JP2021155412A - シクロブタンジオール骨格化合物の製造方法 - Google Patents

シクロブタンジオール骨格化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高いシス:トランス比のシクロブタンジオール骨格化合物を安定して取得可能なプロセス提供することである。【解決手段】 シクロブタンジオン骨格化合物、シクロブタンケトール骨格化合物、およびシクロブタンジオール骨格化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応、およびシクロブタンジオール骨格化合物における異性化反応を行うことにより、シクロブタンジオール骨格化合物のシス:トランス比が1.5:1〜5000:1であるシクロブタンジオール骨格化合物を製造する。【選択図】 なし

Description

本発明は、シクロブタンジオール骨格化合物の製造方法に関する。
2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール(以下、TMCBD)を代表とするシクロブタンジオール骨格化合物は、種々ポリマー材料の製造に使用され、例えばジカルボン酸およびTMCBDから誘導されるポリエステルは、他の常用のポリエステル形成性ジオールから製造された類似のポリエステルと比較した場合、高いガラス転移温度ならびに優れた耐候性および加水分解安定性を有する。
TMCBDの水酸基の立体異性体として、シス体とトランス体があり、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオン(以下、TMCBK)の接触水素化反応によって得られるTMCBDのシス:トランス比は約1:1〜約1.5:1の範囲で得られることが多い。当該シス:トランス比はTMCBDを有するポリエステルの重要な特性に影響を及ぼすことが知られており、当該シス:トランス比の安定制御がポリエステルの品質安定に繋がるため重要である。
TMCBDのシス:トランス比を調整する手法として、正味のTMCBDの生成がない異性化のみの報告例がある。液相中における、シス:トランス比0:1〜1.5:1の原料を異なるシス:トランス比の生成物へ異性化している。しかし、この方法は溶媒中に完全溶解している状態での異性化であるため、シス:トランス比は高くても約1.5:1までしか上がらない(特許文献1)。
また、TMCBKからTMCBDへの接触水素化反応において、気相中TMCBDの露点よりも高い反応温度で水素化を行う報告例がある。しかし、本方法においても、得られるTMCBDのシス:トランス比は約1:1〜約1.6:1と完全溶解系と大差なく、かつ水素を100〜500mol必要とするなど製造プロセスとして効率が低い(特許文献2)。
さらに、TMCBDのシス:トランス比を高くする手法として、シス体を反応中に析出させる反応晶析を利用した報告例がある。本手法は水、炭化水素、またはそれらの混合物を溶媒として使用し、ルテニウム触媒存在下、TMCBKを水素と接触させることにより、生成するcis−TMCBDを析出させ、結果的に高いシス:トランス比のTMCBDが反応系内にて得られる手法である。しかし、一例として、一度cis−TMCBDが析出している状態でろ過し、ろ物をcis−TMCBDが溶解する溶剤で洗い流してcis−TMCBD得るため、結果的に反応からcis−TMCBDの回収までの工程における溶剤使用量が多くなり、グリーンケミストリーの観点から環境に優しいプロセスとは言えない(特許文献3〜4)。
一方でグリーン・サステナブル・ケミストリーの観点から溶媒を用いず、かつ原料、中間体、生成物、触媒が固体である固相状態での水素化、ならびに鈴木カップリングの報告例がある。水素化は、パラジウム触媒の存在下、水素の分圧が大気圧条件下にて、不飽和炭化水素、アジド誘導体、ベンジルエーテルなどで良好な水素化反応の進行を確認している(非特許文献1)。
これまでに、ルテニウム触媒によるTMCBKのようなシクロブタンジオン骨格化合物の還元を、溶媒を用いず、固相状態で行う方法については検討されていない。グリーンケミストリーの観点から環境に調和したTMCBDのようなシクロブタンジオール骨格化合物の製造プロセスの開発が必要であり、かつ高いシス:トランス比のシクロブタンジオール骨格化合物を安定して取得可能なプロセス開発が求められていた。
国際公開2012/078439号 国際公開2012/078384号 国際公開2016/094478号 国際公開2016/094479号
Tetrahedron 67 (2011) 8628-8634
本発明は、グリーンケミストリーの観点から環境に調和したシクロブタンジオール骨格化合物の製造プロセスであり、かつ高いシス:トランス比のシクロブタンジオール骨格化合物を安定して取得可能なプロセス開発を課題とする。
本発明者らは、シクロブタンジオン骨格化合物からシクロブタンジオール骨格化合物への接触水素化反応、またはシクロブタンジオール骨格化合物のシス−トランス異性化を金属触媒存在下、溶媒を用いずに固相状態で反応、または異性化させることにより、高いシス:トランス比のシクロブタンジオール骨格化合物を安定して取得可能なことを見出した。
上記のような知見に基づき、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] シクロブタンジオン骨格化合物、シクロブタンケトール骨格化合物、およびシクロブタンジオール骨格化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応、およびシクロブタンジオール骨格化合物における異性化反応を行うことにより、シクロブタンジオール骨格化合物のシス:トランス比が1.5:1〜5000:1であるシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
[2] 前記シクロブタンジオン骨格化合物が、一般式(1)で示されるシクロブタンジオン骨格化合物である、項[1]に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
Figure 2021155412

ここで、R、R、R、およびRは独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、または炭素数4〜30のアリールであり、R、R、RおよびRが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
[3] 前記金属触媒が、周期表第8族、第9族、第10族、および第11族から選択された少なくとも1つの金属を含む触媒である、項[1]または[2]に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
[4] 前記金属触媒が、Ru、Rh、またはNiを含む触媒である、項[1]〜[3]のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
[5] 前記金属触媒が金属塩、金属酸化物、金属元素、金属微粉末、多孔質状金属触媒、または金属担持触媒であり、前記金属担持触媒の担体が酸化物、水化物、炭素、およびセルロースから選択された少なくとも1つ以上の担体である、項[1]〜[4]のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
[6] 反応における水素の分圧が0.02〜50MPaの範囲であり、反応温度が10〜150℃の範囲である、項[1]〜[5]のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
本発明に係るシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法は、従来に比べ高いcis体比率のシクロブタンジオール骨格化合物を穏和な反応条件で取得可能であり、かつ反応溶媒を用いない点からグリーンケミストリー上、環境に優しいプロセスと言える。
本発明に係る実施の形態について説明する。なお、本発明は下記の実施の形態によって限定されるものではない。
本発明のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法は、原料と金属触媒に溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応、およびシクロブタンジオール骨格化合物における異性化反応を行うことにより、シクロブタンジオール骨格化合物のシス:トランス比が通常手法の溶液系で実施するよりも高くなることを特徴としている。
原料は、シクロブタンジオン骨格化合物、シクロブタンケトール骨格化合物、およびシクロブタンジオール骨格化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を特に制限なく使用することができる。
例えば前記シクロブタンジオン骨格化合物が、一般式(1)で示されるシクロブタンジオン骨格化合物である。
Figure 2021155412

ここで、R、R、R、およびRは独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、または炭素数4〜30のアリールであり、R、R、RおよびRが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
金属触媒の金属が、周期表第8族、第9族、第10族、および第11族から選択された少なくとも1つの金属である。好ましくは、Ru、Rh、またはNiである。特に好ましくは、Ruである。
金属触媒の状態については特に限定されず、金属塩や金属酸化物、金属元素、金属微粉末であってもよく、これらの金属触媒をそのまままたは多孔質状にして用いてもよいし、担体に担持された状態であってもよい。
担体としては、酸化物、水化物、炭素、セルロースなどが挙げられ、これらのうちから少なくとも1つ以上を用いることができる。
酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、セラミック、ジルコニア、ニオビア、ゼオライトなどが挙げられ、水化物としては、ヒドロキシアパタイト、ニオブ酸、ジルコニウム酸、タングステン酸、チタン酸などが挙げられ、炭素としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
金属触媒の金属担持量は、0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
金属触媒は乾燥した状態でもよく水等で湿潤した状態でも良い。湿潤した状態の水の量は1〜200重量%、好ましくは5〜100重量%である。
触媒濃度は幅広い範囲内で変化させてよいが、0.001〜50mol%(原料mol数量に対する触媒金属のmol数量)、好ましくは0.01〜20mol%、より好ましくは0.1〜10mol%の範囲に調整する。
本発明の実施形態は、原料と金属触媒を反応装置に仕込み、溶媒を添加せずに固相状態で水素を置換して導入し、所定の反応温度、混合条件において実施する。
反応装置は、ガス置換可能な容器であれば良く、フラスコ、オートクレーブなどが使用可能である。また、容器自体が回転して内部を混合可能なロータリーエバポレーターの応用や愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー」も使用可能であり、原料と触媒を予め混合して充填したカラム型固定床などに水素をフィードする方法も可能である。さらに、固体を半連続的に取り扱うことが可能な流動床型反応器、ナウターミキサー、リボンブレンダー、株式会社神鋼環境ソリューション社製「SVミキサー」、「PVミキサー」なども使用可能である。
原料と金属触媒の仕込みについて、個別に仕込んでも良く、予め混合した状態を仕込んでも良い。反応器の撹拌動力の急激な負荷を抑制するため、反応器の撹拌を稼働させたまま仕込んでも良い。
反応器内の水素置換方法は、水素を多量に導入して置換する方法、水素や不活性ガスによる加圧、パージを繰り返す方法、反応器内を減圧した後に水素を導入することを繰り返す方法などがある。本発明の実施形態は、溶媒を添加せずに固相状態であることから、溶媒の蒸発などの懸念がないため、反応器内を減圧した後に水素を導入することを繰り返す方法が好ましい。
反応器内の水素は不活性ガスとの混合状態でも良く、水素の分圧は、0.02〜50MPaの範囲、好ましくは0.05〜5MPa、より好ましくは0.08〜0.98MPaである。
反応温度は、10〜150℃の範囲、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃である。
混合条件は、原料と金属触媒が十分に混合された状態が維持されればよい。予め混合した状態で仕込んだ場合は、反応器内で特別に混合しなくても良い。
触媒は反応後に反応混合物を溶剤に溶解させて不均一化し、ろ別によって反応混合物から容易に除去可能である。ろ別した触媒に更なる処置をおこなわずに接触水素化反応、および異性化反応に繰り返し使用してもよい。また、触媒を水等で洗浄し、最初の水等で湿潤した状態で繰り返し使用してもよい。
反応混合物は、水、アルコール、エーテル、炭化水素、ケトンおよびエステルから選択された少なくとも1つの溶媒に溶解することができる。例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、イソ酪酸イソブチル、およびそれらの混合物が挙げられる。入手のし易さや操作性から好ましくは、水、メタノール、2−プロパノール、アセトン、酢酸エチルである。
上記以外の反応後の反応混合物からの触媒の除去方法として、化合物の物性にもよるが、蒸留、昇華、溶融等の慣用方法を用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(大気圧下での接触水素化反応の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPM-5512型」を使用した。
原料であるTMCBK7.14mmol、触媒として5重量%Ru/C(富士フィルム和光純薬社製)1.5g(触媒Ru/C中のルテニウム含量が原料の1/10mol量)を120mL試験管に投入した。試験管内を脱気した後、水素ガスバルーンを装着し、水素ガス雰囲気下に置換した後、反応温度を60℃に設定し、300rpmの撹拌速度で6時間撹拌して反応させた。
(反応後の後処理)
その後、得られた反応物に酢酸エチル40mLを添加して原料、生成物等を溶解させ、メンブレンフィルター(ADVANTEC社製、DISMIC(登録商標)、13HP020AN、孔径0.20μm)を用いてろ過することにより、触媒Ru/Cを除去した反応ろ液を得た。また、反応に使用した触媒Ru/Cを別途酢酸エチル10mLで洗浄し、洗浄液を回収した。該洗浄液を先に得た反応ろ液と合一させ、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製GC―2030)で測定することにより、原料と反応生成物の比率を算出した。なお、反応生成物として、原料のTMCBK、一還元体のTMCBO、二還元体のうちシス体をcis−TMCBD、トランス体をtrans−TMCBD、およびシクロブタン骨格が開環した副生成物としてothersがあり、以下の表中にGC組成を表記した。また、TMCBDのcis体とtrans体の比率も表中に併記した。
[実施例2〜3]
実施例1の反応温度をそれぞれ70℃、80℃と変えたほかは同様に実施した。
[実施例4〜6]
実施例1の触媒を5重量%Ru/Al(富士フィルム和光純薬社製)に変え、反応温度をそれぞれ60℃、70℃、80℃としたほかは、実施例1と同様に実施した。
実施例1〜6の結果を併せて下記表1に示す。
表1
Figure 2021155412

実施例1〜6の結果より、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応を行うことにより、定量的にTMCBKからTMCBDを取得可能であり、TMCBDにおいて約4〜約30と高いcis比になることがわかる。
[実施例7]
(加圧下での接触水素化反応の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPV-4460型」を使用した。
原料であるTMCBK1.96mmol、触媒として50重量%含水5重量%Ru/C(A−type/エヌ・イー ケムキャット社製)0.13g(触媒Ru/C中のルテニウム含量が原料の1/60mol量)を42mL反応管に投入した。その後、ガスラインを接続し、水素ガス雰囲気下に置換した後、水素の分圧0.8MPa、反応温度を50℃に設定し、600rpmの撹拌速度で4時間撹拌して反応させた。
反応後の後処理については実施例1と同様に実施した。
[実施例8〜10]
実施例7の反応温度をそれぞれ60℃、70℃、80℃と変えたほかは同様に実施した。
[比較例1]
(メタノール中における加圧下での接触水素化反応の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPV-4460型」を使用した。
原料であるTMCBK7.82mmol、触媒として50重量%含水5重量%Ru/C(A−type/エヌ・イー ケムキャット社製)0.53g(触媒Ru/C中のルテニウム含量が原料の1/60mol量)、反応溶媒としてメタノール40mLを190mL反応管に投入した。その後、ガスラインを接続し、水素ガス雰囲気下に置換した後、水素の分圧0.8MPa、反応温度を80℃に設定し、600rpmの撹拌速度で4時間撹拌して反応させた。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(ADVANTEC社製、DISMIC(登録商標)、13HP020AN、孔径0.20μm)でろ過することにより、触媒Ru/Cを除去した反応ろ液を得た。以降の操作は実施例1と同様に実施した。
[比較例2〜3]
比較例1の反応溶媒をそれぞれイソプロピルアルコール、酢酸エチルと変えたほかは同様に実施した。
実施例7〜10、および比較例1〜3の結果を併せて下記表2に示す。
表2
Figure 2021155412

実施例7〜10と比較例1〜3の比較から、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応を行うことにより、TMCBDにおけるcis比が高くなることがわかる。
[実施例11]
(Ru/Cによる加圧下での異性化の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPV-4460型」を使用した。
異性化前であるTMCBD 1.96mmol、触媒として50重量%含水5重量%Ru/C(A−type/エヌ・イー ケムキャット社製)0.13g(触媒Ru/C中のルテニウム含量が異性化前TMCBDの1/60mol量)を42mL反応管に投入した。その後、ガスラインを接続し、水素ガス雰囲気下に置換した後、水素の分圧0.8MPa、反応温度を60℃に設定し、600rpmの撹拌速度で5.6時間撹拌して反応させた。
反応後の後処理については実施例1と同様に実施した。
[実施例12]
(Ru/Alによる加圧下での異性化の例)
実施例10の触媒を5重量%Ru/Al(富士フィルム和光純薬社製)に変えたほかは同様に実施した。
異性化前のTMCBD組成、および実施例11〜12の結果を併せて下記表3に示す。
表3
Figure 2021155412

実施例10、11の結果より、溶媒を添加せずに固相状態でシクロブタンジオール骨格化合物における異性化反応を行うことにより、TMCBDのcis比が高くなることがわかる。
[実施例13]
(Ru/Cによるジスピロ[5.1.5.1]テトラデカン−7,14−ジオン(以下、DSTDK)の接触水素化反応の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPM-5512型」を使用した。
原料であるDSTDK7.13mmol、触媒として5重量%Ru/C(富士フィルム和光純薬社製)1.50g(触媒Ru/C中のルテニウム含量が原料の1/10mol量)を120mL反応管に投入した。試験管内を脱気した後、水素ガスバルーンを装着し、水素ガス雰囲気下に置換した後、反応温度を70℃に設定し、300rpmの撹拌速度で6時間撹拌して反応させた。
その後、得られた反応物に酢酸エチル40mLを添加して原料、生成物等を溶解させ、メンブレンフィルター(ADVANTEC社製、DISMIC(登録商標)、13HP020AN、孔径0.20μm)を用いてろ過することにより、触媒Ru/Cを除去した反応ろ液を得た。また、反応に使用した触媒Ru/Cを別途酢酸エチル10mLで洗浄し、洗浄液を回収した。該洗浄液を先に得た反応ろ液と合一させ、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製)で測定することにより、原料と反応生成物の比率を算出した。なお、反応生成物として、原料のDSTDK、一還元体のDSTDO、二還元体のうちシス体をcis−DSTDD、トランス体をtrans−DSTDD、およびシクロブタン骨格が開環した副生成物としてothersがあり、以下の表中にGC組成を表記した。
[実施例14]
(Ru/Alによる加圧下での接触水素化反応の例)
実施例13の触媒を5重量%Ru/Al(富士フィルム和光純薬社製)に変えたほかは同様に実施した。
実施例13〜14の結果を併せて下記表4に示す。
表4
Figure 2021155412
実施例13、14の結果より、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応を行うことにより、定量的にDSTDKからDSTDDを取得可能であり、DSTDDにおいて約7〜約155と高いcis比になることがわかる。
[実施例15]
(Rh/Cによる大気圧下での接触水素化反応の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPM-5512型」を使用した。
異性化前であるTMCBK 7.14mmol、触媒として50重量%含水5重量%Rh/C(エヌ・イー ケムキャット社製)0.40g(触媒Rh/C中のロジウム含量が異性化前TMCBDの1/60mol量)を120mL反応管に投入した。試験管内を脱気した後、水素ガスバルーンを装着し、水素ガス雰囲気下に置換した後、反応温度を80℃に設定し、200rpmの撹拌速度で6時間撹拌して反応させた。
反応後の後処理については実施例1と同様に実施した。
[実施例16]
(スポンジニッケルによる大気圧下での異性化の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPM-5512型」を使用した。
異性化前であるTMCBD 7.14mmol、触媒としてスポンジニッケル(東京化成工業社製)0.42g(異性化前TMCBDの1/10mol量)を120mL反応管に投入した。試験管内を脱気した後、水素ガスバルーンを装着し、水素ガス雰囲気下に置換した後、反応温度を80℃に設定し、200rpmの撹拌速度で6時間撹拌して反応させた。
反応後の後処理については実施例1と同様に実施した。
[実施例17]
(Rh/Cによる大気圧下での異性化の例)
反応装置は東京理化器械株式会社製「パーソナル有機合成装置ChemiStationTM PPM-5512型」を使用した。
異性化前であるTMCBD 7.14mmol、触媒として50重量%含水5重量%Rh/C(エヌ・イー ケムキャット社製)0.40g(触媒Rh/C中のロジウム含量が異性化前TMCBDの1/60mol量)を120mL反応管に投入した。試験管内を脱気した後、水素ガスバルーンを装着し、水素ガス雰囲気下に置換した後、反応温度を80℃に設定し、200rpmの撹拌速度で6時間撹拌して反応させた。
反応後の後処理については実施例1と同様に実施した。
異性化前のTMCBD組成、および実施例15〜16の結果を併せて下記表5に示す。
表5
Figure 2021155412

実施例15〜17の結果より、Ru以外の金属触媒を用いても、溶媒を添加せずに固相状態で反応を行うことにより、TMCBDにおけるcis比が高くなることがわかる。
本発明のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法により得られた高いシス:トランス比のシクロブタンジオール骨格化合物は、ガラス転移温度、衝撃強度、耐候性、及び加水分解安定性において、高い安定性と安定した品質を有するポリエステルの原材料に利用することができる。

Claims (6)

  1. シクロブタンジオン骨格化合物、シクロブタンケトール骨格化合物、およびシクロブタンジオール骨格化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で接触水素化反応、およびシクロブタンジオール骨格化合物における異性化反応を行うことにより、シクロブタンジオール骨格化合物のシス:トランス比が1.5:1〜5000:1であるシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
  2. 前記シクロブタンジオン骨格化合物が、一般式(1)で示されるシクロブタンジオン骨格化合物である、請求項1に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
    Figure 2021155412

    ここで、R、R、RおよびRは独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、または炭素数4〜30のアリールであり、R、R、RおよびRが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
  3. 前記金属触媒が、周期表第8族、第9族、第10族、および第11族から選択された少なくとも1つの金属を含む触媒である、請求項1または2に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
  4. 前記金属触媒が、Ru、Rh、またはNiを含む触媒である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
  5. 前記金属触媒が、金属塩、金属酸化物、金属元素、金属微粉末、多孔質状金属触媒、または金属担持触媒であり、前記金属担持触媒の担体が、酸化物、水化物、炭素、およびセルロースから選択された少なくとも1つ以上の担体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
  6. 反応における水素の分圧が0.02〜50MPaの範囲であり、反応温度が10〜150℃の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシクロブタンジオール骨格化合物の製造方法。
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