JP2021156007A - 木造建築物の基礎構造 - Google Patents

Abstract

【課題】より一層の施工時間の短縮及び施工作業の簡略化に資する木造建築物の基礎構造を提供する。【解決手段】木造建築物の基礎構造１０は、基礎１２と、基礎１２上に配置された基礎梁１４とを備える。基礎梁１４は互いに接合された複数の木製の梁部材１４ａからなる。各梁部材１４ａはこれを貫通する複数のアンカーボルト１８を介して基礎１２に固定されている。【選択図】図１

Description

本発明は、木造建築物の基礎構造に関する。

従来、木造建築物の基礎構造として、基礎と、基礎上に配置されかつアンカーボルトを介して基礎に固定された複数の形鋼からなる基礎梁とを備えるものが提案されている。これによれば、基礎梁を鉄筋コンクリート製とする場合と比べて、基礎構造の施工に要する時間の短縮や施工作業の簡略化が可能とされている。

特開２００１−３０３５８３号公報

本発明は、前記従来の実情に鑑み、より一層の施工時間の短縮及び施工作業の簡略化に資する木造建築物の基礎構造を提供する。

本発明は、木造建築物の基礎構造に係る。前記基礎構造は、基礎と、該前記基礎上に配置された基礎梁とを備える。ここにおいて、前記基礎梁は、互いに接合された複数の木製の梁部材からなり、各梁部材は該梁部材を貫通する複数のアンカーボルトを介して前記基礎に固定されている。

本発明にあっては、基礎構造を構成する基礎梁について、これを互いに接合された複数の木製の梁部材からなるものとする。これによれば、従来の基礎構造と比べて、基礎梁の重量低減を図ることができ、前記基礎梁を支える前記基礎の構築に要する鉄筋やコンクリートの重量の低減と、これに伴う基礎の施工に要する時間の短縮化及び施工作業の簡略化とを実現することができる。また、建築現場への前記梁部材の運搬及び建築現場での取り扱いを容易にすることができる。

前記基礎は、直接基礎、杭基礎又はパイルドラフトからなり、また、前記基礎構造は、規模の大小を問わず全ての木造建築物に適用することができる。

杭基礎を基礎とする基礎構造の概略的な部分平面図である。 図１の線２−２に沿って得た基礎構造の概略的な断面図である。 直接基礎を基礎とする基礎構造の概略的な断面図である。 パイルドラフトを基礎とする基礎構造の概略的な断面図である。

図１を参照すると、本発明の一例に係る木造建築物の基礎構造が全体に符号１０で示されている。基礎構造１０の適用対象である前記木造建築物は、低層の木造建築物である小規模木造建築物、これより高層の中規模木造建築物、及び、これよりもさらに高層の大規模木造建築物のいずれからなるものであってもよい。

基礎構造１０は、基礎１２と、該基礎上に配置された基礎梁１４とを備える。基礎梁１４上に前記木造建築物を構成する木製の柱１６が配置され上下方向へ伸びている。

図１に示す基礎１２は杭基礎からなる。前記杭基礎は、地盤Ｅ中に設置され鉛直に伸びる杭２０と、該杭の頭部２０ａの周囲を取り巻く鉄筋コンクリート製のパイルキャップ２２とからなる。杭２０はその頭部２０ａの周面に固定されパイルキャップ２２中を上方へ伸びる複数の定着筋２４を有する。パイルキャップ２２は、地盤Ｅ上に配置され杭２０の頭部２０ａの周囲を取り巻く砕石２６上に形成された土間コンクリート２８上に形成されている。

基礎梁１４は、互いに接合された複数の木製の梁部材１４ａからなり、各梁部材１４ａは木質の棒材からなる。梁部材１４ａ同士の接合は、例えば入れつぎ、組みつぎ等の接合方式によるものとすることができる。また、基礎梁１４は、これを構成する各梁部材１４ａにおいて、複数のアンカーボルト１８を介して基礎１２に固定されている。

基礎梁１４は、土間コンクリート２８上にパイルキャップ２２を形成するための型枠及び鉄筋（図示せず）の配置後、前記型枠内へのコンクリートの打設に先立ち、例えば地盤Ｅ上に配置された複数のジャッキ（図示せず）をもって、前記型枠の上方位置に支持する。次に、各梁部材１４ａに設けられ上下方向へ伸びる貫通孔３０にアンカーボルト１８を通し、該アンカーボルトの上端部１８ａにナット３２を緩くねじ込む。これにより、基礎梁１４にアンカーボルト１８をその下端部１８ｂが前記型枠内に位置するように吊持し、アンカーボルト１８の位置決めを行う。その後、前記型枠内にコンクリートを打設する。脱型後、前記ジャッキを撤去し、基礎梁１４をパイルキャップ２２上に載置する。その後、アンカーボルト１８に対するナット３２の締め付けを行う。これにより、基礎梁１４をその梁部材１４ａにおいて基礎１２に固定することができる。

図３は、基礎構造１０の他の例を示す。この基礎構造１０は、これを構成する基礎１２が板状を呈する鉄筋コンクリート製の直接基礎３４からなる点において、図１に示す基礎構造１０と相違する。

この基礎構造１０では、基礎梁１４を構成する木製の各梁部材１４ａを貫通する複数のアンカーボルト１8の上端部１８ａにナット３２が螺合され、その下端部１８ｂが直接基礎３４を構成するコンクリート中に埋設されている。

図４は、基礎構造１０のさらに他の例を示す。この基礎構造１０は、これを構成する基礎１２が杭２０と、該杭に支持された直接基礎３４とからなるパイルドラフトである点において、図１及び図２に示す基礎構造１０と相違する。

この基礎構造１０では、基礎梁１４を構成する木製の各梁部材１４ａを貫通する複数のアンカーボルト１８がこれらの下端部１８ｂにおいて直接基礎３４中に埋設されている。

基礎構造１０を構成する基礎梁１４を木製のもの、より詳細には個々の梁部材１４ａを木製のからなるものとすることにより、基礎梁１４の重量の低減を図ることができる。これにより、基礎梁１４を支える基礎１２の構築に要する鉄筋やコンクリートの重量の低減と、これに伴う基礎１２の施工に要する時間の短縮及び施工作業の簡略化とを実現することができる。

１０ 基礎構造
１２ 基礎
１４ 基礎梁
１４ａ 梁部材
１６ 柱
１８ アンカーボルト
２０ 杭
２２ パイルキャップ
３０ 貫通孔
３２ ナット
３４ 直接基礎

Claims (3)

1. 木造建築物の基礎構造であって、
   基礎と、
   前記基礎上に配置された基礎梁とを備え、
   前記基礎梁は互いに接合された複数の木製の梁部材からなり、
   各梁部材は該梁部材を貫通する複数のアンカーボルトを介して前記基礎に固定されている、基礎構造。
2. 前記基礎は、直接基礎、杭基礎又はパイルドラフトからなる、請求項１に記載の基礎構造。
3. 前記木造建築物は大規模木造建築物からなる、請求項１又は２に記載の基礎構造。
   

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