JP2021152015A - 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 - Google Patents
脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021152015A JP2021152015A JP2021085687A JP2021085687A JP2021152015A JP 2021152015 A JP2021152015 A JP 2021152015A JP 2021085687 A JP2021085687 A JP 2021085687A JP 2021085687 A JP2021085687 A JP 2021085687A JP 2021152015 A JP2021152015 A JP 2021152015A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meningitis
- hydrogen
- encephalitis
- volume
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P29/00—Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K33/00—Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/007—Pulmonary tract; Aromatherapy
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
- C01B3/02—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
- C01B3/06—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
- C01B3/02—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
- C01B3/06—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents
- C01B3/065—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents from a hydride
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
- C01B3/02—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
- C01B3/06—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents
- C01B3/08—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents with metals
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/36—Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Pain & Pain Management (AREA)
- Rheumatology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【課題】脳炎及び/又は髄膜炎を予防及び/又は改善するための組成物を提供する。【解決手段】分子状水素を有効成分として含む、被験体において、脳炎及び/又は髄膜炎と、脳炎及び/又は髄膜炎に関連する症状を予防及び/又は改善するための組成物。前記脳炎及び/又は髄膜炎としては、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、癌性の炎症の波及による髄膜炎、ヘルペス脳炎等が挙げられる。上記脳炎及び/又は髄膜炎に関連する症状としては、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、異常行動等が挙げられる。【選択図】なし
Description
本発明は、被験体において、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物を提供する。
髄膜炎は脳の周りを覆っている髄膜に、脳炎は脳自体に炎症がおこる病気である。髄膜炎と脳炎の種類によって治療方法や用いる医薬品は異なるが、それらの治療薬の多くは血液脳関門を通過できないため、脳内の炎症を直接的に抑制することはできない。2019年に武漢のアウトブレイクに端を発した新型コロナウイルス肺炎では、感染した患者が髄膜炎を併発し、意識障害など重症化して死に至る例が多数報告されているが、確立された治療法はない。
本発明の有効成分である水素は、活性酸素種に起因する酸化ストレスを抑制する抗酸化反応性を有し、難治性のがん、呼吸器疾患など様々な疾患に対して改善効果を示すことが知られている(非特許文献1、特許文献1)。MiZ株式会社は、水素分子はミトコンドリア内部に容易に到達できることから、水素はミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを選択的に消去する最も有効な手段であるという学説を提唱している。しかしながら、水素による脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善する効果が確認された前例はない。
本発明の有効成分である水素は、活性酸素種に起因する酸化ストレスを抑制する抗酸化反応性を有し、難治性のがん、呼吸器疾患など様々な疾患に対して改善効果を示すことが知られている(非特許文献1、特許文献1)。MiZ株式会社は、水素分子はミトコンドリア内部に容易に到達できることから、水素はミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを選択的に消去する最も有効な手段であるという学説を提唱している。しかしながら、水素による脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善する効果が確認された前例はない。
Malcolm Dole,F.Ray Wilson,William P.Fife;Science,New Series,Vol.190,No.4210(Oct.10,1975),pp.152−154
脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善することができるならば、患者の苦痛を軽減し、かつ生活の質を改善することができるだけでなく、例えば、新型コロナウイルス肺炎で重症化した患者の早期回復と死亡率を抑制することができる。上記のとおり、脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善に有用な成分もしくは物質は、ほとんど知られていない。
このような状況下で、本発明の目的は、分子状水素を使用することによって脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善を促進することである。
このような状況下で、本発明の目的は、分子状水素を使用することによって脳炎および/または髄膜炎と、当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善を促進することである。
すなわち、本発明は、以下の特徴を包含する。
(1)分子状水素を有効成分として含む、被験体において、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物である。
(2)前記脳炎および/または髄膜炎が、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、および、ヘルペス脳炎からなる群から1以上選択される疾患であることを特徴とする、(1)に記載の組成物である。
(3)前記脳炎および/または髄膜炎に関連する症状が、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、および、異常行動からなる群から選択される症状であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の組成物である。
(4)前記分子状水素を含む液体又は気体である(1)から(3)のいずれか1つに記載の組成物である。
(5)前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、(4)に記載の組成物である。
(6)前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、(4)に記載の組成物である。
(7)前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の組成物である。
(8)水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の組成物である。
(1)分子状水素を有効成分として含む、被験体において、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物である。
(2)前記脳炎および/または髄膜炎が、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、および、ヘルペス脳炎からなる群から1以上選択される疾患であることを特徴とする、(1)に記載の組成物である。
(3)前記脳炎および/または髄膜炎に関連する症状が、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、および、異常行動からなる群から選択される症状であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の組成物である。
(4)前記分子状水素を含む液体又は気体である(1)から(3)のいずれか1つに記載の組成物である。
(5)前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、(4)に記載の組成物である。
(6)前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、(4)に記載の組成物である。
(7)前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の組成物である。
(8)水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の組成物である。
本発明は、被験体において、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善することができる。また、本発明に係る組成物を被験体に投与することにより、難治性の敗血症をも改善できる。
本発明をさらに詳細に説明する。
1.脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物
本発明は、分子状水素を有効成分として含む、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物を提供する。
本明細書中「脳炎」とは、脳の炎症性疾患の総称をいい、ヘルペス脳炎を含む。
本明細書中「髄膜」とは、頭蓋骨と脳の間に存在し、脳を包み込んで保護している膜のことをいい、外側から硬膜、クモ膜、軟膜の3層から成る。
本明細書「髄膜炎」とは、細菌やウイルスが感染して起こる炎症のことをいい、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎を含み、癌性の炎症の波及による髄膜炎を含む髄膜炎をいう。
本明細書中「脳炎および/または髄膜炎に関連する症状」は、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、および、異常行動を含む症状をいう。
本明細書中「難治性の遺伝子疾患」とは、現代の医学、製薬業界から製造販売されているすべての医薬品でも改善、回復が不可能または困難であり、治療方法についてもエビデンスが低く確立されていない遺伝子疾患のことをいう。
本明細書中「被験体」という用語は、哺乳動物、例えば、ヒトを含む霊長類、イヌ、ネコなどのペット動物、動物園などの観賞用動物などを含む。好ましい被験体はヒトである。
本明細書中、本発明の組成物の有効成分である「水素」は分子状水素(すなわち、気体状水素もしくは水素ガス)であり、特に断らない限り、単に「水素」又は「水素ガス」と称する。また、本明細書中で使用する用語「水素」は、分子式でH2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスを指す。D2は、高価であるが、H2よりスーパーオキシド消去作用が強いことが知られている。本発明で使用可能な水素は、H2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスであり、好ましくはH2であり、或いはH2に代えて、又はH2と混合して、D2及び/又はHDを使用してもよい。
本発明の組成物の好ましい形態は、分子状水素を含む気体又は液体であり、好ましくは分子状水素を含む気体である。
分子状水素を含む気体は、好ましくは、水素ガスを含む空気又は、水素ガスと酸素ガスを含む混合ガスである。分子状水素を含む気体(すなわち、本発明の組成物)の水素ガスの濃度は、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18.5体積%であり、好ましくは1〜10体積%、例えば2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%などである。本発明では、爆発限界以下で水素ガス濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する(例えば抑制又は軽減)を促進する効果が大きい傾向がある。
水素は可燃性かつ爆発性ガスであるため、遺伝子疾患を予防および/または改善するにおいては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましい。
水素ガス以外の気体が空気であるときには、空気の濃度は、例えば81.5〜99.5体積%の範囲である。
水素ガス以外の気体が酸素ガスを含む気体であるときには、酸素ガスの濃度は、例えば21〜99.5体積%の範囲である。
その他の主気体として例えば窒素ガスをさらに含有させることができる。
通常の水素ガス吸入療法においては、66%や99%の高濃度の水素ガスによってようやく疾病(癌)に対する改善効果が示されている。しかしながら、本発明においては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましく、0(ゼロ)より大きく18.5%以下の水素低濃度であっても、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状に対して十分な改善効果を示すことができる。
分子状水素を含む液体は、具体的には、水素ガスを溶存させた水性液体であり、ここで、水性液体は、非限定的に、例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、緩衝液(例えばpH4〜7.4の緩衝液)、点滴液、輸液、注射溶液、飲料(例えば、緑茶、紅茶などの茶飲料、果汁、青汁、野菜ジュース、など)などである。分子状水素を含む液体の水素濃度は、非限定的に、例えば1〜10ppm、好ましくは1.2〜9ppm、例えば1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなどである。
本発明では、爆発限界以下で溶存する水素濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善する効果が大きい傾向がある。
分子状水素を含む気体又は液体は、所定の水素ガス濃度になるように配合されたのち、例えば耐圧性の容器(例えば、ステンレスボンベ、アルミ缶、好ましくは内側をアルミフィルムでラミネーションした、耐圧性プラスチックボトル(例えば耐圧性ペットボトル)及びプラスチックバッグ、アルミバッグ、等)に充填される。アルミは水素分子を透過させ難いという性質を有している。或いは、分子状水素を含む気体又は分子状水素を含む液体は、投与時に、水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置、例えば、公知のもしくは市販の水素ガス供給装置(分子状水素を含む気体の生成用装置)、水素添加器具(水素水生成用装置)、非破壊的水素含有器(例えば点滴液などの生体適用液バッグ内部へ非破壊的に水素ガスを添加するための装置)などの装置を用いてその場で作製されてもよい。
水素ガス供給装置は、水素発生剤(例えば金属アルミニウム、水素化マグネシウム、等)と水の反応により発生する水素ガスを、希釈用ガス(例えば空気、酸素、等)と所定の比率で混合することを可能にする(日本国特許第5228142号公報、等)。あるいは、水の電気分解を利用して発生した水素ガスを、酸素、空気などの希釈用ガスと混合する(日本国特許第5502973号公報、日本国特許第5900688号公報、等)。これによって、例えば0.5〜18.5体積%の範囲内の水素濃度の分子状水素を含む気体を調製することができる。
水素添加器具は、水素発生剤とpH調整剤を用いて水素を発生し、水などの生体適用液に溶存させる装置である(日本国特許第4756102号公報、日本国特許第4652479号公報、日本国特許第4950352号公報、日本国特許第6159462号公報、日本国特許第6170605号公報、特開2017−104842号公報、等)。水素発生剤とpH調整剤の組み合わせは、例えば、金属マグネシウムと強酸性イオン交換樹脂もしくは有機酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、等)、金属アルミニウム末と水酸化カルシウム粉末、などである。これによって、例えば1〜10ppm程度の溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を調製できる。
非破壊的水素含有器は、点滴液などの市販の生体適用液(例えば、ポリエチレン製バッグなどの水素透過性プラスチックバッグに封入されている。)に水素ガスをパッケージの外側から添加する装置又は器具であり、例えばMiZ(株)から市販されている(http://www.e−miz.co.jp/technology.html)。この装置は、生体適用液を含むバッグを飽和水素水に浸漬することによってバッグ内に水素を透過し濃度平衡に達するまで無菌的に水素を生体適用液に溶解させることができる。当該装置は、例えば電解槽と水槽から構成され、水槽内の水が電解槽と水槽を循環し電解により水素を生成することができる。或いは、簡易型の使い捨て器具は同様の目的で使用することができる(特開2016−112562号公報、等)。この器具は、アルミバッグの中に生体適用液含有プラスチックバッグ(水素透過性バッグ、例えばポリエチレン製バッグ)と水素発生剤(例えば、金属カルシウム、金属マグネシウム/陽イオン交換樹脂、等)を内蔵しており、水素発生剤は例えば不織布(例えば水蒸気透過性不織布)に包まれている。不織布に包まれた水素発生剤を水蒸気などの少量の水で濡らすことによって発生した水素が生体適用液に非破壊的かつ無菌的に溶解される。
或いは、精製水素ガスボンベ、精製酸素ガスボンベもしくは精製空気ボンベを用意し、所定の水素濃度、所定の酸素もしくは空気濃度になるように調整した分子状水素を含む気体や液体を作製してもよい。
上記の装置又は器具を用いて調製された、分子状水素を含む気体や分子状水素を含む液体(例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、点滴液、等)は、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状の被験体に、経口的に又は非経口的に投与されうる。
本発明の組成物の別の形態には、被験体に経口投与(もしくは摂取)するように調製された、消化管内で水素の発生を可能にする水素発生剤を含有する剤型(例えば、錠剤、カプセル剤、等)が含まれる。水素発生剤は、例えば食品もしくは食品添加物として承認されている成分によって構成されることが好ましい。
本発明の組成物を被験体に投与する方法としては、分子状水素を有効成分とするとき、例えば吸入、吸引等による投与、例えば経肺投与が好ましい、また、分子状水素を含む液体を有効成分とするとき経口投与又は静脈内投与(点滴を含む)が好ましい。ガスを吸入するときには、鼻カニューラや、口と鼻を覆うマスク型の器具を介して口又は鼻からガスを吸入して肺に送り、血液を介して全身に送達することができる。
経口投与する分子状水素を含む液体については、冷却した液体又は常温で保存した液体を被験体に投与してもよい。水素は常温常圧下で約1.6ppm(1.6mg/L)の濃度で水に溶解し、温度による溶解度差が比較的小さいことが知られている。或いは、分子状水素を含む液体は、例えば上記の非破壊的水素含有器を用いて調製された水素ガスを含有させた点滴液又は注射液の形態であるときには、静脈内投与、動脈内投与などの非経口投与経路によって被験体に投与してもよい。
上記水素濃度の分子状水素を含む気体又は上記溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を1日あたり1回又は複数回(例えば2〜3回)、1週間〜3か月又はそれ以上の期間、例えば1週間〜6か月又はそれ以上(例えば、1年以上、2年以上、など)にわたりヒトに投与することができる。分子状水素を含む気体が投与されるときには、1回あたり少なくとも30分吸入することが好ましい。吸入時間は長いほど改善効果があることから、例えば、30分から1時間、1時間から2時間、2時間から3時間、もしくはそれ以上かけて投与することができる。また、分子状水素を含む気体を吸入又は吸引によって経肺投与するときには、大気圧環境下で、或いは、例えば標準大気圧(約1.013気圧をいう。)を超える且つ7.0気圧以下の範囲内の高気圧、例えば1.02〜7.0気圧、好ましくは1.02〜5.0気圧、より好ましくは1.02〜4.0気圧、さらに好ましくは1.02〜1.35気圧の範囲内の高気圧環境下(分子状水素含有気体を含む)で被験体に当該気体を投与することができる。
2.脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための方法
分子状水素を含む組成物、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状、投与量、投与方法、などについては、上記1.で説明したとおりである。
本発明の方法では、被験体に、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18,5体積%、2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、好ましくは5〜10体積%、5〜8体積%、例えば6〜10体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、の分子状水素を含有する気体(好ましくは、空気もしくは酸素)を1日あたり例えば1〜3時間もしくはそれ以上にわたり吸入又は吸引し、例えば1〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
或いは、本発明の方法では、被験体に、例えば1〜10ppm、1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、好ましくは3〜10ppm、4〜10ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、の分子状水素含有液体を、静脈内投与の場合1回あたり例えば200〜500mL、また経口投与の場合1回あたり例えば500〜1000mLを投与し、例えば0.5〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
本発明の方法はさらに、必要に応じて、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状の治療に用いられる治療薬を併用してもよい。併用することによって、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善が高まることが期待される。
1.脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物
本発明は、分子状水素を有効成分として含む、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物を提供する。
本明細書中「脳炎」とは、脳の炎症性疾患の総称をいい、ヘルペス脳炎を含む。
本明細書中「髄膜」とは、頭蓋骨と脳の間に存在し、脳を包み込んで保護している膜のことをいい、外側から硬膜、クモ膜、軟膜の3層から成る。
本明細書「髄膜炎」とは、細菌やウイルスが感染して起こる炎症のことをいい、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎を含み、癌性の炎症の波及による髄膜炎を含む髄膜炎をいう。
本明細書中「脳炎および/または髄膜炎に関連する症状」は、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、および、異常行動を含む症状をいう。
本明細書中「難治性の遺伝子疾患」とは、現代の医学、製薬業界から製造販売されているすべての医薬品でも改善、回復が不可能または困難であり、治療方法についてもエビデンスが低く確立されていない遺伝子疾患のことをいう。
本明細書中「被験体」という用語は、哺乳動物、例えば、ヒトを含む霊長類、イヌ、ネコなどのペット動物、動物園などの観賞用動物などを含む。好ましい被験体はヒトである。
本明細書中、本発明の組成物の有効成分である「水素」は分子状水素(すなわち、気体状水素もしくは水素ガス)であり、特に断らない限り、単に「水素」又は「水素ガス」と称する。また、本明細書中で使用する用語「水素」は、分子式でH2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスを指す。D2は、高価であるが、H2よりスーパーオキシド消去作用が強いことが知られている。本発明で使用可能な水素は、H2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスであり、好ましくはH2であり、或いはH2に代えて、又はH2と混合して、D2及び/又はHDを使用してもよい。
本発明の組成物の好ましい形態は、分子状水素を含む気体又は液体であり、好ましくは分子状水素を含む気体である。
分子状水素を含む気体は、好ましくは、水素ガスを含む空気又は、水素ガスと酸素ガスを含む混合ガスである。分子状水素を含む気体(すなわち、本発明の組成物)の水素ガスの濃度は、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18.5体積%であり、好ましくは1〜10体積%、例えば2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%などである。本発明では、爆発限界以下で水素ガス濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する(例えば抑制又は軽減)を促進する効果が大きい傾向がある。
水素は可燃性かつ爆発性ガスであるため、遺伝子疾患を予防および/または改善するにおいては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましい。
水素ガス以外の気体が空気であるときには、空気の濃度は、例えば81.5〜99.5体積%の範囲である。
水素ガス以外の気体が酸素ガスを含む気体であるときには、酸素ガスの濃度は、例えば21〜99.5体積%の範囲である。
その他の主気体として例えば窒素ガスをさらに含有させることができる。
通常の水素ガス吸入療法においては、66%や99%の高濃度の水素ガスによってようやく疾病(癌)に対する改善効果が示されている。しかしながら、本発明においては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましく、0(ゼロ)より大きく18.5%以下の水素低濃度であっても、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状に対して十分な改善効果を示すことができる。
分子状水素を含む液体は、具体的には、水素ガスを溶存させた水性液体であり、ここで、水性液体は、非限定的に、例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、緩衝液(例えばpH4〜7.4の緩衝液)、点滴液、輸液、注射溶液、飲料(例えば、緑茶、紅茶などの茶飲料、果汁、青汁、野菜ジュース、など)などである。分子状水素を含む液体の水素濃度は、非限定的に、例えば1〜10ppm、好ましくは1.2〜9ppm、例えば1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなどである。
本発明では、爆発限界以下で溶存する水素濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善する効果が大きい傾向がある。
分子状水素を含む気体又は液体は、所定の水素ガス濃度になるように配合されたのち、例えば耐圧性の容器(例えば、ステンレスボンベ、アルミ缶、好ましくは内側をアルミフィルムでラミネーションした、耐圧性プラスチックボトル(例えば耐圧性ペットボトル)及びプラスチックバッグ、アルミバッグ、等)に充填される。アルミは水素分子を透過させ難いという性質を有している。或いは、分子状水素を含む気体又は分子状水素を含む液体は、投与時に、水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置、例えば、公知のもしくは市販の水素ガス供給装置(分子状水素を含む気体の生成用装置)、水素添加器具(水素水生成用装置)、非破壊的水素含有器(例えば点滴液などの生体適用液バッグ内部へ非破壊的に水素ガスを添加するための装置)などの装置を用いてその場で作製されてもよい。
水素ガス供給装置は、水素発生剤(例えば金属アルミニウム、水素化マグネシウム、等)と水の反応により発生する水素ガスを、希釈用ガス(例えば空気、酸素、等)と所定の比率で混合することを可能にする(日本国特許第5228142号公報、等)。あるいは、水の電気分解を利用して発生した水素ガスを、酸素、空気などの希釈用ガスと混合する(日本国特許第5502973号公報、日本国特許第5900688号公報、等)。これによって、例えば0.5〜18.5体積%の範囲内の水素濃度の分子状水素を含む気体を調製することができる。
水素添加器具は、水素発生剤とpH調整剤を用いて水素を発生し、水などの生体適用液に溶存させる装置である(日本国特許第4756102号公報、日本国特許第4652479号公報、日本国特許第4950352号公報、日本国特許第6159462号公報、日本国特許第6170605号公報、特開2017−104842号公報、等)。水素発生剤とpH調整剤の組み合わせは、例えば、金属マグネシウムと強酸性イオン交換樹脂もしくは有機酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、等)、金属アルミニウム末と水酸化カルシウム粉末、などである。これによって、例えば1〜10ppm程度の溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を調製できる。
非破壊的水素含有器は、点滴液などの市販の生体適用液(例えば、ポリエチレン製バッグなどの水素透過性プラスチックバッグに封入されている。)に水素ガスをパッケージの外側から添加する装置又は器具であり、例えばMiZ(株)から市販されている(http://www.e−miz.co.jp/technology.html)。この装置は、生体適用液を含むバッグを飽和水素水に浸漬することによってバッグ内に水素を透過し濃度平衡に達するまで無菌的に水素を生体適用液に溶解させることができる。当該装置は、例えば電解槽と水槽から構成され、水槽内の水が電解槽と水槽を循環し電解により水素を生成することができる。或いは、簡易型の使い捨て器具は同様の目的で使用することができる(特開2016−112562号公報、等)。この器具は、アルミバッグの中に生体適用液含有プラスチックバッグ(水素透過性バッグ、例えばポリエチレン製バッグ)と水素発生剤(例えば、金属カルシウム、金属マグネシウム/陽イオン交換樹脂、等)を内蔵しており、水素発生剤は例えば不織布(例えば水蒸気透過性不織布)に包まれている。不織布に包まれた水素発生剤を水蒸気などの少量の水で濡らすことによって発生した水素が生体適用液に非破壊的かつ無菌的に溶解される。
或いは、精製水素ガスボンベ、精製酸素ガスボンベもしくは精製空気ボンベを用意し、所定の水素濃度、所定の酸素もしくは空気濃度になるように調整した分子状水素を含む気体や液体を作製してもよい。
上記の装置又は器具を用いて調製された、分子状水素を含む気体や分子状水素を含む液体(例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、点滴液、等)は、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状の被験体に、経口的に又は非経口的に投与されうる。
本発明の組成物の別の形態には、被験体に経口投与(もしくは摂取)するように調製された、消化管内で水素の発生を可能にする水素発生剤を含有する剤型(例えば、錠剤、カプセル剤、等)が含まれる。水素発生剤は、例えば食品もしくは食品添加物として承認されている成分によって構成されることが好ましい。
本発明の組成物を被験体に投与する方法としては、分子状水素を有効成分とするとき、例えば吸入、吸引等による投与、例えば経肺投与が好ましい、また、分子状水素を含む液体を有効成分とするとき経口投与又は静脈内投与(点滴を含む)が好ましい。ガスを吸入するときには、鼻カニューラや、口と鼻を覆うマスク型の器具を介して口又は鼻からガスを吸入して肺に送り、血液を介して全身に送達することができる。
経口投与する分子状水素を含む液体については、冷却した液体又は常温で保存した液体を被験体に投与してもよい。水素は常温常圧下で約1.6ppm(1.6mg/L)の濃度で水に溶解し、温度による溶解度差が比較的小さいことが知られている。或いは、分子状水素を含む液体は、例えば上記の非破壊的水素含有器を用いて調製された水素ガスを含有させた点滴液又は注射液の形態であるときには、静脈内投与、動脈内投与などの非経口投与経路によって被験体に投与してもよい。
上記水素濃度の分子状水素を含む気体又は上記溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を1日あたり1回又は複数回(例えば2〜3回)、1週間〜3か月又はそれ以上の期間、例えば1週間〜6か月又はそれ以上(例えば、1年以上、2年以上、など)にわたりヒトに投与することができる。分子状水素を含む気体が投与されるときには、1回あたり少なくとも30分吸入することが好ましい。吸入時間は長いほど改善効果があることから、例えば、30分から1時間、1時間から2時間、2時間から3時間、もしくはそれ以上かけて投与することができる。また、分子状水素を含む気体を吸入又は吸引によって経肺投与するときには、大気圧環境下で、或いは、例えば標準大気圧(約1.013気圧をいう。)を超える且つ7.0気圧以下の範囲内の高気圧、例えば1.02〜7.0気圧、好ましくは1.02〜5.0気圧、より好ましくは1.02〜4.0気圧、さらに好ましくは1.02〜1.35気圧の範囲内の高気圧環境下(分子状水素含有気体を含む)で被験体に当該気体を投与することができる。
2.脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための方法
分子状水素を含む組成物、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状、投与量、投与方法、などについては、上記1.で説明したとおりである。
本発明の方法では、被験体に、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18,5体積%、2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、好ましくは5〜10体積%、5〜8体積%、例えば6〜10体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、の分子状水素を含有する気体(好ましくは、空気もしくは酸素)を1日あたり例えば1〜3時間もしくはそれ以上にわたり吸入又は吸引し、例えば1〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
或いは、本発明の方法では、被験体に、例えば1〜10ppm、1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、好ましくは3〜10ppm、4〜10ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、の分子状水素含有液体を、静脈内投与の場合1回あたり例えば200〜500mL、また経口投与の場合1回あたり例えば500〜1000mLを投与し、例えば0.5〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
本発明の方法はさらに、必要に応じて、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状の治療に用いられる治療薬を併用してもよい。併用することによって、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善が高まることが期待される。
以下の実施例を参照しながら本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって制限されないものとする。
<水素吸入による脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状改善の症例>
症例は65歳男性。発熱と意識障害にて緊急入院となった。血液・髄液より髄膜炎菌が培養同定され髄膜炎菌性髄膜炎と診断し、脳MRIにて脳室炎の所見を認めた。セフトリアキソンを17日間投与し軽快したが、投与終了後に再燃を認めた。当該患者は、MiZ株式会社製の水素ガス吸入機「Jobs−α」(水素濃度4−6%、水素量200ml/分)を1か月間、1日1時間から3時間吸入を開始したところ、経過は良好に転じ、脳MRIによる検査で脳室炎が改善していることを確認した。
症例は65歳男性。発熱と意識障害にて緊急入院となった。血液・髄液より髄膜炎菌が培養同定され髄膜炎菌性髄膜炎と診断し、脳MRIにて脳室炎の所見を認めた。セフトリアキソンを17日間投与し軽快したが、投与終了後に再燃を認めた。当該患者は、MiZ株式会社製の水素ガス吸入機「Jobs−α」(水素濃度4−6%、水素量200ml/分)を1か月間、1日1時間から3時間吸入を開始したところ、経過は良好に転じ、脳MRIによる検査で脳室炎が改善していることを確認した。
本発明により、分子状水素を含む組成物を投与することによって、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善が可能である。
Claims (8)
- 分子状水素を有効成分として含む、被験体において、脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための組成物。
- 前記脳炎および/または髄膜炎が、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、癌性の炎症の波及による髄膜炎、および、ヘルペス脳炎からなる群から1以上選択される疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記脳炎および/または髄膜炎に関連する症状が、頭痛、発熱、意識障害、首の硬直、嘔吐、視覚障害、けいれん、記憶障害、人格変化、しびれ、および、異常行動からなる群から選択される症状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む液体又は気体である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、請求項4に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、請求項4に記載の組成物。
- 前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021085687A JP2021152015A (ja) | 2020-03-24 | 2021-03-30 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020070639A JP2021151980A (ja) | 2020-03-24 | 2020-03-24 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
JP2021085687A JP2021152015A (ja) | 2020-03-24 | 2021-03-30 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020070639A Division JP2021151980A (ja) | 2020-03-24 | 2020-03-24 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021152015A true JP2021152015A (ja) | 2021-09-30 |
Family
ID=77857025
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020070639A Pending JP2021151980A (ja) | 2020-03-24 | 2020-03-24 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
JP2021085687A Pending JP2021152015A (ja) | 2020-03-24 | 2021-03-30 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020070639A Pending JP2021151980A (ja) | 2020-03-24 | 2020-03-24 | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210299162A1 (ja) |
JP (2) | JP2021151980A (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009005881A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-01-15 | Shinwa Kogyo Kk | 水素ガスの体内吸入装置 |
JP6081729B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2017-02-15 | クラシエホームプロダクツ株式会社 | 水素発生用組成物 |
CA2920830C (en) * | 2013-08-13 | 2021-01-12 | Share-X Co., Ltd. | Hydrogen-containing antimicrobial agent |
WO2015137499A2 (ja) * | 2014-03-13 | 2015-09-17 | MiZ株式会社 | 水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体 |
TWI602585B (zh) * | 2014-03-25 | 2017-10-21 | 林信湧 | 一種用於治療阿茲海默症之吸入式醫藥組成物及其備製方法 |
CN112004542A (zh) * | 2018-02-23 | 2020-11-27 | MiZ株式会社 | 用于治疗和/或预防认知障碍或痴呆症的组合物 |
-
2020
- 2020-03-24 JP JP2020070639A patent/JP2021151980A/ja active Pending
-
2021
- 2021-03-19 US US17/206,820 patent/US20210299162A1/en not_active Abandoned
- 2021-03-30 JP JP2021085687A patent/JP2021152015A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20210299162A1 (en) | 2021-09-30 |
JP2021151980A (ja) | 2021-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2022159439A (ja) | 術後回復を促進するための分子状水素含有組成物 | |
JP6800492B2 (ja) | 水素を含む癌性疼痛の抑制もしくは軽減のための組成物 | |
JP2020015687A (ja) | 統合失調症治療用組成物 | |
JP2021113239A (ja) | パーキンソン病症状の改善又は予防のための組成物 | |
US20210268017A1 (en) | Molecular hydrogen-containing composition for prevention and/or improvement of pneumonia | |
JP6628449B1 (ja) | 閉塞性気道疾患の抑制又は軽減のための組成物 | |
US20210275576A1 (en) | Molecular hydrogen-containing composition for prevention and/or improvement of genetic disorder | |
JP6972449B2 (ja) | 炎症性腸疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP2021152015A (ja) | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP7455293B2 (ja) | 脳卒中後の後遺症改善のための組成物 | |
JP7220339B1 (ja) | 突発性難聴の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
JP7409586B2 (ja) | 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(me/cfs)および/または線維筋痛症(fm)の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
JP2023031181A (ja) | 肺炎を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP7414202B2 (ja) | ヒトの肺がん時の肺機能の維持、および/または、ヒトの肺がんに起因する肺機能の低下を改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP7366331B2 (ja) | 臓器特異的自己免疫疾患を予防および/または改善するのための組成物および方法 | |
JP7414203B2 (ja) | 痛風の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
US20230256007A1 (en) | Composition for improving sequelae of viral infection and/or reducing worsening of symptoms | |
JP2024072231A (ja) | 筋萎縮性側索硬化症(als)および/またはalsに関連する症状を予防、または、改善するのための組成物および方法 | |
JP7502584B2 (ja) | 骨粗しょう症の予防又は改善をするための分子状水素含有組成物 | |
US20220249796A1 (en) | A method of administering nitric oxide gas | |
JP2024004427A (ja) | ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するのための組成物および方法 | |
JP2022049676A (ja) | 慢性炎症を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP2023107764A (ja) | ウイルス感染症の後遺症の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
US20230310496A1 (en) | Compositions and methods for preventing and/or ameliorating organ-specific autoimmune diseases |