JP2021159968A - エンドクローズドデッキプレート加工方法、及び加工用金型 - Google Patents
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Abstract
Description
図15(ハ)のように、デッキプレート長さ方向端部を山面の高さ位置H2に梁載置部5Cが形成されるように押し潰したデッキプレート1Cは、いわゆる逆エンクロデッキプレートと呼ばれている。
図15(ニ)のように、デッキプレート長さ方向端部を山面と谷面との中間位置H3に梁載置部5Dが形成されるように押し潰したデッキプレート1Dは中間エンクロデッキプレートと呼ばれている。
図15(イ)は端部を押し潰していない一般的なデッキプレート1Aを示す。
また、中間エンクロデッキプレートは、階高節約という長所を備えつつ、梁上でのコンクリート厚みを確保できるという長所がある。
デッキプレートが幅方向に広がると、隣り合うデッキプレート同士が干渉して相互の端部同士の嵌合ができなくなるので、それを防ぐためにデッキプレートの長手方向端部を押し潰す際に、幅方向両端に開き止め(広がり止め)を設けることが行われている。
すなわち、デッキプレートを施工する場合、デッキプレートを梁上に敷設した後、デッキプレートの長手方向端部を梁に固定するが、固定する手段として下フランジ部を溶接接合する一般的な方法を採用する場合、梁載置部における下フランジ部の特に谷部3に皺が存在すると、梁との隙間が生じてしまうため、溶接不良が発生し易いという問題がある。
また、合成スラブ特有である応力伝達が可能な「焼抜き栓溶接」を行う場合、デッキプレートと梁との隙間を2mm 以下とすることが法律(施工基準?)で定められている。そのようなことから、梁載置部の特に谷部に皺が極力発生しないような端部閉塞手段が望まれているが、各特許文献1、2のエンクロデッキプレート加工方法では、谷部に発生する皺のことに関しては考慮していない。
デッキプレートの前記谷部及び前記平坦部を前記下金型と前記上金型に対して相対的に可動に設けた補助上金型とにより挟持した状態で、デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部を形成することを特徴とする。
ただし、前記谷部に突状のリブがある場合、前記リブを除いた平坦部のみを圧し潰す場合とリブを含めて圧し潰す場合との両者を含む。
また、デッキプレート幅方向両側の平坦部の端に隣接デッキプレート同士を篏合連結するための篏合部がある場合、前記篏合部を除いた平坦部のみを圧し潰す場合と両端の篏合部を含めて圧し潰す場合との両者を含む。
山面高さ位置に形成されるような位置まで可動下金型とともに可動であることを特徴とする。
デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成する可動上金型と固定下金型とを備えるとともに、
押し潰し動作の間に亘って前記固定下金型とで前記谷部及び前記平坦部を挟持可能な補助上金型を前記可動上金型に設けてなり、
前記補助上金型は、前記端部閉塞の梁載置部が谷面高さ位置に形成されるような位置まで可動上金型に対して相対的に可動であることを特徴とする。
デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成するいずれも可動の可動上金型と可動下金型とを備えるとともに、
押し潰し動作の間に亘って前記可動下金型とで前記谷部及び前記平坦部を挟持可能な補助上金型を前記可動上金型に設けてなり、
前記補助上金型は、前記端部閉塞の梁載置部が山面高さ位置と谷面高さ位置との中間の高さ位置に形成されるような位置まで可動上金型に対して相対的に可動であることを特徴とする。
前記付勢手段としては、例えばばね等による弾性付勢手段、又は例えば油圧シリンダ等による加圧付勢手段である(次の請求項6においても同じ)。
この場合、固定上金型に対して相対的に可動に設けた補助上金型と可動下金型とが、押し潰し動作の間に亘って谷部及び平坦部を挟持しているので、デッキプレートの山部の裾が開くことはない。
したがって、隣接する山部間の谷部に左右の山部の裾からの圧縮力が作用することはなく、谷部の中央部が膨らむ(上向きに湾曲する)ことは防止される。谷部が膨らんだ状態で上下の金型で押し潰した場合には谷部に皺が生じるが、膨らみが生じないので皺の発生は防止される。
この場合、可動上金型が5定下金型に対して下降して谷部及び平坦部を押し潰す動作の間に亘って、可動上金型に対して相対的に可動(相対的に上昇)に設けた補助上金型と前記固定下金型とが谷部及び平坦部を挟持しているので、デッキプレートの山部の裾が開くことはない。
したがって、前記と同様に谷部の中央部が膨らむ(上向きに湾曲する)ことは防止され、皺の発生のない端部閉塞の梁載置部が得られる。
この場合、可動上金型に対して相対的に可動に設けた補助上金型と前記可動下金型とが、押し潰し動作の間に亘って谷部及び平坦部を挟持しているので、デッキプレートの山部の裾が開くことはない。
したがって、前記と同様に谷面部の中央部が膨らむ(上向きに湾曲する)ことは防止され、皺の発生のない端部閉塞の梁載置部が得られる。
この場合の補助上金型は、自身は不動(押し潰し動作の間は不動)であるが、下降する可動上金型に対しては相対的に上昇(可動)する。
請求項6において、請求項4を引用するエンドクローズドデッキプレート加工用金型の場合、ばねの伸縮により可動上金型に対して相対的に上下動可能に可動上金型に設けられた補助上金型は、同じく可動である可動下金型とで押し潰し動作の間に亘って(山面高さ位置と谷面高さ位置との中間高さ位置に端部閉塞の梁載置部が形成されるまで)谷部及び平坦部を挟持できる。
この場合の補助上金型は、自身は可動下金型とともに上昇するので、下降する可動上金型に対しては相対的には大きく上昇する。
図2はこの逆エンクロデッキプレート加工用金型11による端部押し潰し加工の工程を説明するもので、(イ)は押し潰し開始時、(ロ)は押し潰しの途中段階、(ハ)は押し潰し終了段階を示す。なお、(イ)は図1(ロ)と同じ図である。
図3の(イ)は図2(イ)のD−D断面図、(ロ)は図2(ロ)のE−E断面図、(ハ)は図2(ハ)のF−F断面図である。図4は図1(ロ)のC−C断面図である。
前記補助上金型14は、デッキプレートの端部閉塞の梁載置部5Cが山面高さ位置H1に形成されるような位置まで可動下金型13とともに可動である。
図示例の補助上金型14は、デッキプレートの谷部3及び平坦部7、8を押さえることができる矩形断面形状をなしており、固定上金型12に設けた矩形断面の中空部Sに付勢手段としてのばね15で下方に付勢された状態で装着されている。
図1、図2において、符号18は前記固定上金型12を固定している固定の金型取付台である。
図2(イ)、図3(イ)、図4は押し潰し加工が始まる直前の段階であり、補助上金型14は、ばね15の力でデッキプレートの谷部3及び平坦部8を可動下金型13に向けて押え付けている。
可動下金型13を下からプレスする図示略の上向き加圧装置により可動下金型13を上向きに上昇させると、デッキプレートの谷部3及び平坦部8が山面側(上側)に押し潰されていくが、その間、補助上金型14は可動下金型13とともにデッキプレートの谷部3及び平坦部8を押さえ付けたまま、固定上金型12に対して相対移動しつつ上昇する。そして、図2(ハ)、図3(ハ)に示すように、デッキプレートの谷部3及び平坦部8が山面位置まで押し潰されて、図15(ハ)のような逆エンクロデッキプレート1Cの梁載置部5Cが形成される。
したがって、隣接する山部間2の谷部3に左右の山部2の裾からの圧縮力が作用することはなく、谷部3の中央部が膨らむ(上向きに湾曲する)ことは防止され、これにより谷部3の中央部が膨んだ状態のまま押し潰されることはなく、谷面部に皺が生じることは防止される。
また、左右両側の平坦部7、8も可動下金型13と可動の補助上金型14(14b)とにより挟持した状態のまま押し潰されるので、デッキプレートが幅方向に開く(広がる)ことは防止され、別途開き防止手段を講じる必要はない。
なお、図示の補助上金型14a´を、リブ3aを挟む2つの補助上金型に分割して、リブ3aの部分は固定上金型12の一部分とする構造(固定上金型で潰す構造)としてもよい。
すなわち、この可動下金型13’は、デッキプレート1の山部2の下面を受ける可動の山部用補助下金型16を備えている。この山部用補助下金型16は可動下金型13’の本体に設けた矩形断面の中空部Sにばね19で上方に付勢された状態で装着されている。
前記山部用補助下金型16は、山部2の下面を受けた状態(挟持状態)を保ちつつ、可動下金型13’の本体とともに上昇する。したがって、山部用補助下金型16は、上金型12に対しては位置不変(移動しない)の状態であるが、上昇する可動下金型13’の本体に対しては相対的に下降する。
なお、山部に凹部や凸部が設けられている場合は、凹部や凸部を除いた山部の平坦部のみを前記山部用補助下金型16は、山部2の下面を受けた状態(挟持状態)を保つことができる。具体的には、前記山部用補助下金型16を分割する構造や、山部における凹部や凸部を除いた平坦な部分(平坦面)に接触する構造としてもよい。
したがって、端部押し潰し加工に際して、補助上金型24は実施例1の場合と同様に、可動下金型13とでデッキプレートの谷部3及び平坦部7、8を押さえ付けたまま、固定上金型12に対して相対移動しつつ上昇し、これにより、デッキプレートの谷部3及び平坦部7、8が山面位置まで押し潰されて、図14(ハ)のような逆エンクロデッキプレート1Cの梁載置部5Cが形成される。
図9(イ)、(ロ)、(ハ)は、実施例1の図2(イ)、(ロ)、(ハ)に対応する図であり、 図10(イ)、(ロ)、(ハ)は、実施例1の図3(イ)、(ロ)、(ハ)に対応する図である。
図示の通り、この実施例の通常エンクロデッキプレート加工用金型31は、図14(ロ)のように、谷面高さ位置H1に端部閉塞の梁載置部5Bを形成するエンクロデッキプレート加工用金型であり、デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成する可動上金型32と固定下金型33とを備えるとともに、押し潰し動作の間に亘って前記固定下金型33とで前記谷部3及び平坦部7、8を挟持可能な補助上金型34(34a、34b)を前記可動上金型32に可動に設けている。
この場合、可動上金型32が固定下金型33に対して下降して谷部3及び平坦部7、8を押し潰す動作の間に亘って、可動上金型32に対して相対的に可動(相対的に上昇)な補助上金型34と前記固定下金型とが谷部3及び平坦部7、8を挟持しているので、デッキプレートの山部の裾が開くことはない。
したがって、前記と同様に谷部の中央部が膨らむ(上向きに湾曲する)ことは防止され、皺の発生のない端部閉塞の梁載置部が得られる。
図9、図10において、符号38は前記固定下金型33を固定している固定の金型取付台である。
図11(イ)は図3(イ)に対応する図であり、図11(ロ)は図3(ハ)に対応する図である。
この中間エンクロデッキプレート加工用金型41は、山面高さ位置と谷面高さ位置との中間の高さ位置H3に端部閉塞の梁載置部5Dを形成する中間エンクロデッキプレート加工用金型である。
図示の通り、この中間エンドクローズドデッキプレート加工用金型41は、デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部を形成するいずれも可動の可動上金型42と可動下金型43とを備えるとともに、押し潰し動作の間に亘って前記可動下金型43とで前記谷部3及び平坦部7、8を挟持可能な補助上金型44を前記可動上金型42に設けている。
補助上金型44は図1〜図4における補助上金型14と同様な構造であり、ばね45によって可動上金型42に対して相対移動可能である。
可動上金型42が図11(イ)のP位置から高さh1だけ下降し、可動下金型43が図11(イ)のQ位置から高さh2だけ上昇することで、図11(ロ)のような中間エンドクローズドデッキプレートの梁載置部5Dが形成される。
この間、補助上金型14は、下降する可動上金型42に対しては相対的に下降しながら、可動下金型43とで谷部及び平坦部を挟持した状態でともに上昇して、中間位置に梁載置部5Dを形成する。その際、コンベア17は可動下金型43を高さh2だけ上昇させる。
このエンクロデッキプレート加工用金型11’は、図1〜図4で説明した逆エンクロデッキプレート加工用金型11において、下金型13’に突起部P、上金型12’に前記突出部Pに対応する凹溝Qを形成したものである。図10(イ)、(ロ)は、それぞれ図2の(イ)、(ハ)に対応する。
この上下の金型12’、13’でデッキプレートの長手方向端部を押し潰して梁載置部を形成すると、図10(ロ)、その要部拡大の図10(ハ)のように、デッキプレートの梁載置部における山面対応部(山面であった部分)に、下金型の突起部Pと上金型の凹溝Qとによって上向き突起、すなわち補強リブ1aが形成されることになる。全断面を潰していても、この補強リブ1aにより、型枠施工時の断面性能低下を抑えることができる。
1B 通常のエンクロデッキプレート
1C 逆エンクロデッキプレート
1D 中間エンクロデッキプレート
2 山部
3 谷部
3a リブ
4 斜面
5B (通常のエンクロデッキプレートの)梁載置部
5C (逆エンクロデッキプレートの)梁載置部
5D (中間エンクロデッキプレートの)梁載置部
7、8 平坦部
7a、8a 篏合部(幅方向両側の平坦部の端)
10 梁
11、11’、11″、21 逆エンクロデッキプレート加工用金型
12、22 固定上金型
13、13’ 可動下金型
14、14´、24 補助上金型
14a、14a′、24a (谷部用の)補助上金型
14b、14b′、24b (平坦部用の)補助上金型
15 ばね
16 山部用補助下金型
19 ばね
26 油圧シリンダ
17 コンベア
18、38 固定の金型取付台
31 通常のエンクロデッキプレート加工用金型
32 可動上金型
33 固定下金型
34 補助上金型
34a (谷部用の)補助上金型
34a (平坦部用の)補助上金型
35 ばね
42 中間エンクロデッキプレート加工用金型
42 固定上金型
13 可動下金型
14 補助上金型
14a (谷部用の)補助上金型
14b (平坦部用の)補助上金型
H1 谷面高さ位置
H2 山面高さ位置
H3 中間高さ位置
Claims (7)
- 山部と谷部とが斜面で連続して台形波形断面形状をなすとともに幅方向両側に谷面高さ位置の平坦部を有するデッキプレートの長さ方向端部を、前記デッキプレートの上面側の上金型と前記デッキプレートの下面側の下金型とで押し潰して端部閉塞の梁載置部を形成するエンドクローズドデッキプレート加工方法であって、
デッキプレートの前記谷部及び前記平坦部を前記下金型と前記上金型に対して相対的に可動に設けた補助上金型とにより挟持した状態で、デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部を形成することを特徴とするエンドクローズドデッキプレート加工方法。 - 山部と谷部とが斜面で連続して台形波形断面形状をなすとともに幅方向両側に谷面高さ位置の平坦部を有するデッキプレートの長さ方向端部を押し潰して、山面高さ位置に端部閉塞の梁載置部を形成するエンドクローズドデッキプレート加工用金型であって、
デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成する固定上金型と可動下金型とを備えるとともに、
押し潰し動作の間に亘って前記可動下金型とで前記谷部及び前記平坦部を挟持可能な補助上金型を前記固定上金型に可動に設けてなり、
前記補助上金型は、前記端部閉塞の梁載置部が山面高さ位置に形成されるような位置まで可動下金型とともに可動であることを特徴とするエンドクローズドデッキプレート加工用金型。 - 山部と谷部とが斜面で連続して台形波形断面形状をなすとともに幅方向両側に谷面高さ位置の平坦部を有するデッキプレートの長さ方向端部を押し潰して、谷面高さ位置に端部閉塞の梁載置部を形成するエンドクローズドデッキプレート加工用金型であって、
デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成する可動上金型と固定下金型とを備えるとともに、
押し潰し動作の間に亘って前記固定下金型とで前記谷部及び前記平坦部を挟持可能な補助上金型を前記可動上金型に設けてなり、
前記補助上金型は、前記端部閉塞の梁載置部が谷面高さ位置に形成されるような位置まで可動上金型に対して相対的に可動であることを特徴とするエンドクローズドデッキプレート加工用金型。 - 山部と谷部とが斜面で連続して台形波形断面形状をなすとともに幅方向両側に谷面高さ位置の平坦部を有するデッキプレートの長さ方向端部を押し潰して、山面高さ位置と谷面高さ位置との中間の高さ位置に端部閉塞の梁載置部を形成するエンドクローズドデッキプレート加工用金型であって、
デッキプレートの長さ方向端部を押し潰して端部閉塞の梁載置部形成するいずれも可動の可動上金型と可動下金型とを備えるとともに、
押し潰し動作の間に亘って前記可動下金型とで前記谷部及び前記平坦部を挟持可能な補助上金型を前記可動上金型に設けてなり、
前記補助上金型は、前記端部閉塞の梁載置部が山面高さ位置と谷面高さ位置との中間の高さ位置に形成されるような位置まで可動上金型に対して相対的に可動であることを特徴とするエンドクローズドデッキプレート加工用金型。 - 前記補助上金型は、前記固定上金型のベース部に、付勢手段により固定上金型に対して相対的に上下動可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載のエンドクローズドデッキプレート加工用金型。
- 前記補助上金型は、前記可動上金型のベース部に、付勢手段により可動上金型に対して相対的に上下動可能に設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載のエンドクローズドデッキプレート加工用金型。
- デッキプレートの梁載置部における山面対応部に、1つ又は複数の上向き突起が形成されるように、前記下金型に突起部、前記上金型に前記突出部に対応する凹溝を形成したことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のエンドクローズドデッキプレート加工用金型。
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