィルムを基材層として用いた点が大きな相違である。また、基材層としてのPETフィルムの内面側に印刷部を設けた。また、各層間は、全て接着剤を用いたドライラミネートにより接着した。
この結果、LLDPE90μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/アルミ蒸着PET12μm/DL/LLDPE120μmの構成となる積層体が得られた。そして得られた積層体10を用いて実施例1と同様にして、内容物が充填されたチューブ容器30を得た。
<比較例1>
第1シーラント層として厚み150μmのLLDPEフィルム、バリア層として厚み12μmの酸化ケイ素蒸着PETフィルム、第2シーラント層として厚み150μmの乳白LLDPEフィルムを用いた。実施例1〜3と比較すると、紙基材層13を備えていない点が大きな相違である。また、比較例1においては、積層体全体の厚みを大きくするため、紙基材層がない代わりに、第1シーラント層を150μm、第2シーラント層を150μmとして、厚くしている。また、バリア層としての酸化ケイ素蒸着PETフィルムの内面側に印刷部を設けた。また、各層間は、全て接着剤を用いたドライラミネートにより接着した。
この結果、LLDPE150μm/DL/酸化ケイ素蒸着PET12μm/印刷層(インキ)/DL/乳白LLDPE150μmの構成となる積層体が得られた。比較例1の積層体は、紙基材層を有していない。そして得られた積層体を用いて実施例1と同様にして、内容物が充填されたチューブ容器を得た。
<比較例2>
第1シーラント層として厚み130μmのLLDPEフィルム、基材層として厚み12μmのPETフィルム、バリア層として厚み9μmのアルミニウム箔、第2シーラント層として厚み130μmのLLDPEフィルムを用いた。実施例1〜3と比較すると、紙基材層13に代えてPETフィルムを基材層として用いた点が大きな相違である。また、比較例2においても、積層体全体の厚みを大きくするため、紙基材層がない代わりに、第1シーラント層を130μm、第2シーラント層を130μmとして、厚くしている。また、基材層としてのPETフィルムの内面側に印刷部を設けた。ままた、各層間は、全て接着剤を用いたドライラミネートにより接着した。
この結果、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/ALM9μm/DL/LLDPE130μmの構成となる積層体が得られた。そして得られた積層体を用いて実施例1と同様にして、内容物が充填されたチューブ容器を得た。
<評価>
実施例1〜4、比較例1、2の計6つの積層体について、引き裂き強度の評価を行った。図5は、引き裂き強度の試験を示す図である。このうち、図5(a)は、試験片の平面図であり、図5(b)は、引張試験装置による試験の様子を示す図である。実施例1〜4、比較例1、2により得られた各積層体の、上下方向、左右方向それぞれに沿って長手方向を有する矩形状の部分を切り取り、試験片Sとして用いた。図5(a)に示すように、試験片Sの長手方向に沿って切込みKを有する。試験片Sの短手方向(図5(a)における左右方向)の長さは30mm、試験片Sの長手方向(図5(a)における上下方向)の長さは110mmとした。切込みKは、試験片Sの短手方向の中央に50mmに亘って形成されている。試験片Sの上下方向、左右方向は、それぞれTD(Transverse Direction)、MD(Machine Direction)に対応している。
そして、図5(b)に示すように、引張試験装置により試験片Sの切込みKによって分離される両側それぞれを一対のチャック40、40で引っ張り、50mm引き裂いたときのピーク強度を測定し、「引き裂き強度」とした。引張試験装置としては、(株)オリエンテック製「テンシロン万能試験機RTF」を用いた。引張試験速度は、500mm/minとした。試験結果を表1に示す。
Figure 2021160280
引き裂き強度としては、試験片Sの長手方向を、積層体10のチューブ容器30における上下方向(TD)としたときを縦方向、積層体10のチューブ容器30における左右方向(MD、筒状の胴部31の周方向)としたときを横方向とし、それぞれ3回測定し、平均値を記録した。
表1に示すように、縦方向における実施例1の引き裂き強度が、比較例2の引き裂き強度よりも高い以外は、縦方向、横方向のいずれにおいても、実施例1〜3の積層体では、比較例1、2の積層体に比べて低い引き裂き強度の値が得られた。
表1に示した評価結果より、少なくとも第1シーラント層12、基材層(紙基材層13)、第2シーラント層15が、順に積層されてなり、引き裂き強度が4N以上16N以下である積層体は、それ以外の積層体に比較して、手で破ることが容易になるということが分かった。さらに、実施例1〜4のチューブ容器30は、容易にその胴部31を手で破ることができた。比較例2においては、縦方向の引き裂き強度は比較的低いが、横方向の引き裂き強度が16Nより高いため、引き裂き方向によっては、手では容易に破くことができない。特に、実施例では、縦方向、横方向ともに引き裂き強度が4N以上16N以下であるため、手で破ることが容易になる。縦方向、横方向ともに引き裂き強度が4N未満である場合は、意図しない状態で破れてしまう惧れが生じる。手で破ることが容易になるため、このような積層体を用いてチューブ容器を作製した際に、チューブ容器の胴部をハサミ等の道具を用いて胴部を破断する必要がない。そのため、チューブ容器に残存した内容物の利用を容易にすることが可能となる。
このように、引き裂き強度が低い積層体をチューブ容器30の胴部31として用いることにより、胴部31を手で破ることが容易になり、使用後に残存した内容物の利用を容易にすることが可能となった。特に、基材層は紙であって、基材層に用いられる紙の坪量は、50g/m2以上150g/m2以下であることが好ましい。紙の坪量が上記所定の範囲内であることにより、チューブ容器の筒状の胴部を、手で容易に破ることができることになる。また、実施例3のように、基材層と第2シーラント層の間に、さらに金属箔を有する場合も、好ましい引き裂き強度が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、積層体が、紙基材層と第2シーラント層の間に、バリア層を有する構成としたが、必ずしもバリア層を設ける必要はなく、内容物の特性に応じて適宜設けることができる。また、上記実施形態では、基材層として紙を用いたが、必ずしも紙である必要はなく、所定の引き裂き強度を有する樹脂であってもよい。
また、上記実施形態では、キャップとして、口部の外周面にネジ山を設け、ネジ山に螺合するように、キャップ内面にネジ溝を備えたスクリュータイプのものを用いたが、上下方向の直線運動のみにより容器に対してキャップを着脱させるような、いわゆるワンタッチ嵌合により結合されるタイプのもの等、他のタイプのものを用いてもよい。
10・・・(チューブ容器30の胴部31の)積層体
12・・・第1シーラント層
13・・・紙基材層
13A・・・外面印刷部
14・・・バリア層
15・・・第2シーラント層
16・・・接着層
20・・・キャップ
30・・・チューブ容器
31・・・胴部
32・・・胴貼り部
33A・・・胴貼りの際に外側となる貼り合わせ端部
33B・・・胴貼りの際に内側となる貼り合わせ端部
34A・・・開口部(上側)
34B・・・開口部(下側)
35・・・肩部
36・・・口部
37・・・頭部成形体
38・・・首部
39・・・底シール部
40・・・チャック


Claims (6)

  1. 少なくとも第1シーラント層、基材層、第2シーラント層が、順に積層されてなる積層体であって、
    前記積層体の引き裂き強度は、4N以上16N以下であることを特徴とする積層体。
  2. 前記基材層は紙であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記基材層と前記第2シーラント層の間に、さらに金属箔を有することを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. 前記基材層に用いられる紙の坪量は、50g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の積層体。
  5. 前記第1シーラント層、前記第2シーラント層のいずれか1つ以上に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層体を胴部として用いたことを特徴とするチューブ容器。
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