JP4296739B2 - 両末端ジオール類製造用触媒、該触媒の製造方法、該触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法及び該製造方法で得られた両末端ジオール類 - Google Patents

両末端ジオール類製造用触媒、該触媒の製造方法、該触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法及び該製造方法で得られた両末端ジオール類 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両末端ジオール類製造用触媒、該触媒の製造方法、該触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法及び該製造方法で得られた両末端ジオール類に関する。
【0002】
さらに詳しくは、エポキシアルコール化合物の水素化分解反応によって両末端ジオール類を得る際に用いる両末端ジオール類製造用触媒、該触媒の製造方法、該触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法及び該製造方法で得られた両末端ジオール類に関する。
【0003】
【従来の技術】
両末端ジオール類はポリエステル、ポリウレタン等の樹脂原料として工業的に有用である。特に1、3−プロパンジオールは、合成樹脂原料特にポリエステル繊維の原料として潜在的需要が高い化合物として、化学的製造法、生物学的製造法等による安価な製造方法の開発が進められている。
【0004】
従来、1,3−プロパンジオールの化学的製造法については、アクロレインの水和反応による3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド(以下、「3−HPA」と略す。)の合成と、それに続く水素添加反応による1,3−プロパンジオールの製造方法(特開平10−212253号公報)、エチレンオキシドのヒドロホルミル化反応による3−HPA合成とそれに続く水素添加反応による1,3−プロパンジオールの製造方法(特表平11−515021号公報)などが知られている。
【0005】
これら従来の製造方法は、いずれの場合も最終的に3−HPAを水素添加することにより1,3−プロパンジオールを製造する方法をとることから、未反応3−HPAが1,3−プロパンジオール中に残りやすいという欠点がある。そして3−HPA等のカルボニル化合物を含有する1,3−プロパンジオールを用いてポリエステル合成を実施した場合、これが臭気や着色の原因となる問題が指摘されている。
【0006】
従って、製品である1,3−プロパンジオールには、極力3−HPA等のカルボニル化合物を含ないことが望ましい。しかしながら、これらのカルボニル化合物は蒸留等の一般的な精製方法により除去することが難しいことが、例えば特開平6−40973号公報、特表平11−509828号公報等に開示されている。
【0007】
そこで3−HPAをはじめとするカルボニル化合物含有量の低い1,3−プロパンジオールを得るために、特開平6−40973号公報では、3−HPAの水素添加反応を2段階で実施する方法が、また、特表平11−509828号公報では、カルボニル化合物をアルカリとの反応により除去する方法が開示されている。しかしながらいずれの方法も、3−HPAの転化率を100%にすることは困難であり、残存したカルボニル化合物の除去が必要であり、これがプロセス上の負荷を大きくし、製造コストを増大させる原因となっている。
【0008】
これらの課題を解決するために、3−HPAを原料としない1,3−プロパンジオールの化学的製造方法が検討されている。その一方法としてエポキシアルコール化合物、即ちグリシドールを水素化分解する方法が考えられる。
【0009】
エポキシアルコールの水素化分解によりジオール化合物を得る反応としては、例えば、メタノール中、Pd/C触媒によるグリシドールの水素化分解反応がSajikiらによって報告されている。具体的にはJournal of Chemical Society,Chemical Communications、1999年、1041〜1042頁を挙げることができる。しかしながらこの方法では1,2−プロパンジオールのみが生成しており、目的とする1,3−プロパンジオール得ることはできないことが報告されている。一般的には、末端エポキシ基の水素化分解では、このように末端アルコールを得ることは困難である。
【0010】
一方、米国特許第3975449号公報には、一般式(4)で表される二置換オキシラン環を有する末端エポキシアルコール類を水、アルコール、或いはアミド溶媒中で水素化分解し、両末端ジオールを得る方法が開示されている。
一般式(4)
【0011】
【化9】
Figure 0004296739
(式中、R3は炭素数1〜炭素数5のアルキレン基、R4は炭素数1〜炭素数5のアルキル基又は炭素数1〜炭素数5のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0012】
しかし、当該公報の方法でも一般式(1)で表される一置換オキシラン環を有する末端エポキシアルコールにおいては両末端ジオールへの選択性は低く、当該公報の実施例6においてグリシドールから1,3−プロパンジオールへの選択性が極端に低いことが開示されている。
【0013】
これに対して一置換オキシラン環を有する末端エポキシドである1,2−エポキシアルカンを水素化分解し、比較的選択率よく末端アルコールを得る方法が独国特許1139477号公報に開示されている。当該公報では、Ni、Coを含有する触媒の使用して、従来困難であった一置換オキシラン環を有する末端1,2−エポキシアルカンの水素化分解における末端アルコールへの選択性の向上を達成している。
【0014】
しかしながら、当該公報のに開示された方法でも、オキシラン環の置換基の炭素数が7以上で無ければその選択性は十分ではなく、従来の方法と同様に末端アルコールを得ることは困難であることが示されている。
【0015】
以上のように、一置換オキシラン環を有する末端エポキシ化合物において、その置換基の炭素数が6以下と短いエポキシアルコール化合物、例えばグリシドールの水素化分解反応で、目的とする両末端ジオール類である1,3−プロパンジオールを効率よく製造する方法は知られていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的としては、従来知られていなかったエポキシアルコール化合物の水素化分解反応により両末端ジオール類を効率的に製造する際に用いる両末端ジオール類製造用触媒の提供、該触媒の製造方法の提供、該触媒を用いた両末端ジオールの製造方法の提供及び該製造方法で得られた両末端ジオール類の提供を挙げることができる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行った。その結果、一置換オキシラン環を有する置換基の炭素数6以下のエポキシアルコール化合物の水素化分解反応により両末端ジオールを製造する際に、特定の溶媒の存在下に触媒を用いて水素化分解反応を実施することにより、両末端ジオールを高選択的に製造することが可能であることを見いだし本発明に至った。
【0018】
すなわち、本発明(I)は、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類、及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い一般式(2)で表される両末端ジオール類を製造する方法に用いる触媒において、該触媒が周期律表の第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする両末端ジオール類製造用触媒である。
一般式(1)
【0019】
【化10】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
一般式(2)
【0020】
【化11】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0021】
本発明(II)は、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法である。
【0022】
また、本発明(III)は、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法である。
【0023】
さらに、本発明(IV)は、本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法により製造された両末端ジオール類である。
【0024】
さらに本発明は例えば次の事項からなる。
〔1〕 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を製造する方法に用いる触媒において、該触媒が周期律表の第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする両末端ジオール類製造用触媒。
【0025】
一般式(1)
【化12】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0026】
一般式(2)
【化13】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0027】
〔2〕 触媒がFe、Co、Ni、Cu、Re及びRuからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする〔1〕に記載の両末端ジオール類製造用触媒。
【0028】
〔3〕 触媒がスポンジ型触媒であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒。
【0029】
〔4〕 触媒が担持型触媒であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒。
【0030】
〔5〕 担持型触媒における担体が、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、珪藻土、チタニア及びジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする〔4〕に記載の両末端ジオール類製造用触媒。
【0031】
〔6〕 以下の工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする〔3〕に記載の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法。
工程(A):第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素とアルミニウムとの合金を得る工程
工程(B):工程(A)で得た合金からアルミニウムを溶出して両末端ジオール類製造用触媒を得る工程
【0032】
〔7〕 以下の工程(C)及び工程(D)を含むことを特徴とする〔4〕又は〔5〕のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法。
工程(C):担体に第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含む化合物を担持して、元素担持担体を得る工程
工程(D):工程(C)で得た元素担持担体の元素を還元して両末端ジオール類製造用触媒を得る工程
【0033】
〔8〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒の存在下、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を得ることを特徴とする両末端ジオール類の製造方法。
【0034】
一般式(1)
【化14】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0035】
一般式(2)
【化15】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0036】
〔9〕 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物が、一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応で得られた化合物であることを特徴とする〔8〕に記載の両末端ジオール類の製造方法。
一般式(3)
【化16】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0037】
〔10〕 以下の工程(E)及び工程(F)を含むことを特徴とする一般式(2)で表される両末端ジオール類を得ることを特徴とする両末端ジオール類の製造方法。
工程(E):一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応により一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物を得る工程
工程(F):請求項1〜請求項5のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒の存在下、工程(E)で得た一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を得る工程
【0038】
一般式(1)
【化17】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0039】
一般式(2)
【化18】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0040】
一般式(3)
【化19】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0041】
〔11〕 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物が、グリシドール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、及び3,4−エポキシ−2−ブタノールなる群から選ばれた少なくとも一種以上のエポキシアルコール化合物であることを特徴とする〔8〕〜〔10〕のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
【0042】
〔12〕 一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物が、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール及び3−ブテン−2−オールからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の不飽和アルコール化合物であることを特徴とする〔9〕又は〔10〕のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
【0043】
〔13〕 溶媒がジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル及び酢酸ブチルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする〔8〕〜〔12〕のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
【0044】
〔14〕 〔8〕〜〔13〕のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法により製造されたことを特徴とする両末端ジオール類。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0046】
まず、本発明(I)について説明する。本発明(I)は、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を製造する方法に用いる触媒において、該触媒が周期律表の第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする両末端ジオール類製造用触媒である。
一般式(1)
【0047】
【化20】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
一般式(2)
【0048】
【化21】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0049】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒は、周期律表の第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする。特にCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、W、Re及びRuからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する触媒が好ましく、Fe、Co、Ni、Cu、Re及びRuからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する触媒がより好ましい。
【0050】
これらの元素が両末端ジオール類の製造用触媒として有効である理由については、基質のエポキシ基の酸素原子との親和性が高く、酸素と二級あるいは三級炭素との結合をラジカルあるいはカルボニウムイオンを経由して開裂させやすくするためと考えられる。
【0051】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒は、反応を阻害しない限り、上記元素以外のいかなる元素、或いは化合物を含んでいても構わない。
【0052】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒の形態には、特に制限はなく均一系、不均一系のいずれの形態をとることも可能である。好ましい形態としては、反応後の触媒分離操作の点などから不均一系触媒であるが、均一系触媒であっても特に差し支えない。
【0053】
均一系触媒としては、反応時に溶解する形態のものであればどの様なものでも使用可能である。具体的には例えば元素の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩等の塩の形態であっても良いし、元素が配位子と結合しているいわゆる錯体の形態であっても良い。
【0054】
錯体を形成する配位子としては従来公知の物を使用することができる。具体的には例えばカルボニル配位子、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、亜リン酸トリフェニル、トリフェニルホスフィンオキシド等のリン含有配位子、アンモニア、エチレンジアミン、ピリジン、等の窒素含有配位子、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル配位子、エチレン、1,4−シクロオクタジエン、シクロペンタジエニルアニオン等のオレフィン配位子、アセチルアセトネートアニオン等のジケトナト配位子、シアノ配位子、クロロ、ブロモ、ヨード等のハロゲン配位子、メトキシド、エトキシド、ブトキシド、フェノキシド等のアルコキシド、ヒドリド配位子等、或いはこれらの組み合わせからなる配位子を挙げることができる。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
これらの均一系触媒は、予め溶媒に溶解させた形で反応に使用してもよいし、基質のエポキシアルコールに溶解させておいてもよい。また、仕込み時に溶媒、原料と同時に仕込んで反応させることも可能である。更に、溶媒に溶解させた触媒を予め水素と接触させておき、活性化した後にエポキシアルコールと反応させることもできる。
【0056】
一方、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒に用いられる不均一系触媒では、使用できる元素の形態は特に制限はない。通常、メタル型、スポンジ型、酸化物、水酸化物、ホウ化物、リン化物等のいずれの形態で使用することが可能である。
【0057】
更に、本発明(I)の触媒に含有される元素は、上記に挙げた形態の元素或いは元素を含有する化合物をそのまま触媒として反応に用いることも可能であるし、適当な単体に担持したいわゆる担持型触媒として反応に用いることも可能である。
【0058】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒として元素をそのまま用いる触媒の好ましい一例としては、スポンジ型触媒を挙げることができる。ここで言う「スポンジ型触媒」とは、多孔質の金属触媒のことを意味する。スポンジ型触媒の一例である「スポンジNi」に関しては例えば、Tetrahedron Lett、32巻、40号、5885−5888頁、1999年発行に記載がある。
【0059】
他にも、元素を含有する化合物をそのまま触媒として用いることが可能な例としては、スポンジFe、スポンジCo、スポンジNi、スポンジCu、スポンジRu等のスポンジ型触媒、酸化V、酸化Cr、酸化Fe、酸化Co、酸化Ni、酸化Cu、酸化Mo、酸化W、酸化Re、酸化Ru、酸化Rh、酸化Pd、酸化Pt、酸化Cr−酸化Fe、酸化Cr−酸化Cu、酸化Cr−酸化Ni、酸化Cr−酸化Zn、酸化Cr−酸化Cu−酸化Zn等の酸化物触媒、水酸化Cr、水酸化Mn、水酸化Fe、水酸化Co、水酸化Ni、水酸化Cu、水酸化Ru、水酸化Rh、水酸化Pd、水酸化Pt等の水酸化物触媒、ホウ化Co、ホウ化Ni等のホウ化物触媒、リン化Ni等のリン化物等を挙げることができる。これらは各々単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。
【0060】
一方、本発明(I)の担持型の両末端ジオール類製造用触媒の場合、用いることのできる担体には特に制限はない。従来公知の担体を使用することができる。具体的には、活性炭(以下、「カーボン」とも表記する。)、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ケイソウ土、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。反応への影響、触媒調製時の表面積、或いは担体の強度等の工業的実用性の点から活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、ケイソウ土が好適である。
【0061】
触媒の活性種である元素或いは元素を含有する化合物を担体に担持する場合の元素或いは元素を含有する化合物と担体の量は、元素或いは元素を含有する化合物が担体の全質量に対して0.01質量%〜150質量%となる範囲が好ましい。元素或いは元素を含有する化合物が0.01質量%よりも少量である場合には、触媒の活性点の濃度が低いために実用的に十分な触媒活性が得られない恐れがあり好ましくない。また、150質量%を越えると、担体の効果が発揮できなくなる恐れがあり好ましくない。
【0062】
より好ましくは0.05質量%〜100質量%となる範囲、さらに好ましくは0.1質量%〜90質量%の範囲である。
【0063】
本発明(I)の担持型の両末端ジオール類製造用触媒ついて、具体的に例を挙げると、酸化Cr−アルミナ、酸化Cr−シリカ、酸化Cr−シリカアルミナ、酸化Cu−アルミナ、酸化Cu−シリカ、酸化Mo−アルミナ、酸化Mo−シリカ、Re−アルミナ、Re−シリカ、Re-活性炭、Co−ケイソウ土、Co−アルミナ、Co−シリカ、Co−シリカアルミナ、Co−カーボン、Ni−ケイソウ土、Ni−アルミナ、Ni−シリカ、Ni−シリカアルミナ、Ni−カーボン、Ni−Cu−アルミナ、Ru−アルミナ、Ru−シリカ、Ru−シリカアルミナ、Ru−カーボン、Pd−アルミナ、Pd−シリカ、Pd−シリカアルミナ、Pd−カーボン、Pd−硫酸バリウム、Pd−炭酸カルシウム、Pt−アルミナ、Pt−シリカ、Pt−シリカアルミナ、Pt−カーボン等を挙げることができる。これらは各々単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。
【0064】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒のうちの不均一系触媒として最も好ましいのは、Fe、Co、Ni、Cu、Re及びRuからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有するスポンジ型、或いは担持型の触媒である。
【0065】
これらの触媒の性状や大きさには特に制限がない。触媒の性状としては、具体的に例を挙げると、粉末、固形粉砕物、フレーク、球状成型品、柱状成形品、円筒状成型品等が挙げられる。また、触媒の大きさとしては、平均粒径で懸濁床又は流動床の場合1μm〜1000μm、固定床の場合では1mm〜20mm程度の粒径のものが使用できる。
【0066】
懸濁床又は流動床の場合、触媒の平均粒径がこれより小さいと触媒分離に困難をきたし、また、粒径が大きい場合は触媒沈降により反応が効率的にできない恐れがある。固定床の場合は、平均粒径が小さいと触媒層の詰まりや差圧の増加の恐れがあり、逆に粒径が大きいと反応器の単位容積あたりに有する触媒表面積が少なくなり、反応効率低下の原因となるために好ましくない。
【0067】
本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒のうちの不均一系触媒触媒の性状や粒径は、これらの反応形態に適したものを選択して用いることができる。
【0068】
次に本発明(II)について説明する。本発明(II)は、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法である。
【0069】
本発明(II)の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法は、製造する両末端ジオール類製造用触媒によって最適な方法を選ぶことができる。従来公知であるいかなる触媒調製法を用いても行ってもよい。
【0070】
中でも両末端ジオール類製造用触媒が、スポンジ型触媒或いは担持型触媒である場合には、各々以下の工程を含む製造方法で製造することができる。もちろん、これらの製造方法に限定されるわけではなく、従来公知の製造方法で製造することができる。
【0071】
すなわち、スポンジ型触媒の場合は、工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする製造方法により製造することができる。
工程(A):第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素とアルミニウムとの合金を得る工程
工程(B):工程(A)で得た合金からアルミニウムを溶出して両末端ジオール類製造用触媒を得る工程
【0072】
また、担持型触媒の場合は以下の工程(C)及び工程(D)を含むことを特徴とする製造方法により製造することができる。
工程(C):担体に第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族及び第11族からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含む化合物を担持して、元素担持担体を得る工程
工程(D):工程(C)で得た元素担持担体の元素を還元して両末端ジオール類製造用触媒を得る工程
【0073】
さらに、スポンジ型触媒或いは担持型触媒以外の触媒においては、例えばメタル型触媒では、金属の塩、酸化物、水酸化物等を水素等の還元剤で処理する方法、酸化物、水酸化物触媒では、金属塩の溶液から金属水酸化物または酸化物をアルカリ等で沈殿させて得る方法、またはこれらを焼成して調製する方法、ホウ化物では、金属の塩をテトラヒドロホウ酸塩で処理する方法、リン化物では金属の溶液を亜リン酸塩で処理する方法等で製造することができる。
【0074】
またさらに担持型触媒においては、上記以外の製造方法として金属水酸化物または酸化物を担体上に析出させたもの、あるいは金属塩の溶液を担体に含浸させたものを焼成する方法、金属水酸化物または酸化物を担体上に析出させたもの又は金属塩の溶液を単体に含浸させたものを焼成した後、還元剤により還元処理して触媒を調製する方法、等を例示することができる。
【0075】
いずれの場合も本発明(II)はこれらに限定されるものではなく、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒の製造方法であれば、どの様な方法でもかまわない。
【0076】
次に本発明(III)について説明する。本発明(III)は、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法である。すなわち本発明(III)は、本発明(I)の両末端ジオール類製造用触媒の存在下、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素化合物類、脂環式炭化水素化合物類及び脂肪族炭化水素化合物類からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い一般式(2)で表される両末端ジオール類を得ることを特徴とする両末端ジオール類の製造方法である。
一般式(1)
【0077】
【化22】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
一般式(2)
【0078】
【化23】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0079】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法における一般式(1)で表される化合物は、エポキシアルコール化合物である。より具体的には一置換オキシラン環と水酸基が炭素数1〜6のメチレン鎖、又は炭素数1〜炭素数8アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基で置換された炭素数1〜6のメチレン鎖で結合している化合物である。
【0080】
具体的には例えば、グリシドール、3,4−エポキシ−2−ブタノール、1,2−エポキシ−3−ペンタノール、1,2−エポキシ−3−ヘキサノール、1,2−エポキシ−3−ヘプタノール、2−メチル−3,4−エポキシ−2−ブタノール、1−フェニル−2,3−エポキシ−1−プロパノール、1−シクロヘキシル−2,3−エポキシ−1−プロパノール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、4,5−エポキシ−1−ペンタノール、5,6−エポキシ−1−ヘキサノール、7,8−エポキシ−1−オクタノール等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0081】
この中でも、反応生成物である両末端ジオール化合物の工業的価値や入手の容易さなどから、グリシドール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、3,4−エポキシ−2−ブタノールが特に好ましい。
【0082】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法は、エポキシアルコールのエポキシ環の位置選択的な水素化分解反応により両末端ジオールを高選択的に製造することを目的とし、極性の低い溶媒を用いて反応を実施することを特徴とする。
【0083】
前述したように、従来報告されているエポキシアルコールの水素化分解反応は、水又はアルコール等の水酸基を有する極性溶媒中で実施している。しかしながら、これら溶媒の使用は、副反応として溶媒によるエポキシ環の開環反応を起こし、本来目的とする末端アルコールへの水素化分解選択率を低下させる恐れがあり好ましくない。
【0084】
本発明者らが検討した結果、水酸基を有しない低極性の溶媒を用いた場合、副反応である溶媒によるエポキシ環の開環反応が発生しないばかりでなく、エポキシ環の開環により生成する水酸基の位置選択性、すなわち末端アルコールの生成の比率が高くなり、両末端ジオールの製造方法としては有利であることを見出した。低極性の溶媒で選択性が向上する理由としては、低極性溶媒を使用した場合には溶媒とエポキシアルコールの水酸基との相互作用が弱くなり、逆に水酸基が触媒表面側に配向すると考えられる。このような配向の結果として生じた立体的関係が、触媒活性点とエポキシ環の酸素原子との相互作用において両末端ジオール生成に有利な方向に働いていると考えられるが、詳細は定かではない。
【0085】
さらに、本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法での溶媒の使用は、希釈によるエポキシ環の開環反応の制御、反応熱除去、または粘度上昇による水素の拡散効率低下の抑制の意味でも好ましい。
【0086】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法に用いることのできる溶媒の具体例としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、
【0087】
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、
ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、
及びジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等を挙げることができる。これらは、各々単独でも二種以上の混合溶媒としても使用することもできる。
【0088】
これらの中でも、本発明(III)での水素化分解反応における両末端ジオール化合物の選択性の点や入手性、取り扱いの簡便さなどから、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル及び酢酸ブチルが好ましく、より好ましくはジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン及び酢酸エチルである。
【0089】
本発明(III)における溶媒の使用量としては特に制限はない。一般には反応基質であるエポキシアルコールの濃度が1質量%〜100質量%となるような範囲で使用できる。エポキシアルコールの濃度が1質量%未満では、実用的な反応速度が得られず、また生成物の溶媒からの分離精製のための負荷が大きくなること等から好ましくない。さらにエポキシアルコールの濃度が100質量%を越えると、溶媒の効果が十分に発揮できなくなる恐れがあり好ましくない。好ましくは3質量%〜100質量%の範囲、より好ましくは5質量%〜100質量%となる範囲である。
【0090】
本発明(III)でのエポキシアルコールの水素化分解反応は、該エポキシアルコールを触媒の存在下、水素と接触させることで行うことができる。その反応形態としては、従来公知の水素化分解反応、或いは水素添加反応に用いられる連続、回分反応のいかなる反応形態をとることが可能である。また、使用する触媒は、均一系、不均一系の何れの触媒も使用可能であるが、触媒の形態は特に制限がなく、反応形態に応じて適当なものを選択することが可能である。
【0091】
本発明(III)の反応形態としては、具体的には、均一系触媒では、単純撹拌槽、気泡塔型反応槽、管型反応槽などの反応形態、不均一系触媒では、懸濁床単純撹拌槽、流動床気泡塔型反応槽、流動床管型反応槽、固定床液相流通式管型反応槽、固定床トリクルベッド式管型反応槽等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0092】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法での水素化分解反応における触媒の使用量は、これら反応形態によって異なるため特に制限はない。例えば回分反応について例を挙げると、均一系触媒では、基質であるエポキシアルコール溶液に対して通常0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.01質量%〜3質量%の範囲で、不均一系触媒では、基質であるエポキシアルコール化合物に対して通常0.01質量%〜100質量%、好ましくは0.1質量%〜70質量%、より好ましくは0.1質量%〜50質量%の範囲で使用することができる。
【0093】
触媒量が少ないと実用的に十分な反応速度が得られない恐れがあり、また、触媒量が多い場合は副反応の増大による反応収率の低下や触媒コストの増大の恐れがあるために好ましくない。
【0094】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法での水素化分解反応における水素の圧力には特に制限はない。常圧あるいは加圧下の何れにおいても可能であるが、反応を効率的に進めるために加圧下の反応が好ましい。通常はゲージ圧で0MPa〜50MPa、好ましくはゲージ圧で0MPa〜40MPa、より好ましくはゲージ圧で0MPa〜30MPaの範囲で行われる。
【0095】
また、本発明(III)での水素化分解反応は、触媒の反応効率を落とさない範囲において、いかなる温度でも実施可能である。通常は0℃〜200℃、好ましくは0℃〜180℃、より好ましくは0℃〜150℃の間で行われる。0℃未満では水素化分解反応が実用的な反応速度が得られない恐れがあり好ましくない。また、200℃を越える高温では、原料である一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物どうし、或いは生成物である一般式(2)で表される両末端ジオール化合物とエポキシアルコール化合物との反応により、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物のエポキシ環の開環反応が進行し易くなり、望ましくない副生成物を与える恐れがあることから好ましくない。
【0096】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法における一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物は、いかなる方法によって調製されたものであってもよい。
一般式(1)
【0097】
【化24】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0098】
一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物を得る反応としては、具体的に例を挙げると、不飽和アルコール類をエポキシ化する調製法(特公昭51−18407号公報)、エピクロルヒドリン類の加水分解によるモノクロルヒドリン類の調製とその閉環反応によるエポキシアルコール類の調製法(Journal of American Chemical Society、1930年、52巻、1521頁)、アクロレイン類の炭素−炭素二重結合のエポキシ化及びアルデヒド基の水素添加による調製法(米国特許第3041356号)、グリシジルエステル類とアルコール類とのエステル交換による調製法(特開昭50−126609号公報)等が挙げられるが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。
【0099】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法に用いる前記一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物は、この前記の製造方法の中でも工業的重要性の観点、及び水素化反応触媒の被毒物質となり得る塩素化合物やアルデヒド化合物のような工業的に望ましくない不純物が混入しない点から、不飽和アルコール類のエポキシ化反応により得られたエポキシアルコール化合物であることが好ましい。
【0100】
即ち、本発明(III)で用いる前記一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物としては、一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物をエポキシ化反応することにより得られた一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物であることが好ましい。
一般式(3)
【0101】
【化25】
Figure 0004296739
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
一般式(3)で表される不飽和アルコールの具体例としては、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール等を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0102】
前記一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応により得られた前記一般式(1)であらわされるエポキシアルコール化合物を本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法に用いる場合、不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応後、蒸留等の操作を行い生成したエポキシアルコールを分離精製し、得られた精製エポキシアルコールを水素化分解反応の原料用いることができるのはもちろんであるが、不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応で得られたエポキシアルコール化合物を含有する反応液をそのまま原料として水素化分解反応を行い、両末端ジオール類を得ることも可能である。
【0103】
以上述べた本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法では、例えばグリシドールから1,3−プロパンジオールを製造する場合、好ましい条件下ではグリシドールの転化率が60%以上、より好ましい条件下では70%〜100%の範囲となる。その場合の1,3−プロパンジオールへの選択率は好ましい条件下では60%以上が得られる。
【0104】
次に本発明(IV)について説明する。本発明(IV)は、本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法により製造されたことを特徴とする両末端ジオール類である。
【0105】
本発明(III)の両末端ジオール類の製造方法は、エポキシアルコールを水素化分解することによる製造方法をとることから、生成物の両末端ジオール類は不純物としてカルボニル化合物を殆ど含有しない。従って、本発明(IV)の両末端ジオール類は、該ジオールを原料としてポリエステル等を製造した場合、カルボニル化合物が原因となる着色や異臭の発生を低く抑えることができる。
【0106】
両末端ジオール類にカルボニル化合物が含まれるか否かの確認には、
1)ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー/質量スペクトルによる既知のカルボニル化合物の定量、
2)IRスペクトルによる1600cm-1〜1800cm-1付近のC=O伸縮振動ピークの確認、
3)カルボニル化合物と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとの縮合物の溶液の可視光スペクトルによる定量(ASTM E411−70)
等により行うことが可能である。
【0107】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例における各反応の分析は、以下の条件によるガスクロマトグラフィー(以下、「GC」と略す。)により行った。
【0108】
GC分析条件
GC−17A(島津製作所(株)製)
カラム:FFAP 0.25mmφ×30m(J&W社製)
キャリアー:He 1ml/min、スプリット比1/30
検出器:FID
カラム温度:40℃(10min)→10℃/min→200℃(25min)インジェクション温度:230℃
注入量:0.2μl
【0109】
実施例1
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ(株)製 R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのメタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0110】
容器を密閉した後、オートクレイブ内を窒素で1.0MPa(ゲージ圧)まで加圧し0.0MPa(ゲージ圧)に脱圧する操作を5回繰り返し、空気を窒素で置換し、さらに同様の操作で水素で置換し、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0111】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0112】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は76.6%、1,3−プロパンジオールの選択率は57.6%、1,2−プロパンジオールの選択率は41.3%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0113】
実施例2
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ(株)製 R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にシクロヘキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、シクロヘキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0114】
容器を密閉した後、実施例1と同様に内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0115】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0116】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は100%、1,3−プロパンジオールの選択率は30.8%、1,2−プロパンジオールの選択率は41.3%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0117】
実施例3
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ(株)製 R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0118】
容器を密閉した後、実施例1と同様に内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0119】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0120】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は91.7%、1,3−プロパンジオールの選択率は40.4%、1,2−プロパンジオールの選択率は46.6%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0121】
比較例1
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ(株)製 R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、上澄みをデカンテーションで除いた後、湿った状態の触媒に新たに水20g及びグリシドール5.24gを添加した。
【0122】
容器を密閉した後、実施例1と同様に内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、60℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0123】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0124】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は88.6%、1,3−プロパンジオールの選択率は9.9%、1,2−プロパンジオールの選択率は71.9%、であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0125】
実施例1〜実施例3、及び比較例1からわかるように、グリシドールの水素化分解反応を水溶媒中で行うと、1,3−プロパンジオールの選択性は著しく低い結果しか与えないが、より低極性の溶媒の使用により1,3−プロパンジオールの選択性を飛躍的に向上させることが可能である。
【0126】
実施例4:スポンジCo触媒の調製
50mlのガラスビーカー中で水酸化ナトリウム1.3gを水10.9gに溶解させ、この溶液にマグネチックスターラーで撹拌しながらスポンジCo(Co含量50質量%、和光純薬工業(株)製)1.0gを10分間かけて徐々に添加した。添加後、容器を湯浴に浸し、50℃で1時間更に反応させた。
【0127】
デカンテーションで上澄みを除去した後、得られた触媒に水20mlを加え、攪拌後上澄み液を除去した。この水洗を上澄み液のpHが7になるまで繰り返し、水に懸濁させた状態のスポンジCo触媒を調製した。
【0128】
実施例5
実施例4で調製した水で湿った状態のスポンジCo触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,4−ジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,4−ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0129】
容器を密閉した後、実施例1と同様に内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0130】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0131】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は95.4%、1,3−プロパンジオールの選択率は50.6%、1,2−プロパンジオールの選択率は6.0%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0132】
実施例6
攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に入れ、ジメトキシエタン30.2g及びグリシドール5.0gを入れ、更に5%Ruカーボン触媒(NEケムキャット(株)社製)0.50gをゆっくりと添加した。
【0133】
容器を密閉した後、実施例1と同様に内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、100℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
【0134】
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0135】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は50.7%、1,3−プロパンジオールの選択率は19.5%、1,2−プロパンジオールの選択率は5.1%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0136】
実施例7
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ社製 R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのメタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0137】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0138】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は81.4%、1,3−プロパンジオールの選択率は61.1%、1,2−プロパンジオールの選択率は2.9%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0139】
参考例1
水で湿った状態のスポンジNi触媒(日興リカ社製
R−200)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、エタノール30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0140】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0141】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は78.2%、1,3−プロパンジオールの選択率は61.1%、1,2−プロパンジオールの選択率は6.9%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0142】
実施例9
水で湿った状態のスポンジCo触媒(日興リカ社製 R−400)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0143】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0144】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は79.9%、1,3−プロパンジオールの選択率は53.6%、1,2−プロパンジオールの選択率は8.4%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0145】
実施例10
水で湿った状態のスポンジCo触媒(日興リカ社製 R−400)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0146】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を400rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0147】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は91.2%、1,3−プロパンジオールの選択率は57.9%、1,2−プロパンジオールの選択率は9.1%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0148】
実施例11
水で湿った状態のスポンジCo触媒(日興リカ社製 R−400)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0149】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に0.8MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0150】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は87.2%、1,3−プロパンジオールの選択率は54.5%、1,2−プロパンジオールの選択率は8.2%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0151】
実施例12:シリカ担持Co触媒の調製
硝酸コバルト6水和物5.480gをビーカーに計りとり、ここに脱イオン水9.00gを加えて溶解し水溶液(1)を調製した。シリカ担体(CARiACT Q−15)10.00gを水溶液(1)を調製したビーカーに加え、水溶液(1)の全量をシリカ担体に吸収した。
水溶液(1)を吸収したシリカ担体を窒素気流下100℃で1時間乾燥した。その後、水素気流下400℃で2時間還元し金属コバルト担持触媒を得た。
【0152】
実施例13
実施例12で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0153】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0154】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は42.2%、1,3−プロパンジオールの選択率は67.6%、1,2−プロパンジオールの選択率は8.5%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0155】
実施例14:シリカ担持Co−K触媒の調製
硝酸コバルト6水和物5.490gおよび硝酸カリウム0.021gをビーカーに計りとり、ここに脱イオン水8.02gを加えて溶解し水溶液(2)を調製した。シリカ担体(CARiACT Q−15)10.00gを水溶液(2)を調製したビーカーに加え、水溶液(2)の全量をシリカ担体に吸収した。
水溶液(2)を吸収したシリカ担体を窒素気流下100℃で1時間乾燥した。その後、水素気流下400℃で2時間還元し金属コバルト担持触媒を得た。
【0156】
実施例15
実施例14で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0157】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0158】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は40.0%、1,3−プロパンジオールの選択率は68.2%、1,2−プロパンジオールの選択率は9.1%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0159】
実施例16:シリカ担持Co−Te触媒の調製
硝酸コバルト6水和物5.488gおよびテルル酸0.027gをビーカーに計りとり、ここに脱イオン水8.02gを加えて溶解し水溶液(3)を調製した。シリカ担体(CARiACT Q−15)10.01gを水溶液(3)を調製したビーカーに加え、水溶液(3)の全量をシリカ担体に吸収した。
水溶液(3)を吸収したシリカ担体を窒素気流下100℃で1時間乾燥した。その後、水素気流下400℃で2時間還元し金属コバルト担持触媒を得た。
【0160】
実施例17
実施例16で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0161】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0162】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は52.9%、1,3−プロパンジオールの選択率は51.9%、1,2−プロパンジオールの選択率は7.6%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0163】
実施例18
実施例12で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0164】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、100℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0165】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は75.7%、1,3−プロパンジオールの選択率は50.9%、1,2−プロパンジオールの選択率は8.2%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0166】
実施例19
実施例12で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0167】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に2.4MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0168】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は35.3%、1,3−プロパンジオールの選択率は65.8%、1,2−プロパンジオールの選択率は9.4%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0169】
実施例20
実施例12で調製したシリカ担持Co触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0170】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に2.4MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、60℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0171】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は19.3%、1,3−プロパンジオールの選択率は78.4%、1,2−プロパンジオールの選択率は7.6%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0172】
実施例21:シリカ担持Ru触媒の調製
ルテニウム元素を3.969重量%含有する硝酸ルテニウム水溶液6.630gをビーカーに計りとり水溶液(4)とした。シリカ担体(CARiACT Q−15)10.00gを水溶液(4)を調製したビーカーに加え、水溶液(4)の全量をシリカ担体に吸収した。
水溶液(4)を吸収したシリカ担体を窒素気流下100℃で1時間乾燥した。その後、水素気流下400℃で2時間還元し金属ルテニウム担持触媒を得た。
【0173】
実施例22
実施例21で調製したシリカ担持Ru触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0174】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0175】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は16.1%、1,3−プロパンジオールの選択率は57.3%、1,2−プロパンジオールの選択率は19.7%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0176】
実施例23
水で湿った状態のスポンジCo触媒(日興リカ社製 R−400)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0177】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0178】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は83.3%、1,3−プロパンジオールの選択率は64.3%、1,2−プロパンジオールの選択率は12.0%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0179】
実施例24
水で湿った状態のスポンジCo触媒(日興リカ社製 R−400)2.0gを攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0180】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に2.4MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、60℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器を室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0181】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は83.1%、1,3−プロパンジオールの選択率は65.1%、1,2−プロパンジオールの選択率は12.5%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0182】
実施例25:シリカ担持Ni触媒の調製
硝酸ニッケル6水和物2.752gをビーカーに計りとり、ここに脱イオン水3.50gを加えて溶解し水溶液(5)を調製した。シリカ担体(CARiACT Q−15)5.00gを水溶液(5)を調製したビーカーに加え、水溶液(5)の全量をシリカ担体に吸収した。
水溶液(5)を吸収したシリカ担体を窒素気流下100℃で1時間乾燥した。その後、水素気流下400℃で2時間還元し金属ニッケル担持触媒を得た。
【0183】
実施例26
実施例25で調製したシリカ担持Ni触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0184】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、100℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0185】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は74.9%、1,3−プロパンジオールの選択率は41.9%、1,2−プロパンジオールの選択率は53.3%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0186】
実施例27
実施例25で調製したシリカ担持Ni触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0187】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、120℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0188】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は96.9%、1,3−プロパンジオールの選択率は57.5%、1,2−プロパンジオールの選択率は35.4%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0189】
実施例28
実施例25で調製したシリカ担持Ni触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0190】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、120℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0191】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は98.8%、1,3−プロパンジオールの選択率は61.5%、1,2−プロパンジオールの選択率は29.6%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0192】
実施例29
実施例25で調製したシリカ担持Ni触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0193】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に2.4MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、120℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0194】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は99.0%、1,3−プロパンジオールの選択率は57.5%、1,2−プロパンジオールの選択率は35.5%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0195】
実施例30
実施例25で調製したシリカ担持Ni触媒を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更にジオキサン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、ジオキサン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0196】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、140℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0197】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は100%、1,3−プロパンジオールの選択率は64.2%、1,2−プロパンジオールの選択率は20.0%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0198】
実施例31:漆原Co触媒(U−Co−BA)の調製
500mlのビーカーにアルミニウム粉末(40〜80mesh)10gを入れ、それに1%水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加して、常温で10分攪拌した後、上澄みを除去し、さらに残査を30mlの熱水で2回洗浄した。
これに5mlの水を加え、95℃に加熱した後、40℃まで冷却し、塩化コバルト6水和物の水溶液(塩化コバルト6水和物8.1gを18mlの水で溶解したもの)を加え、55℃に昇温して反応させた。反応終了後、熱水100mlで2回洗浄し、残査に30mlの水を加え、更に氷冷しながら温度が60℃を超えないように20%水酸化ナトリウム水溶液250mlをゆっくりと加え、添加終了後50℃に昇温し、攪拌を続けた。水素の発生がなくなったら、攪拌を停止し、上澄みを除去した後、残査を熱水100mlで5回(上澄み液が中性になるまで)洗浄し、水懸濁状態のCo触媒(Coとして2g)を得た。
【0199】
実施例32
実施例31で調製した漆原Co触媒(U−Co−BA)を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0200】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に1.6MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0201】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は76.9%、1,3−プロパンジオールの選択率は69.0%、1,2−プロパンジオールの選択率は8.5%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0202】
実施例33
実施例31で調製した漆原Co触媒(U−Co−BA)を攪拌機の付いた内容積120mlのステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子(株)製)に移し、触媒に20mlのエタノールを添加し、よく振り混ぜた後、デカンテーションで上澄みを抜いた。この操作を更に2回繰り返し、更に1,2−ジメトキシエタン20mlを用いて同様な操作を3回行い、溶媒置換を行った。最終的に得られた触媒の上澄みをデカンテーションで抜き、1,2−ジメトキシエタン30g及びグリシドール5.00gを添加した。
【0203】
容器を密閉した後、内容を窒素、更に水素で順次置換を行い、最終的に2.4MPa(ゲージ圧)の水素圧をかけた。次いで内容を800rpmで撹拌しながら温度を上げ、80℃で5時間反応させた。この間、反応圧力は一定となるように水素を導入した。
反応後、容器室温まで冷却、脱圧、内容を窒素置換した後、反応器を開けて上澄みを抜き取り、GCにて分析を行った。
【0204】
得られたGCチャートのピーク面積比から計算すると、グリシドールの転化率は99.8%、1,3−プロパンジオールの選択率は67.6%、1,2−プロパンジオールの選択率は7.8%であった。また、GCでは、カルボニル化合物である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシアセトン、プロピオンアルデヒドのピークは検出されなかった。
【0205】
【発明の効果】
本発明の両末端ジオール類製造用触媒及び該触媒を用いた両末端ジオール類の製造方法によれば、カルボニル不純物の含有量が極めて少ない両末端プロパンジオールを高効率で製造することができる。
【0206】
また、本発明の両末端ジオール類の製造方法で得られた両末端ジオール類、特に1,3−プロパンジオールは、従来の方法により得られる1,3−プロパンジオールに比べて高純度でり、これらの両末端ジオール類をポリエステル等の樹脂原料として用いることで臭気や着色の低減された樹脂が安価に製造可能になることは明かである。

Claims (11)

  1. 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類及び脂環式炭化水素化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を製造する方法に用いる触媒において、該触媒が周期律表の8族、第9族及び第10からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする両末端ジオール類製造用触媒。
    一般式(1)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
  2. 触媒がFe、Co、NiびRuからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の両末端ジオール類製造用触媒。
  3. 触媒がスポンジ型触媒であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒。
  4. 触媒が担持型触媒であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒。
  5. 担持型触媒における担体が、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、珪藻土、チタニア及びジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項4に記載の両末端ジオール類製造用触媒。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒の存在下、一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類及び脂環式炭化水素化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を得ることを特徴とする両末端ジオール類の製造方法。
    一般式(1)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
  7. 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物が、一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応で得られた化合物であることを特徴とする請求項に記載の両末端ジオール類の製造方法。
    一般式(3)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
  8. 以下の工程(E)及び工程(F)を含むことを特徴とする一般式(2)で表される両末端ジオール類を得ることを特徴とする両末端ジオール類の製造方法。
    工程(E):一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物のエポキシ化反応により一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物を得る工程
    工程(F):請求項1〜請求項5のいずれかに記載の両末端ジオール類製造用触媒の存在下、工程(E)で得た一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物の水素化分解反応をエーテル類及び脂環式炭化水素化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種以上の溶媒の存在下に行い、一般式(2)で表される両末端ジオール類を得る工程
    一般式(1)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    一般式(3)
    Figure 0004296739
    (式中、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜炭素数8のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
  9. 一般式(1)で表されるエポキシアルコール化合物が、グリシドール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、及び3,4−エポキシ−2−ブタノールなる群から選ばれた少なくとも一種以上のエポキシアルコール化合物であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
  10. 一般式(3)で表される不飽和アルコール化合物が、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール及び3−ブテン−2−オールからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の不飽和アルコール化合物であることを特徴とする請求項又は請求項のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
  11. 溶媒が1,4−ジオキサン、シクロヘキサン及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項〜請求項10のいずれかに記載の両末端ジオール類の製造方法。
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