JP2021154823A - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速にエンジンを暖機する車両用冷却装置を提供する。【解決手段】エンジン1を冷却する冷却水Wが循環する冷却回路11を備え、この冷却回路11が内部を通過する冷却水Wを冷却するラジエータ20と冷却水Wを循環させるウォータポンプ12とを有する車両用冷却装置10において、冷却回路11はウォータポンプ12により冷却水Wが循環するとラジエータ20の内部を冷却水Wが常時通過する構成であり、ラジエータ20を加熱する加熱装置30を備えて構成される。【選択図】図1

Description

本開示は車両用冷却装置に関し、より詳細には冷却回路がエンジンを冷却する冷却水が内部を通過するラジエータを有する車両用冷却装置に関する。
冷却媒体の一部をヒータコアに循環させる装置において、ラジエータの入口側タンクを第一室と第二室とに区画し、第二室の内部に冷却媒体を加熱する加熱手段を備えた装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−260639号公報
ところで、特許文献1に記載の装置のような周知技術の冷却回路はサーモスタットとラジエータを迂回する迂回路を有している。このような冷却回路では、エンジンの暖機時に、冷却水がエンジンのウォータジャケット、インタークーラ、排気再循環ようのクーラなどの冷却器での熱交換により昇温し、冷却水の温度が所定値になるまでラジエータを迂回するよう構成されている。
つまり、エンジンの暖機においてはエンジン自身が発する熱により行われており、冷却回路において冷却水は受動的に加熱されるだけであり、その熱を一方的に奪う状態であった。それ故、冷却水が所定値以上になりエンジンの暖機が完了するまでに要する時間が長期化していた。
本開示の目的は、迅速にエンジンを暖機する車両用冷却装置を提供することである。
上記の目的を達成する本発明の一態様の車両用冷却装置は、エンジンを冷却する冷却水が循環する冷却回路を備え、この冷却回路が内部を通過する前記冷却水を冷却するラジエータと前記冷却水を循環させるウォータポンプとを有する車両用冷却装置において、前記冷却回路は前記ウォータポンプにより前記冷却水が循環すると前記ラジエータの内部を前記冷却水が常時通過する構成であり、前記ラジエータを加熱する加熱装置を備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ウォータポンプにより冷却回路を循環する冷却水がラジエータを常時通過する構成であり、加熱装置を駆動した場合に加熱装置によるラジエータの加熱によりラジエータを通過する冷却水を昇温することができ、加熱装置の駆動を停止した場合にラジエータを通過する冷却水を冷却することができる。これにより、エンジンの暖機時に加熱装置を駆動することで、昇温した冷却水をエンジンの冷却器に送ることが可能となり、冷却水により奪われる熱を低減するには有利になり、迅速にエンジンを暖機することができる。
実施形態の車両用冷却装置を例示する構成図であり、ラジエータが冷却水を冷却する状態を示す。 実施形態の車両用冷却装置を例示する構成図であり、ラジエータが冷却水を昇温する状態を示す。 図1のラジエータと加熱装置とを例示する斜視図である。 実施形態の車両用冷却装置の制御方法を例示するフロー図である。
以下に、本開示における車両用冷却装置の実施形態について説明する。図中において、X方向を車両の前後方向でラジエータ20を通過する冷却風の流れる方向とし、Y方向を車両の幅方向とし、Z方向を鉛直方向とする。なお、白抜き矢印は冷却風の流れを示し、塗り潰し矢印は冷却水Wの流れを示すものとする。
図1に例示するように、実施形態の車両用冷却装置10はエンジン1を冷却する装置であり、冷却水Wがエンジン1の冷却器2を通過して冷却対象機器と熱交換を行うことで、冷却対象機器を冷却している。本開示において、冷却器2としては、ウォータジャケット、インタークーラ、再循環排気用のクーラが例示される。
一方で、図2に例示するように、実施形態の車両用冷却装置10はエンジン1の暖機時に能動的に冷却水Wを昇温する装置であり、迅速にエンジン1の暖機を完了させる装置でもある。
車両用冷却装置10は、冷却水Wが循環する冷却回路11を備え、冷却回路11がウォータポンプ12、冷却器2、および、ラジエータ20を有する。冷却回路11は中途位置に分岐のない環状の回路である。冷却回路11において、冷却水Wは、ウォータポンプ12、冷却器2、ラジエータ20、および、ウォータポンプ12の順に循環するように構成される。つまり、車両用冷却装置10はウォータポンプ12の駆動により冷却水Wが冷却回路11を循環する際に、冷却水Wがラジエータ20の内部を常時通過するように構成される。
また、車両用冷却装置10は、ラジエータ20を通過する風量を調節する風量調節機構として、シャッター装置13と冷却ファン14とを備える。
ウォータポンプ12は機械式であって、エンジン1のクランクシャフト3からの回転動力が無端状のベルトやギア機構などの動力伝達機構4を介して伝達され、その回転動力により駆動される。ウォータポンプ12は駆動することで冷却水Wを冷却回路11内で循環させる。冷却回路11ウォータポンプ12の回転速度はエンジン1の回転速度に依存するが、動力伝達機構4を制御することでその回転速度を調節することが可能な構成にしてもよい。また、ウォータポンプ12は電動モータからの回転動力により駆動される電動式のウォータポンプで構成してもよい。
ラジエータ20はエンジン1が搭載された車両の前方側(図1の左側)に配置される。ラジエータ20の前方側にはシャッター装置13が配置されて、ラジエータ20の後方側には冷却ファン14が配置される。ラジエータ20は先行のシャッター装置13の開口により導かれる車速風と後続の冷却ファン14の回転により発生する冷却風とを利用して内部を通過する冷却水Wを冷却する熱交換器である。
ラジエータ20は入口タンク21と出口タンク22と熱交換コア23とを有して構成される。本実施形態のラジエータ20は入口タンク21および出口タンク22がZ方向上下に配置されて、冷却水Wが熱交換コア23をZ方向上方から下方に向かって流れるダウンフロー式のラジエータで構成される。ラジエータ20は、入口タンク21および出口タンク22がY方向左右に配置されて、冷却水Wが熱交換コア23をY方向に流れるクロスフロー式のラジエータでもよい。
シャッター装置13はラジエータ20のX方向前方に配置される。シャッター装置13は図示しないフレームに回転可能に軸支された複数の羽根からなる。シャッター装置13は、複数の羽根が開くことで開口して走行風をその開口から内部へ導き、複数の羽根が閉じることで閉口して走行風を遮断する。シャッター装置13としてはラジエータ20のX方向前方に配置されるものであればよく、グリルシャッター装置やラジエータシャッター装置が例示される。
冷却ファン14はラジエータ20のX方向後方に配置される。冷却ファン14は機械式であって、エンジン1のクランクシャフト3からの回転動力がファンクラッチ15を介して伝達され、その回転動力により駆動される。冷却ファン14はファンクラッチ15により駆動が制御される。冷却ファン14の駆動の制御は冷却ファン14の回転の有無に加えて回転速度を調節してもよい。
本実施形態の車両用冷却装置10は、加熱装置30、温度取得装置31、および、制御装置32を備えて、制御装置32がエンジン1の暖機時に加熱装置30によりラジエータ20を加熱する制御を行う構成である。また、車両用冷却装置10は制御装置32がエンジン1の暖機時にシャッター装置13および冷却ファン14によりラジエータ20を通過する風量を減少する制御を行う構成である。本開示において、風量の減少とはラジエータ20を通過する風量が減少した状態であり、ラジエータ20を通過する風量がゼロの状態も含むものとする。
加熱装置30はラジエータ20の熱交換コア23を直に加熱する装置であり、電熱線33で構成される。加熱装置30はバッテリ6にスイッチを介して接続される。このバッテリ6はエンジン1のクランクシャフト3からの回転動力が無端状のベルトやギア機構などの動力伝達機構7を介して伝達され、その回転動力により駆動される発電機8により充電される。
図3に例示するように、ラジエータ20は熱交換コア23が複数の連通管24と冷却フィン25とから構成される。複数の連通管24のそれぞれは一端が入口タンク21に連通し、他端が出口タンク22に連通して、その内部を冷却水Wが通過する管である。連通管24としてはアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、その管厚が薄いチューブが例示される。複数の連通管24は少なくともY方向に配列されていればよく、本実施形態において複数の連通管24はX方向およびY方向に配列される。なお、熱交換コア23のY方向左右端は枠組みやブラケットで構成される。
冷却フィン25は連通管24どうしの間に配置される。冷却フィン25としては隣り合う連通管24の両方に接するようにジグザク状を成すコルゲートフィンや複数の連通管24の全てが貫通するプレートフィンが例示される。
本実施形態の加熱装置30はラジエータ20の熱交換コア23を直に加熱する構成であることが望ましく、加熱装置30は熱交換コア23を構成する複数の連通管24を直に加熱する構成であることがより望ましい。
電熱線33は連通管24の外面に直に接し、連通管24に沿ってその一端から他端までに亘って配置され、連通管24を直に加熱するように構成される。電熱線33は連通管24の外面に直に接すればよく、連通管24のX方向表面または裏面、Y方向両側面のうちの一方の側面のいずれに配置してもよい。また、電熱線33は連通管24の内面に直に接するように、連通管24の内部に配置してもよい。
本実施形態の電熱線33は熱交換コア23を構成する複数の連通管24の全てに配置される。
電熱線33の加熱時の温度は熱交換コア23の表面に付着した付着物が燃焼しない温度に設定されることが望ましく、例えば、200℃未満の温度に設定される。また、電熱線33の加熱時の温度は冷却水Wが到達する最高温度よりも高い温度に設定することで、ラジエータ20を迅速に昇温するには有利になる。
図1および図2に例示するように、温度取得装置31は冷却水Wの温度Twを取得する装置であり、冷却器2およびラジエータ20の間の流路に配置される。
制御装置32は加熱装置30の駆動の制御と風量調節機構の制御とを行う装置であり、加熱装置30の駆動を制御するスイッチ、シャッター装置13の開閉を行う図示しないアクチュエータ、ファンクラッチ15、温度取得装置31、および、イグニッションスイッチ9に電気的に接続される。
制御装置32は各種情報処理を行う中央演算装置(CPU)、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。
制御装置32は、設定温度Taが予め内部記憶装置に設定される。また、制御装置32は、加熱装置30の駆動と風量調節機構の調節を判定する機能要素を有する。機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されていて、適時、中央演算装置により実行されている。なお、機能要素としては、プログラムの他に独立して機能するプログラマブルコントローラ(PLC)や電気回路で構成されてもよい。
設定温度Taは予め実験、試験、あるいはシミュレーションにより求められた値である。設定温度Taはエンジン1の暖機が完了したことを判定可能に設定される。本開示において、エンジン1の暖機の完了はエンジン1の各部や各部に供給される潤滑油が最適な温度になった状態である。この設定温度Taとしては、70℃〜90℃の範囲に設定され、例えば、80℃前後の温度が例示される。
図4に例示するように、車両用冷却装置10の制御方法について制御装置32の機能として説明する。この制御方法はエンジン1の冷間始動時に行われるものである。本開示において、冷間始動時はラジエータ20の熱交換コア23が外気温度と同等の状態、あるいは、その外気温度よりも低い温度になっている状態からの始動を示すものとする。
この制御方法は、エンジン1の暖機時に加熱装置30によりラジエータ20を昇温して、ラジエータ20により冷却水Wを昇温する方法である。また、この制御方法はエンジン1の暖機時に風量調節機構によりラジエータ20を通過する風量を減少する方法である。
この制御方法は、イグニッションスイッチ9によりエンジン1が始動すると開始される。制御方法が開始すると、制御装置32は加熱装置30を駆動して、ラジエータ20を加熱する制御を行う(S110)。
ついで、制御装置32は風量調節機構であるシャッター装置13と冷却ファン14とによりラジエータ20を通過する風量を減少する制御を行う(S120)。この風量を減少する制御は、ラジエータ20を加熱する制御と同時に行ってもよい。また、この風量を減少する制御はシャッター装置13を全閉するとともに冷却ファン14の回転を停止して、ラジエータ20を通過する風量をゼロに近づけることが望ましい。
ついで、制御装置32は温度取得装置31を介して冷却水Wの温度Twを取得する(S130)。ついで、制御装置32は取得した温度Twが設定温度Ta以上か否かを判定する(S140)。温度Twが設定温度Taを下回る場合にエンジン1の暖機が完了していない状態である。一方で、温度Twが設定温度Ta以上(温度Twが設定温度Taに等しい場合も含む)の場合にエンジン1の暖機が完了した状態である。
温度Twが設定温度Taを下回ると判定すると(S140:NO)、制御装置32は加熱装置30の駆動と風量調節機構による風量の減少とを維持して、ラジエータ20の加熱による冷却水Wの昇温を継続する。一方、温度Twが設定温度Ta以上と判定すると(S140:YES)、制御装置32は加熱装置30の駆動を停止する(S150)。ついで、制御装置32は風量調節機構による風量の減少を停止して(S160)、この制御方法は終了する。本開示において風量の減少の停止とは、シャッター装置13を暖機時よりも開けて開口から走行風を導入可能にし、冷却ファン14を暖機時よりも回転させて冷却風を発生可能にすることを示す。
なお、エンジン1の暖機が完了した後はシャッター装置13や冷却ファン14は冷却水Wの温度Twに応じて制御される。また、ラジエータ20は加熱装置30による加熱が停止した後は内部を通過する冷却水Wを冷却するように機能する。
本開示の車両用冷却装置10は、ウォータポンプ14の駆動により冷却回路11を循環する冷却水Wがラジエータ20を常時通過し、加熱装置30の駆動によりラジエータ20を通過する冷却水Wの温度を調節する構成である。それ故、車両用冷却装置10によれば、加熱装置30を駆動した場合に加熱装置30によるラジエータ20の加熱によりラジエータ20を通過する冷却水Wを昇温することができ、加熱装置30の駆動を停止した場合にラジエータ20を通過する冷却水Wを冷却することができる。これにより、エンジン1の暖機時に加熱装置30を駆動することで、昇温した冷却水Wをエンジン1の冷却器2に送ることが可能となり、冷却水Wにより奪われる熱を低減するには有利になり、迅速にエンジン1を暖機することができる。
また、本開示の車両用冷却装置10は、エンジン1の暖機時で、加熱装置30によりラジエータ20を加熱している場合に、シャッター装置13を閉じるとともに冷却ファン14の回転速度を低減して、ラジエータ20を通過する風量を減少する。これにより、加熱装置30により加熱されたラジエータ20による冷却水Wの昇温が妨げられることを防ぐには有利になり、エンジン1の暖機をさらに早めることができる。
加えて、本開示の車両用冷却装置10は、ウォータポンプ14の駆動により冷却回路11を循環する冷却水Wがラジエータ20を常時通過する構成であり、周知技術の冷却回路で必須であったサーモスタットと迂回路とを有さない構成である。それ故、サーモスタットが短時間の間に開いたり閉じたりすることを繰り返すハンチング現象の発生がなく、ラジエータ20への冷熱ストレスの発生を抑制することができる。また、サーモスタットのハンチング現象による故障も無く、冷却水Wの温度Twがオーバーシュートすることも防ぐことができる。
上記の車両用冷却装置10は、エンジン1の冷間始動時にラジエータ20の内部を冷却水Wが通過する前に加熱装置30を駆動してラジエータ20を加熱して昇温することが望ましい。このように構成することで、加熱装置30によるラジエータ20の加熱により、ラジエータ20の内部を冷却水Wが通過し始めても、ラジエータ20とその冷却水Wとの温度差を小さくすることができる。これにより、温度差に起因してラジエータ20に生じる冷熱ひずみを抑制することができる。
車両用冷却装置10の加熱装置30によりラジエータ20を加熱する制御は、イグニッションスイッチ9によるエンジン1の冷間始動時に限定されるものではない。本開示の加熱する制御は車両の走行中に冷却水Wの温度Twが設定温度Taを下回る場合に行ってもよい。
具体的に、加熱する制御は冷却水Wの温度Twが設定温度Taを下回る場合に行い、その温度Twが設定温度Ta以上となる場合に停止するとよい。そこで、上記の制御方法の開始を、イグニッションスイッチ9によるエンジン1の始動に代えて、イグニッションスイッチ9によりアクセサリ電源が通電可能な状態になり、温度取得装置31が取得した温度Twが設定温度Taを下回ると判定したときにしてもよい。
また、例えば、エンジン1の運転を停止した状態の惰性走行時にラジエータ20の熱交換コア23が外気温度と同等あるいはその外気温度よりも低い温度になった場合に行ってもよい。その場合に、制御装置32はエンジン1の運転を停止した状態の惰性走行の走行時間に基づいて加熱する制御を行うか否かを判定してもよい。
また、加熱する制御はイグニッションスイッチ9によるエンジン1の始動が冷間始動か否かを判定してもよい。例えば、外気温度を取得するセンサを用いて、外気温度が所定の温度よりも低い場合に、イグニッションスイッチ9によるエンジン1を始動する場合を冷間始動と判定してもよい。
加熱する制御は冷却水Wの温度Twが設定温度Ta以上となった場合、つまり、エンジン1の暖機が完了し、ラジエータ20により冷却水Wを冷却する状態になった場合に停止する。これにより、ラジエータ20による冷却水Wの冷却性能が加熱装置30による加熱により低下する事態を回避することができる。
本実施形態の車両用冷却装置10は、加熱装置30の電熱線33が熱交換コア23を構成する全ての連通管24のそれぞれに配置される。これにより、熱交換コア23の全体を迅速に加熱するには有利になる。
ただし、電熱線33を全ての連通管24に配置することで、加熱時の消費電力が多くなる。そこで、発電機8の発電量やバッテリ6の充電量に応じた消費電力になるように、電熱線33が複数の連通管24のうちの一部に配置される構成にしてもよい。本開示において複数の連通管24のうちの一部とはその一部に電熱線33が配置されることでエンジン1の暖機時に熱交換コア23を通過する冷却水Wが昇温可能になることを示す。よって、電熱線33の配置数は予め実験、試験、あるいは、シミュレーションにより冷却水Wが昇温可能な最低限の本数を求めておくとよい。
なお、電熱線33が複数の連通管24のうちの一部に配置される構成にする場合に、電熱線33は熱交換コア23のY方向両端部に配置された連通管24を少なくとも含む幾つかの連通管24に配置されることが望ましい。本開示において熱交換コア23のY方向は熱交換コア23を通過する冷却水Wの流れる方向であるZ方向と、熱交換コア23を通過する空気の流れる方向であるX方向との両方に直交する方向である。また、本開示において熱交換コア23のY方向両端部とは熱交換コア23の中央部を除く部位であり、Y方向両端から中央部に向かって所定の本数(例えば、3〜7本)の連通管24を含む部位である。電熱線33が冷熱ひずみにより変形する連通管24である熱交換コア23のY方向両端部に配置された連通管24に配置されることで、熱交換コア23のY方向両端部に配置された連通管24が冷熱ひずみによりY方向外側に向かってたわむことを防止することができる。
車両用冷却装置10の制御方法は、加熱する制御を行う場合にウォータポンプ12の吐出量を減らして、冷却回路11を流れる冷却水Wの流量を少なくする制御を行う構成にしてもよい。これにより、冷却回路11を流れる冷却水Wの流量が少なくなるに伴ってラジエータ20を通過する冷却水Wの流量も少なくなり、より効果的に冷却水Wを昇温可能になる。
1 エンジン
10 車両用冷却装置
11 冷却回路
12 ウォータポンプ
20 ラジエータ
30 加熱装置
31 温度取得装置
32 制御装置

Claims (6)

  1. エンジンを冷却する冷却水が循環する冷却回路を備え、この冷却回路が内部を通過する前記冷却水を冷却するラジエータと前記冷却水を循環させるウォータポンプとを有する車両用冷却装置において、前記冷却回路は前記ウォータポンプにより前記冷却水が循環すると前記ラジエータの内部を前記冷却水が常時通過する構成であり、前記ラジエータを加熱する加熱装置を備えることを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記冷却回路は環状の流路であり、前記冷却水が流れる順に、前記ラジエータ、前記ウォータポンプ、および、前記エンジンの冷却器が配置されて構成される請求項1に記載の車両用冷却装置。
  3. 前記ラジエータは入口タンクと出口タンクと熱交換コアとを有して構成され、
    前記加熱装置は前記熱交換コアを直に加熱する構成である請求項1または2に記載の車両用冷却装置。
  4. 前記熱交換コアは一端が前記入口タンクに連通して他端が前記出口タンクに連通する複数の連通管とその連通管どうしの間に配置された冷却フィンとから構成され、
    前記加熱装置は前記複数の連通管の全てを直に加熱する装置である請求項3に記載の車両用冷却装置。
  5. 前記冷却水の温度を取得する温度取得装置と、前記加熱装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置に設定温度が予め設定され、
    前記制御装置は前記温度取得装置が取得した前記冷却水の温度が前記設定温度を下回る場合に前記加熱装置により前記ラジエータを加熱する制御を行い、前記冷却水の温度が前記設定温度以上の場合に前記加熱する制御を停止する構成である請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  6. 前記ラジエータを通過する風量を調節する風量調節機構を備え、
    前記制御装置は前記加熱する制御を行う場合に前記風量調節機構により前記ラジエータを通過する風量を減少する制御を行う構成である請求項5に記載の車両用冷却装置。
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