JP2021154213A - ごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

ごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集じん灰量を増加させることなく、塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを中和除去する消石灰の量を削減することが可能なごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供する。【解決手段】本発明のごみ焼却炉の排ガス処理装置は、廃棄物を焼却処理するごみ焼却炉と、ごみ焼却炉で発生した排ガスを流通させる排ガス煙道と、排ガス煙道にアルカリ薬剤を吹き込む薬剤供給装置とを有するごみ焼却処理施設の排ガス処理システムであって、ごみ焼却炉から排出された焼却灰を水洗する焼却灰水洗手段、及び、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を前記排ガス中に供給する供給手段、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関し、特に、ごみ焼却炉から排出される排ガス中に含有される酸性成分を効果的に除去する技術に関する。
従来、ごみの焼却炉から排出される排ガスを処理するに際し、まずボイラや水噴霧により200℃以下に減温してから、バグフィルタ入口で粉体の消石灰を吹き込み塩化水素及び硫黄化合物等の酸性ガスを中和除去していた。
しかし、200℃域では消石灰と酸性ガスとの反応効率が低く、過剰な量の消石灰を吹き込むことになり、消石灰の費用が過大となるとともに、バグフィルタで捕集する集じん灰の量が増えることになる。集じん灰は特別管理廃棄物として扱われ、安定化処理したうえで管理型の処分場に埋め立て処分せねばならず、集じん灰量の増加は最終処分費用の増加を招くことになる。
消石灰の吹き込み量を削減するための技術としては、特許文献1に示されるような、バグフィルタで捕集された未反応消石灰を含む集じん灰の一部を消石灰とともにバグフィルタ入口に吹き込む技術が知られている(特許文献1)。また、ごみの焼却に伴い発生した焼却灰を粉砕及び篩分けしてバグフィルタ入口に吹き込む技術が提案されている(特許文献2及び特許文献3)。さらに、数時間分の消石灰を短時間でバグフィルタ入口に吹き込み、バグフィルタのろ布表面に消石灰の反応層を形成する技術が提案されている(特許文献4)。
特開2008−289953号公報 特開2016−123940号公報 特開2016−140798号公報 特開平5−123515号公報
特許文献1に開示された技術によると、未反応消石灰を含む集じん灰の一部を消石灰とともにバグフィルタ入口に吹き込むことにより、反応しきれなかった消石灰を再利用することができ、消石灰の消費量を削減することができる。しかしながら、集じん灰が酸性ガス除去の効果を示すということは、すなわち集じん灰に未反応の消石灰が十分に残存しているということを意味しており、消石灰の使用量を低減できるにしても、集じん灰に多くの量の未反応消石灰が含まれることに変わりはない。さらに、飛灰まで吹き込むことになりバグフィルタの負荷を上昇させ、ろ布付着物の払い落し頻度が増えてろ布の寿命が短くなる。
一方、特許文献2及び特許文献3に開示された技術は、粉砕・篩分けした焼却灰をバグフィルタ入口に吹き込むことで、焼却灰中に含まれる石灰分を利用して酸性成分を除去することができる。しかしながら、焼却灰を乾灰として取り出すには焼却炉を大気とシールする必要があり、大型のダンパ等のシール装置やその制御装置が必要となる。また、焼却灰にはNaClやKCl等の塩化水素と反応しない無機塩素化合物が含まれ、これらも同時に吹き込むことで反応効率の低下や集じん量の増加につながるため、上述した特別管理廃棄物の増加を招き、最終処分費用の増大と最終処分場の寿命短縮を引き起こす。
特許文献4に開示された技術は、バグフィルタのろ布表面にいわゆるプレコート層を形成することで、消石灰の常時の吹込みを不要とするものであり、消石灰の反応効率を高めることができる。しかしながら、主たる酸性ガスである塩化水素(HCl)と消石灰の反応は下記の二段階の反応を経て完結するところ、200℃以下では(1)の反応しか進まない。そのため、消石灰の中和能を活かしきっているとは言えず、少なくとも理論量の二倍以上の消石灰を吹き込まなければならない。また、塩化水素の濃度によっては、消石灰が破過する前にバグフィルタ差圧が上昇してしまうため、頻繁にろ布付着物を払い落としプレコート層を再生する必要が生じる。
(1)Ca(OH)2+HCl=CaClOH+H2O
(2)CaClOH+HCl=CaCl2+H2O
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、集じん灰量を増加させることなく、塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを中和除去する消石灰の量を削減することが可能なごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
第1の特徴に係る発明は、廃棄物等の被焼却物を焼却処理するごみ焼却炉と、ごみ焼却炉で発生した排ガスを流通させる排ガス煙道と、排ガス煙道にアルカリ薬剤を吹き込む薬剤供給装置とを有するごみ焼却処理施設の排ガス処理システムであって、ごみ焼却炉から排出された焼却灰を水洗する焼却灰水洗手段、及び、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を前記排ガス中に供給する供給手段、を備えたことを特徴とする排ガス処理システムを提供する。
第1の特徴に係る発明によれば、焼却灰に含まれるカルシウム成分を利用して、排ガス中に含まれる酸性成分を中和することができるため、排ガス煙道から排ガス中に吹き込むアルカリ薬剤の量を削減することができる。その際、焼却灰水洗手段で焼却灰を水洗することにより、焼却灰に含まれるNaClやKCl等の反応性に乏しい塩が水に溶出されるため、中和に有効なカルシウム成分を焼却灰から効果的に取り出すことができる。そして、カルシウム成分を多く含み塩を含まない焼却灰を中和剤として排ガス中に吹き込むため、アルカリ薬剤の供給量を確実に削減することができる。また、焼却灰に含まれる塩が水に溶出されるため、飛灰を中和剤として使用する場合と比較して同等の効果を得るための吹き込み量が少なくて済み、捕集すべき集じん灰の量を削減することができる。さらに、焼却灰を排ガス中に吹き込むものであるから、処理すべき焼却灰の量を削減することができ、焼却灰の処理設備自体をコンパクトに構成することができる。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、ごみ焼却炉で発生した排ガスを200℃以下に減温する排ガス冷却装置と、排ガス冷却装置で減温された排ガス中の有害物質をろ過するろ布を備えるバグフィルタと、を備え、供給手段はバグフィルタよりも上流の排ガス中に水洗された焼却灰を供給する、排ガス処理装置を提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、単に排ガス中に供給する場合と比較して、バグフィルタが備えるろ布上でも中和反応が起こるため、単に排ガス中に焼却灰を吹き込むよりも反応性を向上させることができる。
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、供給手段として空気で焼却灰を搬送して排ガス煙道に吹き込む送風機を使用する、排ガス処理装置を提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、焼却灰を乾燥することで、粒子状ないしは粉末状の形態とすることができる。そして、粒子状ないしは粉末状となった焼却灰を、送風機を用いて空気の圧力で搬送することで、スムーズに排ガス中に供給し、排ガス中に速やかに分散させることができる。
第4の特徴に係る発明は、第3の特徴に係る発明であって、送風機がアルカリ薬剤を排ガス煙道に吹き込むための送風機を兼ねる。
第4の特徴に係る発明によれば、焼却灰を供給する送風機を、アルカリ薬剤を吹き込むための送風機と兼ねることで、アルカリ薬剤と焼却灰を同時に吹き込むことができる。そのため、焼却灰専用の別途の搬送装置を追設することなく、既存の設備を最大限に活用して、焼却灰を排ガス中に吹き込むことができる。
第5の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰をスラリー状に調整するスラリー調整手段をさらに備え、供給手段としてスラリー調整手段で調整されたスラリーを圧送してガス冷却装置に供給するスラリーポンプを使用する、排ガス処理装置を提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、スラリー状に調整された焼却灰をガス冷却装置において供給することにより、酸性ガスの中和と排ガス温度の低減の効果を同時に奏する。
第6の特徴に係る発明は、第1〜第5のいずれかの特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段として、ごみ焼却炉の下方に設置され、ごみ焼却炉の下端を水槽に張られた冷却水でシールする湿式コンベヤを使用する、排ガス処理装置を提供する。
第6の特徴に係る発明によれば、焼却灰を水洗する手段として、湿式コンベヤを使用することで、湿式コンベヤの水槽に張られた冷却水でごみ焼却炉の下端をシールすることができるため、乾灰を取り出す場合と比較して、別途の大掛かりなシール装置を追設することなく、大気と炉内とのシール性を確保しつつ焼却灰を炉外に取り出すことが可能となる。
第7の特徴に係る発明は、第1〜第6のいずれかの特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段と供給手段との間に、焼却灰中の異物を除去する振動篩を備えた、排ガス処理装置を提供する。
第7の特徴に係る発明によれば、焼却灰を篩分けして異物を除去することで、焼却灰の搬送が好適に行われるとともに、不純物が混入することに伴う酸性成分との反応性の低下を抑制することが可能となる。
第8の特徴に係る発明は、第1〜第7のいずれかの特徴に係る発明であって、ごみ焼却炉として、底部に灰排出手段が配設され、下方から順に灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層が形成されるよう廃棄物が堆積される燃焼室と、ごみクレーンによって供給される廃棄物を貯留するとともに燃焼室の上方から投入する投入装置と、燃焼室の下方から理論空気量の1/2以下の量の一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段と、燃焼室の上部に二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給手段とを備えた竪型ごみ焼却炉を使用する、排ガス処理装置を提供する。
第8の特徴に係る発明によれば、ごみ焼却炉として上記の構成を備えた竪型ごみ焼却炉を使用することで、中和剤として利用しやすい粉末状となり、ハンドリングが容易となる。すなわち、竪型ごみ焼却炉においては、燃焼室上部から投入された廃棄物は炉底に厚く積み上げられて廃棄物層を形成し、炉底から供給される理論燃焼空気量の1/2以下の一次燃焼空気によって熱分解して炭化物となる。炭化物化した残渣は廃棄物層の600℃以上の温度域に6時間以上滞留することで、長時間かけて完全に燃焼し中和剤として利用し易い粉末状となる。粉末状となった焼却灰は搬送する際に搬送がスムーズになるとともに、焼却灰の表面積が増加して酸性成分との反応性を向上させることができる。
本発明によれば、集じん灰量を増加させることなく、塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを中和除去する消石灰の量を削減することが可能なごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供できる。
図1は、第一実施形態に係るごみ焼却炉排ガス処理装置を示す模式図である。 図2は、ごみ焼却炉排ガス処理装置を用いた排ガス処理方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 図3は、第二実施形態に係るごみ焼却炉排ガス処理装置を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
[排ガス処理システムの全体構成]
まず、図1を用いて、第一実施形態に係る排ガス処理システムの全体構成を説明する。
図1に示すように、第一実施形態の排ガス処理システムは、ごみ焼却炉10と、排ガス冷却装置20と、バグフィルタ30と、排ガス煙道40と、誘引通風機50と、煙突60と、薬剤調整供給装置70とによって構成される。
ごみ焼却炉10は、不定形の一般廃棄物や、産業廃棄物等の廃棄物を焼却処理するものであり、本実施形態においては、竪型ごみ焼却炉が用いられる。竪型ごみ焼却炉の特徴については後述する。
排ガス冷却装置20は、ごみ焼却炉10で廃棄物を焼却処理した際に発生する高温の排ガスから熱を回収し、あるいは、バグフィルタ30に供給可能な温度、好ましくは200℃以下まで減温するものであり、例えば、蒸発器を備える排熱回収ボイラ21や、排熱回収ボイラ21の下流でボイラ給水を加熱するエコノマイザ22、冷却水を噴霧して排ガスを冷却する減温塔23等によって構成される。
バグフィルタ30は、排ガス冷却装置20で減温された排ガスをろ過することで、排ガス中に含まれる煤塵や有害成分を除去するものであって、煤塵や有害成分をろ過するためのろ布を含む。
排ガス煙道40は、ごみ焼却炉10、排ガス冷却装置20、バグフィルタ30等の各装置の間を接続し排ガスを流通させるための煙道である。
誘引通風機50は、バグフィルタ30の下流に配設される通風機であり、バグフィルタ30で浄化された排ガスを吸引して、煙突60から排ガスを大気に放出するためのものである。
薬剤調整供給装置70は、排ガス中に含まれる塩化水素や硫黄化合物等の酸性成分を中和するための消石灰等のアルカリ薬剤を、排ガス中及びバグフィルタ30に供給するものであり、バグフィルタ30の上流側、好ましくは排ガス冷却装置20とバグフィルタ30の間の排ガス煙道40に接続される。また、薬剤調整供給装置70は、ごみ焼却炉10から排出される焼却灰から中和剤を調整し、排ガス中に供給する。薬剤調整供給装置70の詳細については後述する。
本実施形態においては、アルカリ薬剤として消石灰が使用されるが、使用される薬剤の種類は、これに限ったものではない。
〔竪型ごみ焼却炉の構成〕
本実施形態におけるごみ焼却炉10として使用される竪型ごみ焼却炉は、底部に灰排出手段11が配設され、下方から順に灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層が形成されるよう廃棄物が堆積される燃焼室12と、燃焼室12の上方に設けられ、燃焼室12で発生した未燃焼成分を含むガスを燃焼させる再燃焼室13と、前記燃焼室12の上方から廃棄物を投入する投入装置14と、燃焼室12の下方から一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段15と、燃焼室12の上部に二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給手段16とを備える。
投入装置14は、廃棄物を一時的に貯留するホッパ及び多重のゲートによって構成されており、図示しないごみピットからごみクレーンによって投入装置14に供給された廃棄物を貯留し、間欠的に燃焼室12に投入することができる。
また、燃焼室12には、図示しない助燃バーナが配設されており、例えば長期間のメンテナンス後など、燃焼室12の温度が低下している場合の立ち上げ運転時などにおいて、補助燃料を燃焼することにより、燃焼室12内を昇温し立ち上げ運転を補助するようになっている。このような追加の燃料の使用は、手軽に燃焼室12内の温度を上げることができる一方で、焼却設備全体の効率を低下させる要因となるため、なるべく使用しないことが望ましい。
一次燃焼空気供給手段15は燃焼室12の下方から一次燃焼空気を供給する。一次燃焼空気供給手段15は図示しない送風機、通風路及び空気予熱器等からなり、燃焼室12の下方、具体的には、灰排出手段11を介して一次燃焼空気を供給する。一次燃焼空気が灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層を順に通ることにより、廃棄物の乾燥から焼却を行うが、そのメカニズムについて説明する。
まず、灰排出手段11を介して供給される一次燃焼空気は灰層が保有する熱を受け昇温され、高温になった一次燃焼空気は燃焼層で酸素を消費することで廃棄物中の可燃物を燃焼し、燃焼排ガスとなる。燃焼層で廃棄物を燃焼することで発生した燃焼排ガスは、酸素が消費された高温の不活性ガスであるため、炭化層において不活性雰囲気下で廃棄物を熱分解する。炭化層において廃棄物が熱分解されることによって発生した不活性の熱分解ガスは、乾燥層において投入装置14から投入された廃棄物を乾燥する。そして、廃棄物が乾燥された後の乾燥層からは水分を含んだ熱分解ガスが排出される。
以上のようなメカニズムにより、燃焼室12の下方から供給された一次燃焼空気が灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層を生成し、廃棄物の乾燥から熱分解・焼却を行う。
二次燃焼空気供給手段16は燃焼室12の上部に二次燃焼空気を供給する。二次燃焼空気供給手段16は図示しない送風機、通風路及び空気予熱器等からなり、燃焼室12の上部に設けられた図示しない開口から二次燃焼空気を供給することで、乾燥層から排出された熱分解ガス中に含まれる可燃ガス成分を燃焼する。
なお、本実施形態に係る竪型ごみ焼却炉において、一次燃焼空気の空気比は0.35〜0.5程度であり、従来のストーカ炉における一次燃焼空気の空気比(0.8〜1.0程度)と比べて、1/3〜1/2倍程度の空気比である。また、二次燃焼空気の空気比は0.9〜1.0程度であり、従来のストーカ炉における二次燃焼空気の空気比(0.3〜0.5程度)を比べて、1.5〜3倍程度の空気比である。すなわち、本実施形態に係る竪型ごみ焼却炉においては、一次燃焼空気の割合より二次燃焼空気の割合が多い。
このような構成によって、廃棄物の堆積層では燃焼熱を用いて積極的に熱分解を行い、熱分解によって発生した熱分解ガスを用いて廃棄物の乾燥を行う。そして、廃棄物の堆積層から発生したガス中の可燃ガス成分を二次燃焼空気で撹拌・混合して燃焼させる構成となっている。
また、竪型ごみ焼却炉1の燃焼室12上方には再燃焼室13が配設されており、二次燃焼空気の供給によって発生した燃焼ガス中に残留する有害成分を完全に燃焼するために、燃焼ガスを所定時間にわたって850℃以上に保持する。このように、高温雰囲気下でダイオキシン類生成の前駆物質である未燃炭素類及び悪臭の原因となる未燃ガス等を完全燃焼する。
〔薬剤調整供給装置70の構成〕
次に、本実施形態に係る薬剤調整供給装置70の詳細について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る薬剤調整供給装置70は、湿式コンベヤ71、振動篩72、乾燥機73、焼却灰貯留槽74、薬剤貯留槽75及び薬剤吹き込み送風機76によって構成される。
湿式コンベヤ71は焼却炉10の灰排出手段11から排出される焼却灰を冷却水に浸漬して水冷及び水洗する水槽と、水冷及び水洗した焼却灰を下流側に移送するコンベヤとによって構成される。湿式コンベヤ71は焼却炉10の下端部と大気の間を水槽に満たされた冷却水でシールするように構成されている。湿式コンベヤ71は本発明における焼却灰水洗手段として機能する。
振動篩72は、湿式コンベヤ71の下流であって、焼却灰貯留槽74の上流に設けられた篩であって、焼却灰に含まれる異物を篩分けして除去するものである。
乾燥機73は、湿式コンベヤ71で冷却水に浸漬された水分を含む焼却灰を乾燥するものであり、加熱源として電気あるいは燃焼ガスを用いるもの、あるいは、ごみ焼却炉10から排出される排ガスが保有する熱を利用するもの等、周知の形式のものが用いられる。乾燥機73は本発明における乾燥手段として機能する。
焼却灰貯留槽74は、異物が除去され乾燥された焼却灰を一時的に貯留しておくためのものであり、定量切り出し装置を含むホッパ等から構成される。
薬剤貯留槽75は、排ガス中の酸性成分を中和するための消石灰等のアルカリ薬剤を貯留しておくためのものである。薬剤貯留槽75は、本発明における薬剤吹き込み装置の一部として機能する。
薬剤吹き込み送風機76は、薬剤貯留槽75に貯留されている薬剤や、焼却灰貯留槽74に貯留されている焼却灰を、空気によって搬送して排ガス煙道74に吹き込むための送風機である。薬剤吹き込み送風機76は、本発明における供給手段の一例として機能するとともに、本発明における薬剤吹き込み装置としても機能する。
〔排ガス処理システムを使用した排ガス処理方法〕
次に、図2を用いて、本実施形態に係る排ガス処理システムを使用した排ガス処理方法について説明する。
〔ステップS100:焼却灰の排出〕
まず、ごみ焼却炉の操業運転中において、灰排出手段11を動作させることにより、廃棄物の焼却に伴って廃棄物層の下方に堆積した灰をごみ焼却炉10の下方から排出する(ステップS100)。
〔ステップS110:焼却灰の水洗〕
ステップS100において焼却灰が排出されると、湿式コンベヤ71の水槽が排出された焼却灰を受け、焼却灰は水槽に張られた冷却水に浸漬され、水冷及び水洗される(ステップS110)。
このとき、焼却灰には酸性成分の中和に有効なカルシウム成分が含まれるものの、反応性に乏しいNaClやKCl等の塩も含まれる。ステップS110において焼却灰を冷却水に浸漬することによって、NaClやKCl等の反応性に乏しい塩を水に溶出することができるため、中和に有効なカルシウム成分を焼却灰から効果的に取り出すことができる。
また、ごみ焼却炉10の下端部は湿式コンベヤ71の水槽に張られた冷却水によってシールされるため、別途のシール装置を設けることなく、焼却灰をごみ焼却炉10から取り出すことができる。
〔ステップS120:異物の除去〕
ステップS100で水洗された焼却灰は湿式コンベヤ71で下流の振動篩72に搬送され、焼却灰中に含まれる異物が除去される(ステップS120)。
このように、振動篩72によって焼却灰に含まれる不燃物等の異物を除去することにより、下流における焼却灰の搬送、特に、薬剤吹き込み送風機76を用いた空気の圧力による搬送が好適に行われるとともに、不純物が混入することに伴う酸性成分との反応性の低下を抑制することができる。
〔ステップS130:焼却灰の乾燥〕
ステップS120において、異物が除去されると、次に、乾燥機73で乾燥され、水分が除去される(ステップS130)。
乾燥機73の熱源としては、電気あるいは燃焼ガスを用いるもの、あるいは、ごみ焼却炉10から排出される排ガスが保有する熱を利用するもの等、周知の形式のものが用いられる。
乾燥機73を用いて焼却灰を乾燥することにより、水分を含む湿灰から水分が除去され、焼却灰は粒子状ないしは粉末状となり、薬剤吹き込み送風機76によって搬送可能な状態、つまり、空気の圧力で搬送できる状態となり、ハンドリング性が向上する。
〔ステップS140:排ガス中への供給〕
乾燥され水分が除去された焼却灰は、必要に応じて焼却灰貯留槽74に一時的に貯留された後、薬剤吹き込み送風機76によって、空気とともに排ガス煙道40に吹き込まれる(ステップS140)。このとき、薬剤貯留槽75に貯留されている消石灰等のアルカリ薬剤を切り出して、焼却灰と一緒に供給するようにしてよい。
本実施形態においては、焼却灰は乾燥機73で乾燥されているため、粒子状ないしは粉末状の形態を呈する。そのため、薬剤吹き込み送風機76を用いて空気の圧力で搬送することで、スムーズに排ガス中に供給することができる。
そして、焼却灰に含まれるカルシウム成分が、排ガス中に含まれる塩化水素等の酸性成分と中和反応を起こすことで、排ガスを無害化することができる。
このとき、焼却灰を冷却水に浸漬していることによって、反応性に乏しいNaClやKCl等の塩を水に溶出させ焼却灰から除去しているため、反応性の良好なカルシウム成分を多く含んだ焼却灰を中和剤として使用することができ、乾灰を使用する場合と比較して少ない供給量で同等の効果を得ることができる。焼却灰を排ガス中に吹き込むと集じん灰として回収されることとなるが、供給量が少なくて済むため、処理すべき集じん灰の量を削減しつつ、高い中和の効果を得ることができる。
特に、本実施形態においては、バグフィルタ30上流における排ガス煙道40に焼却灰を供給しており、バグフィルタ30が備えるろ布上でも中和反応が起こるため、単に排ガス中に吹き込むよりも反応性を向上させることができる。そして、ろ布に捕捉された焼却灰や中和反応によって発生した塩は、図示しない払い落し手段によってろ布から払い落され処分される。
このように、ごみ焼却炉10で発生した焼却灰中に含まれるカルシウム成分を塩化水素等の酸性成分の中和剤として利用することで、消石灰等の中和剤の使用料を削減することができる。
このとき、焼却灰を冷却水に浸漬することで、反応性に乏しいNaClやKCl等の塩を水に溶出させ焼却灰から除去することができ、反応性を向上させることができる。
さらに、焼却灰を水洗する手段として、ごみ焼却炉10の下端を水槽に張られた冷却水でシールする湿式コンベヤ71を使用することで、乾灰を取り出す場合と比較して、別途の大掛かりなシール装置を追設することなく、大気と炉内とのシール性を確保しつつ焼却灰を炉外に取り出すことができる。
さらに、焼却灰を排ガス中に吹き込むものであるから、処理すべき焼却灰の量を削減することができ、焼却灰の処理設備自体をコンパクトに構成することができる。
また、焼却灰を篩分けして異物を除去することで、焼却灰の搬送、特に、薬剤吹き込み送風機76を用いた空気の圧力による搬送が好適に行われるとともに、不純物が混入することに伴う酸性成分との反応性の低下を抑制することができる。
また、焼却灰を乾燥することで、粒子状ないしは粉末状の形態とすることができる。粒子状ないしは粉末状とするため、薬剤吹き込み送風機76を用いて空気の圧力で搬送することで、スムーズに排ガス中に供給することができる。
また、焼却灰の排ガス中への供給に薬剤吹き込み送風機76を使用することで、消石灰等のアルカリ薬剤と焼却灰を同時に吹き込むことができる。そのため、焼却灰専用の別途の搬送装置を追設することなく、既存の設備を最大限に活用して、焼却灰を排ガス中に吹き込むことができる。
また、ごみ焼却炉10として竪型ごみ焼却炉を使用することで、中和剤として利用しやすい粉末状となり、ハンドリングが容易となる。すなわち、竪型ごみ焼却炉においては、燃焼室12上部から投入された廃棄物は炉底に厚く積み上げられて廃棄物層を形成し、炉底から供給される理論燃焼空気量の2分の1以下の一次燃焼空気によって熱分解して炭化物となる。炭化物化した残渣は廃棄物層の600℃以上の温度域に6時間以上滞留することで、長時間かけて完全に燃焼し中和剤として利用し易い粉体状となる。粉末状となった焼却灰は、薬剤吹き込み送風機76で空気の圧力を用いて搬送する際に搬送がスムーズになるとともに、焼却灰貯留槽74に貯留する際、あるいは焼却灰貯留槽74から切り出す際においても、ハンドリングが容易となる。また、粉末状とすることで焼却灰の表面積が増加して酸性成分との反応性を向上させることができる。
なお、焼却灰貯留槽74から切り出した後、粉砕機で10〜20μm程度に粉砕するようにしてもよい。このようにすることで、薬剤吹き込み送風機76での搬送をよりスムーズに行うことができるとともに、焼却灰の表面積がさらに増加して酸性成分との反応性を向上させることができる。
〔第二実施形態に係る薬剤調整供給装置70の構成〕
次に、図3を参照して、第二実施形態に係る薬剤調整供給装置70について説明する。
図3に、第二実施形態に係る薬剤調整供給装置70の模式図を示す。なお、第一実施形態と同じものについては同じ番号を付し、説明は省略する。
第二実施形態においては、薬剤調整供給装置70は、湿式コンベヤ71と、振動篩72と、焼却灰スラリー槽77と、スラリーポンプ78とによって構成される。
焼却灰スラリー槽77は、湿式コンベヤ71で水冷及び水洗された焼却灰に対し、必要に応じて水分を付加して混錬することでスラリー状に調整するものである。また、焼却灰スラリー槽77は、必要に応じて、調整したスラリーを一時的に貯留する機能をも有する。焼却灰スラリー槽77は本発明におけるスラリー調整手段として機能する。
スラリーポンプ78は、焼却灰スラリー槽77で調整されたスラリーを、ガス冷却装置20を構成する減温塔23に圧送するためのポンプである。
このような構成において、ごみ焼却炉10の灰排出手段11から焼却灰が排出されると、焼却灰は湿式コンベヤ71の水槽に落下し、冷却水に浸漬されることで、反応性に乏しいNaClやKCl等の塩が溶出される。
そして、振動篩72で異物が除去された後、焼却灰スラリー槽77でスラリー状に調整される。
スラリー状に調整された焼却灰は、スラリーポンプ78によってガス冷却装置20を構成する減温塔23を介して排ガス中に供給される。減温塔23からのスラリーの供給は、図示しないスラリー噴射ノズル等によって行われる。
排ガス中に供給されたスラリーは、酸性成分の中和に有効なカルシウム成分を多く含むため、排ガス中に含まれる塩化水素等の酸性ガスを効果的に中和することができる。また、スラリーは水分を多く含むため、排ガスの温度を下げる効果も奏する。すなわち、スラリー状に調整された焼却灰を排ガス冷却装置20において排ガス中に供給することにより、酸性ガスの中和と排ガス温度の低減の効果を同時に奏する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、ごみ焼却炉10は、中和に有効なカルシウム化合物を一定量以上含有しているものであれば、ストーカ式、流動層式、キルン式等、任意の形式の焼却炉が用いられる。
また、焼却灰水洗手段として、湿式コンベヤ71を例示しているが、これに限ったものではなく、焼却灰中に含まれるNaClやKCl等の塩を溶出させることができるものであれば、例えば、焼却灰に水を噴霧して冷却する手段等を用いても構わない。
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換しても良い。
この発明のごみ焼却炉の排ガス処理装置及び排ガス処理方法は、塩化水素及び硫黄化合物等の酸性ガスを含む排ガスが発生する各種廃棄物焼却設備等に適用することができる。
10 ごみ焼却炉
11 灰排出手段
12 燃焼室
13 再燃焼室
14 投入装置
15 一次燃焼空気供給手段
16 二次燃焼空気供給手段
20 排ガス冷却装置
30 バグフィルタ
40 排ガス煙道
50 誘引通風機
60 煙突押し込み通風機
70 薬剤調整供給装置
71 湿式コンベヤ
72 振動篩
73 乾燥機
74 焼却灰貯留槽
75 薬剤貯留槽

このとき、ごみ焼却炉として、底部に灰排出手段が配設され、下方から順に灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層が形成されるよう廃棄物等の被焼却物が堆積される燃焼室と、ごみクレーンによって供給される廃棄物等の被焼却物を貯留するとともに前記燃焼室の上方から投入する投入装置と、燃焼室の下方から理論空気量の1/2以下の量の一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段と、燃焼室の上部に二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給手段とを備えた竪型ごみ焼却炉を使用する。
また、焼却灰水洗手段として、竪型ごみ焼却炉の下方に設置され、竪型ごみ焼却炉の下端を水槽に張られた冷却水でシールする湿式コンベヤを使用する。
第1の特徴に係る発明によれば、焼却灰に含まれるカルシウム成分を利用して、排ガス中に含まれる酸性成分を中和することができるため、排ガス煙道から排ガス中に吹き込むアルカリ薬剤の量を削減することができる。その際、焼却灰水洗手段で焼却灰を水洗することにより、焼却灰に含まれるNaClやKCl等の反応性に乏しい塩が水に溶出されるため、中和に有効なカルシウム成分を焼却灰から効果的に取り出すことができる。そして、カルシウム成分を多く含み塩を含まない焼却灰を中和剤として排ガス中に吹き込むため、アルカリ薬剤の供給量を確実に削減することができる。また、焼却灰に含まれる塩が水に溶出されるため、飛灰を中和剤として使用する場合と比較して同等の効果を得るための吹き込み量が少なくて済み、捕集すべき集じん灰の量を削減することができる。さらに、焼却灰を排ガス中に吹き込むものであるから、処理すべき焼却灰の量を削減することができ、焼却灰の処理設備自体をコンパクトに構成することができる。
また、ごみ焼却炉として上記の構成を備えた竪型ごみ焼却炉を使用することで、中和剤として利用しやすい粉末状となり、ハンドリングが容易となる。すなわち、竪型ごみ焼却炉においては、燃焼室上部から投入された廃棄物は炉底に厚く積み上げられて廃棄物層を形成し、炉底から供給される理論燃焼空気量の1/2以下の一次燃焼空気によって熱分解して炭化物となる。炭化物化した残渣は廃棄物層の600℃以上の温度域に6時間以上滞留することで、長時間かけて完全に燃焼し中和剤として利用し易い粉末状となる。粉末状となった焼却灰は搬送する際に搬送がスムーズになるとともに、焼却灰の表面積が増加して酸性成分との反応性を向上させることができる。
さらに、焼却灰を水洗する手段として、湿式コンベヤを使用することで、湿式コンベヤの水槽に張られた冷却水でごみ焼却炉の下端をシールすることができるため、乾灰を取り出す場合と比較して、別途の大掛かりなシール装置を追設することなく、大気と炉内とのシール性を確保しつつ焼却灰を炉外に取り出すことが可能となる。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、竪型ごみ焼却炉で発生した排ガスを200℃以下に減温する排ガス冷却装置と、排ガス冷却装置で減温された排ガス中の有害物質をろ過するろ布を備えるバグフィルタと、を備え、供給手段はバグフィルタよりも上流の排ガス中に水洗された焼却灰を供給する、排ガス処理装置を提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、単に排ガス中に供給する場合と比較して、バグフィルタが備えるろ布上でも中和反応が起こるため、単に排ガス中に焼却灰を吹き込むよりも反応性を向上させることができる。
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、供給手段として空気で焼却灰を搬送して排ガス煙道に吹き込む送風機を使用する、排ガス処理装置を提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、焼却灰を乾燥することで、粒子状ないしは粉末状の形態とすることができる。そして、粒子状ないしは粉末状となった焼却灰を、送風機を用いて空気の圧力で搬送することで、スムーズに排ガス中に供給し、排ガス中に速やかに分散させることができる。
第4の特徴に係る発明は、第3の特徴に係る発明であって、送風機がアルカリ薬剤を排ガス煙道に吹き込むための送風機を兼ねる。
第4の特徴に係る発明によれば、焼却灰を供給する送風機を、アルカリ薬剤を吹き込むための送風機と兼ねることで、アルカリ薬剤と焼却灰を同時に吹き込むことができる。そのため、焼却灰専用の別途の搬送装置を追設することなく、既存の設備を最大限に活用して、焼却灰を排ガス中に吹き込むことができる。
第5の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰をスラリー状に調整するスラリー調整手段をさらに備え、供給手段としてスラリー調整手段で調整されたスラリーを圧送してガス冷却装置に供給するスラリーポンプを使用する、排ガス処理装置を提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、スラリー状に調整された焼却灰をガス冷却装置において供給することにより、酸性ガスの中和と排ガス温度の低減の効果を同時に奏する。
第6の特徴に係る発明は、第1〜第5のいずれかの特徴に係る発明であって、焼却灰水洗手段と供給手段との間に、焼却灰中の異物を除去する振動篩を備えた、排ガス処理装置を提供する。
第6の特徴に係る発明によれば、焼却灰を篩分けして異物を除去することで、焼却灰の搬送が好適に行われるとともに、不純物が混入することに伴う酸性成分との反応性の低下を抑制することが可能となる。

Claims (9)

  1. 廃棄物等の被焼却物を焼却処理するごみ焼却炉と、前記ごみ焼却炉で発生した排ガスを流通させる排ガス煙道と、前記排ガス煙道にアルカリ薬剤を吹き込む薬剤吹き込み装置とを有するごみ焼却処理施設の排ガス処理システムであって、
    前記ごみ焼却炉から排出された焼却灰を水洗する焼却灰水洗手段、及び、
    前記焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を前記排ガス中に供給する供給手段、
    を備えたことを特徴とする排ガス処理システム。
  2. 前記ごみ焼却炉で発生した排ガスを200℃以下に減温する排ガス冷却装置と、
    前記排ガス冷却装置で減温された排ガス中の有害物質をろ過するろ布を備えるバグフィルタと、を備え、
    前記供給手段は前記バグフィルタよりも上流の排ガス中に水洗された焼却灰を供給する、
    請求項1に記載の排ガス処理システム。
  3. 前記焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、
    前記供給手段として空気で焼却灰を搬送して前記排ガス煙道に吹き込む送風機を使用する、
    請求項1又は2に記載の排ガス処理システム。
  4. 前記送風機が、前記アルカリ薬剤を前記排ガス煙道に吹き込むための送風機を兼ねる、
    請求項3に記載の排ガス処理システム。
  5. 前記焼却灰水洗手段で水洗された焼却灰をスラリー状に調整するスラリー調整手段をさらに備え、
    前記供給手段として前記スラリー調整手段で調整されたスラリーを圧送して前記ガス冷却装置に供給するスラリーポンプを使用する、
    請求項2に記載の排ガス処理システム。
  6. 前記焼却灰水洗手段として、前記ごみ焼却炉の下方に設置され、前記ごみ焼却炉の下端を水槽に張られた冷却水でシールする湿式コンベヤを使用する、
    請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス処理システム。
  7. 前記焼却灰水洗手段と前記供給手段との間に、焼却灰中の異物を除去する振動篩を備えた、
    請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス処理システム。
  8. 前記ごみ焼却炉として、
    底部に灰排出手段が配設され、下方から順に灰層、燃焼層、炭化層、乾燥層が形成されるよう廃棄物等の被焼却物が堆積される燃焼室と、
    ごみクレーンによって供給される廃棄物等の被焼却物を貯留するとともに前記燃焼室の上方から投入する投入装置と、
    前記燃焼室の下方から理論空気量の1/2以下の量の一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段と、
    前記燃焼室の上部に二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給手段とを備えた竪型ごみ焼却炉を使用する、
    請求項1〜7のいずれかに記載の排ガス処理システム。
  9. 廃棄物等の被焼却物を焼却処理するごみ焼却炉と、前記ごみ焼却炉で発生した排ガスを流通させる排ガス煙道と、前記排ガス煙道にアルカリ薬剤を吹き込む薬剤吹き込み装置と、を有するごみ焼却処理施設の排ガス処理方法であって、
    前記ごみ焼却炉から排出された焼却灰を水洗するステップ、及び、
    水洗された焼却灰を前記排ガス中に供給するステップ、
    を備えたことを特徴とする排ガス処理方法。
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