JP2021155799A - 液体除去装置 - Google Patents

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大智 矢尾板
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将人 南田
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Abstract

【課題】金属板に付着した水分をより確実に除去することが可能な、新規かつ改良された液体除去装置を提供する。【課題手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、液体が付着した金属板から液体を除去する液切りロール対の後段に設けられる液体除去装置であって、金属板の幅方向の側面と液切りロール対との間に形成された板エッジ隙間にガスを吹き付けるガスノズルを備えることを特徴とする、液体除去装置が提供される。【選択図】図1A

Description

本発明は、液体除去装置に関する。
熱間圧延直後の熱延鋼板の表面には、酸化スケールが付着していることが多い。このため、熱延鋼板の製造工程においては、酸化スケールを除去するために酸洗が行われる。このような酸洗工程では、例えば熱延鋼板を塩酸、硫酸等の酸洗液に浸漬する。これにより、酸化スケールが除去される。その後、熱延鋼板に付着した酸洗液を除去するために、熱延鋼板が水洗(リンス)される。水洗後の熱延鋼板には水分が付着している。このような水分は熱延鋼板に何らかの影響(例えば外観の劣化)を与える可能性があるので、可能な限り除去することが好ましい。
熱延鋼板から水分を除去する技術として、例えば特許文献1に開示されるように、リンガーロール対を用いた技術が知られている。リンガーロールのロール部分(熱延鋼板に背接する部分)は可撓性のある樹脂で構成されている。特許文献1では、リンガーロール対の間に熱延鋼板を通すことで熱延鋼板から水分を除去する。
ただし、特許文献1にも開示されている通り、熱延鋼板をリンガーロール対の間に通しただけでは熱延鋼板の表面から水分を完全に除去することができないことが多い。具体的には、熱延鋼板の表面のエッジ部(幅方向の端部)に水分が残留する。そこで、特許文献1では、リンガーロール対の後段(熱延鋼板の搬送方向の後段)にガスノズルを設置し、当該ガスノズルを用いて熱延鋼板の表面のエッジ部に残留した水分を除去している。具体的には、ガスノズルからガスを熱延鋼板のエッジ部に吹き付けることで、エッジ部に残留した水分を熱延鋼板の幅方向の外側に吹き飛ばす。
特開2000−282275号公報
しかし、本発明者が特許文献1に開示された技術を詳細に検証したところ、ガスノズルからガスを熱延鋼板のエッジ部に吹き付けても、依然として熱延鋼板のエッジ部に多くの水分が残留してしまう(例えば、水分が厚い液膜状となって残留してしまう)ことが判明した。熱延鋼板のエッジ部に残留した水分は、極めて強い表面張力でエッジ部に付着しているため、ガスを吹き付けても多くの水分が残留してしまうと考えられる。なお、ガスノズルのガス圧を高めることでより多くの水分を除去できるとも考えられる。しかし、この場合、操業コストの上昇等の別の問題が発生しうるため、上記の問題を根本的に解決することができない。なお、ここでは熱延鋼板の水分をリンガーロール対で除去する例について説明した。しかしながら、金属板に付着した液体をリンガーロール対等の液切りロール対で除去する処理を行うことは様々な技術分野で行われると想定される。そして、いずれの場合にも、同様の問題が生じることが想定される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、金属板に付着した水分をより確実に除去することが可能な、新規かつ改良された液体除去装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、液体が付着した金属板から液体を除去する液切りロール対の後段に設けられる液体除去装置であって、金属板の幅方向の側面と液切りロール対との間に形成された板エッジ隙間にガスを吹き付けるガスノズルを備えることを特徴とする、液体除去装置が提供される。
ここで、ガスノズルのガス吐出口の法線と金属板の表面との鉛直方向のなす角度は、ガスノズルのガス吐出口の法線が金属板の表面と平行となる場合を0°として、0〜45°となってもよい。
また、ガスノズルから噴射されたガスの一部は、金属板の表面のエッジ部から液切りロール対と前記金属板の表面との界面に向かって流動してもよい。
また、ガスノズルのガス吐出口の法線と金属板の搬送方向との水平方向のなす角度は、ガスノズルのガス吐出口の法線が金属板の搬送方向と平行となる場合を0°として、0°以上90°未満となってもよい。
また、ガスノズルのガス吐出口は金属板の幅方向に長尺な形状となっていてもよい。
また、ガスノズルは、金属板の幅方向に沿って並ぶ複数個のガス吐出口を有してもよい。
また、ガスノズルは、金属板の幅方向に沿って移動可能であってもよい。
また、ガスノズルは、金属板の幅方向の両端に対向する位置にそれぞれ設けられてもよい。
また、ガスノズルは、金属板の上面側のみ、下面側のみ、または上面側及び下面側の両方に設けられてもよい。
また、ガスノズルの後段に設けられ、金属板を乾燥させる乾燥装置をさらに備えてもよい。
以上説明したように、本発明の上記観点によれば、金属板に付着した水分をより確実に除去することが可能となる。
本実施形態に係る液体除去装置の全体構成を示す側面図である。 ガスノズル及びその近傍の構成を説明するための平面図である。 図1BのAA断面図である。 ガスノズル及びその近傍の構成を説明するための平面図である。 図2BのBB断面図である。 ガスノズルの配置の他の例を示す平面図である。 エッジ部に液体が残留するメカニズムを説明するための側面図である。 エッジ部に液体が残留するメカニズムを説明するための平面図である。 図3BのCC断面図である。 従来技術の問題点を説明するための平面図である。 図4AのDD断面図である。 金属板を乾燥可能な最大のラインスピード(最大LS)と板厚との関係を実施例と比較例のそれぞれに関して示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本実施形態で示される図はいずれも模式図であり、図示される各部材のサイズや配置等は各部材の実際のサイズや配置等と一致しない場合がある。もちろん、本実施形態で示される要件を満たすことで、上述した所望の効果が得られる。「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<1.エッジ部に液体が残留するメカニズム>
熱延鋼板の例で説明したように、金属板に付着した液体を液切りロール対(例えばリンガーロール対)で除去する場合がある。なお、ここでの金属板は帯状になっていることが多い。すなわち、液切りロール対による処理の対象となる金属板は金属帯となっていることが多い。
しかし、上述したように、金属板を液切りロール対の間に通しただけでは、金属板の表面から液体を完全に除去することができないことが多い。具体的には、金属板の表面のエッジ部(幅方向の端部)に水分が残留する。そこで、まず、図3A〜図3Bに基づいて、金属板のエッジ部に液体が残留するメカニズムについて説明する。なお、本実施形態における金属板の表面は、金属板の厚さ(板厚)方向の両端に配置される1対の面である。金属板の表面は、金属板を構成する各面のうち、最も面積が大きい。
図3Aに示す例では、金属板1の表面に付着した液体10を液切りロール対2で除去している。金属板1はX方向に搬送されており、液切りロール対2は液切りロール2A、2Bを有する。そして、金属板1を上下方向から液切りロール2A、2Bで挟み込むことで、金属板1の表面に付着した液体10を除去する。
ここで、液切りロール2A、2Bは例えばリンガーロールであり、それらのロール部分は可撓性を有する樹脂で構成される。したがって、液切りロール2A、2Bのロール部分はある程度金属板1の形状に追従することができる。しかし、図3B〜図3Cに示すように、金属板1の幅方向の側面1aにおいては、液切りロール2A、2Bは金属板1の形状に完全に追従することができない。なお、図3Bにおいては、理解を容易にするために液切りロール2Aを透過表示している。このため、金属板1の側面1aと液切りロール対2との間には断面が略三角形の隙間(板エッジ隙間4)が形成される。そして、この板エッジ隙間4に液体10が入り込み、板エッジ隙間4に入り込んだ液体10が液切りロール対2を抜けた金属板1のエッジ部1bに付着する。
<2.従来技術の問題点>
従来では、図4A、図4Bに示されるように、液切りロール対2の後段(金属板1の搬送方向の後段)にガスノズル30を設置し、当該ガスノズル30を用いて金属板1の表面のエッジ部1bに残留した水分を除去している。図4Aは、金属板1の幅方向の一端部におけるガスノズル30の配置等を示す平面図である。図4Aでは、液切りロール2Aが透過表示されている。図4Bは図4AのDD断面図(板エッジ隙間4を含む断面図)である。ガスノズル30は、金属板1の幅方向の両端に対向する位置にそれぞれ設置される。また、ガスノズル30は、金属板1の上面側及び下面側のそれぞれに設置される。したがって、ガスノズル30は合計4つ設置される。ガスノズル30は、そのガス吐出口31からガスを噴射することができる。図4A、図4Bでは、便宜的にガス40を矢印で示している。なお、この矢印はガス吐出口31の法線(より詳細には法線ベクトル)となっている。ガス吐出口31から噴射されたガス40は、ガス吐出口31の法線方向に流動する。もちろん、ガス40は、他の方向にも流動する場合もある。
従来では、ガスノズル30のガス吐出口31が金属板1の外側に向いている。そして、ガスノズル30のガス吐出口31からガス40を金属板1のエッジ部1bに吹き付けることで、エッジ部1bに残留した液体10を金属板1の幅方向の外側に吹き飛ばす。しかし、ガスノズル30を用いてエッジ部1bに残留した液体を除去しても、依然として金属板1のエッジ部1bに多くの水分が残留してしまう。金属板1のエッジ部1bに残留した水分は、極めて強い表面張力でエッジ部1bに付着しているため、ガス40を吹き付けても多くの水分が吹き飛ばされずに残留してしまうと考えられる。本発明者は、このような問題を解決するためにガスノズル30から噴射されるガスの効果的な活用方法について鋭意検討した。この結果、上述した問題を解決することができる液体除去装置に想到した。以下、本実施形態に係る液体除去装置について詳細に説明する。
<3.液体除去装置の全体構成>
まず、図1A〜図1Bに基づいて本実施形態に係る液体除去装置100の全体構成について説明する。図1Aは液体除去装置100の全体構成を示す側面図であり、図1Bは金属板1の幅方向の一端部におけるガスノズル30の配置等を示す平面図である。図1Bでは、液切りロール2Aが透過表示されている。液体除去装置100は、液切りロール対2を通過した金属板1のエッジ部1bに残留する液体10を除去するための装置であり、液切りロール対2の後段(金属板1の搬送方向(矢印X方向)の後段)に設けられる。液体除去装置100は、液切りロール対2の後段に設けられるガスノズル30と、ガスノズル30のさらに後段に設けられる乾燥装置50とを備える。
液体除去装置100による処理の対象となる金属板1の種類は特に制限されない。例えば、上述した熱延鋼板の他、亜鉛板、アルミニウム板等であってもよい。金属板1の厚さは特に制限されないが、例えば1.0mm〜5.0mm程度であってもよい。金属板1に付着する液体10の種類も特に制限されない。例えば水分(熱延鋼板に付着した酸洗液を水洗した際に熱延鋼板に付着した水分等)であってもよいし、有機溶剤等であってもよい。
液切りロール対2は、液切りロール2A、2Bを備える。液切りロール対2は、金属板1を上下方向から液切りロール2A、2Bで挟み込むことで、金属板1の表面に付着した液体10を除去する。液切りロール2A、2Bは例えばリンガーロールであり、それらのロール部分は可撓性を有する樹脂で構成される。もちろん、液切りロール2A、2Bはリンガーロールに限られるものではなく、金属板1から液体10を除去可能なロールであればどのようなものであってもよい。
液切りロール対2によって金属板1に付着した液体の大半は除去される。しかし、仮に液切りロール対2を金属板1の形状への追従性が高いリンガーロール対で構成したとしても、板エッジ隙間4は形成される。そして、この板エッジ隙間4に液体10が入り込み、板エッジ隙間4に入り込んだ液体10が液切りロール対2を抜けた金属板1のエッジ部1bに付着する。リンガーロール対を構成する樹脂の可撓性を高めることで、板エッジ隙間4をある程度小さくすることは可能であるが、完全になくすことは難しい。また、樹脂の可撓性を極端に高めると、リンガーロール対の耐久性が低下するという別の問題が発生しうる。
ガスノズル30は、ガス吐出口31からガス40を噴射することで、エッジ部1bに残留した液体10を除去する。図1A、図1B及び後述する図1C〜図2Cでは、便宜的にガス40を矢印で示している。なお、この矢印はガス吐出口31の法線(より詳細には法線ベクトル)となっている。ガス吐出口31から噴射されたガス40は、ガス吐出口31の法線方向に流動する。もちろん、ガス40は、他の方向にも流動する場合もある。なお、ガス吐出口31の法線は、ガスノズル30の中心軸に平行な直線である。
ガスノズル30は、金属板1の幅方向の両端(すなわちエッジ部1b)に対向する位置に設けられることが好ましい。さらに、ガスノズル30は、金属板1の上面(上側の表面)側及び下面(下側の表面)側の両方に設けられることが好ましい。これにより、上下両方の表面のエッジ部1bに残留する液体をより確実に除去することができる。もちろん、ガスノズル30の配置は上記の例に限定されず、上面側のみ、または下面側のみに配置してもよい。また、例えば液体10の残留量が特に大きいエッジ部1bに対向する位置にのみガスノズル30を設置してもよい。ガスノズル30の詳細については後述する。
乾燥装置50は、ガスノズル30の後段に設けられる。乾燥装置50は、ガスノズル30によって除去しきれなかった液体10を除去する装置であり、例えば乾燥した熱風を金属板1に吹き付けることで金属板1に付着した液体10を除去する。すなわち、金属板1を乾燥させる。乾燥装置50の具体的な構成は特に制限されず、金属板1の乾燥に使用可能な装置であれば特に制限されない。また、ガスノズル30によって金属板1に付着した液体10を十分に除去できる場合、乾燥装置50は省略されてもよい。
<4.ガスノズルの詳細構成>
つぎに、図1A〜図2Cに基づいて、ガスノズル30の詳細構成について説明する。図1Cは図1BのAA断面図(板エッジ隙間4を含む断面図)である。図1Cでは下面側のガスノズル30を省略している。図2Aは金属板1の幅方向の一端部におけるガスノズル30の配置等を示す平面図である。図2Aでは、液切りロール2Aが透過表示されている。図2Bは図2AのBB断面図(板エッジ隙間4を含む断面図)である。図2Cはガスノズル30の配置の他の例を示す平面図である。ガスノズル30は、上述したように、ガス吐出口31からガス40を噴射することで、エッジ部1bに残留した液体10を除去する。
具体的には、ガス吐出口31は金属板1の幅方向に長尺な形状となっている。そして、図1B及び図1Cに示すように、ガス吐出口31の一部(ガス吐出口31のうち、特に外側の部分)から噴射されたガス40は、板エッジ隙間4に吹き付けられる。すなわち、ガスノズル30は、板エッジ隙間4にガス40を吹き付ける。これにより、板エッジ隙間4に入り込んだ液体10を除去することができるので、エッジ部1bに残留する液体10を大幅に減少させることができる。なお、ガス40が板エッジ隙間4に吹き付けられるようにするためには、例えば図1Cに示すようにガス吐出口31の一部の法線が板エッジ隙間4に届くようにガスノズル30を配置すればよい。より具体的には、ガスノズル30のガス吐出口31の法線と金属板1の表面との鉛直方向のなす角度θ1が0〜45°となるように、ガスノズル30を配置してもよい。ガスノズル30が金属板1から離れる方向がθ1の正方向となる。したがって、ガスノズル30は、金属板1の厚さ方向の中心点に向かって鉛直方向に0〜45°傾いている。ここで、角度θ1は、ガス吐出口31の法線と金属板1の表面とが平行になる場合に0°となる。角度θ1が0°となる場合、ガスノズル30は板エッジ隙間4と略同一水平面上に配置されることになる。したがって、この場合、ガスノズル30は金属板1の幅方向の外側に配置される。
なお、金属板1は搬送中に幅方向にわずかに移動する場合があり、この場合、板エッジ隙間4も幅方向に移動する。しかし、ガス吐出口31は金属板1の幅方向に長尺な形状となっているので、ガス吐出口31は金属板1の幅方向の移動に追従することができる。すなわち、金属板1が幅方向に移動しても、ガス吐出口31の何れかの部分が板エッジ隙間4にガス40を吹き付けることができる。ガス吐出口31の具体的な幅(金属板1の幅方向の長さ)は、金属板1の幅方向への実際の移動量(あるいは想定される移動量)に応じて設定すればよい。
ガス吐出口31の他の部分から噴射されたガス40は、図2A〜図2Bに示すように、金属板1の表面のエッジ部1bから液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かって流動する。言い換えれば、ガス吐出口31の他の部分は、液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かって流動するガスを金属板1の表面のエッジ部1bに吹き付ける。上述したように、板エッジ隙間4に入り込んだ液体10はガスノズル30から板エッジ隙間4に吹き付けられたガス40によって除去される。したがって、液切りロール対2を通過した金属板1のエッジ部1bに残留する液体10を大幅に減少させることができる。ただし、エッジ部1bには液体10が残留している場合がある。特に、金属板1のラインスピードを上昇させる程、エッジ部1bに液体10が残留しやすくなる。そこで、ガス吐出口31の他の部分から上述したガスをエッジ部1bに吹き付ける。これにより、エッジ部1bに付着した液体10は、液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かって移動し、その後、当該界面を伝わって金属板1の幅方向中心点に向かってごく薄い液膜状に塗広げられる。したがって、金属板1の表面に残留した液体10は非常に乾燥されやすい状態となる。液体10は金属板1が乾燥装置50に到達するまでに自然乾燥する場合もありうるし、乾燥装置50内で早期に乾燥されうる。
なお、ガス40が液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かって流動するようにするためには、例えばガスノズル30のガス吐出口31の法線と金属板1の搬送方向(矢印X)との水平方向のなす角度θ2(図2C参照)が0°以上90°未満となるように、ガスノズル30を配置すればよい。ここで、θ2は、ガスノズル30のガス吐出口31の法線と金属板1の搬送方向とが平行となる場合に0°となる。図2Aの例ではθ2=0°となっている。図2Cはガスノズル30の配置の他の例を示しており、この例では、θ2が0°よりも大きくなっている。つまり、本実施形態では、ガスノズル30が金属板1の幅方向の中心点に向かって水平方向に0°以上90°未満で傾いている。ガス吐出口31の法線が金属板1の幅方向の中心点に向かう方向がθ2の正方向となる。したがって、ガスノズル30のガス吐出口31は、概略的には、搬送方向と垂直(θ2=0)となっているか、あるいは金属板1の内側に向いている(0°<θ2<90°)。そして、本実施形態では、ガス40(の一部)を金属板1の表面に残留した液体10を金属板1の表面に塗広げるために使用している。一方で、従来では、ガスノズル30のガス吐出口31は、金属板1の外側に向いている。そして、ガス40を金属板1の表面に残留した液体10を金属板1の外側に吹き飛ばすために使用している。前者に要するガス圧は後者に要するガス圧よりも小さくなると推察される。したがって、本実施形態では、より小さなガス圧で金属板1の表面から液体10を除去することができる。
ガスノズル30から液切りロール対2までの距離(液体除去装置100の側面視における液切りロール2A、2Bの接触点からガスノズル30のガス吐出口31までの距離)は特に制限されない。ただし、液体10に衝突する際のガス40の運動量(衝突流速)が高いほど液体10を除去しやすい。このような観点から、ガスノズル30から液切りロール対2までの距離は、例えば1000mm(1m)以下であってもよく、500mm以下であってもよい。また、下限値は特に制限されないが、200mm程度であってもよい。また、ガスノズル30から金属板1までの鉛直方向の距離(金属板1の表面からガスノズル30のガス吐出口31の下端までの鉛直方向の距離)も特に制限されず、例えば30〜100mm程度であってもよい。
以上述べたように、本実施形態によれば、ガス吐出口31の一部から噴射されたガス40によって板エッジ隙間4に入り込んだ液体10を除去することができる。さらに、ガス吐出口31の他の部分から噴射されたガス40によって金属板1のエッジ部1bに残留した液体10を金属板1の表面に塗広げることができる。したがって、金属板1に付着した水分をより確実に除去することが可能となる。なお、ガスノズル30から噴射されるガス40のガス圧等は、実際に操業を行い、液体10が残留しなくなるように調整すればよい。
なお、上述したガスノズル30の構成はあくまで一例であり、他の構成をとりうることはもちろんである。すなわち、ガスノズル30は、少なくとも板エッジ隙間4に入り込んだ液体を除去できるものであればよい。例えば上述した例ではガスノズル30は、板エッジ隙間4の他、液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かってガス40を吹き付ける。ただし、板エッジ隙間4に入り込んだ液体10除去することでエッジ部1bの液体を十分に除去できるのであれば、必ずしも液切りロール対2と金属板1の表面との界面に向かってガス40を吹き付けなくてもよい。また、ガス吐出口31は金属板1の幅方向に長尺な形状となっているが、ガスノズル30は、金属板の幅方向に沿って並ぶ複数個のガス吐出口31を有するものであってもよい。また、ガスノズル30は、金属板の幅方向に沿って移動可能であってもよい。この場合、任意の駆動装置(例えばモーター等)にガスノズル30を連結すればよい。
つぎに、本実施形態の実施例について説明する。本実施例では、本実施形態の効果を確認するために、以下の試験を行った。
<1.試験条件>
本試験では、金属板1として、厚さ(板厚)が1.5〜3.5mmのいずれかである複数の熱延鋼板を準備した。熱延鋼板の幅(板幅)は1200mm程度であった。これらの熱延鋼板には、事前に酸洗及び水洗が施されており、熱延鋼板の表面に水分が付着している。
また、上述した液切りロール対2及びガスノズル30を具備する試験装置を準備した。液切りロール対2としてリンガーロール対を使用した。また、ガスノズル30は、金属板1の幅方向の両端に対向する位置にそれぞれ設置し、さらに、金属板1の上面側及び下面側のそれぞれに設置した。各ガスノズル30から液切りロール対2までの距離は概ね420mm程度とし、各ガスノズル30から金属板1までの鉛直方向の距離は概ね50mm程度とした。また、各ガスノズル30の背圧は0.3MPa程度とし、各ガスノズル30から噴射されるガスは板エッジ隙間4及び液切りロール対2と金属板1の表面との界面の双方に届くようにした。ガスノズル30のガス吐出口31の法線と金属板1の表面との鉛直方向のなす角度θ1は20°とし、ガスノズル30のガス吐出口31の法線と金属板1の搬送方向との水平方向のなす角度θ2は0°とした。
このような試験装置を用いて、金属板1から水分を除去した。ここで、金属板1の厚さ、ラインスピード(LS)を変更して金属板1から水分を除去し、水分除去後の金属板1の表面を目視で観察した。そして、水分が観察されなかった時の最大のLS(最大LS)を記録した。ついで、試験結果を板厚1.5mm以上2.0mm未満、2.0mm以上2.5mm未満、2.5mm以上3.0mm未満、3.0mm以上3.5mm以下の各範囲で区分し、区分毎に最大LSの算術平均値を求めた。結果を図5に実施例として示す。図5の横軸は板厚(mm)を示し、縦軸は最大LSの算術平均値(mpm)を示す。ついで、ガスノズル30を使用しなかった他は上記実施例と同様の試験を行った。結果を図5に比較例として示す。
実施例と比較例とを比較すると、実施例の方がより高いLSで水分を除去できていることがわかる。したがって、本実施例では金属板1に付着した水分をより確実に除去することができる。
つぎに、特許文献1に開示された技術を検証するために、ガスノズル30を外側に向けた(すなわち、上述した各度θ2を−45°とした)他は上記実施例と同様の試験を行った。この結果、板厚毎の最大LSは比較例よりも高くはなったが、実施例よりも低くなった。したがって、特許文献1に開示された技術では、水分を十分に除去できていないことがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 液体除去装置
1 金属板
2 液切りロール対
2A、2B 液切りロール
1b エッジ部
4 板エッジ隙間
10 液体
30 ガスノズル
31 ガス吐出口
40 ガス
50 乾燥装置

Claims (10)

  1. 液体が付着した金属板から前記液体を除去する液切りロール対の後段に設けられる液体除去装置であって、
    前記金属板の幅方向の側面と前記液切りロール対との間に形成された板エッジ隙間にガスを吹き付けるガスノズルを備えることを特徴とする、液体除去装置。
  2. 前記ガスノズルのガス吐出口の法線と前記金属板の表面との鉛直方向のなす角度は、前記ガスノズルのガス吐出口の法線が前記金属板の表面と平行となる場合を0°として、0〜45°となることを特徴とする、請求項1記載の液体除去装置。
  3. 前記ガスノズルから噴射されたガスの一部は、前記金属板の表面のエッジ部から前記液切りロール対と前記金属板の表面との界面に向かって流動することを特徴とする、請求項1または2に記載の液体除去装置。
  4. 前記ガスノズルのガス吐出口の法線と前記金属板の搬送方向との水平方向のなす角度は、前記ガスノズルのガス吐出口の法線が前記金属板の搬送方向と平行となる場合を0°として、0°以上90°未満となることを特徴とする、請求項3記載の液体除去装置。
  5. 前記ガスノズルのガス吐出口は前記金属板の幅方向に長尺な形状となっていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の液体除去装置。
  6. 前記ガスノズルは、前記金属板の幅方向に沿って並ぶ複数個のガス吐出口を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の液体除去装置。
  7. 前記ガスノズルは、前記金属板の幅方向に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の液体除去装置。
  8. 前記ガスノズルは、前記金属板の幅方向の両端に対向する位置にそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の液体除去装置。
  9. 前記ガスノズルは、前記金属板の上面側のみ、下面側のみ、または上面側及び下面側の両方に設けられることを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の液体除去装置。
  10. 前記ガスノズルの後段に設けられ、前記金属板を乾燥させる乾燥装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の液体除去装置。
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