以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[射出成形機の構成]
図1、図2は、本実施形態に係る射出成形機10の一例を示す図である。具体的には、図1は、射出成形機10の型開完了時の状態を示す図であり、図2は、射出成形機10の型締時の状態を示す図である。本明細書において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。型締装置100が横型である場合、X軸方向は型開閉方向であり、Y軸方向は射出成形機10の幅方向である。Y軸方向負側を操作側と呼び、Y軸方向正側を反操作側と呼ぶ。
図1、図2に示すように、射出成形機10(産業機械の一例)は、金型装置800を開閉する型締装置100と、金型装置800で成形された成形品を突き出すエジェクタ装置200と、金型装置800に成形材料を射出する射出装置300と、金型装置800に対し射出装置300を進退させる移動装置400と、射出成形機10の各構成要素を制御する制御装置700と、射出成形機10の各構成要素を支持するフレーム900とを有する。フレーム900は、型締装置100を支持する型締装置フレーム910と、射出装置300を支持する射出装置フレーム920とを含む。型締装置フレーム910及び射出装置フレーム920は、それぞれ、レベリングアジャスタ930を介して床2に設置される。射出装置フレーム920の内部空間に、制御装置700が配置される。以下、射出成形機10の各構成要素について説明する。
<型締装置>
型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
型締装置100は、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧及び型開を行う。金型装置800は、固定金型810と可動金型820とを含む。
型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定プラテン110、可動プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、及び型厚調整機構180を有する。
固定プラテン110は、型締装置フレーム910に対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型810が取付けられる。
可動プラテン120は、型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置される。型締装置フレーム910上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型820が取付けられる。固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧、及び型開が行われる。
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて配設され、型締装置フレーム910上に型開閉方向に移動自在に載置される。また、トグルサポート130は、型締装置フレーム910上に敷設されるガイドに沿って移動自在に配置されてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
尚、本実施形態では、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し固定され、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されるが、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し固定され、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されてもよい。
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。複数本のタイバー140は、型開閉方向に平行に配置され、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配置され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群などで構成される。一対のリンク群は、それぞれ、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152と第2リンク153とを有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
尚、トグル機構150の構成は、図1及び図2に示す構成に限定されない。例えば図1及び図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152と第2リンク153とを屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されてもよい。
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程、及び型開工程などを行う。
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型820を固定金型810にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や移動速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。
尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、及びクロスヘッド151の移動速度を検出するクロスヘッド移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、及び可動プラテン120の移動速度を検出する可動プラテン移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
昇圧工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。
型締工程では、型締モータ160を駆動して、クロスヘッド151の位置を型締位置に維持する。型締工程では、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。型締工程では、可動金型820と固定金型810との間にキャビティ空間801(図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間801に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。
キャビティ空間801の数は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、複数の成形品が同時に得られる。キャビティ空間801の一部にインサート材が配置され、キャビティ空間801の他の一部に成形材料が充填されてもよい。インサート材と成形材料とが一体化した成形品が得られる。
脱圧工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を型締位置から型開開始位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、型締力を減少させる。型開開始位置と、型閉完了位置とは、同じ位置であってよい。
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型820を固定金型810から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型820から成形品を突き出す。
型閉工程、昇圧工程及び型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程及び昇圧工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、及び型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、及び型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
脱圧工程及び型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、脱圧工程及び型開工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型開開始位置、移動速度切換位置、及び型開完了位置)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、移動速度切換位置、及び型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型閉完了位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の移動速度や位置などの代わりに、可動プラテン120の移動速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置800の交換や金型装置800の温度変化などにより金型装置800の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型820が固定金型810にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
型締装置100は、型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う。なお、型厚調整のタイミングは、例えば成形サイクル終了から次の成形サイクル開始までの間に行われる。型厚調整機構180は、例えば、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に且つ進退不能に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
ねじ軸181及びねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転駆動力は、回転駆動力伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。また、回転駆動力伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
回転駆動力伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車及び駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。また、回転駆動力伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させる。その結果、トグルサポート130のタイバー140に対する位置が調整され、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lが調整される。また、複数の型厚調整機構が組み合わせて用いられてもよい。
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。また、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、及び間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
尚、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
また、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
<エジェクタ装置>
エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
エジェクタ装置200(加圧装置の一例)は、可動プラテン120に取り付けられ、可動プラテン120と共に進退する。エジェクタ装置200は、金型装置800から成形品を突き出すエジェクタロッド210と、エジェクタロッド210を可動プラテン120の移動方向(X軸方向)に移動させる駆動機構220とを有する。
エジェクタロッド210は、可動プラテン120の貫通穴に進退自在に配置される。エジェクタロッド210の前端部は、可動金型820の内部に進退自在に配置される可動部材830と接触する。エジェクタロッド210の前端部は、可動部材830と連結されていても、連結されていなくてもよい。
駆動機構220は、例えば、エジェクタモータと、エジェクタモータの回転運動をエジェクタロッド210の直線運動に変換する運動変換機構とを有する。運動変換機構は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。突き出し工程では、エジェクタロッド210を設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、可動部材830を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で後退させ、可動部材830を元の待機位置まで後退させる。
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。また、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、及びエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
<射出装置>
射出装置300の説明では、型締装置100の説明やエジェクタ装置200の説明とは異なり、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
射出装置300はスライドベース301に設置され、スライドベース301は射出装置フレーム920に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800にタッチし、金型装置800内のキャビティ空間801に成形材料を充填する。射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360などを有する。
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(例えばX軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置800に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
スクリュ330は、シリンダ310内に回転自在に且つ進退自在に配置される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置800内に充填される。
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図2参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(図1参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えば、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される力を検出する。検出した力は、制御装置700で圧力に換算される。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する力を検出する。
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程及び保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程と呼んでもよい。
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転速度は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。また、スクリュ330の回転速度を検出するスクリュ回転速度検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
計量工程におけるスクリュ330の位置及び回転速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、計量開始位置、回転速度切換位置及び計量完了位置が設定される。これらの位置は、前側から後方に向けてこの順で並び、回転速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、回転速度が設定される。回転速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。回転速度切換位置は、設定されなくてもよい。また、区間毎に背圧が設定される。
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定移動速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置800内のキャビティ空間801に充填させる。スクリュ330の位置や移動速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換(所謂、V/P切換)が行われる。V/P切換が行われる位置をV/P切換位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定移動速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
充填工程におけるスクリュ330の位置及び移動速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)、移動速度切換位置及びV/P切換位置が設定される。これらの位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。
スクリュ330の移動速度が設定される区間毎に、スクリュ330の圧力の上限値が設定される。スクリュ330の圧力は、圧力検出器360によって検出される。圧力検出器360の検出値が設定圧力以下である場合、スクリュ330は設定移動速度で前進される。一方、圧力検出器360の検出値が設定圧力を超える場合、金型保護を目的として、圧力検出器360の検出値が設定圧力以下となるように、スクリュ330は設定移動速度よりも遅い移動速度で前進される。
尚、充填工程においてスクリュ330の位置がV/P切換位置に達した後、V/P切換位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切換が行われてもよい。V/P切換の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、及びスクリュ330の移動速度を検出するスクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置800に向けて押す。金型装置800内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。保圧工程における保持圧力及び保持圧力を保持する保持時間は、それぞれ複数設定されてよく、一連の設定条件として、まとめて設定されてよい。
保圧工程では金型装置800内のキャビティ空間801の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間801の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間801からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間801内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ進退不能に配置され、またはスクリュが回転自在に且つ進退自在に配置される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが進退自在に配置される。
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
<移動装置>
移動装置400の説明では、射出装置300の説明と同様に、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
移動装置400は、金型装置800に対し射出装置300を進退させる。また、移動装置400は、金型装置800に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430などを含む。
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切換えることにより、第1ポート411及び第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。また、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411及び第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、制御装置700からの制御信号に応じた回転方向及び回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、及びピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、射出装置300が前方に押される。射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型810に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、射出装置300が後方に押される。射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型810から離間される。
尚、本実施形態では移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
<制御装置>
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、図1〜図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)701と、メモリなどの記憶媒体702と、入力インタフェース703と、出力インタフェース704とを有する。制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インタフェース703で外部からの信号を受信し、出力インタフェース704で外部に信号を送信する。
制御装置700は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、及び突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、及び突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、及び冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。
尚、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないためである。
尚、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、及び突き出し工程以外の工程を有してもよい。
例えば、保圧工程の完了後、計量工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された計量開始位置まで後退させる計量前サックバック工程が行われてもよい。計量工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、計量工程の開始時のスクリュ330の急激な後退を防止できる。
また、計量工程の完了後、充填工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)まで後退させる計量後サックバック工程が行われてもよい。充填工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、充填工程の開始前のノズル320からの成形材料の漏出を防止できる。
制御装置700は、ユーザによる入力操作を受け付ける操作装置750や表示画面を表示する表示装置760と接続されている。操作装置750及び表示装置760は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。表示装置760としてのタッチパネルは、制御装置700による制御下で、表示画面を表示する。タッチパネルの表示画面には、例えば、射出成形機10の設定、現在の射出成形機10の状態等の情報が表示されてもよい。また、タッチパネルの表示画面には、例えば、ユーザによる入力操作を受け付けるボタン、入力欄等の入力操作部が表示されてもよい。操作装置750としてのタッチパネルは、ユーザによる表示画面上の入力操作を検出し、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。これにより、例えば、ユーザは、表示画面に表示される情報を確認しながら、表示画面に設けられた入力操作部を操作して、射出成形機10の設定(設定値の入力を含む)等を行うことができる。また、ユーザが表示画面に設けられた入力操作部を操作することにより、入力操作部に対応する射出成形機10の動作を行わせることができる。射出成形機10の動作は、例えば、型締装置100、エジェクタ装置200、射出装置300、移動装置400等の動作(停止も含む)であってもよい。また、射出成形機10の動作は、表示装置760としてのタッチパネルに表示される表示画面の切り替え等であってもよい。操作装置750及び表示装置760は、型締装置100(より詳細には固定プラテン110)の操作側(Y軸負方向)に配置される。
尚、本実施形態の操作装置750及び表示装置760は、タッチパネルとして一体化されているものとして説明したが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。また、操作装置750に変えて、或いは、加えて、ユーザからの操作入力以外の入力を受け付ける他の入力装置(例えば、音声入力を受け付ける音声入力装置やジェスチャ入力を受け付けるジェスチャ入力装置等)が設けられてもよい。
[制御装置の詳細]
次に、図3を参照して、制御装置700の詳細について説明する。
図3は、制御装置700の構成の一例を示す機能ブロック図である。
制御装置700は、使用頻度記憶部7001と、最適化画面生成部7002と、画面データ記憶部7003と、画面編集部7004と、最適化リンク生成部7005と、リンクデータ記憶部7006と、画面表示部7007と、データ出力部7008とを含む。使用頻度記憶部7001の機能は、例えば、記憶媒体702(例えば、補助記憶装置)に規定される所定の記憶領域や、記憶媒体702にインストールされる所定のプログラムがCPU701上で実行されること等により実現されてよい。画面データ記憶部7003、及びリンクデータ記憶部7006の機能についても同様であってよい。また、最適化画面生成部7002の機能は、記憶媒体702にインストールされる所定のプログラムをCPU701上で実行することにより実現されてよい。画面編集部7004、最適化リンク生成部7005、画面表示部7007、及びデータ出力部7008の機能についても同様であってよい。
使用頻度記憶部7001は、表示装置760に表示可能な所定の表示単位ごとのユーザによる使用頻度に関するデータ(以下、「使用頻度データ」)を記憶する。また、使用頻度記憶部7001は、表示装置760の表示内容の変化(例えば、表示装置760に表示される各種の画面や画面要素等の切り換わり)に応じて、使用頻度記憶部7001の使用頻度データを更新する(例えば、後述の如く、新たなレコードデータを追加する)。所定の表示単位とは、例えば、表示装置760に一の情報を表す一の構成要素(以下、「画面要素」)を表示する、或いは、互いに異なる情報を表す複数の画面要素を一体として表示する表示画面であってよい。また、所定の表示単位とは、例えば、表示画面に含まれる画面要素であってもよい。使用頻度データは、例えば、表示単位の一回の使用(表示)ごとに生成されるレコードデータの集合であってよく、使用頻度記憶部7001には、蓄積されるレコードデータの集合による使用頻度データベースが構築されてよい。
使用頻度は、例えば、表示装置760への表示回数であってよい。表示回数は、例えば、表示装置760に一定時間以上継続して表示された回数であってよい。例えば、ユーザが所望の表示画面とは異なる表示画面を誤って表示させてしまい、直ぐに他の表示画面に切り換えてしまう場合や複数回の表示画面を切り換えながら所望の画面を表示させる場合等があるからである。また、使用頻度は、例えば、操作装置750を用いてユーザが何等かの設定を行うための表示単位(例えば、設定画面等)が対象である場合、表示単位を通じて所定の設定が行われる回数(設定回数)であってもよい。設定回数は、例えば、所定の表示単位を通じた一連の設定が行われる回数であってよい。一連の設定とは、例えば、操作装置750を通じた所定の表示単位に対する継続的(連続的)な操作により行われる設定である。例えば、操作装置750を通じて、所定の表示単位に対する設定の操作が行われ、相対的に短い(例えば、数秒〜数十秒未満の)時間間隔の後に、所定の表示単位に対する設定の操作が行われる場合、これらは、一体的な一連の設定のための操作と判断されてよい。この場合、これらの操作に伴う設定回数は、1回とカウントされてよい。一方、操作装置750を通じて、所定の表示単位に対する設定の操作が行われ、相対的に長い間隔の後に、所定の表示単位に対する設定の操作が行われる場合、別箇の設定に関する操作と判断されてよい。この場合、これらの操作に伴う設定回数は、2回とカウントされてよい。
また、使用頻度記憶部7001には、例えば、全ての使用頻度データの中から所定の条件を満足する使用頻度データを抽出可能な態様の使用頻度データ(レコードデータ)が記憶されてもよい。例えば、1回の表示単位の使用を表す使用頻度データ(レコードデータ)には、使用(表示)されていた表示単位の識別情報が含まれる。これにより、制御装置700は、予め規定される表示単位ごとの識別情報に基づき、どの表示単位が使用されていたのかを判断することができる。また、使用頻度データには、使用されていた表示単位の識別情報の他に、利用中のユーザの識別情報が含まれてよい。ユーザの識別情報は、例えば、予め登録される複数のユーザごとに固有で規定されるユーザID(Identifier)である。これにより、制御装置700は、予め登録される複数のユーザのうちのどのユーザが射出成形機10(表示装置760)を利用中であったかのかを判断することができる。そのため、制御装置700は、全ての使用頻度データの中から特定のユーザが射出成形機10を利用していたときの使用頻度データを抽出し、特定のユーザによる所定の表示単位ごとの使用頻度を判断することができる。また、使用頻度データには、使用されていた表示単位の識別情報の他に、射出成形機10における異常の発生の有無を表す情報や異常が発生している場合の発生中の異常の識別情報等が含まれてもよい。これにより、制御装置700は、異常が発生していたのか否かを判断したり、発生しうる複数の異常のうちの何れの異常が発生していたのかを判断したりすることができる。そのため、制御装置700は、異常発生時における使用頻度データを抽出し、異常発生時における所定の表示単位ごとの使用頻度を判断したり、特定の異常の発生時における所定の表示単位ごとの使用頻度を判断したりすることができる。また、使用頻度データには、対象の表示単位が表示されていたときの射出成形機10の状態を表す情報が含まれてもよい。射出成形機10の状態には、例えば、段取り中、条件調整中、量産成形中等の状態が含まれてよい。
最適化画面生成部7002は、所定の条件に合わせた最適な表示画面(以下、「最適化画面」)を生成する。最適化画面生成部7002は、例えば、予め登録される複数のユーザのそれぞれに合わせた最適化画面を生成してよい。また、最適化画面生成部7002は、例えば、射出成形機10の状況(例えば、異常の有無の別等)に合わせた最適化画面を生成してもよい。最適化画面の詳細は後述する。
画面データ記憶部7003には、表示装置760に表示可能な表示画面に関するデータ(以下、「画面データ」)が記憶される。画面データには、例えば、表示装置760に表示可能な複数の画面要素のそれぞれの画像データや表示装置760に表示可能な複数の表示画面のそれぞれにおける画面要素の配置に関するデータ等が含まれる。表示装置760に表示可能な複数の表示画面には、例えば、射出成形機10の工場出荷時(初期状態)において予め準備される一又は複数の表示画面(以下「標準画面」)が含まれる。また、表示装置760に表示可能な複数の表示画面には、例えば、最適化画面生成部7002により生成される最適化画面が含まれる。つまり、最適化画面生成部7002により生成された最適化画面の画面データは、画面データ記憶部7003に記憶(登録)される。
画面編集部7004は、操作装置750を通じたユーザの所定の入力操作に応じて、表示装置760に表示可能な表示画面の内容を編集する。以下、画面編集部7004により編集されることにより生成される表示画面を編集画面と称する場合がある。これにより、画面編集部7004は、別々に表示可能な複数の画面要素を集めた編集画面を生成することができる。これにより、ユーザは、操作装置750を通じて、表示装置760に表示可能な表示画面の内容を自らの希望に沿ってカスタマイズした編集画面を作成することができる。画面編集部7004は、例えば、操作装置750により受け付けられる所定の入力操作に応じて、新規の表示画面を生成し、新規の表示画面に含まれる画面要素の内容や画面要素の配置等を編集可能に構成されてよい。また、画面編集部7004は、既存の表示画面に含まれる画面要素の内容を変更したり、画面要素の配置を変更したりする編集が可能に構成されてもよい。既存の表示画面には、例えば、標準画面が含まれる。また、既存の表示画面には、例えば、既に生成済みの最適化画面や編集画面が含まれる。
最適化リンク生成部7005は、所定の条件に合わせた最適な表示画面を表示させるためのショートカットリンク(以下、「最適化リンク」)を生成する。最適化リンク生成部7005は、例えば、予め登録される複数のユーザのそれぞれに合わせた最適化リンクを生成してよい。また、最適化リンク生成部7005は、例えば、射出成形機10の状況(例えば、異常の有無の別)に合わせた最適化リンクを生成してもよい。最適化リンクの詳細は後述する。
リンクデータ記憶部7006には、最適化リンク生成部7005により生成される最適化リンクに関するデータが記憶(登録)される。
画面表示部7007は、表示装置760の表示内容に関する制御を行う。画面表示部7007は、例えば、表示装置760に表示画面を表示させる。具体的には、画面表示部7007は、標準画面、最適化画面、編集画面等の表示画面を表示装置760に表示させてよい。例えば、画面表示部7007は、表示画面の内容を、表示装置760の表示領域に収まる大きさで表示させてよい。また、例えば、画面表示部7007は、表示画面の内容を、表示装置760の表示領域からはみ出す大きさで表示させてもよい。この場合、画面表示部7007は、操作装置750を通じたユーザからの所定の入力操作に応じて、表示装置760に表示されている標準画面の内容を連続的或いは段階的にスクロールさせてよい。これにより、ユーザは、表示装置760の表示領域よりも大きい表示画面の内容の全てを確認することができる。また、画面表示部7007は、例えば、所定の表示画面を表示させるためのショートカットリンク(例えば、最適化リンク)を表す操作対象(例えば、アイコン等)を表示装置760に表示させてもよい。使用頻度記憶部7001は、画面表示部7007による表示装置760の制御状態に基づき、使用頻度データを更新する(例えば、レコードデータを追加する)ことができる。
データ出力部7008は、所定のデータを射出成形機10の外部に出力(送信)する。データ出力部7008は、例えば、最適化画面生成部7002により生成される最適化画面に関する画面データを出力先装置6に送信してよい。また、データ出力部7008は、最適化リンク生成部7005により生成される最適化リンクに関するデータを出力先装置6に送信してよい。
出力先装置6は、所定の通信回線を通じて、射出成形機10(制御装置700)と通信可能に接続される。所定の通信回線には、例えば、射出成形機10が設置される工場内のローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)を含まれる。ローカルネットワークは、有線回線で構成されていてもよいし、無線回線で構成されていてもよいし、その両方を含む形で構成されていてもよい。また、所定の通信回線には、例えば、工場の外部の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)が含まれてもよい。広域ネットワークには、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット網等が含まれてよい。また、所定の通信回線には、例えば、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信回線が含まれてもよい。出力先装置6は、例えば、射出成形機10の稼働状況等の管理する管理装置である。管理装置は、例えば、射出成形機10が設置される工場から相対的に遠く離れた場所にある管理センタ等に設けられるクラウドサーバ(センタサーバ)である。また、管理装置は、例えば、射出成形機10が設置される工場内、或いは、工場から相対的に近い場所(例えば、工場の近くの通信事業者の基地局や局舎等)にあるエッジサーバである。また、管理装置は、例えば、射出成形機10が設置される工場内に設置される端末装置であってもよい。端末装置は、例えば、デスクトップ型のコンピュータ端末等の定置型の端末装置であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ端末等の携帯端末であってもよい。
[標準画面の詳細]
次に、図4、図5を参照して、表示装置760に表示される標準画面の具体例について説明する。
<射出設定画面>
図4は、表示装置760に表示される標準画面の一例を示す図である。具体的には、図4は、射出成形機10の射出工程に関する設定を行うための標準画面(以下、「射出設定画面」)40を示す図である。射出設定画面40は、画面表示部7007の制御下で、表示装置760に表示される。
図4に示すように、射出設定画面40は、上下方向で区分される画面領域41〜45を含む。
画面領域41は、表示画面(射出設定画面40)の下端部に設けられる。画面領域41には、表示装置760に表示させる表示画面を選択するための複数(本例では、9つ)のタブが左右に亘って設けられる。本例では、それぞれのタブは、複数(9つ)の標準画面の中から表示装置760に表示させる標準画面をユーザに選択させるために用いられる。
例えば、画面領域41の左端のタブ("段取")は、射出成形機10の段取りに関する設定を行うための標準画面(以下、「段取り設定画面」)に対応する。また、例えば、画面領域41の左から2番目のタブ("型開閉")は、射出成形機10の型開閉の工程に関する設定を行うための標準画面(以下、「型開閉設定画面」)に対応する。また、例えば、画面領域41の左から3番目のタブ("温度")は、射出成形機10の射出装置300(シリンダ310)の温度設定を行うための標準画面(以下、「温度設定画面」)に対応する。また、例えば、画面領域41の左から4番目のタブ("射出")は、射出設定画面40に対応し、本例では、このタブが選択されている。これにより、表示装置760に射出設定画面40が表示されている。また、例えば、画面領域41の左から5番目のタブ("モニター")は、射出成形機10の稼働状態に関する各種実績データ(即ち、各種センサの検出データ)をユーザに監視させるための標準画面(以下、「モニタ画面」)に対応する。また、例えば、画面領域41の左から6番目のタブ("状態")は、後述の状態監視画面50に対応する。また、例えば、画面領域41の左から7番目のタブ("設備")は、ユーザが画面の言語や表示色等のシステム設定等を行うための標準画面に対応する。また、例えば、画面領域41の左から8番目のタブ("保守")は、例えば、ユーザが定期点検日の入力等を行うための射出成形機10のメンテナンス(保守)に関する情報を表示する標準画面(以下、「メンテナンス情報画面」)に対応する。また、例えば、画面領域41の左から9番目(右端)のタブ("サービス")は、特定の権限(サービス権限)を有するサービスマン等のユーザのみが利用可能な、パラメータ調整等を行うための標準画面に対応する。
このように、ユーザは、操作装置750を用いて、表示画面の下端部(本例では、画面領域41)に設けられる所望のタブを選択することにより、所望の表示画面(例えば、標準画面)を表示装置760に表示させることができる。そのため、ユーザは、例えば、射出設定画面40や後述の状態監視画面50以外の種類の標準画面(例えば、段取り設定画面、型開閉設定画面、温度設定画面、モニタ画面、メンテナンス情報画面等)を表示させることができる。
画面領域42は、表示画面(射出設定画面40)の上下方向の中央よりもやや上部に配置される。画面領域42には、予め定められた情報を表す画面要素が表示される。画面領域42には、例えば、スクリュ位置や充填圧力等の射出に関する情報、型締力等の型締めに関する情報、及びサイクル時間等の全体工程に関する情報を含む画面要素が表示される。
画面領域43は、表示画面(射出設定画面40)の画面領域42の下に隣接して配置される。画面領域43には、射出工程に関する設定を行うための画面要素が表示される。
画面領域44は、画面領域42の上に隣接して配置される。画面領域44には、画面領域42に表示される画面要素を選択するための複数(本例では、4つ)のタブ("実績"、"工程"、"実際"、及び"電力"のそれぞれの文字情報が表示されたタブ)が左右に亘って設けられる。これにより、ユーザは、画面領域42に表示させる画面要素を予め規定される4つの画面要素の中で切り替えることができる。本例では、4つのタブのうちの左端のタブ("実績")が選択されており、画面領域42には、各種パラメータの実績値(検出値)を表す画面要素が表示されている。また、4つのタブのうちの右から2番目のタブ("工程")が選択されると、現在の工程と工程に対応する実績値とが表示される。
画面領域45は、画面領域43の下に隣接して配置される。画面領域45には、画面領域43に表示される画面要素を選択するための複数(本例では、3つ)のタブ("射出・計量"、"詳細"、及び"OPT"のそれぞれの文字情報が表示されるタブ)が左右に亘って設けられる。これにより、ユーザは、画面領域43に表示させる画面要素を予め規定される3つの画面要素の中で切り替えることができる。本例では、3つのタブのうちの左端のタブ("射出・計量")が選択されており、画面領域43には、標準的な射出工程に関する設定項目を表す画面要素が表示されている。
<状態監視画面>
図5は、表示装置760に表示される標準画面の他の例を示す図である。具体的には、図5は、射出成形機10の状態の監視に関する標準画面(以下、「状態監視画面」)50を示す図である。状態監視画面50は、画面表示部7007の制御下で、表示装置760に表示される。
図5に示すように、状態監視画面50は、上下方向に区分される画面領域51〜55を含む。
画面領域51は、表示画面(状態監視画面50)の下端部に設けられる。画面領域51には、表示装置760に表示させる表示画面を選択するための複数(本例では、9つ)のタブが左右に亘って設けられる。本例では、図4に示す射出設定画面40の画面領域41の場合と同様、それぞれのタブは、複数(9つ)の標準画面の中から表示装置760に表示させる標準画面をユーザに選択させるために用いられる。複数のタブのうち、左端から6番目のタブ("状態")は、上述の如く、状態監視画面50に対応しており、このタブが選択されていることにより、表示装置760に状態監視画面50が表示されている。
画面領域52は、表示画面(状態監視画面50)の上下方向の中央よりもやや上部に配置される。
画面領域53は、表示画面(状態監視画面50)の画面領域52の下に隣接して配置される。
画面領域54は、画面領域52の上に隣接して配置される。画面領域54には、画面領域52に表示される画面要素を選択するための複数(本例では、4つ)のタブ("異常"、"設定履歴"、"サイクル分析"、及び"I/Oチェック"のそれぞれの文字情報が表示されたタブ)が左右に亘って設けられる。これにより、ユーザは、画面領域52に表示させる画面要素を予め規定される4つの画面要素の中で切り替えることができる。本例では、4つのタブのうちの左端のタブ("異常")が選択されており、画面領域52には、射出成形機10の複数の部位(型締装置100、エジェクタ装置200、射出装置300等)ごとの各種パラメータの実績値や異常の有無を表す画面要素が表示されている。
画面領域55は、画面領域53の下に隣接して配置される。画面領域55には、画面領域53に表示される画面要素を選択するための複数(本例では、2つ)のタブ("異常履歴"及び"異常時動作選択"のそれぞれの文字情報が表示されるタブ)が左右に亘って設けられる。これにより、ユーザは、画面領域53に表示させる画面要素を予め規定される2つの画面要素の中で切り替えることができる。本例では、2つのタブのうちの左端のタブ("異常履歴")が選択されており、画面領域53には、発生した異常に関する履歴情報を表す画面要素が表示されている。具体的には、画面領域53には、異常の内容(本例では、所定の権限レベルでのログイン)、異常の発生日時、異常の解除日時、及び異常が発生したときのショット数が表示される。本例では、一番上の異常の履歴では、異常の解除日時が表示されておらず、異常がまだ解除されていないことを表している(ログインが継続)。また、2つのタブのうちの右端のタブ("異常時動作選択")のタブが選択されると、異常の種類、及びその異常が発生したときに射出成形機10に実行させる動作をユーザが設定入力するための画面要素が表示される。
[最適化画面の詳細]
次に、図6、図7を参照して、表示装置760に表示される最適化画面の詳細について説明する。
<最適化画面の一例>
本例では、最適化画面生成部7002は、予め登録される複数のユーザのそれぞれに合わせた最適化画面を生成する。
最適化画面生成部7002は、例えば、複数のユーザごとに、ユーザの標準画面やその標準画面に含まれる画面要素の使用状況(使用頻度)に合わせた最適化画面を生成してよい。具体的には、最適化画面生成部7002は、複数の標準画面に表示可能な画面要素の中で対象のユーザの使用頻度が相対的に高い複数の画面要素を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、利用中のユーザに対応する最適化画面を表示装置760に表示させてよい。例えば、射出成形機10は、起動時(例えば、電源ON時)に、表示装置760に表示されるログイン画面を通じて、ユーザID及び対応する正規のパスワードの入力を要求し、認証が成功した場合に、射出成形機10に関する設定等の操作をユーザに許可する態様であってよい。この場合、画面表示部7007は、認証に成功したユーザIDに基づき、利用中のユーザを特定することができる。また、画面表示部7007は、射出成形機10の表示装置760を利用するユーザを撮像可能に設置されるカメラの画像データに基づく顔認証や虹彩認証等を用いて、利用中のユーザを特定してもよい。
例えば、図6は、表示装置760に表示される最適化画面の一例を示す図である。具体的には、図6は、射出成形機10の成形条件の設定を行う頻度が相対的に高いユーザに合わせて生成され、表示装置760に表示される最適化画面60を示す図である。
図6に示すように、最適化画面60は、上下方向に区分される画面領域61〜65を含む。
画面領域61は、表示画面(最適化画面60)の下端部に設けられる。画面領域61は、上述の射出設定画面40の画面領域41や状態監視画面50の画面領域51の場合と同様、表示装置760に表示させる表示画面を選択するための複数(本例では、10)のタブが左右に亘って設けられる。本例では、上述の射出設定画面40の画面領域41や状態監視画面50の画面領域51の場合と異なり、9つの標準画面のそれぞれを表示装置760に表示させるための9つのタブの左端に最適化画面を表示させるためのタブ("最適化")が追加されている。例えば、最適化画面を表示装置760に表示させる機能は、操作装置750を通じた所定の操作に応じて、有効にしたり無効にしたりすることが可能であってよく、図4、図5は、その機能が無効な状態に対応し、図6は、その機能が有効な状態に対応してよい。これにより、ユーザは、操作装置750を通じて左端のタブを選択し、表示装置760に最適化画面60を表示させることができる。
画面領域62は、最適化画面60の上端部に設けられる。画面領域62には、射出成形機10の各種パラメータの実績値(検出値)を表す画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域61の左端から5番目のタブ("射出")に対応する射出設定画面40の画面領域42に表示されている画面要素の一部に相当する(図4参照)。具体的には、画面領域62には、サイクル時間、型開閉時間、充填時間、及び計量時間等の全体工程、型開閉、射出、及び計量等に関する各種パラメータの実績値が表示されている。また、画面領域62には、射出設定画面40の画面領域42に表示されている画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。成形条件の設定を行う頻度が相対的に高いユーザは、成形条件の設定の際に、各種パラメータの実績値を確認する可能性が高く、射出設定画面40の画面領域44に表示されている画面要素の使用頻度が相対的に高くなる可能性が高いからである。
画面領域63は、最適化画面60の画面領域62の下に隣接して設けられる。画面領域63には、射出成形機10の射出装置300(シリンダ310)の温度設定を行うための画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域61の左端から4番目のタブ("温度")に対応する温度設定画面に表示可能な画面要素の一部に相当する。また、画面領域63には、温度設定画面に表示可能な画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。成形条件の設定を行う頻度が相対的に高いユーザは、相対的に高い頻度で温度設定を行う可能性が高いからである。
画面領域64は、最適化画面60の画面領域63の下に隣接して設けられる。画面領域64には、射出工程に関する設定を行うための画面要素が表示されている。この画面要素は、射出設定画面40の画面領域43に表示可能な画面要素の一部に相当する(図4参照)。また、画面領域64には、射出設定画面40の画面領域43に表示可能な画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。成形条件の設定を行う頻度が相対的に高いユーザは、相対的に高い頻度で射出工程に関する設定を行う可能性が高いからである。
画面領域65は、最適化画面60の画面領域64の下、且つ、画面領域61の上に隣接して設けられる。画面領域65には、射出成形機10の型開閉の工程に関する設定を行うための画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域61の左端から3番目のタブ("型開閉")に対応する型開閉設定画面に表示可能な画面要素の一部に相当する。また、画面領域65には、型開閉設定画面に表示可能な画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。成形条件の設定を行う頻度が相対的に高いユーザは、相対的に高い頻度で型開閉に関する設定を行う可能性が高いからである。
尚、最適化画面60に含まれる画面要素は、4つであるが3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
本例では、最適化画面生成部7002は、成形条件の設定を行う頻度が相対的に高い特定のユーザによる表示装置760に表示可能なそれぞれの画面要素の使用頻度を比較し、その中で最も使用頻度が高い4つの画面要素を含む最適化画面60を生成する。そして、画面表示部7007は、この特定のユーザが表示装置760を利用中である場合、画面領域61の左端のタブ("最適化")が選択されるときに、このユーザに合わせて生成された最適化画面60を表示する。これにより、成形条件の設定を行う頻度が相対的に高い特定のユーザは、複数の標準画面を切り替えながら成形条件の設定を行う必要がなくなる。そのため、このユーザの利便性を向上させることができる。
また、例えば、量産中に成形品をチェックする作業を行うユーザは、射出成形機10の稼働状態に関する各種実績データをユーザに監視させるための画面要素、即ち、モニタ画面に表示可能な画面要素の使用頻度が相対的に高くなる可能性がある。そのため、最適化画面生成部7002は、成形品をチェックする作業を行う特定のユーザによる使用頻度が相対的に高い、モニタ画面に表示可能な画面要素の一部又は全部を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、この特定のユーザが表示装置760を利用中である場合、表示画面の下端部の左端のタブ("最適化")が選択されるときに、このユーザに合わせて生成された最適化画面を表示してよい。これにより、量産中に成形品をチェックする作業を行う特定のユーザは、例えば、複数の標準画面を切り替えながら、稼働状態に関する各種実績データを含む所望の情報を確認する必要がなくなる。そのため、このユーザの利便性を向上させることができる。
また、例えば、射出成形機10のメンテナンスの作業を行うユーザは、射出成形機10のメンテナンスに関する情報を表す画面要素、即ち、メンテナンス情報画面に表示可能な画面要素の使用頻度が相対的に高くなる可能性がある。また、射出成形機10のメンテナンスの作業を行うユーザは、射出成形機10の異常の発生に関する情報を表す画面要素、即ち、状態監視画面50に表示可能な画面要素の使用頻度が相対的に高くなる可能性がある。そのため、最適化画面生成部7002は、射出成形機10のメンテナンスを行う特定のユーザによる使用頻度が相対的に高い、メンテナンス情報画面の画面要素や状態監視画面50に表示可能な画面要素の一部又は全部を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、この特定のユーザが表示装置760を利用中である場合、表示画面の下端部の左端のタブ("最適化")が選択されるときに、このユーザに合わせて生成された最適化画面を表示してよい。これにより、射出成形機10のメンテナンスを行うユーザは、例えば、複数の標準画面を切り替えながら、メンテナンスに必要な情報を確認する必要がなくなる。そのため、このユーザの利便性を向上させることができる。
また、最適化画面は、それぞれのユーザの使用頻度の変化に合わせて、含まれる画面要素の一部又は全部が更新されてよい。例えば、同じユーザの作業内容が変化する場合がありうるからである。
また、最適化画面は、使用頻度の実績に依らず、予め規定される複数のユーザ区分ごとに、予め準備されてもよい。例えば、複数のユーザ区分のそれぞれに対応するユーザの作業の特性から使用頻度が相対的に高い画面要素を推測することが可能だからである。複数のユーザ区分には、例えば、射出成形機10の成形条件の設定を行うユーザに相当するユーザ区分、量産中の成形品のチェックを行うユーザに相当するユーザ区分、射出成形機10のメンテナンスを行うユーザに相当するユーザ区分等が含まれてよい。これにより、それぞれのユーザ区分のユーザに合わせて、上記と同様の最適化画面を予め準備することができる。
また、それぞれのユーザに合わせて生成される最適化画面に関する画面データは、データ出力部7008により出力先装置6に出力(送信)されてもよい。これにより、例えば、一の射出成形機10で生成される最適化画面を、出力先装置6を通じて他の射出成形機10に共有させることができる。そのため、同じユーザが他の射出成形機10の表示装置760を利用中である場合に、一の射出成形機10で生成された最適化画面を表示させることができる。よって、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
また、それぞれのユーザに合わせて生成される或いはそれぞれのユーザ区分に合わせて準備される最適化画面は、複数であってもよい。例えば、最も使用頻度が高い複数の画面要素(群)で構成される第1の最適化画面と、第1の最適化画面の画面要素に次いで使用頻度が高い複数の画面要素(群)で構成される第2の最適化画面とが生成されたり、準備されたりしてよい。この場合、画面表示部7007は、操作装置750を通じたユーザからの所定の入力操作に応じて、複数の最適化画面のうちの一の最適化画面を選択的に表示させてよい。これにより、ユーザは、操作装置750を用いて、複数の最適化画面の中から表示装置760に表示させる最適化画面を選択することができる。以下、後述の他の例の場合についても同様であってよい。
<最適化画面の他の例>
本例では、最適化画面生成部7002は、射出成形機10の各種の状態に合わせた最適化画面を生成する。
最適化画面生成部7002は、例えば、射出成形機10の異常の発生時や成形不良の発生時等の予め規定される複数の状態に合わせた最適化画面を生成してよい。具体的には、最適化画面生成部7002は、複数の標準画面に表示可能な画面要素の中で対象の状態での使用頻度が相対的に高い複数の画面要素を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、現在の射出成形機10の状態に対応する最適化画面を表示装置760に表示させてよい。例えば、画面表示部7007は、射出成形機10に異常が発生している場合、異常の状態に対応する最適化画面を表示装置760に表示させる。また、例えば、画面表示部7007は、射出成形機10で成形不良が発生した場合、成形不良の発生状態に対応する最適化画面を表示装置760に表示させる。
例えば、図7は、表示装置760に表示される最適化画面の他の例を示す図である。具体的には、図7は、射出成形機10の異常の発生時に表示装置760に表示される最適化画面70を示す図である。
図7に示すように、最適化画面70は、上下方向に区分される画面領域71〜74を含む。
画面領域71は、表示画面(最適化画面70)の下端部に設けられる。画面領域71は、上述の最適化画面60の場合と同様、表示装置760に表示させる表示画面を選択するための複数(本例では、10)のタブが左右に亘って設けられる。具体的には、9つの標準画面のそれぞれを表示装置760に表示させるための9つのタブの左端に最適化画面を表示させるためのタブ("最適化")が追加されている。つまり、図7は、最適化画面を表示装置760に表示させる機能が有効な状態に対応する。これにより、ユーザは、上述の最適化画面60の場合と同様、操作装置750を通じて左端のタブを選択し、表示装置760に最適化画面70を表示させることができる。
画面領域72は、最適化画面70の上端部に設けられる。画面領域72には、射出成形機10の各種パラメータの実績値(検出値)を表す画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域71の左端から5番目のタブ("射出")に対応する射出設定画面40の画面領域42に表示可能な画面要素の一部に相当する(図4参照)。具体的には、画面領域72には、スクリュ位置や充填圧力等の射出に関するパラメータ、型締力等の型締めに関するパラメータ、及びサイクル時間等の全体工程に関するパラメータを含む各種パラメータが表示される。また、画面領域72には、射出設定画面40の画面領域42に表示可能な画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。異常が発生した場合、ユーザは、各種パラメータの状態を確認する可能性が高いからである。
画面領域73は、最適化画面70の画面領域72の下に隣接して設けられる。画面領域73には、射出工程に関する設定を行うための画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域71の左端から5番目のタブ("射出")に対応する射出設定画面40の画面領域43に表示可能な画面要素の一部に相当する。また、画面領域73には、射出設定画面40の画面領域43に表示可能な画面要素の全部に相当する内容が表示されてもよい。異常が発生した場合、ユーザは、異常が発生した部位に関連する設定の内容を確認する可能性が高いからである。
画面領域74は、最適化画面70の画面領域73の下に隣接して設けられる。画面領域74には、射出成形機10の複数の部位ごとの異常の有無を表す画面要素が表示されている。この画面要素は、画面領域71の左端から7番目のタブ("状態")に対応する状態監視画面50の画面領域52に表示可能な画面要素の全部に相当する(図5参照)。また、画面領域74には、状態監視画面50の画面領域52に表示可能な画面要素の一部に相当する内容が表示されてもよい。異常が発生した場合、ユーザは、どの部位に異常が発生しているかを確認する可能性が高いからである。
尚、最適化画面70に含まれる画面要素は、3つであるが2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
本例では、最適化画面生成部7002は、異常が発生したときの表示装置760に表示可能なそれぞれの画面要素の使用頻度を比較し、その中で最も使用頻度が高い3つの画面要素を含む最適化画面70を生成する。そして、画面表示部7007は、異常が発生した場合、画面領域71の左端のタブ("最適化")が選択されるときに、異常発生時に合わせて生成された最適化画面70を表示装置760に表示させる。これにより、ユーザは、複数の標準画面を切り替えながら発生中の異常に関する情報を確認する必要がなくなる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
同様に、最適化画面生成部7002は、成形不良が発生したときの表示装置760に表示可能なそれぞれの画面要素の使用頻度を比較し、その中で最も使用頻度が高い所定数(例えば、図7の場合と同様に3つ)の画面要素を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、成形不良が発生した場合、表示画面の下端部の画面領域の左端のタブ("最適化")が選択されるときに、成形不良の発生に合わせて生成された最適化画面を表示装置760に表示させてよい。これにより、ユーザは、複数の標準画面を切り替えながら発生した成形不良に関する情報を確認する必要がなくなる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、最適化画面生成部7002は、予め規定される異常の種類ごとに、異常の種類に合わせた最適化画面を生成してもよい。この場合、最適化画面生成部7002は、予め規定される複数の種類の異常ごとに、対象の異常が発生したときの表示装置760に表示可能なそれぞれの画面要素の使用頻度を比較し、その中で最も使用頻度が高い所定数(例えば、3つ)の画面要素を含む最適化画面を生成してよい。そして、画面表示部7007は、複数の種類の異常のうちの一の種類の異常が発生した場合、発生した異常の種類に合わせて生成された最適化画面を表示装置760に表示させてよい。これにより、ユーザは、発生した異常の種類に合わせた情報を速やかに確認することができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
同様に、最適化画面生成部7002は、予め規定される成形不良の種類ごとに、成形不良の種類に合わせた最適化画面を生成してもよい。そして、画面表示部7007は、複数の種類の成形不良のうちの一の種類の成形不良が発生した場合、発生した成形不良の種類に合わせて生成された最適化画面を表示装置760に表示させてよい。これにより、ユーザは、発生した成形不良の種類に合わせた情報を速やかに確認することができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
また、最適化画面は、異常発生時や成形不良発生時におけるそれぞれの画面要素の使用頻度の変化に合わせて、含まれる画面要素の一部又は全部が更新されてよい。例えば、利用するユーザによって、異常発生時や成形不良発生時等に確認する項目が変化しうるからである。
また、最適化画面は、使用頻度の実績に依らず、異常の発生状態や成形不良の発生状態等の予め規定される射出成形機10の状態の区分(以下、「状態区分」)ごとに、予め準備されてもよい。状態区分には、複数の種類の異常が対象として予め規定される場合、それぞれの種類の異常に対応する区分が含まれる。同様に、状態区分には、複数の種類の成形不良が対象として予め規定される場合、それぞれの種類の成形不良に対応する区分が含まれる。例えば、対象となる異常や成形不良の特性からユーザが確認する可能性が高い、即ち、使用頻度が相対的に高い画面要素を推測することが可能だからである。また、状態区分には、例えば、射出成形機10の段取り中、成形条件調整中、及び量産成形中等の状態の区分が含まれる。これにより、それぞれの状態区分に対応する射出成形機10の状態に合わせて、上記と同様の最適化画面を予め準備することができる。
また、射出成形機10の状態に合わせて生成される最適化画面に関する画面データは、データ出力部7008により出力先装置6に出力(送信)されてもよい。これにより、例えば、一の射出成形機10で生成される最適化画面を、出力先装置6を通じて他の射出成形機10に共有させることができる。そのため、他の射出成形機10で共有された最適化画面に対応する状態(例えば、異常等)が発生した場合に、一の射出成形機10で生成された最適化画面を表示させることができる。よって、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
[最適化リンクの詳細]
次に、表示装置760に表示される最適化リンクの詳細について説明する。
<最適化リンクの一例>
本例では、最適化リンク生成部7005は、上記の最適化画面の場合と同様、予め登録される複数のユーザのそれぞれに合わせた最適化リンクを生成する。
最適化リンク生成部7005は、例えば、それぞれのユーザの使用頻度が相対的に高い画面要素を含む標準画面に対するショートカットリンクを表す最適化リンクを生成してよい。そして、画面表示部7007は、利用中のユーザに対応する最適化リンクを表す操作対象(例えば、ポップアップアイコン等)を表示装置760に表示させてよい。例えば、画面表示部7007は、表示装置760の表示領域の下端部に最適化リンクを表すポップアップアイコン等の操作対象を表示してよい。以下、後述の他の例の場合についても同様であってよい。これにより、ユーザは、操作装置750を通じて最適化リンクを表す操作対象を操作するだけで、自身の使用頻度が高い画面要素を含む標準画面に容易にアクセスすることができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。表示装置760に表示される最適化リンクを表すポップアップアイコン等の操作対象の数は、一つであってもよいし、複数であってもよい。以下、後述の他の例の場合についても同様であってよい。また、最適化リンクを表す操作対象は、表示画面と同時に表示装置760に表示されてもよいし、表示画面が表示されていない状態で表示装置760に表示されてもよい。以下、後述の他の例の場合についても同様であってよい。
また、最適化リンクは、上記の最適化画面の場合と同様、それぞれのユーザの使用頻度の変化に合わせて更新されてよい。例えば、同じユーザの作業内容が変化する場合がありうるからである。
また、最適化リンクは、上述の最適化画面の場合と同様、使用頻度の実績に依らず、予め規定される複数のユーザ区分ごとに、予め準備されてもよい。これにより、それぞれのユーザ区分のユーザに合わせて、最適化リンクを予め準備することができる。
また、それぞれのユーザに合わせて生成される最適化リンクに関するデータは、データ出力部7008により出力先装置6に出力(送信)されてもよい。これにより、例えば、一の射出成形機10で生成される最適化リンクを、出力先装置6を通じて他の射出成形機10に共有させることができる。そのため、同じユーザが他の射出成形機10の表示装置760を利用中である場合に、一の射出成形機10で生成された最適化リンクに対応する操作対象を表示させることができる。よって、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
<最適化リンクの他の例>
本例では、最適化リンク生成部7005は、上記の最適化画面の場合と同様、射出成形機10の各種の状態に合わせた最適化リンクを生成する。
最適化リンク生成部7005は、例えば、射出成形機10の異常の発生時や成形不良の発生時等の予め規定される複数の状態に合わせた最適化リンクを生成してよい。具体的には、最適化リンク生成部7005は、複数の標準画面に表示可能な画面要素の中で対象の状態での使用頻度が相対的に高い画面要素を含む標準画面に対する最適化リンクを生成してよい。そして、画面表示部7007は、現在の射出成形機10の状態に対応する最適化リンクを表示装置760に表示させてよい。例えば、画面表示部7007は、射出成形機10に異常が発生している場合、異常の状態に対応する最適化リンクを表示装置760に表示させる。また、例えば、画面表示部7007は、射出成形機10で成形不良が発生した場合、成形不良の発生状態に対応する最適化リンクを表示装置760に表示させる。これにより、ユーザは、操作装置750を通じて最適化リンクを表す操作対象を操作するだけで、射出成形機10の現在の状態(例えば、異常が発生した状態や成形不良が発生した状態)での使用頻度が高い画面要素を含む標準画面に容易にアクセスすることができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、最適化リンク生成部7005は、上記の最適化画面の場合と同様、予め規定される異常の種類ごとに、異常の種類に合わせた最適化リンクを生成してもよい。そして、画面表示部7007は、複数の種類の異常のうちの一の種類の異常が発生した場合、発生した異常の種類に合わせて生成された最適化リンクを表す操作対象を表示してよい。これにより、ユーザは、発生した異常の種類に合わせた情報を速やかに確認することができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
同様に、最適化リンク生成部7005は、予め規定される成形不良の種類ごとに、成形不良の種類に合わせた最適化リンクを生成してもよい。そして、画面表示部7007は、複数の種類の成形不良のうちの一の種類の成形不良が発生した場合、発生した成形不良の種類に合わせて生成された最適化リンクを表す操作対象を表示装置760に表示させてよい。これにより、ユーザは、発生した成形不良の種類に合わせた情報を速やかに確認することができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
また、最適化リンクは、上記の最適化画面の場合と同様、異常発生時や成形不良発生時におけるそれぞれの画面要素の使用頻度の変化に合わせて、更新されてよい。例えば、利用するユーザによって、異常発生時や成形不良発生時等に確認する項目が変化しうるからである。
また、最適化リンクは、上述の最適化画面の場合と同様、使用頻度の実績に依らず、異常の発生状態や成形不良の発生状態等の予め規定される射出成形機10の状態の区分(以下、「状態区分」)ごとに、予め準備されてもよい。例えば、対象となる異常や成形不良の特性からユーザが確認する可能性が高い、即ち、使用頻度が相対的に高い画面要素を推測することが可能だからである。これにより、それぞれの状態区分に対応する射出成形機10の状態に合わせて最適化リンクを予め準備することができる。
また、射出成形機10の状態に合わせて生成される最適化リンクに関するデータは、データ出力部7008により出力先装置6に出力(送信)されてもよい。これにより、例えば、一の射出成形機10で生成される最適化リンクを、出力先装置6を通じて他の射出成形機10に共有させることができる。そのため、他の射出成形機10で共有された最適化画面に対応する状態(例えば、異常等)が発生した場合に、一の射出成形機10で生成された最適化画面を表示させることができる。よって、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
[作用]
次に、本実施形態に係る射出成形機10の作用について説明する。
本実施形態では、表示装置760は、別々に表示可能な複数の画面要素を集めた表示画面(例えば、最適化画面や編集画面)を表示する。
これにより、射出成形機10は、ユーザの表示画面の使用状況、射出成形機10の状況、ユーザの好み等に合わせた表示画面を表示装置760に表示させることができる。そのため、射出成形機10は、表示装置760を利用するユーザの利便性を向上させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、初期状態で準備される複数の標準画面のそれぞれに含まれる複数の画面要素を集めた表示画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、予め準備される標準画面に含まれる画面要素を用いて、具体的に、別々に表示可能な構成要素を集めた表示画面を表示装置760に表示させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、表示可能な画面要素の中での使用頻度が相対的に高い複数の構成要素を集めた最適化画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、ユーザの表示画面の使用状況に合わせた表示画面(最適化画面)を表示装置760に表示させることができる。
また、本実施形態では、最適化画面は、使用頻度の変化に応じて、複数の構成要素の一部又は全部が更新されてよい。
これにより、射出成形機10は、ユーザの表示画面の使用状況の変化に合わせて、最適化画面を更新することができる。そのため、射出成形機10は、表示装置760を利用するユーザの利便性を更に向上させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、利用中のユーザに合わせた最適化画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、予め登録される複数のユーザのそれぞれに合わせた最適化画面を表示装置760に表示させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、複数のユーザ区分のうちの利用中のユーザが該当するユーザ区分に合わせた最適化画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、例えば、複数のユーザ区分ごとのユーザの表示画面の使用特性に合わせた最適化画面を表示装置760に表示させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、選択的に表示可能な複数の最適化画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、複数の最適化画面を通じて、ユーザの利便性を考慮したより多くの画面要素を表示装置760に表示させることができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
また、本実施形態では、表示装置760は、複数の構成要素をスクロール表示可能な最適化画面を表示してよい。
これにより、射出成形機10は、スクロール可能な最適化画面を通じて、ユーザの利便性を考慮したより多くの画面要素を表示装置760に表示させることができる。そのため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
[変形、変更]
以上、実施形態について説明したが、本開示は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、射出成形機10を対象として、表示装置760への画面(最適化画面等)の表示方法を説明したが、他の産業機械を対象として、同様の画面の表示方法が適用されてもよい。他の産業機械には、例えば、工作機械や生産ロボット等、工場に定置される定置型の機械が含まれる。また、他の産業機械には、例えば、移動式の作業機械が含まれる。移動式の作業機械には、例えば、ショベルやブルドーザ等の建設機械、コンバイン等の農業機械、移動式クレーン等の運搬機械等が含まれる。