JP2021154552A - プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、プレキャストコンクリート製品の製造方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、プレキャストコンクリート製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレキャストコンクリート製品表面の微小剥離を抑制することが可能なプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、該方法を用いたプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、前記プレキャストコンクリート製品の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する。(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上【選択図】なし

Description

本発明は、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、該方法を用いたプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、前記プレキャストコンクリート製品の製造方法に関する。
近年、美観及び景観の観点から、プレキャストコンクリート製品の外観に関心が高まる傾向にある。特に、プレキャストコンクリート製品では、現場打ちのコンクリートにおいては問題とならないような表面の微小剥離が問題視されている。
プレキャストコンクリート製品は、所定の強度を確保するため、成形後に養生が行われる。養生は、製品成形後から脱型するまでの養生(以下、「一次養生」と記す)と、脱型後の養生(以下、「二次養生」と記す)とに分かれる。一次養生は、型枠を脱型する際、プレキャストコンクリート製品に欠け、剥離等を生じさせないよう、必要な強度を確保するために行われる。一方、二次養生は、脱型後にプレキャストコンクリート製品の設計強度を確保するために行われる。
プレキャストコンクリート製品において、二次養生は、屋内保管場所の制約から、通常、脱型後(一次養生後)直ぐに屋外の保管場所で暴露することにより行う。二次養生期間を経過したプレキャストコンクリート製品は、すぐに出荷可能となるが、すぐに出荷されない場合は、出荷されるまでの間、二次養生期間中のプレキャストコンクリート製品と分離して屋外保管場所に継続して保管される。ところが、特に寒冷地では、春期から秋期に製造されて屋外で保管されているプレキャストコンクリート製品が冬期に凍結融解の繰り返し作用を受けることで、製品表面に微小剥離が発生することが問題となっている。
このような微小剥離の発生を抑制するためには、雨や雪によるプレキャストコンクリート製品への水分供給を遮断する必要がある。そのため、従来、製品が出荷されるまでの間、屋内で保管する、屋外保管場所に屋根を設置する、プレキャストコンクリート製品をシートで覆う等の対策が行われている。
しかしながら、これらの対策では、屋内保管場所の制約、屋根の設置費用、作業の手間等の問題から、プレキャストコンクリート製品への水分供給を充分に遮断することが困難であり、多くの製品表面において微小剥離が発生しているのが現状である。また、従来、型枠には、脱型を容易にする観点から離型剤が塗布される。この離型剤が脱型後の製品表面に多量に付着することで、製品表面における微小剥離が発生すると考えられている。しかしながら、型枠への離型剤の塗布量を厳密に管理することは難しいため、製品表面に付着する離型剤の付着量を制御することは困難である。そのため、保管場所の環境や型枠への離型剤の塗布量によらず、製品表面の微小剥離を抑制したいという要望がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製品表面の微小剥離を抑制することが可能なプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、該方法を用いたプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、前記プレキャストコンクリート製品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、プレキャストコンクリート製品の微小剥離を抑制する方法であって、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
前記プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、斯かる構成により、該製品表面の微小剥離を抑制することができる。
本発明に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置は、プレキャストコンクリート製品の微小剥離を抑制する装置であって、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する制御手段を備える。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
前記プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置は、斯かる構成により、該製品表面の微小剥離を抑制したプレキャストコンクリート製品を得ることができる。
本発明に係るプレキャストコンクリート製品の製造方法は、プレキャストコンクリート製品を製造する方法であって、コンクリート材料を型枠に打設する工程と、打設後、脱型して屋外に暴露する工程と、を含み、打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度が、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たす。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
前記プレキャストコンクリート製品の製造方法は、斯かる構成により、該製品表面の微小剥離を抑制したプレキャストコンクリート製品を得ることができる。
本発明によれば、プレキャストコンクリート製品表面の微小剥離を抑制することが可能なプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、該方法を用いたプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、前記プレキャストコンクリート製品の製造方法を提供することができる。
実施例における槽内及び試験体表面の温度履歴の一部を示すグラフである。
以下、本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置、及び、プレキャストコンクリート製品の製造方法について説明する。
<プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法>
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
ここで、暴露時積算温度とは、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの積算温度であって、下記(i)式で示される打設されたコンクリートの表面温度と時間との積の積算値をいう。
M=Σ(θ・T) ・・・(i)
M:積算温度(℃・h)
θ:打設されたコンクリートの表面温度(℃)
T:時間(h)
打設されたコンクリートの表面温度θは、例えば、型枠内面に取り付けた熱電対により測定することができる。
また、時間Tは、1/12h(すなわち、5min)以上であることが好ましく、1h以下であることが好ましい。例えば、時間Tが1hの場合、打設後、1h経過ごとに表面温度θを測定する。そして、測定された表面温度θと時間T(1h)との積を積算して、積算温度を算出する。
暴露環境温度とは、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露する際のプレキャストコンクリート製品の表面温度である。暴露環境温度の測定は、暴露環境下に予め設置された同一組成のプレキャストコンクリート製品の表面温度を測定することにより行う。なお、一のプレキャストコンクリート製品の表面温度が一様でない場合は、該表面温度の最大値を暴露環境温度とする。プレキャストコンクリート製品の表面温度は、例えば、熱電対温度計、赤外放射温度計等により測定することができる。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法において用いられるコンクリート材料は、セメントと、粗骨材と、細骨材と、水とを含む。なお、コンクリート材料は、粗骨材を含まないモルタル材料であってもよい。
セメント(C)としては、特に限定されるものではなく、例えば、JIS R 5210で規定される普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、ポルトランドセメントにフライアッシュ、高炉スラグ等を混合した混合セメント等を用いることができる。セメントは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
セメントの配合量は、特に限定されるものではなく、例えば、250kg/m以上450kg/m以下とすることができる。セメントが2種以上含まれる場合、前記配合量は、セメントの合計配合量である。
水セメント比(W/C)は、ワーカビリティー及び耐久性確保の観点から、0.35以上0.55以下であることが好ましく、0.45以上0.55以下であることがより好ましい。
粗骨材(G)としては、特に限定されるものではなく、例えば、川砂利、山砂利、海砂利等の天然骨材、砂岩、硬質石灰岩、玄武岩、安山岩等の砕石等の人工骨材、再生骨材等が挙げられる。粗骨材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粗骨材の配合量は、特に限定されるものではなく、例えば、700kg/m以上1200kg/m以下とすることができる。粗骨材が2種以上含まれる場合、前記配合量は、粗骨材の合計配合量である。
細骨材(S)としては、特に限定されるものではなく、例えば、川砂、山砂、海砂、陸砂、天然軽量細骨材(パーライト、ヒル石等)等の天然細骨材;砕砂、人工軽量細骨材、高炉スラグ細骨材等の人工細骨材;副産軽量細骨材等が挙げられる。細骨材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
細骨材の配合量は、特に限定されるものではなく、例えば、500kg/m以上900kg/m以下とすることができる。細骨材が2種以上含まれる場合、前記配合量は、細骨材の合計配合量である。
水(W)としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、工業用水、回収水、地下水、河川水、雨水等を使用することができる。水の配合量は、特に限定されるものではなく、例えば、140kg/m以上190kg/m以下とすることができる。
コンクリート材料は、さらに、混和材を含んでいてもよい。混和材としては、例えば、フライアッシュ、シリカフューム、セメントキルンダスト、高炉フューム、高炉水砕スラグ微粉末、高炉除冷スラグ微粉末、転炉スラグ微粉末、半水石膏、膨張材、石灰石微粉末、生石灰微粉末、ドロマイト微粉末等の無機質微粉末、ナトリウム型ベントナイト、カルシウム型ベントナイト、アタパルジャイト、セピオライト、活性白土、酸性白土、アロフェン、イモゴライト、シラス(火山灰)、シラスバルーン、カオリナイト、メタカオリン(焼成粘土)、合成ゼオライト、人造ゼオライト、人工ゼオライト、モルデナイト、クリノプチロライト等の無機物系フィラーが挙げられる。混和材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
コンクリート材料が混和材としてフライアッシュ(FA)を含む場合、フライアッシュ置換率(FA/(FA+C))は、ワーカビリティー及び耐久性確保の観点から、0.1以上0.3以下であることが好ましく、0.15以上0.25以下であることがより好ましい。
コンクリート材料は、さらに、混和剤を含んでいてもよい。混和剤としては、例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、分離低減剤、収縮低減剤等が挙げられる。混和剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、特に限定されるものではないが、例えば、通常振動締固め方式で製造されるL型擁壁、フリューム、平板等のプレキャストコンクリート製品に用いることができる。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法は、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて上記条件(1)〜(3)を満たすように制御することにより、該製品表面の微小剥離を抑制することができる。
<プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置>
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置は、上述のコンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する制御手段を備える。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
前記制御手段は、打設されたコンクリートの表面温度θを測定して暴露時積算温度を算出する積算温度算出手段と、暴露環境温度を測定する暴露環境温度測定手段と、を備え、前記暴露環境温度測定手段において測定された暴露環境温度に応じて、前記積算温度算出手段において測定された暴露時積算温度を制御する。
前記積算温度算出手段では、例えば、型枠内面に取り付けた熱電対により、打設されたセメントの表面温度θを測定することができる。
前記暴露環境温度測定手段では、暴露環境下に予め設置された同一組成のプレキャストコンクリート製品の表面温度を測定することにより、暴露環境温度を得ることができる。暴露環境温度は、例えば、熱電対温度計、赤外放射温度計等により測定することができる。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置は、コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて上記条件(1)〜(3)を満たすように制御する制御手段を備えることにより、該製品表面の微小剥離を抑制することができる。
<プレキャストコンクリート製品の製造方法>
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の製造方法は、コンクリート材料を型枠に打設する工程と、打設後、脱型して屋外に暴露する工程と、を含み、打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度が、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たす。
(1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
(2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
(3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
コンクリート材料を型枠に打設する工程では、上述のコンクリート材料を混錬した後、型枠に打設して振動成形を行う。練り混ぜ温度は、特に限定されるものではなく、例えば、5℃以上35℃以下で行うことができる。また、振動成形の方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。
型枠内には、脱型を容易にする観点から、30g/m以上127g/m以下の離型剤を塗布してもよい。離型剤としては、例えば、油性、水性等の従来公知の離型剤を用いることができる。
打設後、脱型して屋外に暴露する工程では、脱型したプレキャストコンクリート製品の養生を行う。養生方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート製品の製造方法は、コンクリート材料を型枠に打設する工程と、打設後、脱型して屋外に暴露する工程と、を含み、打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度が、暴露環境温度に応じて上記条件(1)〜(3)を満たすことにより、該製品表面の微小剥離を抑制したプレキャストコンクリート製品を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
微小剥離が発生するプレキャストコンクリート製品表面は、モルタル成分から構成されると考えられる。そこで、本実施例では、モルタル材料を用いて試験を行った。
表1に示す配合のモルタル材料を、ホバートミキサ(HOBART社製)を用いて練り混ぜた。φ100mm×高さ200mmの型枠内に離型剤を塗布後、練り混ぜたモルタル材料を高さ約50mmになるように打設し、表2の養生温度条件で養生を行った後、脱型した。なお、養生期間中は、熱電対を用いて、5分ごとに試験体表面の温度を測定した。そして、上記(i)式に基づき、暴露時積算温度を算出した。脱型後の各試験体は、温度管理可能な乾燥機内で3日間乾燥させた。乾燥機内の温度は、それぞれ表1に示す暴露環境温度に設定した。
Figure 2021154552
表1に示す成分の詳細を下記に示す。
水(W):上水道水
セメント(C):普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
細骨材(S):山砂(静岡県掛川産)
フライアッシュ(FA):北陸電力七尾太田火力発電所産II種
高性能減水剤(SP):マイティ21LV−S(花王社製)
離型剤:パネロールMDW−2(ダイセキ社製)
Figure 2021154552
次に、乾燥後の各試験体を用いて、剥離試験を行った。具体的には、各試験体を、離型剤が付着した面を上向きにして内径107mmの塩ビパイプ内に配置し、試験体と塩ビパイプの隙間をエポキシ樹脂で充填することにより、剥離試験用試験体を作製した。その後、剥離試験用試験体の上面に水道水を投入した。なお、投入された水道水の深さは5mmであった。さらに、各剥離試験用試験体を温度管理可能な試験槽内に配置し、槽内の温度を−10℃で6時間保持した後、20℃で2時間保持するサイクルを50サイクル繰り返した。槽内及び離型剤が付着した試験体表面の温度履歴の一部を図1に示す。
各剥離試験用試験体の表面からの剥離量は、剥離した試料を採取して乾燥機で乾燥させた後、質量を測定することにより求めた。なお、剥離量が20g/mを超える試験体は、「×」と評価した。剥離量及び評価結果を表1に示す。
表1の結果から分かるように、暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度が480℃・h以上であれば、離型剤の塗布量によらず、試験体表面の微小剥離を抑制することができる。また、暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度が840℃・h以上であれば、離型剤の塗布量によらず、試験体表面の微小剥離を抑制することができる。さらに、暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上であれば、離型剤の塗布量によらず、試験体表面の微小剥離を抑制することができる。

Claims (3)

  1. プレキャストコンクリート製品の微小剥離を抑制する方法であって、
    コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制方法。
    (1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
    (2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
    (3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
  2. プレキャストコンクリート製品の微小剥離を抑制する装置であって、
    コンクリート材料を型枠に打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度を、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たすように制御する制御手段を備える、プレキャストコンクリート製品の微小剥離抑制装置。
    (1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
    (2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
    (3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
  3. プレキャストコンクリート製品を製造する方法であって、
    コンクリート材料を型枠に打設する工程と、打設後、脱型して屋外に暴露する工程と、を含み、
    打設後、脱型して屋外に暴露するまでの暴露時積算温度が、暴露環境温度に応じて下記条件(1)〜(3)を満たす、プレキャストコンクリート製品の製造方法。
    (1)暴露環境温度が20℃以下の場合、暴露時積算温度を480℃・h以上
    (2)暴露環境温度が20℃を超えて40℃以下の場合、暴露時積算温度を840℃・h以上
    (3)暴露環境温度が40℃を超えて60℃以下の場合、暴露時積算温度を1180℃・h以上
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