JP2021159182A - 組立式物品収納器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性壁面Wに磁気吸着力により組付け可能とした組立式物品収納器具1であって、少なくとも2本の支柱10と、互いに間隔を開けて平行に立設した支柱10を磁性壁面Wに固定する支柱固定板20,30と、磁性壁面Wに固定した支柱10間に横架される物品収納部40とを有し、支柱固定板20,30は、磁性壁面Wに磁着可能なマグネットシート22,32と、マグネットシート22,32が磁性壁面Wに磁着した状態で支柱10の構成部材の一部に係合して支柱10を支承する支承部とを備える。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2は、壁に固定される骨格システム、複数の置物フレーム、複数の置物箱、及び複数の置放フレームからなる壁掛け棚組み合わせ装置を開示している。
また、特許文献3は、磁気吸着可能な壁面に吸着可能な一対の方立体の支柱部間に差し渡された1つ以上の平板状の棚板を有するマグネット吸着式壁面家具を開示している。
また、特許文献2の壁掛け棚組み合わせ装置は、各構成要素同士の結合にネジを用いるため部品点数が多く、組立と分解の作業を行うにあたり、多くの時間と労力を費やす。また壁への固定にもネジを用いているため、壁面に固定用のネジ穴を開ける必要がある。
なお、本欄において各構成手段に付した括弧書きの符号は、後述する実施形態に記載の代表的な具体的手段との対応関係を示すための参考用のものであり、本発明の構成手段をこれに限定するものではない。
〔第1実施形態〕
図1は本発明に係る第1実施形態の組立式ラック1の斜視図である。
図1に示すように、組立式ラック1は、支柱10と第1支柱固定板20と第2支柱固定板30と物品収納部40を有し、磁性壁面Wに取り付けられている。これら支柱10と各支柱固定板20,30と物品収納部40とは、ドライバー等の工具なしで分離可能になっている。また組立に際しても工具を要さない。
図2は支柱10を示す3面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図を示す。図3は第1支柱固定板20を示す3面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図を示す。図4は第2支柱固定板30を示す3面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図を示す。図5は物品収納部40を示す3面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図を示す。なお図2から図5の一部は、一部断面図または一部切断図として描いている。
基板21は、厚さ0.5mm〜2mm程度の長方形状の薄型金属板の長手方向両側に、上面視がU字形で且つ基板21の短手方向に連続して延びるフック部23を備えた形状とされる。各フック部23は、その開口23uが薄型金属板の長手方向内側向きに互いに対向するように設けられる。基板21のサイズは、少なくとも支柱10の周囲枠12及び台座11と図2(a)の最上位置の棚受バー13とで囲まれる領域r1に入れることのできるものとされる。より詳しくは基板21の短辺の長さは、支柱10における周囲枠12の上部と最上の棚受バー13との間の幅d1よりも短い。
薄型金属板の材料に用いられる金属は、スチールやフェライト系ステンレススチールなど軟磁性体の性質を有するものが好ましい。その理由は、次述するマグネットシート22と合体させたときにヨーク効果を生じさせることができるためである。厚さを上記範囲としたのは適当な可撓性とヨーク効果を確保するためである。すなわち2mmを超えると可撓性の確保が難しくなるとともに不要に重量が増し、0.5mm未満とすると十分なヨーク効果が期待できない。可撓性は、後述するように、磁性壁面Wに磁着させたマグネットシート22を引き剥がす際の作業性をよくする上で必要となる性状である。
マグネットシート22は、基板21におけるフック部23の非突出側面、つまり非形成側面に接着剤により固着される。このとき基板21が軟磁性体の性質を有するものであればヨーク効果が生じ、基板21と一体化したこのマグネットシート22の磁着面には、マグネットシート22単体のときよりも大きな磁束密度が生じ、より大きな磁着力が得られる。
基板31は、厚さ0.5mm〜2mm程度の長方形状の薄型金属板の長手方向両側に、上面視がU字形で且つ基板31の短手方向に連続して延びるフック部33を有する。各フック部33は、その開口33uが薄型金属板の法線方向の同じ方向となるように設けられる。基板31のサイズは、少なくとも周囲枠12及び台座11と図2(a)の上から1,2番目位置の棚受バー13とで囲まれる領域r2に入れることのできるものとされる。より詳しくは基板31の短辺の長さは、支柱10における隣り合う棚受バー13間の幅d2よりも短い。
マグネットシート32は、短手方向のサイズを除いては第1支柱固定板20のマグネットシート22と同様な構成とされ、第2支柱固定板30の基板31におけるフック部33の開口側の面に接着剤により固着される。
棚板41は、一方の面が載置面42とされた長方形状の木製板からなり、その長手方向の幅は、両端に留金具43を設けた状態で、第1支柱固定板20及び第2支柱固定板30を介して磁性壁面W上に互いに平行となるように立設した2本の支柱10間に横架可能な長さとされる。
図6は組立式ラック1の組立手順の概略を示す流れ図、図7,8は組立式ラック1の組立手順を示す斜視図、図9は第1支柱固定板20による支柱10の支承の仕組みを説明するための3面図、図10は第2支柱固定板30による支柱10の支承の仕組みを説明するための3面図である。なお図9,10において(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
まず、図7(a)に示すように、第1支柱固定板20を磁性壁面Wに取り付ける。取付けに際しては、第1支柱固定板20の左右端をそれぞれ左手と右手で持ち、マグネットシート22の磁着面を磁性壁面Wに対向させた状態で、基板21の長辺部が水平を保つ姿勢にして、マグネットシート22を磁性壁面Wに当てて磁着させる。水平からずれて磁着させた場合は位置を調整して取り付け直す。このとき基板21は可撓性を有しマグネットシート22の一部を撓ませて引き剥がせることから作業が楽にできる。
この段階で、支柱10は、各棚受バー13が磁性壁面Wに対して垂直になり、図9に示すように、周囲枠12の端部P1がフック部23に当接(係合)することで支承され落下が防止される。また、内側ロッド11aは、フック部23により被覆される形となっており、外側(内側ロッド11aの半径方向外方)への移動が規制される。これにより磁性壁面W上に仮固定される。
2本目の支柱10についても1本目の支柱10と同じ要領で、まず、支柱10を横向きに倒した状態から左方向にスライドさせ、図7(e)に示すように、内側ロッド11aをフック部23の開口23uに挿入する。
次いで、図7(f)に示すように、横向きに倒した状態の支柱10を手前方向に90度回動させる。これにより、2本目の支柱10は、その各棚受バー13が磁性壁面Wに対して垂直になった状態で仮固定される。
2本の支柱10が仮固定できたら、第2支柱固定板30を取り付けることで本固定を行う。
取付けに際しては、第2支柱固定板30の上下端をそれぞれ左手と右手で持ち、マグネットシート32の磁着面を磁性壁面Wに対向させた状態で、図8(a)に示すように、2本の支柱10の間の空間Rのうち、第1支柱固定板20よりも下方の空間R2に入れる。そして、両側のフック部33がそれぞれ左右の支柱10における内側ロッド11aを被覆するように、矢印X2のようにマグネットシート32を磁性壁面Wに接近させて磁着させる。
最後に、物品収納部40を取り付ける。
取付けに際しては、載置面42を上向きとした棚板41の左右をそれぞれ左手と右手で持ち、図8(c)に示すように、2本の支柱10の間の空間Rのうち希望の高さの棚受バー13の上方空間R3に入れる。次いで、矢印X3のように棚板41を下方に降ろして、両側の留金具43の開口43uをそれぞれ左右の棚受バー13に嵌合させる。これにより棚板41は、2本の支柱10の間に横架される。
以上のようにして組立てられた組立式ラック1は、棚板41の載置面42に物品を置くことのできる棚として機能する。
すなわち、図1の状態から、まず物品収納部40を取り外す。取外しに際しては、棚板41の左右をそれぞれ左右の手で持ち、上向きの力を加えて留金具43を棚受バー13から外す。その後、棚板41を持ち上げるとともに、2本の支柱10の間の空間から手前側に引き出す。
次いで、第2支柱固定板30を取り外す。取外しに際しては、例えば第2支柱固定板30の上辺部に両手を添え、手前に引き出す形でマグネットシート32を磁性壁面Wから引きはがす。第2支柱固定板30は可撓性を有しているため、取り外すに際し、その端の方を撓ませながらマグネットシート32を引き剥がすことができ作業性がよい。このため力の弱い人でも容易に取り外すことができる。
最後に、第1支柱固定板20のマグネットシート22を引きはがすことで第1支柱固定板20を取り外す。第1支柱固定板20についても可撓性を有しているため、その端の方を撓ませながらマグネットシート22を引き剥がすことができ作業性がよい。
第2実施形態の組立式ラック2について説明する。
図11は第2実施形態の組立式ラック2の斜視図である。
図11に示すように、組立式ラック2は、第1実施形態の組立式ラック1の右横に支柱10K、第2支柱固定板30K1,30K2及び物品収納部40Kを取り付けて、その収容機能を増設したものである。ここで、支柱10K、第2支柱固定板30K1,30K2及び物品収納部40Kは、それぞれ第1実施形態で記した支柱10、第2支柱固定板30及び物品収納部40と同一構成であるが、増設方法に係る以下の説明での理解を容易にする便宜上、増設要素であることを示す「K」を各符号末尾に付す。
第2実施形態の組立式ラック2は、上述したように、第1実施形態の組立式ラック1に対してその収容機能を増設したものであり、以下の説明では、既に組立式ラック1が磁性壁面Wに取り付けられていることを前提とする。
取付けに際しては、載置面42を上向きとした棚板41の左右をそれぞれ左手と右手で持ち、図13(c)に示すように、2本の支柱10,10Kの間の空間のうち希望の高さの棚受バー13の上方空間R5に入れる。次いで、矢印X5のように棚板41Kを下方に降ろして、両側の留金具43Kの開口をそれぞれ左右の棚受バー13,13Kに嵌合させる。このようにして、棚板41Kは、2本の支柱10,10Kの間に横架される。
物品収納部40Kの左右の留金具43Kがそれぞれ左右の棚受バー13,13Kに嵌合することで、支柱10Kが内側及び外側へ回動することが抑止される。
ここで、棚板41の4つの留金具43a〜43dは、棚板41における左右の短辺部に各二つずつ設けられる。その取付け位置の関係は次のとおりである。すなわち左側の短辺に取り付けられる2つの留金具43a,43bと、右側の短辺に取り付けられる2つの留金具43c,43dとは、短辺に沿った方向軸の位置が、互いに重なり合わない位置となっている。このため、図14に示すように、2枚の棚板41,41Kは、横に並べた状態で一本の棚受バー13に対して同時に留金具43,43Kを嵌合させることができる。これにより同じ高さで互いに隣り合う物品収納部40,40Kが実現できるようになる。
第3実施形態の組立式ラック3について説明する。
図15は第3実施形態の組立式ラック3を示す斜視図、図16は第3実施形態の組立式ラック3における第1支柱固定板20Xを示す三面図、図17は第3実施形態の組立式ラック3における第2支柱固定板30Xを示す三面図である。
第3実施形態の組立式ラック3は、第1実施形態の組立式ラック1における第1支柱固定板20と第2支柱固定板30に代えて、第1支柱固定板20Xと第2支柱固定板30Xを有する。他の構成については、組立式ラック1と同様であり、それらの説明を省略する。
第4実施形態の組立式ラック4について説明する。
図18は第4実施形態の組立式ラック4を示す斜視図、図19は第4実施形態の組立式ラック4における支柱固定板30Yを示す斜視図である。
第4実施形態の組立式ラック4は、第1実施形態の組立式ラック1における第1支柱固定板20と第2支柱固定板30に代えて、2枚の支柱固定板30Yを有する。他の構成については、組立式ラック1と同様であり、それらの説明を省略する。
本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、磁性壁面Wとして、マグネットシートを壁材とした壁面マグネットシートが使用される。この壁面マグネットシートは、着磁ラインが水平方向に平行となるように取り付けられている。着磁ラインとは、多極着磁されたマグネットシートの表面に現れている1つの磁極と、その両隣の異極との仮想の境界線を言う。現実的には、磁気パターンを目視できる測定器具である「マグネビユアー」(ニチレイマグネット株式会社登録商標)を当てたときに白くなる部分であって、シート表面の垂直方向の磁場が著しく弱いか或いは零の領域である。
そして第1実施形態で示した第1支柱固定板20及び第2支柱固定板30のマグネットシート22,32として、上記壁面マグネットシートと同一ピッチの着磁ラインのものが選定される。
また、マグネットシート22,32の磁着面全体にわたり異極同士が磁着しあうため、第1〜3実施形態と比べて強い磁着力で固定が行われる。
その他、組立式ラック1,2,3,4の各部または全体の構成、構造、形状、寸法、材料、個数、配置などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
10 支柱
11 台座
11a 内側ロッド(ロッド部)
11b 外側ロッド(ロッド部)
12 周囲枠
13 棚受バー(収納部受バー)
20 第1支柱固定板(支柱固定板)
20X 第1支柱固定板(支柱固定板)
21 基板
21X 基板
22 マグネットシート
23 フック部(支承部)
23u 開口
30 第2支柱固定板(支柱固定板)
30X 第2支柱固定板(支柱固定板)
30Y 支柱固定板
31 基板
31Y 基板
32 マグネットシート
33 フック部(支承部)
33u 開口
40 物品収納部
43 留金具(連結部)
C1 間隙
P1 端部(構成材の一部)
P2 端部(構成材の一部)
薄型金属板の材料に用いられる金属は、スチールやフェライト系ステンレススチールなど軟磁性体の性質を有するものが好ましい。その理由は、次述するマグネットシート22と合体させたときにヨーク効果を生じさせることができるためである。厚さを上記範囲としたのは適当な可撓性とヨーク効果を確保するためである。すなわち2mmを超えると可撓性の確保が難しくなるとともに不要に重量が増し、0.5mm未満とすると十分なヨーク効果が期待できない。可撓性は、後述するように、磁性壁面Wに磁着させたマグネットシート22を引き剥がす際の作業性をよくする上で必要となる性状である。
Claims (7)
- 磁性壁面に磁気吸着力により組付け可能とした組立式物品収納器具であって、
少なくとも2本の支柱と、互いに間隔を開けて平行に立設した支柱を磁性壁面に固定する支柱固定板と、磁性壁面に固定した支柱間に横架される物品収納部とを有し、
支柱固定板は、磁性壁面に磁着可能なマグネットシートと、マグネットシートが磁性壁面に磁着した状態で支柱の構成部材の一部に係合して支柱を支承する支承部とを備えることを特徴とする組立式物品収納器具。 - 支柱は、長尺棒状のロッド部を備えた台座と、台座と一体となって設けられロッド部の長手方向と直行する方向に延びる収納部受バーと、台座及び収納部受バーと一体となった周囲枠とを備え、
支柱固定板における支承部は、ロッド部に嵌合可能な開口を有するフック状に形成される請求項1に記載の組立式物品収納器具。 - 台座は、間隙をあけて互いに連結した2本の平行なロッド部を有する形状とされる請求項2に記載の組立式物品収納器具。
- 物品収納部は、その左右両端に、収納部受バーに嵌合可能な開口を有するフック状の連結部を有し、各連結部の取付け位置が、一方向について互いに重なり合わない位置となっている請求項2または請求項3に記載の組立式物品収納器具。
- 支柱固定板は、マグネットシートと一体化した可撓性の基板を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の組立式物品収納器具。
- 基板は、スチールまたはフェライト系ステンレススチールなど軟磁性体の性質を有する金属板からなる請求項5に記載の組立式物品収納器具。
- 磁性壁面は、着磁ラインが水平方向に平行となるように取り付けられた壁面マグネットシートが壁材とされ、支柱固定板のマグネットシートはそれぞれ壁面マグネットシートと同一の着磁ピッチとされる請求項1から請求項6のいずれかに記載の組立式物品収納器具。
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