JP2024004427A - ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するのための組成物および方法 - Google Patents

ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するのための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワクチン接種後の副反応の予防、または、改善のための組成物を提供する。【解決手段】水素ガス含有気体を有効成分として含む、ワクチンを接種したヒトにおいてワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するための組成物、並びに、この組成物をこれからワクチンを接種するまたはワクチンを接種したヒトに投与することでワクチン接種後の副反応を予防、または、改善する方法。

Description

本発明は、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するための組成物に関する。
本発明はまた、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善する方法に関する。
ワクチン接種は、体内に異物を投与し免疫反応を誘導し、感染症に対する免疫を付与することを目的として行われるため、副反応を生じ得る。そのようなワクチン接種後の副反応としては、アナフィラキシー、摂取部の腫れ、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、ギラン・バレー症候群などがある。特に12歳以下の接種者では副作用が強く出る傾向があり、重症化し、時に死に至る例も報告されている。
近年、水素分子が細胞内および細胞のミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを消去することにより慢性炎症を抑制し、慢性炎症に起因する多くの疾病に対し効果を奏する可能性があることを提唱されている(非特許文献1)。しかしながら、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善したことについては報告されていない。
Shin-ichi Hirano,Yusuke Ichikawa,Bunpei Sato,Haru Yamamoto,Yoshiyasu Takefuji,Fumitake Satoh ″Potential Therapeutic Applications of Hydrogen in Chronic Inflammatory Diseases: Possible Inhibiting Role on Mitochondrial Stress″ International Journal of Molecular Science,2021,22,2549
本発明の目的は、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するのための組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、意外にも、水素ガス含有気体が、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善することを見出した。
従って、本発明は、以下の特徴を包含する。
(1)水素を有効成分として含む、被験体において、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するための組成物である。
(2)前記ワクチン接種後の副反応が、発熱、寒気、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み、動悸、息切れ、むくみ、、咳、痙攣、倦怠感、胸部不快感、味覚障害、脱毛、発赤・紅斑、吐き気、嘔吐、疲労感、癲癇、麻痺、リンパ節の腫れ、脳症、肝機能障害、意識障害、発語障害、四肢のしびれ、アナフィラキシー、摂取部の腫れ、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性ミオパチー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギランバレー症候群、精神運動発達遅延、筋痛性脳脊椎炎/慢性疲労症候群様の症状、および、これらの症状に伴う生活の質(Quality of Life)の低下からなる1以上の症状から選択されることを特徴とする(1)に記載の組成物である。
(3)前記ワクチンは、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン(b型ワクチンの略称)、狂犬病ワクチン、コレラワクチン、二種混合ワクチン(DTワクチンジフテリア・破傷風混合)、三種混合ワクチン(DPTワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風混合)、不活化ポリオワクチン(IPV)、四種混合ワクチン(DPT-IPVワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ混合ワクチン)、日本脳炎ワクチン、百日咳ワクチン、肺炎球菌ワクチン(2歳以上、2歳未満の小児用)、A型肝炎ウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、C型肝炎ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)、炭疽菌ワクチン、コレラワクチン、髄膜炎菌ワクチン(流行性髄膜炎、髄膜炎菌性髄膜炎)、腸チフスワクチン、ダニ媒介性脳炎ワクチン、A型肝炎ワクチン(全2回接種型、1回接種型)、二種混合ワクチン混合ワクチン、ジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン、DTaP/Hib=DTP+インフルエンザ桿菌、DTaP/IPV/HiB=DTP+不活化ポリオ+インフルエンザ桿菌、Hep/Hib=B型肝炎+インフルエンザ桿菌、コロナワクチン、新型コロナワクチンから選択されることを特徴とする(1)または(2)に記載の組成物である。
(4)前記水素の濃度が、0より大きく18.5体積%以下である、(1)から(3)のいずれか1つに記載の組成物である。
(5)前記水素の濃度が、0.5体積%以上18.5体積%以下である、(1)から(4)のいずれかひとつに記載の組成物である。
(6)前記組成物が、吸入によって前記被験体に投与される、(1)から(5)のいずれかひとつに記載の組成物である。
(7)前記被験体がヒトを含む哺乳類である、(1)から(6)のいずれかひとつに記載の組成物である。
(8)前記(1)から(7)のいずれかひとつに記載の組成物を作製する方法であって、前記組成物が水素ガス生成装置を用いて作製されることを特徴とする方法である。
本発明により、水素ガスによってワクチン接種後の副反応を予防、または、改善することができる。
本発明をさらに詳細に説明する。
1.ワクチン接種後の副反応
本発明におけるワクチン接種後の副反応には、発熱、寒気、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み、動悸、息切れ、むくみ、、咳、痙攣、倦怠感、胸部不快感、味覚障害、脱毛、発赤・紅斑、吐き気、嘔吐、疲労感、癲癇、麻痺、リンパ節の腫れ、脳症、肝機能障害、意識障害、発語障害、四肢のしびれ、アナフィラキシー、摂取部の腫れ、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性ミオパチー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギランバレー症候群、精神運動発達遅延、筋痛性脳脊椎炎/慢性疲労症候群様の症状、および、これらの症状に伴う生活の質(Quality of Life)の低下などが含まれる。本発明におけるワクチン接種後の副反応には、ウイルス等の感染によって発症した症状の後遺症は含まれない。
本発明におけるワクチンには、病原体から作られた無毒化あるいは弱毒化された抗原そのもの、病原体を基にデザインされたmRNAやDNAの遺伝子配列を化学合成したもの(遺伝子ワクチン)、遺伝子組み換え技術によって大量発現されたタンパク質(遺伝子組み換えワクチン)、ウイルスベクターワクチン、が含まれる。
本発明におけるワクチンとしては、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン(インフルエンザ桿菌b型ワクチンの略称)、狂犬病ワクチン、コレラワクチン、二種混合ワクチン(DTワクチンジフテリア・破傷風混合)、三種混合ワクチン(DPTワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風混合)、不活化ポリオワクチン(IPV)、四種混合ワクチン(DPT-IPVワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ混合ワクチン)、日本脳炎ワクチン、百日咳ワクチン、肺炎球菌ワクチン(2歳以上、2歳未満の小児用)、A型肝炎ウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、C型肝炎ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)、炭疽菌ワクチン、コレラワクチン、髄膜炎菌ワクチン(流行性髄膜炎、髄膜炎菌性髄膜炎)、腸チフスワクチン、ダニ媒介性脳炎ワクチン、A型肝炎ワクチン(全2回接種型、1回接種型)、二種混合ワクチン混合ワクチン、ジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン、DTaP/Hib=DTP+インフルエンザ桿菌、DTaP/IPV/HiB=DTP+不活化ポリオ+インフルエンザ桿菌、Hep/Hib=B型肝炎+インフルエンザ桿菌、コロナワクチン、新型コロナワクチンが含まれる。
本明細書中、本発明の組成物の有効成分である「水素」は分子状水素(すなわち、気体状水素)であり、特に断らない限り、単に「水素」又は「水素ガス」と称する。また、本明細書中で使用する用語「水素」は、分子式でH、D(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスを指す。Dは、高価であるが、Hよりスーパーオキシド消去作用が強いことが知られている。本発明で使用可能な水素は、H、D(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスであり、好ましくはHであり、或いはHに代えて、又はHと混合して、D及び/又はHDを使用してもよい。
水素ガス含有気体は、好ましくは、水素ガスを含む空気又は、水素ガスと酸素ガスを含む混合ガスである。水素ガス含有気体の水素ガスの濃度は、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下であり、ゼロ(0)より大きく、かつ10.0体積%以下がより好ましい。実際に使用するにあたり、例えば、1体積%以上18.5体積%以下、1体積%以上10体積%以下、1体積%以上4体積%以下、など、18.5体積%以下の任意の水素濃度を選択して使用することができる。本発明では、爆発限界以下で水素ガス濃度が高いほどワクチン接種後の副反応を予防、または、改善する効果が大きい傾向がある。水素は、可燃性かつ爆発性ガスであるため、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善においては、安全な条件で本発明の組成物に含有させてワクチン接種後の副反応を発症した患者に投与することが好ましい。
水素ガス以外の気体が空気であるときには、空気の濃度は、例えば81.5~99.5体積%の範囲である。水素ガス以外の気体が酸素ガスを含む気体であるときには、酸素ガスの濃度は、例えば21~99.5体積%の範囲である。
その他の主気体として窒素ガスを含有させることができる。空気中に含有する気体である二酸化炭素などのガスを、空気中の存在量程度の量で含有させてもよい。
本発明では、必要に応じて、水素ガス含有気体の投与と併用して水素溶存液体をワクチン接種後の副反応を発症した患者に投与する、もしくは摂取させることができる。
水素溶存液体と併用投与する場合には、本発明の組成物は、水素溶存液体の投与の前に、水素溶存液体の投与と同時に、又は水素溶存液体の投与の後に投与されうる。
水素溶存液体は、具体的には、水素ガスを溶存させた水性液体であり、ここで、水性液体は、非限定的に、例えば水(例えば滅菌水、精製水)、生理食塩水、緩衝液(例えばpH4~7.4の緩衝液)、エタノール含有水(例えばエタノール含有量0.1~2体積%)、点滴液、輸液、注射溶液、飲料などである。水素溶存液体の水素濃度は、例えば1~10ppm、例えば2~8ppm、3~7ppm、3~6ppm、4~6ppm、4~5ppm、5~10ppm、5~8ppm、6~8ppm、6~7ppmなどである。
水素溶存液体には、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するための医薬品を添加してもよい。或いは、当該医薬品は、水素溶存液体又は水素ガス含有気体の投与と別に投与してもよい。
水素ガス含有気体又は水素溶存液体は、所定の水素ガス濃度になるように配合されたのち、例えば耐圧性の容器(例えば、ステンレスボンベ、アルミ缶、好ましくは内側をアルミフィルムでラミネーションした、耐圧性プラスチックボトル(例えば耐圧性ペットボトル)及びプラスチックバッグ、アルミバッグ、等)に充填される。アルミは水素分子を透過させ難いという性質を有している。或いは、水素ガス含有気体又は水素溶存液体は、投与時に、水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置、例えば、公知のもしくは市販の水素ガス供給装置(水素ガス含有気体の生成用装置)、水素添加器具(水素水生成用装置)、非破壊的水素含有器(例えば点滴液などの生体適用液バッグ内部へ非破壊的に水素ガスを添加するための装置)などの装置を用いてその場で作製されてもよい。
水素ガス供給装置は、水素発生剤(例えば金属アルミニウム、水素化マグネシウム、等)と水の反応により発生する水素ガスを、希釈用ガス(例えば空気、酸素、等)と所定の比率で混合することを可能にする(日本国特許第5228142号公報、等)。あるいは、水の電気分解を利用して発生した水素ガスを、酸素、空気などの希釈用ガスと混合する(日本国特許第5502973号公報、日本国特許第5900688号公報、等)。これによって0.5~18.5体積%の範囲内の水素濃度の水素ガス含有気体を調製することができる。
水素添加器具は、水素発生剤とpH調整剤を用いて水素を発生し、水などの生体適用液に溶存させる装置である(日本国特許第4756102号公報、日本国特許第4652479号公報、日本国特許第4950352号公報、日本国特許第6159462号公報、日本国特許第6170605号公報、特開2017-104842号公報、日本国特許第6159462号公報、等)。水素発生剤とpH調整剤の組み合わせは、例えば、金属マグネシウムと強酸性イオン交換樹脂もしくは有機酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、等)、金属アルミニウム末と水酸化カルシウム粉末、などである。これによって1~10ppm程度の溶存水素濃度の水素溶存液体を調製できる(例えば、商品名「セブンウォーター」(MiZ株式会社)、等)。
非破壊的水素含有器は、点滴液などの市販の生体適用液(例えば、ポリエチレン製バッグなどの水素透過性プラスチックバッグに封入されている。)に水素分子をパッケージの外側から添加する装置又は器具であり、例えばMiZ株式会社から市販されている(http://www.e-miz.co.jp/technology.html)。この装置は、生体適用液を含むバッグを飽和水素水に浸漬することによってバッグ内に水素を透過し濃度平衡に達するまで無菌的に水素を生体適用液に溶解させることができる。当該装置は、例えば電解槽と水槽から構成され、水槽内の水が電解槽と水槽を循環し電解により水素を生成することができる。或いは、簡易型の使い捨て器具は同様の目的で使用することができる(特開2016-112562号公報、等)。この器具は、アルミバッグの中に生体適用液含有プラスチックバッグ(水素透過性バッグ、例えばポリエチレン製バッグ)と水素発生剤(例えば、金属カルシウム、金属マグネシウム/陽イオン交換樹脂、等)を内蔵しており、水素発生剤は例えば不織布(例えば水蒸気透過性不織布)に包まれている。不織布に包まれた水素発生剤を水蒸気などの少量の水で濡らすことによって発生した水素がプラスチックバッグを透過し生体適用液に非破壊的かつ無菌的に溶解される。
上記の装置又は器具を用いて調製された、水素ガス含有気体や水素飽和生体適用液(例えば滅菌水、生理食塩水、点滴液、等)は、ワクチン接種後の副反応を発症した患者に経口的に又は非経口的に投与されうる。
本発明の組成物の別の形態には、ワクチン接種後の副反応を発症した患者に経口投与(もしくは摂取)するように調製された、消化管内で水素の発生を可能にする水素発生剤を含有する剤型(例えば、錠剤、カプセル剤、等)が含まれる。水素発生剤は、例えば食品もしくは食品添加物として承認されている成分によって構成されることが好ましい。
3.ワクチン接種後の副反応の予防、または、改善
本発明は、第2の態様により、ワクチン接種後の副反応を発症した患者に、本発明の組成物を投与することを含む、該患者においてワクチン接種後の副反応を発症した患者を原因とする症状に伴う活動レベルの低下を含む症状を改善および/または症状の悪化を抑制する方法を提供する。
本発明の組成物は、患者のQOL(生活の質)の改善を可能にする。
本発明の組成物をワクチン接種後の副反応を発症した患者に投与する方法としては、水素ガスを有効成分とするとき、例えば吸入、吸引等による経肺投与が好ましい。ガスを吸入するときには、鼻カニューラや、口と鼻を覆うマスク型の器具を介して口又は鼻からガスを吸入して肺に送り、血液を介して全身に送達することができる。
また、水素溶存液体を患者に投与とするときには、経口投与又は静脈内投与もしくは動脈内投与(点滴を含む)が好ましい。経口投与する水素溶存液体については、好ましくは低温下に保存し、冷却した液体、又は常温で保存した液体をワクチン接種後の副反応を発症した患者に投与してもよい。水素は常温常圧下で約1.6ppm(1.6mg/L)の濃度で水に溶解し、温度による溶解度差が比較的小さいことが知られている。或いは、水素溶存液体は、例えば上記の非破壊的水素含有器を用いて調製された水素ガスを含有させた点滴液又は注射液の形態であるときには、静脈内投与、動脈内投与などの非経口投与経路によってワクチン接種後の副反応を発症した患者に投与してもよい。
上記水素濃度の水素ガス含有気体又は上記溶存水素濃度の水素溶存液体を1日あたり1回又は複数回(例えば2~3回)、1週間~3か月又はそれ以上の期間、例えば1週間~6か月又はそれ以上にわたりワクチン接種後の副反応を発症した患者の身体に投与することができる。水素ガス含有気体が投与されるときには、1回あたり例えば10分~2時間もしくはそれ以上、好ましくは20分~40分もしくはそれ以上、さらに好ましくは30分~2時間かけて投与することができる。また、水素ガス含有気体を吸入、吸引等によって経肺投与するときには、大気圧環境下で、或いは、例えば標準大気圧(約1.013気圧をいう。)を超える且つ7.0気圧以下の範囲内の高気圧、例えば1.02~7.0気圧、好ましくは1.02~5.0気圧、より好ましくは1.02~4.0気圧、さらに好ましくは1.02~1.35気圧の範囲内の高気圧環境下でワクチン接種後の副反応を発症した患者に当該気体を投与することができる。高気圧環境下での投与によってワクチン接種後の副反応を発症した患者での水素の体内吸収が促進されうる。
上記高気圧環境は、内部に、例えば上記水素ガス含有気体(例えば、水素含有酸素又は空気)を圧入して標準大気圧を超える且つ7.0気圧以下の高気圧を内部に形成することが可能である、十分な強度をもつように設計された高気圧筐体(例えば、カプセル状筐体)の使用によって作ることができる。高気圧筐体の形状は、耐圧性であるため、全体的に角がない丸みを帯びていることが好ましい。また高気圧筐体の材質は、軽量、高強度であることが好ましく、例えば強化プラスチック、炭素繊維複合材、チタン合金、アルミ合金などを挙げることができる。ワクチン接種後の副反応を発症した患者は、上記高気圧筐体内で酸素ガスもしくは空気とともに水素ガスを含む、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するのための組成物の投与を受けることができる。
本発明の組成物によるワクチン接種後の副反応の処置の際には、十分な治療効果と安全性が確認された水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置(例えば、上記の水素ガス供給装置(もしくは気体状水素吸入装置)、水素添加器具(もしくは水素水生成装置)、非破壊的水素含有器(水素透過性バッグに封入された点滴液などの生体適用液に非破壊的に水素ガスを溶解する装置)などの装置)を使用することが望ましい。
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
水素ガス吸入によるワクチン接種後の副反応の抑制
47歳男性は、2018年4月頃より、水素ガス吸入を習慣としていた。使用していた水素ガス吸入機は、MiZ株式会社製のMHG-2000α(水素ガス濃度6~8体積%)で、一日あたり少なくとも1時間、吸入時間が長い日には5時間~6時間吸入していた。水素ガスの吸入は、吸入できない期間はあるものの、おおよそ1週間あたり少なくとも2日以上は行っていた。2021年6月に渡米先でヤンセン社の単回接種の新型コロナワクチンを接種した。この男性は、水素ガスを吸入する以前の2017年にインフルエンザの予防接種を行ったところ、3日間以上におよび発熱、悪寒、関節の痛み、発汗、摂取部の腫れなどに悩まされていたので、新型コロナワクチンでも同様の症状が出ることを恐れ、摂取後は自宅で安静に水素ガスを吸入し、就寝時にも吸入を継続した。深夜に、悪寒を感じたが、以前、インフルワクチンを受けた時よりも症状が軽いことに気が付いた。悪寒は翌朝には引いており、翌日は通常通り勤務に就いた。当該男性は、日ごろの水素ガスの吸入がワクチンの副作用の予防となり、症状が軽く済んだことを確信した。
水素ガス吸入によるワクチン接種後のワクチン関連脳症の改善
18歳男性は2021年10月にモデルな社製の新型コロナワクチンの1回目を摂取した。接種後より男性は、めまい、ふらつき、歩行困難、頭痛の症状が現れた。2か所の大学病院でMRIと血液検査を受けたが異常は確認できなかった。国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)で受診したところ、ワクチン関連脳症と診断を受けた。脳炎や自己免疫疾患の可能性があるが、詳細は不明であり、治療法はなかった。医師の紹介で水素ガス吸入療法を開始した。水素ガス吸入機はMiZ株式会社製のJobs-α(水素濃度4体積%-6体積%)で1日当たり3時間~4時間程度吸入を行った。吸入開始から1週間で、頭痛、ふらつきの症状が軽減し、3週間で頭痛、ふらつきがさらに改善し、歩行困難、めまいも軽減した。以後、さらなる改善を期待して吸入を継続している。
70歳女性、2020年10月にインフルエンザHAワクチンを接種した。2020年12月上旬に肺炎球菌ワクチンを接種したところ、ふらつきと下肢にしびれを発症し、ギラン・バレー症候群を発症した。同年12月下旬に歩行困難となる。知人の紹介でMiZ株式会社製のJobs-α(水素濃度4体積%-6体積%)により水素の吸入を開始した。吸入開始から2週間で、ふらつきが改善し、独歩可能となった。吸入開始から3週間で下肢のしびれが改善した。
本発明は、ワクチン接種後の副反応に対し水素を投与するだけでワクチン接種後の副反応を予防、または、改善することを可能にする。水素自体に、副作用が知られていないため、患者のQOLを高めることができる。

Claims (7)

  1. 水素を有効成分として含む、ヒトにおいて、ワクチン接種後の副反応を予防、または、改善するための組成物。
  2. 前記ワクチン接種後の副反応が、発熱、寒気、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み、動悸、息切れ、むくみ、、咳、痙攣、倦怠感、胸部不快感、味覚障害、脱毛、発赤・紅斑、吐き気、嘔吐、疲労感、癲癇、麻痺、リンパ節の腫れ、脳症、肝機能障害、意識障害、発語障害、四肢のしびれ、アナフィラキシー、摂取部の腫れ、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性ミオパチー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギランバレー症候群、精神運動発達遅延、筋痛性脳脊椎炎/慢性疲労症候群様の症状、および、これらの症状に伴う生活の質(Quality of Life)の低下からなる1以上の症状から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ワクチンは、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン(b型ワクチンの略称)、狂犬病ワクチン、コレラワクチン、二種混合ワクチン(DTワクチンジフテリア・破傷風混合)、三種混合ワクチン(DPTワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風混合)、不活化ポリオワクチン(IPV)、四種混合ワクチン(DPT-IPVワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ混合ワクチン)、日本脳炎ワクチン、百日咳ワクチン、肺炎球菌ワクチン(2歳以上、2歳未満の小児用)、A型肝炎ウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、C型肝炎ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)、炭疽菌ワクチン、コレラワクチン、髄膜炎菌ワクチン(流行性髄膜炎、髄膜炎菌性髄膜炎)、腸チフスワクチン、ダニ媒介性脳炎ワクチン、A型肝炎ワクチン(全2回接種型、1回接種型)、二種混合ワクチン混合ワクチン、ジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン、DTaP/Hib=DTP+インフルエンザ桿菌、DTaP/IPV/HiB=DTP+不活化ポリオ+インフルエンザ桿菌、Hep/Hib=B型肝炎+インフルエンザ桿菌、コロナワクチン、新型コロナワクチンから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記水素の濃度が、0より大きく18.5体積%以下である、請求項2または3に記載の組成物。
  5. 前記水素の濃度が、0.5体積%以上18.5体積%以下である、請求項2または3に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、吸入によって前記ヒトに投与される、請求項2または3に記載の組成物。
  7. 前記請求項2または3に記載の組成物を作製する方法であって、前記組成物が水素ガス生成装置を用いて作製されることを特徴とする方法。
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