JP2021138678A - 遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 - Google Patents
遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021138678A JP2021138678A JP2020055070A JP2020055070A JP2021138678A JP 2021138678 A JP2021138678 A JP 2021138678A JP 2020055070 A JP2020055070 A JP 2020055070A JP 2020055070 A JP2020055070 A JP 2020055070A JP 2021138678 A JP2021138678 A JP 2021138678A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- syndrome
- hydrogen
- composition according
- disease
- volume
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K33/00—Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/007—Pulmonary tract; Aromatherapy
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/24—Antidepressants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/28—Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Neurology (AREA)
- Neurosurgery (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Psychiatry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Hospice & Palliative Care (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Pain & Pain Management (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
【課題】遺伝子疾患を予防および/または改善するための組成物を提供する。【解決手段】分子状水素を有効成分として含む、被験体において、遺伝子疾患と遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善するための組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、被験体において、遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物を提供する。
遺伝子疾患とは、遺伝子の異常が原因となって起きる疾患で、例えば、21番染色体のトリソミーとなることによって発症する先天性染色体異常はダウン症として知られる。ダウン症等の先天性遺伝子疾患の症状は精神発達障害や知的障害など多岐にわたり、ダウン症の場合75%のダウン症の人々は60代でアルツハイマー症認知症を発症することが知られているが、確立された治療方法はないため、患者や患者の家族はQOLの喪失するケースが多い。
本発明の有効成分である水素は、活性酸素種に起因する酸化ストレスを抑制する抗酸化反応性を有し、難治性のがん、呼吸器疾患など様々な疾患に対して改善効果を示すことが知られている(非特許文献1、特許文献1)。MiZ株式会社は、水素分子はミトコンドリア内部に容易に到達できることから、水素はミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを選択的に消去する最も有効な手段であるという学説を提唱している。しかしながら、水素による遺伝子疾患、および、それらの遺伝子疾患に伴う症状を予防、改善する効果が確認された前例はない。
本発明の有効成分である水素は、活性酸素種に起因する酸化ストレスを抑制する抗酸化反応性を有し、難治性のがん、呼吸器疾患など様々な疾患に対して改善効果を示すことが知られている(非特許文献1、特許文献1)。MiZ株式会社は、水素分子はミトコンドリア内部に容易に到達できることから、水素はミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを選択的に消去する最も有効な手段であるという学説を提唱している。しかしながら、水素による遺伝子疾患、および、それらの遺伝子疾患に伴う症状を予防、改善する効果が確認された前例はない。
Malcolm Dole,F.Ray Wilson,William P.Fife;Science,New Series,Vol.190,No.4210(Oct.10,1975),pp.152−154
遺伝子疾患と当該遺伝子疾患に伴う症状を予防および/または改善することができるならば、患者の苦痛を軽減し、かつ生活の質を改善することができるだけでなく、医療費の削減にも貢献できるだろうと考えられる。上記のとおり、遺伝子疾患と当該遺伝子疾患に伴う症状を予防および/または改善に有用な成分もしくは物質は、ほとんど知られていない。
このような状況下で、本発明の目的は、分子状水素を使用することによって遺伝子疾患を予防および/または改善し、及び/又は、遺伝子疾患と関連する症状の改善を促進することである。
このような状況下で、本発明の目的は、分子状水素を使用することによって遺伝子疾患を予防および/または改善し、及び/又は、遺伝子疾患と関連する症状の改善を促進することである。
すなわち、本発明は、以下の特徴を包含する。
(1)分子状水素を有効成分として含む、被験体において、遺伝子疾患と当該遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善するための組成物である。
(2)前記遺伝子疾患が、染色体異常、および/または、ミトコンドリアDNAの異常に関連する疾患であることを特徴とする、(1)に記載の組成物である。
(3)前記遺伝子疾患が、ダウン症候群、ウィルソン病、エドワーズ症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アペール症候群、クルーゾン症候群、22q11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、ローレンス・ムーン・ビドール症候群、プラダ−・ウィリ症候群、アングレマン症候群、カルマン症候群、エルカディ・具ティエール症候群、ミラー・ディカー症候群、ルビンシュタイン・ティビ症候群、コルネリア・デランゲ症候群、ネコ鳴き症候群、スーパー女性、スーパー男性、および、ミトコンドリア病からなる群から選択される疾患であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の組成物である。
(4)前記遺伝子疾患に関連する症状が、身体発達の遅延、知的障害、記憶障害、精神発達遅滞、甲状腺障害、早期閉経、早老、身体の奇形、臓器の奇形、心疾患、うつ病、白血病、斜視、甲状腺異常、および、それらの症状に伴うQOLの喪失からなる群から1つまたは2つ以上選択される症状であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の組成物である。
(5)前記分子状水素を含む液体又は気体である、(1)から(4)のいずれか1つに記載の組成物である。
(6)前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、(5)に記載の組成物である。
(7)前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、(5)に記載の組成物である。
(8)前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物である。
(9)水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の組成物である。
(1)分子状水素を有効成分として含む、被験体において、遺伝子疾患と当該遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善するための組成物である。
(2)前記遺伝子疾患が、染色体異常、および/または、ミトコンドリアDNAの異常に関連する疾患であることを特徴とする、(1)に記載の組成物である。
(3)前記遺伝子疾患が、ダウン症候群、ウィルソン病、エドワーズ症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アペール症候群、クルーゾン症候群、22q11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、ローレンス・ムーン・ビドール症候群、プラダ−・ウィリ症候群、アングレマン症候群、カルマン症候群、エルカディ・具ティエール症候群、ミラー・ディカー症候群、ルビンシュタイン・ティビ症候群、コルネリア・デランゲ症候群、ネコ鳴き症候群、スーパー女性、スーパー男性、および、ミトコンドリア病からなる群から選択される疾患であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の組成物である。
(4)前記遺伝子疾患に関連する症状が、身体発達の遅延、知的障害、記憶障害、精神発達遅滞、甲状腺障害、早期閉経、早老、身体の奇形、臓器の奇形、心疾患、うつ病、白血病、斜視、甲状腺異常、および、それらの症状に伴うQOLの喪失からなる群から1つまたは2つ以上選択される症状であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の組成物である。
(5)前記分子状水素を含む液体又は気体である、(1)から(4)のいずれか1つに記載の組成物である。
(6)前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、(5)に記載の組成物である。
(7)前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、(5)に記載の組成物である。
(8)前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物である。
(9)水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の組成物である。
本発明は、被験体において、遺伝子疾患を予防および/または改善することができる。また、本発明に係る組成物を被験体に投与することにより、難治性の敗血症をも改善できる。
本発明をさらに詳細に説明する。
1.遺伝子疾患を予防および/または改善するための組成物
本発明は、分子状水素を有効成分として含む、遺伝子疾患と遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善を促進するための組成物を提供する。
本明細書中「遺伝子疾患」とは、遺伝子の異常が原因となって起きる疾患の総称をいう。
本明細書中「遺伝子疾患」は、染色体またはミトコンドリアDNAの異常を原因とする先天的または後天的な疾病のことをいい、ダウン症候群、ウィルソン病、エドワーズ症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アペール症候群、クルーゾン症候群、22q11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、ローレンス・ムーン・ビドール症候群、プラダ−・ウィリ症候群、アングレマン症候群、カルマン症候群、エルカディ・具ティエール症候群、ミラー・ディカー症候群、ルビンシュタイン・ティビ症候群、コルネリア・デランゲ症候群、ネコ鳴き症候群、スーパー女性、スーパー男性、および、ミトコンドリア病を含む。
本明細書中「遺伝子疾患に関連する症状」とは、身体発達の遅延、知的障害、記憶障害、精神発達遅滞、甲状腺障害、早期閉経、早老、身体の奇形、臓器の奇形、心疾患、うつ病、白血病、斜視、甲状腺異常のことをいい、それらの症状に伴うQOLの喪失を含む。
本明細書中「水素による遺伝子疾患の予防」とは、父親、母親が妊娠に備えて、妊娠前または妊娠中に水素ガスの吸入、水素水の経口摂取、水素含有生理食塩水を点滴等により身体に分子状水素を取り込むことによって、発生し得る遺伝子変異を予防することをいう。
本明細書中「難治性の遺伝子疾患」とは、現代の医学、製薬業界から製造販売されているすべての医薬品でも改善、回復が不可能または困難であり、治療方法についてもエビデンスが低く確立されていない遺伝子疾患のことをいう。
本明細書中「被験体」という用語は、哺乳動物、例えば、ヒトを含む霊長類、イヌ、ネコなどのペット動物、動物園などの観賞用動物などを含む。好ましい被験体はヒトである。
本明細書中、本発明の組成物の有効成分である「水素」は分子状水素(すなわち、気体状水素もしくは水素ガス)であり、特に断らない限り、単に「水素」又は「水素ガス」と称する。また、本明細書中で使用する用語「水素」は、分子式でH2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスを指す。D2は、高価であるが、H2よりスーパーオキシド消去作用が強いことが知られている。本発明で使用可能な水素は、H2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスであり、好ましくはH2であり、或いはH2に代えて、又はH2と混合して、D2及び/又はHDを使用してもよい。
本発明の組成物の好ましい形態は、分子状水素を含む気体又は液体であり、好ましくは分子状水素を含む気体である。
分子状水素を含む気体は、好ましくは、水素ガスを含む空気又は、水素ガスと酸素ガスを含む混合ガスである。分子状水素を含む気体(すなわち、本発明の組成物)の水素ガスの濃度は、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18.5体積%であり、好ましくは1〜10体積%、例えば2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%などである。本発明では、爆発限界以下で水素ガス濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する(例えば抑制又は軽減)を促進する効果が大きい傾向がある。
水素は可燃性かつ爆発性ガスであるため、遺伝子疾患を予防および/または改善するにおいては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましい。
水素ガス以外の気体が空気であるときには、空気の濃度は、例えば81.5〜99.5体積%の範囲である。
水素ガス以外の気体が酸素ガスを含む気体であるときには、酸素ガスの濃度は、例えば21〜99.5体積%の範囲である。
その他の主気体として例えば窒素ガスをさらに含有させることができる。
通常の水素ガス吸入療法においては、66%や99%の高濃度の水素ガスによってようやく疾病(癌)に対する改善効果が示されている。しかしながら、本発明においては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましく、0(ゼロ)より大きく18.5%以下の水素低濃度であっても、遺伝子疾患に対して十分な改善効果を示すことができる。
分子状水素を含む液体は、具体的には、水素ガスを溶存させた水性液体であり、ここで、水性液体は、非限定的に、例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、緩衝液(例えばpH4〜7.4の緩衝液)、点滴液、輸液、注射溶液、飲料(例えば、緑茶、紅茶などの茶飲料、果汁、青汁、野菜ジュース、など)などである。分子状水素を含む液体の水素濃度は、非限定的に、例えば1〜10ppm、好ましくは1.2〜9ppm、例えば1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなどである。
本発明では、爆発限界以下で溶存する水素濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する効果が大きい傾向がある。
分子状水素を含む気体又は液体は、所定の水素ガス濃度になるように配合されたのち、例えば耐圧性の容器(例えば、ステンレスボンベ、アルミ缶、好ましくは内側をアルミフィルムでラミネーションした、耐圧性プラスチックボトル(例えば耐圧性ペットボトル)及びプラスチックバッグ、アルミバッグ、等)に充填される。アルミは水素分子を透過させ難いという性質を有している。或いは、分子状水素を含む気体又は分子状水素を含む液体は、投与時に、水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置、例えば、公知のもしくは市販の水素ガス供給装置(分子状水素を含む気体の生成用装置)、水素添加器具(水素水生成用装置)、非破壊的水素含有器(例えば点滴液などの生体適用液バッグ内部へ非破壊的に水素ガスを添加するための装置)などの装置を用いてその場で作製されてもよい。
水素ガス供給装置は、水素発生剤(例えば金属アルミニウム、水素化マグネシウム、等)と水の反応により発生する水素ガスを、希釈用ガス(例えば空気、酸素、等)と所定の比率で混合することを可能にする(日本国特許第5228142号公報、等)。あるいは、水の電気分解を利用して発生した水素ガスを、酸素、空気などの希釈用ガスと混合する(日本国特許第5502973号公報、日本国特許第5900688号公報、等)。これによって、例えば0.5〜18.5体積%の範囲内の水素濃度の分子状水素を含む気体を調製することができる。
水素添加器具は、水素発生剤とpH調整剤を用いて水素を発生し、水などの生体適用液に溶存させる装置である(日本国特許第4756102号公報、日本国特許第4652479号公報、日本国特許第4950352号公報、日本国特許第6159462号公報、日本国特許第6170605号公報、特開2017−104842号公報、等)。水素発生剤とpH調整剤の組み合わせは、例えば、金属マグネシウムと強酸性イオン交換樹脂もしくは有機酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、等)、金属アルミニウム末と水酸化カルシウム粉末、などである。これによって、例えば1〜10ppm程度の溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を調製できる。
非破壊的水素含有器は、点滴液などの市販の生体適用液(例えば、ポリエチレン製バッグなどの水素透過性プラスチックバッグに封入されている。)に水素ガスをパッケージの外側から添加する装置又は器具であり、例えばMiZ(株)から市販されている(http://www.e−miz.co.jp/technology.html)。この装置は、生体適用液を含むバッグを飽和水素水に浸漬することによってバッグ内に水素を透過し濃度平衡に達するまで無菌的に水素を生体適用液に溶解させることができる。当該装置は、例えば電解槽と水槽から構成され、水槽内の水が電解槽と水槽を循環し電解により水素を生成することができる。或いは、簡易型の使い捨て器具は同様の目的で使用することができる(特開2016−112562号公報、等)。この器具は、アルミバッグの中に生体適用液含有プラスチックバッグ(水素透過性バッグ、例えばポリエチレン製バッグ)と水素発生剤(例えば、金属カルシウム、金属マグネシウム/陽イオン交換樹脂、等)を内蔵しており、水素発生剤は例えば不織布(例えば水蒸気透過性不織布)に包まれている。不織布に包まれた水素発生剤を水蒸気などの少量の水で濡らすことによって発生した水素が生体適用液に非破壊的かつ無菌的に溶解される。
或いは、精製水素ガスボンベ、精製酸素ガスボンベもしくは精製空気ボンベを用意し、所定の水素濃度、所定の酸素もしくは空気濃度になるように調整した分子状水素を含む気体や液体を作製してもよい。
上記の装置又は器具を用いて調製された、分子状水素を含む気体や分子状水素を含む液体(例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、点滴液、等)は、遺伝子疾患の被験体に、経口的に又は非経口的に投与されうる。
本発明の組成物の別の形態には、被験体に経口投与(もしくは摂取)するように調製された、消化管内で水素の発生を可能にする水素発生剤を含有する剤型(例えば、錠剤、カプセル剤、等)が含まれる。水素発生剤は、例えば食品もしくは食品添加物として承認されている成分によって構成されることが好ましい。
本発明の組成物を被験体に投与する方法としては、分子状水素を有効成分とするとき、例えば吸入、吸引等による投与、例えば経肺投与が好ましい、また、分子状水素を含む液体を有効成分とするとき経口投与又は静脈内投与(点滴を含む)が好ましい。ガスを吸入するときには、鼻カニューラや、口と鼻を覆うマスク型の器具を介して口又は鼻からガスを吸入して肺に送り、血液を介して全身に送達することができる。
経口投与する分子状水素を含む液体については、冷却した液体又は常温で保存した液体を被験体に投与してもよい。水素は常温常圧下で約1.6ppm(1.6mg/L)の濃度で水に溶解し、温度による溶解度差が比較的小さいことが知られている。或いは、分子状水素を含む液体は、例えば上記の非破壊的水素含有器を用いて調製された水素ガスを含有させた点滴液又は注射液の形態であるときには、静脈内投与、動脈内投与などの非経口投与経路によって被験体に投与してもよい。
上記水素濃度の分子状水素を含む気体又は上記溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を1日あたり1回又は複数回(例えば2〜3回)、1週間〜3か月又はそれ以上の期間、例えば1週間〜6か月又はそれ以上(例えば、1年以上、2年以上、など)にわたりヒトに投与することができる。分子状水素を含む気体が投与されるときには、1回あたり少なくとも30分吸入することが好ましい。吸入時間は長いほど改善効果があることから、例えば、30分から1時間、1時間から2時間、2時間から3時間、もしくはそれ以上かけて投与することができる。また、分子状水素を含む気体を吸入又は吸引によって経肺投与するときには、大気圧環境下で、或いは、例えば標準大気圧(約1.013気圧をいう。)を超える且つ7.0気圧以下の範囲内の高気圧、例えば1.02〜7.0気圧、好ましくは1.02〜5.0気圧、より好ましくは1.02〜4.0気圧、さらに好ましくは1.02〜1.35気圧の範囲内の高気圧環境下(分子状水素含有気体を含む)で被験体に当該気体を投与することができる。
2.遺伝子疾患を予防および/または改善するための方法
分子状水素を含む組成物、遺伝子疾患、遺伝子疾患に関連する症状、投与量、投与方法、などについては、上記1.で説明したとおりである。
本発明の方法では、被験体に、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18,5体積%、2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、好ましくは5〜10体積%、5〜8体積%、例えば6〜10体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、の分子状水素を含有する気体(好ましくは、空気もしくは酸素)を1日あたり例えば1〜3時間もしくはそれ以上にわたり吸入又は吸引し、例えば1〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
或いは、本発明の方法では、被験体に、例えば1〜10ppm、1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、好ましくは3〜10ppm、4〜10ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、の分子状水素含有液体を、静脈内投与の場合1回あたり例えば200〜500mL、また経口投与の場合1回あたり例えば500〜1000mLを投与し、例えば0.5〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
本発明の方法はさらに、必要に応じて、遺伝子疾患の治療に用いられる治療薬を併用してもよい。併用することによって、遺伝子疾患を予防および/または改善が高まることが期待される。
1.遺伝子疾患を予防および/または改善するための組成物
本発明は、分子状水素を有効成分として含む、遺伝子疾患と遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善を促進するための組成物を提供する。
本明細書中「遺伝子疾患」とは、遺伝子の異常が原因となって起きる疾患の総称をいう。
本明細書中「遺伝子疾患」は、染色体またはミトコンドリアDNAの異常を原因とする先天的または後天的な疾病のことをいい、ダウン症候群、ウィルソン病、エドワーズ症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アペール症候群、クルーゾン症候群、22q11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、ローレンス・ムーン・ビドール症候群、プラダ−・ウィリ症候群、アングレマン症候群、カルマン症候群、エルカディ・具ティエール症候群、ミラー・ディカー症候群、ルビンシュタイン・ティビ症候群、コルネリア・デランゲ症候群、ネコ鳴き症候群、スーパー女性、スーパー男性、および、ミトコンドリア病を含む。
本明細書中「遺伝子疾患に関連する症状」とは、身体発達の遅延、知的障害、記憶障害、精神発達遅滞、甲状腺障害、早期閉経、早老、身体の奇形、臓器の奇形、心疾患、うつ病、白血病、斜視、甲状腺異常のことをいい、それらの症状に伴うQOLの喪失を含む。
本明細書中「水素による遺伝子疾患の予防」とは、父親、母親が妊娠に備えて、妊娠前または妊娠中に水素ガスの吸入、水素水の経口摂取、水素含有生理食塩水を点滴等により身体に分子状水素を取り込むことによって、発生し得る遺伝子変異を予防することをいう。
本明細書中「難治性の遺伝子疾患」とは、現代の医学、製薬業界から製造販売されているすべての医薬品でも改善、回復が不可能または困難であり、治療方法についてもエビデンスが低く確立されていない遺伝子疾患のことをいう。
本明細書中「被験体」という用語は、哺乳動物、例えば、ヒトを含む霊長類、イヌ、ネコなどのペット動物、動物園などの観賞用動物などを含む。好ましい被験体はヒトである。
本明細書中、本発明の組成物の有効成分である「水素」は分子状水素(すなわち、気体状水素もしくは水素ガス)であり、特に断らない限り、単に「水素」又は「水素ガス」と称する。また、本明細書中で使用する用語「水素」は、分子式でH2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスを指す。D2は、高価であるが、H2よりスーパーオキシド消去作用が強いことが知られている。本発明で使用可能な水素は、H2、D2(重水素)、HD(重水素化水素)、又はそれらの混合ガスであり、好ましくはH2であり、或いはH2に代えて、又はH2と混合して、D2及び/又はHDを使用してもよい。
本発明の組成物の好ましい形態は、分子状水素を含む気体又は液体であり、好ましくは分子状水素を含む気体である。
分子状水素を含む気体は、好ましくは、水素ガスを含む空気又は、水素ガスと酸素ガスを含む混合ガスである。分子状水素を含む気体(すなわち、本発明の組成物)の水素ガスの濃度は、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18.5体積%であり、好ましくは1〜10体積%、例えば2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%などである。本発明では、爆発限界以下で水素ガス濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する(例えば抑制又は軽減)を促進する効果が大きい傾向がある。
水素は可燃性かつ爆発性ガスであるため、遺伝子疾患を予防および/または改善するにおいては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましい。
水素ガス以外の気体が空気であるときには、空気の濃度は、例えば81.5〜99.5体積%の範囲である。
水素ガス以外の気体が酸素ガスを含む気体であるときには、酸素ガスの濃度は、例えば21〜99.5体積%の範囲である。
その他の主気体として例えば窒素ガスをさらに含有させることができる。
通常の水素ガス吸入療法においては、66%や99%の高濃度の水素ガスによってようやく疾病(癌)に対する改善効果が示されている。しかしながら、本発明においては、ヒトなどの被験体に安全な条件で本発明の組成物に水素を含有させて被験体に投与することが好ましく、0(ゼロ)より大きく18.5%以下の水素低濃度であっても、遺伝子疾患に対して十分な改善効果を示すことができる。
分子状水素を含む液体は、具体的には、水素ガスを溶存させた水性液体であり、ここで、水性液体は、非限定的に、例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、緩衝液(例えばpH4〜7.4の緩衝液)、点滴液、輸液、注射溶液、飲料(例えば、緑茶、紅茶などの茶飲料、果汁、青汁、野菜ジュース、など)などである。分子状水素を含む液体の水素濃度は、非限定的に、例えば1〜10ppm、好ましくは1.2〜9ppm、例えば1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなどである。
本発明では、爆発限界以下で溶存する水素濃度が高いほど、或いは1日あたりの水素投与量が高いほど、遺伝子疾患を予防および/または改善する効果が大きい傾向がある。
分子状水素を含む気体又は液体は、所定の水素ガス濃度になるように配合されたのち、例えば耐圧性の容器(例えば、ステンレスボンベ、アルミ缶、好ましくは内側をアルミフィルムでラミネーションした、耐圧性プラスチックボトル(例えば耐圧性ペットボトル)及びプラスチックバッグ、アルミバッグ、等)に充填される。アルミは水素分子を透過させ難いという性質を有している。或いは、分子状水素を含む気体又は分子状水素を含む液体は、投与時に、水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置、例えば、公知のもしくは市販の水素ガス供給装置(分子状水素を含む気体の生成用装置)、水素添加器具(水素水生成用装置)、非破壊的水素含有器(例えば点滴液などの生体適用液バッグ内部へ非破壊的に水素ガスを添加するための装置)などの装置を用いてその場で作製されてもよい。
水素ガス供給装置は、水素発生剤(例えば金属アルミニウム、水素化マグネシウム、等)と水の反応により発生する水素ガスを、希釈用ガス(例えば空気、酸素、等)と所定の比率で混合することを可能にする(日本国特許第5228142号公報、等)。あるいは、水の電気分解を利用して発生した水素ガスを、酸素、空気などの希釈用ガスと混合する(日本国特許第5502973号公報、日本国特許第5900688号公報、等)。これによって、例えば0.5〜18.5体積%の範囲内の水素濃度の分子状水素を含む気体を調製することができる。
水素添加器具は、水素発生剤とpH調整剤を用いて水素を発生し、水などの生体適用液に溶存させる装置である(日本国特許第4756102号公報、日本国特許第4652479号公報、日本国特許第4950352号公報、日本国特許第6159462号公報、日本国特許第6170605号公報、特開2017−104842号公報、等)。水素発生剤とpH調整剤の組み合わせは、例えば、金属マグネシウムと強酸性イオン交換樹脂もしくは有機酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、等)、金属アルミニウム末と水酸化カルシウム粉末、などである。これによって、例えば1〜10ppm程度の溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を調製できる。
非破壊的水素含有器は、点滴液などの市販の生体適用液(例えば、ポリエチレン製バッグなどの水素透過性プラスチックバッグに封入されている。)に水素ガスをパッケージの外側から添加する装置又は器具であり、例えばMiZ(株)から市販されている(http://www.e−miz.co.jp/technology.html)。この装置は、生体適用液を含むバッグを飽和水素水に浸漬することによってバッグ内に水素を透過し濃度平衡に達するまで無菌的に水素を生体適用液に溶解させることができる。当該装置は、例えば電解槽と水槽から構成され、水槽内の水が電解槽と水槽を循環し電解により水素を生成することができる。或いは、簡易型の使い捨て器具は同様の目的で使用することができる(特開2016−112562号公報、等)。この器具は、アルミバッグの中に生体適用液含有プラスチックバッグ(水素透過性バッグ、例えばポリエチレン製バッグ)と水素発生剤(例えば、金属カルシウム、金属マグネシウム/陽イオン交換樹脂、等)を内蔵しており、水素発生剤は例えば不織布(例えば水蒸気透過性不織布)に包まれている。不織布に包まれた水素発生剤を水蒸気などの少量の水で濡らすことによって発生した水素が生体適用液に非破壊的かつ無菌的に溶解される。
或いは、精製水素ガスボンベ、精製酸素ガスボンベもしくは精製空気ボンベを用意し、所定の水素濃度、所定の酸素もしくは空気濃度になるように調整した分子状水素を含む気体や液体を作製してもよい。
上記の装置又は器具を用いて調製された、分子状水素を含む気体や分子状水素を含む液体(例えば水(例えば精製水、滅菌水)、生理食塩水、点滴液、等)は、遺伝子疾患の被験体に、経口的に又は非経口的に投与されうる。
本発明の組成物の別の形態には、被験体に経口投与(もしくは摂取)するように調製された、消化管内で水素の発生を可能にする水素発生剤を含有する剤型(例えば、錠剤、カプセル剤、等)が含まれる。水素発生剤は、例えば食品もしくは食品添加物として承認されている成分によって構成されることが好ましい。
本発明の組成物を被験体に投与する方法としては、分子状水素を有効成分とするとき、例えば吸入、吸引等による投与、例えば経肺投与が好ましい、また、分子状水素を含む液体を有効成分とするとき経口投与又は静脈内投与(点滴を含む)が好ましい。ガスを吸入するときには、鼻カニューラや、口と鼻を覆うマスク型の器具を介して口又は鼻からガスを吸入して肺に送り、血液を介して全身に送達することができる。
経口投与する分子状水素を含む液体については、冷却した液体又は常温で保存した液体を被験体に投与してもよい。水素は常温常圧下で約1.6ppm(1.6mg/L)の濃度で水に溶解し、温度による溶解度差が比較的小さいことが知られている。或いは、分子状水素を含む液体は、例えば上記の非破壊的水素含有器を用いて調製された水素ガスを含有させた点滴液又は注射液の形態であるときには、静脈内投与、動脈内投与などの非経口投与経路によって被験体に投与してもよい。
上記水素濃度の分子状水素を含む気体又は上記溶存水素濃度の分子状水素を含む液体を1日あたり1回又は複数回(例えば2〜3回)、1週間〜3か月又はそれ以上の期間、例えば1週間〜6か月又はそれ以上(例えば、1年以上、2年以上、など)にわたりヒトに投与することができる。分子状水素を含む気体が投与されるときには、1回あたり少なくとも30分吸入することが好ましい。吸入時間は長いほど改善効果があることから、例えば、30分から1時間、1時間から2時間、2時間から3時間、もしくはそれ以上かけて投与することができる。また、分子状水素を含む気体を吸入又は吸引によって経肺投与するときには、大気圧環境下で、或いは、例えば標準大気圧(約1.013気圧をいう。)を超える且つ7.0気圧以下の範囲内の高気圧、例えば1.02〜7.0気圧、好ましくは1.02〜5.0気圧、より好ましくは1.02〜4.0気圧、さらに好ましくは1.02〜1.35気圧の範囲内の高気圧環境下(分子状水素含有気体を含む)で被験体に当該気体を投与することができる。
2.遺伝子疾患を予防および/または改善するための方法
分子状水素を含む組成物、遺伝子疾患、遺伝子疾患に関連する症状、投与量、投与方法、などについては、上記1.で説明したとおりである。
本発明の方法では、被験体に、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下、例えば0.5〜18,5体積%、2〜10体積%、2〜9体積%、2〜8体積%、3〜10体積%、3〜9体積%、3〜8体積%、3〜7体積%、3〜6体積%、4〜10体積%、4〜9体積%、4〜8体積%、4〜7体積%、4〜6体積%、4〜5体積%、5〜10体積%、5〜9体積%、5〜8体積%、6〜10体積%、6〜9体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、好ましくは5〜10体積%、5〜8体積%、例えば6〜10体積%、6〜8体積%、6〜7体積%など、の分子状水素を含有する気体(好ましくは、空気もしくは酸素)を1日あたり例えば1〜3時間もしくはそれ以上にわたり吸入又は吸引し、例えば1〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
或いは、本発明の方法では、被験体に、例えば1〜10ppm、1.5〜9ppm、1.5〜8ppm、1.5〜7ppm、1.5〜6ppm、1.5〜5ppm、1.5〜4ppm、2〜10ppm、2〜9ppm、2〜8ppm、2〜7ppm、2〜6ppm、2〜5ppm、3〜10ppm、3〜9ppm、3〜8ppm、3〜7ppm、4〜10ppm、4〜9ppm、4〜8ppm、4〜7ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、好ましくは3〜10ppm、4〜10ppm、5〜10ppm、5〜9ppm、5〜8ppm、5〜7ppmなど、の分子状水素含有液体を、静脈内投与の場合1回あたり例えば200〜500mL、また経口投与の場合1回あたり例えば500〜1000mLを投与し、例えば0.5〜3か月もしくはそれ以上、4〜7か月もしくはそれ以上、1〜3年もしくはそれ以上継続することができる。
本発明の方法はさらに、必要に応じて、遺伝子疾患の治療に用いられる治療薬を併用してもよい。併用することによって、遺伝子疾患を予防および/または改善が高まることが期待される。
以下の実施例を参照しながら本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって制限されないものとする。
<水素吸入による遺伝子疾患改善の症例>
ダウン症と診断された7歳の男性の患者は、軽度の認知障害を発症し、うつ症状のため外出ができなかった。また、皮膚はダウン症特有の早老のためシワが出現していた。当該患者は、MiZ株式会社製の水素ガス吸入機「Jobs−α」(水素濃度4−6%、水素量200ml/分)を1か月間、1日1時間から3時間吸入を開始したところ、うつ症状が改善し、外出ができるようになった。また、皮膚に張りが出て、シワが目立たなくなった。学習意欲も湧くようになった。
ダウン症と診断された7歳の男性の患者は、軽度の認知障害を発症し、うつ症状のため外出ができなかった。また、皮膚はダウン症特有の早老のためシワが出現していた。当該患者は、MiZ株式会社製の水素ガス吸入機「Jobs−α」(水素濃度4−6%、水素量200ml/分)を1か月間、1日1時間から3時間吸入を開始したところ、うつ症状が改善し、外出ができるようになった。また、皮膚に張りが出て、シワが目立たなくなった。学習意欲も湧くようになった。
本発明により、分子状水素を含む組成物を投与することによって、遺伝子疾患を予防および/または改善が可能である。
Claims (9)
- 分子状水素を有効成分として含む、被験体において、遺伝子疾患と当該遺伝子疾患に関連する症状を予防および/または改善するための組成物。
- 前記遺伝子疾患が、染色体異常、および/または、ミトコンドリアDNAの異常に関連する疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記遺伝子疾患が、ダウン症候群、ウィルソン病、エドワーズ症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アペール症候群、クルーゾン症候群、22q11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、ローレンス・ムーン・ビドール症候群、プラダ―・ウィリ症候群、アングレマン症候群、カルマン症候群、エルカディ・具ティエール症候群、ミラー・ディカー症候群、ルビンシュタイン・ティビ症候群、コルネリア・デランゲ症候群、ネコ鳴き症候群、スーパー女性、スーパー男性、および、ミトコンドリア病からなる群から選択される疾患であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記遺伝子疾患に関連する症状が、身体発達の遅延、知的障害、記憶障害、精神発達遅滞、甲状腺障害、早期閉経、早老、身体の奇形、臓器の奇形、心疾患、うつ病、白血病、斜視、甲状腺異常、および、それらの症状に伴うQOLの喪失からなる群から1つまたは2つ以上選択される症状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む液体又は気体である、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む液体が、1〜10ppmの水素濃度を有する、請求項5に記載の組成物。
- 前記分子状水素を含む気体が、ゼロ(0)より大きく、かつ18.5体積%以下の水素濃度を有する、請求項5に記載の組成物。
- 前記被験体が、ヒトを含む哺乳動物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 水素ガス生成装置、水素水生成装置、又は水素ガス添加装置を用いて作製される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020055070A JP2021138678A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
US17/189,973 US20210275576A1 (en) | 2020-03-06 | 2021-03-02 | Molecular hydrogen-containing composition for prevention and/or improvement of genetic disorder |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020055070A JP2021138678A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021138678A true JP2021138678A (ja) | 2021-09-16 |
Family
ID=77555282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020055070A Pending JP2021138678A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210275576A1 (ja) |
JP (1) | JP2021138678A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4140603A1 (en) | 2021-08-27 | 2023-03-01 | Seiko Epson Corporation | Vibration generating device, control method for vibration generating device, and pickup system |
-
2020
- 2020-03-06 JP JP2020055070A patent/JP2021138678A/ja active Pending
-
2021
- 2021-03-02 US US17/189,973 patent/US20210275576A1/en not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4140603A1 (en) | 2021-08-27 | 2023-03-01 | Seiko Epson Corporation | Vibration generating device, control method for vibration generating device, and pickup system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20210275576A1 (en) | 2021-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2022136154A (ja) | 統合失調症治療用組成物 | |
JP2021113239A (ja) | パーキンソン病症状の改善又は予防のための組成物 | |
JP2022065119A (ja) | 薬の副作用、薬の副作用に関連する症状、および/または、治療に伴う副作用を予防および/または改善するための組成物 | |
JP6972449B2 (ja) | 炎症性腸疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP2020002090A (ja) | 水素を含む癌性疼痛の抑制もしくは軽減のための組成物 | |
JP2021138678A (ja) | 遺伝子疾患を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP6628449B1 (ja) | 閉塞性気道疾患の抑制又は軽減のための組成物 | |
US20210268017A1 (en) | Molecular hydrogen-containing composition for prevention and/or improvement of pneumonia | |
JP7455293B2 (ja) | 脳卒中後の後遺症改善のための組成物 | |
JP7414202B2 (ja) | ヒトの肺がん時の肺機能の維持、および/または、ヒトの肺がんに起因する肺機能の低下を改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP7414203B2 (ja) | 痛風の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
JP7220339B1 (ja) | 突発性難聴の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
JP7366331B2 (ja) | 臓器特異的自己免疫疾患を予防および/または改善するのための組成物および方法 | |
JP2021151980A (ja) | 脳炎および/または髄膜炎と当該脳炎および/または髄膜炎に関連する症状を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP7502584B2 (ja) | 骨粗しょう症の予防又は改善をするための分子状水素含有組成物 | |
JP2022049676A (ja) | 慢性炎症を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP2023031249A (ja) | 肺炎を予防および/または改善するための分子状水素含有組成物 | |
JP2024072231A (ja) | 筋萎縮性側索硬化症(als)および/またはalsに関連する症状を予防、または、改善するのための組成物および方法 | |
US20230256007A1 (en) | Composition for improving sequelae of viral infection and/or reducing worsening of symptoms | |
JP2023107764A6 (ja) | ウイルス感染症の後遺症の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 | |
US20230158267A1 (en) | Compositions for improving myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome (me/cfs) and/or fibromyalgia (fm) and/or inhibiting worsening of symptoms | |
JP2023107764A (ja) | ウイルス感染症の後遺症の改善および/または症状の悪化を抑制するのための組成物 |