JP2021160106A - 積層体およびチューブ容器 - Google Patents

積層体およびチューブ容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021160106A
JP2021160106A JP2020061526A JP2020061526A JP2021160106A JP 2021160106 A JP2021160106 A JP 2021160106A JP 2020061526 A JP2020061526 A JP 2020061526A JP 2020061526 A JP2020061526 A JP 2020061526A JP 2021160106 A JP2021160106 A JP 2021160106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
sealant layer
molecular weight
ultra
weight silicone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020061526A
Other languages
English (en)
Inventor
寛美 大村
Hiromi Omura
淑江 勝又
Yoshie Katsumata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020061526A priority Critical patent/JP2021160106A/ja
Publication of JP2021160106A publication Critical patent/JP2021160106A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 チューブ容器内に残る内容物の量を削減することが可能な積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器を提供する。【解決手段】 少なくとも第1シーラント層12、基材層13、第2シーラント層15が、他の層を挟むか、または他の層を挟まずに連続して、順に積層されてなる積層体であって、第2シーラント層15に超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれていることを特徴とする積層体10。特に、第2シーラント層15が複数の層で構成されており、第2シーラント層15の基材層13と反対側に表出する層のみに、超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれている。【選択図】 図4

Description

本発明は、流動体の付着を抑制することが可能な積層体、及び、このような積層体を用いたチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器における胴部用の原反として、基材層とシーラント層を備えた積層体が用いられている。流動体を収容するチューブ容器として、流動体を容器内に残存することなく、最後まで使い切るという観点から、流動体が付着しにくいチューブ容器が求められている。
このようなチューブ容器の積層体の易滑性表面として、粗面を備える基質と、粗面を覆う潤滑液を備えた、撥水面を有する特定の物品が開示されており、潤滑液として、特定のフッ化炭化水素や、有機シリコーン化合物が挙げられている(特許文献1参照)。
特表2014−509959号公報
上記従来の技術では、有機シリコーン化合物等が内容物と接する積層体の表面に位置することにより、流動体である内容物が付着しにくい。しかし、経時変化により、表面に位置する有機シリコーン化合物等が、積層体の表層から少しずつ流れて行ってしまう。このため、チューブ容器の内面側に、内容物が付着し易くなり、内容物がチューブ容器内に残る量が多くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、チューブ容器内に残る内容物の量を削減することが可能な積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
少なくとも第1シーラント層、基材層、第2シーラント層が、他の層を挟むか、または他の層を挟まずに連続して、順に積層されてなり、チューブ容器の胴部に用いられる積層体であって、前記第2シーラント層に超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれていることを特徴とする積層体を提供する。
また、本発明の積層体は、
前記第2シーラント層が複数の層で構成されており、前記第2シーラント層の前記基材層と反対側に表出する層のみに、超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれていることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記第2シーラント層の前記基材層と反対側に表出する層における、超高分子量シリコーンの含有量が3.5質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記第2シーラント層の主成分が密度0.92g/cm3以上の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記第1シーラント層、前記基材層、前記第2シーラント層の少なくともいずれか一層はバイオマス由来の成分を含んでいることを特徴とする。
また、本発明は、
吐出口である口部を有する頭部と、前記頭部と連設された胴部とを備えたチューブ容器であって、
前記積層体を用いて前記胴部が形成されていることを特徴とするチューブ容器を提供する。
本発明によれば、チューブ容器内に残る内容物の量を削減することが可能な積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器を提供することができる。
キャップを装着した状態のチューブ容器の正面図(部分断面図)である。 内容物入りチューブ容器の包装製品の(部分断面図)である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の筒状の胴部を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の胴部の積層体の断面図である。 引張試験装置によるヒートシール強度の測定の様子を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
本明細書において「外面」、「内面」とは、積層体10を用いてチューブ容器30を作製した場合における「外面」および「内面」を意味する。また「上側」、「下側」とは、チューブ容器30を、口部36及びキャップ20を上向きにした際に、「上側」とは口部36側を意味し、「下側」とは口部36の反対側(図1における34B側、図2における39側)を意味する。また、本明細書において「流動体」とは、流動性を示す液状体を意味し、粒子状、又はコロイド状の固形分を含んでいてもよいものとする。
図1は、キャップを装着した状態の本実施形態に係るチューブ容器の部分断面図である。図2は、内容物入りのチューブ容器の包装製品の部分断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るチューブ容器30は、本実施形態に係る積層体10で構成される胴部31と、胴部31に対して圧縮成形、射出成形などの方法により合成樹脂を設けることにより作製される頭部成形体37とを備えている。頭部成形体37は、さらに肩部35、口部36を備えている。またチューブ容器30の口部36には、口部36の吐出口から内容物の漏出を防ぐためのキャップ20が装着される。頭部成形体37は、吐出口である口部36を有する頭部となり、胴部31と連設されてチューブ容器10を構成する。
チューブ容器30は、吐出用の開口である吐出口を含む筒状体の口部36と、口部36に連設され下側に向うにつれて外周が広がる錘台筒状の肩部35とによって構成される頭部成形体37を有する。図1において、頭部成形体37は、右半分にその正面が示されており、左半分に、その径方向中心を通って正面と平行に切断した面が示されている。図1の左半分においてハッチングがなされた部分は、頭部成形体37の実体を示し、空白部分が空洞である。肩部35は、口部36から離れるほど、チューブ容器30の径方向の外側に広がる例えば円錐台筒状に構成されている。例えば、肩部35は、水平に対して30度の傾きを有している。肩部35は、下側において胴部31に連設されている。
略円筒状の口部36は、外面側にネジ山として機能する螺旋状の凸部を有する。口部36の内周面は開口の外縁を形成する。口部36の開口は、内容物を吐出するための吐出口となる。胴部31に収容される中身は、口部36の開口を通過することによってチューブ容器30から吐出される。頭部成形体37は、上記のような構造により、内側にネジ溝を有するキャップ20と、螺合することにより着脱可能になっている。
胴部31は、フィルム状の積層体が筒状に成形されたものである。そして、筒状に延びる胴部31の一端が肩部35と接合されている。一方で、筒状の胴部31の内面が重ねられて接合された底シール部39によって胴部31の他端が封止されている(図2参照)。底シール部39は、胴部31に中身が充填された後に接合されれば良い。チューブ容器30の特に胴部31は、多少の粘度を有する中身であっても所望の量を容易に押し出すことが可能な可撓性(柔軟性、スクイズ性)を有するように構成されているとよい。胴部31の寸法は、中身の種類等によって適宜設計されれば良く、例えば、直径が50mmとされている。
上記のような構成からなるチューブ容器30は、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図3に示すように、積層体10を用いて、積層体10の一対の貼り合わせ端部(以下、両端部と呼ぶことがある。)33A、33Bを重ね合わせて、その重ね合せ部分の外面と内面とをヒートシールして貼り合わせて胴貼り部32を形成することにより、筒状の胴部31を製造する。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シールなどの従来公知の方法で行うことができる。
次に、図3に示した筒状の胴部31を金型(図示省略)内に装着し、胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、例えば、圧縮成形、射出成形などの方法によって、図1に示した頭部成形体37(肩部35、口部36)を形成する。このようにして胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、頭部成形体37(肩部35、口部36)が一体に成形されてチューブ容器30が作製される。そしてチューブ容器30の口部36側にキャップ20が装着される。
次に、図1に示したチューブ容器30の筒状の胴部31の他方の開口部(下側)34Bから、例えば、練り辛子、練りわさび、練り歯磨き、その他の内容物が適量分だけ充填される。その後、開口部(下側)34Bを溶着して、図2に示した底シール部39を形成する。この結果、内容物を充填包装したチューブ容器30を含む包装製品30A(図2参照)が得られる。
頭部成形体37の詳細についてさらに説明する。頭部成形体37には、口部36、肩部35が適度の硬さとなるように成形することができ、胴部31の材料との接着性が高く、中身の品質に影響を与えず、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として頭部成形体37には熱可塑性樹脂が用いられ、より具体的には高密度ポリエチレン(HDPE)が用いられる。
更に、頭部成形体37には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)等のポリオレフィン樹脂や、オレフィンと、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、不飽和カルボン酸等の共重合性モノマーとの共重合体やこれらのブレンド組成物等のポリオレフィン系樹脂、及び上述の樹脂が、高密度ポリエチレンにブレンドされた樹脂等が用いられても良い。更に、耐熱性や、胴部31との熱接着性の観点からは頭部成形体37には、直鎖状低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンがブレンドされた樹脂が用いられると良い。更に、頭部成形体37の特に肩部35には、酸素等の気体の透過を防止するためにバリア材としての円錐台状筒体が積層されていても良い。肩部35には、植物由来性樹脂が含まれてもよい。
頭部成形体37の形成に用いる高密度ポリエチレンは化石原料由来のものを使用してもよいが、環境負荷の低減のためカーボンニュートラル材料として知られるバイオマス由来の高密度ポリエチレンを使用してもよい。頭部やキャップはチューブ容器に占める質量割合が大きいため、頭部成形体37をバイオマス由来の高密度ポリエチレンを用いて成形することにより、チューブ容器全体として化石原料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、チューブ容器30の頭部成形体37は、従来の化石原料から得られる原料から製造された頭部と比べて、機械的特性等の物性面で遜色がないため、従来の頭部を代替することができる。
環境負荷低減の観点からは、バイオマス由来のポリエチレンのみを用いることが好ましいと言えるが、製造コスト等を考慮して、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドしたものを用いてもよい。ここで、バイオマス由来のポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー重合体である。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。原料モノマー中のバイオマス由来のエチレンの含有量は、100質量%である必要は無く、例えば、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。原料モノマーには、化石原料由来のエチレンが含まれていてもよく、ブチレン、ヘキセン、およびオクテン等のα−オレフィンのモノマーが含まれていてもよい。このような場合であっても、得られた重合体をバイオマスポリエチレンと呼ぶ。バイオマス由来のポリエチレンを使用する場合、異なるバイオマス度のポリオレフィンを2種以上含むものであってもよい。また、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドする場合、混合方法は特に限定されず、ドライブレンドやメルトブレンドでもよい。また、両者を混合する場合の化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとの混合割合は、質量比において1:9〜9:1が好ましく、より好ましくは2:8〜8:2である。
例えば、バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。すなわち、植物由来性樹脂を用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを挙げることができる。
本発明において、バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
そして、これらのような樹脂が用いられる頭部成形体37の厚さは0.5 mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。本実施形態では、頭部成形体37は、圧縮成形(コンプレッション成形)によって作製される。このため、コンプレッション成形物である頭部成形体37では、天面等の厚肉の部分にも、成形時の収縮によって生じるくぼみ、いわゆるヒケが生じないようにすることができる。更に、ゲート部のような材料の無駄も削減することができる。なお、頭部成形体37を射出成形(インジェクション成形)によって作製してもよい。
次に、図4により、筒状の胴部31を形成する積層体10について説明する。チューブ容器30の胴部31を形成する積層体10は、図4に示すように、外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層12と、基材層13と、バリア層14と、第2シーラント層15とを有する積層体である。第1シーラント層12、基材層13、バリア層14、第2シーラント層15の各厚みは、現実にはそれぞれ異なっているが、図4においては、便宜上、同一の厚みで示している。また、ドライラミネートによる接着の際に形成される接着剤層は、他の層に比べて薄いため図示を省略している。バリア層14は、必須の層ではなく、少なくとも第1シーラント層12、基材層13、第2シーラント層15が、他の層を挟むか、または他の層を挟まずに連続して、順に積層されてなる積層体であればよい。
本実施形態では、第2シーラント層15は、3層構造であり、第2シーラント層外層15a、第2シーラント層中層15b、第2シーラント層内層15cにより構成されている。第2シーラント層15の最内層である第2シーラント層内層15cは、超高分子量シリコーンとフュームドシリカを所定の比率で含有している。一方、第2シーラント層外層15a、第2シーラント層中層15bは超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有していない(含有比率0.0質量%)。最内層である第2シーラント層内層15cは、第2シーラント層15の基材層13と反対側に表出する層となる。超高分子量シリコーンは、最内層となる第2シーラント層内層15cに、流動体に対する付着抑制力を付与するためのものであり、フュームドシリカは、超高分子量シリコーンの流出を防ぐためのものである。超高分子量シリコーンとフュームドシリカは、チューブ容器の内容物である流動体に接する最内層に存在することに意味がある。そのため、第2シーラント層外層15a、第2シーラント層中層15bは、超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有せず、第2シーラント層内層15cのみが超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有している。本明細書において、超高分子量とは分子量10万以上の分子量を意味する。
第2シーラント層15を単層として構成し、第2シーラント層15全体に超高分子量シリコーンとフュームドシリカを混入することも可能であるが、第2シーラント層としての厚みを確保しつつ、内面側にのみ、超高分子量シリコーンを集約させるため、本実施形態では、第2シーラント層15を3層構造としている。したがって、例えば、第2シーラント層外層15a、第2シーラント層中層15bを1つの層で構成し、第2シーラント層内層15cとの2層構造としてもよい。第2シーラント層内層15cの第2シーラント層15全体に対する厚みの比率は、特に限定されないが、5%以上50%以下とすることが好ましく、7%以上30%以下とすることがより好ましい。本実施形態では、第2シーラント層外層15a、第2シーラント層中層15b、第2シーラント層内層15cの厚みの比率を1:8:1とし、第2シーラント層内層15cの第2シーラント層15全体に対する厚みの比率が10%となるようにしている。
筒状の胴部31を形成する際には、積層体10の両端において、胴貼り部32を形成するため、第1シーラント層12と第2シーラント層15(第2シーラント層内層15c側)が直接貼り合わされる。基材層13の内面には印刷インキを用いて所望の模様を含む内面印刷部13Aが形成されている。また、第1シーラント層12、基材層13の外面に、印刷インキを用いて所望の模様を含む外面印刷部を形成するようにしてもよい。
また、第1シーラント層12と基材層13とは、接着剤を用いたドライラミネートにより接合されている。また、基材層13とバリア層14とはドライラミネートにより接合されている。また、バリア層14と第2シーラント層15(第2シーラント層外層15a側)とはドライラミネートにより接合されている。なお、第1シーラント層12、基材層13、バリア層14、第2シーラント層15の各層の間においては、ドライラミネートに代えて押出しラミネートにより接合するようにしてもよい。
ドライラミネートにより2つの層を接着する場合、積層しようとする層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成される接着剤層とすることができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で積層体を構成する層の塗布面に塗布することができる。
押出しラミネートに使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、上記したポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上記したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用して、バイオマス度をさらに向上させることができる。
押出しラミネート法により接着樹脂層を積層する場合には、積層される側の層の表面に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成されるアンカーコート(AC)層を設けてもよい。アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
乾燥後のアンカーコート層は、0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下の厚さを有するものである。乾燥後の接着剤層は、好ましくは1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有するものである。接着樹脂層は好ましくは5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有するものである。
次に筒状の胴部31の積層体10を構成する各部分の材料について説明する。
第1シーラント層12および第2シーラント層15は例えばポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。具体的には、第1シーラント層12および第2シーラント層15を以下の材料から作製してもよい。
第1シーラント層12および第2シーラント層15としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
第2シーラント層15には、上記の材料を主成分として、他に超高分子量シリコーンとフュームドシリカが含有されている。超高分子量シリコーンは、第2シーラント層15の内面側にブリードアウトして、流動体と接し、流動体を付着し難くする役割を果たす。ただし、超高分子量シリコーン単体であると、ブリードアウトした後、表面から剥落し易い状態となり、流動体の付着抑制効果が持続しない。そこで、超高分子量シリコーンを第2シーラント層15に繋ぎとめるために、フュームドシリカを所定の比率で混合している。超高分子量シリコーンとフュームドシリカの比率は、6:4〜8:2であることが好ましく、6.5:3.5〜7.5:2.5であることがより好ましい。超高分子量シリコーンがフュームドシリカに対して多すぎると、フュームドシリカで繋ぎ止め切れずに超高分子量シリコーンが流出してしまい、超高分子量シリコーンがフュームドシリカに対して少なすぎると、余分なフュームドシリカが無駄になる。本実施形態では、超高分子量シリコーンとフュームドシリカの比率を7:3としている。
第2シーラント層15の最内層である第2シーラント層内層15cには、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが所定の比率で含有されている。超高分子量シリコーンが3.5質量%以下の比率で含有されていることが好ましい。超高分子量シリコーンの含有比率が大きすぎると、ヒートシール強度の低下を招き易いためである。超高分子量シリコーンとフュームドシリカの比率を7:3としているため、超高分子量シリコーンの含有比率を3.5質量%とするためには、超高分子量シリコーンとフュームドシリカの合計の含有比率は、5.0質量%とする必要がある。
また基材層13としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)層を用いることができ、基材層13に印刷を施すことによって基材層13に印刷インキからなる内面印刷部13Aを設けることができる。また、積層体10における基材層13は、チューブ容器30の胴部31の剛性保持を担っている。
バリア層14としては、水蒸気その他のガスバリア性など、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択され、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムや蒸着フィルムや金属箔を用いることができる。バリア層14として金属箔を用いる場合、金属箔としては、例えば、銅、すず等、バリア性を有する様々な金属箔を用いることができるが、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア層14として蒸着フィルムを用いる場合、蒸着フィルムのベースとなるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。ベースとなるフィルムに蒸着する金属としては、アルミニウム、銅、すず等、一般に金属蒸着に用いられる様々なものを用いることができる。また、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や酸化珪素などの無機酸化物の蒸着膜を設けることもできる。
バリア層14として蒸着フィルムを用いる場合、少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。また、各種蒸着膜を備えたフィルムは、基材となるフィルムよりもガスバリア性が優れる。
さらに、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。これにより酸素や水蒸気などの透過を抑制するとともに、蒸着膜と隣接して設けることにより、蒸着膜のクラックの発生を効果的に防止することができる。
上記のガスバリア性塗布膜は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
第1シーラント層12、第2シーラント層15に用いられる材料として上記した樹脂は、化石原料由来のものだけでなく、バイオマス由来の樹脂を用いてもよい。例えば、上記したバイオマス由来のポリエチレン樹脂の他、特開2012−116082号公報に記載されているようなバイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分として使用したバイオマスポリエステルや、ポリ乳酸樹脂、セロハン、でんぷん、セルロース等を使用することができる。バイオマス由来の樹脂としては植物由来性樹脂を用いることが好ましい。
基材層13の内面に設けられた内面印刷部13Aは、平滑でかつ透明性が優れる基材層13に印刷されることから、美粧性に秀でた印刷をすることが可能である。
次に、筒状の胴部31の積層体10の製造方法について図4を用いて説明する。
まず、基材層13の内面に印刷を施して、基材層13の内面に印刷インキからなる内面印刷部13Aを設ける。
次に、基材層13の外面にドライラミネートにより、第1シーラント層12を積層する。
次に、基材層13の内面に、バリア層14をドライラミネートにて積層する。これにより、第1シーラント層12、基材層13、バリア層14が積層された積層体が準備される。一方、共押し製膜により3層からなる第2シーラント層15を準備する。3層のうち最内層となる層には、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが所定の質量比で含有されている。
次に、上記にて準備された第1シーラント層12、基材層13、バリア層14の積層体の内面に、ドライラミネートにより、3層からなる第2シーラント層15を接合する。両者の接合面はバリア層14と、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが含まれていない側の層である第2シーラント層外層15aである。
上記のようにして、胴部31の積層体10が得られる。なお、所望の積層体10が得られるようであれば、上記の製造方法には限られない。
このようにして得られた胴部31の積層体10は円筒状に巻かれ、上述のようにその両端部33A、33Bが重ね合わされて、両端部33A、33Bにおいて積層体10の外面と内面がヒートシールされて、胴貼り部32が形成され、筒状の胴部31が作製される。この場合、積層体10の外面側に設けられた第1シーラント層12と、内面側に設けられた第2シーラント層15とが溶融して接合され、筒状の胴部31が得られる。
なお、上記では胴貼り部32は、重ね合わせにより形成されるが、両端部33A、33Bのそれぞれの端面を、突き合わせて接合してもよい。さらに、上記にて付き合わせて接合した接合線を、筒状の胴部31の内面または外面にフィルムを貼付して保護してもよい。また、内側となる端部33Bには、端面保護のための加工をしてもよい。例えばテープ貼りによる保護や、端部33Bを容器の外側方向に折り曲げる加工(ヘミング加工)などがある。
次に、図3に示した筒状の胴部31の開口部(上側)34Aが金型(図示省略)内に挿着され、筒状の胴部31に圧縮成形、射出成形などの方法を用いて、筒状の胴部31の開口部(上側)34Aに肩部35と口部36が形成されて、チューブ容器30が得られる(図1参照)。
次に、上記のようにして製造されたチューブ容器30の口部36に、キャップ20が装着され、キャップ20が装着されたチューブ容器30は複数まとめてダンボール箱内に収納される。その後、キャップ20が装着された複数のチューブ容器30は、ダンボール箱毎に搬送される。その後、搬送先において、練り辛子、練りわさび、練り歯磨き、その他の流動体である内容物が適量分だけ充填され、開口部(下側)34Bを溶着して底シール部39が形成される。これにより、チューブ容器30に内容物が充填包装された包装製品30Aが得られる。
<実施例1>
第1シーラント層12として厚み130μmのLLDPEフィルム、基材層13として厚み12μmのPETフィルム、バリア層14として厚み12μmのVM−PETフィルム、第2シーラント層15として3層からなる厚み100μmのLLDPEを用いた。VM−PETフィルムとしては、アルミ蒸着PETフィルムを用いた。
具体的には、まず、基材層13となる厚みが12μmのPETフィルムの内面側に内面印刷部13Aを形成した。次に、基材層13となる厚み12μmのPETフィルムの外面に、ドライラミネートにより第1シーラント層12となる厚み130μmのLLDPEフィルムを貼り合わせた。第1シーラント層12となる厚み130μmのLLDPEフィルムとして、MFR(Melt Flow Rate)1.9g/10min、密度0.92g/cm3、融点118℃のものを用いた。
次に、基材層13の内面に、ドライラミネートにより、バリア層14となる厚み12μmのVM−PETフィルムを貼り合わせた。これにより、第1シーラント層12、基材層13、バリア層14が積層された積層体が得られた。
次に、共押し製膜により3層からなる厚み100μmのLLDPEである第2シーラント層15を作成した。3層のうち最内層となる層には、超高分子量シリコーンとフュームドシリカの混合物または化合物が1.0質量%含有されたLLDPEを用いた。他の2層には、超高分子量シリコーンとフュームドシリカは含有されていない、すなわち超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有量が0.0質量%のLLDPEを用いた。
超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含むこと以外は、第2シーラント層15を構成する3層のいずれの層の組成も同じであり、第1シーラント層12と同様、MFR1.9g/10min、密度0.92g/cm3、融点118℃のものを用いた。第2シーラント層15となる3層のうち最内層のLLDPEについては、LLDPE99.0質量%と、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成されるペレット状の添加剤1.0質量%を混錬して生成した。超高分子量シリコーンとフュームドシリカを7:3の比率で含むペレット状の添加剤として、旭化成ワッカーシリコーン社製「GENIOPLAST(登録商標)PELLET P PLUS」を用いた。
次に、第1シーラント層12、基材層13、バリア層14が積層された積層体のバリア層14側と、第2シーラント層15の超高分子量シリコーンとフュームドシリカが含有されていない側の層を、ドライラミネートにより貼り合わせた。
この結果、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10が得られた。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を1.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は0.7質量%となった。
<実施例2>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEにおける超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有率が3.0質量%であること以外は、実施例1と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を3.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は2.1質量%となった。
<実施例3>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEにおける超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有率が5.0質量%であること以外は、実施例1と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を5.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は3.5質量%となった。
<実施例4>
第1シーラント層12となる厚み130μmのLLDPEフィルム、第2シーラント層15となる3層のLLDPEとして、MFR2.1g/10min、密度0.931g/cm3、融点124℃のものを用いた以外は、実施例1と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。第2シーラント層15の3層のうち最内層となるLLDPEにおける超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有率は1.0質量%とした。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を1.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は0.7質量%となった。
<実施例5>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEにおける超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有率が3.0質量%であること以外は、実施例4と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を3.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は2.1質量%となった。
<実施例6>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEにおける超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有率が5.0質量%であること以外は、実施例4と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。第2シーラント層15の最内層は、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成される添加剤を5.0質量%含んでいる。このため、第2シーラント層15の最内層における、超高分子量シリコーンの含有量は3.5質量%となった。
<比較例1>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEに超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含まない、すなわち含有率が0.0質量%であること以外は、実施例1と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。
<比較例2>
第2シーラント層15の3層のうち最内層のLLDPEに超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含まない、すなわち含有率が0.0質量%であること以外は、実施例4と同様にして、LLDPE130μm/DL/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM−PET12μm/DL/LLDPE100μmの構成となる積層体10を得た。
<評価>
実施例1〜6、比較例1、2の積層体ついて、4つの指標を用いて評価を行った。
滑落性については、積層体を壁面に垂直に貼付け、歯磨剤と調味料の流動体2種を6g(直径8mm高さ5mmの円柱状)、積層体の表面に塗布し、5分間放置した後の滑落距離[mm]を測定した。この滑落距離[mm]を滑落性の指標とした。滑落距離が大きい程、内容物として想定される流動体が滑り易いため、滑落性が良好であるということになる。水性内容物を想定した歯磨剤として、ライオン社製「デンタークリアMAX スペアミント」を用いた。また、油性内容物を想定した調味料として、味の素社製「香味ペースト」を用いた。滑落性については、各実施例、比較例について、それぞれ3回測定し、平均値を記録した。
ヒートシール強度については、積層体の第2シーラント層15側どうしをヒートシールしたものを15mm幅の試験片として用意した。ヒートシールの条件は、加熱温度180℃、圧着圧力1.0kg/cm2、加熱圧着時間1.0秒とした。そして、図5に示すように、引張試験装置により試験片Sの未シール部分を一対のチャック40、40で引っ張り、シール部分が破断するまで引張荷重を加え、その間の最大荷重をヒートシール強度とした。引張試験装置としては、(株)オリエンテック製「テンシロン万能試験機RTF」を用い、チャック間距離L:40mm、引張試験速度:300mm/minとした。ヒートシール強度については、各実施例、比較例について、それぞれ3回測定し、平均値を記録した。
滑り性については、対金属、対フィルムについて、それぞれ静摩擦係数μs、動摩擦係数μdを測定した。静摩擦係数μs、動摩擦係数μdは、“JIS K7125:1999”に準拠した試験方法により測定した。滑り性については、各実施例、比較例について、それぞれ3回測定し、平均値を記録した。金属としては、63mm角、重量200gの摩擦面が鏡面加工されたステンレス板を用いた。フィルムとしては、試験対象と同じ構造である積層体10を用いた。
耐擦過性は、学振型摩擦試験機「スガ試験機株式会社製 染色堅ろう度摩擦試験機 FR−2」を用いて、対金属、対フィルムについて、それぞれ100回、300回の試験を行った。試験後、積層体の第2シーラント層側から目視にて、傷を確認した。確認できた傷が10本未満の場合は〇、確認できた傷が10本以上30本未満の場合は△、確認できた傷が30本以上の場合は×と評価した。
滑落性、ヒートシール強度については、表1のような結果となり、滑り性、耐擦過性については、表2のような結果となった。表1、2においては、実施例および比較例を、第2シーラント層の樹脂ごとに、超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率の順に示している。比較例1と実施例1〜3は、第2シーラント層の樹脂として同一のものを用い、比較例1の第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が最小の0.0質量%であり、実施例3の第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が最大の5.0質量%である。同様に、比較例2と実施例4〜6は、第2シーラント層の樹脂として同一のものを用い、比較例2の第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が最小の0.0質量%であり、実施例6の第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が最大の5.0質量%である。
なお、実施例1〜6においては、超高分子量シリコーンとフュームドシリカが7:3の比率で構成されるペレット状の添加剤を混錬して第2シーラント層の最内層となる樹脂を形成している。このため、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンの含有比率は、実施例1、4では0.7質量%であり、実施例2、5では2.1質量%であり、実施例3、6では3.5質量%である。
Figure 2021160106
Figure 2021160106
表1に示した評価結果より、滑落性については、歯磨剤、調味料のいずれの場合であっても、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど、良好な結果が得られた。すなわち、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど滑り易くなった。したがって、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率を大きくした積層体をチューブ容器の胴部に用いることにより、内容物の付着を抑止することができると考えられる。また、第2シーラント層のLLDPEの特性によって比較すると、比較例1と実施例1〜3よりも、比較例2と実施例4〜6の方が、歯磨剤、調味料のいずれの場合でも滑落性が良好であった。
また、表1に示した評価結果より、ヒートシール強度については、実施例1〜3、実施例4〜6が、それぞれ比較例1、比較例2よりも値が小さくなった。すなわち、第2シーラント層の最内層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを僅かでも含有している場合に、ヒートシール強度は弱くなった。また、第2シーラント層のLLDPEの特性によって比較すると、比較例1と実施例1〜3よりも、比較例2と実施例4〜6の方が、ヒートシール強度が弱くなった。
また、表2に示した評価結果より、滑り性については、対金属、対フィルムのいずれの場合であっても、静摩擦係数μs、動摩擦係数μdが、実施例1〜3、実施例4〜6が、それぞれ比較例1、比較例2よりも小さくなった。すなわち、第2シーラント層の最内層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを僅かでも含有している場合に、滑り性が良好となった。したがって、第2シーラント層の最内層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを僅かでも含有していることにより、内容物の付着を抑止することができると考えられる。また、第2シーラント層のLLDPEの特性によって比較すると、比較例1と実施例1〜3よりも、比較例2と実施例4〜6の方が、対金属、対フィルムのいずれの場合でも滑り性が良好であった。
また、表2に示した評価結果より、耐擦過性については、対金属、対フィルムのいずれの場合であっても、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど、良好な結果が得られた。すなわち、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど傷が付き難くなった。特に、対フィルムの場合、第2シーラント層の最内層に、超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有していない比較例1では、傷の数が多かった。また、第2シーラント層のLLDPEの特性によって比較すると、比較例1と実施例1〜3よりも、比較例2と実施例4〜6の方が、特に対フィルムで耐擦過性が良好であった。耐擦過性が良好であることにより、積層体からチューブ容器を製造する際に、摩擦が少なく、傷が入りにくい。そのため、好適なチューブ容器の製造が可能となる。
表1、表2の評価結果を基に4つの指標について総合的に判断すると、滑落性については、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど、良好な結果が得られる。ただし、ヒートシール強度については、第2シーラント層の最内層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを僅かでも含有している場合に、弱くなってしまうが、19N/15mm以上なので、実用上は問題がない。また、滑り性については、第2シーラント層の最内層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを僅かでも含有している場合に、滑り性が良好となった。耐擦過性については、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率が大きくなるほど、良好な結果が得られる。以上の結果より、滑落性、滑り性、耐擦過性を高めつつもシール性を維持するため、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンとフュームドシリカの含有比率は、5.0質量%以下であることが好ましい。すなわち、第2シーラント層の最内層における超高分子量シリコーンの含有比率は、3.5質量%以下であることが好ましい。また、第2シーラント層の密度については、比較例1と実施例1〜3で用いた密度が0.92g/cm3であり、比較例2と実施例4〜6で用いた密度0.931g/cm3であるので、密度0.92g/cm3以上であることが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、積層体が、基材層と第2シーラント層の間に、バリア層を有する構成としたが、必ずしもバリア層を設ける必要はなく、内容物の特性に応じて適宜設けることができる。
また、上記実施形態では、第2シーラント層を3層構成としたが、2層であってもよいし、4層以上であってもよい。いずれの場合も、第2シーラント層の最内層のみが超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有することが好ましい。また、第2シーラント層は単層であってもよい。第2シーラント層が単層の場合、この層が超高分子量シリコーンとフュームドシリカを含有することになる。
また、上記実施形態では、チューブ容器のキャップとして、口部の外周面にネジ山を設け、ネジ山に螺合するように、キャップ内面にネジ溝を備えたスクリュータイプのものを用いたが、上下方向の直線運動のみにより容器に対してキャップを着脱させるような、いわゆるワンタッチ嵌合により結合されるタイプのもの等、他のタイプのものを用いてもよい。
10・・・(チューブ容器30の胴部31の)積層体
12・・・第1シーラント層
13・・・基材層
14・・・バリア層
15・・・第2シーラント層
15a・・・第2シーラント層外層
15b・・・第2シーラント層中層
15c・・・第2シーラント層内層
20・・・キャップ
30・・・チューブ容器
31・・・胴部
32・・・胴貼り部
33A・・・胴貼りの際に外側となる貼り合わせ端部
33B・・・胴貼りの際に内側となる貼り合わせ端部
34A・・・開口部(上側)
34B・・・開口部(下側)
35・・・肩部
36・・・口部
37・・・頭部成形体
39・・・底シール部

Claims (6)

  1. 少なくとも第1シーラント層、基材層、第2シーラント層が、他の層を挟むか、または他の層を挟まずに連続して、順に積層されてなり、チューブ容器の胴部に用いられる積層体であって、前記第2シーラント層に超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれていることを特徴とする積層体。
  2. 前記第2シーラント層が複数の層で構成されており、前記第2シーラント層の前記基材層と反対側に表出する層のみに、超高分子量シリコーンおよびフュームドシリカが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第2シーラント層の前記基材層と反対側に表出する層における、超高分子量シリコーンの含有量が3.5質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. 前記第2シーラント層の主成分が密度0.92g/cm3以上の線状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記第1シーラント層、前記基材層、前記第2シーラント層の少なくともいずれか一層はバイオマス由来の成分を含んでいることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 吐出口である口部を有する頭部と、前記頭部と連設された胴部とを備えたチューブ容器であって、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層体を用いて前記胴部が形成されていることを特徴とするチューブ容器。
JP2020061526A 2020-03-30 2020-03-30 積層体およびチューブ容器 Pending JP2021160106A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020061526A JP2021160106A (ja) 2020-03-30 2020-03-30 積層体およびチューブ容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020061526A JP2021160106A (ja) 2020-03-30 2020-03-30 積層体およびチューブ容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021160106A true JP2021160106A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78002102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020061526A Pending JP2021160106A (ja) 2020-03-30 2020-03-30 積層体およびチューブ容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021160106A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4522562B2 (ja) 包装材料および容器
JP2018167860A (ja) チューブ容器
JP6086138B2 (ja) 包装材料及びそれよりなる紙容器
WO2000044632A1 (fr) Materiau d'emballage stratifie pour conteneur en papier
JP5810641B2 (ja) 包装材料及びそれよりなる紙容器
JP6035737B2 (ja) 蓋材および該蓋材を用いた密封容器
JP5991504B2 (ja) 易貫通性蓋材
JP2016022613A (ja) バリア性積層体
JP2021123080A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021030533A (ja) 樹脂フィルム及びラミネートチューブ容器
BR112020022084A2 (pt) bolsa de bico e método para fazer a mesma
JP5509550B2 (ja) ロンデル成形体用積層体の製造方法、ロンデル成形体の製造方法、及びチューブ容器の製造方法
JP2018099814A (ja) 積層体
JP2021160106A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP7392467B2 (ja) チューブ容器
JP2009209202A (ja) ポリ乳酸樹脂用シーラント、該シーラント層を有する積層体、蓋体、及び該シーラントで封止されたポリ乳酸樹脂容器
JP2022056686A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021053861A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP6793662B2 (ja) トップシール材付きチューブ容器
JP5810640B2 (ja) 包装材料及びそれよりなる紙容器
JP6086137B2 (ja) 包装材料及びそれよりなる紙容器
JP4121794B2 (ja) 易開封性シーラントフィルム及びそれを用いた包装材料及び容器
JP2021160280A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021020406A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021037707A (ja) 積層体およびチューブ容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231024

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240416