JP2012211726A - 異形銅条の水切り乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥効率を高めることにより、生産性の高い異形銅条の水切り乾燥方法を実現する。
【解決手段】水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施し、その後、水洗処理した異形銅条1に対して気体を吹き付けて水切り乾燥を行う方法であって、異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズル2として開口部2aの開口2a1の幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用し、吹き付けノズルの開口部と前記異形銅条との距離は、両者の接触を避けると共に気体吹き付け風力の低下を考慮して5〜50(mm)に維持し、異形銅条に対して吹き付ける気体は、常温で、その風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2)を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とするようにして行う。
【選択図】図1
【解決手段】水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施し、その後、水洗処理した異形銅条1に対して気体を吹き付けて水切り乾燥を行う方法であって、異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズル2として開口部2aの開口2a1の幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用し、吹き付けノズルの開口部と前記異形銅条との距離は、両者の接触を避けると共に気体吹き付け風力の低下を考慮して5〜50(mm)に維持し、異形銅条に対して吹き付ける気体は、常温で、その風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2)を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とするようにして行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、異形銅条の水切り乾燥方法に関し、特に、水を主成分とてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液で防錆処理を施した異形銅条の水切り乾燥方法に関する。
異形金属板の表面に付着している水分を除去する乾燥方法として、異形金属板の表面に空気又は窒素ガスを吹き付けて該異形金属板を水切り乾燥する乾燥方法が提案されている。
しかしながら、従来の乾燥方法は、乾燥効率が低いことから、水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施した異形銅条の表面に付着している水分を効率良く除去して乾燥させることが困難であった。
本発明は、乾燥効率を高めることにより、水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施した異形銅条の表面に付着している水分を効率良く除去して乾燥させることができて生産性の高い異形銅条の水切り乾燥方法を実現することにある。
本発明は、水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施した異形銅条に対して気体を吹き付けて水切り乾燥を行う異形銅条の水切り乾燥方法において、
前記異形銅条に対して吹き付ける気体の風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とすることを特徴とする。
前記異形銅条に対して吹き付ける気体の風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とすることを特徴とする。
そして、前記異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズルと前記異形銅条との距離を5〜50(mm)に維持することを特徴とする。
また、前記吹き付けノズルは、開口部の開口幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用することを特徴とする。
そして、前記異形銅条への気体吹き付けは、常温下で行うことを特徴とする。
本発明によれば、防錆処理を施した異形銅条の表面に付着している水分を極めて短時間に除去して該異形銅条の表面を乾燥させることができ、良質の異形銅条の生産性を高めることができる。
また、乾燥工程において、異形銅条や気体に加熱を行っていないので、乾燥工程におけるエネルギー消費量が少なく、異形銅条表面の酸化を促進することもない。
本発明の異形銅条の水切り乾燥方法は、水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理や水洗処理を施した異形銅条に対して気体を吹き付けて水切り乾燥を行うに際して、
前記異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズルとして開口部の開口幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用し、
吹き付けノズルの開口部と前記異形銅条との距離は、両者の接触を避けると共に気体吹き付け風力の低下を考慮して5〜50(mm)に維持し、
前記異形銅条に対して吹き付ける気体は、常温で、その風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2)を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とするようにして行う。
前記異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズルとして開口部の開口幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用し、
吹き付けノズルの開口部と前記異形銅条との距離は、両者の接触を避けると共に気体吹き付け風力の低下を考慮して5〜50(mm)に維持し、
前記異形銅条に対して吹き付ける気体は、常温で、その風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2)を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100(mm)当たり、2(m5/秒3)以上とするようにして行う。
このような異形銅条の水切り乾燥方法を実行するのに好適な連続水切り乾燥装置の概略構成を図1及び図2を参照して説明する。
水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施し、その後に水洗処理した異形銅条1は、製造工程の上流側(図における右側)から下流側(図における左側)に移動する。この異形銅条1は、例えば、幅寸法が80(mm)、厚さ寸法が0.5〜1.5(mm)とし、移動速度は、1〜2(m/秒)とした。3は、異形銅条1の表面に付着した水分である。
移動する異形銅条1を水切り乾燥する気体を吹き付けるための気体吹き付けノズル2は、異形銅条1の上面側と下面側に該異形銅条1の面に開口部2a対向させて各面当たり1個または2〜3個のノズルを異形銅条1の移動方向に並べて設置する。気体吹き付けノズル2間の間隔は、特定の定めはないが、異形銅条1に吹き付ける気体の干渉を可及的に少なくすることができる寸法とする。例えば、50〜500(mm)間隔とすることが望ましい。
各気体吹き付けノズル2の開口部2aにおける開口2a1は、異形銅条1の幅方向に伸びる長さ寸法を該異形銅条1の幅寸法以上とし、長さ(移動)方向の幅寸法を0.05〜0.3(mm)とする。
そして、各気体吹き付けノズル2は、その開口部2aにおける開口2a1と異形銅条1との距離を5〜50(mm){好ましくは、10〜20(mm)}とする。
各吹き付けノズル2によって異形銅条1に吹き付ける気体は、常温の空気又は窒素ガスとする。
具体的には、異形銅条1として、幅寸法が80(mm)、厚さ寸法が0.5〜1.5(mm)とし、移動速度は、1(m/秒)及び2(m/秒)で実施する。
異形銅条1は、ベンゾトリアゾール及び水を含む処理液で防錆処理を行った後に水洗処理を行い、その後に水切り乾燥を実施するように構成する。
気体吹き付けノズル2は、異形銅条1の面に対向させて、上面側に3個、下面側に3個設置する。この各気体吹き付けノズル2の開口部2aにおける開口2a1は、前記異形銅条1の幅方向に伸びる長さ寸法を100(mm)とし、幅寸法は、0.05(mm)、0.1(mm)、0.3(mm)の3種類について実施し、異形銅条1との距離は15(mm)とする。
異形銅条1の面に対する各気体吹き付けノズル2の対向角度は、気体を吹き付ける面に対して鉛直状態とするが、気体の噴出方向を異形銅条1の移動方向の上流側に向けて45度程度まで傾けることができる。しかし、それ以上に傾けることは、乾燥能力が顕著に低下することになるので、45度以下とすることが望ましい。また、異形銅条1の幅方向における開口2a1の長さ方向の傾き角度(異形銅条1の移動方向に対する傾き角度)は、移動方向に対して直角方向とするが、45度程度まで傾けることができる。しかし、それ以上に傾けることは、乾燥能力が顕著に低下することになるので、45度以下とすることが望ましい。
吹き付け気体には、常温の空気を用いる。
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=20(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ吹き気体付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=20(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=20(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.2(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=20(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴は全く認められなかった。
(比較例1)
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
(比較例1)
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴の残留が認められた。
(比較例2)
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
(比較例2)
水洗後に1(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴の残留が認められた。
(比較例3)
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
(比較例3)
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.1(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴の残留が認められた。
(比較例4)
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
(比較例4)
水洗後に2(m/秒)の速度で移動する異形銅条1に対して、気体吹き付けノズル2の幅寸法が0.3(mm)の開口2a1から、異形銅条1の移動速度1(m/秒)当たり、且つ気体吹き付けノズル2の開口2a1の長さ寸法100(mm)当たり、風量×(風速)2=0.5(m5/秒3)の空気を吹き付ける水切り乾燥を行った。
その結果、異形銅条1の表面に、水滴の残留が認められた。
ここで、本発明における数値限定の理由を実験データを例示して説明する。
図3は、異形銅条の移動速度を2m/秒としたときに該異形銅条の表面を好ましい水切り乾燥するために必要な水切り乾燥回数(気体吹き付けノズル通過回数)を示している。図3を考察すると、気体吹き付けノズルの開口幅寸法が0.05〜0.3において、風量×(風速)2の値を4(m5/秒3)以上とすることにより、3回以内の回数で好ましい水切り乾燥を実現することができる。これは、高い生産性である異形銅条の移動速度(1m/秒)に換算すると、風量×(風速)2の値が2(m5/秒3)以上に相当する。また、異形銅条の移動速度(3m/秒)に換算すると、風量×(風速)2の値が6(m5/秒3)以上に相当する。
風量×(風速)2の値は、大きいほど水切り乾燥効果が大きいが、過剰な大きさは、気体吹き付け(気体加圧)装置の消費エネルギーが過大になって生産コストが高くなる問題が発生する。したがって、生産コストを考慮すると、風量×(風速)2の好ましい値は、2〜100(m5/秒3)であり、より好ましくは、2〜50(m5/秒3)である。
1…異形銅条、2…気体吹き付けノズル、2a…ノズル部、2a1…開口、3…水分。
Claims (4)
- 水を主成分としてベンゾトリアゾール又はその誘電体を含む処理液によって防錆処理を施した異形銅条に対して気体を吹き付けて水切り乾燥を行う異形銅条の水切り乾燥方法において、
前記異形銅条に対して吹き付ける気体の風量(m3/秒)×{風速(m/秒)}2を、異形銅条の移動速度(1m/秒)当たり、且つ吹き付けノズルの開口部の開口の長さ100mm当たり、2(m5/秒3)以上とすることを特徴とする異形銅条の水切り乾燥方法。 - 請求項1において、前記異形銅条に対して気体を吹き付ける吹き付けノズルと前記異形銅条との距離を5〜50(mm)に維持することを特徴とする異形銅条の水切り乾燥方法。
- 請求項1又は2において、前記吹き付けノズルは、開口部の開口幅が0.05〜0.3(mm)のものを使用することを特徴とする異形銅条の水切り乾燥方法。
- 請求項1〜3の1項において、前記異形銅条への気体吹き付けは、常温下で行うことを特徴とする異形銅条の水切り乾燥方法。
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